2019年05月08日 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

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2019-05-08 (Wed)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1-1 出品酒)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1-1 出品酒)

今日の宴の柱は勿論日本酒だが、料理も素晴らしい。会場のてら田は予約ができないほどの人気店だ。運にも恵まれて、今日の会に参加できたのは幸運だった。てら田は岐阜駅前にあり、アクセスも極めて良い。改札を出て、回廊を渡り、道路の反対側の階段を降りれば、もう店の前に出る。周辺がシャッターが閉まっているので、夜になると暗い中に店が浮かぶ。店前の電飾案内看板には、「手酌割烹 てら田」と書かれている。昼はランチ営...

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今日の宴の柱は勿論日本酒だが、料理も素晴らしい。
会場のてら田は予約ができないほどの人気店だ。

運にも恵まれて、今日の会に参加できたのは幸運だった。


てら田は岐阜駅前にあり、アクセスも極めて良い。
改札を出て、回廊を渡り、道路の反対側の階段を降りれば、もう店の前に出る。


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周辺がシャッターが閉まっているので、夜になると暗い中に店が浮かぶ。

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店前の電飾案内看板には、「手酌割烹 てら田」と書かれている。

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昼はランチ営業も行われているそうだ。

今日の宴が20時半のスタートなのは、それまで別の団体が借り切っていたためで、貸し切りで使うのは大変な店なのだ。

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店は入口からカウンター席が奥まであり、対面厨房になっている。

開始時間前だが、もう参加者が着席している。

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 一番奥には座敷があり、グループで利用することも可能だ。

定刻20時半になり参加者も揃い、酒の中島屋店主の挨拶で、宴が始まった。

この会は、お酒は店主の企画したコーナー毎に、順を追って提供される。
 ブラインド評価ではなく、瓶ごと回されるので、ラベルを見て、スペックを見て利くことができる。

店主の企画は、受付時に渡される「利き酒メモ」に書かれている。
 今日の企画のコーナーの設定は、5つ。
<乾杯>
<夏のお酒>
<純米酒 飲み比べ>
<今日の贅沢・吟醸酒 飲み比べ>
<熟・醇・を飲む>

全部で16銘柄。
香り高い吟醸酒から旨酒、ピチピチの新酒から19年物の大古酒まで役者が揃っている。
幅の広い構成になっている。


【今日の出品酒】
以下、今日の出品酒の印象を記載するが、個人の嗜好に基づくもので、客観性はない事をお断りしておきたい。


<乾杯>
最初のコーナーは、会の開始を祝って、皆で一斉に乾杯。
酒の中島屋取扱の銘柄数多ある中で、登場したのは岐阜の小坂酒造場の百春。

(1)
百春 純米大吟醸 山田錦 直汲み仕込み24号 小阪酒造場 (岐阜)
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立香は吟醸香が立つ。甘い入り口。舌触りは丸い、含み香も吟醸香、透明感のある酸、中盤、中心にある辛味の固さが押しになっている。後半の切れ良い。


吟醸香の立つ吟醸酒らしい世界、綺麗だが中盤、中心に辛味の押しがあり、綺麗だけでない主張がある。乾杯酒として適性が高い。

精米歩合50%で、それ程削られては居ないが、中盤の渋味や雑味感はなく、辛味は押しになっていて、後半の切れも良く、造りの良さが感じられる。


<夏のお酒>
各蔵から夏向きのお酒が登場する時期に合わせ、3銘柄を飲み比べ。
四国徳島の芳水2銘柄と白岳仙。

(2)
芳水 暑氣拂 土用酒 吟醸生貯蔵 芳水酒造 (徳島)
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百春の後なので、吟醸酒なのだが立香はあまり感じない。丸い入り口、仄かな酸味。酸は広がらない、広がらず中に纏まる感じ。味に偏りがなくバランスが良いので食中酒として適性がありそうだ。



(3)
芳水 淡遠 純米吟醸生貯蔵 芳水酒造 (徳島)
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入り口はさっぱりとして、偏りのない印象。酸のふくらみは大きい。味のバランスは良い。後半、底に渋味があり、味を締めている。この酒も味のバランスが良いので食中酒の適性良いが、酸のふくらみがある分、単独でも楽しむことができる。


(2)
は醸造用アルコール添加の吟醸酒、(3)は純米。
精米歩合は、60555%しか違わないが、飲んだ印象はかなり違う。
 (3)の方が1升瓶で2800円と600円高いが、単独で飲んでもよく、食中酒でも良いので幅が広い。
(2)
もバランスが良いので食中酒として普段飲みならコスパが良い。
 いずれにしても四国らしいスッキリとした味わいだ。


(4)
白岳仙 純米吟醸 涼純辛口 安本酒造 (福井)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸のふくらみは中程度、広がりも大きくはない。中盤以降、味わいの底に渋味を感じる。


白岳仙と知って飲むので、そう感じるかも知れないが、綺麗な透明感のある吟醸酒という白岳仙のイメージとは少し違う世界を感じた。

この酒は、ブラインドで飲めばまた別の印象になったかも知れないと思う。




2019-05-08 (Wed)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1-2 出品酒)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1-2 出品酒)

<純米酒 飲み比べ> このコーナーは、獺祭、明鏡止水、鯨波それぞれ2銘柄の利き比べ。 個人では、なかなかこうした利き比べはできない。 この会ならではの企画だ。 先ずは、獺祭の中心銘柄の利き比べ。 獺祭の中心銘柄、入り口と言える「純米大吟醸 磨き50」が今年3月末に廃盤となり、後継銘柄の「純米大吟醸 磨き45」に置き換えられた。 スペックは、火入れ、山田錦、アルコ...

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<純米酒 飲み比べ>
このコーナーは、獺祭、明鏡止水、鯨波それぞれ2銘柄の利き比べ。
個人では、なかなかこうした利き比べはできない。
この会ならではの企画だ。

先ずは、獺祭の中心銘柄の利き比べ。
獺祭の中心銘柄、入り口と言える「純米大吟醸 磨き50」が今年3月末に廃盤となり、後継銘柄の「純米大吟醸 磨き45」に置き換えられた。
スペックは、火入れ、山田錦、アルコール度数:16度、日本酒度:+3.0、酸度:1.5は変わっておらず、変わったのは精米歩合が50から455%減ったのみである。
この5%の差がどの程度なのか利き比べである。

(5)
獺祭 純米大吟醸 磨き50 旭酒造 (山口)
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立香は仄か、鼻に抜ける吟醸香ではないが、快い香りが漂う。。甘い入り口。酸は透明感あり、辛味もある。含み香は吟醸香、味のバランス良い。後半、軽い渋味が味を締める。


立香は百春のように立ち上がりはしないが、漂う感じが快い。含み香は吟醸香が感じられるが程良いもの。
味のバランスが良く、穏やかで品の良さを感じさせる。
代表銘柄らしい世界だ。


(6)
獺祭 純米大吟醸 磨き45 旭酒造 (山口)
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立香は吟醸香だが、何か香ばしさを感じる。入り口は軽く甘い。酸のふくらみは大きい、ふくらみの中に取り込まれる感じがし、スケールの大きさを感じる。中盤の渋味もなく後半の切れ良い。


舌触り丸く、大きな世界。食中酒でも単独でもいける万能選手だ。精米歩合5%の違いは大きい。

50と45の違いは精米歩合5%だけだが、この差は大きいと感じた。
違いはふくらみにある。45は口に含むと大きな透明な世界に入り込むように感じられる大きさがある。

筆者はふくらみのあるお酒が好きだが、この45は好みにピッタリの世界だった。


(7)
明鏡止水 垂氷 純米 山田錦 槽搾り 大澤酒造 (長野)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。含み香は吟醸香のようなエチル香のようなもの。酸はふくらまない。中盤に辛味と渋味の押しが来る。肉に合わせる食中酒だろうか。


山田錦100%なのだが、前半から中盤のふくらみがあまり大きく感じられない。
山田錦の長所が活かしきれていない感じだ。


(8)
明鏡止水 ラビアンローズ 純米 大澤酒造 (長野)
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立香はあまり感じない。入り口は甘い。酸は滑らかでふくらみがある。含み香はエチル系の軽い香りが鼻に抜ける。


垂氷に比べると、中盤の滑らかさとふくらみあり、後半にかけての渋味もないので、ゆったりとした味わいで飲み易い。
ただ、含み香がエチル系なので好みではない。

La Vie en Rose
と書かれていると、エディット、ピアフを思い出してしまう。
ピアフ作詞のシャンソンの名曲だ。


確かに、この酒をワイングラスに注いで、心の通じる人と語り合えば、この酒の適性が感じられそうだが、酒だけで言えばやはり含み香が気になる。

久しぶりにピアフの歌を聴いてみた。

Edith Piaf - La Vie En Rose

https://youtu.be/BVsIs6URPw8

歌詞は以下のサイトで見ることができる。

「フランス文学と詩の世界」
https://poesie.hix05.com/Chanson/02la-vie.html



(9)
鯨波 純米吟醸 無濾過生原酒 恵那醸造 (岐阜)
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仄かな立香。甘い入り口。大きな酸に辛味のパンチがある。中盤、渋味も感じる。後半、辛味系の切れがある。酸のふくらみ、辛味、渋味のもたらす押しがあり、パンチがある。主張のある味わいだ。


無濾過生なので度数以上に活発な世界を持っている。
吟醸酒の世界というより味の豊かな純米酒の世界だ。
メリハリの効いた味わいが好きな人にお薦めだ。


(10)
鯨波 純米吟醸 袋吊り 恵那醸造 (岐阜)
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立香は、仄かな吟醸香。甘い入り口。酸は大きさは感じないが滑らかさがある。中盤以降辛味があり、押しを感じる。(9)より後半の切れが良い。


(9)
の後に飲むと、ややおとなしく感じるが、中盤の味の押しはあり主張はある。
後半の切れが良いので、単独でも食中酒でも適性がある。



<今日の贅沢・吟醸酒 飲み比べ>
定評のある大吟醸酒4銘柄の贅沢な飲み比べのコーナー。
これも個人では行えない飲み比べだ。

(11)
〆張鶴 吟醸 生貯蔵 宮尾酒造 (新潟)
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立香はハッキリとした吟醸香というより快く鼻に抜ける香り。甘い入り口。バランスの取れた味わい。酸のふくらみ大きい、味の偏りがなく、穏やかなおおらかさを感じさせる。

アルコール添加の吟醸にしてはふくらみが豊かで、柳腰というより豊満な吟醸酒だ。

ふくらみがあり、味の偏りがなくバランスの良い穏やかさがある味わいは好きな世界だ。


(12)
玉川 大吟醸 無濾過生原酒 木下酒造 (京都)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸のふくらみ大きい。味わいの押し・主張があり、プレゼンスがある。

大吟醸のスッキリとした透明感のある切れの良い世界というより味わい豊かな押しのある純米酒の世界を感じる。

(11)
と同じ醸造用アルコール添加の大吟醸だが、味わいはかなり異なる。
活気のある味わいは生き生きとしていて無濾過生原酒が納得できる味わい。(9)鯨波の世界に近い印象だ。


(13)
正雪 純米大吟醸 天満月(あまみづき) 神沢川酒造(静岡)
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立香は軽く、甘い。甘い入り口。酸はふくらまず大きくはない。味の展開が早めに終わる。含み香にエチル系の香りを感じるのが静岡の酒らしい。


50%
精米の純米大吟醸だが、中盤のふくらみは大きくはなく、普通のイメージでは、この酒の方が大吟醸に近い世界だ。

個人の嗜好では、味の展開が少し忙しい、もう少しゆったり感が欲しい。
含み香もやや気になるが、静岡の酒なのでやむを得ない。


(14)
蓬莱泉 純米大吟醸生 関谷醸造 (愛知)
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立香は吟醸香だが、立ち過ぎず程良く快い。甘い入り口。味のバランス良い、五味が調和している。中盤以降の雑味は全く感じない。含み香はほのかな吟醸香。偏り無くバランスの良い格調のある佇まいで品位を感じる。

将来、空になる酒だが生の世界の方が良いかもと思わせる。

毎年再現性のある味わいで「空」をお客に届ける関谷醸造の力量を感じる。
香りも立ちすぎず、味も偏り無くバランスが良い安定感のある世界で飲み終わった後の納得感がある。

「空」は火入れ・一年熟成のお酒なので、生酒は「空」では無くなるが、なんとなく「空」の生酒と言ってみたい気がする味わいだ。



<熟・醇・を飲む>

(15)
笹一 純米吟醸 無濾過生酒 <20185月> 笹一酒造 (山梨)
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立香は吟醸香というより、甘い香り+αの個性的なもの。甘い入り口。シュワッとした発泡感が嘗てあったと思わせる名残を感じる。味は酸味と渋味の押しがある。含み香に吟醸香。中盤以降、五味の複雑な絡み合いがある。

ややこしい世界が好きな人には、興味深い複雑な世界を持っている。



(16)
蓬莱泉 春のことぶれ 純米大吟醸生 <20002月> 関谷醸造 (愛知)
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19
年物の生酒の純米大吟醸。なかなかお目にかかれない超熟成酒だ。

立香は老香ではなく、甘さと香ばしさの混合したもの、表現を変えると甘さ+干物の香り。
甘い入り口。含み香は立香と同じ。中盤、酸と辛味の押しがある。後半特に気になる後口、老香は感じない。

生酒の純米大吟醸の19年熟成酒というとイメージは浮かばない、?の世界だ。
こればっかりは、口に入れてみないと判らない。どうなるのかとの疑問は、飲んでみて氷解した。生酒の純米大吟醸の19年熟成酒の世界は在りだった。

酒の中島屋主催のこの宴では、とんでもない酒が登場する。
世の中には普通無いものが登場する事がある。
この酒もそうで、生の酒を19年熟成させる事は普通はしない。
なぜなら、生酒は酒質が変化しやすいために加熱処理をして変化を止めるのが火入れであり、生酒は早く飲むことを前提にした酒だからだ。
それに、人気銘柄である「春のことぶれ」を19年熟成させる必要性は全く無い。

この2つの常識を乗り越えた彼方に、この酒は存在する。




2019-05-08 (Wed)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その2 料理)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その2 料理)

手酌割烹 てら田の料理は、手間を惜しまず作られており、一品一品発見や驚きを感じさせるので、次が待ち遠しく感じられる。 (1) 前菜4種盛り 上: 稚鮎の南蛮酢 左: 牛乳の豆腐 中: さくらんぼ風甘味 右: 若鶏のつくね ・稚鮎の南蛮酢 魚の南蛮酢は、鯵や黍魚子のイメージがあるので、中骨はあるが揚げてあるので骨まで食べられると言うイ...

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手酌割烹 てら田の料理は、手間を惜しまず作られており、一品一品発見や驚きを感じさせるので、次が待ち遠しく感じられる。


(1)
前菜4種盛り
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上: 稚鮎の南蛮酢
左: 牛乳の豆腐
中: さくらんぼ風甘味
右: 若鶏のつくね

・稚鮎の南蛮酢
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魚の南蛮酢は、鯵や黍魚子のイメージがあるので、中骨はあるが揚げてあるので骨まで食べられると言うイメージが一般的だ。
その積りで口に入れたら驚かされた。鮎がトロリとして口の中で蕩ける感じ、骨の食感がまったくない。
揚げたものを、長くすに漬けてもこの触感にはならないと思う。
鮎の姿が型くずれしていないので、揚げたものを時間をかけて煮たものではないだろう。
考えられるのは、稚鮎を煮て骨まで柔らかくなったものを揚げれば、この食感になるかも知れない。
不思議さが味わいを豊かにする。

玉ねぎのシャリシャリとした食感。
柔らかい酢。
茗荷の香りと食感。



・牛乳の豆腐
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乗っているのは百合根だろうか。
ソースの説明を女性がしていたが、遠くて聞き取れなかった。

豆腐は、口の中に入れるとミルクの香りが漂う。
後で訊いてみると、チーズが隠し味になっているそうだ。



・さくらんぼ風甘味
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見たところはさくらんぼだが、口に入れるとネットリとした食感が滑らかに口に広がる。味は仄かに甘く、残り香にミルクの香りが漂う。



・若鶏のつくね
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口に入れるとホロリとした食感。
柔らかい筍の食感と若鶏の肉の取り合わせの食感が面白い。
甘く軽い切れの良いタレが後口も軽快にしている。



(2)
蟹身と蟹味噌の茶碗蒸し
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蓋を開けると上には蟹味噌のスープが浮かんでいる。
昨年は、蓋を開けるとシャーベット状のものが上に乗っていた、蟹の味噌スープを凍らせたものだった。下は普通に茶碗蒸しだった、冷たい上と温かい下の対比が面白かった。

今年は、利き酒と前菜の記録に忙しく、蓋を開けるのが遅くなったので、溶けてしまったのかも知れない。

茶碗蒸しは三層構造になっている。
一番上は、濃厚な蟹味噌のスープ(甲羅酒かも知れない)、で濃厚な味わい。
その下は、茶碗蒸しの玉子の滑らかな舌触り。
一番下は、蟹の身が敷かれている。

蟹味噌、玉子、蟹の身のそれぞれの層の味を楽しみながら、下に下がっていくと、蟹味噌と玉子と蟹の身が次第に混じり合い一体となって、味もカクテル状態になる。

茶碗蒸しの中の階層が味の階層を作り、階層が進み混じり合うに連れて、味も混じり合っていく面白い仕組みになってる。



3) 造里
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見た処、彩り野菜のサラダだが、よく見ると中心部は刺し身のサイコロになっている。
サラダではなく造里なのだろう。

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エンドウは甘くサクサクしている。
赤カブは甘く軽い味わい。

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刺し身は
サーモン トロリとした食感、後味にサーモンの香り。
マグロ サッパリとして、軽い味
白身 鯛だろうか



(4)
白エビのかき揚げ
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揚げ物は出来立てが勝負、酒は後にする。
顔を近づけると、香ばしい海老の香りが立っている。
海老を口の中に入れる。表面はカリッとした食感、噛んでいると海老の香ばしさが口の中に広がる、次に海老の身の甘味を感じる、最後に香ばしい皮の旨味と海老の甘味と旨味が一体化する。

食べ進むに連れて味が段階的に変化するのが面白い。


(5)
鰆の焼き物と青海苔の吸い物伽羅蕗寄せ
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伽羅蕗はカリカリ、シャキシャキの食感でピリリとした辛味が鼻に抜ける。
鰆はサクリとした食感で魚の生臭さは感じない、香ばしさと鰆の濃い旨味を感じる。
青海苔の吸い物は、海苔の香りが立ち、海苔の生の旨みがある。


(6)
じゃがいもと豚の三枚肉 筍添え
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じゃがいもの台の上に豚の三枚肉が乗りソースが掛けられている。
三枚肉は煮てあるが、脂と肉の食感がそれぞれ感じられる、ラフテーのような食感だ。トロリとした脂の舌触りと肉の味わい。
じゃがいもはほっこりとした食感とじゃがいもの風味。

筍の煮物と削り節は、筍は甘くシャキシャキとした食感の後、甘さと出汁の旨味。



7) 赤酢のお寿司と浅利味噌汁
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酢飯が赤酢で作られている、マグロ、白身、蟹の三種。

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浅蜊の味噌汁。
スッキリとして切れの良い出汁が浅蜊の旨味を引き出している。



(8)
甘味 杏仁豆腐 枸杞の実添え

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甘い入り口。トロリとしてふんわりとした舌触りの後、杏仁の甘い風味が口に広がる。



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最後の日本茶。
良い酒と美味しい料理を味わい続けた口と舌をサッパリと洗い、リセットしてくれる。

日本人は矢張り日本茶だ。





2019-05-08 (Wed)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その3 感想)

2019/05/08 第347回 季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その3 感想)

最後に、まとめとして感想を書いて置きたい。 347回の驚異的な歴史を誇るこの宴「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」は毎回内容が充実している。 その中でも、今日は手応えのあった宴だった。 お酒も自分の嗜好にあったものがあり、人気店の「手酌割烹てら田」の料理も美味しく、人気店と言われる理由が判った。 ただ、内容が充実していたこの宴は、記事を書くのが大変だった。  記事は出品酒と料理に分けて書いて...

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最後に、まとめとして感想を書いて置きたい。

347
回の驚異的な歴史を誇るこの宴「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」は毎回内容が充実している。

その中でも、今日は手応えのあった宴だった。
お酒も自分の嗜好にあったものがあり、人気店の「手酌割烹てら田」の料理も美味しく、人気店と言われる理由が判った。

ただ、内容が充実していたこの宴は、記事を書くのが大変だった。
 記事は出品酒と料理に分けて書いているが、実際はお酒と料理は同時並行的に登場する。
 作り置きの料理なら、後でまとめることも可能だが、てら田の料理は、コースになっており、温かいものは冷めない内に、冷たいものはだれない内に食べる必要がある。
 お酒を利き・料理をいただく、これだけでも忙しいが、記録を取り写真を撮る事が加わる、内容が無ければ記録も簡単に済ませられるが、今日はそうは行かない。

お酒、料理、記録の間を駆け回って、嬉しい悲鳴をあげた宴だった。


【お酒】
今日の出品酒16銘柄は、これは一寸と感じたものはなく、すべて良かったが、特に印象に残ったものは、次の4銘柄だ。

・獺祭 純米大吟醸 磨き45
 今年の4月から登場した代表銘柄の改訂版だが、磨き50とスペック上の違いは精米歩合が5%良くなっただけだが、利き比べた印象では%以上の良さが感じられた。
ふくらみがあり大きな世界はゆったりとした余韻を感じさせた。

この品質のお酒が、1.8L価格3,000(消費税込:3,240)であることを考えると驚かざるを得ない。


・〆張鶴 吟醸 生貯蔵
 この酒も味の偏りがなくバランスが良く、ふくらみがある大きな世界を感じさせる。獺祭45の方が吟醸香を感じさせるが、余韻のある快い香りがあり、よく似た世界と思った。

この酒も、1.8L価格2,960円(税込 3,197円)であり、獺祭同様コストパーフォーマンスが良い。


・蓬莱泉 純米大吟醸生
 人気の入手困難酒「空」の生酒とも言えるこの酒は、再現性のある造りを理念としている関谷醸造の力量を感じさせた。
 品位があり余韻が残る飲み口は、純米大吟醸の上級酒の世界を教えてくれる。


・蓬莱泉 春のことぶれ 純米大吟醸生 <20002月>
 今日最も刺激的であったと言えるのがこの酒。他の場所では飲めない酒だ。
 印象に書いた通り、生酒を19年間熟成させるというある意味暴挙の結果がこの酒を生んだのだが、口に含むと疑念は飛び去った。

 嫌な老香は無く、味もヘタレ感はなく酸の押しと辛味も感じさせ、生酒19年の熟成の味香をプレゼンスしていた。
 尤も、造りが良いからの結果であって、生酒19年熟成が常にこの味香になる保証は全く無い。


【料理】

てら田の料理の魅力を作り出しているものを、今日2つ感じた。

一つは、階層化。
もう一つは、時系列、時系列が事務的な表現で相応しく無ければ時の流れと言っても良い。

階層化は、蟹の茶碗蒸し。
見たところは判らないが、茶碗蒸しの中が階層化されている。
 一番上は蟹味噌のスープ、中が玉子の茶碗蒸し、下が蟹の身になっていて、食べ進んでいくと味が変わっていく。
 1個で3回楽しめる趣向だ。

これを、掻き回して食べる人もいるかも知れないが、それはてら田の趣向には合わないだろう。


時系列もしくは時の流れは、白エビの唐揚げ。
印象に書いた通り、
・最初は揚げたての白エビから立ち上がる香ばしい香り、
・口の中に入れるとカリッとした(パリッとした)皮の食感
・噛み始めると、海老の香ばしさが口の中に広がる
・次に海老の身の甘味を感じる
・最後には、香ばしい皮の旨味と海老の甘味と旨味が一体化し、大団円になる。

食べ進むに連れて、時の流れに従って香りと味が変って行って最後には一体化して味香の大合唱になるところ面白い。

料理は勿論香りと味と食感、舌触りだが、食べる人を驚かせ、楽しませる工夫・趣向も料理の醍醐味だ。
 てら田の人気は、その辺りにあるのではないかと感じた。

その後知ったことだが、てら田はミシュランにも掲載されたそうだ。


人気店てら田でのこの会の宴はおそらく年に1回だろう。
来年の企画が今から待ち遠しい。




2019-05-08 (Wed)

2019/05/08 日記 花水木

2019/05/08 日記 花水木

2019/05/08 (水) 旧暦:4月4日 祝日・節気:  日出:4時42分 日没:18時32分 月出:7時10分 月没:21時50分 月齢:3.18 干支: 乙巳 六曜: 先勝 九星: 九紫火星 今日のあれこれ: 花水木  (瑞浪駅から土岐川への道にある花水木) 『花水木: アメリカ山法師 2010/03/25 晩春 【解説】 ミズキ科の落葉低木。北アメリカ原産。高さは五~十メートル位で、日本の山法師の花...

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2019/05/08 (水) 旧暦:44日 祝日・節気:  日出:442分 日没:1832分 月出:710分 月没:2150分 月齢:3.18 干支: 乙巳 六曜: 先勝 九星: 九紫火星


今日のあれこれ: 花水木

花水木 
(瑞浪駅から土岐川への道にある花水木)

『花水木: アメリカ山法師
2010/03/25

晩春

【解説】
ミズキ科の落葉低木。北アメリカ原産。高さは五~十メートル位で、日本の山法師の花によく似ている。四、五月頃、枝の先に四枚の白色の苞葉に包まれた花が開く。中心には緑黄の小花が集まっている。青い葉との対称がよい。

【科学的見解】
花水木の標準和名は、アメリカヤマボウシであり、花が美しく管理がしやすいために、近年全国的に公園木や街路樹として植栽されている。近縁種としては、本州から沖縄まで分布するヤマボウシが挙げられる。ヤマボウシの果実は食用となるが、アメリカヤマボウシの果実は食用とならない。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)



花水木の俳句:


・花水木駅前通り真つ直ぐに 石川泰子


・新緑に一際目立つ花水木  山形麗子


・浮くごとく飛ぶが如くに花水木  吉田宏之


・花水木ひととき現忘れけり  白川敏彦


・あの人もさらっと過ぎて花水木  雲閑亭只今



連休前にJR中央本線の瑞浪駅を降り、土岐川にまっすぐ通じている道を歩いた。

空が大きく開けている大通りには、赤い花が満開の街路樹が通りに沿って土岐川まで続いている。
近づいてみると花水木が植えられていた。

桜が散り、若葉に代わるころ街なかで目立つ花は、花水木。
川の堤防の桜はもう若葉になっている。

花水木の句を読んでいると、その日の想いと殆ど重なるものがあった。
駅前通りも新緑も咲き誇る花々も花の下の夢心も。
場所は異なり、時も異なっても、花水木の下の思いは通じている

雲閑亭の句は、知っている人が花水木の下を通った情景を詠んでいるものだろう。
だが、「さらっと」が気になった。

花もさらっと、男も女もさらっとが良い。
死ぬの、殺すの、心中だの、ストーカーだの思い詰めた我儘から解き放たれて、軽やかに、自由に、さらっとが良い。

花水木の下なら、それが可能かもしれない...