2019/01/11  日記  寒施行 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

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2019-01-11 (Fri)  19:52

2019/01/11  日記  寒施行

2019/01/11 (金) 旧暦: 126 祝日・節気:  日出: 650 日没: 1646 月出: 958 月没: 2124 月齢: 5.06 干支: 戊申 六曜: 大安 九星: 九紫火星


今日のあれこれ: 寒施行


「【大迷惑】餌やりババアのせいで山梨県庁が野良猫だらけに!捕獲&去勢大作戦」


https://youtu.be/lYecLno8R8w



『寒施行: 野施行、穴施行、狐施行
晩冬

野生の動物に、寒の時期餌を施し与えることをいう。田の畦、山の際などに、豆腐や油揚などを置く。野に置くことを野施行、狐や狸などの穴らしいところに置くことを穴施行という。』
(季語と歳時記)



寒施行の俳句:


・寒施行ありし祗園の裏小路 田中としこ


・裏木戸を出てゆく父の寒施行 皆川盤水



寒施行という季語は知らなかった。
日本人の自然や動物に対する感性が季語に反映していて面白い。
考えてみれば、季語は季節を感じるためのものだから、日本の自然を反映するのは当然のことなのだ。

よく言われることだが、西欧と日本では自然に対する態度が違う。
西欧は攻撃的で自然を作り変えようとする、一方日本は受容的で、人間は自然の中の一部に過ぎない。
そこには、背景として宗教的な要因があるのかもしれないが、ここでは立ち入らない。

あくまで、自然に対する態度についてである。

自然に対する態度は、動物に対しても同様だ。
これもよく言われることだが、犬に対する態度も違う。
洋犬は作り変えられて愛玩犬となっているものがある。
一方、日本犬は犬本来の野性味をまだ残している。

前にも書いたが、以前飼っていた柴犬の血統書付きの純血種であった「さくら」は、それまで飼ったことがある洋犬と日本犬との雑種に比べて違っていることを感じた。

抱かれることはあまり好きではないと書くと書き過ぎかもしれないが、少なくとも抱いてもらいたくてすり寄ってくることはなかった。
飼い主に対しては兎も角、他人に対してはフレンドリーではなかった。
飼い主に対しても、いつも、どんなときでも従順ではなかった、自分の世界にこもっている時があり、不意に手を出したりすると怒って、鼻に皺を寄せ牙をむくときもある。
ご飯を食べているとき、手を出して噛まれた家人もいた。

そんな時、「さくら」は自分と飼い主の関係の中にいたのではなく、別の世界にいると感じた。
その世界は、柴犬の本来の自然な世界と思われた。

犬と人との関係は古いが、元々犬は猟犬として使われたと考えてよいだろう。
うさぎや狸や狐や猪を追いかける体力と気力、それを支える攻撃的な野性味が猟犬には必要だった。
日本の犬には、まだそれが残っている。

西欧では、犬の野性味を削ぎ落として愛玩犬を作り出した。
人間をかんだり言うことを聞かない個性は淘汰された。
人間に従順でいつもそばにいて抱かれたい犬に作り変えた。

そろそろ、季語に戻らなくては切りがない。

「寒施行」は餌の乏しい寒の時期、野生の動物に餌を与えることだ。
背景には宗教的なこともあるが、動物に対する日本人の感性もある。
動物も人間も自然の中では、同じ生き物、飢えていれば助けようとする心が背景にある。

掲載の動画は、現代ではよく問題になる、野良猫・地域猫の問題だ。
こうした猫には餌を与えてはいけないことになったいる。

猫だけではなく、鳥も犬も猿も猪も鹿も...餌を与えてはいけないことになっている。

上に掲載した動画は、日本の動物に対する現代の態度の一般的なルールによって作られている。

一方、次のような人も多くいて、多くの動画がyoutubeには存在する。


「拾ってきたばかりのネコにエサあげてみる」


https://youtu.be/vZKgYDaBGbY


こちらの動画は、「寒施行」の世界に近いと言える。

「寒施行」が死語になるような時代が、日本にやって来ないことを祈りたい。


皆川の句はとても好きだ。
日本の男の有り様を17文字の中に捉えている。
寂しさを背負いながらも心には優しさを失わない自覚と行い。
これが、日本の男のあるべき姿。
皆川の17文字には父への尊敬と愛情が溢れている。





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最終更新日 : 2019-03-15

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