2010/02/21 日本酒の会合宿2日目(その1)-曙(高澤酒造)蔵開き - 菜花亭日乗
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2010-02-21 (Sun)  23:23

2010/02/21 日本酒の会合宿2日目(その1)-曙(高澤酒造)蔵開き

 
朝目覚めると青空だった。
日本海側の冬には珍しい程の青空だった。
これも日頃の心がけの賜物。


 
民宿與市郎の駐車場で体操をしてから,道路を横断して浜辺に行く。


 
晴れた空と澄んだ空気の下、雪を被った山々までよく見える。


今日の目的は、地元氷見の酒蔵である高澤酒造の蔵開きである。
10:30からの開場なので、時間がたっぷりあり、銘々それぞれで時間をつぶす。散歩する人、呑む人、TV観る人...


民宿のバスで送って貰い、高澤酒造店の前に着いたのは10:20。丁度良い時間になった。


 
高澤酒造は、海側が蔵、街の表通り側が酒販店舗になっている。


 
新酒の目印である緑の酒林(杉玉)がお出迎え。


 
富山の蔵元めぐりの立看もお出迎え。


店舗の中に入ると、既に開場されており、挨拶もそこそこに蔵内の会場に通される。
 受付では、来場者全員に利右衛門搾りたて生原酒(180ml)とたっぷりと日本酒が残っている柔らかめの酒粕がプレゼントされた。高澤酒造の蔵開放は無料だがプレゼント付きである。施しを有り難くいただく。


 
椅子が並べられた場所で開会を待つ間に、甘酒と蒸しパンのようなもの(酒蒸し?)が配られる。
 文字通り温かいおもてなし。


 
甘酒はアルコールが飛ばしてあるので、子供でも車の人でも大丈夫。ほんのりと甘くさっぱりとした上品な味わい。
 蒸しパンも仄かに甘く、トッピングの小エビも臭いはなく香ばしい。


 
定刻になり、蔵元当主のご挨拶。
今年は寒い日が多く酒造りにとってはよかったそうだ。


 
長男であり杜氏である高澤龍一氏が、お酒の造り、蔵会報の内容に付いて挨拶と説明。


蔵開きが始まると、蔵開きの華である試飲コーナーに案内される。


 
利右ェ門しぼりたて生原酒と純米生原酒の2つの菰樽が用意されている。
プラスチックの御猪口に入れて貰い試飲。
隣のコーナーでは、購入することもできる。
バッグの重さを考えて利右ェ門4合瓶を1本購入した。


 
高澤酒造では搾りは、袋吊りと槽のみでヤブタは使っていない。
槽の方が細かい搾りができるからだそうである。


日本酒の搾りは,大きく分けると3段階「あらばしり」「中取り」「せめ」に分かれる。
 搾りを丁寧に行うことにより、日本酒の繊細な味わいを実現することができる。
 「せめ」は雑味が多いので、「あらばしり」「中取り」(合わせて「みずぶね」と言うそうである。)と混ぜてしまっては勿体無いのである。


今搾られているのは「せめ」の段階だそうだが,利いてみると力強さは感じるが特に雑味と行った印象は無く、搾りたてのフレッシュさが生き生きとした酒である。


 
蒸し場。


 
蒸しは、和釜では無く、ボイラーを使用した蒸気で蒸している。ただ機械の蒸気をそのままでは臭いの問題が起こりうるので、もう一度水蒸気を作り、2次的に作ったものを使用している人のことであった。


1階の見学が終わると2階へ上り、麹室の見学である。
杜氏の説明では、麹室が公開されるのは年1回、蔵開放の日だけであるとの説明。
 前回の訪問ではガラス越しでしか見えなかった麹室の中に入ることができる。楽しみである。


 
階段を上がると麹室の前の窓からは、酒林と氷見の海が見え、雪を冠にいただいた峰も見える。
 景色を楽しみながら麹も育つことができるだろう。生き物は環境に左右されるものだから。


 
麹室の外側も杉の板である。


 
日本酒造りは、一麹(いち麹) 二?(にもと) 三造り(さんつくり)」といわれるとおり、高澤酒造は麹にこだわっているようだ。


麹室は秋田杉の総張りで、美しく清潔である。
杉の板張りにしたのは、木材の調湿能力が良いためだそうである。
湿度が高すぎれば吸収し、乾燥しすぎれば杉材は湿度を吐出する。


 
換気口は空気の対流のために2箇所設けられている。


 
麹の管理は麹箱で行っている。
麹造りは全て手作業である。


 
出来上がった麹を、外気の雑菌から守り、一晩休ませるスペース。


高澤酒造の麹室は、今まで見た麹室の中で、と言っても麹室の中に入ることができる機会はそう多くはないが、最も綺麗で、清潔で、立派なものだった。
 年に1回のチャンスだが、一見の価値がある。


 
1階に戻り、醪管理の説明。
醪のタンクは冷媒のジャケットが巻いてあり、温度管理がされている。


TV局の取材が入っているようで、TVカメラが廻る中、参加者のインタビュー・取材も行われていた。局は,富山放送らしい。
 我が日本酒の会sake nagoyaも遠路到来の客と言うことで幹事が取材を受けている。


 
発酵タンクの中では、酵母が頑張って発酵している。


 


 



  
蔵見学が終わり、店舗に戻ると、そう広くはない店舗は、同じように買い物をする参加者で溢れている。


 
店の天井近くには、鑑評会の賞状が並べられている。
平成19年、20年の金沢国税局の優等賞の賞状で、最近の酒造年度のものである。いずれ全国の新酒鑑評会の賞状も並べられるに違いない。


 


蔵見学の際、高澤酒造の銘柄は曙であるが、正式には「有磯 曙」であるとの説明が杜氏からあった。


曙は日の出より前の状態のことで、まだ太陽が昇らない、これから上り始める空の輝いた状態のことを言い、これから昇る太陽のように輝きたいとの願いから銘々されたものとのことだった。


昔の人の感性は、繊細である。
「暁」、「曙」、「日出」と分けられている。
昔は暁と曙の間にはかなり明確な区別があったようで、仄かに明るくなる前の時間帯を暁と呼んでいた。
これに対して曙は、空がやや明るくなる時間帯。
「日出」は昇った時間帯。


「有磯」の説明はされなかったと思うが、調べてみると。
 有磯海(ありそうみ)は北陸の歌枕である。


歌枕「有磯海」の由来は、万葉集巻十七の大伴家持が越中で詠んだ歌にある。


・かからむとかねて知りせば越の海の荒磯の波も見せましものを


当時、家持は国守として越の国にいたが、弟が死んだ知らせを受け、詠んだ歌である。
 死んでしまった弟に、越の海の荒磯(有磯)に寄せる波を見せてやりたかったと詠んでいる。


銘柄名には、日本の文化が伝えられている。


もう一つ、小泉武夫東京農大教授の額が掲げられている。
 
小泉教授はTV出演でもお馴染みだが、高澤杜氏の大学時代の恩師であるらしい。
「青海白峰(うみしらみね)」は、高澤酒造の最上級酒、出品酒クラスの袋吊り大吟醸の銘柄である。
その命名者が、小泉教授であることが解る額だ。


蔵見学が終わると午後からは、ハープの演奏コンサートが行われるそうだが、明日の仕事を持つ参加者は遅くならないように名古屋に帰らなければならない。
 残念だが、コンサートは断念し、帰途につく。

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最終更新日 : 2019-03-15

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