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今日のあれこれ: 沙羅の花
「ナツツバキ 花 シャラ 2022」
https://youtu.be/KyJliSA38v0
『沙羅の花(しゃらのはな) 晩夏
【子季語】
夏椿、杪羅、姫沙羅
【解説】
ツバキ科の落葉高木。十メートルほどの丈になる。
白い花びらに黄色の蕊をもつ。咲いてもその日のうちに落ちてしまう一日花。
花の形が椿に似ていることから「夏椿」ともいう。釈迦入寂の「沙羅双樹」とは別の木である。
【科学的見解】
シャラノキの標準和名は、ナツツバキである。ナツツバキは、ツバキ科の落葉高木で、本州福島県以南から九州までの山地に自生し、また花が大きくて美しいことから観賞用として庭木や公園木として身近なところにも植栽されている。花は夏に開花し、花弁は白色、黄色の雌しべは付け根で合着して筒状になるため茶筅のような形をしている。近縁種としては、ヒメシャラが知られており、ヒメシャラの花柄は一センチ以下であるのに対して、ナツツバキは一センチから六センチほどになるため、その違いや花冠の大きさ等で区別がつく。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)
沙羅の花の俳句:
・一院の踏み場もあらず沙羅落花 内山芳子
・観音の存す堂なり沙羅の花 國保八江
・縁に座し沙羅の明りに浸りけり 水下節子
・琴の音に耳遊ばせて沙羅の寺 和田一
・居るはずの無い母の声沙羅の花 中山惠子
・一日の花とし沙羅の散る夕べ 大間知山子
日本の寺院では、夏椿のことを沙羅の木と呼び、お釈迦様が入寂の時に咲いていた沙羅双樹として扱っている。
京都の寺院では、夏椿が咲く頃に、「沙羅の花を愛でる会」という行事を開催している。
夏椿の花は、朝咲いて夕べには落ちる一日花なので、人生の儚さをイメージさせる効果もある。
日本で夏椿を沙羅双樹と呼ぶのは勝手だが、お釈迦様が入寂された時に咲いていたインドの「沙羅双樹」と同じものと考えると、それは正しくない。
インド原産の「沙羅双樹」(Shorea robusta)については
Wikipediaに記事がある。
「サラソウジュ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%83%A5
インドの「沙羅双樹」は、どのような木で、どのような花なのかを写真家髙橋修氏が現地まで足を運び、詳細に報告をされている。
「沙羅双樹の花の色は? 野生のサラノキが咲くネパール・ヒマラヤで満開のシャクナゲと共に楽しむ」
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=677
以上のように、日本の「沙羅双樹」とインドの「沙羅双樹」の花の色、花の形は似ても似つかぬものだ。
学問的なことを離れれば、日本では「沙羅の木」は夏椿のこととして、問題はない。
白い花が夕べには落ちて、一面に白い花が散りばめられる光景が、儚くも美しいものと感じられる。
日本人の感性には沙羅の木(夏椿)の方が合っている。
今は亡き母の声が聞こえてくるのは、やはり一面に散り敷かれた白い花の中だからこそだろう。
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最終更新日 : 2022-07-29