2022/06/17 (金) 旧暦: 5月19日 祝日・節気・雑節・ 朔望: 日出: 4時24分 日没: 18時59分 月出: 22時03分 月没: 6時54分 月齢: 17.65 潮汐: 中潮 干支: 辛丑 六曜: 大安 九星: 五黄土星 今日のあれこれ: さくらんぼ 『山形県 待ちに待ったさくらんぼシーズン到来』 https://youtu.be/NbOcIUt_nYk 『桜桃の実(おうとうのみ、あうたうのみ) 仲夏 【子季...
2022/06/17 (金) 旧暦: 5月19日 祝日・節気・雑節・ 朔望:
日出: 4時24分 日没: 18時59分 月出: 22時03分 月没: 6時54分 月齢:
17.65 潮汐: 中潮 干支: 辛丑 六曜: 大安 九星: 五黄土星
今日のあれこれ: さくらんぼ
『山形県 待ちに待ったさくらんぼシーズン到来』
https://youtu.be/NbOcIUt_nYk
『桜桃の実(おうとうのみ、あうたうのみ) 仲夏
【子季語】
桜桃、さくらんぼ
【解説】
一般にさくらんぼと呼ばれているものは、西アジア原産の西洋実桜とその改良栽培種。やや黄味がかったみずみずしい赤い実が、二つに分かれた細く長い柄の先に垂れているのは、何とも可憐。
【科学的見解】
一般的に桜桃として栽培されているものの多くは、セイヨウミザクラ(甘果桜桃)と呼ばれるもので、バラ科に属する落葉高木である。セイヨウミザクラは、明治以降日本へ導入された後、主に山形県で海外品種をもとに育種が行われ、日本の代表品種である「佐藤錦」や「紅秀峰」等の品種が作出された。本種の果実は、二~三センチメートルの大きさで、成熟期には十五から二十度ほどの糖度となる。雨にあたると実が裂果してしまうため、ハウスなどで雨除け栽培がおこなわれている。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)
さくらんぼの俳句:
・さくらんぼ里の日に照り風に照り 梅田武
・さくらんぼこの国いまだ捨て難し 徳田千鶴子
・さくらんぼどこに置いても艶めきぬ 穂苅照子
・さくらんぼ置けば明るき居間となる 稲畑汀子
・さくらんぼさくらんぼ笑みが自づから 滝沢伊代次
・さくらんぼころころ笑ふ人とゐる 高野春子
・さくらんぼふふみ幸せふふみけり 樺山翠
・さくらんぼ寄り添ふ二つ眩しかり 藤原はる美
・さくらんぼ君の唇染め上げて 稲畑廣太郎
・さくらんぼをさなさのこる妻の口 椎橋清翠
・さくらんぼ数へて食べて妻若し 下村ひろし
さくらんぼも桜桃も同じ果物だが、季語としては違いがあるようだ。
詠まれている句はさくらんぼの方が圧倒的に多い。
さくらんぼという言葉には、心を惹き付ける力があるようだ。
数多いさくらんぼの例句を読んで、今更ながらさくらんぼの「幸せ力」とでも称すべき力を認めざるを得なかった。
この季節、苺狩も楽しいが、さくらんぼ狩りはもっと楽しみが多い。苺は果物で終わってしまうが、さくらんぼは果物だけでは終わらない。
さくらんぼが実る光景も美しい、それは最初の2句に詠まれている。
普通の果物と違い、さくらんぼは家の中に持って帰り、食卓に置いただけで変わるのだ。
次の2句、居間に置いても、どこに置いても、その場が明るく艶めくのだ。
そして、それからだ、魔法が始まるのは
滝沢、高野、樺山の詠むように、さくらんぼは自ら笑い、近くの人をコロコロ笑わせ、口に入れるとその人を幸せにする力を持っているのだ。
藤原の句に出会って、さくらんぼを目の前にして、一寸幸せ度が足りないなと感じた。
さくらんぼがあるのに何が足りないのだろう?
その疑問は、下の3句を読んで解った。
いい年をした男が3人、口を揃えて、言っている。
眼の前でさくらんぼを食べている妻に惚れ直したと。
藤原は独りでさくらんぼを目の前に置いているのだ。
足りないのは、目の前に居ないもう一人だ。
若い二人なら、勿論、さくらんぼを目の前に置けば、幸せを感じることが出来る。
若くない二人でも、心配はいらぬ。
さくらんぼを摘んで、口に放り込んで、“ああ幸せ!!”と食べれば、目の前のいつもは難し顔の男も、年を忘れて妻の唇を見て、若々しさに魅せられてしまうのだ。
さくらんぼを買いに行こう。
老いも若きも、二人で食べよう。
そして、幸せになろう。