2023/02/04 (土) 旧暦: 1月14日 祝日・節気・雑節・朔望: 立春 日出: 6時39分 日没: 17時10分 月出: 15時35分 月没: 5時53分 月齢: 13.25 潮汐: 中潮 干支: 癸巳 六曜: 友引
今日のあれこれ: 立春
「二十四節気 立春 暦の上では春のはじまり」
https://youtu.be/Z0OWjKKyg7U
『立春(りっしゅん) 初春
【子季語】
春立つ、春来る、立春大吉、春さる
【解説】
二十四節気の最初の節気で、二月四日ころ。節分の翌日になる。
厳しい寒さはまだ続くが、温かくなるにつれて梅の花もほころぶころ。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【実証的見解】
初春の項参照』
(季語と歳時記)
立春の俳句:
・まつさらな春よ立春の午前四時 林翔
・みほとけの奈良に目覚めて立春や 大野林火
・羽ばたきす鳳凰に春立ちにけり 阿波野青畝
・まづ生きるは息をすること春立ちぬ 岸田稚魚
・群青の立春ペダル漕ぐ空へ 渡部恭子
・嫁ぐ子と花種選りぬ春立つ日 伊藤京子
今日は、立春。
昨日の節分は、明日は立春と言われても、“まだまだ冬だけど...”の名のみの春だからね。
と思っていた。
今日になると、風が収まり、陽射しの温かさが感じられる日になった。
一転して、考えた。
流石に、暦だ。今日は名のみの春ではなく、早春の気が道端の金柑の樹に黄色の多くの実を輝かせていた。
今日の季語は、立春に決めた。
立春の句も多く詠まれている。
読んでいると、春の訪れを感じてというか、春の兆しを見つけ出してと言うか、心弾ませている句が多い。
読んでいると、作者たちの弾んだ心が伝わってきた。
お陰様で、こちらの気持ちも明るくなった。
立春は温かい季語だ。
菜花亭日乗
菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc
2023/02/03 (金) 旧暦: 1月13日 祝日・節気・雑節・朔望: 節分 日出: 6時39分 日没: 17時09分 月出: 14時38分 月没: 5時08分 月齢: 12.25 潮汐: 中潮 干支: 壬辰 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 追儺
『京都・吉田神社「追儺式」(2023年2月2日 京都市左京区)』
https://youtu.be/-h6fOBOqNJk
『追儺(ついな、つゐな) 晩冬
【子季語】
なやらひ、鬼やらひ、儺を追ふ(だをおふ)
【解説】
もともとは中国から伝わった災いを払う宮中の行事。
のちに神社寺院に伝わって、二月の節分の行事になった。関東では成田山新勝寺の追儺の豆まきが有名。』
(季語と歳時記)
追儺の俳句:
・護摩の火の真っ直ぐ挙り追儺寺 細川コマヱ
・山国の闇恐ろしき追儺かな 原石鼎
・四股踏みて松明振りて追儺鬼 馬越幸子
・行僧の荒び声なる追儺経 能村登四郎
・愛用のバッグヘ三度追儺豆 和田郁子
追儺は災いを払う儀式。
本来なら、追儺式が行われるお寺に参拝し、法話を聞いたり、鬼やらいを体験したりして、自らの災いを追い払う儀式だ。
山国の明かりを消した闇の中で鬼が暴れ回るのを見れば、闇の恐ろしさを身体で感じることが出来るのだが、明るい照明のある日常では、闇の恐ろしさも実感できない。
『節分(追儺式)の話し』
https://youtu.be/mNVXyId8Ba0
現在では、節分の豆撒きや恵方巻などの日常生活に近い場での行事になっている。
和田氏の様に自分の愛するものに豆をまき災いを除く行為と気持ちは必要だ。
自分、家族、友人、犬や趣味の物に至るまで、災いを除く事を祈るのは、追儺の趣旨に適うことだ。
2023/02/02 (木) 旧暦: 1月12日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時40分 日没: 17時08分 月出: 13時45分 月没: 4時17分 月齢: 11.25 潮汐: 中潮 干支: 辛卯 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 梅見
『【告知】第127回水戸の梅まつり』
https://youtu.be/JWO3vKtGOkw
『梅見(うめみ) 初春
【子季語】
観梅、梅見茶屋
【解説】
梅は奈良時代に日本へもたらされたとされる。
早春、百花に先立って咲く梅は、香りも高く気品がある。
見頃には、各所の梅林がにぎわう。』
(季語と歳時記)
梅見の俳句:
・ことしもまた梅見て桜藤紅葉 井原西鶴
・梅見たる紙衣もけふがわかれかな 杉風
・御秘蔵に墨をすらせて梅見哉 其角
・気のはらぬ入相聞て梅見かな 園女
・菜もつまむ梅見てあそぶ僧ならず 支考
・さむしろを畠に敷て梅見かな 蕪村
・さらさらと衣を鳴らして梅見哉 夏目漱石
梅見の俳句を読んでいて、漱石の句に出逢った。
漱石はこんな句を詠んでいるのかと思った。
構えのない自然な心模様だ。
梅見は伝統的な行事だから、俳句の歴史より遥かに古い。
漱石より昔の人は、どんな梅見を詠んでいるのだろうと思った。
探したら、6句見つかった。
昔の句は、今の俳句とは違うし、文学的な常識も違うので、解釈するのは容易ではない。
解らないながらも、考えてみた。
<西鶴の句>
これは、今の俳句ではどう考えたら良いのか。
判らないが
意味は良く解る。
<杉風の句>
紙衣が何かわからない。
調べてみた。
紙衣
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%99%E8%A1%A3
武士、俳人が好んだとあるので、雨風を防ぐウインドブレーカーとして使われたのだろうか。
梅も咲いたし、暖かくなる。
今日から、紙衣も要らなくなるか
の意だろうか?
<其角の句>
難解な句だが、先人が調べて報告していた。
★★★ 芦坊の書きたい放題 ★★★
https://blog.goo.ne.jp/sakashu-ss/e/d38860c4d9ff20ceda84b06b2f00f24d
<園女の句>
入相とは入相の鐘の略だそうだ。
『【入相の鐘】 の解説
日暮れ時に寺でつく鐘。また、その音。晩鐘。
「智恩院の桜が―に散る春の夕べに」〈鴎外・高瀬舟〉
』(デジタル大辞泉(小学館))
素直に解釈しておきたい。
<支考の句>
これは、意味が取れない。
上の句とか、菜をつむ、梅見をする、僧の文学や歌舞伎や詩文の常識が無い自分には解釈不能だ。
誰かご存じの方は、ご教示お願いしたい。
<蕪村の句>
「さ‐むしろ」は。
『さ‐むしろ【狭筵】 ① 幅の狭い筵。
また、短い筵。』
文字通りの意味に解釈しておこう。
深い背景があるのかもしれないが。
【俳人たちの情報】
句を詠んだ俳人たちの情報は、以下で見ることが出来る。
・井原西鶴 《寛永19年〈1642年〉[注釈 1] - 元禄6年8月10日〈1693年9月9日〉》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E5%8E%9F%E8%A5%BF%E9%B6%B4
・杉山 杉風(すぎやま さんぷう) 《正保4年(1647年) - 享保17年6月13日(1732年8月3日)》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E5%B1%B1%E6%9D%89%E9%A2%A8
・宝井 其角(たからい きかく) 《寛文元年7月17日(1661年8月11日) - 宝永4年2月30日(1707年4月2日。一説には2月29日(4月1日)》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9D%E4%BA%95%E5%85%B6%E8%A7%92
・斯波 園女(しば そのめ) 《寛文4年(1664年) - 享保11年4月20日(1726年5月21日)》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%AF%E6%B3%A2%E5%9C%92%E5%A5%B3
・各務 支考(かがみ しこう 《寛文5年(1665年) - 享保16年2月7日(1731年3月14日)》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%84%E5%8B%99%E6%94%AF%E8%80%83
・与謝蕪村 《享保元年(1716年) - 天明3年12月25日(1784年1月17日)》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E8%AC%9D%E8%95%AA%E6%9D%91
・夏目 漱石(なつめ そうせき) 《1867年2月9日〈慶応3年1月5日〉 - 1916年〈大正5年〉12月9日)》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E7%9B%AE%E6%BC%B1%E7%9F%B3
漱石の俳句の一部を、以下のサイトで読むことが出来る。
漱石は、小説より俳句が楽しいようだ。
夏目漱石の俳句
https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/1484
2023/02/01 (水) 旧暦: 1月11日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時41分 日没: 17時07分 月出: 12時58分 月没: 3時20分 月齢: 10.25 潮汐: 若潮 干支: 庚寅 六曜: 大安
今日のあれこれ: 二月
《北野天満宮 梅苑『花の庭』の公開始まる 白い雪をまとう「梅の花」 京都・上京区(2023年1月28日)》
https://youtu.be/kU1uhPQtW7M
『二月(にがつ/にぐわつ) 初春
【解説】
上旬に立春を迎えはしても、厳しい寒さの続く時節。
冷たい空気の中、日ざしはすこしづつ春を感じさせるようになる。』
(季語と歳時記)
二月の俳句:
・一村の梅咲きこぞる二月哉 正岡子規
・花の咲く木はいそがしき二月かな 各務支考
・安房二月コーヒー店も花あふれ 新井英子
・寒暖の差の激しき日二月来る 久保晴子
・悪戯や逃げ足速き風二月 石倉千賀子
・燕に賑ひそめる二月かな 蓼太
・煙上げて人居り梨畠の二月 宮津昭彦
・あいまいなたむろ二月の少年ら 内田美紗
・何をしても退屈二月の電柱 大倉郁子
・露天湯に溺れてをれば二月かな 山田六甲
今日から月が変わり、二月が始まった。
朝起きて今日から二月だが、二月って、どんな月だったろうと改めて思った。
「二月」を季語とした俳句を探してみると、数多く詠まれている。
ザット探しただけで千句を超える句が見つかった。
意外に、人気がある季語だった。
句に詠まれている「二月」はどんな月なのだろうと、読み始める。
1000句もあると見方、感じ方も様々で、右だといえば左、山だといえば海...と纏まらないこともあるだろう。
頭から読み進んでいくと、それぞれの二月が詠まれている。
自然は雪も残り、また降り積もる。
寒さは厳しい。
晴れた日は風が厳しい。
寒暖差は激しい季節だ。
しかし、雪の中でも梅の花は咲く。
花屋さんの店頭には、早春の花が色を競う。
野には鳥たちが羽ばたき、囀る。
農家は野焼き、山焼きで春の準備を始める。
自然の中の花や鳥や人は激しい気候の中でも健気に生きている。
だが一方、冬と春の間に挟まれた二月は、はっきりしないところがある。
それに、負けて、することもなく群れてたむろしたり、独りで退屈したりする月でもある。
受け身に回って、退屈したりするのは良くない態度だ。
今日のニュースでは、Youtubeに回転寿司のレーンに流れる寿司にいたずらしたり、皿や醤油を舐めたりする少年の姿がUPされていたが、その少年が特定され、巨額の損害賠償や刑罰の可能性が報道されている。
退屈すると、人間は負ける人が出てくる。
退屈しても負けないことが、大切だ。
山田氏のように、大容に構えて、まだ寒い二月には温泉の中に身体を温めて、溺れていることも正しい態度だ。
2023/01/31 (火) 旧暦: 1月10日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時42分 日没: 17時06分 月出: 12時16分 月没: 2時20分 月齢: 9.25 潮汐: 長潮 干支: 己丑 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 日脚伸ぶ
《【1月のGARDENS】出会えるのは年に一度だけ | 期間限定のお花屋さん | Temporary flower shop.》
https://youtu.be/9SIw9FudYPE
『日脚伸ぶ
晩冬
年も明けて、少しずつ日が長くなることをいう。
一月も終わりの頃になると、日が長くなったなあという感慨にとらわれることがある。
冬木の芽もしだいにふくらみ、春が近いことを感じる。』
(季語と歳時記)
日脚伸ぶの俳句:
・叡山の肩なだらかや日脚伸ぶ 山田閏子
・花舗日々に色を増したり日脚伸ぶ 金森信子
・影つれて出づる公園日脚伸ぶ 宮津昭彦
・街カフェにママと赤ちゃん日脚伸ぶ 笹村恵美子
・嬰の足太きがうれし日脚伸ぶ 志方章子
今日は、朝からよく晴れて、街を歩いていても暖かかった。
曇った日や風の冷たく吹き付ける日は判らないが、今日は午後3時を過ぎても陽が傾かず、4時を過ぎてもまだ明るい光だった。
歩道の植え込みにある花たちも光の中で嬉しそうに咲いている。
今日は、確かに日脚が伸びているのを感じた。
ただ、明日からまた低気圧が通過し、冬型の気圧配置に戻るそうだ。
明日は、南から入る風で気温は上がるそうだが、明後日はまた西高東低の冬型で北からの風に変わり、日本海側では雪らしい。
毎日お天気は晴れたり曇ったり、風が吹いたり、雪が降ったりするだろうが、日脚が伸びていることはその分春が近づいている。
赤ちゃんのまるまると太った足が、陽の光に照らされている光景に出会えれば、未来とか成長とか伸びやかな世界が感じられて眼も心も温かく感じられる。
もう明日からは、2月が始まる。
2023/01/30 (月) 旧暦: 1月9日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時42分 日没: 17時05分 月出: 11時39分 月没: 1時18分 月齢: 8.25 潮汐: 小潮 干支: 戊子 六曜: 先負
今日のあれこれ: 雪下ろし
『シーズン1回目の2軒目雪下ろし⓪(2023年1月7日)最後に予想以上の雪の塊が一気に落ちてびっくり!!...』
https://youtu.be/EkEcKck-RaM
『雪下ろしに革命?どんどん滑り落ちる発明品(2019年2月18日放送 the SOCIAL より)』
https://youtu.be/skE9D0HBchg
『雪下し(ゆきおろし) 晩冬
【子季語】
雪卸、雪掘り
【解説】
屋根などに積もった雪を掻き下ろすこと。
雪の重みで戸の開け閉てがきつくなったり、ひどい時は家が倒壊したりするので雪下しは不可欠。
危険な力仕事である。』
(季語と歳時記)
雪下ろしの俳句:
・雪下し剣岳はひとり夕焼くる 金尾梅の門
・山里の命がけなる雪下し 中田寿子
・軒下にトラック据ゑて雪下ろす 森山暁湖
・ぜんざいも出て分校の雪下し 中川句寿夫
・雪卸し真青の海を見て憩ふ 三宅草木
愛知県は今日は曇り、処によって雪が舞うという予報だったが、午前中は陽が差し明るくなった。
しかし、寒波は今週も日本海側に雪を降らせるそうだ。
北の方は、まだまだ雪が降り、積もった雪の上にまだまだ降り積もる勢いだ。
雪の積もる北国では、雪下ろしは大変だ。
経済的にも労力の面でも負担が大きい。
放置しておくと、一度に崩れ落ちて、場合によっては人が巻き込まれれば、生命に関わる事故になる。
崩れ落ちないと、雪の重みで建物が倒壊する危険もある。
雪が湿って氷のようになると重くなり、処理が難しくなる。
軽いうちに、屋根から下におろすのは避けては通れない作業だ。
雪下ろしの句を読むと、命がけの作業は大変なことは確かだ。
一方、辛い作業の中、雪が止んだ晴れ間の山並みを楽しんだり、遠く海を見たりして憩うこともある。
作業の後の、甘く熱いぜんざいは疲れから開放してくれる。
例句はないが、当然、いける大人の場合は、御神酒を一献ということもあるだろう。
動画を見ていたら、新しく降り積もった雪を、屋根の登らず、下からの操作で滑り落とす道具が開発されているそうだ。
これなら、屋根の事故を避けられるし、手軽に作業できる。
雪下ろしの作業も、まだ知恵を働かせば楽になることもあるはずだ。
いつの日か、雪下ろしは楽しい日が来るかもしれない。
2023/01/29 (日) 旧暦: 1月8日 祝日・節気・雑節・朔望: 上弦 日出: 6時43分 日没: 17時04分 月出: 11時07分 月没: 0時14分 月齢: 7.25 潮汐: 小潮 干支: 丁亥 六曜: 友引
今日のあれこれ: 冴ゆ
《2023年2月の星空情報・天文現象(冬の星座を探そう/星の誕生現場
オリオン大星雲/日の入り後の惑星/2月の月の暦)》
https://youtu.be/3eY31NybevM
『冴ゆ(さゆ) 三冬
【子季語】
冴る夜、冴る月、冴える星、冴る風、声冴る、影冴ゆ
【解説】
寒さが厳しく、あらゆるものに透き通ったような、凜とした、冷たさを感じること 。
』
(季語と歳時記)
冴ゆの俳句:
・一片の雲も許さず星冴ゆる 林いづみ
・古城は語らず星空の冴ゆばかり 栗山恵子
・一人居や句のきっかけと星冴ゆる 赤座典子
・ことごとく父の訓へや星冴ゆる 吉田葎
・冴ゆる夜の小さき星となられしか 今井千鶴子
昨夜の予報では、今日は終日曇りだった。
しかし、朝が来ると、太陽が昇り、陽射しが降り注いでいた。
その後も、雲は流れてきたが、空を覆うことはなく、雲の間から光は見えた。
夜になっても、空には月が輝き、星は瞬いている。
季語「冴ゆ」の句を読んでいると、夜の月、星や星座に触発されて詠まれた句が多い。
冷え込んだ冷気の中、冬空に瞬く星を見ていると、身体の冷えとともに、心も冴え冴えとしてくる。
「冴ゆ」の句が心に浮かぶのは自然なことだ。
数多の星の句から、僅か5句を選んだ。
冴え冴えとした星と心の共振によるものだろうか、かけがえの無い人が心に浮かび、懐われる。
生きている時は何かと面倒だった父でさえ、星の下では、父の話を素直に聞くことができる。
今井氏の心に浮かんだ人は、誰なのだろう?
父なのか、母なのか、夫なのか、親友なのか...
誰だかわからない。
だが、大切な人であることは間違いない。
冴え冴えとした星空の下で、大切な人と話ができるのなら、外に出て、夜空を眺めることも悪くはない。
2023/01/28 (土) 旧暦: 1月7日 祝日・節気・雑節・朔望: 旧人日 日出: 6時44分 日没: 17時03分 月出: 10時38分 月没: ---- 月齢: 6.25 潮汐: 小潮 干支: 丙戌 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 山焼き
《【ライブ配信】広大な草地に放たれる炎&約600発の花火!古都・奈良の伝統行事「若草山焼き」冬の夜空を彩る幻想的な映像をお届けします》
https://youtu.be/B7QbPE-jLUQ
『山焼く(やまやく) 初春
【子季語】
山火
【解説】
村里に近い野山を焼くこと。
牛馬の飼料の草や山菜類の発育を促し、害虫も駆除できる。山火は山焼きの火。』
(季語と歳時記)
山焼の俳句:
・お山焼く僧六人の白頭巾 田村愛子
・火の上に火の上に火のお山焼 蔦三郎
・お山焼火は頂を皆目指す 磯野充伯
・遠つ世の火色ひろげしお山焼 山田弘子
・お山焼すみし麓に鹿遊ぶ 山下輝畝
今日は、奈良の若草山のお山焼き。
コロナのために3年振りの開催になった。
今年は、大寒波の来襲で、現地はかなり雪が降っている。
しかし、予定通り決行されると発表されている。
『【2023年】奈良の伝統行事「若草山焼き」は”赤い山”が圧巻!
公開日: 2020/01/09
更新日: 2022/12/20
「若草山焼き」は、毎年1月の第4土曜日に行われる、古都奈良に早春を告げる伝統行事です。若草山に広がる炎が、澄み切った冬の夜空を真っ赤に染め上げる様子は壮観です。若草山では当日午後からさまざまなイベントや式典・祭典などが催され、山焼き直前には、色とりどりの花火も打ち上げられます。なかなか見ることのできない圧巻の伝統行事です。2023年は3年ぶりに一部を除き通常開催しますが、新型コロナウイルス感染症対策として内容が変更・中止となる場合があります。
2023年の開催概要
【開催日】2023年1月28日(土)※荒天の場合、中止
【若草山の入山について】例年、若草山の山麓ゲート(北、南)から若草山に入山可能です。
【実施されるもの】
・山焼き(点火の範囲は縮小予定)※点火時間:18:30
・野上神社祭典(関係者のみ)
・花火
・聖火行列
・山麓イベント(奉納演奏、消防団出発式典、鹿せんべい飛ばし大会など)
【中止されるもの】
・温食ブース
・山麓特別観覧席
』
(LIVE JAPAN
https://livejapan.com/ja/in-kansai/in-pref-nara/in-nara_ikoma_tenri/article-a2000264/
より転載)
例年の様子は、上記サイトで読むことができる。
今年の様子は、掲記動画でLIVE中継で見ることができる。
17:45現在、中継は始まっている。
今、このブログを読まれている人は、3年振りのお山焼きを見ることができます。
是非、お楽しみください。
2023/01/27 (金) 旧暦: 1月6日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時44分 日没: 17時02分 月出: 10時11分 月没: 23時10分 月齢: 5.25 潮汐: 中潮 干支: 乙酉 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 雪催
《平地でも積雪予想…この冬一番の寒気で名古屋でも断続的に雪 東海3県の雪のピークは25日昼頃にかけてか》
https://youtu.be/ZlTmqGY8L-A
『雪催: 雪気、雪雲、雪曇、雪模様、雪暗、雪意
三冬
いまにも雪が降り出しそうな天気のこと。
雲が重く垂れこめ、空気も冷え冷えとしてくる。』
(季語と歳時記)
雪催の俳句:
・京に入る日や大比叡の雪もよひ 村山故郷
・一舟行く墨絵のごとし雪催 中村洋子
・蟹殻に鴉の群るる雪催ひ 小野千枝子
・幾度か空仰ぎをり雪催 田原陽子
・音絶ゆる母亡き庭や雪催 西岡裕子
昨日は、寒い日だったが、午前中は日差しがあり、風も冷たくはあったが、穏やかだった。
今日は、朝から雲が空を覆った。
鉛色の空の下の街は、寒さの中に生気を無くしたように沈んでいた。
やがて、鉛色の空から、細かな白いものが音もなく降り始めた。
その光景は昔、雪国に住んでいた時に、来る日も来る日も眼にしたものだった。
冬でも明るい太陽が輝く、太平洋側に戻って、この光景を忘れていた。
今日の季語を選ぶにあたって、「雪催」にすることにした。
雪催という言葉には、毎日毎日続く厳しくも寂しい冬の日々を、苛立つこともなく淡々と過ごす心模様を秘めている事を思い出した。
2023/01/26 (木) 旧暦: 1月5日 祝日・節気・雑節・朔望: 文化財防火デー 日出: 6時45分 日没: 17時01分 月出: 9時43分 月没: 22時05分 月齢: 4.25 潮汐: 中潮 干支: 甲申 六曜: 大安
今日のあれこれ: 寒梅
《2023/01/14 この暖かさで一気にほころび始めた梅の花 大洲家族旅行村 その2 〜愛媛県大洲市〜》
https://youtu.be/SMGqcsmbx-A
『冬の梅(ふゆのうめ) 晩冬
【子季語】
寒梅、寒紅梅
【解説】
冬のうちから花をつける梅のこと。初春を待つ心に適う。 』
(季語と歳時記)
寒梅の俳句:
・横笛冴けりな寒梅開く二三輪 正岡子規
・寒梅のただ一輪のあまねき日 山口青邨
・寒梅に明日ひらかむとするもあり 阿波野青畝
・寒梅の珠抱くごときふふみかな 山内遊糸
・寒梅とならむいのちの小さく紅し 林翔
花は満開が、一番だ。
特に、桜の花は満開の豪華絢爛たる様が愛される。
そして、風に誘われ花びらが舞いながら散る風情も愛される。
しかし、梅の花は少し違うようだ。
例句に詠まれているように、花の二三輪が愛でられている。
山口氏は寒梅は一輪の花で充分鑑賞、満足できると言っている。
そして、春まだ遠い寒の内に梅は、花を、一輪、二輪、三輪と咲いている。
数は少ないが厳しい寒さの中、咲いた花は、ただ一輪でさえ、キリリと咲いている。
そして、枝をよく見ると蕾が数多くついており、明日開くほど膨らんでいる蕾もある。
それぞれの蕾ごと、膨らみ、花開くその日を迎えるために、準備している。
一輪の花の後には宝石のような蕾が続いている。
その様は、まだ寒い早春の中に、来るべき春をしっかりと見せてくれている。
・息白く梅一輪の花見かな 笑山
2023/01/25 (水) 旧暦: 1月4日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時46分 日没: 17時00分 月出: 9時15分 月没: 20時57分 月齢: 3.25 潮汐: 中潮 干支: 癸未 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 寒造
『日本酒「寒造り」最盛期(呉市)』
https://youtu.be/auRUFkLseNI
『寒造(かんづくり) 晩冬
【子季語】
寒造酒
【解説】
寒中の水を用い醸造する酒をいう。
この酒の味は旨く腐りにくいことから寒造と呼ばれる。』
(季語と歳時記)
寒造の俳句:
・こころ澄むまで米洗ひ寒造り 鷹羽狩行
・一徹な杜氏を恃みの寒造 伊東宏晃
・かの杜氏とこの井戸ありて寒造 宮澤靖子
・ホトトギス同人で杜氏寒造 稲畑廣太郎
・歌詠みの杜氏もをりし寒造 能村研三
暦の上で最も寒い季節は、大寒。
2023年の大寒(だいかん)は、1月20日から2月3日
当然と言えば当然なのだが、2023年もその大寒に、10年に一度の大寒波がやってきている。
除雪や事故や交通の支障など大寒波のマイナス面には注意が必要だが、この大寒にはプラスの面もある。
寒さから逃げるのではなく、逆に寒さを利用してプラスに転じようとする積極的な態度だ。
そうした、先人たちの工夫は、様々に実現されている。
しかも、季語も用意されている。
・寒い時期にだからこそ、精神を、身体を鍛えよう
修行、寒行、寒稽古、寒泳
・寒い時期の、水、食べ物は良い性質を持っている
お酒、味噌などの醸造の寒造、水は寒の水
・寒気や水を利用し、布や食品といった物を、空気や水にさらして使う
寒晒し
今、全国の日本酒の蔵では、寒造りが行われている。
杜氏が厳しい寒さの中、心身に気を充満し、感覚を研ぎ澄まし、最高の酒を造っている筈だ。
先ごろ、NHKで酒の神様と称される農口尚彦杜氏の寒造りをLIVE中継していた。
例句に詠まれている様に、日本酒は杜氏の最高の酒を造るという心意気から生まれるものだ。
感覚に優れた杜氏は、歌も詠み、句も詠む風流人なのだ。
寒造りの酒は、それを造った杜氏の心意気を感じながら味わいたい。
2023/01/24 (火) 旧暦: 1月3日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時46分 日没: 16時59分 月出: 8時43分 月没: 19時46分 月齢: 2.25 潮汐: 大潮 干支: 壬午 六曜: 先負
今日のあれこれ: ホットレモン
《レモン白湯の効果と作り方!ダイエットや冷え性に!レモン白湯を毎日飲むと体に起こる変化とは?知ってよかった雑学【ちょこっとTV】》
https://youtu.be/05I5UJsZ5N0
『ホットドリンクス: ホットウイスキー、ホットワイン、ホットレモン.
三冬
冬場に身体を暖める飲み物のことである。
ワインやウイスキー、ソフトドリンク、缶コーヒーなど様々なものがある。
家庭で作ったり、飲食店で注文したりする。』
(季語と歳時記)
ホットレモンの俳句:
・ホツトレモン大匙一杯分の恋 高田令子
・ホットレモン恋にときめく待ち時間 佐藤千恵
・読みさしてホット・レモンの逢瀬かな 信幸
・ホットレモン人恋しくて人嫌い 火箱ひろ
10年に一度の大寒波が、とうとうやってきた。
名古屋でも昼前には、黒い雲が上空に流れてくると、
冷たい風が吹き始め、霰というより小さな雹が無数に降ってきた。
街の様相は、すっかり変わってしまった。
季節らしい季語を選ぼうとすると、「寒」のつく寒い季語ばかりになる。
寒いのに重ねて寒いのは、今日は嫌なので、温かい季語を考えた。
寒い夜には、温かい飲み物が良い。そう考えると一番の候補は「熱燗」だが、今シーズンはもう使ってしまった。
であれば、矢張り、「ホットレモン」だ。
今でもこんな寒さが厳しい夜には、ホットレモンが飲みたくなる。
それは個人的な理由だ。
子供の頃風邪を引きそうになると、温かいホットレモンを飲ませてくれた。
子供向けだから砂糖をたっぷり入れて。
ホットレモンには勿論身体を温める効果があるのだが、自分の場合は、それだけではなく、今は亡き母の心が入っているからだ。
だが、「ホットレモン」は冬の季語になるのか?
「レモン」自体は晩秋の季語だが。
調べてみると、冬の季語になっていた。
しかし、単独の季語ではなく、他のコーヒー、ミルク、ココア等と同様、「ホットドリンクス」に纏められていた。
「ホットレモン」は、安心して冬の季語として詠むことができる。
ホットドリンクスの例句は、まだ少ない様だ。
探してみたが、なかなか纏められていない、探すのに時間を要したが、すべて合わせても47句しか見つからなかった。
その内、「ホットレモン」は11句だった。
その中に、恋の句が、4句あった。
ホットレモンは、身体を温めるだけではなく、心も熱くする。
ホットレモンをもっと飲んで、どんどん人を好きになれば、たくさんの「ホットレモン」の句が詠まれる日が来る筈だ。
2023/01/23 (月) 旧暦: 1月2日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時47分 日没: 16時58分 月出: 8時05分 月没: 18時31分 月齢: 1.25 潮汐: 大潮 干支: 辛巳 六曜: 友引
今日のあれこれ: 寒波
《10年に一度の強烈寒波 24日から大雪、暴風雪に警戒(2023年1月23日)》
https://youtu.be/YjY-7R2Rvr0
『寒波(かんぱ) 晩冬
【子季語】
寒波来る、冬一番
【解説】
冬、シベリア方面から波の様に周期的に寒気団が来ること。気温 もぐっと下がり厳しい寒さに見舞われる。』
(季語と歳時記)
寒波の俳句:
・寒波来ていよいよ尖る妙義山 大西八洲雄
・寒波かな群れたる鳩の石と化し 永田万年青
・寒波急みな背をちぢめ小走りに 村田とくみ
・塊の肉買ふ寒波来つつあり 楠原幹子
・寒波急日本は細くなりしまま 阿波野青畝
10年に一度と言う大寒波が、目の前まで近づいている。
愛知県は、明日から明後日が寒さのピークになり、場所によっては、積雪、道路の凍結なのが起きそうだ。
雪国であれば、スノータイヤ、チェーンをもう車に装着しているはずだが、愛知県ではその様な車は少ないだろう。
ノーマルタイヤでは雪道は走れない。
雨でも夜間の冷え込みで凍結すれば、スノータイヤでも運転次第ではスリップしてしまう。ましてやノーマルタイヤでは走ることはできない。
雪が止んでも日陰には暫く残る。
兎に角車の運転は、暫くの間避けたほうが良い。
それは当然の心構えだが、楠原氏の態度は見習うべきだ。
矢張り寒波と戦う気持ちが大切だ。
車や暖房器具や寝具などの準備は、すぐ思いつくことだが、身体のことは忘れがちだ。
肉をモリモリ食べ、身体の中から熱が発散できるようにエネルギーを充填しておく。加えて、気合を入れて精神に活を入れる。
それができれば、寒波に負けることはない。
2023/01/22 (日) 旧暦: 1月1日 祝日・節気・雑節・朔望: 旧正月、朔 日出: 6時47分 日没: 16時57分 月出: 7時19分 月没: 17時12分 月齢: 0.25 潮汐: 大潮 干支: 庚辰 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 凍鶴
《「茅沼無人駅」丹頂鶴 2023年1月21日 北海道川上郡標茶町茅沼駅》
https://youtu.be/QjulpXIF0nw
『凍鶴(いてづる) 三冬
【子季語】
霜の鶴、霜夜の鶴、鶴凍つ
【解説】
厳寒の中の鶴の印象をいう。風雪に耐えながら自らの翼に首をうずめて片脚で立っている鶴は、まさに凍てついてしまったかのようである。』
(季語と歳時記)
凍鶴の俳句:
・一輪と言ふべき鶴の凍て立てり 近藤喜子
・凍鶴が羽根ひろげたるめでたさよ 阿波野青畝
・凍鶴に今日の日薄くなりにけり 米沢吾亦紅
・鶴凍てて夕べ山影伸び切りし 稲畑汀子
・垣なして月明の鶴凍つるなり 原裕
動画の北海道の標茶町茅沼駅は、丹頂鶴の保護地だそうだが、昨日見ることのできた鶴は、一羽だったそうだ。
鶴は群れで百羽、千羽と見ることができるそうだが、飛来数が少ないのか、鳥インフルエンザの影響でもあるのだろうか。
日本より遥かに寒い地域から渡ってくるのだろうが、北海道は相対的に温かいと言っても、雪に覆われた原野では餌には不自由することだろう。
雪の原野に渡ってきて、日本で冬を過ごす鶴たちの姿は、健気であり、また美しくもある。
俳人たちは自分でその地に足を運び、自分の目で見た鶴を詠んでいる。
凍鶴という季語には、厳しい自然の中で生きている鶴の美しさを讃える想いが込められている。
日本に渡ってきた鶴たちが、厳しい冬を乗り越え、また無事に故郷に帰っていくことを祈りたい。
2023/01/21 (土) 旧暦: 12月30日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時48分 日没: 16時56分 月出: 6時23分 月没: 15時55分 月齢: 28.7 潮汐: 大潮 干支: 己卯 六曜: 大安
今日のあれこれ: 初大師
《京都・東寺で今年初めての縁日「初弘法」 骨董品や野菜などを求める人たちで賑わう(2023年1月21日)》
https://youtu.be/nLQZbhuE-Gg
『初大師: 初弘法
新年
弘法大師、空海の新年初の縁日。一月二十一日。
参詣の人で、初詣以上に賑わう。関東では川崎大師、西新井大師、京都では東寺が名高い。』
(季語と歳時記)
初大師の俳句:
・初大師遠嶺より享く日のぬくし 吉岡道夫
・香煙に降りこむ雪や初大師 五十嵐播水
・初大師百僧侍る燭あかり 宇都木水晶花
・ゆうもあを交じえ法話の初大師 佐々木スガ子
・初大師火渡りを待つ人の群 佐藤花子
毎月21日は、お太師様の縁日とされている。
『お大師様こと、弘法大師空海は日本が密厳国土となるよう、生涯を衆生のために尽くし、62歳で高野山奥の院に3月21日に入定されました。 晩年に記された願文に「虚空尽き
涅槃尽き 衆生尽きなば 我が願いも尽きなむ」とお大師様の祈りは天が消え、仏の世界すら消え、人が消えてなくなるまで続くと宣言されています。
我々の祈りをささげ、お大師様の祈りに報いる縁日が毎月21日です。』
(真言宗醍醐派大日山神崎寺
https://www.kouzakiji.com/lst21745/dt5667.html
より転載)
1月は新年の縁日で、初大師と言われる。
お祭り、催しの性格も持った初大師は、信仰の面は勿論、縁無き衆生も楽しむことができる。
楽しさを求めているうちに、信心も得られれば、それが本来の縁と言うべきだろう。
法話を楽しく聞くことも大切な縁だ。
佐藤氏の「火渡り」。
初大師の縁日にすべて火渡りが行われる訳では無いが、香川では行われている。
「香川)「火渡り」で無病息災を祈る 香西寺」
https://youtu.be/kHywmJG4P90
2023/01/20 (金) 旧暦: 12月29日 祝日・節気・雑節・朔望: 大寒 日出: 6時48分 日没: 16時55分 月出: 5時17分 月没: 14時43分 月齢: 27.7 潮汐: 中潮 干支: 戊寅 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 日向ぼこ
《【子猫がかわいい】野良猫の親子、日向ぼこる。》
https://youtu.be/yczvBZCf40w
『日向ぼこ(ひなたぼこ) 三冬
【子季語】
日向ぼこり、日向ぼっこ、日向ぼこう、負喧
【解説】
冬の日射しを浴びてじっと暖まること。
風のない陽だまりで浴びる日射しは、ことのほか暖かい。
お茶を飲んだり世間話をしたり、楽しいひと時である。』
(季語と歳時記)
日向ぼこの俳句:
・縁側のある家訪ね日向ぼこ 達山丁字
・おしやべりをみな聞く犬や日向ぼこ 池田久恵
・これと言ふ思案もなくて日向ぼこ 永野由美子
・うつつ世も来世もあらぬ日向ぼこ 山科帰雁
・うとうとと生死の外や日向ぼこ 村上鬼城
・お日さまに心預けて日向ぼこ 播磨武子
嵐の前の静けさと言うか。
大地震が近づいているのかどうかは、判らないが、今年最大の寒波がやって来ると天気予報が言っている。
その前の、束の間の、陽射しいっぱいの朝がやってきた。
夕方からは、風が強まるらしいのだが、その様な気配は全く感じられない、穏やかな日溜りだ。
こんな日には、西の冷たい風を防いでくれる堤防のある河川敷にあるベンチや用水路沿いの小道に作られたベンチには木像のように動かない人が座っているに違いない。
日溜りに身を置いて時を過ごすのは、猫やおばあちゃんのすることだと思っていた。
「日向ぼこ」と言う言葉は知っているが、何なのか解らなかった。
「日向ぼこ」の例句は、数多い。
千句を遥かに超える句があった。
それを読んでいるうちに、「日向ぼこ」の世界がおぼろげながら浮かんできた。
「日向ぼこ」の世界では、
あれやこれや考える自分は、要らない。
要るのは、温かい陽射し。
仲間、犬、猫、小鳥が傍らに居ても良い。
だが、居なくても構わない。
今も過去も未来もすべて何か遠いうわの空。
生きているのか死んでいるのか、どうでも良い。
ただ、お日様の温もりの中に居るのみだ。
2023/01/19 (木) 旧暦: 12月28日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時48分 日没: 16時54分 月出: 4時06分 月没: 13時41分 月齢: 26.7 潮汐: 中潮 干支: 丁丑 六曜: 先負
今日のあれこれ: 寒月
《尺八、ピアノ、和太鼓による【寒月 ~インスピレーション~】》
https://youtu.be/EG7Pi-Y_qII
『寒月(かんげつ) 晩冬
【解説】
厳寒の空にさえざえとある月。
満月に近い寒月の夜は、冷たい月光が降り注ぎ建物の影や自分の影が地面に黒々と落ちる。
いよいよ寒さが身に滲みて、帰宅の足も自ずと早まる。』
(季語と歳時記)
寒月の俳句:
・寒月に白妙の富士峙てり 安原葉
・寒月に白刃をかざす滝のあり 桂信子
・寒月にまぶたを青く鶏ねむる 田中祐三郎
・寒月に射貫かれし身の固まりぬ 湯川雅
・寒月のうつくしといふ閨の妻 山口青邨
・寒月に照る海を見て寝に就く 山口波津女
天体というものは、あまり好きではない。
あまりに人間離れしていて人間の尺度では理解ができない。
温度からして氷より冷たいものもあれば、何千度で燃えているものもある。
近いものもあれば、遠いものもある。
遠いものは見えているが、その瞬間に存在するかどうかはわからない。
光り輝くものもあれば、暗黒で見えないものもある。
すべてを吸い込んでしまうものもあるとかや。
全く訳が分からない。
月は近い天体で、比較的安心できる。
それでも、寒月の例句を読んでいると、俳人たちはそうでもないようだ。
月では兎が餅を搗くとか狸が太鼓を叩くとか、メルヘンチックなものもあるが、美しいと感じる人達もいる。
一方、幻覚に夢を見ている人もいる。
「まぶたの青い鶏」など居る訳がない。
だが、寒月の光の下では居ると詠む。
不安に襲われやすい人は、寒月を冷え込んだ空気の中で見るのは避けたほうが良い。
2023/01/18 (水) 旧暦: 12月27日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時49分 日没: 16時53分 月出: 2時53分 月没: 12時51分 月齢: 25.7 潮汐: 若潮 干支: 丙子 六曜: 友引
今日のあれこれ: 山眠る
『三峰山・八丁平[2023年1月18日]』
https://youtu.be/Gc5fE3MNiSo
『山眠る(やまねむる) 三冬
【子季語】
眠る山
【解説】
冬山を擬人化したもの。中国の山水画伯、郭煕の画論の次の言葉「冬山惨淡として眠るがごとく」が、この季語の原点。
春は「山笑ふ」夏「山滴る」秋「山粧ふ」、季節に応じて使い分けのできる重宝な季語。』
(季語と歳時記)
「山眠る」の俳句:
・鋭峰の重なり合うて山眠る 千田久美子
・懐に大湖を抱き山眠る 安斎久英
・奥飛騨に残る車田山眠る 江頭文子
・一筋の水音残し山眠る 市川夏子
・円空仏数多を裾に山眠る 藤原照子
・幾千のたましひをさめ山眠る 稲畑廣太郎
今週末から来週にかけて大寒波が波のようにやって来るという。
高い山は雪に閉ざされ、眠りは深く、長くなるだろう。
鳥が啼き、花々が咲き乱れる山は、まだまだ先のことになる。
今は、眠り続ける季節だから。
山は眠るから、目覚めた後の山が美しく、楽しくなる。
2023/01/17 (火) 旧暦: 12月26日 祝日・節気・雑節・朔望: 土用、防災とボランティアの日 日出: 6時49分 日没: 16時52分 月出: 1時42分 月没: 12時12分 月齢: 24.7 潮汐: 長潮 干支: 乙亥 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 万両
『万両 千両 十両の見分け方 赤い実がなる縁起の良い植物 どこが違う?』
https://youtu.be/qRIkqbY_VRE
『万両(まんりょう、まんりやう) 三冬
【子季語】
実万両
【解説】
ヤブコウジ科の常緑低木で、葉の下に直径六ミリ位の実をつける。まれに黄色や白い実をつける品種があり、黄実万両、白実万両と呼ばれる。千両と共に正月の縁起物として飾られる。
【科学的見解】
万両(マンリョウ)は、ヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木で、関東以西から沖縄までの常緑樹林内に自生している。
センリョウ同様に、縁起物とされ、鉢植え栽培や庭に植栽されている。縁起植物としては、万両(マンリョウ)や千両(センリョウ)の他に、百両としてカラタチバナが、十両としてヤブコウジが、一両としてアリドオシがあてられている。
(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)
万両の俳句:
・実万両朝の日のまづ照らすもの 前川明子
・雪染めて万両の紅あらはるゝ 鈴木宗石
・終の家の万両の実の豊かなる 和田一
・われ富めり千両万両くれなゐに 山口青邨
・残されしいのちの重さ実万両 西村博子
用水路に沿った歩道を歩いていると、植え込みに赤い実を鈴なりに着けた木があった。
花がない季節なので、陽の光に照らされた赤い実は目を引き付ける。
立ち止まって、主張している赤い実をよく見てあげた。
植物にはあまり詳しくないが、千両なのか万両なのか。
葉の下に、赤い実が鈴なりになっているので万両だろう。
万両は、お正月の縁起物と考えられ、花言葉は「寿ぎ(ことほぎ)」という目出度い言葉になっている。
そうした縁起の良い赤い実に出会えたので佳い日になった。
近くに住んでいる人が、歩道の植え込みに植えたのだろうと思われるが、通る人に新しい年の始まりに「寿」を振りまいてくれているのは、ありがたい事だ。
万両の句を読んだが、流石に「寿」の万両。
数多くの中から5句選んだが、
俳人たちの心も万両の赤に照らされて、明るく輝いている。
2023/01/16 (月) 旧暦: 12月25日 祝日・節気・雑節・朔望: 藪入り 日出: 6時49分 日没: 16時51分 月出: 0時36分 月没: 11時39分 月齢: 23.7 潮汐: 小潮 干支: 甲戌 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 雪祭
『新野の雪祭り』
https://youtu.be/fCmjBgWHKpQ
『ゆき‐まつり【雪祭(り)】 の解説
1 長野県下伊那郡阿南町新野 (にいの) の伊豆神社で、その年の豊作を祈って正月14日から15日にかけて行われる祭り。田楽や古風な猿楽などが夜を徹して行われる。《季
新年》
2 雪の多い地方で、さまざまな雪像や氷の彫像をつくって競ったりする観光行事。2月上旬に北海道札幌市で行われるものなどが有名。《季
冬》』
(デジタル大辞泉(小学館))
雪祭の俳句:
・あかときの野の雪燃えて雪祭 宮岡計次
・笛吹いて神を寝かさぬ雪祭 稲垣陶石
・火の神に雪供へたり雪祭 沢木欣一
・彩餅吊る藁しべの艶雪祭 文挟夫佐恵
・雪の田のしんと一夜の神あそび(新野雪祭) 野澤節子
季語としての雪祭は、難しい側面を持っている。
雪の積もっている雪国で行われる一般的な雪祭の他に、特定の場所の雪祭がある。これも、季語として明確になっている雪祭が2つある。
一つは、よく知られている札幌の雪祭、もう一つは長野県下伊那郡の神社で開催される新野の雪祭だ。
札幌なり新野と明示すればどちらの雪祭なのかはっきりするが、ただの雪祭ではどちらの雪祭なのか判らない。
「さっぽろ雪まつり」は2月開催のイベントなので、今月の例句として取り上げるのなら、新野の雪祭になる。
雪祭の例句を読んだが、札幌なのか新野なのか判らない。
新野と思われる句を5句選んでみた。
神様が登場するのは新野だろう、札幌なら雪像だし。
同じ雪祭だが、性格・内容は全く違う、新野の方は祭というより神事と言った方が良い内容だ。
文化的な遺産とも言える雪祭、引き継ぐ若い人たちは居るのだろうか心配になる。
地方の雪深い場所で、地域総出で、連綿と引き継がれてきた神事を将来に伝えていくことは大切な事だ。