2007/10/21 「ごとう屋 日本酒勉強会」 <その2> - 菜花亭日乗
FC2ブログ

菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

Top Page ›    日本酒の会 › 2007/10/21 「ごとう屋 日本酒勉強会」 <その2>
2007-10-21 (Sun)  21:50

2007/10/21 「ごとう屋 日本酒勉強会」 <その2>


講義【利き酒について】 ごとう屋店主



1.利き酒(ききしゅ)の意味
 利き酒とはその日本酒の持っている香り・味わい・性格等について客観的に評価をして、その結果を表現することである。
 よく酒は嗜好品と言われる。この酒が好き、あれは嫌いと言って、自分の好みで片づけているレベルである。個人で酒を楽しむでいる限りそれでよい。
 一方、利き酒は客観性のある評価をしたいというレベルである。酒の鑑定官、酒屋、飲み処は自分の好き嫌いだけでは済まされない。その酒を評価して、自分以外の人にその評価を説明する必要がある。自分の好みの酒だけを話すのでは済まないレベルである。
 ただ酒を飲んで楽しみ酔うだけでは技術はいらない。利き酒は酒の評価であり、評価には技術が必要である。



技術を身につけるには、一人で飲んでいるだけでは駄目である、人と一緒にのみその酒を共通に評価し、相手の評価、自分の評価を比べ、その酒を客観的に見てみる態度が必要である。評価を交換しなければ自分の好み・位置が解らない。



利き酒には、自分自身の基準が必要である、酒に対する自分なりの審美眼を持つ必要がある。物差しがなければ、目の前の酒を評価することは出来ない。
 基準を作るには、秩序付けを敢えてすることである。利き酒は長所だけではなく、短所も見る、欠点探しをする面もある。そうしなければ秩序付けは出来ない。



意識を持って酒を飲んでいかないと、利き酒の技術は身に付かない。他人と一緒に飲み自分の基準を振り返り、自分の審美眼を磨いていかなければ進歩しない。人の基準と自分の基準は自ずからことなるが、自分の基準・審美眼を創っていくことが必要である。
 自分自身の日本酒の評価の配置図・見取り図を作ることが基準作りになる。上・普通・下・格外の評価をして位置づけをハッキリさせること。そのためには、飲んだ酒の味を記憶する事が大切である。


 


2.利き酒の方法

 ①利き酒の道具は利き猪口である。
  土産物などは飲み口の縁が厚いものがあるが、薄いものを使用する



 ②猪口に入れる酒の量は、猪口の半分以下、通常1/3程度。
  液面から上は香り空間であり、ここで立ち香を利く。


 ③酒の温度は室温にする。普通18°C~20°C



 ④飲むとき猪口の底の蛇の目の中央で、酒の透明さ・色・にごりを見る。
  酒の輝き(冴え)、にごり(ぼけ)をみる。



 ⑤味を時系列で評価する。
  立ち香(上立香)→口当たり→味→含み香(鼻から抜ける香)→味の変化→


  後味(飲み込んだ後の)→戻り香→残り味。
 口に近づけてから飲み込んだあとのまでの一連の評価要素を時系列として捉えると良い。



 ⑥前半の味と後半の味は同じではない、違うことが多い。
  後半の味に酒の正体がでる。後半の味に注意が必要である。



 ⑦熟度の評価
  飲み頃-2 若い-1 過熟-3 で評価する。
  新酒の頃の渋・苦味の評価は難しい。熟成してどうなるのかの判断は相当経験
  を必要とする。最初硬くても3年くらいの熟成で旨さを発揮する酒がある。
  渋味・苦味の有り様は難しい。




3.評価の点数

①業界の方式
 4点法である。
 1→優  2→良  3→可  4→不可(論外の酒)
 

 日本酒の大家上原先生は、これを分かり易く表現している。
 1→自分で買ってでも飲みたいレベル
 2→ただなら飲んでも良いレベル
 3→金をくれるなら飲んでも良いレベル
 4→金を貰っても飲みたくないレベル



 4点法は中間点を付けて良い。1.5とか1.55とかがあり得る。点数は絶対評価であるが、同順位になった場合、序列を付ける必要があるので、中間点で序列を付ける。この意味では相対評価である。2を基準として決め、上下に位置づけをして、評点を付けることになる。



②100点法


 60点をスタートとして、100点まで4段階で評価する。
 4段階で評価でき、中間点も付けやすいのが利点である。



4.利き酒の注意点
①わかること・わからないこと
 強力な酒の後に利く酒は、解らないことがある。補正をしなければならない。目立つ物、オーラのある物の後では目立たないが、良いものがあるが解りにくい。
 地味な・渋い・かすかな味わいのものは捉えにくい。
どうしても明確な力、表現力を持っているものが評価が良くなる傾向がある。



②飲み込む・飲み込まない
 利くには、飲み込む方が良い。
 しかし、400種類も利く鑑定会では吐かざるを得ない。
 吐いても解るように訓練するしかない。飲める場合は飲んだ方がよい。


 


③水は飲まない
 利くときは途中で水は飲まない。水を飲んだ後の、酒の味がわからなくなる。



④利き酒の目的
 ・蔵内の利き酒
  徹底的に欠点探しを行う。
  例えば、異臭がないか? 
  ゴム臭がないか。絞り、洗いが良くないと臭うことがある。
  飲みきりでは、酒の熟成度をみて、出荷を判断する。



 ・鑑評会・コンクール
  酒の力・表現力を見る。
  金賞受賞酒の典型: 口の中でふわっと広がる広がりがある。


 


 ・酒販店
  お酒を生業とするプロとして、その酒が世の中でどの位置にあるのか。
  客観性のあるその酒の個性を判断する。どういう人にどういう酒を薦めるのか
  、自分の基準で味の地図を作り、そこに位置づける。




以上の講義が終わり、いよいよ利き酒の開始である。
評価の結果は、評価シートに記入する。
評点は、4点法でも100点法でもどちらでも良い。
熟度は今日は評点を付けない。
との説明の後、開始である。


 


 

関連記事

最終更新日 : 2019-03-15

Comment







管理者にだけ表示を許可