2009/07/22 飛べないテントウムシと飛ばないテントウムシ - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

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2009-07-22 (Wed)  21:16

2009/07/22 飛べないテントウムシと飛ばないテントウムシ

人間の我が儘・作為で天道虫が飛べなくなっている。
昨日の新聞に、名古屋大学の飛べないテントウムシの報道があった。


『飛べないテントウムシ期待大 名古屋大、害虫対策に開発2009年7月22日6時50分


 



(北海道新聞)


 飛べないテントウムシを人工的に作り出すことに名古屋大学の研究グループが成功した。羽の形成に必要なたんぱく質を作れないようにしたもので、飛べないことを除けば正常なテントウムシ。遺伝子組み換え技術を使っていないため、生態系へ与える危険もないという。21日付の英昆虫科学専門誌「インセクト・モレキュラー・バイオロジー」に発表した。


 様々な農作物の害虫アブラムシを食べるテントウムシは、化学農薬に代わる存在として期待が大きい。ただ屋外の畑では飛んで逃げてしまうため、「生物農薬」としては安定性が課題だった。


 名大生命農学研究科の新美輝幸助教と修士課程2年の大出高弘さんはまず、テントウムシの羽の形成に必要な遺伝子(ベスティジアル遺伝子)の特定に成功した。ショウジョウバエのベスティジアル遺伝子は91年に特定されたが、ほかの昆虫の特定には時間がかかっていた。


 新美さんらはさらに、RNA干渉という手法で、ベスティジアル遺伝子の働きを抑えるリボ核酸(RNA)を作成。テントウムシの幼虫に注射すると、羽の形成に必要なたんぱく質がつくられず、さなぎから脱皮するとごく小さな羽しかない成虫になることを確かめた。羽が小さすぎて飛べない以外は行動に異常はなく、アブラムシも食べるという。RNA干渉は遺伝子を操作していないため、このテントウムシの子どもは正常に羽がつくられる。


 ただ、羽のない背中がむき出しのテントウムシは可哀想という意見もあり、新美さんは「外見は同じで飛べないテントウムシもつくりたい」と話している。昆虫研究に詳しい岩手大学の鈴木幸一教授(昆虫バイオテクノロジー)は「農業の現場は、飛べないテントウムシを待っている。遺伝子組み換えではなく、より安全な方法を選んだところがこの研究の新しさだ」と評価している。(冨岡史穂)』(asahi.com)


美しい羽を無くした天道虫は、もう天道虫とは言えないだろう。
生物としては醜い存在になる。
 生産効率を上げることに拠る経済効果は理解できるが、人間の都合の為に、自然の存在を変えることには躊躇を感じる。


一方、飛ばないテントウムシも既に開発されている。


『飛ばないテントウムシを“開発”
害虫駆除に期待
  


 



飛行能力を持たないナミテントウ


 近畿中国四国農業研究センター(福山市)総合的害虫管理研究チームの世古智一特命チーム員らが、飛行能力を持たないテントウムシを安定的に繁殖させる技術を開発した。飛べないことで個体の行動範囲が狭まり害虫のアブラムシを効率的に食べるため、農作物被害の軽減に向けた実用化が期待される。


 世古特命チーム員らは、福山市で採集したナミテントウの成虫80匹を交配。飛行能力の低い個体を選んで交配を繰り返した結果、約25世代でほぼすべての個体が飛ぶ力を失った。


 このテントウムシを露地ナスの栽培地に60匹放して定着率を見たところ、通常のナミテントウは翌日にはほとんどいなくなったのに対し、飛ばない個体は2週間後も2割以上がとどまった。


 通常のナミテントウを放った栽培地では1カ月後、アブラムシの数がナス1葉当たり30匹ほどに達していたが、飛ばない個体のケースではほぼゼロ。キュウリのハウス栽培でも同様の結果だった。(2008年12月17日)』(山陽新聞)


この記事を読んだ時、羽があるので、この方法の方が良いように感じたが、思い直した。
 この飛ばないテントウムシが自然界に出ると、飛ばないテントウムシが次世代に生まれるだろう。
 神でもない人間が飛ばないテントウムシを創造する権利はない。


名古屋大学のRNA干渉は遺伝子を操作していないため、テントウムシの子どもは正常に羽がつくられるとのことなので、まだこちらの方が罪が少ない。
 RNA干渉法による羽のある飛べないテントウムシの創造に期待したい。



 

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最終更新日 : 2019-03-15

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