2020/06/19 日本酒の会sake nagoya 6月例会「雄町」(その1) - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

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2020-06-19 (Fri)  23:55

2020/06/19 日本酒の会sake nagoya 6月例会「雄町」(その1)


地下鉄丸の内駅を出て、護国神社方面に歩く。
久し振りに再開された例会に参加できる嬉しさを確認しながら、この4ヶ月の空虚さを思い出していた。

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月の上旬、コロナはまだ対岸の火事だった。
武漢では感染者が2万を超え、死者も激増、日本にもクルーズ船が横浜に入り感染者が出ていたが、それは船の中の事だった。
 2月例会の後、3月に入ると中国からの渡航者により国内でも感染者が出始め、様相が変わった。
 学校の臨時休校や、専門家会議の3密の回避などの生活に関わる対策が必要になった。
 緊急事態宣言や有名芸能人の急死などを経験し、日本の社会が社会的な活動を停止しなければならないような状況に陥った。

その混乱の中で、この会も、3月、4月、5月と中止せざるを得なくなった。
 毎月の第3金曜日、今月は開催されるだろうかと期待しながら月日が過ぎた。

個人的にも自粛、StayHomeはストレスが多くつらい日々だったが、今日、こうして再開された会に向かって歩いていることは、嬉しいとしか言い様がない。


毎年、6月の例会の頃は、護国神社の紫陽花の花が咲く頃。
会が始まる前に紫陽花を見ることが常だった。

今年も、紫陽花は同じように咲いているか、見に行くことにして、堀端の道を歩く。
 橋を渡り、護国神社の前に出ると、紫陽花の花が見えた。

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鳥居の前の紫陽花は、切られたので小さな株になっていた。

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額紫陽花は変わりがない。

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七変化も楽しめる。

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鳥居から奥は、今までと変わりなく、多くの花が咲いている。

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雨の雫もまだ見える。

護国神社から桜華会館へ通じる道に殉職警察官之碑・殉職消防員之碑が建てられている。
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 その前の紫陽花の赤い色が一際目に映えた。
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紫陽花は、人の世のコロナ騒ぎを余所に、いつもの6月のように変わることなく、彩り豊かに咲いていた。
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月の例会は、これなのだと思った。

会場の「旬彩処かのう」に着いた。
桜華会館のドアを開けて、中にはいると時間は18時、外はまだ明るいのだが、明かりが点灯され、赤ちょうちんも赤い光で招いていた。

いつもは、ガラス戸を開けて中に入るのだが、今日は違っていた。
 目の前の光景は、見慣れた光景なのだが、今日はそうではなく新鮮だった。
 カメラを取り出して、いつもと違う「日常」を記録した。


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帰るべき「日常」が在るとすれば、この場所が必要なのだと、思いながら、ガラス戸を開けて、中にはいった。


まだ開会の19時までには1時間あるが、中では幹事のH氏が今日の出品酒「雄町」を準備していた。

主催者としては、この4ヶ月は、コロナ対策で大変だった筈だ。
 開催の準備はしなければならないが、結果は中止、それが3回も続いた。準備の苦労は毎月続いた筈だ。

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月開催にあたっても、参加者へのメールの中で、会の感染対策の報告と参加者への要請を行っている。

『日本酒の会 sake nagoyaといたしましては、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から
定例会の実施を見合わせてきましたが、
徐々に社会経済活動も再開されつつあることから、
できる限りの対策を講じたうえで、
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月の定例会を実施することとしました。

具体的には、次のような対策を取ったうえで
開催する予定ですので、ご参加の皆様には
ご理解とご協力をお願いいたします。
1
 密接を避けるため、定員を縮小します。
2
 受付時に手指のアルコール消毒をお願いします。
3
 酒談義は控えめに、各自で利き酒に集中してください。
4
 料理は大皿ではなく、個々に提供します。
5
 ランキングの結果発表はホームページで発表します。
6
 新人紹介は当分の間、見合わせます。
7
 席の移動は極力ご遠慮ください。』

いつもとは違う環境の中で、いつもと同じように日本酒を利く機会を提供していただいた、sakenagoyaの幹事さん関係者に感謝したい。


【今日の出品酒】
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月から舞台に登場すべく待機していた10銘柄の雄町たち。
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参加者が50名を超えた2月までは、銘柄数は12だったが、コロナ対策で密を避けるために人数を制限したため10になっている。
 加えて、今日は利き酒の全体評価の公表は、この場では行わず、会の公式サイトで公表となり、最後の恒例の新人参加者の自己紹介も今日は行われなかった。
 やや寂しいが、参加者の安全のためを考えればやむを得ないことだ。

以下、今日の出品酒10銘柄の紹介をする。
(個人的な利き酒の印象、評点を記載しているが、個人の嗜好によるもので、客観性はもとより無いことをお断りする。)



(1)
 東鶴 特別純米 雄町 中汲み (製造2019/10) 東鶴酒造 (佐賀) 
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立香は仄かに甘いもの。甘い入り口、とろりとしている。含み香にやや個性がある。広がり、ふくらみは大きくない。味が中に集まる傾向で味わいの世界が小さい印象。評価7.0



(2)
 純米大吟醸 二兎 備前雄町四十八 火入  (製造2018/07) 丸石醸造 (愛知)
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 立香はあまり感じない。甘い入り口、スッキリとしている。ふくらみ、広がりより、辛味を背景にした切れの良さがある。後半、辛味の他に雑味のようなものを感じる。後口は切れが足りない感じ。評価7.0



(3)
 昇龍蓬莱 きもと純吟 雄町 60 平成29年度醸造 (製造2020/01)  大矢孝酒造 (神奈川)
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 立香は仄かな甘い香り。とろりとした舌触り。甘さ控え目でスッキリとした入り口。ふくらみが大きく豊かさを感じさせる。透明感もある。辛味は感じない。中盤以降の切れが良い。後口は辛味系。評価8.0.



(4)
 モダン 仙禽雄町 2019 (製造 2019/09) せんきん (栃木)
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 立香は仄かなものだが、何か香ばしさを感じさせる。丸い舌触り、口に含むとスーッと広がり、広い世界を感じさせる。入り口の後、微発泡感の名残のようなものを感じさせる。切れが良く、透明感と広がりがある世界で、品格と豊かさを感じる。評価9.0



(5)
 姿 純米吟醸 無濾過生原酒 (製造 2019/04) 飯沼銘醸 (栃木)
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 立香は軽いものだが仄かに鼻に抜ける爽やかさを感じる。甘い入り口。バランスの取れた味わい。ふくらみ、広がりはNo.1No.2に比べ小さく、やや世界が小さい印象。甘くとろりとしているが、切れ、透明感がもう一つ足りない。後口は辛味系。評価7.0



(6)
 純米吟醸 ゆきの美人 雄町 (製造2019/10) 秋田醸造 (秋田)
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 立香は仄かに甘い香り、エチル系。入り口は、透明感とふくらみを感じる、舌触りも丸い。入り口で一挙にふくらみ、しかし、次の中盤に味が急激にしぼむ。頭でっかち尻すぼみの味の展開。時期的に少し峠を越しているのかもしれない。評価6.0


(7)
 開運 無濾過純米 赤磐雄町 (製造 2020/01) 土井酒造場 (静岡)
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 立香はあまり感じない。入り口は甘くなく、スッキリとしているが次に味の塊があり、雑味を感じる。味が中に集まり、広がらない。味わいの世界が狭い。評価6.0



(8)
 角右衛門 特別純米酒 雄町仕込 (製造 2019/11) 木村酒造 (秋田)
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 甘い立香。とろりとした舌触り。丸味のある味わいで透明感もある。中盤、辛味系のピリ感がある。含み香は吟醸香の名残のようなものだがやや気になる。後半は含み香と辛味。評価7.0



(9)
 東洋美人 一歩 雄町 (製造 2019/08) 澄川酒造場 (山口) 
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立香は軽く甘い香り。丸い舌触り、刺激的なものがない味わい、とろりとしているがふくらみは大きくない。中盤に味の大きさは感じない、ややショビついた感じ。中盤以後底に渋みを感じる。何か峠を過ぎた印象を受ける。評価6.0



(10)
 千峰 天青 雄町 (製造 2019/10) 熊澤酒造 (神奈川)
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 甘い立香。スッキリとした入り口。透明感あり、滑らかな舌触り。広がりは大きくないが味の主張があり、味の底に渋味、苦味の締めがあり雄町らしい味の世界を感じた。評価9.0



<利き酒の印象>
・全体的に柔らかい、丸味のある、ふくらみのある味わいの酒が多かったような気がする。
 筆者の好みは、雄町より山田錦だが、個人的な思い込みでは雄町は無骨・荒い・味の芯・苦味と渋味・男らしいイメージだ。
 一方山田錦は繊細、滑らか、ふくらみと透明感、味の調和、湯柔らかく優雅で女性的なイメージだ。
 その思い込みからすると山田錦のような味わいの雄町の酒が多かったような気がした。

・最高点の9点をつけた銘柄が2酒になったのも同じ事情からだ。
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「モダン 仙禽雄町 2019」は、個人的思い込みからすれば山田錦で造られたような広がりと透明感があり、個人的な好みでは、これが今日の1番。

しかし、今日のテーマは「雄町」。
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は好みではあるが、個人的には雄町の酒ではない。山田錦の世界なのだ。

それで、今日最も個人的に雄町のイメージに近かった(10) 「千峰 天青 雄町」も9点にした。
スッキリとしているが味わいに主張があり、苦味と渋味が味を締めていたのが雄町らしい世界だと感じた。

・どの酒米を使いどの様な味わいを作るかは杜氏の専権事項だが、どの酒米を使っても同じ様な味わいの酒になっては面白くないと思う。
 雄町の酒は、もっとゴツイ、苦み走ったいい男のような格好良さが漂う酒にしてほしいと思うのだが、これは個人的な思い込みなのだろう。




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最終更新日 : 2020-06-21

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