2008/12/31 2008年出逢う事のできた日本酒たち(その1) - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

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2008-12-31 (Wed)  22:49

2008/12/31 2008年出逢う事のできた日本酒たち(その1)


2008年も沢山の銘酒に出逢うことが出来た。
記録に残してあるものだけで704銘柄。
記録出来なかったもの、自宅で晩酌としたものを加えると、750銘柄前後になるだろう。もっとかもしれない。
感謝の意を込めて、印象を纏めておきたい。



700銘柄のうち印象的だったもの100銘柄に絞り、当BYのものと熟成酒に分け、更に特定名称別に分類して眺めてみた。
色々とその時の情景が目の前に甦る気がする。



【大吟醸・純米大吟醸】
まずは、筆者の好きな大吟醸・純米大吟醸クラスである。このクラスは、蔵の最高の技術水準と思いが込められている。
 酒自体も美しく、華やかで、綺麗で、飲めばそれだけで気持ちも綺麗に、華やかに、美しく、明るく、高貴にさえなる。



その中でも、金賞受賞酒は最も輝いているのもである。
全国の蔵の杜氏が自分の技量と思いを込めて醸して、出品した鑑評会で、結果を出して金賞を受賞した晴れの銘酒である。
 高名なT杜氏の表現では、“鑑評会出品酒は車で言えばF1であり、市販車ではない。”と言うものである。
 造の全てに対して杜氏の持てる全てを投入してチューニングしたものである。その出品酒の中で特に金賞を得たものは、光輝に満ちている。



英勲 大吟醸 祝三五 金賞受賞酒
特撰 大吟醸 早瀬浦 三冠受賞記念酒
袋吊り 大吟醸 早瀬浦 歓喜の極致 全国鑑評会金賞受賞酒
玉柏 大吟醸 金賞受賞酒 19BY
菊石 大吟醸 金賞受賞酒 19BY
天領 大吟醸 金賞受賞酒 19BY
神の井 大吟醸 金賞受賞酒 19BY
大山(おおやま) 大吟醸 金賞受賞酒
ねのひ 大吟醸 金賞受賞酒



素晴らしい酒たちであり、飲める機会に巡り逢えたことだけでも幸運であった。



その中で特に印象的なことを書くと、
英勲は、11年連続の金賞受賞蔵で、蔵見学と「英の刻」の宴に参加することが出来、京都の文化を感ずることができた事が素晴らしい。
 この酒は、10年間使用してきた定番の山田錦を止めるリスクを取りながら、京都の酒造好適米「祝」を初めて使用して金賞を得たものである。地産米を使用して金賞を取ることの難しさは素人の我々の想像を超えることに違いない。
 料亭菊水で舞子さんからお酌で受けた盃の中の英(はなぶさ)の味わいは忘れることはないだろう。



早瀬浦は、地方の品評会と全国の鑑評会の賞を取り尽くした晴れの酒である。
 蔵見学で杜氏さんの熱い思いをお聞きした後、越前ガニを肴にいただいた三冠受賞記念酒は、香り、広がり、バランス、厚みのある大吟醸の典型であった。
 年末にいただいた歓喜の極致は、味の厚みがもっと厚くなり終盤までは完璧であった。筆者の好みでは、後口に苦味が浮いていたのが惜しかった。



菊石は今年の新星だった。3月の松坂屋のフェアで純米酒をいただき、知らなかった愛知の蔵にこんな良い酒が在ったのかと驚かされ、4月には蔵見学に行き満開の桜の下で絵の様な光景の中でお酒をいただいた。お花見にワイン・焼酎・ウイスキー・ビールは似合わない、日本酒をいただきながら満開の花を青空の下に見るのは最高の贅沢であった。
 その後、金賞を受賞したとお聞きして嬉しかった。新進気鋭の杜氏さんには来年も頑張って貰いたいものである。




金賞受賞酒以外でも素晴らしい大吟醸に巡り逢うことができた。
35銘柄もあるが、データは別の機会にして、特に印象的だったものを挙げる。


 


「東龍 双白鷺(そうはくろ) 笹にごり 純米大吟醸 生」
この酒は笹にごりとしてあるが、霞酒というに相応しい細かな澱が霞んでいる風情である。
 口に含むと、淡い入り口の後、甘く淡白にふくらむ。ゆったりまったりとした上品な世界は何とも形容できない心地である。後口は軽い苦味が締める。残り香に吟醸香がある。
 春と秋と2回飲んだが、印象は変わることがなかった。
 

毎年お馴染みの顔ぶれとしては、小左衛門の純米大吟、美濃天狗の「いひょうゑ」、「喜久泉 大吟醸 斗瓶取」、「東一 大吟醸 生酒」、「黒龍 大吟醸 しずく」、「極上吉乃川 蔵出し一番無濾過原酒 大吟醸」といった顔ぶれは毎年美味しい。 
 「幻々 雫取り純米大吟醸原酒 白ラベル」は限定酒で通常の紫ラベルとは違うが流石に美味しかった。


 


今年、新しく出逢った顔も多く、全てを挙げることは難しい。 
京ひなの「七星剣」と「隠し剣」は落ち着いた上品さが良かった。
「菊石 大吟醸」は立ち香の甘い香りが特徴、飲み干したグラスが後からシロップの様な甘い香りがする。
「万齢 大吟醸 出品仕様雫搾り 小松大祐」は限定27本しかないものに出逢ったが、美味しかった。佐賀の日本酒のレベルは高い。
「車坂 純米大吟醸 全国新酒鑑評会出品酒」も良かった。



その他、「女泣かせ」、「嘉美心」、「春鹿」、「萬燿」、「湧笑」、
、「北雪」、「金井泰一流」、「四天王」、「新政」、「正雪」、「楽園」
、「銀嶺」、「梅錦」も美味しかった。



流石にこのクラスの酒は甲乙付けがたいものが多い。ネットでプレミアムが付いて販売されている様なものでなくとも、美味しい酒は全国にある。
 これは嬉しい事だ。




【純米吟醸・吟醸】
純米吟醸クラスは、上の大吟と下の純米に挟まれて存在理由が難しいところがあるが、安心して飲める安心感もある。
蓬莱泉の「和」、「立春朝搾り」は性格は違う酒だが、誰が飲んでも美味しいと感じさせる程の良さ・安定感がある。



他に愛知県では、
長珍 純米吟醸 生生5055 無濾過熟成生酒
孝の司 純米吟醸 夢山水生原酒
岐阜県では
小左衛門 純米吟醸 山廃雄町
鯨波 純米吟醸 生詰



他県では、七本鎗、北島、鳳凰美田、李白が良かった。
李白は、「山廃仕込 純米吟醸 生原酒 花酵母」との表示を見ると一体どんな酒がこの組み合わせから生まれるのだろうと思ったが、意外にオーソドックスなまとまりのある味で、まったりとした酸は間違いなく花酵母のものであった。花の酵母は強い。




【特別純米・純米酒】
このクラスも、常連と新星の出逢いが楽しめた。



蓬莱泉は、純米吟醸と同様、「可」と「特別純米 しぼりたて」は性格は違うが、バランスの取れた味わい、酸と透明感は共通している。安定感のある酒である。
 蓬莱泉の商品構成は、純米大吟醸から普通酒まで隙間無く安心して呑める酒が揃っている。どれも外れがない。特に価格が安い商品が強力と思う。


新しい出逢いは、「初緑 特別純米 白ラベル」と「菊石 純米酒 山田錦」に尽きる。
「初緑」は、山形ではない岐阜の高木酒造の酒である。この蔵は紙パックの「奥飛騨」が人気商品だが、今年は特定名称酒にも力を入れた。大吟から純米まで造られたが、筆者は、ひだほまれと協会酵母1801号で醸したこの特別純米が一番気に入った。ブラインド評価に入れれば、下手な純米大吟醸より上に行くと思う。

「菊石」は、松坂屋のフェアで初めて出逢った時、驚かされた。今年からフェアに初参加した蔵なので、どんな味か利いたところ広がりのある酸のふくらみと穏やかな旨味がある。飲めば解ると言う印象だった。



その他触れておかなければならないものは、
「常きげん 山廃特別純米」の安定感。
開栓したものを廊下に置いて一夏越してから飲んでみたが、老ねるどころか一層透明感が増して美味くなった様な気がした。本来の日本酒の造はこの様なものかも入れないと思わされた。
 高温多湿の日本の夏にへこたれる様では銘酒ではない。山廃の存在理由が理解できる酒である。


 


「櫻正宗 焼稀 協会1号酵母 手作り純米」
協会1号酵母の酒。厚みのある透明な落ち着いた世界。純米酒とは思えない品の良さがある。酵母はNoが大きければ良いのではない。特徴を出して造れば良いことが解った。



「屋守(おくのかみ) 純米中取り 無調整生」
なんと東京の酒である。ビルと人混みの東京でこんな良い酒が造られているのが新鮮な驚き。
 立ち香は化学系の立ち香だが気になる程ではなく、その後の厚みのある酸の押しはひ弱な都会のイメージではない。
 蔵は東京都東村山市の豊島屋酒造。東村山市は東京都なのだが意外に山紫水明の地だったりするのだろうか?




【特別本醸造・本醸造】
余り多くはないが、以下は印象に残った。



「京ひな 伊予の燗酒 特別本醸造」
バランスの取れた味、滑らかな舌触り。風格は吟醸酒の1年熟成を感じさせる風格、特別本醸造とは思えない落ち着きである。
冷やでも燗でも良い晩酌酒である。



「群馬泉 山廃本醸造」
丸い酸の滑らかな味。後口の癖無い。食中酒として飲みやすい。
群馬泉は蔵内で熟成後出荷しているとのことなので熟成酒に分類した方が良いかもしれない。



「松の司 山廃本醸造」
落ち着いた透明な酸でバランスがよい。たっぷりとした味わいで滑らか。熟成酒のブレンドかも知れない。




【普通酒・リキュール・その他】

「にごり酒 しろうま菊石」
満開の櫻の下でいただいたが、花見にピッタリの酒である。にごり酒だが、甘酸っぱい発泡感のあるどぶろく風の世界ではない。
 甘い香り。スッキリとした落ち着いた味。酸の荒々しさ、暴れなし。後口のキレが良く、いくらでも飲めそうな危険な酒である。
スペックがよく解らないので此処に分類したが、特定名称酒かも知れない。



「新嘗祭御神酒 滋賀県 藤居本家醸造白酒」
神社に白酒を奉納する蔵はかなりある様だが、藤居本家は、新嘗祭の御神酒(白酒、黒酒)を宮中へ献上する宮内庁御用達の酒蔵である。
 乳酸の香り。酸っぱいサッパリとした白酒。舌触りはザラザラしている。後口は軽くスッキリしている。いくらでも喉を通り抜けてしまう危険な酒である。この点では菊石に似ている。
 同じものは市販されていないので入手は難しいだろう。蔵の市販しているにごりを飲むしか方法はない。



梅酒では「雑賀(さいか) にごり梅酒」。
南梅を使う梅酒が多いが、これは和歌山では南梅より貴重とされている古城梅を使用したもの。梅の香りの高い上品なものであった。



最近は、蔵も新しい日本酒を造る蔵が増えており、これが“日本酒なの?”と言ってしまうものが増えている。
 ワインの様な日本酒も存在する。
「小布施 Domaine Sogga Le Sake Naturel 2007 純米」
は、白ワインの世界。
 フルーティな酸が豊かで、ワイナリーが造る日本酒らしい。



「八重垣 露風」
これは赤ワインの世界。
 紫黒米「むらさきの舞」で醸した紅い酒。特定名称は使えないのでリキュール扱いらしいが、中味は純米酒のスペックで、無添加。
 甘い入り口の後フルーティな酸、ポートワインの世界である。



日本酒を使ったリキュールも増えている。
「クレハ ロイヤル 和紅茶梅酒」
「梅仙人 門司港バナナ梅酒」
クレハは紅茶を使った、苦味・渋味のある大人の味。梅仙人は、今流行のバナナを使った梅酒。
 日本酒のリキュールは、焼酎のものに比し、味が濃く、旨味があると思う。日本酒はという女性にも勧められる。



 

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最終更新日 : 2019-03-15

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