2010/02/14 第235回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い - 菜花亭日乗
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2010-02-14 (Sun)  23:58

2010/02/14 第235回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い


今回は申し込みが遅れ、満席になってしまったが、キャンセル待ちで生きかえって、参加することが出来た。


ざっぶんを会場として開かれるこの会はマラソン宴会である。日曜日の午後1時から開催され終りは午後7時頃までが普通。
 ペース配分が必要で、前半から飲みすぎるとゴール前に沈没する危険がある。
 だが参加者たちはベテランが多く、飲みつぶれたり具合が悪くなったりしないのは流石である。


まだ造りが終わっていないので、蔵元の参加は2蔵、愛知の関谷醸造と岐阜の三千盛。出席者はいずれも営業担当の三千盛のK氏と関谷醸造のKさん。日本酒通には馴染みの人たちだ。


定刻の1時になり、主催者の酒の中島屋西川氏の音頭で乾杯でマラソン宴会のスタート。


【今日の出品酒】
蔵元が持参されたお酒を含めて19本。
新酒から18年ものの超古酒まで、スペックも本醸造から純米大吟醸まで多士済々。何が出てくるか判らない、何と出逢うか予断がつかないのが、この会の楽しみ。


マラソン宴会は、5区間に区切られているが、駅伝ではなくマラソンなので一人で最後まで走りきらねばならない。
5区間は以下の通り。
<乾杯>
<生酒を楽しみます>
<燗酒を楽しみます>
<今日の贅沢・大吟醸飲み比べ>
<熟・醇・を飲む>


 日本酒の勉強をするには、これほどの場はない。日本酒道場と言っても良いかもしれない。


<乾杯>
まずは西川店主の発声で乾杯の酒は三千盛のうすにごりの純米大吟醸

 


(1) 三千盛 ひなたぼっこ 純米大吟醸 うすにごり生   三千盛 (岐阜)
仄かに爽やかな立香。スッと入る入口。丸い舌触り、膨らみがじんわり広がる。味の尖りはなく落ち着いている。中位の大きさで丸く真ん中に集まる。後口はスッキリとしている。
 ひなたぼっこは冬の季語だが、縁側に陽だまりで穏やかな空気の中にいる感じである。春霞の中と言っても良い感じなので花見酒の雰囲気もある。評価8.8。


<生酒を楽しみます>
(2) 三千盛 純米大吟醸 にごり酒   三千盛 (岐阜)
発泡性のにごり酒。立香はない。口に含むとピリピリと発泡感が辛い。活発な活力のある新酒。頭のパンチは大きいが中盤からのキレはよく、後口スッキリ。評価8.0。


(3) 東一 純米 山田錦 生酒   五町田酒造 (佐賀)
新酒らしい立香。たっぷりとした酸味と甘味を感じる濃い味。後口は辛味系。残香も新酒らしい香。評価8.0。


(4) 手取川 吟醸あらばしり   吉田酒造 (石川)
45%精米の大吟醸しぼりたて。
フルーティな立香。入り口甘いが酸の膨らみも感じる。穏やかなバランスの良い味。中盤からスッキリと切れ、後口良い。評価8.5。


(5) 房島屋 純米吟醸 五百万石 生原酒   所酒造 (岐阜)
スッキリとした入り口。酸味は控えめで味のバランスが良い。綺麗な酒である。周辺の人は房島屋らしくない酒と言っていた。評価8.5。
酸の厚みのある房島屋のイメージから離れ、綺麗なスッキリとした酒である。色々なお酒を楽しんで造っている様子だ。


(6) 開運 赤磐雄町 純米吟醸 無濾過生原酒   土井酒造場 (静岡)
立香は感じない。入り口は甘く中盤から辛くなる。後口にかけて苦味・渋味が強くなり、後口が重い。後口に微かに発泡感を感じた。周辺の人の評価は高かったが、参加者の評価は2分されていたらしい。評価8.0。
 無濾過生原酒の後半の重さをどう評価するかだろう。


(7) 菊姫 山廃純米 無濾過生   菊姫 (石川)
立香は感じない。甘い入り口だが酸味も同等に感じる。中盤からスッキリとした切れがある。山廃らしい癖のある香味は余り感じない、飲みやすく綺麗な酒で、今までの菊姫のイメージには無いものを感じた。後口はピリ辛系だが良い。評価8.5。
燗:酸の膨らみが大きくなり、後半に甘みが出る。香りが良い。評価8.5。


<燗酒を楽しみます>
(8) 〆張鶴 雪 特別本醸造   宮尾酒造 (新潟)
冷:甘い入り口。トロリとした入り口だが、アル添酒特有のドロリとした舌触りを感じる。評価7.5。
燗:燗の効果により劇的に変化する。ドロリとした舌触りがなくなり、甘くスッキリする。味のバランスがよくなる。燗向きの酒。評価8.0。


(9) 梅乃宿 雄町 山廃純米吟醸   梅乃宿酒造 (奈良)
冷:酸の膨らみがあるが、後口の切れが良い。評価8.5。
燗:N/A。


(10) 益荒男 花山亭 山廃純米   鹿野酒造 (石川)
冷:酸の膨らみが大きい。山廃らしい香味を感じる。味わいが長く持続する。後半に掛け減衰するのではなく,中盤の味がそのまま持続する感じ。評価8.0。
燗:N/A この酒の燗を利かなかったのは、ミスだった。


(11) 三千盛 朋醸 純米大吟醸   三千盛 (岐阜)
 味の偏りはない。半透明な透明感のある厚い味わいの世界が最初から最後まで続く。後口の癖はない。他の蔵にはない、三千盛の独自な世界を感じる。食中酒としてうなぎの蒲焼、豚の角煮などに合わせてみたい。評価8.5。
 三千盛の世界は、独自だと思う。食中酒指向は最近の流行だが、三千盛は流行以前最初から辛口の食中酒で全国にファンが居る。


<今日の贅沢・大吟醸飲み比べ>
(12) 蓬莱泉 春のことぶれ 純米大吟醸生 21BY   関谷醸造 (愛知)
甘い入り口。厚みのある味と膨らみ、味のバランス良い。後口はやや重い。残香に新酒らしい香。評価8.5。


(13) 蓬莱泉 春のことぶれ 純米大吟醸生 20BY   関谷醸造 (愛知)
 甘い入り口。酸の膨らみがある。中盤からのキレがよくなり、後口も軽くなり癖が無い。評価8.8。


生酒を寝かすことは、余り推奨されていないが、今日の結果を見ても、寝かせた方が品格が上がることが判る。
 周辺の参加者も異口同音に20BYの方が良いとの声だった。


(14) 芳水 大吟醸 平成19BY   芳水酒造 (徳島)
 軽い入り口。甘い味の後穏やかなバランスの良い味。落ち着いた世界だがまだ枯れてはいない。後半の苦味はあるが、底にあり浮いてはいない。評価9.0。


芳水の新酒は力強い。3年ほど寝かせると丁度バランスがよくなる印象だ。


(15) 梅乃宿 純米大吟醸 雄町 平成18BY   梅乃宿酒造 (奈良)
立香なし。甘い入り口。酸は軽くなっている。中盤は軽いが、後半に辛味が出る。味の前後のバランスが後半型。評価8.5。


<熟・醇・を飲む>
このコーナーが、この会の最もこの会らしいコーナー。
重要どころで、マラソンで言えば35km地点か。
 酒の中島屋実験室と言ってよいコーナーだ。
新奇に満ちた実験、ある意味では無謀な、ある意味では革新的な、ある意味では常識破りな,ある意味では非常識な、ある意味ではかけがえの無い貴重な試みが行われている。


(16) 松の司 心酔 山廃純米吟醸生 平成19BY   松瀬酒造 (滋賀)
甘い入り口。酸の膨らみがあり、丸い舌触り。後半は辛味系で、後口も辛い。評価8.5。


(17) 出羽桜 桜花吟醸 本生 2006年12月詰   出羽桜酒造 (山形)
老香なし。仄かに好い香りがする。スッキリとした入り口。酸の厚みはなく、中盤から軽くなる。丸い味わいでバランスが良い。後口は辛味系だが良い。評価8.8。


吟醸香の立つ香り豊かな生酒で有名な桜花吟醸を寝かすことは誰も考えまい。
 寝かしたらどうなるか、その好奇心の結果はこうなのである。
寝かしても良い、いや、寝かした方が良いかもしれない。
 しかし、試みる方は4,5年の忍耐力を必要とする。


(18) 出羽桜 雪漫々 大吟醸 2007年7月詰   出羽桜酒造 (山形)
老香無い。軽い入り口。まったりとした味の厚みはあるが、酸のふくらみは感じない辛口の熟成経路。後半に掛け仄かに甘い。後口も癖が無く良い。三千盛の世界に近い。評価8.5。


(19) 能代 亀の穂 純米吟醸 1992年6月詰   喜久水酒造合資 (秋田)
老香は全く感じない。酸の膨らみがあり、18年ものの古酒とは思えない。まだまだ枯れてはいない。もう10年寝せても良いかもしれない。中盤からの味の引きが速く、スッキリと切れて行く後口の良いところは熟成酒の特徴を備えている。評価8.8。


 


とんでもない酒である。
中島屋の0℃の冷蔵庫で18年も寝ていたが、全く老香が無い、カラメル風の熟成香も無い。味は枯れていない、元気だ。


2008年6月のこの会で同じ蔵の超熟成酒を経験している。
「縄文吟醸 能代 吟醸生 1991年3月瓶詰」
その時の印象は,「カラメルの香り。味は厚みのある味、ピークは過ぎた感じ。残り香もカラメル系。」と書いている。
 これは生だったが、今日のは火入れなのだろう。
蔵出し氷割仕込とはどういう仕込みなのだろう。



【今日の料理】
マラソン宴会の肴は、ざっぶんさんが温かいものはその都度、作って出していただける。
 写真は暗い場所でストロボをたかずに撮っているので、画像の色調がよくないし、ブレているものもある。


 
ポテトサラダかいわれ大根添。


 
マーボ茄子。
脂と茄子の相性は良い。周辺の評判が良かった。
山廃系の酒が多かったので、相性が良かったように思われた。


 
イカの塩辛。
自家製の塩辛は、市販のものにあるエグ味が無く、サッパリとしてイカのワタの旨みが素直に感じられる素性の良さがある。


 
ホタルイカの酢味噌和え。


 
暗くてよく見えなかったが、菜の花の胡麻和えだったか。


 
鶏の唐揚げ。
揚げたてのカリカリしたものに、レモンを搾っていただく。
揚げ物は揚げたてに限る。
鶏の唐揚げは意外に揚げたてを食べる機会は少ない。


 



出汁巻き玉子。
簀巻きのまま出されるので、開くと写真には写っていないが湯気がワッと立ち上る。
お酒は一休みして、出来立てを頬張る。


 
河豚の鍋。
具沢山の鍋である。
ボデーのある酒には鍋の汁がよく合う。
つけ汁はポン酢と胡麻だれ。濃い酒には胡麻だれが合う。


 
最後の卵雑炊。
しっかり飲んで、しっかり食べた後でも美味しいかった。


座って飲み・食べ続けていると、腰もつかれてくるし、何か酸素が不足しているような気もするので、途中何度か外に出て、深呼吸し、手足を屈伸させてリフレッシュして、また戻り飲む。


まだ宴はたけなわだが、5時になったので明日のことも考えて、中座して帰ることにする。
 関係者に中座のご挨拶をして出口に向かうと、K氏から"乗り越して、また安城まで行かないでね"と贈る言葉をいただいた。
 その件は、このブログにしか書いていないから、K氏も読んでいただいているのだなと愛読者の声に背中を押されながら外に出た。


順調に、何のトラブルも無く家に着いたのはK氏のお陰と感謝。
快い一日だった。


 


 

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最終更新日 : 2019-03-15

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