2013/11/15  日記  時雨 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

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2013-11-15 (Fri)  20:00

2013/11/15  日記  時雨

2013/11/15() 旧暦: 1013日 祝日・節気:七五三 日出: 616分 日没: 1634分 月出: 1505分 月没: 337分 月齢: 11.59 干支:乙酉六曜:仏滅九星:三碧木星



今日の季語:時雨

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(がんばれ凡人 より転載)


『時雨
(季節)初冬
             
(関連語)朝時雨、夕時雨、小夜時雨、村時雨、北時雨、片時雨、時雨雲、時雨傘、時雨心地、時雨の色、月時雨、松風の時雨

冬の初め、降ったかと思うと晴れ、また降りだし、短時間で目まぐるしく変わる通り雨。この雨が徐々に自然界の色を消して行く。
先人達は、さびれゆくものの中に、美しさと無常の心を養ってきた。』(季語と歳時記)


時雨の俳句:




・旅人と我名よばれん初しぐれ 芭蕉




・温海蕪引きし山畑時雨けり菅原庄山子




・一山に時雨去りたる寺廂武井美代子




・古書提げて俎橋に時雨れけり香川正子




・伊勢丹のドアに逃げ込む夕時雨那須淳男




・違ふ名で母に呼ばれし時雨かな三井孝子





『野ざらし紀行』の後、貞享4年再び旅立ちの時を迎えた芭蕉は、其角亭での送別の句会でこの句を詠んだ。
時雨は、古来無常なもの、定め無きものの象徴として考えられてきた。

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『笈の小文』の最初にで、芭蕉は、旅に出立する前、この句の前文に「神無月の初、空定めなきけしき身は風葉の行末なき心地して」と書いている。

現代のツアーパック旅行や帰る日が決まっている旅行では無かった江戸期の旅、芭蕉の旅は定めもないもので、初しぐれはその心象風景であった。

山畑も寺廂も初しぐれを背景にして、同じ心象を詠んでいる。

俎橋は、東京に疎い筆者には語感に含まれる風景がない。
調べてみると、「俎橋(まないたばし、爼橋)とは、東京都千代田区にある靖国通り(東京都道302号新宿両国線)の橋である。日本橋川上流に架かり、東側の神田神保町三丁目と、西側の九段北一丁目及び九段南一丁目を結ぶ。」そうだ。
香川は、神田の古書街で古書を求めた後、差し掛かった俎橋で時雨に遭ったのだろう。
荷風が歩いていそうな光景だ。

定めがたき初冬の空の下、突然遭遇する時雨は、受け容れざるをえないものだ。
人生の時雨時、自分の名前が判らなくなった母と過ごしていかなければならない日々、これは不幸だとか不条理だとか嘆きとか怒りとかで片付けられるものではない。
時雨と同様、あるがままの今を受け容れるより処すべき方法がない。


三井の心は、芭蕉の心に通じている。



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最終更新日 : 2019-03-15

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