2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2) - 菜花亭日乗
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2020-12-20 (Sun)  23:15

2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)


次の幕は、シナリオでは<個性派純米 飲み比べ>になっているが、実際には<今日の贅沢・大吟醸 飲み比べ>の幕を先に行った。
 理由は、参加者から酔ってしまう前に大吟醸を先に飲みたいと言う希望があったそうだ。

だが、記事はシナリオ通りの順番で書いている。


<個性派純米 飲み比べ>

(7)
 白岳仙 真紅 辛口純米 安本酒造 (福井)
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原材料:五百万石 精米歩合:麹米55%、掛米65% 日本酒度:+10 酸度:1.6 酵母:HGS-02(自社保存酵母) アルコール度数:15%

立香はスッキリとして鼻に抜けるが、何か消毒臭のような感じもあるエチル系の香り。酸のふくらみと含み香が来て辛味が来る、主張のある味わいだ。後半にかけての切れが良い。食中酒として幅広く肴に合いそうな印象だ。

この酒だけで言えることではないが、白岳仙の味わいが変わってきていると感じた。
 以前は白岳仙のイメージは、吟醸酒だった。正統派の吟醸酒で福井の酒らしいイメージだった。
 このところ、味わい系の酒に変化しているように感じる。福井は吟醸酒を得意とする蔵が多いので、味わい系を追求する方針になったのかも知れない。


次の(8)はシナリオには1種類しか記載がないが、実際には1年前の熟成酒が追加提供され、1年の垂直飲み比べの趣向になっていた。
 1年の熟成で味わいはどう変わるか。新酒が良いか、熟成酒のほうが良いか、興味深い試みだ。


(8) 純米吟醸 ゆきの美人 山田錦 6号酵母 超辛 2020年11月製造 秋田醸造 (秋田)
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原材料 : 山田錦 精米歩合 : 55% 日本酒度 : +16 酸度 : 1.5 アルール分 : 16% 

甘い入り口。酸はふくらみがあり、次に辛味が来る。微発泡感のシュワシュワッとした辛味もある。味わいの世界というよりスッキリと切れる爽快感に特徴を感じる。


(9)
 純米吟醸 ゆきの美人 山田錦 6号酵母 超辛 2019年11月製造 秋田醸造 (秋田)
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原材料 : 山田錦 精米歩合 : 55% 日本酒度 : +16 酸度 : 1.5 アルール分 : 16% 

口に入れると大きく広がる、炭酸のスパークリングのような感じのシュワシュワが来る。大きく爽やかな世界を持っていて、独自の世界を感じる。利いている内に鼻がムズムズして、クシャミが2回出た、立ち上がって、客席と反対側のカウンターに向かっておしぼりで押さえながら済ませたが、この時節、この揮発性のものは困る、何か異常発酵でもあるのか、炭酸の刺激なのか。

(8)
との利き比べは、去年のもののほうが大きな世界で爽やかさがあり独自の世界が在って面白い。今年のものは、スッキリとして鋭く切れが良い。それぞれの良さを感じた。
「純米吟醸 ゆきの美人 山田錦 6号酵母 超辛」は、新酒は新酒らしいピチピチ感が楽しめ、1年熟成酒は大きな世界とシュワシュワ感の爽やかさがあり、それぞれに楽しめる酒で甲乙はつけ難い、恐らく造りが確りしているのだろう。


次の2本の東一も今年の(10)と去年の(11)の利き比べだ。
(10)
 東一 純米 山田錦 2019BY 202011月製造 五町田酒造 (佐賀)
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原料米 山田錦 精米歩合 64% 日本酒度 ±0 酸度 1.4

立香は乾いたような香り。甘い入り口。含み香も感じる。酸味+辛味+渋味の主張がある。
ぬる燗の提供があり、味わいが纏まっていた、燗向きのお酒だ。


(11)
 東一 純米 山田錦 2018BY 201911月製造 五町田酒造 (佐賀)
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原料米 山田錦 精米歩合 64% 日本酒度 ±0 酸度 1.4

立香は仄かであまり感じない。スッキリとした味わいで、主張を感じる今年の酒と比べ穏やかで飲み易い、1年の熟成の差が大きい酒だ。
この酒もぬる燗の提供があった。穏やかな味わいのふくらみが大きくなり、より良くなった。矢張り燗向きの酒だ。

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年の垂直利き比べは、自分の嗜好では1年熟成の去年のものに軍配を上げたい。


(12)
 玉川 純米 にごり酒 2019BY 木下酒造 (京都) 
麹米:五百万石(京都府、兵庫県) 掛米:コシヒカリ、他 精米歩合 6568% アルコール分 1717.9%
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年寝かせたものが、スポットで入荷したと説明があった、定番酒ではなく限定酒。
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にごり酒で、とろりとした舌触り、酸味と渋味を感じる、中盤まで味の主張が活発、だが後半スッキリと切れる。この味わいの変化は個性的で面白い、ジェットコースターか?

ぬる燗の提供があった。含み香は少し穏やかになるが味わいは変わらない。特に燗をする必要はなさそうだ。



<今日の贅沢・大吟醸 飲み比べ>

(13)
 若竹 おんななかせ 純米大吟醸 大村屋酒造場 (静岡)
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原料米: (麹米)山田錦 (掛米)五百万石  アルコール度:16 酒度:+3.0  酸度:1.3    精米歩合:50% 火入れ

立香は甘い香り。甘い入り口。ふくらみは大きくない。辛味があり、含み香はエチル系のものを感じる。味わいは純米大吟醸としてはやや細い感じだ。


(14)
 瀧自慢 純米大吟醸 瀧自慢酒造 (三重) 
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原料米:伊賀産三重山田錦100% 精米歩合:45% 日本酒度:+4.5 酸度:1.3 酵母:蔵内自家培養酵母 アルコール度数:16度

立香は吟醸香と言うより甘い香り。甘い入り口。スピードのある広がりがあり、ふくらみより切れに特徴があるが、一方世界の大きさは感じる。含み香は程良い吟醸香。
 大きさもあり切れも良い世界で(13)より印象が良かった。


(15)
 松の司 純米大吟醸35 渡船 2019BY 松瀬酒造 (滋賀)
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原料米 滋賀県竜王町産 渡船100% 精米歩合 35% アルコール分 16% 日本酒度 -4  酸度 1.2
酵母 自社酵母。

立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。滑らかな舌触り。味はスッキリとしている。含み香も吟醸香。味のバランス良い。味の強い主張というより慎みのある味わい。後半、早目に切れる。独自の世界を持っていて、それを評価する人には魅力的な酒だ。



<熟・醇・ を飲む>

(16)
 清泉 純米吟醸 生酒 2018BY 久須美酒造 (新潟)
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原料米:五百万石・こしいぶき 精米歩合:55% 日本酒度:+3.0 酸度:1.5 アミノ酸:1.5 アルコール度:15%

(2)
の新酒とこの2年熟成酒との利き比べの趣向。
甘い入り口。とろりとした舌触り。含み香は吟醸香ではなく甘い香り。酸はふくらみが小さくなり、切れが良くなる。
新酒とは違った世界で、これはこれで良い味わいだ。


(17)
 玉川 自然仕込 純米酒(山廃)雄町 無濾過生原酒 201904月製造 木下酒造 (京都)
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米の品種 雄町(岡山県)精米歩合 66% アルコール分 1820.9%

立香は酸味を感じさせるもの+エチル系の香り。酸のふくらみ、辛味の押しがやってきて、活気のある世界。2018BYの造りとは思わせないフレッシュさを保持している。今も生き生きと躍動している味わいだ。玉川らしさが満ちている。

熟成酒らしさより今も生き生きしている味わいで、1年後の20204月製造の利き比べをしてみたいと思う。


(18)
 信濃鶴 純米 しぼりたて 無濾過生原酒 2017BY 長生社 (長野)
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使用米 / 美山錦 精米歩合 / 60% 日本酒度 / 非公開 酸度 / 非公開 alc度数 /1617%

立香は甘い香りが立つ。甘い入り口。酸の厚みがあり、ふくらみも大きい。後半渋味を感じる。
 しぼりたての生酒で、新酒の楽しむための酒で、熟成酒を想定した酒ではないが、特に老ねた香り・味はなく美味しくいただける、


【今日のお酒の感想】

(1)
清泉 純米吟醸の掛け米違いの飲み比べ
 酒米の飲み比べは主要酒米同士、例えば山田錦と雄町のお酒を比較することが多い。しかし、蔵も銘柄も違うことが多いので、最終の味わいが酒米だけの差だけではなく、蔵の造りや酵母や酒米以外の要素が違っていることが味わいの差になっていることは十分あり、飲み比べだけでは酒米の違いだけの差を取り出すことは難しい。

しかし、今日の清泉の利き比べは、蔵、スペック、造り、麹米は同じ、違うのは掛米だけ。掛米が食用米(こしいぶき)と酒米(五百万石)と違うだけなので、酒米を使用する意味を確認できる利き比べだ。

結果は、五百万石を使った夏子物語のふくらみのある味わいの大きさが違うことを実感できた。これは新しい発見だった。


(2)
玉川のお酒3
<乾杯>の玉川 純米吟醸 手つけず原酒 無濾過生原酒
<個性派純米>の玉川 純米 にごり酒 2019BY
<熟・醇・>の玉川 自然仕込 純米酒(山廃)雄町 無濾過生原酒

個人の嗜好は、ふくらみのある大きな味わいで、味の偏りが無くバランスが良い、穏やかに切れて、余韻が残るようなものに惹かれる。
 この嗜好からすると、玉川は味の主張が強く、厚みもあり迫ってくる味わいで、少し引いてしまう。

今日は、玉川の3酒を飲んで、玉川の良さを実感できたように感じた。
 3酒どれも、ダイナミックな味わいで、躍動感があり、しかも後半、スパッと切れるところは同じだ。

しかし、それぞれ個性があり同じ味わいではない。
・「手つけず」の味の粘り・持続は相当にしっこい、これは個性的だ。
・「純米にごり酒」は、にごり酒らしからぬ爽快感の世界で、ダイナミック・活発な味わいの中盤が終わると突然、スパッと切れる、余韻が漂うと言う世界とは異なる。ジェットコースターに乗っているようだ。
・「山廃雄町」は、2018BYの熟成酒だが、ダイナミック・活発な味わいは失っていない、その一方、味の荒々しさに落ち着き・滑らかさがあるように感じた。この酒が、最も玉川らしい酒ではないかと感じた。
 新酒で良し、囲って良しの世界で、へこたれない力強さを持っている。

(3)
ゆきの美人の秋田醸造
 今日は純米吟醸3酒が登場したが、それぞれ良い世界を持っていて、酒蔵の造りの良さを感じた。

・新酒しぼりたて
 純米吟醸は中途半端で何か物足りなさを感じる事が多いが、これは、吟醸香、透明感、ふくらみ、味のバランス、フレッシュ感があり、大吟醸クラスの品位を感じた。
・山田錦 超辛口の新酒と1年熟成酒
 スパークリングのようなシュワシュワ感があり、スカッと切れる爽快感の新酒。1年熟成は、シュワシュワ感を残しながらふくらみのある味わいが大きさを感じさせる。
それぞれ、個性的で面白い味わいだと思う。

乾杯酒は、1種類と相場は決まっている。
今日も乾杯酒は玉川手つけずだった。
だが、ふと思ったのは、乾杯を2種にしてゆきの美人山田錦超辛口でも乾杯できれば、面白いかも知れない。
どちらも爽快だが、味の濃い爽快とシュワシュワの爽快と違った爽快を味わうことが出来る。

4)今日の吟醸酒新酒しぼりたて(2)(6)は、どれも良かった。
特に(2)(3)(4)は吟醸酒らしい香り、広がり、透明感、味わいのバランス、切れの良さが揃っており、吟醸酒らしい世界を感じさせた。
 <今日の贅沢大吟醸>の松の司純米大吟35渡船は別格としても、他の2酒より吟醸酒らしいと感じた。





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最終更新日 : 2021-01-06

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