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  • 2011年04月 の記事一覧

2011年04月30日(土) 記事No.4970


今日4月30日の忌日にあたって、供養のために感謝の気持ちを込めて記事を書いてみたい。



永井荷風は、気になる人である。


永井荷風は、遠くて近い人。
だが、近くて遠い人でもある。


文字の創る世界を虚とすれば、その世界は近い。
生活を実とすれば、その世界は遠い。


その虚実の中に、荷風は気になる人である。


 



(クラカスはつらいよ弐 より転載)


荷風の右手は、素直な手だ。
左手は、微妙だ。
肩に置けば普通だが、乳に置けばいやらしい。
左手は、微妙な荷風の位置に置いている。


荷風は実業家の父と漢学の血筋の母の血筋を引いている。
どちらの血筋も実の血筋で虚の血筋ではない。
 その荷風が人生の若い時期に虚実を取り違えた。


荷風は、自分が実の血筋に生まれた異端であることを自身よく承知していたに違いない。だからこそ、子もつくらなかったのだろう。


若くして父の資産を背景に、色町に遊び、小説を読み・書く高等遊民の生活を送った。
老いては、毎日浮華の街に脚を運び、街を眺めた、ストリップ小屋・ミュージックホールに通った。
 身を俗の世界に置きながら、浮薄な西洋のモノマネの日本を蔑視し、江戸情緒を重視した。生活は俗だが、心は高雅ですらあった。


断腸亭日乗は、荷風の日記である。
だが、身辺雑記を記したいわゆる日記ではない、虚実が複雑に入り組んだ世界でもある。
 荷風の書く「日本」は、荷風の眼にに曝されている。


明治・大正・昭和という激動期を生きた荷風の眼は「日本」を見つめている。
 荷風の最高傑作は「腕くらべ」でも「墨東綺譚」でもなく「断腸亭日乗」と言われる事は正しい。


明治以降の急速な西洋化・産業社会化の中で、江戸の持つ高尚な趣味や一般民衆の人情や遊びごころ・余裕を失ってしまった事が反省され始めている今、荷風の視線は正しかったことが理解できる。
 だから、断腸亭日乗は文明批評の大作とも言われる。


若い時に読む文学は、芥川であり、漱石であり、川端であり、太宰であるが、荷風は読まれない。
 荷風の虚の世界が理解できるようになるためには、長い人生の生活経験が必要だ。
 高校生が読むべきなのは荷風ではないはずだ、もっと実に近い本を読むべきだろう。
 荷風が好きな高校生の将来は単なる遊蕩児か天才だ、その差・リスクは大きい。
 おとなになって読めば、理解もでき、間違わないはずだ。


荷風という人は、生活そのものが、作品であった。
毎日、朝起きて流れる時間に身を任せて、無自覚に生きてるのではなかった。
 生活そのものを自分の美意識に忠実に合わせて生きた一つの文学作品であったと言える。


荷風の作品は、文字で書かれた文学作品だけではない。荷風の生きた生活・時の流れ・人生・姿それらの全体が文学作品なのだ。
 虚と実が複雑に入り組み・転変している世界。
小説も人生も文化勲章もストリップ小屋もゴシップも大金の入ったバッグを置いて孤独死した最後も、すべてすべてが荷風の文学作品と言える。
 虚実の彼方に荷風の世界はある。


荷風ななぜ左手を其処に置いた写真を撮らせ残したのだろう。
荷風はなぜお世話になった人の夜の営みを覗き見したのだろう。
それは、理解が出来ないことだ。


やはり、永井荷風は、遠くて近い人。
だが、近くて遠い人でもある。


そして、気になる人である。



 

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2011年04月30日(土) 記事No.4971

2011/4/30 (土) 旧暦: 3月28日 祝日・節気: ---- 日出: 4時51分 日没: 18時26分 月出: 2時52分 月没: 15時44分 月齢: 26.52 干支: 乙卯 (いつぼう,きのとう) 六曜: 赤口 九星: 四緑木星


 


今日の季語: 荷風忌
       今日4月30日は、永井荷風の命日。



(木村荘八 『墨東綺譚』 挿絵 1937 microjournalより転載)


永井 荷風(ながい かふう
1879年(明治12年)12月3日生
1959年(昭和34年)4月30日没
略歴
 本名:永井壮吉。東京外国語学校清語科中退後創作に励み、「夢の女」等を発表し注目を浴びる。1903年渡米し、07年仏・リヨンへ。その間横浜正金銀行に勤務。この時の体験を「あめりか物語」「ふらんす物語」として刊行し、好評を得る。その後、娼婦や花柳界を描いた作品を多く発表。1910年慶應義塾大学文科教授。17年から晩年まで記録した日記「断腸亭日乗」は貴重な記録。52年文化勲章受章。


 



荷風忌の俳句:


 ・独り身の自由が淋し荷風の忌 山田具代


 ・荷風忌や韜晦といふ海の縁 高島征夫


 ・荷風忌の雲の移り気見てゐたり 吉川高詩


 ・荷風忌の近き投げ込み寺に来し 高木良多


  注)投げ込み寺とは、浄閑寺(じょうかんじ)のことである。
吉原の北側、三ノ輪にある寺、現在は荒川区南千住二丁目。
 安政2年(1855年)の大地震の際、多くの吉原の遊女が、投げ込み同然に葬られたことから「投込寺」と呼ばれるようになった。その後も、身寄りのない遊女たちを葬り、川柳に「生まれては苦界、死しては浄閑寺」と詠まれた。慰霊のための新吉原総霊塔のほか、しばしば当寺を訪れた永井荷風の詩碑が建立されている。
 毎年、荷風の命日である4月30日頃に、寺の主催で「荷風忌」が営まれる。江戸時代に売春を行っていた女性に対する戒名は、「~売女」という極めて劣悪な戒名をつけられていた。


 孤独死をした荷風は、雑司ヶ谷霊園1種1号7側3番の、父久一郎が設けた墓域に葬られたが、荷風自身は、吉原の遊女の投込み寺、浄閑寺を好んで訪れ、そこに葬られたいと記していた。
 死後、宮尾しげをと住職とが発議し、森於菟・野田宇太郎・小田嶽夫らが実行委員となり、計42人の発起人によって、1963年(昭和38年)5月18日、遊女らの『新吉原総霊塔』と向かい合わせに、谷口吉郎設計の詩碑と筆塚が建立された。


 ・荷風忌や軒借りて雨やりすごし 河村むつ子
 
墨東綺譚が始まるのは、雨の中である。
荷風には、雨の中の出逢いがあった。
勝海舟にも雨の中の出逢いがあった。


 河村には出逢いがあったのだろうか?
出逢いがあるのなら、雨の中に傘もささずに出かけてみたいのだが。


 
荷風忌の俳句を探してみたが、あまり見つからない。
一句加えてみた。


 ・荷風忌や寝ても覚めても花おもい 笑山


 



 

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2011年04月29日(金) 記事No.4972


仮処分に対して東京電力の清水社長は、免責条項に該当するとの見解を表明した、

『東電、賠償免責の見解 「巨大な天変地異に該当」
2011年4月28日(木)15:32


 福島第一原発の事故に絡み、福島県双葉町の会社社長の男性(34)が東京電力に損害賠償金の仮払いを求めた仮処分申し立てで、東電側が今回の大震災は原子力損害賠償法(原賠法)上の「異常に巨大な天災地変」に当たり、「(東電が)免責されると解する余地がある」との見解を示したことがわかった。


 原賠法では、「異常に巨大な天災地変」は事業者の免責事由になっており、この点に対する東電側の考え方が明らかになるのは初めて。東電側は一貫して申し立ての却下を求めているが、免責を主張するかについては「諸般の事情」を理由に留保している。
』(asahi,com)


原子力損害賠償法に付いてはよく知らないが、「異常に巨大な天変地異又は社会的動乱」について、地震であれば関東大震災の3倍以上の加速度をもつものをいうと解されているそうだ。


加速度は、
阪神大震災は800ガル。
関東大震災の300ガル
だそうで、一方今回の東日本大震災の加速度は、
最大加速度 (PGA) : 宮城県栗原市:2,933ガル
この数値だけで言えば、免責条項に該当することになる。


東京電力の主張は、現時点で真実が良く見えない段階では、数字だけを考えれば論拠があるものだ。


現時点で仮処分を申請する申立人及び弁護士の考え方が理解出来ない。


実態も把握できず、経過も解らず、見通しも立たない現段階で、仮処分を申請して、裁判所が判断できるだろうか?
法的に乱暴な結論を出せは、他の被害者に大きな迷惑を掛けることになる。


現段階で法的解決を求めるのは、裁判所・法律を買いかぶりすぎていると思う。裁判所は神様ではない。何も解らないのに結論が出せるはずもない。
 こんな事が、理解出来ない弁護士もいるのかと考えざるを得ない。


現段階で有効なのは、政治的決断・解決であって、法律の適用ではない。
 今、ふさわしい方法は、仮処分ではなく仮払いだ。


 

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2011年04月29日(金) 記事No.4973

2011/4/29 (金) 旧暦: 3月27日 祝日・節気: 昭和の日 日出: 4時52分 日没: 18時25分 月出: 2時25分 月没: 14時49分 月齢: 25.52 干支: 甲寅 (こういん,きのえとら) 六曜: 大安 九星: 三碧木星


今日の季語: 陽炎(かげろう)


 
(炎の和田さんのページ より転載)


『陽炎(かげろう)(shimmer)とは、局所的に密度の異なる大気が混ざり合うことで光が屈折し、起こる現象。よく晴れて日射が強く、かつ風があまり強くない日に、道路のアスファルト上、自動車の屋根部分の上などに立ち昇る、もやもやとしたゆらめきのこと。


蜃気楼の意味でこの言葉を使うこともある。厳密には、陽炎は上昇気流により密度の異なる大気がばらばらに混合して起こる小規模なもので、蜃気楼は層状に密度の異なる大気が分布した状態で起こる大規模なものである。


 メカニズム
光は通常直進するが、空気の密度が異なる場所では密度のより高い方へ進む性質(屈折)がある。光の発信源(人間が目で見たりカメラで撮影したりする景色や物体)と観測者(人間やカメラなど)の間に密度が異なる空気が隣り合っている場所があると、そこを通る光は通常と異なる経路を辿り、景色や物体が通常とは異なる見え方をする。光学では、このメカニズムによってもやのような揺らぎができることをシュリーレン現象と呼んでいる。


大気は温度変化により体積が変化して密度が変わり、温度の異なる大気が隣り合っている場合、光は冷たい空気の方へ屈折する。晴天の日中に、物体の表面が日光を受け温度が上がったとき、風が弱い場合はそこに滞留している大気が暖まり、密度が小さくなって浮力により上昇する。このとき暖まった大気と周りの相対的に冷たい大気とが混ざり合い、乱流的な上昇気流が発生する。この上昇気流の部分を通る光がさまざまな向きに屈折されることで、陽炎が見える。


このような現象は平原や砂浜などさまざまな場所で見ることができる。焚き火の炎の上、エンジンなどの排熱には明瞭なゆらぎが見られる。また、空気中だけでなく水などの液体中でも見られる。


大気が光を屈折させて起こる現象は他にもある。蜃気楼の場合は、密度の異なる大気が層流的な流れをしているか静止していてほとんど混ざり合わないため、鏡写しのように一部分だけがきれいに分離して見える。


 文化
日本では春の季語とされるが、気象条件から夏に多く見られる現象である。また、現代では舗装された道路や金属の物体などの暖まりやすいものが増えて、見る機会がより増えている。


常に変化してできては消えるその様から、とらえどころのないもの、はかないものの例えとしても用いられる。


陽炎を描いた芸術作品
『今さらに雪降らめやもかぎろひの燃ゆる春へとなりにしものを』 - 作者不詳、万葉集巻10
『東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ』 - 柿本人麻呂、万葉集巻1(注意:この句の「かぎろひ」とは、東の空に昇る太陽のことを指す)』(Wikipedia)



陽炎の俳句:


・陽炎に蟹の泡ふく干潟かな 夏目漱石


・開拓の道まつすぐに陽炎へる 川村暮秋


・字の何と陽炎立つや道標 松根東洋城


・縄跳びの子が陽炎を出入して 山田弘子


・麦二寸陽炎立つ日また来べし 及川貞


陽炎が見えれば、もう晩春、
夏も近い気持ちになれるだろう。


寒いのか暖かいのか解らない日が続いている。
日替わりで寒暖が違い、一日の気温の高低差が10度をはるかに越えている。


大災害の後に天候不順では困るのだが。



 

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2011年04月28日(木) 記事No.4974


口では政治主導を言いながら、全く官僚を使いこなせていない民主党政権は、災害復興財源の名のもとに、大増税路線を突き進もうとしている。
 消費税、所得税、高速道路無料化の取りやめなどで財源を考えようとしている。
 実に馬鹿げた経済オンチの集まりとしか言い様がない。


震災により、生産が停滞し、自粛により消費が減退している日本経済は、急性の病気にかかったと同じ状態だ。熱が出て体力が低下することが眼に見えている。
 こんな日本経済の状況の中で、大増税を行うことはどんな効果を日本経済に与えるのかが解らないのだろうか?
 病気になって体力が落ちている人から、献血用の血液を抜くような行為と同じことが解らないのだろうか?


大増税はさ避けなければならない事は、経済学的には自明の理だ。
では、復興財源はどうするのか?
それには、体力を回復しながら早く日常生活に戻り、活動するために知恵と工夫をしなければならない。


NHKで生中継されていた4月26日の衆院予算委員会で、みんなの党の江田憲司幹事長が、この問題を取り上げ、真面目に提案したいと菅総理に質疑を行った。
 中味は、知恵の出し方で、増税なしで財源は確保できるというものだった。



東日本大震災の復興財源として、国債整理基金特別会計と労働保険特別会計を使う。
 国債整理基金特会から10兆円、労働保険特会から5兆円を捻出することにより財源を確保することができる。


国債整理基金特会:
 国債発行残高の1.6%(=現在は約10兆円)」という定率繰り入れを1年だけ停止しても、国債整理基金特会には現在12兆~13兆円の積立金があるので、国債の返済に影響はない。


この方法は、前代未聞の架空の案ではなく、自民党政権時から過去に11回も行われている実績のある方法なのだ。
 1982年(昭和57年)12月18日の参院本会議での竹下登蔵相(当時)は、財政の責任者として次のように答弁している。
「国債整理基金の資金繰りの状況を見ますと、昭和57年度の公債の償還は、同基金にこれまで積み立てられた余裕金によって対処可能であり、国債費の定率繰り入れ等を停止するとしても、公債の償還に支障はないものと見込まれております」。


現在の責任者である野田佳彦財務相は、定率繰り入れの停止は「マーケットのリスクが非常に高い」「今の財政状況は当時から劇的に変化している」と答弁したが、説得力に欠ける。
 マーケットは、新たに国債を積み増すことや、増税で日本経済が余計な体力消耗に陥ることになるリスクのほうがより危険であることの言及が全くなかった。
 財政均衡主義を非常時にこだわるのは、馬鹿の一つ覚え、愚かとしか言い様がない。


労働保険特会:
雇用勘定の資産負債差額が6.5兆円もあり、このうち5兆円を復興財源として活用すべきと提案した。


これに対して、与謝野馨と共に大増税論者である菅首相は、答えようとせず、増税の自説を繰り返すのみであった。


みんなの党の提案に対し、経済という相互関係の複合体が理解出来ない今の政府は、暗愚としか言い様がない。
 もし暗愚でないのなら、国民を騙して消費税に道筋を付けようとする騙しの手口としか考えられない。


この質疑を見ていて、感じたことは、現行内閣の知恵と決断力と実行力の無さだ。
 日本が復興への道を早く歩むためには、解散総選挙をして、みんなの党に政権を任せることが一番だと思う。


4月26日の予算委員会の質疑を見ていない方は、以下のYoutubeで見ることができる。
 みんなの党江田幹事長と野田財務・菅首相、どちらの話が、日本にとって国民にとって良いのか、自分の目で見て、耳で聞いて判断していただきたい。


「増税は必要ナシ!~平成23年4月26日 予算委員会~」
http://www.youtube.com/watch?v=Hp3APr_D1oQ



江田けんじ委員の主張は、公式HPで読むことができる。
http://www.eda-k.net/column/week/2011/04/20110425a.html



 

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2011年04月28日(木) 記事No.4975

2011/4/28 (木) 旧暦: 3月26日 祝日・節気: ---- 日出: 4時53分 日没: 18時24分 月出: 1時58分 月没: 13時54分 月齢: 24.52 干支: 癸丑 (きちゅう,みずのとうし) 六曜: 仏滅 九星: 二黒土星


今日の季語: 残花
 春の季語。散り残った花。特に、桜の花についていう。
 残る花。残桜。


 




残花の俳句:


・ちぎれ飛ぶ残花に空の青さかな 伊藤稜志


・なつかしき京の残花に迎へられ 水田のぶほ


・みちのくや残花のひかりゆくほどに 黒田杏子


・残花なほ散りしきることありと知れ 川崎展宏


・奥羽残花わが生加速しつつあり 高野ムツオ



被災地の桜は満開の時期を過ぎているだろうか。
花吹雪は未だだろうか。
いずれ、間もなく散り残した残花は、潮風に揺られて、なお散りしきることだろう。


花は咲いて散る。
奥羽のその光景の中で、高野は生きいそぐことを実感している。



 

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2011年04月27日(水) 記事No.4976


表題の「沖縄DEEPIST」と言う言葉は。新造語である。
創ったのは筆者。
意味は、沖縄に深く魅せられた人のことだ。



沖縄に魅せられている人は多い。



以前は日本本土から離れた南国であった沖縄は、今では政治の文脈では中心的関心の対象であるし、若い人にとっては音楽・野球ではメジャーなポジションを占めている。
 だが、其の様な沖縄ではなく、ディープな沖縄に深く心を魅せられ囚われてしまった人たちがいる。



沖縄には無数の観光客が訪れる。
多くの観光客は、ツアー旅行でお決まりのコースを観光旅行することになる。
 その中で何かに心を惹かれて、もう一度行きたくなる。



それは、青い空であったり、エメラルドグリーンもしくは群青色の海であったり、透明な海の中で舞っている鮮やかな魚たちであったり、カチャーシーの様な踊りであったり、島唄であったり、泡盛であったり、食堂のおバァであったり、居酒屋のおジィであったり...それぞれ一様ではない。



沖縄とは関係の無い日常生活で、沖縄とは関係の無い分野で、沖縄とは関係の無い人と接しながら日常生活を送っている我々だが、そんな日常の中で会話している時、目の前の人が沖縄に関心を示すことがある。
 その人と沖縄について話をすると、目が輝き始める。話を進めると、沖縄に魅せられている人であることを感じることができる。
 そして、必ずお気に入りの場所、お気に入りの物、各人ごとにお気に入りの沖縄を持っている。
 それらは、殆ど観光案内書やパンフレットに載っていない、日常の沖縄らしい事物であることが多い。人はそれをディープな沖縄と呼ぶ。



こうした人との出会いは、時々あるが、日常的な人が特別な人になる瞬間だ。
 ある時、ジムのZUMBAプログラムですぐ前で踊っているSさんが、沖縄に惹かれた人であることが判った。
 話によれば、彼女は免許証は持っていないが、沖縄にはツアーでは行かない。路線バスに乗ってどこにでも行くそうである。観光案内所にないような場所にでもバスと自分の足で行くのだそうだ。そして、毎回訪れるライブハウスで沖縄の唄と踊りを楽しみ、お決まりの食堂でチャンプルー他を楽しむのだそうだ。
 こうした人達と出会う瞬間は、平凡な日常から飛び出すことができる貴重な瞬間だ。



こうした人達にとって沖縄は単なる旅行地ではない。
特別な心の場所である。
今住んでいる現実を、一時リセットして、自分を取り戻す事が出来る場所。そこでは、全く急ぐ必要はない。時間全てが自分のものであり、明日も昨日も想う必要は無い。目の前にゆっくり流れている時間は止まっている。目の前の自然は光り輝いている。目の前に現れるウチナンチュは尖っていなくて皆優しい。
 沖縄は、癒しの場、癒しの時間を与えてくれる「ゆくい(憩い)どころ」なのである。



沖縄に魅せられた人は、沖縄に移住する人と沖縄に通う人に分かれる。
 筆者が沖縄で仕事をしていた頃、出会った同業のx氏は極端な移住派だ。彼は単身赴任だった。翌年転勤で本土に帰ったが、数年後、沖縄で再会した。聞くと沖縄に住んでいるとのこと。奥さんと別れ、沖縄で部下だった子と一緒になったとの話だった。
 沖縄移住を勧めるブログとかサイトはかなり多い。移住する人は多いはずだ。



当時関係した弁護士は通う人だった。彼は毎年何度も沖縄にやって来る。それは海で身体を焼くためだった。
 それぞれの日常と沖縄との折り合いをつけながら、日常を生きている人達だ。



「沖縄通い婚―2泊3日のウチナー暮らし」下川 裕治著 (徳間文庫) という本がある。



沖縄が好きになり、通い続ける群像を紹介した本だ。
沖縄に住みたいけど住めない。でも気が付けば沖縄行きの飛行機に乗っている。島の風とウチナンチュ―の笑顔に逢いたくて、観光地には目もくれず、馴染みの居酒屋でオバァと話しながら泡盛をチビチビ飲むことを心の拠りどころにしている人々を紹介している。



登場する人達は、普通の会社員や自営の人で、特にお金も暇もある訳ではないが、日々の生活をやりくりして、機会を見ては沖縄に通い続けている。



これらの人達は、そんな苦労をしながら沖縄に行くが、着いてもどこへも行かず、ただ行きつけの居酒屋に行っておジィ・おバァを相手に泡盛を楽しみ、沖縄の料理を楽しむだけなのである



沖縄と結婚して移住するのも良いが、沖縄と日常の間を通い婚するのも良い。
 どちらにするかは、自分次第だ。



沖縄に深く魅せられてしまった状態を「沖縄病」と呼ぶ人もいる。だが、沖縄が与えてくれる状況は「病気」とは言えない。
 揶揄・自虐的に言えば、「病気」かもしれないが、本人は望んでそうしているのだ。
 DEEPな沖縄の持つ「やさしさ・ゆくい」に身を置いていれば、それで十分なのである。
そんな人を「沖縄DEEPIST」と名づけたい。




 

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2011年04月27日(水) 記事No.4977

2011/4/27 (水) 旧暦: 3月25日 祝日・節気: ---- 日出: 4時54分 日没: 18時23分 月出: 1時31分 月没: 12時59分 月齢: 23.52 干支: 壬子 (じんし,みずのえね) 六曜: 先負 九星: 一白水星


今日の季語: 二人静


 



(世界遺産の吉水神社から「ニコニコ顔で、命がけ!」 より転載 )


『フタリシズカ(二人静、学名:Chloranthus serratus)は、センリョウ科の多年草。
 
特徴
沖縄を除く日本全国の山林の比較的暗い場所に分布する。高さは30~60cm。花期は4~6月。茎の先に数本(2本の場合が多い)の穂状花序を出し、小さな白い花をつける。花には花弁も萼もなく、3個の雄しべが丸く子房を抱いている。花序は立っているが、果実ができると下に曲がる。夏頃(果実の成熟期)に閉鎖花をつける。
 
和名は、2本の花序を、能楽「二人静」の静御前とその亡霊の舞姿にたとえたもの。ヒトリシズカと対を成す。ただし、花序は二とは限らず、3-4つく例もある。』(Wikipedia)



二人静の俳句:


・ひとりきて二人静の穂にかがむ 高垣美恵子


・一人より二人静を花の閑 飴山 實


・花白き二人静が夜明け待つ 小沢満佐子


・群れ咲いて二人静と云ふは嘘 高木晴子


・静かなる二人静を見て一人 京極高忠


・二人静いつまで母と暮せるか 白川京子



花の穂が二本立つので二人静と名づけられたそうだ。
二人というとどうしても一人と対比になってしまう。
群れ咲いているのは一人静でも同じ、二人静のほうが嘘は少ない。


いつまでも二人で暮らしたいという願いは、切ない。


・一人より二人がよろし二人静


 

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2011年04月26日(火) 記事No.4978


原発の事故現場では、作業員の人達が決死の思いで、作業に従事している。
 命がけで作業している作業員の活躍に感謝しながら、その労働条件が悲惨なものと知らされ憤慨したりしている。


日本人なら誰でも思う疑問がある。
なぜロボットを使わないのか?
日本はロボット先進国ではなかったのか?
バイオリンを弾いたり、走ったり、踊ったりするロボットだって存在する。
鉄腕アトムを呼んで助けを求めたら良いのじゃないかと。


アメリカ製のロボットが登場したが、障碍物があるところでは引き返さざるを得なかった。
日本のロボットはどうしたのだろうかと誰もが思ったことだ。


原子力安全保安院の西山英彦さんは、「ロボットを使った記録がない」と話したそうだが、色々と背景があるようだ。


日本のロボットは、水素爆発をして放射能が充満しているような状況は想定外で、其の様な環境で作動するロボットは開発していない。CPUは100ミリシーベルトの放射線に耐えられないそうだ。
 開発は過去したが、予算削減で開発は中止された。開発に金のかかるロボットより安い賃金で働いてくれる作業員のほうが使い勝手が良いと考えたのかもしれない。


今日の報道で、漸く日本のロボットが登場した。
アメリカ製より高性能で、難所に強く、放射線にも強いそうだ。
これはNPO法人が開発したものだそうだ。



『NPOが水中ロボット捜索を報告 原発作業可能な機種も
2011年4月24日 19時18分


 
 国際レスキューシステム研究機構が開発したロボット「Quince(クインス)=24日午後、千葉県習志野市の千葉工業大学
 
 
 大学の研究者らでつくるNPO法人「国際レスキューシステム研究機構」は24日、東日本大震災被災地の沿岸部で実施した水中ロボットによる行方不明者捜索活動の結果を発表、東京電力福島第1原発での作業に使えるロボットも紹介した。


 同機構会長の田所諭東北大教授によると、不明者捜索は宮城県南三陸町と岩手県陸前高田市から依頼を受け、4月19日から5日間実施した。


 水中ロボットは国産と米国製の2機種。ソナーやカメラを搭載し、ダイバーが潜ると危険な漂流物の下などを探索した。遺体発見には至らなかったが、海中に沈んだ車を発見し、車内に人がいないかどうかを調べる様子がビデオで紹介された。


 原発で作業できるロボットは、同機構などが開発した「Quince(クインス)」。全長約70センチ、幅約50センチで、戦車のような無限軌道で走る。遠隔操作で動くため、放射線量の高い第1原発でも作業が可能。障害物を乗り越えて移動し、放射線量を測定できる。


 現場への投入は決まっていないが、田所教授は「狭い場所でも2階に上がれる機能は、ほかのロボットにはない」と説明した。
(共同)』(CHUNICHI WEB)




. 東日本大震災:福島第1原発事故 原子炉建屋調査ロボット開発--千葉工大など


 ◇線量計・カメラ装備 遠隔操作も可能
 階段を上ることのできる緊急災害対応ロボット「Quince(クインス)」が24日、千葉県習志野市の千葉工業大で公開された。東京電力福島第1原発の原子炉建屋内の状況調査ができるよう、線量計やカメラなどを装備。遠隔操作もできる。東電から要請されしだい投入される。


 開発したのは、同大や東北大などの研究者らでつくるNPO法人「国際レスキューシステム研究機構」。全長66センチ、幅48センチ、車高22センチで、戦車のように無限軌道で走り、がれきを乗り越える。扉のドアノブを回して開ける軽作業用アームを取り付けることもできるという。


 田所諭・東北大教授は「狭い場所でも階段を上る性能を備えたロボットはほかにない」と説明。政府と東電の事故対策統合本部のリモートコントロール化プロジェクトチーム、浅間一・東京大教授は「5階(の原子炉建屋オペレーションフロア)に近づけるロボットが必要だ。クインスを導入することになるだろう」と語った。【岡礼子】』(毎日.jp)


一方、日本ロボット学会は、4月13日緊急提言を行った。
「福島第一原子力発電所事故対策等へのロボット技術の活用について」。
http://www.rsj.or.jp/shinsai/index.html


毎回書いていることだが、福島の原発事故は未収束の国難とも言える大事故なのだが、政府は東電任せで、東電は東電ができることしかしていない。
 今、行われている「水棺」と言う作業にしても、聞いたことがないと原子力の専門家が発言しているそうだ。
 水で満たした後で、大規模余震が起き、原子炉が解体する引き金にならないだろうか? と素人は不安を持ってしまう。
 日本の総力をあげるという意志と態勢が感じられない現状に、日本国民は納得の行かない思いでいるし、ましてや世界の人はそうだろう。


日本中の叡智と経験を集めて、すべての分野の学問・専門家・企業・電力会社を結集して、それで工程表を考えるべきだ。
 東電一社がリスクを併記しながら、考えるようなものであっては、国民の不安は解消しない。
 政府が自分の責任のもとに国民・世界に対して工程表を作り、公表すべきだ。



 

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2011年04月26日(火) 記事No.4979

2011/4/26 (火) 旧暦: 3月24日 祝日・節気: ---- 日出: 4時55分 日没: 18時22分 月出: 1時01分 月没: 12時02分 月齢: 22.52 干支: 辛亥 (しんがい,かのとい) 六曜: 友引 九星: 九紫火星


今日の季語: 一人静 (ひとりしずか)、吉野御前(よしのごぜん)、眉掃草(まゆはきそう)


 



(楽しい時間~♪ より転載)


 



(楽しい時間~♪ より転載)


『ヒトリシズカ(一人静、学名: Chloranthus japonicus )は、センリョウ科 チャラン属の多年草。


 分布と生育環境
北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内、林縁に自生する。


 特徴
高さは10~30cm。葉は4枚が輪生状に付き光沢があり、縁には鋸歯がある。花期は4~5月で、茎の先に1本の穂状花序を出し、ブラシ状の小さな白い花をつける。


一本で生えるのは稀で、普通群生する。


名称の由来はこの花の可憐さを愛でて静御前になぞらえたもの[1]。近縁種のフタリシズカが花穂を2本以上出すのと対比させた。
...』(Wikipedia)



一人静の俳句:


・いつの世に一人静と名のつきし 伊藤柏翠


・隠し湯へ一人静の灯る径 木村幸枝


・花穂ひとつ一人静の名に白し 渡辺水巴


・寄り添ひて一人静の咲きゐたり 坪井 さちお


・香焚かれ一人静の円覚寺 勝村茂美


香、静、円覚寺と言う言葉が創る凛とした緊張感が一人静という名の花に世界を与えている。


真ん中に可憐な1本の花穂が立つ風情から一人静と名付けられた。
 だが、1本だけで生えるのは稀で、普通は群生するそうだ。
一人静も何人も揃って咲けば静かというより華やかだ。


花にとってどのような名を与えられるかは大きな問題だ。
一人静は良い名付け親を持ったことを感謝しているだろう。



 

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