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  • 2019年01月 の記事一覧

2019年01月31日(木) 記事No.48


月の研究者であるデービッド・クリングという研究者の論文では
・この石は40億年前後前に地球で生成した
・その後小惑星の衝突で地表に現れた
・その後の小惑星の衝突で宇宙空間に飛び出し
・そのうちの一つが月に到着した
という内容だ。

数千年か数万年の人類の歴史からはかけ離れた話で、壮大な話だ。

科学者というのは及びもしないようなことを考える。

しかしこれが、間違っている、嘘だというためには反証が必要だ。
しかし、反証はほとんど不可能の様に思われる。

人間の未来に関して言えば、この仮説が本当でも嘘でもあまり影響はない。
むしろ、惑星の衝突があれば人類が消滅する時が来る話のほうが深刻だ。



『アポロ14号が持ち帰った月面の岩石、「実は地球由来」と研究者
1/26(
) 13:53配信CNN.co.jp

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アポロ飛行士が月から持ち帰った岩石、最初期の地球で形成か

(CNN) 48年前にアポロ14号で月面に着陸した飛行士が持ち帰った岩石のサンプルが、実際には地球由来のものであったとする研究論文が、このほど科学誌に掲載された。彗星(すいせい)か小惑星が地球に衝突した衝撃で岩石が宇宙空間へと飛ばされ、偶然その先にあった月に激突したという。

当該の岩石には石英、長石、ジルコンといった鉱物が含まれている。これらは地球なら非常にありふれた鉱物だが、月の地質における含有量はあまり多くない。

また岩石が形成された温度や環境を分析したところ、月ではなく地球の特徴との関連を示す結果が得られた。岩石の結晶化は地球がまだ若かった40億~41億年前に、地表から約20キロの深さで起こったという。

当時の地球には小惑星が複数回衝突していたことから、岩石は1度もしくは数度の衝突で地表に露出し、別の衝突によって大気圏外に弾き飛ばされたと考えられる。その後、現在の3分の1の距離にあった月にぶつかったと研究者らはみている。

月に激突した岩石は一部を溶解させながら月面下にめり込んだが、2600万年前の小惑星の衝突で再び月面に姿を現した。

今回の研究を主導した月の専門家、デービッド・クリング氏は、地球の岩石が宇宙空間へ飛び出して月に激突したとする分析結果について、地質学者の中には異論を唱える向きもあるだろうと認めつつ、度重なる小惑星の衝突にさらされていた誕生直後の地球の状況を考慮すればそこまで驚くような話ではないとの見解を示した。

CNN
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190126-35131808-cnn-int
より転載)






(19)科学・新技術・新製品 |  トラックバック(0) |  コメント(0) |  記事を編集 | 

2019年01月31日(木) 記事No.49

2019/01/31 (木) 旧暦: 1226 祝日・節気:  日出: 642 日没: 1706 月出: 254 月没: 1314 月齢: 25.06 干支: 戊辰 六曜: 先勝 九星: 二黒土星


今日のあれこれ: 冬菫


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eeyannkaの日記
http://d.hatena.ne.jp/eeyannka/20141228/1419718867
より転載)



『冬菫: 寒菫、冬の菫

晩冬

春を待たずに咲く菫を言う。暖かい地方の日当たりのよいところで見ることができる。』
(季語と歳時記)



冬菫の俳句:


・鎌倉に尼寺一つ冬すみれ  佐野つたえ


・仮の世のほかに世のなし冬菫 倉橋羊村


・過客なれば止むるすべなし冬菫  河崎國代


・さきほどの冬菫まで戻らむか 対中いずみ


・寄り添ふは温めあふこと冬すみれ  糸井芳子



今日で1月も終わり。
北国では厳しい寒さと雪と風が続いている。
太平洋側はお日様が出る日が多く、冬空は少ないが雨も少ない、農作業に支障はないだろうか。


冬菫という品種があるのではなく、春に咲くすみれが先駆けて冬に咲くのを冬菫というそうだ。
謂わば、春の使者だ。

俳人たちは、寒中のこの世に居て、時を持て余しているようだ。
しかし、通り過ぎた冬菫にやっぱり慰められて、温かくなりたいのだ。

寒中の厳しい季節だが、2月になれば暦では春がやってくる。
もう春も遠くはない。



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2019年01月30日(水) 記事No.50

2019/01/30 (水) 旧暦: 1225 祝日・節気:  日出: 642 日没: 1705 月出: 156 月没: 1233 月齢: 24.06 干支: 丁卯 六曜: 赤口 九星: 一白水星


今日のあれこれ: 寒肥


「冬の施肥(寒肥) (敷島公園ばら園)」


https://youtu.be/nqx3rh6e8C8



『寒肥: 寒ごやし
晩冬

寒中に農作物や庭木などに施す肥料のこと。
やがてはじまる草木の活発な活動に備えて、土壌に十分に栄養を与えておく。』
(季語と歳時記)



寒肥の俳句:


・寒肥に一鍬の土かけて踏む 本田一杉


・覚ますごと幹をたたきて寒肥す 三浦千賀


・寒肥に麦の命の見えて来し 旗田英子



街中に生まれ育ったので、農業や植木のことは全く知らなかった。
長じて、花や植物に関心をもつようになり、少しは解るようになった。

寒肥も知らなかったが、考えてみれば、興味深い。
寒肥は先を見ている作業。
今、植物が必要としているものを与えるのではなく、先々必要なものを今与える作業だ。
必要なものを必要な時にではなく、前もって作業をする。時間を先にすることには、意味があるらしく有機肥料を与えると土の中の微生物が活発になり、ミミズなどの虫が元気になり、その分が土を肥やす。
時間の長さがそれなりの意味を持っている。

農耕が民族性に影響していることは確かで、日本人が季節に敏感なのも元々は農耕に起因するのだろう。
季節に合わせて、前もって段取りし、時を追って植物の世話を滞りなく進めていく。この計画性はどうしても必要だ。

狩猟民族は、目の前のものを穫れば良い考え方だ。取り尽くしたら、場所を変えれば良い。
其処には育てるという考え方は育まれない。
海の魚を獲り尽くしたら、外国の海にまで獲りに行くのは、狩猟民族の考え方だ。

日本は栽培漁業に熱心だが、これも農耕の考え方が根底にある。

寒肥を八朔と柚子と薔薇に寒肥を与えないといけないと思いながら、句を読むと作者の気持ちがよく解る。
土を踏むことも、幹を叩くことも、麦の命も、皆来るべき春の光景を、見えない冬に浮かべている。




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2019年01月29日(火) 記事No.51



日野草城の忌日なので、ネット上の俳句を集めてみた。

色々物議を呼び起こした草城がどんな俳句の世界に居たのかは、彼の句をできる限り多く読まねば結論は出せない。

「ミヤコホテル」連作は、今の世の中では、さしてエロチックではないが、女性にまつわることを多く詠んでることは確かだ。




(1)         貧厨や葉先枯れたる葱一把
(2)         夏蒲団ふわりとかかる骨の上
(3)         やはらかきものはくちびる五月闇
(4)         玉子酒おのが眉目に慊らぬ
(5)         古妻の寒紅をさす一事かな
(6)         肋骨を愛すつれづれなる手以て
(7)         二三尾のあちこちすなる諸子かな
(8)         はつたいの日向臭きをくらひけり
(9)         星移り物変りどてら古びけり
(10)       落ち来るは久米の仙人春の雲
(11)       夫人嬋娟として七人の敵を持つ
(12)       青ふくべ一つは月にさらされて
(13)       みづみづしセロリを噛めば夏匂ふ
(14)       ネクタイを三本買ひて心富む
(15)       春眠や鍵穴つぶす鍵さして
(16)       火の色の透りそめたる潤目鰯かな
(17)       冬薔薇の咲くほかはなく咲きにけり
(18)       泳ぎゐるかんばせかたきをとめかな
(19)       露涼し洗はぬ顔の妻や子や
(20)       をみなとはかゝるものかも春の闇
(21)       夏の雨きらりきらりと降りはじむ
(22)       かさなりて眠る山より高野川
(23)       鼻の穴すずしく睡る女かな
(24)       銃斜に負うて猟夫の優男
(25)       あはれあはれゆまりくそまる仰に臥し
(26)       ぼうたんの暮るる始終を見て去りぬ
(27)       暮れそめてはったと暮れぬ秋の暮
(28)       妻の留守ひとりの咳をしつくしぬ
(29)       学問の胡坐の膝の子猫かな
(30)       初花の水にうつろふほどもなき
(31)       かいつぶりさびしくなればくぐりけり
(32)       西塔残花に在り東塔は新緑に
(33)       こひゞとを待ちあぐむらし闘魚の辺
(34)       月明や沖にかゝれるコレラ船
(35)       苑日々に草深うなる鹿の子かな
(36)       薫風や素足かがやく女かな
(37)       なにがなしたのしきこころ九月来ぬ
(38)       はたゝ神七浦かけて響みけり
(39)       夏の灯の動くことなき田舎かな
(40)       冷房の鋼鉄の扉のしまる音
(41)       春の夜や檸檬に触るる鼻のさき
(42)       炭の香や嬌やぎそむる吾子の指
(43)       アイリスを見ゆる一眼にて愛す
(44)       コルト睡ぬロリガンにほふ乳房の蔭
(45)       冬椿乏しき花を落しけり
(46)       日のあたる紙屑籠や冬ごもり
(47)       うららかに妻のあくびや壬生念仏
(48)       葉牡丹のいとけなき葉は抱き合ふ
(49)       揚泥の乾く匂ひの薄暑かな
(50)       雪晴れの朝餉の酢茎噛みにけり
(51)       ペリカンの餌の寒鮒の泳ぐなり
(52)       宵月や霜ほど降りて春の雪
(53)       初蚊帳のしみ~青き逢瀬かな
(54)       冬の蠅しづかなりわが膚を踏み
(55)       一茎の白あやめなりいさぎよき
(56)       去来忌や旦暮に存す嵐山
(57)       夕空に寂しく咲ける桜かな
(58)       ひとくきの白あやめなりいさぎよき
(59)       更けて焼く餅の匂や松の内
(60)       心臓を意識してをり霜凝る夜
(61)       秋の雲太虚の風に乗りにけり
(62)       わがホ句にせめて野薔薇の香もあれな
(63)       舌に載せてさくらんぼうを愛しけり
(64)       大前に松のみどりは長けつくしぬ
(65)       妻の蚊張しづかに垂れて次の間に
(66)       月さしてむらさき煙る葡萄かな
(67)       春の雲ながめてをればうごきけり
(68)       あげしほの青蘆のそよぎありそめぬ
(69)       早寝して夢いろいろや冬籠
(70)       美しき人を見かけぬ春浅き
(71)       うら若き妻ほほづきをならしけり
(72)       臥生活の四肢たひらかに年暮るる
(73)       暖かや魔の来てふとる乳房双つ
(74)       白玉の雫を切って盛りにけり
(75)       日の当る紙屑籠や冬ごもり
(76)       いっぽんの燐寸の燃やす火のいみじき
(77)       鈴虫の一ぴき十銭高しと妻いふ
(78)       かりそめに衣たるモデルの夜食かな
(79)       不平有らば壁に擲て寒林檎
(80)       郵便の来てをりし門の寒日和
(81)       潮風に吹かれたかぶり夏羽織
(82)       うらゝかな朝の焼麺麭はづかしく
(83)       焼藷や月の叡山如意ケ嶽
(84)       寄鍋や打ち込みし妓のうす情
(85)       手袋をぬぐ手ながむる逢瀬かな
(86)       これやこの珍(うづ)のバナヽをそろそろ剥く
(87)       東京の雪柔かし忌 中田みなみ
(88)       肋間の神経の疼き紫に
(89)       グラヂオラス妻は愛憎鮮烈に
(90)       春蘭や耳にかよふは竹の雨
(91)       夜半の春なほ処女なる妻と居りぬ
(92)       かゞまりて水皺したしき泉かな
(93)       枯草にラグビーの血の乾かざる
(94)       じやんけんの白き拳や花衣
(95)       洗はれて紅奕奕(えいえい)とさつまいも
(96)       咳き入りて身のぬくもりし夜寒かな
(97)       遠野火や寂しき友と手をつなぐ
(98)       妻も覚めてすこし話や夜半の春
(99)       春服や三十年のひとりもの
(100)     大寒やしづかにけむる茶碗蒸
(101)     物の種にぎればいのちひしめける
(102)     山茶花やいくさに敗れたる国の
(103)     望の夜もともしび明く病みにけり
(104)     忽ちに食ひし寒餅五六片
(105)     白シヨールすこしよごれて温かき
(106)     熱燗に応へて鳴くや腹の虫
(107)     親猫はずつしり重し冬ごもり
(108)     うららかなけふのいのちを愛しけり
(109)     門灯の低く灯りぬ秋出水
(110)     先生はふるさとの山風薫る
(111)     衰へしいのちを張れば冴返る
(112)     顔見世の前景気とはなりにけり
(113)     秋団扇四五本ありて用ふなし
(114)     両断の西瓜たふるる東西に
(115)     牡蠣船や静かに居れば波の音
(116)     懐にボーナスありて談笑す
(117)     蕭々と天の川より風来る
(118)     霜を踏む草鞋の藁の新しき
(119)     砂山をのぼりくだりや星月夜
(120)     秋の道日かげに入りて日に出でて
(121)     青嵐の到ると見ゆる遠樹かな
(122)     更けわたる草木の風に端居かな
(123)     庭古りて日にけに落つる木の実かな
(124)     暖房に居て戦話聴く勿体なし
(125)     末枯や身に百千の注射痕
(126)     青みかん青きころもをはがしけり
(127)     大服茶やひとのなさけにながらへて
(128)     ふりあふぐ黒きひとみやしやぼん玉
(129)     新涼やさらりと乾く足の裏
(130)     ぼうたんのいのちのきはとみゆるなり
(131)     かはせみや水つきかゝるふくらはぎ
(132)     珈琲や夏のゆふぐれながかりき
(133)     初日影焦都大阪市を照らす
(134)     人妻となりて暮春の襷かな
(135)     もろともにあからさまなり青芝に
(136)     濃かにしてしづかなる今年竹
(137)     夕影の青芝踏みて鶴涼し
(138)     秋深き大和に雨を聴く夜かな
(139)     仰向に神の眠りをねむりたり
(140)     妻の額に春の曙はやかりき
(141)     うつぜみをとればこぼれぬ松の膚
(142)     行水の女に灯す簾越し
(143)     かりがねや閨の灯を消す静心
(144)     空に浮き子は国見せずわが眼を視る
(145)     ふけわたる草木の風に端居かな
(146)     笹鳴や手沢出でたる桐火鉢
(147)     枯るるもの青むもの日のしづけさに
(148)     櫨の実のしづかに枯れてをりにけり
(149)     妻が持つ薊の棘を手に感ず
(150)     見えぬ目の方の眼鏡の玉も拭く
(151)     雪消道ゆふまぎれつゝはてもなし
(152)     夏羽織皺見ぐるしく旅終る
(153)     病むわれに妻の観月短かけれ
(154)     アネモネやひとりのお茶のしづごころ
(155)     水洟のとめどもなうて味気なや
(156)     湯ぼてりのなほあまねくてスキー見る
(157)     恋ごころわが子にありや初雲雀
(158)     棕梠咲けりじわりじわりと蝉なける
(159)     平凡に咲ける朝顔の花を愛す
(160)     みづうみの水のつめたき花野かな
(161)     春雨や思ひ沈めばとめどなき
(162)     仰向けの口中へ屠蘇たらさるる
(163)     短日や天のー角あをあをと
(164)     もてあそぶ火のうつくしき時雨かな
(165)     焚火屑珍の珊瑚に紛ふあり
(166)     ナプキンの糊のこわさよ避暑の荘
(167)     雪はれの朝餉の酸茎噛みにけり
(168)     ませ垣に遠き灯のさす無月かな
(169)     何か愉し年終る夜の熱き湯に
(170)     読初の主人編初の主婦と言はず
(171)     舌端に触れて余寒の林檎かな
(172)     病めばものゝはかなき草も末枯るゝ
(173)     冬の蝿しづかなりわが膚を踏み
(174)     肌寒や小鍛冶の店に刃物買ふ
(175)     昼も臥て若き日遠し草茂る
(176)     おぼろ夜や浮名立ちたる刺青師
(177)     半世紀生き堪へにけり汗を拭く
(178)     三伏や見ゆる一眼大切に
(179)     夜長寝てその後の雁は知らざりき
(180)     一雨に濡れたる草の紅葉かな
(181)     古妻の懐炉臭きをうとみけり
(182)     じやがいもの花のさかりのゆふまぐれ
(183)     白露や竹を流れてとどまらず
(184)     仰臥して仰臥漫録の著者を弔ふ
(185)     あまえたきこころしみみに桃の雨
(186)     馴鮓の飯の白妙啖ひけり
(187)     既にして夜桜となる篝かな
(188)     裹まざる骨にさはりぬ戦友を抱き
(189)     まなじりに翻りて白し夏の蝶
(190)     葉を重ね重ねて暮るる若楓
(191)     印影の朱のあざやかに事務始
(192)     忘れねばわすれな草も培はず
(193)     板塀の応ふ音佳し水を打つ
(194)     初空や一片の雲燿きて
(195)     寒菊やころがり侘びて石一つ
(196)     薔薇色のあくびを一つ烏猫
(197)     梨をむく音のさびしく霧降れり
(198)     しろがねの刃のためらはぬメロンかな
(199)     初蝉や昼餉にほはす邑の家
(200)     鈴虫のひげをふりつつ買はれける
(201)     夕冷えや切石に置くをみなへし
(202)     息白き吾子に別れの手を挙ぐる
(203)     不知火に酔余の盞を擲たん
(204)     蚊火の妻二日居ぬ子を既に待つ
(205)     夕空のたのしさ水にうつる雲
(206)     瀬がしらのひょいひょい白し春の水
(207)     春の蚊のひとたび過ぎし眉の上
(208)     たましひのさびしくいぶる蚊遣かな
(209)     新しき秩序秋日を照り返す
(210)     定家忌や巾幗秀歌なかんづく
(211)     をさなごのひとさしゆびにかかる虹
(212)     霽れ際の明るき雨や苗代田
(213)     よろよろと枯れたる蓮に霙れけり
(214)     高吹いて麦笛青し美少年
(215)     ぽんかんのあまあまと春立ちにけり
(216)     わが受くる紙幣は瞬く間に数ふ
(217)     あぶらとり一枚もらふ薄暑かな
(218)     刺青(ほりもの)に通ふ女や花ぐもり
(219)     八月やはつはつ鳴ける朝の蝉
(220)     足もとに大阪眠る露台かな
(221)     赤蜻蛉まなかひに来て浮び澄む
(222)     妻子を担ふ片眼片肺枯手足
(223)     つれづれの手の美しき火桶かな
(224)     ゆきずりにみつけてうれし帰り花
(225)     淡雪やかりそめにさす女傘
(226)     春の宵妻のゆあみの音きこゆ
(227)     いろいろに扇子弄れど言ひ憎し
(228)     思ふこと多ければ咳しげく出づ
(229)     望の月わがしはぶきも照らさるる
(230)     袖ぐちのあやなる鼓初かな
(231)     青柳に雨の降り倦むけしきかな
(232)     船の名の月に讀まるる港かな
(233)     脈々と寒き血潮のたかぶりつ
(234)     心太煙のごとく沈みをり
(235)     春日野や夕づけるみな花馬酔木
(236)     蹇の妻の晴着や針供養
(237)     水かへて水仙影を正しけり
(238)     酔ざめの水のうまさよちゝろ虫
(239)     蝿ひとつ夜深き薔薇に逡巡す
(240)     秋の夜や紅茶をくゞる銀の匙
(241)     おしろいのはげし女給の四月馬鹿
(242)     四つの花四方へ開きてアマリリス
(243)     くれなゐをみどりを籠めて花氷
(244)     天瓜粉ところきらはず打たれけり
(245)     家ダニのことより言はず寝覚の妻
(246)     鶴咳きに咳く白雲にとりすがり
(247)     寒の闇煩悩とろりとろりと燃ゆ
(248)     薄暑なり葱坊主見てせうべんす
(249)     露けさやをさなきものの縷々の言
(250)     青メロン運ばるゝより香に立ちぬ
(251)     乾鮭の鱗も枯れて月日かな
(252)     砂山に泳がぬ妹の日傘見ゆ
(253)     島庁や訴人もなくて花芭蕉
(254)     明易き夜の夢にみしものを羞づ
(255)     火の色やけふにはじまる十二月
(256)     白粥のうす塩味や暑気中り
(257)     子のグリコーつもらうて炎天下
(258)     星屑や鬱然として夜の新樹
(259)     水栓をひねる即ち春の水
(260)     人酔うて浴衣いよいよ白妙に
(261)     薔薇色の肺に外套を黒く着る
(262)     爽やかに山近寄せよ遠眼鏡
(263)     茶を飲むのみ北の涯より来し友と
(264)     末法の甘茶を灌ぎたてまつる
(265)     重ね着や栄枯盛衰みな遠く
(266)     花御堂もろびと散りて暮れ給ふ
(267)     こほろぎや右の肺葉穴だらけ
(268)     愁ひつゝ坐る花茣蓙はなやかに
(269)     国原や到るところの菊日和
(270)     平凡な日々のある日のきのこ飯
(271)     健康な妻を心の妻として
(272)     滴りのはげしく幽きところかな
(273)     伊勢ゑびにしろがねの刃のすゞしさよ
(274)     満月の照りまさりつつ花の上
(275)     かくれもあらず湯の澄に
(276)     炉開いてとみに冬めく畳かな
(277)     瓜揉や相透く縁のうすみどり
(278)     うちつけに芭蕉の雨の聞えけり
(279)     大川のいつもの濁り水の秋
(280)     ちちろ虫女体の記憶よみがへる
(281)     青々と夕空澄みて残暑かな
(282)     佐保姫の梢を渉る落花かな
(283)     小ひさ妻ちさき手合はせ観世音
(284)     棕梠の葉を打つ雨粗し簟
(285)     醜男ども手鉤な打ちそ桜鯛
(286)     竿竹を買ふや初蝶日和にて
(287)     栗飯のまつたき栗にめぐりあふ
(288)     湯豆腐や隣は更くる太融寺
(289)     のぼせたる女の顔や年の市
(290)     けふよりの妻と来て泊つる春の宵
(291)     子よ革靴は父の俸給より高き
(292)     あをうみの暁はやき避寒かな
(293)     腕白う伸べて春眠覚めやらぬ
(294)     虫売や軽く担うて小刻みに
(295)     朝月の萩むらを立つ雀かな
(296)     をとめ今たべし蜜柑の香をまとひ
(297)     青蛙ちまちまとゐる三五匹
(298)     子猫ねむしつまみ上げられても眠る
(299)     猫の恋老松町も更けにけり
(300)     わが原始風に触れつゝかくれなし

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2019年01月29日(火) 記事No.52



(301)     清貧の閑居矢車草ひらく
(302)     秋風や子無き乳房に緊く着る
(303)     食べさせてもらふ口あけ日脚伸ぶ
(304)     うしみつや音に出でたる寒の雨
(305)     篁を染めて春の日しづみけり
(306)     移り香の衿になほあり胡瓜漬
(307)     セロリの香春もゆふべは肌寒き
(308)     青萱の雨のはげしくなりにけり
(309)     名聞をうとみて大炉開きけり
(310)     痛快に芭蕉裂けたる野分かな
(311)     松風に誘はれて鳴く蝉一つ
(312)     全身を妻に洗うてもらひけり
(313)     朝寒や歯磨匂ふ妻の口
(314)     紀元二千六百年われ四十になりぬ
(315)     博覧のひろき額や灯取虫
(316)     ふるさとの山も見飽きぬ炉を塞ぐ
(317)     炉開いて美しき火を移しけり
(318)     春の夜のわれをよろこび歩きけり
(319)     淪落の底の安堵や秋袷
(320)     吹き落ちて松風さはる牡丹の芽
(321)     古傘に受くる卯の花腐しかな
(322)     疲れたる紙幣を共同募金とす
(323)     ぼうたんのひとつの花を見尽さず
(324)     稲刈つて飛鳥の道のさびしさよ
(325)     鳥居出てにはかに暗し火縄振る
(326)     岡惚で終りし恋や玉子酒
(327)     手をとめて春を惜しめりタイピスト
(328)     荒草の今は枯れつつ安らかに
(329)     たましひの寂しくいぶる蚊遣かな
(330)     女のわらはしくしく泣けり夕ざくら
(331)     ただ生きてゐるといふだけ秋日和
(332)     うらぶれて釣るや雨夜の九月蚊帳
(333)     うしなひしものをおもへり花ぐもり
(334)     蚊遣火の煙の末をながめけり
(335)     サイダーのうすきかをりや夜の秋
(336)     枕頭に柚子置けば秋の風到る
(337)     青楡の森の奥処へ自動車疾く
(338)     香を尋めて来て本犀の花ざかり
(339)     渋柿の色艶栄えてあはれなり
(340)     皮となる牛乳のおもてや朝ぐもり
(341)     枯菊やこまかき雨の夕まぐれ
(342)     煮る前の青唐辛子手に久し
(343)     女手に注連飾打つ音きこゆ
(344)     浅く浮いて沈みし魚や葉月潮
(345)     釈奠や誰が註古りし手沢本
(346)     春の夜や都踊はよういやさ
(347)     アダムめきイヴめき林檎噛めるあり
(348)     たましひの郷愁鳥は雲に入る
(349)     野鶉の籠に飼はれて鳴きにけり
(350)     裏山に人語きこゆる小春かな
(351)     モーニングなほ着たるあり事務始
(352)     夕潮の満ちわたりけり葭すゞめ
(353)     たましひのほとほとわびし昼寝覚
(354)     片山桃史死せりといふまことに死せりといふ
(355)     燃え出づるあちらこちらの花篝
(356)     月明くなりて水天わかれけり
(357)     特務兵バケツを提げて戦死せり
(358)     蟻地獄ほつりとありてまたありぬ
(359)     南風や化粧に洩れし耳の下
(360)     秋立つや一片耿々の志
(361)     晩年の子を鍾愛す天瓜粉
(362)     にほどりや野山の枯るゝ閑けさに
(363)     秋風やつまらぬ男をとこまへ
(364)     朝風や藪の中なる今年竹
(365)     ともに居て梨剥けば足る恋ごゝろ
(366)     颱風や痰のこそつく胸の奥
(367)     二三点雨の乾かぬセルの肩
(368)     友情のただ中にじつと眼をつむる
(369)     虫売の来て賑かな門辺かな
(370)     たわやめのあえかに酔ひぬお白酒
(371)     小机の閑日月や蘭の秋
(372)     新らしき褞袍を着るやクリスマス
(373)     たづさふる手のあたゝかき無月かな
(374)     失ひしものを憶へり花ぐもり
(375)     猫の子のつくづく視られなきにける
(376)     秋の灯のほつりほつりと京の端
(377)     どびろくや而も藩儒のなれのはて
(378)     ひなげしや妻ともつかで美しき
(379)     吉野川こゝにして鮎の瀬とたぎつ
(380)     万愚節妻の詐術のつたなしや
(381)     散りそめし京の桜にわかれかな
(382)     人血のあふれては乾く千里の麦
(383)     大晦日ねむたくなればねむりけり
(384)     うららかやうすよごれして足の裏
(385)     うらゝかや躑躅に落つる鶴の糞
(386)     きのこ飯ほこ~として盛られたる
(387)     みづうみのしづめるしぐれぐもりかな
(388)     冷房やをとこのわらふさへすゞし
(389)     水草生ふひとにわかれて江に来れば
(390)     タ焼や吾子の笑顔のよごれたる
(391)     女房の我慢の眉や二日灸
(392)     青き葉の添ふ橘の実の割かれ
(393)     人寝ぬと芭蕉の灯影消えにけり
(394)     撫肩のさびしかりけり二日灸
(395)     湯あがりの素顔したしく春の昼
(396)     夏ひばり微熱の午後の照り曇り
(397)     丸善を出て暮れにけり春の泥
(398)     舷をどたりと打つや冬の浪
(399)     うす茜ワインゼリーは溶くるがに
(400)     くろぐろと汗に溺るゝほくろかな
(401)     初紅葉はだへきよらに人病めり
(402)     干草に馭者寝て鞭を鳴らしけり
(403)     純毛の服をつくりてひそかに愧づ
(404)     ゆふぐれのしづかな雨や水草生ふ
(405)     しばらくは春草を見て夕かな
(406)     初蝉の樹のゆふばえのこまやかに
(407)     たかだかと雨意の木蓮崩れけり
(408)     牡丹や眠たき妻の横坐り
(409)     瀬がしらに触れむとしたる螢かな
(410)     冷蔵庫司厨の帽は横かぶり
(411)     日あたりてあはれなりけり寒牡丹
(412)     颱風のゐる天気図を怖れけり
(413)     印字機の既に喧し事務始
(414)     元朝や去年の火残る置炬燵
(415)     水道の水のはげしさ桜鯛
(416)     青雲と白雲と耀り麦の秋
(417)     日脚伸びいのちも伸ぶるごとくなり
(418)     紅菊の色なき露をこぼしけり
(419)     石鼎忌ありて師走は悲しけれ
(420)     肌ぬぎやをとめは乳をそびえしむ
(421)     あたたかき葱鮪の湯気やぶしやうひげ
(422)     枯蓮に雪のつもりし無慙かな
(423)     初雪や妓に借りし絵入傘
(424)     秋の昼妻の小留守をまもりけり
(425)     音羽山暮るゝ焚火のはなやかに
(426)     篁(たかむら)を染めて春の日しづみけり
(427)     雁聴くや更けし灯を守りゐて
(428)     春暁や人こそ知らね木々の雨
(429)     妻の手のいつもわが邊に胼きれて
(430)     ひとりさす眼ぐすり外れぬ法師蝉
(431)     カレエの香ふんぷんとして過労なり
(432)     潮干狩夫人はだしになり給ふ
(433)     如窓ケ岳を去らぬ雲影稲を刈る
(434)     ぼうたんの芽とあたゝかし日おもてに
(435)     高熱の鶴青空に漂へり
(436)     大芭蕉従容として枯れにけり
(437)     わがゆまる音のしづかに年暮るる
(438)     玻璃盞の相触れて鳴る星月夜
(439)     春の夜の自動拳銃夫人の手に狎るゝ
(440)     ばりばりと附録双六ひろげけり
(441)     初雪の忽ち松に積りけり
(442)     すずらんのりりりりりりと風に在り
(443)     曾根崎の昼闌けにけり春の泥
(444)     梅雨寒の昼風呂ながき夫人かな
(445)     青む芝少年少女影と馳す
(446)     ものの種にぎればいのちひしめける
(447)     枕辺に賀状東西南北より
(448)     身のまはり更けてきこゆる秋の水
(449)     冷酒に澄む二三字や猪口の底
(450)     サイネリヤ花たけなはに事務倦みぬ
(451)     きりぎりす鳴かねば青さまさりける
(452)     試歩たのし厨の妻に逢ひにゆく
(453)     夏氷掻くや白雪にはかなる
(454)     友去りて灰も寂しき火桶かな
(455)     さるほどに空はつきしろ青き踏む
(456)     智恵詣嵯峨へまはりて疲れけり
(457)     宝恵駕の妓のまなざしの来てゐたる
(458)     黒髪を梳くや芙蓉の花の蔭
(459)     永き日や何の奇もなき妻の顔
(460)     わが臍を襲ひし蚤を誅しけり
(461)     冬日射わが朝刊にあまねしや
(462)     寝ねがてにしてをれば蝿にとまらるる
(463)     雪の窓メロンの緑レモンの黄
(464)     大阪の船場の庭の牡丹かな
(465)     ひそやかに茗荷花咲く旱かな
(466)     一人子と閑かに住めり松飾
(467)     朝寒や白粥うまき病上り
(468)     病褥に四肢を横たへ離職せり
(469)     国敗れ入倦みて年新たなる
(470)     春の昼遠松風のきこえけり
(471)     永劫の如し秋夜を点滴す
(472)     萩の葉のこまごまと雨冷えにけり
(473)     踏青や心まどへる恋二つ
(474)     枕辺へ賀状東西南北より
(475)     沖の島夏霞して晴れにけり
(476)     晩涼や朶雲明るく比叡憂鬱
(477)     日あたりてまことに寂し返り花
(478)     凍雲のしづかに移る吉野かな
(479)     踏みわたる余寒の苔の深みどり
(480)     望月の照らしに照らす道の上
(481)     夏の蝶仰いで空に摶たれけり
(482)     十六夜やしゆびんかがやく縁の端
(483)     昼の夢をはりてもなほ秋日和
(484)     蕎麦がきやラジオ畢れば頓に更く
(485)     椎の実のはすかいに飛ぶ嵐かな
(486)     山房も秋なめり主ゐぬまゝに
(487)     かくれんぼさびしくなりし木の芽かな
(488)     桃トマト小冷蔵庫なれど冷ゆ
(489)     山吹にかはたれの雨しぶきけり
(490)     一点が懐炉で熱し季節風
(491)     数の子に父祖の白歯もひゞきけむ
(492)     脱ぎ捨ての羽衣ばかり砂日傘
(493)     春愁に堪ふる面輪に灯りけり
(494)     灯ともりて蚕屋のまたある木の間かな
(495)     筐底の暗きに沈む紙魚の銀
(496)     七月や既にたのしき草の丈
(497)     ボーナスを貰ひて青き芝を買ひぬ
(498)     寒稽古青き畳に擲(なげう)たる
(499)     重ね着の中に女のはだかあり
(500)     聖(きよ)くゐる真夜のふたりやさくらんぼ
(501)     春寒や竹の中なるかぐや姫
(502)     夕明り水輪のみゆる泉かな
(503)     榾の火にとろりと酔ひし眼かな
(504)     紅つつじ花満ちて葉はかくれけり
(505)     わぎもこのはだのつめたき土用かな
(506)     をなごらもどてら着ぶくれさみだるゝ
(507)     宵闇に臥て金星に見まもらる
(508)     汐干狩夫人はだしになりたまふ
(509)     酌下手の妻を呵(しか)るや年忘
(510)     冬ざれて枯野へつづく妻の乎か
(511)     秋冷の瀬音いよ~響きけり
(512)     茗荷汁ほろりと苦し風の暮
(513)     むらがりていよいよ寂しひがんばな
(514)     霜白し妻の怒りはしづかなれど
(515)     わびしさに湛へず野を焼く男かな
(516)     わが葉月世を疎めども故はなし
(517)     豊臣の大きな桜枯れにけり
(518)     古びたる船板に置く海鼠かな
(519)     冬日和誓子が近くなりにけり
(520)     玉霰竹に当つて竹青し
(521)     残菊のなほはなやかにしぐれけり
(522)     建ちてまだ住まぬ一棟稲の秋
(523)     ひと拗ねてものいはず白き薔薇となる
(524)     雪の夜の紅茶の色を愛しけり
(525)     御扉にふとも日のさす暮雪かな
(526)     寒梅や痛きばかりに月冴えて
(527)     春いまだほろりほろりと友逝きぬ
(528)     纒ふ蚊の一つを遂に屠り得し
(529)     脱ぎ棄つるこゝろたぬしく畏みぬ
(530)     労咳の宝くじ買ふことをやめず
(531)     浴後裸婦らんまんとしてけむらへり
(532)     樫の葉や花より移す目に青き
(533)     佳きひとの髪を結はざる避寒かな
(534)     冬ざれのくちびるを吸ふ別れかな
(535)     山羊の乳くれたる人の前にて飲む
(536)     屠蘇重し軽き朱金の酒杯に
(537)     降られゐて牛おとなしや秋桜
(538)     強き灯の照らすところの紅葉かな
(539)     いなづまにまばたきしたる枯木達
(540)     青梅をちぎりて持ちて湯の道を
(541)     ラグビーや敵の汗に触れて組む
(542)     春光や白髪ふえたる父と会ふ
(543)     銀漢やごとりごとりと牛車
(544)     つれ~の手のうつくしき火桶かな
(545)     年逝くとかくしどころを洗ひけり
(546)     稗蒔の嵐及べり洗ひ髪
(547)     樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ
(548)     まぼろしの群裸は白き焔と燃ゆる
(549)     雷に怯えて長き睫かな
(550)     闇市に牛馬の屍肉凍てにけり
(551)     日おもてにあればはなやか冬紅葉
(552)     雨意やがて新樹にひそと降りいでし
(553)     秋の夜の洋妾往けり肩低く
(554)     伎芸天在しまさねども春さりぬ
(555)     妻の留守妻の常着を眺めけり
(556)     初春や眼鏡のままにうとうとと
(557)     天瓜粉打てばほのかに匂ひけり
(558)     わくら葉を指にひろへり長やまひ
(559)     京の端の北白川や寝正月
(560)     籐椅子の清閑に得し句一つ
(561)     わが船の水尾をながむる遅日かな
(562)     うとましく冷えてしまひぬ根深汁
(563)     寝白粉香に立ちにけり虎が雨
(564)     道暮れて右も左も刈田かな
(565)     心ここにあらねば焦げし酒の粕
(566)     われは仰向きちちろ虫は俯向きに
(567)     げぢげぢや風雨の夜の白襖
(568)     紅梅の咲いて初音とまをす宿
(569)     わが不眠石もねむれぬ夜と思ふ
(570)     初化粧すみし鏡に鬚を剃る
(571)     野分していよ~遠き入日かな
(572)     水晶の念珠つめたき大暑かな
(573)     秋の蚊のほのかに見えてなきにけり
(574)     聖くゐる真夜のふたりやさくらんぼ
(575)     初咳といへばめでたくきこえけり
(576)     痰壷をきよめることも年用意
(577)     桜鯛砂へ刎ねたるいさぎよさ
(578)     夕づゝのひかり親しむ露台かな
(579)     仏蘭西を話のたねの端居かな
(580)     初夢に見たり返らぬ日のことを
(581)     将相の面魂や菖蒲太刀
(582)     朝な朝な南瓜を撫しに出るばかり
(583)     咳の夜のわれを照らして秋螢
(584)     見舞客淋凛と酔へり夜の梅
(585)     白梅や日光高きところより
(586)     歳暮大売出京の田舎まで
(587)     雨だれや葭戸の中の灯しづか
(588)     風立ちぬ深き睡りの息づかひ
(589)     豌豆の煮えつゝ真玉なしにけり
(590)     とかげ迅し水泡音胸にはじけつつ
(591)     海光の一村鰯干しにけり
(592)     暮れそめてにはかに暮れぬ梅林
(593)     見ゆるかと坐れば見ゆる遠桜
(594)     津の海のしりぞきにけり汐干狩
(595)     瓜揉みや名もなき民の五十年
(596)     水無月の故国に入れば翠かな
(597)     宵浅し露台へのぼる靴の音
(598)     牡蛎船や静かに居れば波の音
(599)     秋の雨しづかに午前をはりけり

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2019年01月29日(火) 記事No.53



(600)     大阪市ぬくもりがほの冬日かな
(601)     愛しコルト秘む必殺の弾丸を八つ
(602)     もろ鳥の朝ごゑ懸巣殊に啼く
(603)     すらすらと昇りて望の月ぞ照る
(604)     桃が枝やひらき加はるけふの花
(605)     炭の香のたつばかりなりひとり居る
(606)     にはかなる梅の嵐や春の雷
(607)     眼をとむるヒヤシンスあり事務の閑
(608)     星祭おのが色香を惜みけり
(609)     夕澄みて東山あり蚊柱に
(610)     畑打に風のかゞやく風日和
(611)     紅椿こゝだく散りてなほ咲けり
(612)     筍の掘り出だされてむつゝりと
(613)     歳晩や大原へ帰る梯子売
(614)     冬晴れや朝かと思ふ昼寝ざめ
(615)     枯柳条々として昼探し
(616)     まんなかにごろりとおはす寝釈迦かな
(617)     ころぶして地球の膚に触れたりき
(618)     青葡萄つきかげ来れば透きにけり
(619)     初鏡娘のあとに妻坐る
(620)     美しき五月の晴の日も病みて
(621)     しやぼん玉こゝらもとなくふくれけり
(622)     古き世のにほひのなかに子の稚なさ
(623)     行水の人髣髴と起ちにけり
(624)     中年の今や短き日を重ね
(625)     裸婦の図を見てをりいのちおとろへし
(626)     夏籠や畳にこぼすひとりごと
(627)     てのひらに載りし林檎の値を言はる
(628)     あさましく涸れたる川を眺めけり
(629)     元日やはげしき風もいさぎよき
(630)     寂しくばたらふく食しねむかご飯
(631)     朝顔やおもひを遂げしごとしぼむ
(632)     桂きひとの髪を結はざる避寒かな 火野
(633)     春蘭や香のかたちに香の灰
(634)     白き掌にコルト凛々として黒し
(635)     踏むまじき沙羅の落花のひとつふたつ
(636)     曼珠沙華南河内の明るさよ
(637)     えりあしのましろき妻と初詣
(638)     夏みかん骸となりて匂ひけり
(639)     佐保姫に召さるゝ妹のわかれかな
(640)     あけぼのゝ白き雨ふる木の芽かな
(641)     かたはらに鹿の来てゐるわらび餅
(642)     客あればすなはちもぐや庵の柿
(643)     一歩出てわが影を得し秋日和
(644)     揚泥の乾く匂も薄暑かな
(645)     明き灯に新酒の酔の発しけり
(646)     研ぎ上げし剃刀にほふ花曇
(647)     春愁や鏡に沈むおのが顔
(648)     朝の茶のかんばしく春立ちにけり
(649)     人知れぬ花いとなめる茗荷かな
(650)     藪入や寝ものがたりの夜半の雨
(651)     かじかめる俸給生活者の流
(652)     たわたわとして咲き倦める牡丹かな
(653)     藍浴衣着るとき肌にうつりけり
(654)     新緑やかぐろき幹につらぬかれ
(655)     春の灯や女は持たぬのどぼとけ
(656)     月繊く青楡の森暮れにけり
(657)     何もなき袂吹かるゝ扇風機
(658)     木の股に居てかんがへてゐるとかげ
(659)     死と隔つこと遠からず春の雪
(660)     晩霜や生ける屍が妻叱る
(661)     氷劫の如し秋夜を点滴す
(662)     紅蓮靄を払うてひらきけり
(663)     高きよりひらひら月の落葉かな
(664)     青麦の穂が暮るるなりしづかなり
(665)     魁然と金剛峯寺の切子灯籠かな
(666)     鶏頭を裂いても怒とゞまらず
(667)     漱石忌全集既に古びそむ
(668)     永き日や相触れし手は触れしまゝ
(669)     次の間に妻の客あり寝正月
(670)     十六夜や石にたぐひて亀の甲
(671)     ながながと骨が臥てゐる油照
(672)     天の月地に病めるわれ相対ふ
(673)     植込を移る日影や秋の庭
(674)     砧打二人となりし話声
(675)     弾初のをはりし指の閑かなる
(676)     ねもごろに義歯をみがくや初手水
(677)     夏痩も知らぬ女をにくみけり
(678)     切干やいのちの限り妻の恩
(679)     五六本無月の傘の用意あり
(680)     短夜の河のにほへりくらがりに
(681)     熱退きぬ空漠として黄の疲弊
(682)     手鏡に夕月がふと涼しけれ
(683)     便来ぬ片山桃史生きてゐたり
(684)     筍のまはりの土のやさしさよ
(685)     風邪の子の枕辺にゐてものがたり
(686)     木を割くや木にはらわたといふはなき
(687)     宵過ぎの雪となりけり年の市
(688)     熱風に麦なびく麦の青はげしき
(689)     纏ふ蚊の一つを遂に屠り得し
(690)     そもそもは都踊で見染めけり
(691)     大陸の黄塵を歯に噛みて征く
(692)     処女紙幣青し颯爽として軽く
(693)     穴惑水のほとりに居りにけり
(694)     弱りつゝ当りゐる日や冬の菊
(695)     旦よりしづかに眠り春深し
(696)     枕辺の春の灯は妻が消しぬ
(697)     店の灯の明るさに買ふ風邪薬
(698)     大愚蛤而して口を開きけり
(699)     冬の夜の湯槽の底を踏まへゐる
(700)     伝へ聞く友の栄華や日向ぼこ
(701)     白服や循吏折目を正しうす
(702)     生き得たる四十九年や胡瓜咲く
(703)     梅雨茫々生死いづれもままならず
(704)     新涼や女に習ふマンドリン
(705)     項根には雲を纒きたり粧ふ峰々
(706)     瑠璃天は固より照らふ紅梅も
(707)     穴惑水をわたりて失せにけり
(708)     古町の春色の濃きところかな
(709)     春の雪たわわに妻の誕生日
(710)     山海居冬を枯れざる樹々黝き
(711)     東の星の光やクリスマス
(712)     慴えゐる撫子に水太く打つ
(713)     人知れず暮るゝ軒端の釣荵
(714)     寒の水あをあをとして吉野川
(715)     新緑やうつくしかりしひとの老
(716)     菖蒲湯を出てかんばしき女かな
(717)     灯取虫浅夜の雨のひびきあり
(718)     夏立ちぬいつもそよげる樹の若葉
(719)     炎天に黒き喪章の蝶とべり
(720)     爽やかになればたのしきいのちかな
(721)     雷や縁に相寄る瓜二つ
(722)     おもかげのなほうるはしき赤痢かな
(723)     春愁を消せと賜ひしキス一つ
(724)     かはほりやさらしじゆばんのはだざはり
(725)     水蜜桃剥く手つき見る見るとなく
(726)     あとがけの痛き女や菌狩
(727)     男の子われ河豚に賭けたる命かな
(728)     遊歩杖あづかられ二科の階上ヘ
(729)     いそがしき妻も眠りぬ去年今年
(730)     初雪のたちまち松につもりけり
(731)     肌寒や妻の機嫌子の機嫌
(732)     寒灯や陶は磁よりもあたゝかく
(733)     東山はればれとあり地虫出づ
(734)     初飛行近畿立体地図の上
(735)     ほとゝぎす夕影深くなりにけり
(736)     後れ毛をふるはせて打つ砧かな
(737)     秋の夜の薄闇に逢うて異邦人
(738)     古妻の遠まなざしや暑気中り
(739)     亀の居て破れ蓮の水うごきけり
(740)     日の永くなりし摂津の国を瞰る
(741)     ところてん煙のごとく沈みをり
(742)     夏布団ふわりとかかる骨の上
(743)     花氷ねむき給仕に融け痩する
(744)     白銅貨はまんなかに穴あきて哀し
(745)     老紙幣疲れうらぶれくづほるゝ
(746)     少き子が獲て来し紙幣は眼に痛き
(747)     日あたりて覚めし女や秋の蚊帳
(748)     曇り日の花を木の間に棲めるかな
(749)     真夜さめて地震ぞふりゐきゆさりゆさり
(750)     鯖ずしのつめたかりける祭かな
(751)     夕月やひそかに咲ける寒椿
(752)     葬る時むくろの猫の鈴鳴りぬ
(753)     妻も覚めて二こと三こと夜半の春
(754)     灯の下にゐて月かげをおぼえをり
(755)     薔薇匂ふはじめての夜のしらみつゝ
(756)     冬紅葉照りながらへてさながらに
(757)     夜長の灯煌々として人在らず
(758)     眼を伏せてほくろが媚びるヒヤシンス
(759)     横目して明るき藪や竹の春
(760)     雨はれてふたゝび寒し根深汁
(761)     見てをれば心たのしき炭火かな
(762)     袖口のからくれなゐや新酒つぐ
(763)     可惜しき米ぞ子よ食みこぼすなよ
(764)     初潮に物を棄てたる娼家かな
(765)     井戸替のをはりし井戸を覗きけり
(766)     瑠璃盤となりて五月の海遠し
(767)     白粉ののらぬ汗疹となりにけり
(768)     塵取をこぼるゝ塵や秋の暮
(769)     秋の水浅く明らかに迅く流る
(770)     見てゐたる牡丹の花にさはりけり
(771)     蚊柱に夕空水のごときかな
(772)     うぐひすのこゑのさはりし寝顔かな
(773)     胼ぎ捨ての羽衣ばかり砂日傘
(774)     きさらぎや小夜のくだちのマンドリン
(775)     日盛りの土に寂しきおのが影
(776)     雪の声珈琲は重厚紅茶は軽快
(777)     摺えゐる撫子に水太く打つ
(778)     哀しさはわれ知る月に笑み給ヘ
(779)     サイダーやしじに泡だつ薄みどり
(780)     夕栄に起ちさゞめけり稲雀
(781)     冬の月寂寞として高きかな
(782)     詩書更けぬ身近に雪のつもる音
(783)     そのかみの恋女房や新豆腐
(784)     梶の葉やあはれに若き後の妻
(785)     十六夜や溲瓶かがやく縁の端
(786)     福寿草平均寿命延びにけり
(787)     牡蠣船の少し傾げる座敷かな
(788)     下闇や目睫に在る煙草の火
(789)     尋めて来し河鹿ぞなける水の綾
(790)     熱下りて桔梗まこと鮮しき
(791)     暖房や肩をかくさぬをとめらと
(792)     冬薔薇の咲いてしをれて人遠き
(793)     誰が妻とならむとすらむ春著の子
(794)     汽車の尾をなほ見送れり春シヨール
(795)     うちひらく傘の匂や夏の雨
(796)     七月のつめたきスープ澄み透り
(797)     二上山(ふたかみ)をみてをりいくさ果てしなり
(798)     粕汁に酔ひし瞼や庵の妻
(799)     筆硯に及べる喜雨のしぶきかな
(800)     菊見事死ぬときは出来るだけ楽に
(801)     甚平やすこしおでこで愛らしき
(802)     どろ~に酔うてしまひぬ年忘
(803)     きさらぎの薮にひびける早瀬かな
(804)     暮春の書に栞す宝くじの殻
(805)     羅の折目たしかに着たりけり
(806)     双六や屑目平凡にわが娘
(807)     柿を食ひをはるまでわれ幸福に
(808)     生きるとは死なぬことにてつゆけしや
(809)     筆擱けば真夜の白菊匂ひけり
(810)     のうぜんや真白き函の地震計
(811)     白酒や姉を酔はさんはかりごと
(812)     右眼には見えざる妻を左眼にて
(813)     深草の秋や艸山瑞光寺
(814)     闇にして地の刻移るちちろ虫
(815)     白々と女沈める柚子湯かな
(816)     嵩もなう解かれて涼し一重帯
(817)     霜月のかたつむりこときれてゐし
(818)     山水のひゞく紫白のあやめかな
(819)     桃史死ぬ勿れ俳句は出来ずともよし
(820)     うららかや猫にものいふ妻のこゑ
(821)     夜長し妻の疑惑を釈かずに措く
(822)     夏の闇高熱のわれ発光す
(823)     木瓜の花紅し物慾断ちがたし
(824)     皓々と泰山木のけさの花
(825)     散るのみの紅葉となりぬ嵐山
(826)     初霜やひとりの咳はおのれ聴く
(827)     湯ざめして君のくさめや十三夜
(828)     おさがりのきこゆるほどとなりにけり
(829)     連翹に月のほのめく籬かな
(830)     雨を見る白き面輪や青簾
(831)     火の色の透りそめたる鰯かな


(注)
・番号は単なる順番で意味はない
・ネット上の句を集めたもので、全集等で個々の句を確認しているものではないので、学術的な使用には耐えない。
あくまで、草城のイメージを知るためのもの。


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2019年01月29日(火) 記事No.54

2019/01/29 (火) 旧暦: 1224 祝日・節気:  日出: 643 日没: 1704 月出: 056 月没: 1155 月齢: 23.06 干支: 丙寅 六曜: 大安 九星: 九紫火星


今日のあれこれ: 草城忌


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(定年再出発
https://mizumakura.exblog.jp/6374954/
より転載)



『草城忌: 凍鶴忌、銀(しろがね)忌、鶴唳忌、東鶴忌
晩冬

俳人日野草城(一九〇一~一九五六)の忌日。一月二十九日。
東京生まれ、本名は克修(かつのぶ)。「京大三高俳句会」を結成、のち「ホトトギス」同人。「旗艦」を創刊し新興俳句運動を展開した。戦後は「青玄」を創刊主宰した。』
(季語と歳時記)



草城忌の俳句:


・ばら色のままに富士凍て草城忌 西東三鬼


・雨の音に覚めてしづかな草城忌 横山白虹


・遠山の尾根をましろに草城忌 田中麗子



日野草城は俳人として気になる存在であるのか、草城忌は季語としてそれなりに詠まれている。

草城忌のイメージは、温度なら氷点下、音なら無音、色なら白もしくはブルー。

果たしてそうだろうか。

「ミヤコホテル」の連作で物議を醸したり、虚子に除名されたり、新興俳句を唱えたり、結構賑やかで騒がしい道を歩いている。

草城が詠んだ句を、多く読み返して、自分の草城忌を考え、詠む他は結論は出せない。



【データ】

日野草城 Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%87%8E%E8%8D%89%E5%9F%8E


連作10句「ミヤコホテル」について
論争―ミヤコ・ホテル

https://blog.goo.ne.jp/kojirou0814/e/97a6b0c8a5b6821faf66ee3a2f585c3d



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2019年01月29日(火) 記事No.55


国の代表が争う国際大会は、必死の戦いが続く。
結果も予想外のことが起きる。

優勝候補と言われたオーストラリア、韓国が敗退した。
残った優勝候補のイランと日本の戦いも、圧倒的な強さを示して勝ち進んだイラン、1点差でなんとか勝ち上がった日本、予想は大方、イランの勝ち。

しかし、結果は3-0で勝ったのは日本、これも予想外だった。

試合の分岐点は、イランの選手がセルフジャッジで試合を止めてしまったが、レフリーの笛がないことを確認して続行して大迫の得点をアシストした南野の冷静な判断だった。

GKの権田もイランの決定的なシーンで2度もファインプレーで得点をさせなかったことも大きい。

日本勝利の最も大きな要因は、ボールの無いところでの頭脳的な戦いだった。
 相手の得点力をもぎ取った頭脳的な戦いだった。

それは、日本が3点目を取り、試合を決めた後、サルダン・アズムンがイライラを爆発させ、日本の大迫の足を攻撃し、柴崎の頬を平手打ちした行為に現れている。

相手の得点力をなくさせるには、アズムンに思い通りの動きをさせないこと邪魔をして仕事をさせないことが重要で、日本の富安、長友、吉田、柴崎はそれを実行していた。

日本はアズムンに仕事をさせない様に、ボールの無いところでの試合に勝った。
 これが一番の勝利要因だった。




『【アジア杯】乱闘防いだ吉田麻也「初めてキャプテンらしいことをした」
2019/01/29 11:30東スポWeb

【UAE・アルアイン28日(日本時間29日)発】アジアカップ準決勝で日本はイランに3―0と快勝し、2大会ぶりの決勝(2月1日、アブダビ)進出を決めた。

 キャプテンのDF吉田麻也(30=サウサンプトン)がチームの危機を救った。

 守備の要としてイランの強力攻撃陣を完封。さらに後半アディショナルタイムに3点目が決まった直後、両チームの選手が入り乱れての小競り合いが発生すると冷静な対処を見せる。イランのFWサルダン・アズムン(24)がMF柴崎岳(26=ヘタフェ)の顔面を殴打。この行為に激高した南野が詰め寄ろうとすると吉田が割って入って乱闘を未然に防いだ。

「彼がやったことは退場に値する。ただ逆にレッドカードをもらったらこっちが損をする」と振り返った吉田。「初めてキャプテンらしいことをした」と冗談めかしながら笑った。

 森保ジャパンで任命された主将がすっかり板についてきた。
』(東スポ)



『【アジア杯】長友 巧妙な仕掛けでイランのエースFWアズムン完封
2019/01/29 11:30東スポWeb

【UAE・アルアイン28日(日本時間29日)発】アジアカップ準決勝で日本はイランに3―0と快勝し、2大会ぶりの決勝(2月1日、アブダビ)進出を決めた。

 DF長友佑都(32=ガラタサライ)が貫禄のエース封じだ。イランのエースFWサルダン・アズムン(24)と対峙したが「彼は全然いいプレーしていなかった。何もしていないからね」とマッチアップで完勝を宣言した。

 その裏には長友流の巧妙な仕掛けがあった。「20番(アズムン)の選手とは前半からずっと言い合いをしていたけど、僕はずっと冷静で彼をイライラさせるためにうまくパフォーマンスをしていた。彼はそれに乗ってきてイライラしてああいう試合になった」と意図的に精神的に追い詰め、本来のプレーをさせなかったという。

「そこの駆け引きはセリエA(イタリア1部)でやっているし、精神的なダメージをずっと与えた」と胸を張る。百戦錬磨の経験が大一番で存分に発揮された。
』(東スポ)


(22)格闘技・スポーツ |  トラックバック(0) |  コメント(0) |  記事を編集 | 

2019年01月28日(月) 記事No.56

2019/01/28 (月) 旧暦: 1223 祝日・節気: 下弦 日出: 644 日没: 1703 月出: #NAME? 月没: 1120 月齢: 22.06 干支: 乙丑 六曜: 仏滅 九星: 八白土星


今日のあれこれ: 避寒

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(若胡子屋跡
arch-hiroshima
http://arch-hiroshima.info/arch/hiroshima/wakaebisu.html
より転載)



『避寒: 避寒宿、避寒旅行、避寒地

晩冬

冬の寒さを避けるために温暖な地や温泉などへ出向いて一時期を過ごすこと。夏場の避暑のようには混雑しない。
老人や病人向けといえるであろう。』
(季語と歳時記)



避寒の俳句:


・あをうみの暁はやき避寒かな 日野草城


・オリーブの島を恋ひ来し避寒かな 鎌田沙華


・風待ちの港の見ゆる避寒宿 吉田槻水



今日は、太陽の光のない寒々しい日だった。
暑い、寒いというのは気温が一定であれば、慣れもあり耐えられるが、気温が日替わりで上がったり下がったりすると身体がついて行かない。

インフルエンザが急激に流行しているのは、気温の上がり下がりが大きくて身体が慣れないからだろうと思う。
聞いた話では、雪が降り続いている日本海側では、雪が積もっては居ないそうだ。
降っても、次に気温が上がり溶けてしまって根雪にならないそうだ。

こんな気候の冬には、環境が許せば暖かい地方や温泉地に避寒をしたいものだ。
仕事に追われる身では、そんな贅沢は許されないのだが。


日野草城は元々会社員で長く温泉宿で避寒できるような身分ではなかったが、土曜日一泊の避寒だったかもしれないし、病気のため退職し、その6年後亡くなっているので、その間療養の間の避寒だったかもしれない。

吉田の句は、どうしても「風待ちの港」が気になる。

明治の御代になり蒸気船が普及するまでは、帆船だった。
江戸時代、東海道などに陸路と並行して海路も開発された。
江戸に物資を運ぶには大阪から紀伊半島を経て海を行く定期航路が出来、港の開発が盛んに行われた。

帆船の場合、良い風が吹くまで海には出ず、港で待つ必要があった。
三重の鳥羽湾、的矢湾、英虞湾は風を待つのに適していたため、港が整備され、発達した。
そうした港には、藩公認の遊び場所が用意された。
風待ちのため逗留する船乗りを相手とした、遊女を抱える遊郭街が栄えた。
全国にある風待の港には、どこにでも同じ様な状況が在った。

瀬戸内の御手洗港もそうした風待の港で、広島藩公認のお遊郭が立ち並んでいたそうで、その中で最も繁盛した店が若胡子屋(わかえびすや)で遊女が百人も居たらしい。

御手洗には、当時の面影を残す建物や史跡が残されているそうだ。
遊女の集まる場所には、様々な悲しい話が残るのは当然で、若胡子屋にも「日本残酷物語」で広く知られるようになった「おはぐろ伝説」が伝えられている。
江戸時代にはどこにでも在った風待ちの港にはこうした悲話や伝説が必ず在ったと言えるだろう。

吉田が避寒した港はどこかわからないが、「風待ちの港」の背景を知れば、句の理解も深くなる。




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2019年01月27日(日) 記事No.57

2019/01/27 (日) 旧暦: 1222 祝日・節気:  日出: 644 日没: 1702 月出: 2354 月没: 1046 月齢: 21.06 干支: 甲子 六曜: 先負 九星: 七赤金星


今日のあれこれ: 寒椿


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(無名子のよしなしごと
https://mumeisi.at.webry.info/200801/article_15.html
より転載)



『冬椿: 寒椿、早咲の椿

晩冬

寒椿、早咲き椿ともいわれる。冬のうちに咲く椿の総称。凛とした姿は茶人好みでもある。』
(季語と歳時記)



寒椿の俳句:


・白と云ふ艶なる色や寒椿 池上浩山人


・白湯という日本の言葉寒椿 尾田秀三郎


・父も夫も師もあらぬ世の寒椿 信子



椿のイメージは、花びらは一重で、赤色。
だが、寒椿には花びらは八重で、白色、花弁は一枚づつ散るものがあるそうだ。

寒椿は、椿では無く、山茶花の種類だと言う人もいて、よく判らない。

掲載させていただいた寒椿は、玉芙蓉と言う名前の品種だそうで、外側の花びら裏が淡紅色の八重の寒椿だ。
花だけ見ると薔薇のようにも見える華麗さがある。


寒い厳寒の季節に、清楚な白い花びらを満開にしている寒椿は見る人の眼と心を止める。

白に艶を見る池上は粋人だ。
白湯は色で言えば無色、味わいのないものだが、主張しすぎない優しさがある。ぬるま湯には浸っていられるぬくもりがある。

桂の場合は、現実は厳しい。
父も夫も師も居ないこの世など楽しいことなどありゃしない。
辛いこの世だがそれでも、寒椿の清楚な白の優しさに一刻悲しみを癒やされる。




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