2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1-2 出品酒) - 菜花亭日乗
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2019-05-08 (Wed)  23:50

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1-2 出品酒)



<純米酒 飲み比べ>
このコーナーは、獺祭、明鏡止水、鯨波それぞれ2銘柄の利き比べ。
個人では、なかなかこうした利き比べはできない。
この会ならではの企画だ。

先ずは、獺祭の中心銘柄の利き比べ。
獺祭の中心銘柄、入り口と言える「純米大吟醸 磨き50」が今年3月末に廃盤となり、後継銘柄の「純米大吟醸 磨き45」に置き換えられた。
スペックは、火入れ、山田錦、アルコール度数:16度、日本酒度:+3.0、酸度:1.5は変わっておらず、変わったのは精米歩合が50から455%減ったのみである。
この5%の差がどの程度なのか利き比べである。

(5)
獺祭 純米大吟醸 磨き50 旭酒造 (山口)
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立香は仄か、鼻に抜ける吟醸香ではないが、快い香りが漂う。。甘い入り口。酸は透明感あり、辛味もある。含み香は吟醸香、味のバランス良い。後半、軽い渋味が味を締める。


立香は百春のように立ち上がりはしないが、漂う感じが快い。含み香は吟醸香が感じられるが程良いもの。
味のバランスが良く、穏やかで品の良さを感じさせる。
代表銘柄らしい世界だ。


(6)
獺祭 純米大吟醸 磨き45 旭酒造 (山口)
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立香は吟醸香だが、何か香ばしさを感じる。入り口は軽く甘い。酸のふくらみは大きい、ふくらみの中に取り込まれる感じがし、スケールの大きさを感じる。中盤の渋味もなく後半の切れ良い。


舌触り丸く、大きな世界。食中酒でも単独でもいける万能選手だ。精米歩合5%の違いは大きい。

50と45の違いは精米歩合5%だけだが、この差は大きいと感じた。
違いはふくらみにある。45は口に含むと大きな透明な世界に入り込むように感じられる大きさがある。

筆者はふくらみのあるお酒が好きだが、この45は好みにピッタリの世界だった。


(7)
明鏡止水 垂氷 純米 山田錦 槽搾り 大澤酒造 (長野)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。含み香は吟醸香のようなエチル香のようなもの。酸はふくらまない。中盤に辛味と渋味の押しが来る。肉に合わせる食中酒だろうか。


山田錦100%なのだが、前半から中盤のふくらみがあまり大きく感じられない。
山田錦の長所が活かしきれていない感じだ。


(8)
明鏡止水 ラビアンローズ 純米 大澤酒造 (長野)
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立香はあまり感じない。入り口は甘い。酸は滑らかでふくらみがある。含み香はエチル系の軽い香りが鼻に抜ける。


垂氷に比べると、中盤の滑らかさとふくらみあり、後半にかけての渋味もないので、ゆったりとした味わいで飲み易い。
ただ、含み香がエチル系なので好みではない。

La Vie en Rose
と書かれていると、エディット、ピアフを思い出してしまう。
ピアフ作詞のシャンソンの名曲だ。


確かに、この酒をワイングラスに注いで、心の通じる人と語り合えば、この酒の適性が感じられそうだが、酒だけで言えばやはり含み香が気になる。

久しぶりにピアフの歌を聴いてみた。

Edith Piaf - La Vie En Rose

https://youtu.be/BVsIs6URPw8

歌詞は以下のサイトで見ることができる。

「フランス文学と詩の世界」
https://poesie.hix05.com/Chanson/02la-vie.html



(9)
鯨波 純米吟醸 無濾過生原酒 恵那醸造 (岐阜)
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仄かな立香。甘い入り口。大きな酸に辛味のパンチがある。中盤、渋味も感じる。後半、辛味系の切れがある。酸のふくらみ、辛味、渋味のもたらす押しがあり、パンチがある。主張のある味わいだ。


無濾過生なので度数以上に活発な世界を持っている。
吟醸酒の世界というより味の豊かな純米酒の世界だ。
メリハリの効いた味わいが好きな人にお薦めだ。


(10)
鯨波 純米吟醸 袋吊り 恵那醸造 (岐阜)
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立香は、仄かな吟醸香。甘い入り口。酸は大きさは感じないが滑らかさがある。中盤以降辛味があり、押しを感じる。(9)より後半の切れが良い。


(9)
の後に飲むと、ややおとなしく感じるが、中盤の味の押しはあり主張はある。
後半の切れが良いので、単独でも食中酒でも適性がある。



<今日の贅沢・吟醸酒 飲み比べ>
定評のある大吟醸酒4銘柄の贅沢な飲み比べのコーナー。
これも個人では行えない飲み比べだ。

(11)
〆張鶴 吟醸 生貯蔵 宮尾酒造 (新潟)
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立香はハッキリとした吟醸香というより快く鼻に抜ける香り。甘い入り口。バランスの取れた味わい。酸のふくらみ大きい、味の偏りがなく、穏やかなおおらかさを感じさせる。

アルコール添加の吟醸にしてはふくらみが豊かで、柳腰というより豊満な吟醸酒だ。

ふくらみがあり、味の偏りがなくバランスの良い穏やかさがある味わいは好きな世界だ。


(12)
玉川 大吟醸 無濾過生原酒 木下酒造 (京都)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸のふくらみ大きい。味わいの押し・主張があり、プレゼンスがある。

大吟醸のスッキリとした透明感のある切れの良い世界というより味わい豊かな押しのある純米酒の世界を感じる。

(11)
と同じ醸造用アルコール添加の大吟醸だが、味わいはかなり異なる。
活気のある味わいは生き生きとしていて無濾過生原酒が納得できる味わい。(9)鯨波の世界に近い印象だ。


(13)
正雪 純米大吟醸 天満月(あまみづき) 神沢川酒造(静岡)
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立香は軽く、甘い。甘い入り口。酸はふくらまず大きくはない。味の展開が早めに終わる。含み香にエチル系の香りを感じるのが静岡の酒らしい。


50%
精米の純米大吟醸だが、中盤のふくらみは大きくはなく、普通のイメージでは、この酒の方が大吟醸に近い世界だ。

個人の嗜好では、味の展開が少し忙しい、もう少しゆったり感が欲しい。
含み香もやや気になるが、静岡の酒なのでやむを得ない。


(14)
蓬莱泉 純米大吟醸生 関谷醸造 (愛知)
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立香は吟醸香だが、立ち過ぎず程良く快い。甘い入り口。味のバランス良い、五味が調和している。中盤以降の雑味は全く感じない。含み香はほのかな吟醸香。偏り無くバランスの良い格調のある佇まいで品位を感じる。

将来、空になる酒だが生の世界の方が良いかもと思わせる。

毎年再現性のある味わいで「空」をお客に届ける関谷醸造の力量を感じる。
香りも立ちすぎず、味も偏り無くバランスが良い安定感のある世界で飲み終わった後の納得感がある。

「空」は火入れ・一年熟成のお酒なので、生酒は「空」では無くなるが、なんとなく「空」の生酒と言ってみたい気がする味わいだ。



<熟・醇・を飲む>

(15)
笹一 純米吟醸 無濾過生酒 <20185月> 笹一酒造 (山梨)
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立香は吟醸香というより、甘い香り+αの個性的なもの。甘い入り口。シュワッとした発泡感が嘗てあったと思わせる名残を感じる。味は酸味と渋味の押しがある。含み香に吟醸香。中盤以降、五味の複雑な絡み合いがある。

ややこしい世界が好きな人には、興味深い複雑な世界を持っている。



(16)
蓬莱泉 春のことぶれ 純米大吟醸生 <20002月> 関谷醸造 (愛知)
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19
年物の生酒の純米大吟醸。なかなかお目にかかれない超熟成酒だ。

立香は老香ではなく、甘さと香ばしさの混合したもの、表現を変えると甘さ+干物の香り。
甘い入り口。含み香は立香と同じ。中盤、酸と辛味の押しがある。後半特に気になる後口、老香は感じない。

生酒の純米大吟醸の19年熟成酒というとイメージは浮かばない、?の世界だ。
こればっかりは、口に入れてみないと判らない。どうなるのかとの疑問は、飲んでみて氷解した。生酒の純米大吟醸の19年熟成酒の世界は在りだった。

酒の中島屋主催のこの宴では、とんでもない酒が登場する。
世の中には普通無いものが登場する事がある。
この酒もそうで、生の酒を19年熟成させる事は普通はしない。
なぜなら、生酒は酒質が変化しやすいために加熱処理をして変化を止めるのが火入れであり、生酒は早く飲むことを前提にした酒だからだ。
それに、人気銘柄である「春のことぶれ」を19年熟成させる必要性は全く無い。

この2つの常識を乗り越えた彼方に、この酒は存在する。




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最終更新日 : 2019-06-07

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