2009/10/17 第2回 星ヶ丘三越日本酒セミナー - 菜花亭日乗
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2009-10-17 (Sat)  23:38

2009/10/17 第2回 星ヶ丘三越日本酒セミナー


日 時: 2009年10月17日(土)18:00~19:30
場 所: 三越星ヶ丘店8階 ダイニングコート ハヴィット
      (名古屋市千種区星が丘元町14-14)
参加蔵: 愛知県 「勲碧」 勲碧酒造  村瀬専務
     岐阜県 「御代櫻」御代桜醸造 渡辺社長
     長野県 「真澄」 宮坂醸造  諏訪蔵杜氏
参加費: 2,100円(税込み)
定 員: 44名


前回の菊石の浦野酒造の日本酒セミナーに続き第2回目。
前回も良かったが今回もそれ以上に良かった。
(菊石日本酒セミナーの記事は、以下。
 http://blog.goo.ne.jp/nabanatei/d/20090812


ハヴィットはかなり広いレストランだが、奥のスペースに会場が設営され、テーブルに4人掛けになるが個々に広いスペースがあり、お酒も料理も各人毎に提供されるので、参加者は座っているだけで良いサービスが受けられる。


 



会場右に酒蔵のコーナーが設営され、セミナーが終了した後は、コーナーで各自好みのお酒を飲み直すことが可能だ。


今回は、真澄(長野)、御代桜(岐阜)、勲碧(愛知)3蔵が集って燗酒セミナーである。
 各蔵毎に3種類の燗酒が提供され、各蔵毎に1プレートの肴が提供され、お酒と肴の相性を楽しむ趣向である。


 



各席には、9個の酒杯が用意されている。
上段は真澄用、大きめの杯で、高台には真澄の銘がある。


 




乳白の地に呉須の青が鮮やかで日本の伝統を感じさせる画である。
 なかなか上品な作りの良い酒杯で有田の物だろうと思われる。


中段は御代桜用。
下段は勲碧用。


 



酒杯を取り除くとお酒の銘柄が印刷されて居り、注ぐ時飲む時に混同しないようになっている。


 



肴の方は、各酒毎におすすめ料理が考えられている。


(1)真澄 特撰 本醸造      鶏の味噌チーズ焼き
(2)真澄 純米 奥伝寒造り    ふぐ唐揚げ
(3)真澄 純米吟醸 山廃造り   お漬け物の盛り合わせ
                (赤蕪、野沢菜、牛蒡、白菜)


(4)御代桜 純米酒 山田錦    白身魚と甘海老の酢の物
(5)御代桜 純米吟醸 ひやおろし 茶碗蒸し
(6)御代桜 醇辛純米酒      和牛ヒレステーキ


(7)勲碧 純米吟醸 山田錦    鯛のムニエル
(8)勲碧 特別本醸造       おでん(大根・玉子・厚揚げ)
(9)勲碧 純米原酒 氷温熟成   牡蠣の赤味噌焼き



各蔵の持ち時間内に提供されたお酒の説明と各蔵の造りの説明があり、平行して料理のプレートが運ばれてくる。44名の参加者がいるので各人毎に料理を運ぶのは大変である。


セミナーの順番は、真澄→御代桜→勲碧


お酒を味わいながら個々の料理との相性を確かめながら、各蔵のセミナーのお話を聞くのは忙しい作業になる。


1.真澄


 



真澄は、1662年(寛文2)創業の古い蔵であり、諏訪湖湖畔の蔵は立ち寄った人が多い筈だが、富士見にも蔵があるがこちらは見学できないようだ。


真澄の蔵付き酵母は、協会の7号酵母として全国に供給され、50%もの酒が7号酵母系で醸されているそうだ。
酵母界のスーパースターである。


真澄3種の単独での印象は、
(1)真澄 特撰 本醸造
酸のふくらみが大きい。後半に渋苦が底にあるが気にならない程度、味に引き締め。


(2)真澄 純米 奥伝寒造り
固有の軽い立ち香がある。やや辛目な世界。酸のふくらみがある。後口に純米酒らしい香あり。


(3)真澄 純米吟醸 山廃造り入り口は甘く、酸は薄め。後口は辛味系。


料理と合わせるとどうなるかがセミナーの趣向で、銘柄毎におすすめ料理が提供されている。
 お酒も料理も嗜好の世界で、この組み合わせしかないというものではないので、全部で12通りの組み合わせがあるが、適当に組み合わせて見ることにした。


 




・鶏の味噌チーズ焼き大葉添え
 この料理は、3銘柄どれにも相性は良かった。味噌とチーズは和・洋ではあるが、発酵食品なので日本酒との相性はよい。
 本醸造は味噌との相性が良くあった。
 やはり、山廃造りが一番良く合った。山廃の癖と味噌・チーズの癖をお互いが消しあって、一つの融合した香り・旨味を作りだしている。大葉を一緒に食べると、最後に大葉の香りが爽やかであった。


・ふぐ唐揚げ
 これも、おすすめの奥伝寒造りがよくあった。
 
・お漬け物の盛り合わせ(赤蕪、野沢菜、牛蒡、白菜)
 野沢菜、赤蕪・牛蒡が深目の漬かりなので漬け物香が勝ってしまいもう一つだった。


 


2.御代桜酒造


 




 渡辺社長による燗酒の説明。
 燗酒の日本文化・身体に優しい・燗温度の呼称と効果・湯煎が第一。


御代桜は全国鑑評会の金賞を4度受賞した、造りにこだわった蔵である。


(4)御代桜 純米酒 山田錦
55度の飛び切り燗。甘+酸の味。後口はピリ辛系。後口やや重い。


(5)御代桜 純米吟醸 ひやおろし
40℃のぬる燗。甘い入り口。スッキリとした酸でキレがよい。後口はピリ辛系。


(6)御代桜 醇辛純米酒
70%精米の2年熟成。甘い入り口、穏やかなこなれた世界。主張の少ない温和しい印象である。後口はピリ辛系。




 
酒と料理の相性


・白身魚と甘海老の酢の物
 おすすめは純米酒だが、酒の酸が酢の物の淡白な味に勝ってしまいバランスは良くない。
 純米吟醸も酒と料理が分離して、それぞれ混じり合わない感じ。
 醇辛純米酒の穏やかな味わいが最も相性が良かった。
 
・茶碗蒸し
 これは、意外な新しい発見だった。
 茶碗蒸しは普通の銀杏・海老の入ったもので特殊な仕掛けはなかったと思うが、3名柄共良く合った。
 特に、純米酒の濃いめの甘い酸を茶碗蒸しの柔らかい旨味で包んで、お互いが相乗効果で旨味を作っていた。
 純米吟醸にも醇辛純米酒にも相性が良く、茶碗蒸しは幅の広い適合性のある肴であることを再認識した。以前土瓶蒸しの汁でも同じように感じたことがあるが茶碗蒸しは舌触りも良い。


適合性を試す為に、茶碗蒸しは勲碧の為に残すこととし、プレートから外してテーブルに置き、下げられ無い様に断った。


・和牛ヒレステーキ
 おすすめの醇辛純米酒は、穏やかなこなれた味わいなのでステーキには少し力不足だと思った。
 純米酒の厚みのある酸が一番良く合っていた。



3.勲碧


 




 村瀬杜氏のセミナー。


勲碧酒造は、今年の全国鑑評会で金賞を受賞し、花見の名所五条川の桜の酵母で新しい酒を醸したり、活発である。要注目蔵である。


(7)勲碧 純米吟醸 山田錦
甘い入り口。酸のふくらみはあるが、大きくは広がらず、小さくふくらむ。


(8)勲碧 特別本醸造
甘い入り口。柔らかな酸で、舌触りは滑らか。後口はピリ辛。中盤が柔らかく食中酒向きの印象。


(9)勲碧 純米原酒 氷温熟成
甘目の入り口。酸味はあまり感じないが、厚みのある味
透明だが厚みのあるガラスのような世界。入り口の甘さが違うが三千盛の世界に通じる食中酒。


 




 ・鯛のムニエル
 おすすめの純米吟醸は相性が良かった。
 氷温熟成も相性がよかった。


・おでん(大根・玉子・厚揚)
 やはり、おすすめの特別本醸造の相性は良かったが、氷温熟成も相性がよかった。
 純米吟醸は味が分離して、バランスは良くなかった。


・牡蠣の赤味噌焼き
 特別本醸造と氷温熟成はやや味が分離気味で、純米吟醸が相性が良かった。
赤味噌が焼によって濃くなっている為、味噌の渋みが難しさを持つ。


さて、番外の取り置きの茶碗蒸し。
意外にと言うか予想通りと言うか3銘柄とも相性は良かった。
特に、純米吟醸は茶碗蒸しとお互いが相乗効果で旨味が一つになり良かった。



【感想】
・前回に続き楽しいセミナーだった。
 ビュッフェ形式のような騒々しさがなく自分の席に座って落ち着いてセミナーを聞き、日本酒を利き、料理との相性を確かめることが出来る。
 いろんな場面で新しい発見に出逢える企画である。

・冷やと燗酒
 良い酒は冷やして飲むことが多いので、大吟醸クラスの酒は単独で飲むことが多い。料理を食べながらでは、お酒に失礼だ。
最近は燗向きに造られた大吟醸もあるが、やはり大吟醸を冷やでお酒の香りと広がりと余韻を感じたい。
 しかし、酒は冷やで飲むものばかりではない事が解るのは今日のようなイベントだ。
 単独では個性が勝ちすぎているが、温度を様々に操作し、肴との相性を楽しむには純米酒・本醸造が適している。
 晩酌で食べながら飲む食中酒は重要なジャンルである。
真澄 純米吟醸 山廃造り、御代桜 醇辛純米酒、(9)勲碧 純米原酒 氷温熟成は食中酒として力を発揮する酒であった。

・茶碗蒸し
 茶碗蒸しが酒の肴として広い適合性があることを認識できたのが今日の収穫、新しい発見だった。


・価格破壊の2100円。
 これだけの内容とサービスで2100円とは安すぎる。日本酒の会の3000円も安いが、半分は幹事のボランティアで成り立っている。星ヶ丘三越の商売ベースで考えれば価格破壊である。
 是非続けて欲しい企画である。



3連投中日も、気持ちの良い酔いと連れだって、家への道を千鳥足する夜になった。



 

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最終更新日 : 2019-03-15

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