菜花亭日乗
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菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

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2019-10-14 (Mon)

2019/10/14  日記  身に入む

2019/10/14  日記  身に入む

2019/10/14 (月) 旧暦: 9月16日 祝日・節気: 体育の日、鉄道の日、望 日出: 5時45分 日没: 17時07分 月出: 17時39分 月没: 5時41分 月齢: 15.36 干支: 甲申 六曜: 赤口 九星: 四緑木星今日のあれこれ: 身に入む「19人死亡 16人が不明 千曲川決壊で大規模洪水」https://youtu.be/_IYcyWiH_dY『身に入む(みにしむ) 三秋子季語 身に沁む解説: 秋の冷気やものさびしさが、身に深くしみるように感じること。和歌では...

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2019/10/14 (月) 旧暦: 9月16日 祝日・節気: 体育の日、鉄道の日、望 日出: 5時45分 日没: 17時07分 月出: 17時39分 月没: 5時41分 月齢: 15.36 干支: 甲申 六曜: 赤口 九星: 四緑木星


今日のあれこれ: 身に入む

「19人死亡 16人が不明 千曲川決壊で大規模洪水」

https://youtu.be/_IYcyWiH_dY



『身に入む(みにしむ) 三秋

子季語 身に沁む

解説: 秋の冷気やものさびしさが、身に深くしみるように感じること。和歌では「身にしむ風」「身にしむ秋」などと秋の冷やかさとともにつのるものさびしさをあらわす言葉だった。
来歴: 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
文学での言及: 月はよしはげしき風の音さへぞ身にしむばかり秋はかなしき 斎院中務『後拾遺集』
風の音の身にしむばかり聞ゆるは我身に秋や近くなるらん よみ人知らず『後拾遺集』
秋ふくはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらん 和泉式部 『詞花集』
夕されば野べの秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里 藤原俊成『千載集』
秋風は身にしかばかり吹きにけり今や打つらむ昧がさごろも 藤原輔尹『新古今集』
』(季語と歳時記)



身に入むの俳句:


・語部のかたり身に入む防波堤   箕輪カオル


・身に入みて家壊す日を迎へけり  山内山彦


・笛の音の身に入む旅も終らんと  高濱年尾



台風19号の人的被害状況は、日に日に増えている。
人知れず無くなった方が発見されることも増えている。

通りかかった川沿いの道路の崩壊に巻き込まれて、川に自動車ごと川に流された一家4人、母と娘は遺体で見つかっているが、父と息子はまだ見つかっていない。
 壊れて姿を留めていない自動車が今日川の中で見つかったが、二人は車には居なかったそうだ。

大切な家族を失った人は、心を囚われる。
どうしてあの日、あの時、其処に行ってしまったのか。
もし自分が声をかければ、そうはならなかったのでは
もし...もし...

動かせない過去に、詮無きこととは知りながら、どうすることも出来ない。


被災地では、今日も雨が降っている。
そして、今日から気温が下がるという。
被災地の夜は、できる限り暖かくしてあげて欲しい。



2019-10-13 (Sun)

2019/10/13  日記  生姜

2019/10/13  日記  生姜

2019/10/13 (日) 旧暦: 9月15日 祝日・節気:  日出: 5時44分 日没: 17時09分 月出: 17時12分 月没: 4時45分 月齢: 14.36 干支: 癸未 六曜: 大安 九星: 五黄土星 今日のあれこれ: 生姜 「養命酒製造 『琥珀生姜酒』でホットカクテル」 https://youtu.be/uazOtg0gL4Y 『生姜: 薑、葉生姜、くれのはじかみ   三秋 ショウガ科の多年草。秋、淡黄色で多肉の根茎が大きくなり、それを...

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2019/10/13 (日) 旧暦: 915日 祝日・節気:  日出: 544分 日没: 1709分 月出: 1712分 月没: 445分 月齢: 14.36 干支: 癸未 六曜: 大安 九星: 五黄土星


今日のあれこれ: 生姜


「養命酒製造 『琥珀生姜酒』でホットカクテル」


https://youtu.be/uazOtg0gL4Y



『生姜: 薑、葉生姜、くれのはじかみ

  三秋

ショウガ科の多年草。秋、淡黄色で多肉の根茎が大きくなり、それを収穫する。生食・香辛料・薬味などの食用になる。新生姜は夏の季語。 』
(季語と歳時記)



生姜の俳句:


・湯疲れに生姜酒して湯治かな  溝口直


・古生姜母にはみんな見抜かれて   海輪久子


・効くやうで効かないやうで生姜湯  原 赤松子




子供の頃には、良さが判らず、大人になって初めて好きになったものの一つが生姜。
 新生姜の初々しさ、可憐な紅の色も良いし、古生姜の飾らない容姿に秘めた力も良い。

料理に使う薬味としては、欠かせない。
脇役ばかりではなく、主役にもなる。

身体を温めるから生姜酒・生姜湯の活躍は、これからだ。

急に気温が下がり、身体がついて行かず、心まで冷えそうな時は、生姜が助けてくれる。

その効果は、オランウータンも認めている。

「オランウータンに「しょうが湯」(福岡市動物園)」

https://youtu.be/Jf5VY7VpoKg


やっぱり、生姜湯は効くんだよね、原さん!





2019-10-13 (Sun)

2019/10/13 最強台風19号の災害

2019/10/13  最強台風19号の災害

中心気圧915hPaという見たこともない猛烈さで日本に接近してきた台風19号が、昨夜伊豆半島に上陸し、東京から関東に抜けた。昨夜8時過ぎの台風情報の雨雲レーダーの画像を見て驚いた。 赤色のまだら模様の黄色い雲が東京を中心に太平洋側から日本海側まで覆い尽くしている。 広島や四国の豪雨災害の時は、線状降水帯だった。この19号は線条ではない、列島スッポリの降水盤だった。箱根の降水量が1000mmを超えそうだ。TVでは多摩...

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中心気圧915hPaという見たこともない猛烈さで日本に接近してきた台風19号が、昨夜伊豆半島に上陸し、東京から関東に抜けた。

昨夜8時過ぎの台風情報の雨雲レーダーの画像を見て驚いた。
 赤色のまだら模様の黄色い雲が東京を中心に太平洋側から日本海側まで覆い尽くしている。
 広島や四国の豪雨災害の時は、線状降水帯だった。
この19号は線条ではない、列島スッポリの降水盤だった。

箱根の降水量が1000mmを超えそうだ。
TV
では多摩川が危険水位を超え氾濫の危険があると言っている。多摩川が決壊したら大変なことになる。


一夜明けると、多摩川の決壊はごく一部だった。
ところが、別の河川が大変なことになっていた。
千曲川、阿武隈川、阿賀野川、信濃川が決壊、氾濫していた。



『千曲、阿武隈川で堤防決壊 阿賀野、信濃川で氾濫 5人死亡、台風影響
10/13(
) 7:37配信毎日新聞

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長野市穂保地区を流れる千曲川。中央左が決壊した堤防=20191013日午前815分、本社ヘリから

 台風19号は12日から13日未明にかけて関東を縦断し、三陸沖を北東に進んでいる。記録的大雨をもたらし、長野市では千曲川、福島県では阿武隈川、栃木県では秋山川の堤防が決壊し、住宅街などに水が流れ込んでいる。17県が自衛隊に災害派遣を要請した。毎日新聞のまとめでは、男性3人と女性2人の計5人が死亡し、10人以上が行方不明になっている。

【各地の様子】犬を抱え避難する男性

 北陸地方整備局によると、13日午前1時ごろ、長野市穂保の千曲川が氾濫し、水が堤防からあふれ出した。その後、約70メートルにわたって堤防が決壊し、住宅地などに広範囲にわたって水が押し寄せている。自衛隊のヘリが取り残された住民の救助にあたっている。

 長野市によると、グループホームなど高齢者向けの2施設で入所者ら計100人弱が孤立している。北陸地方整備局も排水ポンプ車を派遣するなど、対応を急いでいる。

 また、JR東日本によると、長野市にある長野新幹線車両センターが水没し、新幹線が水につかっているのを確認した。千曲川の堤防決壊の影響とみられる。

 栃木、福島両県でも堤防が決壊した。

 栃木県佐野市によると、同市大橋町付近で秋山川の堤防が決壊している。消防本部によると、12日夜に住民から救助を求める119番が相次いだ。福島県鏡石町によると、同町成田地区で阿武隈川の堤防が決壊しているとみられる。

 一方、新潟県などによると、阿賀野川では阿賀町などで14カ所、信濃川は津南町で水が堤防を越えて氾濫している。阿賀町では、福島県会津へつながる国道459号が寸断され、1042世帯2213人が孤立状態になっている。

 死亡や行方不明者も相次いでいる。

 川崎市高津区では12日午後850分ごろ、マンションの1階に住む60代男性から「自宅にいるが浸水して腰までつかっている」と通報があった。警察と消防が出動し、消防のスキューバが潜って捜索し、13日未明に男性を発見したが、病院で死亡が確認された。

 栃木県警によると、13日未明、栃木市の水路で女性が遺体で発見された。

 また、13日午前0時半ごろ、相模原市緑区牧野で避難中の通行人が「うめき声が聞こえる」と119番した。消防が土砂に埋まった住宅から女性1人を救出したが、死亡が確認された。このほか50代の女性が下半身を土砂と柱に挟まれており、救助活動を続けている。女性の意識はあるという。

 福島県の白河広域消防本部によると、12日午後95分ごろ、白河市表郷河東田で40代の男性から「車が水没した。車の上にいる」と119番があった。男性は流され、行方が分からないという。

 同市八竜神では12日午後8時ごろ「土砂崩れで家が23軒巻き込まれている」との通報があった。60代の女性が安否不明という。

 相馬地方広域消防本部によると、南相馬市小高区で20代の男性が行方不明となっている。車に乗っていて流されたとみられる。

 気象庁は一時、静岡▽東京▽神奈川▽埼玉▽茨城▽栃木▽群馬▽山梨▽長野▽新潟▽宮城▽福島▽岩手――の13都県で重大な災害が発生する恐れがあるとして「大雨特別警報」を発令した。一つの災害で大雨特別警報を発令した都道府県の数としては過去最多。

【宮崎隆、木下翔太郎、玉井滉大、川口裕之】
』(毎日新聞)


今朝、ニュースでは、水に浸かった住宅から自衛隊のヘリで吊り下げられて救出される被災者の姿が映し出されていた。
 長い川のどこが決壊するかは予測がつかない。想定外の洪水に、途方に暮れる人が数え切れない災害になってしまった。

台風の大きさ・強さ・列島直撃から想定される災害と比べると死者行方不明者数は、今の所数十名で、狩野川台風レベルの被害者数になっていないことは、不幸中の幸いだった。

この台風は、どんな名前になるのかわからないが、永く語り継がれる台風になることは間違いない。





2019-10-12 (Sat)

2019/10/12  日記  芭蕉忌・時雨忌・翁の忌・桃青忌

2019/10/12  日記  芭蕉忌・時雨忌・翁の忌・桃青忌

2019/10/12 (土) 旧暦: 9月14日 祝日・節気:  日出: 5時44分 日没: 17時10分月出: 16時44分 月没: 3時50分 月齢: 13.36 干支: 壬午 六曜:仏滅 九星: 六白金星 今日のあれこれ: 芭蕉忌・時雨忌・翁の忌・桃青忌 (「初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり」句碑 熊谷学ラボラトリー https://ameblo.jp/kumagaya-labo/entry-12408458252.html より...

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2019/10/12 (土) 旧暦: 914日 祝日・節気:  日出: 544分 日没: 1710分月出: 1644分 月没: 350分 月齢: 13.36 干支: 壬午 六曜:仏滅 九星: 六白金星


今日のあれこれ: 芭蕉忌・時雨忌・翁の忌・桃青忌


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(「初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり」句碑
熊谷学ラボラトリー
https://ameblo.jp/kumagaya-labo/entry-12408458252.html
より転載




『芭蕉忌: 翁忌/桃青忌/時雨忌/芭蕉会/翁の日

初冬

松尾芭蕉の忌日。元禄七年陰暦十月十二日その生涯を閉じた。
旅を愛し、俳諧を芸術にまで高めたひと。遺言により近江膳
所の義仲寺に葬られた。 』
(季語と歳時記)



芭蕉忌・時雨忌・翁の忌・桃青忌の俳句:


・芭蕉忌の雲の行方を諾へり   稲畑汀子


・芭蕉忌の歳月語る墓石かな   稲畑廣太郎


・ことば拾ひゆく時雨忌の美濃路かな   千田百里


・時雨忌の人居る窓のあかりかな  前田普羅


・伊賀にゐてなほ旅ごころ翁の忌   山田天


・翁忌の林を行けば土の香す   柳生千枝子


・桃青忌江戸大坂と水の町  本井 英


・むさしのの寺の一ト間の桃青忌  久保田万太郎




芭蕉は、元禄71012日、旅の途中大坂御堂筋の贔屓筋の家で客死した。
1012日と言っても旧暦だから、新暦では16941128日に相当するから、季節としては本格的な冬になる。

芭蕉の忌日を表す季語は、主だったものだけで4種類ある。
芭蕉忌・時雨忌・翁の忌・桃青忌。
忌日が複数ある文人は少なからずあるが、多くはあまり詠まれていない。
しかし、芭蕉の場合は違う。それぞれ多くの句に詠まれている。流石に芭蕉である。

それぞれの季語について2つの例句を選んでみた。
それぞれの俳人の芭蕉に対する敬慕の思いが感じられる。

芭蕉は、旅先で客死したが、それは覚悟の上だった。
日々は一瞬たりともとどまらず流れ去る。定なるものは何もなく、すべては移ろい行く。それが生きるということと思い定めていた。

芭蕉は、奥の細道の冒頭に旅と死について語っている。

『月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は日〃旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか片雲の風にさそはれて、漂白の思ひやまず、海濱にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひてやゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松嶋の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、

草の戸も住替る代ぞひなの家』


惰性の日々とは縁無き生き方をした芭蕉だった。



【データ】

松尾芭蕉 Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B0%BE%E8%8A%AD%E8%95%89


芭蕉記念館
https://www.kcf.or.jp/basho/


芭蕉
DB
http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/basho/basho.htm




2019-10-11 (Fri)

2019/10/11  日記  艶のある十三夜

2019/10/11  日記  艶のある十三夜

2019/10/11 (金) 旧暦: 9月13日 祝日・節気: 十三夜 日出: 5時43分 日没: 17時11分 月出: 16時16分 月没: 2時54分 月齢: 12.36 干支: 辛巳 六曜: 先負 九星: 七赤金星 今日のあれこれ: 十三夜 「十三夜」 https://youtu.be/2tSgYWHGeiU 『後の月(のちのつき) 晩秋 子季語: 十三夜、名残の月、月の名残、二夜の月、豆名月、栗名月、女名月、後の今宵 関連季語: 名月 解説: 旧暦...

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2019/10/11 (金) 旧暦: 913日 祝日・節気: 十三夜 日出: 543分 日没: 1711分 月出: 1616分 月没: 254分 月齢: 12.36 干支: 辛巳 六曜: 先負 九星: 七赤金星


今日のあれこれ: 十三夜



「十三夜」

https://youtu.be/2tSgYWHGeiU



『後の月(のちのつき) 晩秋

子季語: 十三夜、名残の月、月の名残、二夜の月、豆名月、栗名月、女名月、後の今宵
関連季語: 名月
解説: 旧暦九月十三夜の月。八月十五夜は望月を愛でるが、秋もいよいよ深まったこの夜は、満月の二夜前の欠けた月を愛でる。この秋最後の月であることから名残の月、また豆や栗を供物とすることから豆名月、栗名月ともいう。
来歴: 『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
文学での言及    九月十三日夜、閑かに月見るといへることをよめる
すみのぼる心やそらをはらふらむ雲の塵ゐぬ秋の夜の月 源俊頼『金葉集」
』(季語と歳時記)



十三夜の俳句:


・泊る気でひとり来ませり十三夜  与謝蕪村


・ほろ酔ひの電話かかりし十三夜   安本恵子


・人妻となりにしひとと十三夜  田中冬二


・見送りつつ次の約束十三夜   大川八重子


・十三夜外す真珠のイヤリング   岩崎可代子




今日は、十三夜。
名月の夜だ。

旧暦八月十五日の明月は満月だが、旧暦九月十三夜の名月は、満月の二日前の少し欠けた月を愛でる夜だ。

蕪村の句を見て、艶っぽい句だなと思った。
この句の解釈をネットで探してみたが見つからない。
そこで、勝手に解釈した。

十三夜の月は「後の月」と言われる。
『八月十五夜(旧暦815日から16日の夜)の月に対して、九月十三夜(旧暦913日から14日の夜)の月は「後(のち)の月」と呼ばれる。十三夜は日本独自の風習と言われている[3]。ちょうど食べ頃の大豆(枝豆)や栗などを供えることから、この夜の月を豆名月(まめめいげつ)または栗名月(くりめいげつ)と呼ぶ。

江戸時代の遊里では、十五夜と十三夜の両方を祝い、どちらか片方の月見しかしない客は「片月見」または「片見月」で縁起が悪いと遊女らに嫌われた。二度目の通いを確実に行なうために、十五夜に有力な客を誘う(相手はどうしても十三夜にも来なければならないため)風習があった。』
Wikipedia

蕪村は、江戸時代隆盛を極めた京都島原の遊里の馴染客であり、炭太祇とともに島原を拠点として句会を開催している。
 蕪村と島原遊郭とは深くつながっている。

現在も京都島原にある角屋は、江戸時代から続く揚屋で、円山応挙・与謝蕪村の作品を数多く所蔵しているそうだ。
 重要文化財になっている、蕪村の「紅白梅図」も所蔵している。

この句で「ひとり」と敢えて断っているのは、句会など仲間と連れ立ってではないということだ。
 「泊まる」というのは、ご贔屓の花魁と一夜を過ごすことに違いない。

当然、十五夜の夜も登楼して、花魁の招きに応じて、十三夜のお返しにやって来たのだ。


詩心が湧く夜なのか、十三夜の句は多くある。
詠む心境も人それぞれで、喜怒哀楽、悲喜交交なのだが、折角、蕪村の艶のある句を読んでしまったので、艶のある句を探してみた。

ほろ酔いの電話がかかる関係というのは、普通以上だろう。
人妻との十三夜が艶っぽく無い訳がない。
次の約束ができる関係も艶っぽい。
真珠のイヤリングが必要な十三夜は、勿論、艶っぽい。

十三夜は艶っぽい。




2019-10-10 (Thu)

2019/10/10 日記  鷹渡る

2019/10/10 日記  鷹渡る

2019/10/10 (木) 旧暦: 9月12日 祝日・節気:  日出: 5時42分 日没: 17時13分 月出: 15時47分 月没: 1時59分 月齢: 11.36 干支: 庚辰 六曜: 友引 九星: 八白土星今日のあれこれ: 鷹渡る「鷹の渡り(高茂岬のサシバ)」https://youtu.be/yBYSaz8bLJI『鷹渡る: 秋の鷹、鷹柱  三秋おもに秋に南方へわたる鷹をいう。また、冬鳥として秋に北方から渡来する鷹もさす。』(季語と歳時記)鷹渡るの俳句:・鷹ひとつ...

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2019/10/10 (木) 旧暦: 9月12日 祝日・節気:  日出: 5時42分 日没: 17時13分 月出: 15時47分 月没: 1時59分 月齢: 11.36 干支: 庚辰 六曜: 友引 九星: 八白土星


今日のあれこれ: 鷹渡る


「鷹の渡り(高茂岬のサシバ)」

https://youtu.be/yBYSaz8bLJI



『鷹渡る: 秋の鷹、鷹柱

  三秋

おもに秋に南方へわたる鷹をいう。また、冬鳥として秋に北方から渡来する鷹もさす。』
(季語と歳時記)



鷹渡るの俳句:


・鷹ひとつ見つけてうれし伊良湖岬  松尾芭蕉


・火山灰やみておそろしき空鷹渡る  邊見京子


・芥子粒となるまで昇り鷹渡る  棚山波朗



渡り鳥は、季節に合わせて渡る。
生まれてから渡ることを習性としているので、それが危険であっても大変過酷な旅であっても、決められたように渡る。

危険とか過酷と思うのは人であって鷹ではない。
鷹は自分や仲間の定め事に従って渡るだけのことだ。

毎朝起きて、出かけて仕事が終われば帰ってくる。
休日には遊びに出かける。
街の中で、同じ様に、毎日毎日を過ごしている人間。
そんな人間にとって、渡ることは大変だが、何か魅力も感じる。

鷹が渡るのを見上げている人はそんな魅力を感じるのが目的かもしれない。
“頑張れよ”と心でつぶやきながら。




2019-10-09 (Wed)

2019/10/09  日記  朝寒

2019/10/09  日記  朝寒

2019/10/09 (水) 旧暦: 9月11日 祝日・節気:  日出: 5時41分 日没: 17時14分 月出: 15時15分 月没: 1時02分 月齢: 10.36 干支: 己卯 六曜: 先勝 九星: 九紫火星 今日のあれこれ: 朝寒 「マガン・ハクチョウ大旅団の渡り 10月13日早朝 北海道 目指すはウトナイ湖」 https://youtu.be/p1n45G-Xj6s 『朝寒(あさざむ) 晩秋 2011/02/21 【子季語】 朝寒し、朝寒み 【関連季語】 ...

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2019/10/09 (水) 旧暦: 911日 祝日・節気:  日出: 541分 日没: 1714分 月出: 1515分 月没: 102分 月齢: 10.36 干支: 己卯 六曜: 先勝 九星: 九紫火星


今日のあれこれ: 朝寒

「マガン・ハクチョウ大旅団の渡り 1013日早朝 北海道 目指すはウトナイ湖」


https://youtu.be/p1n45G-Xj6s



『朝寒(あさざむ) 晩秋
2011/02/21

【子季語】
朝寒し、朝寒み
【関連季語】
そぞろ寒、やや寒、肌寒、夜寒、秋寒、露寒、うそ寒

【解説】
晩秋、朝のうちだけ、ひやりと寒さを感じる。その寒さは昼近くなると消えてしまう。「寒き朝」「今朝寒し」は冬である。

【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【文学での言及】
雁鳴きて寒き朝の露ならし龍田の山をもみだすものは よみ人知らず『後撰集』 
』(季語と歳時記)



朝寒の俳句:


・朝寒の空青々とうつりけり  正岡子規


・快晴といふ朝寒のありにけり   稲畑汀子


・朝寒の群に遅るる一羽かな  栗林明弘




秋晴れの朝は冷える。
よく言われる放射冷却現象だ。

昨日の夜、窓は閉めて、外気が入らないようにして眠ったのだが、今朝は寒く感じた。

今までの台風は、南の熱い風を送り込んできたが、今回は少し様子が違う。
 北から入る寒気のほうが勢力が強いのだろうか。

台風の日本への接近を阻止して、南の海上を北上させてくれれば良いのだが。


友達に遅れて20分後に追いかけた少女はまだ見つかっていない。 群れから外れ独り行くのは良くない。
早く見つかってほしい。





2019-10-08 (Tue)

2019/10/08  日記  寒露

2019/10/08  日記  寒露

2019/10/08 (火) 旧暦: 9月10日 祝日・節気: 寒露 日出: 5時40分日没: 17時16分 月出: 14時39分 月没: 0時06分 月齢: 9.36 干支: 戊寅 六曜: 赤口 九星: 一白水星 今日のあれこれ: 寒露 (リクナビNEXT https://next.rikunabi.com/journal/20150521_1/ より転載 ) 『寒露(かんろ)は、二十四節気の第17。九月節(旧暦8月後半から9月前半)。 ...

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2019/10/08 (火) 旧暦: 910日 祝日・節気: 寒露 日出: 540分日没: 1716分 月出: 1439分 月没: 006分 月齢: 9.36 干支: 戊寅 六曜: 赤口 九星: 一白水星


今日のあれこれ: 寒露

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(リクナビNEXT
https://next.rikunabi.com/journal/20150521_1/
より転載




『寒露(かんろ)は、二十四節気の第17。九月節(旧暦8月後半から9月前半)。

現在広まっている定気法では太陽黄経が195度のときで108日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。恒気法では冬至から19/24年(約289.15日)後で107日ごろ。

期間としての意味もあり、この日から、次の節気の霜降前日までである。

季節
露が冷気によって凍りそうになるころ[1]。雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き始めるころ。『暦便覧』では、「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と説明している。
...
七十二候
寒露の期間の七十二候は以下のとおり。

初候
鴻雁来(こうがん きたる):雁が飛来し始める(日本)
鴻雁来賓(こうがん らいひんす):雁が多数飛来して客人となる(中国)
次候
菊花開(きくのはな ひらく):菊の花が咲く(日本)
雀入大水為蛤(すずめ たいすいにいり はまぐりとなる):雀が海に入って蛤になる(中国)
末候
蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり):蟋蟀が戸の辺りで鳴く(日本)
菊有黄華(きくに こうかあり):菊の花が咲き出す(中国)』
Wikipedia



寒露の俳句:


・寒露過ぎスカイツリーの影延びて   岡野安雅


今日は寒露。
露が冷気によってこおり始める頃。

なのだが、今日の話題も台風。
土曜日からの三連休にまたやってくる。
今年は三連休になると台風がやってくる。
折角の休みなのに台風では、何処にも行けないし、観光地もお店も困る。

しかも、この台風19号。
今年最大最強で、コースも最悪。
日本列島の上を北上する予報だ。

台風15号の被害からまだ立ち直っていない千葉県も、また被害を受ける可能性がある。

寒露に似つかわしくない台風。
異常気象の現れなら、まだまだ色々ありそうだ。
困ったことだ。





2019-10-07 (Mon)

2019/10/07  「芋の露連山影を正しうす」(飯田蛇笏)の解釈

2019/10/07  「芋の露連山影を正しうす」(飯田蛇笏)の解釈

「芋の露連山影を正しうす」の解釈について迷ったこと。 季語は何? 芋は俳句では里芋のことで秋の季語。 露も秋の季語。 どちらも秋の季語で、季重なりと言えなくも無いが、加えて「芋の露」もそれ自体、秋の季語らしい。 結局、季語はどれでも、秋で良い。 季語はどれでも良いが、問題は蛇笏が見ている風景がわからない。 秋の冷気を感じる爽やかな...

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「芋の露連山影を正しうす」の解釈について迷ったこと。


季語は何?
芋は俳句では里芋のことで秋の季語。
露も秋の季語。
どちらも秋の季語で、季重なりと言えなくも無いが、加えて「芋の露」もそれ自体、秋の季語らしい。
結局、季語はどれでも、秋で良い。

季語はどれでも良いが、問題は蛇笏が見ている風景がわからない。

秋の冷気を感じる爽やかな朝、目の前の芋畑の向こうに連山が空の明るさを背景に威儀を正して影を見せている。

其処までは良いのだが、連山が影を作っているのは視界全体なのか露の中なのかと言う問題。


写真の世界では、雫の中の風景が一つのモチーフになっている。

一例を挙げさせて頂く。


clip_image002
kagayakuhanaさん                               <a https://www.photo-ac.com/profile/764274
写真AC
https://www.photo-ac.com/
より転載)

白い花びらの上の水滴に向こうの赤い花が映って、水滴の中に赤い花がある。


蛇笏が見たのは、芋の露の中に威儀を正して居る連山ではないのか。

どちらでも良いのだが、調べてみた。

蛇笏の研究家でもある角川源義の「飯田蛇笏」にはこう書かれている。


『芋の露連山影を正しうす

『山廬集』所収、大正三年作。多くの代表作のなかでも、もっとも人に親しまれているのが、この「芋の露」の句である。山梨県は日本中央高地の盆地を中心とする特異な地形、複雑な地質構造を見せている。南方には聳え立つ富士山を中心に烏帽子山、春日山、御坂山、神座山。北方には八ヶ岳、金峰山、国師ケ岳、甲武信岳。西には南アルプスの山々、白根山を主峰とする白根連峰、甲斐駒、鳳凰山と接する。
 
東には大菩薩嶺、源次郎岳、小金沢山、黒岳と四囲連峰にかこまれている。この句にも乙字は「正しうす」という語の主観味が露骨に過ぎて「真摯の俳句境涯ではないやうに受取れる」という。この句は「芋の露」で切れている。「芋の露」に連山の影が正しく宿っていると解してはつまらない。里芋の広葉にしとどな露をやどしている秋暁をまず呼び出しているのだ。旭ののぼるにつれて、たたなわる山また山が、その山姿を明らかにして来る。旭のひかりによって山々の明暗がきわやかで、山襞までも刻明になって来たことを感じさせる。「正しうす」には、襟をただすというふうな語感も乙字のいうようにあったかもしれぬ。だが、連山がその影を「正しうす」という表現はきびしい。この句の面白味は、「芋の露」だ。どの芋の広葉にも、一つずつ大きな露をやどして、旭のひかりに、きらきら光っている。それがすこし風でも吹けばころころころがる。その不安定さと、「連山影を正しうす」の重厚さとが対比されていて面白い。川端茅舎の句に「芋の露直径二寸あぶなしや」がある。「芋の露」の不安定さだけを訴えているのだ。「直径二寸」というわり切った表現とともに、 「あぶなしや」という働きかけが面白いのである。茅舎らしい感覚であり、表現である。
』(飯田蛇笏 鑑賞篇 p187-188


角川源義は『「芋の露」に連山の影が正しく宿っていると解してはつまらない。』と切り捨てている。
この解釈が、大方の解釈だと思う。



それではと、蛇笏自身は何か言っていないのか調べてみた。
蛇笏の「自選自註五十句抄」の中に書かれていた。


『 芋 の 露 連 山 影 を 正 う す
同年作。
今日に至るまでの歳月の中で最も健康がすぐれなかった時である。隣村のY-医院へ毎日薬壜を提げて通っていた。南アルプス連峰が、爽涼たる大気のなかに、きびしく礼容をととのえていた。身辺の植物(植物にかぎらず)は、決して芋のみではなかったのである。』
(飯田蛇笏集成 第五巻鑑賞Ⅱ 自選自註五十句抄)


はっきりとは書いていないが、どうやら、角川の解釈に近い。


負け惜しみを言えば、
儚い露の中でも威儀を正す連山。
時が経ち、露が転がり落ちても、影は失せても、連山の威儀は変わることはない。
と解釈しても、「つまらない」ことではないのではないか。

作品の解釈は、読み手に任されているのだから。





2019-10-07 (Mon)

2019/10/07 日記  菊の酒

2019/10/07 日記  菊の酒

2019/10/07 (月) 旧暦: 9月9日 祝日・節気:  日出: 5時39分 日没: 17時17分 月出: 13時59分 月没: ---- 月齢: 8.36 干支: 丁丑 六曜: 大安 九星: 二黒土星 今日のあれこれ: 菊の酒、菊酒 「貴船神社 菊花神事 / Kifune Jinja Shrine / 京都いいとこ動画」 https://youtu.be/yt_2_EHDYjw 『菊酒: 菊の酒、菊花の酒  晩秋 重陽の節句に菊の花を浮かべて飲む酒をいう。中国では、菊酒...

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2019/10/07 (月) 旧暦: 99日 祝日・節気:  日出: 539分 日没: 1717分 月出: 1359分 月没: ---- 月齢: 8.36 干支: 丁丑 六曜: 大安 九星: 二黒土星


今日のあれこれ: 菊の酒、菊酒

「貴船神社 菊花神事 / Kifune Jinja Shrine / 京都いいとこ動画」


https://youtu.be/yt_2_EHDYjw



『菊酒: 菊の酒、菊花の酒

 晩秋

重陽の節句に菊の花を浮かべて飲む酒をいう。中国では、菊酒を酌むことで長生きできるという言い伝えがあり、それが日本にも伝わったもの。
 この習慣は、朝廷をはじめ武家や民間にも広まった。
現在でも下賀茂神社などでは、重陽の節句に菊酒を振舞う。 』
(季語と歳時記)



菊の酒の俳句:


・下戸とても押し戴きて菊の酒   西 千代恵


・菊いろに淡く澄みゐし菊の酒   松井倫子


・菊酒の花びら唇にあそばせて  佐々木とよ子




今日は、旧暦九月九日、重陽の節句。
行事としては、邪気払いのため、酒に菊の花びらを浮かべて頂く事になっている。

伝統が息づく空間である京都では、重陽の日に菊酒をいただける機会があるそうだ。

動画は貴船神社だが、下鴨神社でもいただけるとの事だ。

巫女さんに注いでいただいた盃に、唇を寄せて押し戴く。
その唇が美しい人の紅い唇であれば、何と艶っぽいことか。






2019-10-06 (Sun)

2019/10/06  日記  秋祭

2019/10/06  日記  秋祭

2019/10/06 (日) 旧暦: 9月8日 祝日・節気: 上弦 日出: 5時39分 日没: 17時18分 月出: 13時12分 月没: 23時11分 月齢: 7.36 干支: 丙子 六曜: 仏滅 九星: 三碧木星 今日のあれこれ: 秋祭 「登米秋祭り 笛と太鼓の競演 2019」 https://youtu.be/HdRNYUlr4lY 『秋祭: 在祭、村祭、里祭、浦祭 三秋 農耕の収穫に感謝する秋季に行われる祭り。 稲刈り等の農作業を終えて行われる...

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2019/10/06 (日) 旧暦: 98日 祝日・節気: 上弦 日出: 539分 日没: 1718分 月出: 1312分 月没: 2311分 月齢: 7.36 干支: 丙子 六曜: 仏滅 九星: 三碧木星


今日のあれこれ: 秋祭


「登米秋祭り 笛と太鼓の競演 2019


https://youtu.be/HdRNYUlr4lY



『秋祭: 在祭、村祭、里祭、浦祭

三秋

農耕の収穫に感謝する秋季に行われる祭り。
稲刈り等の農作業を終えて行われる。』
(季語と歳時記)



秋祭の俳句:


・山々に深空賜はる秋祭  桂信子


・一日の秋にぎやかに祭りかな   正岡子規


・月番のみがく大釜秋祭   近藤幸三郎


・瓜実顔の揃ひし飛騨の秋祭   大久保廣子


・干瓢の黒き煮染や秋祭   生田恵美子




今日は良いお天気になった。
秋の日曜日、秋祭の日らしい日になった。

太鼓の音と子どもたちのワッショイ、ワッショイと言う声が聞こえてきた。
 声の方向へ目をやると、囃子の後には子供神輿が練り歩いていた。
一番後ろは世話役の老人たちが固めていた。

町内会の秋祭りだった。
自分が子供だった頃の秋祭りの思い出。
自分の子の世代、自分の孫の世代にも
同じ様に伝えて行かなけれないけない。

人間
楽しい思い出、嬉しい思い出があれば、素直に生きていけるから。




2019-10-05 (Sat)

2019/10/05  20km競歩 山西が金メダル

2019/10/05  20km競歩 山西が金メダル

50kmに続いて20kmも日本人選手が金メダルを獲った。 他の競技なら大騒ぎになるところだが、2種目も金なのにあまり報道は盛り上がっていない。 競歩と言う競技は、地味だ。 長い時間かけてひたすら歩く、50kmなら4時間、 20kmなら1時間半の時間がかかる。 100mならば10秒以内にドラマが有り勝者が決まる。 マラソンでも、2時間ほどの間にドラマが演じられる...

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50kmに続いて20kmも日本人選手が金メダルを獲った。
他の競技なら大騒ぎになるところだが、2種目も金なのにあまり報道は盛り上がっていない。

競歩と言う競技は、地味だ。
長い時間かけてひたすら歩く、50kmなら4時間、
20kmなら1時間半の時間がかかる。

100m
ならば10秒以内にドラマが有り勝者が決まる。
マラソンでも、2時間ほどの間にドラマが演じられるのを見ることができる。
競歩は時間がかかり、ドラマチックさが迫らないからTVで実況中継も難しい。

しかし、世界一位なのだから、祝福しなければいけない。

あえて、記事にして偉業を讃えたい。



『京大卒の金メダリスト誕生 山西利和が20キロ競歩V
10/5(
) 6:57配信日刊スポーツ

<陸上:世界選手権>◇第84ドーハ・コーニッシュ男子20キロ競歩

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男子20キロ競歩決勝、優勝し日の丸を手に笑顔を見せる山西(撮影・河野匠)

京大卒の金メダリストが誕生した。男子20キロ競歩で山西利和(23=愛知製鋼)が1時間2634秒で優勝した。五輪、世界選手権を通じ、同種目で日本勢がメダルを獲得するのは初だった。日本は鈴木雄介(31=富士通)に50キロに続き、20キロでも、ダブル金メダルを獲得した。

【写真】アジア大会で王凱華に競り負け2着でゴールした山西は天を仰ぐ

7
キロ付近で、集団を抜け出す積極策。首には冷却タオルを巻き、高温多湿な環境を歩き切った。2日前の会見では「当日のパフォーマンスにすべてを注ぎたい。金メダルを最大のターゲットとして、練習をしてきた。やるべきことの最後の手順を1つずつ踏んでいけば、結果は付いてくる」と意気込んでいた。3月の全日本競歩能美大会では世界歴代4位、日本歴代2位となる1時間1715秒を出していた。優勝候補に挙げられていた、その実力を発揮した。

山西は京都・堀川高から京大工学部に現役合格。今大会の50キロで金メダルを獲得した鈴木雄介(31=富士通)らを育てた内田隆幸氏の指導を定期的に受け、課題を持ち帰り、独自で力を磨いた。強豪で育ったわけではない自分を「雑草」と表現していた。「京大卒」の肩書でも注目を浴びていた男。競技で世界の頂点に立った。

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キロは15年世界選手権銅、16年リオデジャネイロ五輪銅、17年世界選手権銀、銅メダルを獲得した一方で、20キロは今まで世界の壁に阻まれていた。前評判は高かったが、6位が最高だった。それを山西が打ち破った。

これで東京オリンピック(五輪)の代表に内定した。1年後の大舞台。そこにも大きな期待が膨らんだ。』
(日刊スポーツ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191005-10050067-nksports-spo





2019-10-05 (Sat)

2019/10/05 日記 ラグビーのハカ あれこれ

2019/10/05 日記 ラグビーのハカ あれこれ

2019/10/05 (土) 旧暦: 9月7日 祝日・節気: 日出: 5時38分 日没: 17時20分 月出: 12時20分 月没: 22時18分 月齢: 6.36 干支: 乙亥 六曜: 先負 九星: 四緑木星 今日のあれこれ: ハカ 今日の「今日のあれこれ」は、俳句はお休み。 今、日本で行われているラグビーの話。 日本代表の見事な活躍で、盛り上がっている。 それに加えて日本の観客のおも...

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2019/10/05 (土) 旧暦: 9月7日 祝日・節気: 日出: 5時38分 日没: 17時20分 月出: 12時20分 月没: 22時18分 月齢: 6.36 干支: 乙亥 六曜: 先負 九星: 四緑木星


今日のあれこれ: ハカ


今日の「今日のあれこれ」は、俳句はお休み。

今、日本で行われているラグビーの話。

日本代表の見事な活躍で、盛り上がっている。
それに加えて日本の観客のおもてなしが、参加各国チームやファン、外国報道陣から評価されている。


今日は、こんな記事があった。

『【ラグビーW杯】本家顔負け!? 可愛すぎる日本少女の舌出しハカ顔に絶賛拡大「今すぐ彼女と契約を」
10/5(
) 7:13配信THE ANSWER

clip_image002
ハカを披露するニュージーランド・オールブラックス【写真:石倉愛子】

NZ
選手と比較した舌出し顔に大反響、再生20万超「なんてかわい子ちゃん」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に出場しているニュージーランドは2日のカナダ戦で「ハカ」を舞い、大分のファンを大いに盛り上げた。ド迫力の踊りは日本でも日に日に注目を集めているが、大会公式インスタグラムは客席で日本の少女が舌を出してハカ顔を作る可愛らしい映像を紹介。本家のWTBリーコ・イオアネが演じる顔と対決させて「これ、ホント最高」などと絶賛を集めていたが、再生回数20万回となるなど、反響は広がっている。

【動画】「これホント最高」と絶賛の嵐! 本家顔負けのド迫力の表情は…可愛すぎる日本少女の“舌出しハカ顔”の実際のシーン

可愛らしい“ハカ顔”対決の反響が広がった。大会公式インスタグラムが「どっちが優れている?」と問いかけ、2つの顔を並べた映像を公開。左側はオールブラックスのシャツを着た、日本の少女。お父さんらしき男性に抱えられ、カメラに向かい、舌を出して表情を作る。しかし、その表情は鬼気迫るほど迫力満点で、隣に映された本家のイオアネにも負けず劣らずの顔だった。

投稿には「これ、ホント最高」「可愛すぎる。このミニサポーター、大好き」「彼女は将来のオールブラックス」と絶賛の声が続々と相次いでいたが、反響は1日経って、さらに拡大。「今すぐ、彼女と契約を」「日本は素晴らしいホスト国であることを証明している。彼らの情熱はティア1を凌ぐ」「彼女の情熱が大好き!!」「なんてかわい子ちゃん」とコメントも増えている。

再生回数はおよそ20万回と世界のファンが酔いしれている様子。こうして小さな子供がラグビーに親しみを感じていくことが今後の競技普及にとっても欠かせない。「ハカ」は観る者を魅了する力を持っている。

THE ANSWER編集部
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191005-00086742-theanswer-spo



先ずは、ニュージーランド代表のハカの迫力を体感してみよう。

「【ラグビーワールドカップ2019】「ハカ(Haka)/カマテ」|オールブラックス ニュージーランド代表 ||ニュージーランド×カナダ|プールB


https://youtu.be/z3N3uhKr5E8



これが行われている時、スタンドの応援席では、日本の少女が「ハカ」に参加していた。




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Who did it better? 😝 #rwc2019

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日本の少女が、ニュージーランドの猛者たちにエールを送る姿は、ラグビーファンにはたまらなく可愛いようだ。


しかし、ラグビーについてはルールすら知らない門外漢なので、「ハカ」が何かわからない。

踊りというか雄叫びというか動きは見ればわかるが、何を叫んでいるのかわからない。

調べてみた。


『ハカ(毛: Haka)は、ニュージーランドのマオリ族の民族舞踊。 主に男性が踊る。

概要
本来はマオリ族の戦士が、戦いの前に手を叩き足を踏み鳴らして自らの力を誇示し、相手を威嚇する舞踊である。

現在では国賓や海外からの渡航者を歓迎する舞として披露されるほか、ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)が国際試合前に舞う民族舞踊として有名である。 ニュージーランドでは一般的な民族舞踊であり、相手に対する敬意や感謝の意を表する舞として披露される。
...』


『カマテの歌詞:
リード
カ マテ! カ マテ!
コーラス
カ オラ、カ オラ!
リード
カ マテ! カ マテ!
コーラス
カ オラ、カ オラ!
テネイ テ タナタ プッフル=フル ナア ネ イ ティキ
マイ ファカ=フィティ テ ラ!
ア ウパネ! ア フパネ!
ア ウパネ!=ウパネ!
フィティ テ ラ!
!

カマテの意味:
私は死ぬ! 私は死ぬ!
私は生きる! 私は生きる!
(以上を2回繰り返し)
見よ、この勇気ある者を。
ここにいる毛深い男が再び太陽を輝かせる!
一歩はしごを上へ! さらに一歩上へ!
一歩はしごを上へ! そして最後の一歩!
そして外へ一歩!
太陽の光の中へ!


戦いに挑む勇者の心を鼓舞する歌だ。
これは、どの民族でも共通で理解することができる。


ラグビーは、試合中には乱闘も在るが、試合が終われば「ノーサイド」の精神がある。
観客も加わって、暴力事件になることがあるサッカーに比べれば、紳士的なスポーツと言える。



【データ】


Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%AB_(%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9)




2019-10-04 (Fri)

2019/10/04 日記  豊年

2019/10/04 日記  豊年

2019/10/04 (金) 旧暦: 9月6日 祝日・節気:  日出: 5時37分 日没: 17時21分 月出: 11時22分 月没: 21時27分 月齢: 5.36 干支: 甲戌 六曜: 友引 九星: 五黄土星今日のあれこれ: 豊年<【久比岐の里】稲刈りを大空から見てみた!>https://youtu.be/mbmI5aIQA5g『豊年: 出来秋、豊作、豊の秋  仲秋穀物、特に稲のよく実ったことで豊の秋ともいう。豊作の年には全村あげて秋祭をとり行ない、喜びを分かち合う。...

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2019/10/04 (金) 旧暦: 9月6日 祝日・節気:  日出: 5時37分 日没: 17時21分 月出: 11時22分 月没: 21時27分 月齢: 5.36 干支: 甲戌 六曜: 友引 九星: 五黄土星


今日のあれこれ: 豊年


<【久比岐の里】稲刈りを大空から見てみた!>

https://youtu.be/mbmI5aIQA5g




『豊年: 出来秋、豊作、豊の秋

  仲秋

穀物、特に稲のよく実ったことで豊の秋ともいう。豊作の年には全村あげて秋祭をとり行ない、喜びを分かち合う。』
(季語と歳時記)



豊年の俳句:


・豊年のひかりとなれり最上川   中鉢時雨


・村挙げて豊年祭百人余   有元洋剛


・たをやかに豊年踊身を反らし   前田まこと


・獅子頭脱ぎ豊年の神酒受く   白鳥武子


・うたせ湯に豊年の顔集ひ来る   城台洋子



今年の稲の作柄は不安だった。
今年は梅雨が長く、来る日も来る日も曇り空か雨で、太陽が顔を出すことは数えるほどだった。

長い梅雨が明けると、一転した。
今度は暑い太陽が照りつけ猛暑になった。
どうなることか予想がつかないお天気だった。

稔の時が近づきどうなったのか。
北の方の早場米の地域は、どうやら平年並みの収穫になったようだ。梅雨の遅れはあったが、夏場の暑さで盛り返したのだろう。

西の方はまだ確定していないが、台風・洪水の大きな災害がなければ、こちらも凶作にはならないと考えてよいだろう。

平年並みなら、秋の収穫はめでたいことだから豊年と言って囃してよいはずだ。

ともあれ、お米の収穫は祝い事だ。
豊年祭をみんなで楽しんで、祝い酒を飲んで、踊りを踊れば嬉しい限りだ。




2019-10-03 (Thu)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その1)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その1)

蛇笏忌を機に、蛇笏の句の世界を理解するために彼の俳句を集めてみた。ネット上で読むことのできる句を集めたのだが、流石に大家なので1300を越える句を集めることができた。これくらいの数になるとコピーを取ってからの整理もかなり手間がかかった。一人の俳人に近づき、理解をするには、その作句を数多く読むのが、正しい方法だと思う。蛇笏の代表句として有名な句は、『・芋の露連山影を正しうす(1914年作、『山廬集』所収)・...

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蛇笏忌を機に、蛇笏の句の世界を理解するために彼の俳句を集めてみた。

ネット上で読むことのできる句を集めたのだが、流石に大家なので1300を越える句を集めることができた。

これくらいの数になるとコピーを取ってからの整理もかなり手間がかかった。

一人の俳人に近づき、理解をするには、その作句を数多く読むのが、正しい方法だと思う。

蛇笏の代表句として有名な句は、
・芋の露連山影を正しうす(1914年作、『山廬集』所収)
・死病得て爪うつくしき火桶かな(1915年作、『山廬集』所収)
・たましひのたとへば秋のほたるかな(1927年作、『山廬集』所収)
・なきがらや秋風かよふ鼻の穴(1927年作、『山廬集』所収)
・をりとりてはらりとおもきすすきかな(1930年作、『山廬集』所収)
・くろがねの秋の風鈴鳴りにけり(1933年作、『霊芝』所収)
・誰彼もあらず一天自尊の秋(晩年の句、『椿花集』所収)
だそうだが、これ以外にも良い句が沢山見つけられるはずだ。

個人的には、俳句の格調、幅、言葉の多彩さでは、高濱虚子よりも飯田蛇笏のほうが上だと思う。

(但し書き:
・以下の句はネット上で蛇笏の句と書かれていたものを集めたもの。
・間違って記載している人もいるかも知れない。
・句集で裏付けはしていないので、厳密性は保証できない。
・とりあえず、蛇笏の句を多く読むための資料としての位置づけ。
・蛇笏の世界の理解を深める動きが出ている様で、(その5)の末に【飯田蛇笏データ】として掲載した。
・頭の数字は単なる番号で意味はない。



0001 十字架祭看護婦いでて秋花剪る 
0002 桐一葉月光噎ぶごとくなり 
0003 苔庭に冷雨たたへてうすもみぢ 
0004 山雲にかへす谺やけらつゝき 
0005 岩礁の瀬にながれもす鮑取 
0006 こころざし今日にあり落花ふむ 
0007 日輪にひゞきてとべる薔薇の虫 
0008 大空に富士澄む罌粟の真夏かな 
0009 清水湊富士たかすぎて暮の春 
0010 山藤の雲がかりしてさきにけり 
0011 日にむいて春昼くらし菊根分 
0012 麦の秋山端の風に星光る 
0013 涼あらた畦こす水の浮藻草 
0014 渓橋に傘さして佇つや五月雨 
0015 恋ごころより情こもる菊枕 
0016 貧農は弥陀にすがりて韮摘める 
0017 蘭あをく雨蕭々とくすり掘る 
0018 老鶯も過ぎし女院の膝の前 
0019 夏雨や川虫淵をながれ出る 
0020 白牡丹萼をあらはにくづれけり 
0021 雪解富士樹海は雲をあらしめず 
0022 青踏むや鞍馬をさして雲の脚 
0023 中年の保養に倦みし藍浴衣 
0024 旅舎の窓遅月さしてリラの花 
0025 菱採のはなるる一人雨の中 
0026 人肌のつめたくいとし秋の帽 
0027 滝のぼる蝶を見かけし富士道者 
0028 虻せはし肉うちふるふ洗ひ馬 
0029 昏々と病者のねむる五月雨 
0030 舟に落ちて松毬かろし餘花の岸 
0031 夏空に地の量感あらがへり 
0032 焼嶽に月のいざよふ雪解かな 
0033 夏真昼死は半眼に人をみる 
0034 病牛がサフランねぶる春の影 
0035 河鹿なきおそ月滝をてらしけり 
0036 山裾のありなしの日や吾亦紅 
0037 冬の蝿ほとけをさがす臥戸かな  (病中)
0038 音にして夜風のこぼす零余子かな 
0039 うち水にはねて幽かや水馬 
0040 土器にともし火もゆる神楽かな 
0041 山深き瀬に沿う路の寒旱 
0042 塩漬の梅実いよいよ青かりき 
0043 三四本花さく萱の伏しにけり 
0044 どんよりと夏嶺まぢかく蔬菜園 
0045 わがこゑののこれる耳や福は内 
0046 葦の間の泥ながるるよ汐干潟 
0047 なきがらのはしらをつかむ炬燵かな 
0048 薔薇つけし葉のきわやかに甕の水 
0049 湯婆こぼす垣の暮雪となりにけり 
0050 みな月の日に透く竹の古葉かな 
0051 とどめたる男のなみだ夏灯 
0052 山牛蒡の咲きたる馬柵の霧がくれ 
0053 冬灯死は容顔に遠からず 
0054 黄落のつゞくかぎりの街景色 
0055 燈台に灯すこころや秋隣り 
0056 抱へたる大緋手鞠に酔ふごとし 
0057 啓蟄のいとし児ひとりよち~と 
0058 南無鵜川盆花ながれかはしけり 
0059 深草のゆかりの宿の端午かな 
0060 ことごとくつゆくさ咲きて狐雨 
0061 夕霧に邯鄲のやむ山の草 
0062 慾なしといふにもあらず初浴衣 
0063 形代やたもとかはして浮き沈み 
0064 夏襟をくつろぐるとき守宮鳴く 
0065 蝉なきて夜を氾濫の水ふえぬ 
0066 はつ秋や嫁姑と一と日旅 
0067 秋たつや川瀬にまじる風の音
0068 高浪にかくるる秋の燕かな 
0069 三伏の月の小ささや焼ヶ嶽 
0070 後架にも竹の葉降りて薄暑かな 
0071 葦咲いて蜑の通ひ路ながし吹く 
0072 盆の昼人に背見せて閑談す 
0073 滝津瀬に三日月の金さしにけり 
0074 雪晴れて大瀬波うつスキー行 
0075 対岸の模糊に鶯うつりけり 
0076 秋の昼一基の墓のかすみたる 
0077 夏寒くあるく園生の青すゝき 
0078 夜は夜の白雲靆きて秋の嶽 
0079 高嶺並む広袤に住み鍬はじめ 
0080 日に顫ふしばしの影や鶏乳む 
0081 鳳輦は沼津につきぬ雪解富士 
0082 こたへなき雪山宙に労働歌 
0083 初袷流離の膝をまじへけり 
0084 またおちてぬれ葉にとまる茄子の花 
0085 ほととぎす鳴きて遠めく山の滝 
0086 深山空寒日輪のゆるるさま 
0087 はつ雁に暮煙を上ぐる瀬田の茶屋 
0088 情婦を訪ふ途次勝ちさるや草相撲 
0089 いち早く日暮るる蝉の鳴きにけり 
0090 鼈(すつぽん)をくびきる夏のうす刃かな
0091 八重椿蒼土ぬくくうゑられぬ 
0092 露ざむの情くれなゐに千草かな 
0093 秋たつときけばきかるる山の音 
0094 牛曳いて四山の秋や古酒の酔 
0095 夏至白夜浪たちしらむ漁港かな 
0096 山の童木菟とらへたる鬨あげぬ 
0097 冬ぬくく地の意にかなひ水移る 
0098 靴下の淡墨にしてさくら狩り 
0099 南蛮の日向すずろにふまれけり 
0100 小降りして山風のたつ麦の秋 
0101 芽牡丹やみつのごとくに御所の雨 
0102 没日影葵をそめて竹落葉 
0103 余花の峰うす雲城に通ひけり 
0104 終戦の夜のあけしらむ天の川 
0105 薮なかや朽ち垣ぬらす初時雨 
0106 頬あかきグリルのをとめ聖週期 
0107 滝おもて雲おし移る立夏かな 
0108 露の瀬にかゝりて螻蛄のながれけり 
0109 収穫すキャベツ白磁に蔬菜籠 
0110 汁なくて厭き~くらふ雑煮かな 
0111 高波にかくるゝ秋のつばめかな 
0112 万斛のつゆの朝夕唐からし 
0113 遊楽の夜を蒸す翳に謝肉祭 
0114 開帳の破れ鐘つくや深山寺 
0115 極月やかたむけすつる枡のちり 
0116 放心にひまなくもゆる除夜の炉火 
0117 冬の水すこし掬む手にさからへり 
0118 水門や木目にすがる秋の蝿 
0119 みすゞかる信濃をとめに茸問はな 
0120 うつうつと大獄の昼躑躅咲く 
0121 木曽人は花にたがやす檜笠かな 
0122 はや吊りて夢幻のおもひ高燈籠 
0123 金華山軽雷北に鵜飼了ふ 
0124 ぬぎ捨てし人のぬくみや花ごろも 
0125 夏館老尼も泊りながし吹く 
0126 水喧嘩墨雲月をながしけり 
0127 ふた親にたちまちわかれ霜のこゑ 
0128 白昼のむら雲四方に蕃茄熟る 
0129 船暑し干潟へおろす米俵 
0130 罠のへにたちどまりたる鶫かな 
0131 負馬の眼のまじ~と人を視る 
0132 蝶颯つと展墓の花を摶ちにけり 
0133 うつりすぐ善女善男鴛鴦の水 
0134 一時領七谷植うる木の実かな 
0135 鮒膾瀬多の橋裏にさす日かな 
0136 老鹿の眼のたゞふくむ涙かな 
0137 寒波きぬ信濃へつづく山河澄み 
0138 草いきれ女童(めろ)会釈してゆきにけり 
0139 街路樹に旧正月の鸚鵡館 
0140 秋の山國土安泰の相(すがた)かな 
0141 はつ機の産屋ヶ岬にひびくなり 
0142 かりかりと残雪を喰み橇をひく 
0143 年木割かけ声すればあやまたず 
0144 八重むぐら瀬をさへぎりて梅雨湿り 
0145 東風の月祷りの鐘もならざりき 
0146 くちなしの花さき闇の月贏(や)せぬ 
0147 禽むるる大椿樹下に黐搗けり 
0148 夏草に五月の雉子のたまごかな 
0149 単衣着の襟の青滋にこゝろあり 
0150 柚の花につきてぞ上る烏蝶 
0151 葉ざくらに人こそしらね月繊そる 
0152 北辺の聖夜にあへる樹氷かな 
0153 こくげんをわきまふ寒の嶽颪 
0154 とりすてゝ鈴蘭の香の地に浮く 
0155 春暑く旅人づれの肉を焼く 
0156 雹晴れて渡舟へんぽんと山おろし 
0157 初湯出しししむら湯気をはなちけり 
0158 深山の日のたはむるる秋の空 
0159 雲しろむけふこのごろの花供養 
0160 寒の凪ぎ歩行のもつれ如何せん 
0161 いくもどりつばさそよがすあきつかな 
0162 落日に蹴合へる鶏や鳳仙花 
0163 市街の灯見るは雲の間夜の秋 
0164 南方の空のむら雲鶏頭花 
0165 芋の花月夜をさきて無尽講 
0166 高原の夜に入る天の夏ひばり 
0167 大つぶの寒卵おく襤褸の上
0168 皿を垂りしづくす秋の大山女魚 
0169 児をだいて日々のうれひに鰯雲 
0170 雲漢の初夜すぎにけり磧 
0171 磯貝の潮がくり咲く薄暑かな 
0172 濁流に日影かするる青すすき 
0173 炭焼きて孤りが年を惜しまざる 
0174 後山へ霜降月の橋をふむ 
0175 秋冷のまなじりにあるみだれ髪 
0176 水底に仰向きしづむおちつばき 
0177 みづどりにさむきこゝろを蔽ひけり 
0178 三月や廊の花ふむ薄草履 
0179 落飾の深窓にしてはつ日記 
0180 法廷や八朔照りのカンナ見ゆ 
0181 湖波の畔にたゝみて蓼涵る 
0182 宵浅く柚子そこはかと匂ふなる 
0183 物おちて水うつおとや夜半の冬 
0184 弥生尽山坂の靄あるごとし 
0185 籠にして百草夏のにほひかな 
0186 山寺や斎の冬瓜きざむ音 
0187 夏旅や俄か鐘きく善光寺 
0188 大揚羽ゆらりと岨の花に酔ふ 
0189 渓川のしのつく雨に盆送り 
0190 家路の娘玉菜を抱きて幸福に 
0191 ふりやみて巌になじむたまあられ 
0192 日短くつくづくいやなふかなさけ 
0193 夏の雨草井に日影残りけり 
0194 行秋や案山子の袖の草虱 
0195 凍てに寝て笑む淋しさを誰か知る 
0196 河岸をゆく羽織たらりと霜日和 
0197 陶に似て窓のアルプス聖母祭 
0198 大巌にまどろみさめぬ秋の山 
0199 かな~の鳴きうつりけり夜明雲 
0200 風冴えて高嶺紺青雪のこる 
0201 ゆく秋や案山子の袖の草虱 
0202 晴るる日も嶽鬱々と朴咲けり 
0203 強霜や朝あかねして駒の嶮 
0204 豌豆の手の枯れ竹に親すずめ 
0205 撃ちとつて艶なやましき雉子かな 
0206 鉄橋に水ゆたかなる冬日和 
0207 閑談のふところにして寒卵 
0208 雲水の跫音もなく土凍てぬ 
0209 たぎつ瀬にえびづるのつゆしたたれり 
0210 児を抱いて尼美しき霊祭 
0211 なきからや秋風かよふ鼻の穴 
0212 秋虹をしばらく仰ぐ草刈女 
0213 火山湖の高浪をきく余寒かな 
0214 芋の露連山影を正うす 
0215 寒灸や悪女の頸のにほはしき 
0216 蕗隠しに轡かかりて暮雪ふる 
0217 蘆花旧廬灰しろたへに春火桶 
0218 筆硯に多少のちりも良夜かな
0219 草川のそよりともせぬ曼珠沙華
0220 鞴火のころげあるきて霜夜かな 
0221 国原の水たてよこに彼岸鐘 
0222 東風の陽の吹かれゆがみて見ゆるかな 
0223 しもつきや大瀬にうかぶ詣船 
0224 死火山の膚つめたくて草苺 
0225 雲表にみゆる山巓初昔 
0226 雪幽くつのりて軍靴湧くごとし 
0227 降る雪や玉のごとくにランプ拭く
0228 就中学窓の灯や露の中
0229 雪山を匐ひまわりゐる谺かな
0230 灯をさげて観音寺みち秋の夜 
0231 寒濤に鴨たちあがる日和かな 
0232 渓沿ひに女礼の登る深山寺 
0233 水仙に湯をいでて穿く毛足袋かな 
0234 盆の雨車前草はやくぬれにけり 
0235 夜の蝶人をおかさず水に落つ 
0236 笛ふいて夜涼にたへぬ盲かな 
0237 冬瀧のきけば相つぐこだまかな 
0238 秋日和なかなか売れぬ樒かな 
0239 ふりやみていはほになじむ玉あられ 
0240 大乳房たぷたぷ垂れて蚕飼かな 
0241 戦死報秋の日くれてきたりけり
0242 山かけて朝虹ちかく茄子咲けり 
0243 とくはしる水蜘蛛ありて秋の虹 
0244 雲ふかく蓬莱かざる山廬かな 
0245 海ぬれて砂丘の風に桃咲けり 
0246 つかのまの絃歌ひびきて秋の海 
0247 たらの芽やからびしをれて籠の目に 
0248 郭公啼く青一色の深山晴れ 
0249 文机にめむきうたたね春嵐 
0250 秋の雪北嶽たかくなりにけり 
0251 ひややかに人住める地の起伏あり 
0252 先着にあな幣尊と紅葉山 
0253 雲はうてつゆあけの嶺遠からぬ 
0254 秋が見てゐる陶の卵かな 
0255 月光をふるはす桐の虫一つ 
0256 ねざめたるはだへひやゝか蚊帳の闇 
0257 秋の像ともがきをみつ父をみる 
0258 双燕のもつれたかみて槻の風 
0259 仲秋や火星に遠き人ごゝろ 
0260 去年今年闇にかなづる深山川 
0261 荒藪の鉄線花咲く欅の木 
0262 帯の上の乳にこだはりて扇さす
0263 唾はいて幽かに石蕗の月に閉づ 
0264 ねむる間に葉月過ぎるか盆の月 
0265 神は地上におはし給はず冬の虹 
0266 報恩講後山西日の影流れ 
0267 山百合にねむれる馬や靄の中 
0268 口紅の玉虫いろに残暑かな 
0269 茶の木咲きいしぶみ古ぶ寒露かな 
0270 浮き草にながあめあがる落花かな 
0271 喬槻に渓のとどろき夏来る 
0272 天をとび樋の水をゆく蒲の絮 
0273 陽にむいて春昼くらし菊根分 
0274 雪に辞す人に手燭をこゝろより 
0275 山風に北窓閉すやところせく 
0276 地と水と人をわかちて秋日澄む 
0277 二三人薄月の夜や人丸忌 
0278 一生を賭けし俳諧春の燭 
0279 名月や宵すぐるまの心せき 
0280 キヤベツとる娘が帯の手の臙脂色 
0281 夏風や竹をほぐるゝ黄領蛇(さとめぐり) 
0282 山滝に日射すとみゆれ懸巣翔ぶ 
0283 おほぎやうに牡丹嗅ぐ娘の軽羅かな 
0284 寝しづみて老が火を吹く寒の闇 
0285 あしおともたてず悪友霜を来ぬ 
0286 碧落に日の座しづまり猟期来ぬ 
0287 小富士訪ふ閉山季の法印と 
0288 山茱萸の風にゆれあふ実を択りぬ 
0289 山塊を雲の間にして夏つばめ 
0290 薔薇園一夫多妻の場を思ふ
0291 日ざかりやおのが影追ふ蓬原 
0292 樋水ます雨に花さく野蒜かな 
0293 日も月も大雪渓の真夏空
0294 果樹園をぬけて産院四温光 
0295 お涅槃に女童の白指触れたりし 
0296 遠足児よどむに乳牛尾をふりて 
0297 胃洗ふて病院桐の秋濶し 
0298 頬を掌におきてしんじつ虫の夜 
0299 蜆川うす曇りして水の濃き 
0300 寒を盈つ月金剛のみどりかな 




2019-10-03 (Thu)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その2)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その2)

0301 麥秋の米櫃におく仏の燈 0302 寒鯉の黒光りして斬られけり 0303 青巒の月小ささよたかむしろ 0304 谷川に幣のながるる師走かな 0305 月いよよ大空わたる焼野かな 0306 冬の風人生誤算なからんや 0307 山風や棚田のやんま見えて消ゆ 0308 つぶらなる汝が眼吻はなん露の秋 0309 水仙や暮色漂ふて鯉動く 0310 山梨熟れ穂高雪渓眉の上 0311 竹落葉渓の苔岩乾るまなき 031...

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0301 麥秋の米櫃におく仏の燈 
0302 寒鯉の黒光りして斬られけり 
0303 青巒の月小ささよたかむしろ 
0304 谷川に幣のながるる師走かな 
0305 月いよよ大空わたる焼野かな 
0306 冬の風人生誤算なからんや 
0307 山風や棚田のやんま見えて消ゆ 
0308 つぶらなる汝が眼吻はなん露の秋 
0309 水仙や暮色漂ふて鯉動く 
0310 山梨熟れ穂高雪渓眉の上 
0311 竹落葉渓の苔岩乾るまなき 
0312 泪眼をほそめて花の梟かな 
0313 空を率て末ひろがりに春の川 
0314 灯してさざめくごとき金魚かな 
0315 手どりたる寒の大鯉光りさす 
0316 扇おくこゝろに百事新たなり 
0317 胴着きて興ほのかなる心かな 
0318 死ぬばかりあまく妖しき木の実かな 
0319 晒引く人涼しさを言ひ合へり 
0320 夏山の意になじみたる雲のいろ 
0321 春暁のうすむらさきに枝の禽 
0322 山火事に蔵戸ほのかや鶏謡ふ 
0323 高原の雨やむ湿気翁草 
0324 襟巻や思ひうみたる眼をつむる 
0325 杣山や鶲に煙ながれたる 
0326 をりとりてはらりとおもきすすきかな 
0327 雪中のわけてもしるき万年青の実 
0328 除夜の鐘幾谷こゆる雪の闇 
0329 花蓼のつゆに小固き草履の緒 
0330 常楽会あづまの旅に出て会へり 
0331 山寺の扉に雲遊ぶ彼岸かな 
0332 患者群れ苑のクローヴア花咲けり 
0333 谷雲に夏鶯は枝のさき 
0334 山凪ぎにこころ聾する秋日影 
0335 後山の雲を高みに虹消ゆる 
0336 日輪に消え入りて啼くひばりかな 
0337 万歳にたわめる藪や夕渡し 
0338 つゆむぐら雨ふる淵瀬たぎちけり 
0339 月光のしみる家郷の冬の霧 
0340 夏蝶のやさしからざる眸の光り 
0341 夏山や風雨に越える身の一つ 
0342 夏萩に水ゆたかなる山の池 
0343 月の輪の佗びねに光る大晦日 
0344 煮るものに大湖の蝦や夏近し 
0345 瀧おもて雲おし移る立夏かな 
0346 砂走りの夕日となりぬ富士詣 
0347 竈火赫っとただ秋風の妻を見る 
0348 寝しづみしひとの黒髪連翹忌 
0349 霜溶けの囁きを聴く猟夫かな 
0350 鶴は病み寒日あゆむことはやし 
0351 山門に赫つと日浮ぶ紅葉かな 
0352 窓開けてホ句細心や萩晴るゝ 
0353 雪山に照る日はなれて往きにけり 
0354 しめかざりして谷とほき瀑の神 
0355 深山木に雲ゆく蝉の奏べかな 
0356 岬の濤のけぞる宙の凍てにけり 
0357 新渋の一壺ゆたかに山廬かな 
0358 西霽(は)れて窓の木がくれ白椿 
0359 富士渡し姉妹の尼に浅き春 
0360 行くほどにかげろふ深き山路かな 
0361 夏菊に桑かたむきて家陰かな 
0362 花桐に草苅籠や置きはなし 
0363 ねざめよき児が透く秋の枕幃 
0364 白蓮やはじけのこりて一二片 
0365 風邪の子の餅のごとくに頬豊か 
0366 春の霜身が窶る詩を念へども 
0367 秋風や野に一塊の妙義山 
0368 雨水に杉菜ひたりて夕蛙 
0369 寒の月白炎曳いて山を出づ 
0370 一鷹を生む山風や蕨伸ぶ 
0371 月光とともにただよふ午夜の雪 
0372 山茶花に入日を惜しむ時津風 
0373 あつ過ぎる行水にさす夕日影 
0374 冷やかに人住める地の起伏あり
0375 出水川とどろく雲の絶間かな 
0376 奥嶺よりみづけむりして寒の渓 
0377 小正月寂然として目をつむる  (正月六日より流感に罹りて臥床十余日)
0378 大原や日和定まる花大根 
0379 廬の盛夏窓縦横に太き枝 
0380 落葉ふんで人道念を全うす 
0381 ふぐ食うてわかるゝ人の孤影かな 
0382 インディアン唇くれなゐに夜涼かな 
0383 うす虹をかけて暮秋の港かな 
0384 はつ嵐真帆の茜に凪ぎにけり 
0385 零余子おつ土の香日々にひそまりぬ 
0386 海に向き絶壁の凍て暁けしらむ 
0387 供花をきる盛夏のこころ澄みにけり 
0388 霜がるる萩のうら花とどまれり 
0389 夏蝶の歯朶ゆりて又雨来る 
0390 冬山に枯木を折りて音を聞く 
0391 地蜂焼く秋の崕土ぬくもりぬ 
0392 聴きとむるゆかりの宿のはつ鼓 
0393 くにはらの水縦横に彼岸鐘 
0394 蕗ひたる渦瀬にかかり鮠をつる 
0395 秋の繭しろじろ枯れてもがれけり 
0396 飼ふ雉子の鳴く音しづみて昼の虫 
0397 うらうらと旭いづる霜の林かな 
0398 ならひ吹く葬儀社の花しろたへに 
0399 たちよれば深山ぐもりに桷の花 
0400 蛇の血の水にしたゝり沈みけり 
0401 弓初め大山祗は雲かゝる 
0402 門前にそびゆる嶽や秋霞 
0403 絨毯に手籠の猫子はなたれぬ 
0404 山塊の日あたりながら霜気満つ 
0405 春愁のまぼろしにたつ仏かな 
0406 山に住み時をはかなむ春北風 
0407 大濤のとどろと星の契りかな 
0408 山國の虚空日わたる冬至かな 
0409 揚げ船に鶏鳴く磯家初凪す 
0410 牡丹しろし人倫をとく眼はなてば 
0411 丹波路やまだ夜を翔ける野分雲 
0412 大串に山女魚のしづくなほ滴るる 
0413 とり入るる柴の凍雪炉におちぬ 
0414 こころよき炭火のさまや三ヶ日 
0415 無花果を手籠に旅の媼どち 
0416 蛇穴をいでて耕す日に新た 
0417 ききとむる寒鴎のこゑ浪にそひ 
0418 天体のくらみをめでて夏帽子 
0419 手まくらにラヂオ快調蝿うまる 
0420 木瓜あかし小雨の底の市原野 
0421 いきいきと細目かがやく雛かな 
0422 秋立つや川瀬にまじる風の音 
0423 壷にさす水引草つかねあまりけり 
0424 ぺかぺかと午後の日輪常山木咲く 
0425 藁積むや冬大峰は雲の中 
0426 雲通る百姓寺の曝書かな 
0427 胡麻刈るやしばらく土の朝日影 
0428 河童に梅天の亡龍之介 
0429 深山に炭焼き暮るるひとりかな 
0430 なりふりにかまけておくる葭戸かな 
0431 秋蝉のなきしづみたる雲の中 
0432 草にねて山羊紙喰めり黄蜀葵 
0433 きさらぎの門標をうつこだまかな 
0434 秋の草まつたく濡れぬ山の雨 
0435 なやらふやこの國破るをみなこゑ 
0436 田を截つて大地真冬の鮮らしさ 
0437 晒布うてば四月の山辺応へけり 
0438 磧ゆくわれに霜夜の神楽かな 
0439 刈草に尾花あはれや月の秋 
0440 よろよろと尉のつかへる秋鵜かな 
0441 谷の戸や菊も釣瓶も霧の中 
0442 立春の雨やむ群ら嶺雲を座に 
0443 ひえびえと闇のさだまる初秋かな 
0444 関の戸や水ノ口まつる田一枚 
0445 胡瓜生るしたかげふかき花のかず 
0446 花弁の肉やはらかに落椿 
0447 山風の温微にゆるる鉄線花 
0448 鮎汲や糧を忘れし巌高き 
0449 夜にかけて卯の花曇る旅もどり 
0450 うたよみて老いざる悲願霜の天 
0451 蚊ばしらや眉のほとりの空あかり 
0452 雪片のはげしく焦土夜に入る 
0453 外濠の鴨を窗辺に年用意 
0454 鯒釣るや濤声四方に日は滾る 
0455 蛞蝓のながしめしてはあるきけり 
0456 鷹舞ふて音なき後山ただ聳ゆ 
0457 飾り臼みづの青藁仄かにも 
0458 春愁や派手いとへども枕房 
0459 ほこりだつ野路の雨あし夏薊 
0460 秋の虹ほのくらく樹をはなれけり 
0461 北風吹く葬儀社の花白妙に 
0462 くれなゐのこころの闇の冬日かな 
0463 渓の樹の膚ながむれば夏きたる 
0464 気おごりて日輪をみる冬景色 
0465 とりいでし錦繍バッグ墓詣 
0466 ころころところがる杣や茸の毒 
0467 はつはるの紋十郎にをんなの香 
0468 夜の客に翅ひびかせて秋の蝿 
0469 光陰をほづえにわする冬の鵙 
0470 あをあをと盆会の虫のうす翅かな 
0471 皹の娘のほてる手に触はられぬ 
0472 くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 
0473 初飛行つづく裏富士雲を見ず 
0474 蕎麦をうつ母に明うす榾火かな 
0475 秋暑したてゝしづくす藻刈鎌 
0476 花葛のあかるき後山驟雨すぐ 
0477 すきものの歯のきこきこと海鼠たぶ 
0478 兜虫ふみつぶされてうごきけり 
0479 八方の岳しづまりて薺打つ 
0480 雲ふかく結夏の花の供養かな 
0481 髪梳けば琴書のちりや浅き春 
0482 古き世の火色ぞ動く野焼かな 
0483 ゆづり葉に暁雲うすき山家かな 
0484 みめよくてにくらしき子や天瓜粉 
0485 麻刈つて渺たる月の渡しかな 
0486 瀾掠む微雨かがやきて夏薊 
0487 手をふれてぬくとき墓に詣でけり 
0488 たましひのたとへば秋のほたるかな 
0489 大峰を日わたりて晦き清水かな 
0490 夜の秋の雲をへだつる障子かな 
0491 暖かや仏飯につく蝿一つ 
0492 氷下魚釣獣の香をはなちけり 
0493 ちかよりて老婦親しく日向ぼこ 
0494 ふところに暮冬の鍵のぬくもりぬ 
0495 古妻や針の供養の子沢山 
0496 月光に花梅の紅触るるらし 
0497 荒潮におつる群星なまぐさし 
0498 鵜篝のおとろへて曳くけむりかな 
0499 とぢまけて春眠の眼の疲れけり 
0500 桃咲いて畦畑の麦そろひたる 
0501 孤つ家の桐葉がくりに盆燈篭 
0502 恍として高濤の月はつ昔 
0503 帰廬の雨語りもならず炉火による 
0504 星詩なきあとの郡や寒返る 
0505 百姓のみな灯をひくく春祭 
0506 羊朶もえて岩滝かけるきぎすかな 
0507 八重山をうづむる雪に機はじめ 
0508 望は翌夜空にたたむ雲の冷え 
0509 地に墜つも草にすがりて秋の蝉 
0510 いたどりに樋の水はやし雨の中 
0511 初機のやまびこしるき奥嶺かな 
0512 種芋や兵火のあとの古都の畠 
0513 マスクしてしろぎぬの喪の夫人かな 
0514 この島におなじ日輪花菜季 
0515 父祖の地に闇のしづまる大三十日 
0516 河岸船の簾にいでし守宮かな 
0517 秋鶏が見てゐる陶の卵かな
0518 針売も善光寺路の小春かな 
0519 紅梅のさきしづまりてみゆるかな 
0520 花の月全島死するごとくなり 
0521 笈磨れの尊き肩や二日灸 
0522 山柿や五六顆おもき枝の先 
0523 母の乳のしぼみ給へる種痘かな 
0524 霜降の陶ものつくる翁かな 
0525 百千鳥酣にして榛の栗鼠 
0526 醍醐より夜をとふ僧や花の冷え 
0527 雲遠き塔に上りて春をしむ 
0528 雪解や渡舟に馬のおとなしき 
0529 山寺の扉に雲あそぶ彼岸かな 
0530 吹き降りの淵ながれ出る木の実かな 
0531 耳さとくねて月遠し秋のかや 
0532 遠き瀬の緒とはなれては秋出水 
0533 乳牛に無花果熟るゝ日南かな 
0534 閑かさはあきつのくぐる樹叢かな 
0535 懐紙もてバイブルの黴ぬぐふとは 
0536 数珠の手に花種を蒔く尼ぜかな 
0537 うす箋に愁ひもつづり夏見舞 
0538 行き行きて余花くもりなき山の昼 
0539 ある夜月に富士大形の寒さかな 
0540 行水のあとの大雨や花樗 
0541 くらやみに水落つ音や大社みち 
0542 神がくれせる童を拾ふ恵方嶺 
0543 秋澄める暁雲といふものの紅 
0544 蛤や鳴戸の渦にあづからず 
0545 ひえ~と鵜川の月の巌かな 
0546 雲うらをかすむる機影鬼ゃらひ 
0547 ひぐらしの土に染み入る沼明り 
0548 白樺にとまりおよぎの秋鴉 
0549 幽冥へおつるおとあり灯取蟲 
0550 炉ほとりの甕の澄む日や十二月 
0551 日蝕にいぶかしげなる秋の軍鶏 
0552 木蓮に日強くて風さだまらず 
0553 水神をまつる日虧けて夏隣 
0554 秋の星遠くしづみぬ桑畑 
0555 水芹に雪ちる山井溢れけり 
0556 信心の母にしたがふ盆会かな
0557 人々の座に置く笠や西行忌 
0558 倒したる大樹をわたる霜の杣 
0559 秋海にたつきの舟の曇りけり 
0560 荒海の千鳥ぶちまく枯野かな 
0561 妹が腹すこし身に触り更衣 
0562 老いがたくこころにしみるはつみそら 
0563 おとのして夜風のこぼす零余子かな 
0564 菜園の暑気鬱としてふまれけり 
0565 盆市の一夜をへだつ月の雨 
0566 霜燻べ河港はひたにしづまりて 
0567 農の閑愛書ひたすら冬凪す 
0568 雨あしのさだかに萌ゆるよもぎかな 
0569 蝦夷富士は春しぐれする蝶の冷え 
0570 鶸ないてこがゑの風にかすみけり 
0571 露涼し鎌にかけたる葛の蔓 
0572 温泉の神に燈をたてまつる裸かな 
0573 鳥追や顔よき紐の真紅 
0574 春燈やはなのごとくに嬰のなみだ 
0575 吊れば鳴る明珍火箸餘寒なほ 
0576 海鳴れど艫は壁にある夜長かな 
0577 新月の環のりんりんとつゆげしき 
0578 渓声に山羊啼き榛の花垂りぬ 
0579 いとどしく星河うすれて淡路女忌 
0580 蘭しげる滝口みえて春の虹 
0581 恋めきて絨毯をふむ湯ざめかな 
0582 倒れ木を越す大勢や順の峰 
0583 こくげんをたがへず夜々の青葉木菟 
0584 霜月や大瀬にうかぶ詣船 
0585 月しろのしばらく間ある露葎 
0586 乱鶯のこゑ谷に満つ雨の日も 
0587 春隣る嵐ひそめり杣の炉火 
0588 みぞるゝや雑炊に身はあたたまる 
0589 炎天を槍のごとくに涼気すぐ 
0590 夏痩や死なでさらへる鏡山 
0591 山中の螢を呼びて知己となす 
0592 旧山河こだまをかへし初鼓 
0593 草童のちんぽこ螫せる秋の蜂 
0594 高原光地蜂焼く火のおとろへず 
0595 寒林の陽を見上げては眼をつぶる 
0596 老いそめて花見るこゝろひろやかに 
0597 繊々と樅雲を曳く十六夜 
0598 句をえらみてはちかむ死か銀懐炉 
0599 鷹翔ける影ほのかにて雪解富士 
0600 ひぐらしの鳴く音にはづす轡かな 




2019-10-03 (Thu)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その3)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その3)

0601 隠棲の藪木の啄木にゆきぐもり 0602 老の蟇ぶらさげて歩くかな 0603 よき娘きて軍鶏流眄す秋日かな 0604 昼月や雲かいくぐる山燕 0605 初山や高く居て樵る雲どころ 0606 滝風に吹かれあがりぬ石たたき0607 鷹舞うて神座の高嶺しぐれそむ 0608 初月に京女をつれて真葛原 0609 サルビヤに情熱の些も曇るなし 0610 青萱の出穂のしづかに盆の空 0611 ほたる火や馬鈴薯の花ぬるる夜...

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0601 隠棲の藪木の啄木にゆきぐもり 
0602 老の蟇ぶらさげて歩くかな 
0603 よき娘きて軍鶏流眄す秋日かな 
0604 昼月や雲かいくぐる山燕 
0605 初山や高く居て樵る雲どころ 
0606 滝風に吹かれあがりぬ石たたき
0607 鷹舞うて神座の高嶺しぐれそむ 
0608 初月に京女をつれて真葛原 
0609 サルビヤに情熱の些も曇るなし 
0610 青萱の出穂のしづかに盆の空 
0611 ほたる火や馬鈴薯の花ぬるる夜を 
0612 とくゆるく雪虫まひて蘇鉄寺 
0613 海月とり暮れ遅き帆を巻きにけり 
0614 谷梅にとまりて青き山鴉 
0615 流燈やひとつにはかにさかのぼる 
0616 歓楽の灯を地にしきて冬星座 
0617 女たるしぐさがかなしく菜を間引く 
0618 日短く棺さしのぞくうからかな 
0619 空林の霜に人生縷の如し 
0620 寺山や穂麦にたわみ竹実る 
0621 病よし日がつよすぎる夏衾 
0622 秋の蝉蟹にとられて鳴きにけり 
0623 日輪の午に入るあそび五月山
0624 聖樹灯り水のごとくに月夜かな 
0625 鬱々と蒼朮を焚くいとまかな
0626 咲きさかり落ちざる椿花荒し 
0627 月影に種井ひまなくながれけり 
0628 わらんべの溺るるばかり初湯かな 
0629 石垣や雨降りそそぐ蔦明り 
0630 にぎやかに盆花濡るる嶽のもと 
0631 葉むらより逃げ去るばかり熟蜜柑 
0632 燈籠の一つにはかにさかのぼる 
0633 橇馬の臀毛少なに老いにけり 
0634 寒の内まくらのにほひほのかなる 
0635 辣韮の花咲く土や農奴葬 
0636 熟桃の古風なる香をめづるかな 
0637 大木を見つゝ閉す戸や秋の暮 
0638 人の着て魂なごみたる春着かな 
0639 さくら餅食ふやみやこのぬくき雨 
0640 鵲の巣に白嶽の嶮かすむなし 
0641 紅爪の五指をそろえて雪見舞 
0642 霜とけの囁きをきく猟夫かな 
0643 厳寒の多少のゆるび夜の豪雨 
0644 雪ふかく蓬かざる山廬かな 
0645 三伏の月の穢に鳴く荒鵜かな 
0646 愁ふるとなくたのしまず枯れすすき 
0647 竹落葉午後の日幽らみそめにけり 
0648 雪山をゆく日とどまるすべもなし 
0649 初汐にものゝ屑なる漁舟かな 
0650 菜の花の夜目に白さや摩耶詣 
0651 谷雲にそれてながるる破魔矢かな 
0652 黒坂やしぐれ葬の一つ鐘 
0653 刈るほどにやまかぜのたつ晩稲かな 
0654 子は危篤さみだれひゞきふりにけり 
0655 婢を御してかしこき妻や蕪汁 
0656 おぼろ夜や本所の火事も噂ぎり 
0657 飯あつきにほひにむせぶたままつり 
0658 たたずみて秋雨しげき花屋跡 
0659 春の雷まひるの山を邃(ふか)うせり 
0660 山賎に葱の香強し小料理屋 
0661 夏めくや霽れ雷の一つぎり 
0662 凍揚羽翅のちぎれては梢より 
0663 山梔子に提灯燃ゆる農奴葬 
0664 写真師の生活ひそかに花八つ手 
0665 初富士や樹海の雲に青鷹 
0666 ゆかた着の帯は錦繍鵜飼船 
0667 地に近く咲きて椿の花おちず 
0668 冬川に出て何を見る人の妻
0669 凩の山に日あるや厠出て 
0670 法要の箸とる僧や雪起し 
0671 墓皆の影曳く中を参りけり 
0672 鬱々とまた爽やかに嶽の白昼 
0673 石狩の雨おほつぶに水芭蕉
0674 寒明けの幣の浸りし泉かな 
0675 ロンヂンに大根なます詩昨今 
0676 和歌の浦あら南風鳶を雲にせり 
0677 山藤の風すこし吹く盛りかな 
0678 浪々のふるさとみちも初冬かな 
0679 齢ふけて夏手袋の黒き艶
0680 淀の魚竹瓮にまよふ一つかな 
0681 きりさめや歯朶ふみいづる山男 
0682 春めきてものの果てなる空の色 
0683 草童に向日葵の顔うつろへり 
0684 山川に流れてはやき盆供かな 
0685 繭賣つて骨身のゆるむ夫婦かな 
0686 空梅雨に緋とかげしづむ拓地かな 
0687 牧婦織り帰燕すずろに鳴きにけり 
0688 案山子たつれば群雀空にしづまらず 
0689 冬の日のこの土太古の匂ひかな 
0690 朝日より夕日親しく秋の蝉 
0691 初夏のみちぬれそむ雨に桑車 
0692 こだまして昼夜をわかつ寒の渓 
0693 螽焼く燠のほこほこと夕間暮 
0694 北陵の春料峭と鳶のこゑ 
0695 山越えて来てわたる瀬や柳鮠 
0696 覇王樹の影我が影や風光る 
0697 上古より日輪炎えて土の春 
0698 日影して孔雀いろなる草の市 
0699 鴛鴦うくや林間の瀬のあきらかに 
0700 月に鳴く山家のかけろ別れ霜 
0701 登高や秋虹たちて草木濡れ 
0702 木の実だく栗鼠木がくれに秋しぐれ 
0703 ぬぎすてし人のぬくみや花ごろも 
0704 菖蒲ひく賤の子すでに乙女さび
0705 帰省子の気がやさしくて野菜とる 
0706 冬に入る真夜中あらき月の雨 
0707 雁風呂や笠に衣脱ぐ旅の僧 
0708 秋口の星みどりなる嶽の上 
0709 塵取に尚吹く風や鳥交る 
0710 月さして鴛鴦浮く池の水輪かな 
0711 花吹雪と浴びし磴高し 倉橋弘躬
0712 蓮植うやぼろ~廃つ浮御堂 
0713 花祭みづやまの塔そびえたり 
0714 大艦を撲つ鴎あり冬の海 
0715 風雨やむ寺山裏の添水かな 
0716 鈴のおとかすかにひびく日傘かな 
0717 冬日さす古金襴の匂ひかな 
0718 しほしほと飾られにけり菊雛 
0719 葱の香に夕日の沈む楢ばやし 
0720 白昼を京のかすみて添水鳴る 
0721 冴えかへる山ふかき廬の閾かな 
0722 渓沿ひにつゆくさのさく黍畑 
0723 鰻掻くや顔ひろやかに水の面 
0724 遠のきて男ばかりの田植かな 
0725 しろたへの鞠のごとくに竃猫 
0726 あら浪に千鳥たかしや帆綱巻く 
0727 盆の時化ただよふ靄のあるごとし 
0728 命尽きて薬香さむくはなれけり 
0729 秋の霜懺悔こころに郷土ふむ 
0730 窓の樹に水乞鳥や返り梅雨 
0731 一望にあらきの起伏春の霜 
0732 青草をいつぱいつめしほたる籠 
0733 山神楽冬霞みしてきこえけり 
0734 晒井にたかき樗の落花かな 
0735 梵妻を戀ふ乞食ありからすうり 
0736 夜の雲にひゞきて小田の蛙かな 
0737 おんじきの器を土に弥生尽 
0738 樹のうろの藪柑子にも実の一つ 
0739 一管の笛にもむすぶ飾りかな 
0740 きくとなく山端の風の春の蝉 
0741 寒夜読むや灯潮の如く鳴る 
0742 洗ひ馬背をくねらせて上りけり 
0743 燃えたけてほむらはなるゝ焚火かな 
0744 古き代の漁樵をおもふ霞かな 
0745 山柿のひと葉もとめず雲の中 
0746 鼈をくびきる夏のうす刃かな
0747 落葉松に峡田のすきて目借時 
0748 死病えて爪うつくしき火桶かな 
0749 炭馬の運命をしりてあるきけり 
0750 やまびとや採りもつ歯朶も一とたばね 
0751 解氷期クラブの緑樹灯にあふる 
0752 採る茄子の手籠にきゆァとなきにけり 
0753 松伐りし山のひろさや躑躅咲く 
0754 山の春神々雲を白うしぬ 
0755 風だちし弓張月を春の炉に 
0756 老いそめし己れをしりて花壇ふむ 
0757 温泉ちかき霽れまの樺に秋の蝉 
0758 夏よもぎ急雨香だちて降りにけり 
0759 苗代に月の曇れる夜振かな 
0760 ありあはす山を身近かに今日の月 
0761 はなやぎて煙れる注連や竃神 
0762 木戸出るや草山裾の春の川 
0763 えびづるのここだく踏まれ荼毘の径 
0764 破魔弓や山びこつくる子のたむろ 
0765 瀬をあらびやがて山のすほたるかな 
0766 桐一葉咫尺すおとの真暗がり 
0767 旧山廬訪へば大破や辛夷咲く 
0768 秋耕のみち通じたる山泉 
0769 友情をこころに午後の花野径 
0770 空也忌の魚板の月ぞまどかかな 
0771 猟の音雪にきこえて山泉 
0772 夏山の又大川にめぐりあふ 
0773 旅人に遠く唄へり蓴採 
0774 誰彼もあらず一天自尊の秋
0775 寒潮の濤の水玉まろびけり 
0776 藍藍と五月の穂高雲をいづ 
0777 後山に葛引きあそぶ五月晴
0778 山桜桃熟れ老農夙に畦をぬる 
0779 鉄皿に葉巻のけむり梟の夜 
0780 たまきはるいのちにともるすずみかな 
0781 鴨もろく飛雪に遠く撃たれけり 
0782 三月の雲のひかりに植林歌 
0783 刈田遠くかゞやく雲の袋かな 
0784 濁り江や茂葉うつして花あやめ 
0785 新月に花をひそめし苜蓿 
0786 水月に雨がきらりと枯れ蓮 
0787 高潮の雁行月にしづみけり 
0788 夕風や垂穂にあるく片鶉 
0789 竹林に透く日となりし茶山かな 
0790 朝曇り墓前の土のうるほひぬ 
0791 初霜や湖に青藻も霧がくれ 
0792 雪見酒一とくちふくむほがひかな 
0793 布團たゝむ人を去来す栄華かな 
0794 春分を迎ふ花園の終夜燈 
0795 遺児の手のかくもやはらか秋の風 
0796 大江戸の街は錦や草枯るる
0797 書初や草の庵の紅唐紙 
0798 草の香に南蛮熟るる厄日明け 
0799 はつかすみして苑の巌またねむる 
0800 緑金の虫芍薬のたゞなかに 
0801 冬水や古瀬かはらずひとすぢに 
0802 元日や前山颪す足袋のさき 
0803 桔梗やまた雨かへす峠口 
0804 凍空の鳴らざる鐘を仰ぎけり 
0805 雨あしの広場にしぶきユッカ咲く 
0806 日も月もわたりて寒の闇夜かな 
0807 くちつけてすみわたりけり菖蒲酒 
0808 この蒲團熱冷えて死ぬ己れかな 
0809 かたつむり南風茱萸につよかりき 
0810 ぱらぱらと日雨音する山椿 
0811 山池のそこひもわかず五月雨るゝ 
0812 埃りだつ野路の雨あし夏薊 
0813 叔母逝いてかるき悼みや若楓 
0814 花よりも水くれなゐに洫の木瓜 
0815 餅花に髪ゆひはえぬ山家妻 
0816 月光のしたたたりかかる鵜籠かな 
0817 ゆく年の雪に手燭の油煙たつ 
0818 廊わたる尼袖あはせ若楓 
0819 月光に燭爽かや灯取虫 
0820 雪をゆく二押し三押し猫車 
0821 神の梅寒雲は夜もほのかなる 
0822 棕櫚さきて夕雲星をはるかにす 
0823 露晴るるほすすきの金ただにゆれ 
0824 掃き了へて落葉をとむる箒かな 
0825 潰えゆく藁火にひしと寒の闇 
0826 壷にして葉がちに秋の山あざみ 
0827 稲雀大菩薩嶺はひるかすむ 
0828 無花果にゐて蛇の舌見えがたし 
0829 三日月に清宵の鷺すごもりぬ 
0830 楡がくり初夏の厨房朝焼す 
0831 芥火に沈丁焦げぬ暮の春 
0832 裏富士のすそ野ぐもりに別れ霜 
0833 梨むくや故郷をあとに舟下る 
0834 水浴に緑光さしぬふくらはぎ 
0835 炭賣の娘のあつき手に触りけり 
0836 老鶯に谷ひえびえとこだましぬ 
0837 身にしむや白手套をみるにつけ 
0838 深山の風にうつろふ既望かな 
0839 腹這ひにのみて舌うつ飴湯かな 
0840 寒禽を捕るや冬樹の雲仄か 
0841 蔦の芽の風日にきざす地温かな 
0842 神鎮む大嶺の靄にはつ詣 
0843 風鐸のかすむと見ゆる塔庇 
0844 こしかけて山びこのゐし猿茸 
0845 比良よぎる旅をつづけて盆の東風 
0846 つりそめて水草の香の蚊帳かな 
0847 高西風に山桐の蟲音をたえず 
0848 山こえてきてわたる瀬や柳鮠 
0849 夏川や砂さだめなき流れ筋 
0850 雛の日や遅く暮れたる山の鐘 
0851 かりそめに灯籠おくや草の中 
0852 吾子に購ふ鉢鬼灯のゆれあへり 
0853 穴さむく土音のして牛蒡ほる 
0854 繭玉に燈明の炎を感じけり 
0855 中央寺院の天にてりて柳絮とぶ  (哈爾賓にて)
0856 天一物も与ふなきこの冬日影 
0857 雪山の夕かげふみて猟の幸 
0858 ふもと井や湯女につまるる鴨足草 
0859 地の靄に花は疎なりき枝垂れ桃 
0860 なつまけの足爪かゝる敷布かな 
0861 幻燈の別に映る灯夜の凍て 
0862 鎌かくる露金剛のあかざかな 
0863 夏に入る喬樹の大枝見えにけり 
0864 いかなこと動ぜぬ婆々や土用灸 
0865 伯母逝いてかるき悼みや若楓 
0866 夏雲むるるこの峡中に死ぬるかな 
0867 畑耕すにはあらねども菜を間引く 
0868 鉄塔下くさむら夏のにほひかな 
0869 温石の抱き古びてぞ光りける 
0870 雲に啼き西湖にうつるひばりかな 
0871 耕耘にくもるつゆくさ瑠璃あせず 
0872 浪花女の夏風邪ひいて座に耐へぬ 
0873 滝尻の渦しづかにて雪の中 
0874 落葉踏んで人道念を全うす 
0875 蝉おちて鼻つく秋の地べたかな 
0876 早乙女や神の井をくむ二人づれ 
0877 鵜かがりのおとろへてひくけむりかな 
0878 時のかなた昇天すもの日のはじめ 
0879 高原の秋惜しむ火や土蜂焼く 
0880 帰省子にその夜の故園花幽き 
0881 翁草日あたりながら春驟雨 
0882 はや秋の思ひのなかにあり 松村蒼石
0883 空は北風地にはりつきて監獄署 
0884 鈴蘭の香強く牀に置きがたし 
0885 かりくらに鳶ひるがへる焚火かな 
0886 洟かんで耳鼻相通ず今朝の秋 
0887 あるときは雨蕭々と冬いちご 
0888 白菊のあしたゆふべに古色あり 
0889 一瞬時地上に芋の茎かわく 
0890 夜風たつ菊人形のからにしき 
0891 初弓や遠く射かけてあやまたず 
0892 寒中の風鈴が鳴る四温かな 
0893 耕のせか~するよ道境ひ 
0894 花卯木水模糊として舟ゆかず 
0895 後山の月甕のごとし初昔 
0896 花の風山蜂高くわたるかな 
0897 春袷人中に眼を偸み見る 
0898 解夏草をむすびてかたし観世経 
0899 老鶴の天を忘れて水温む 
0900 大原のとある農家の羽子日和 




2019-10-03 (Thu)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その4)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その4)

0901 冬水の韻きにそひて墓畔ゆく 0902 入梅や墓さむげなる竹のつゆ 0903 菜園やつぶさにしげきちちろ虫 0904 夏旅や温泉山出てきく日雷 0905 腰縄の刀いかつくて鮑取 0906 水替へて鉛のごとし金魚玉 0907 山平老猿雪を歩るくなり 0908 花ちりて秋暑に耐へぬ山の百合 0909 門松や雪のあしたの材木屋 0910 太祇忌や秋の湖邊の蒲焼屋 0911 雲井なる富士八朔の紫紺かな 0912 ...

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0901 冬水の韻きにそひて墓畔ゆく 
0902 入梅や墓さむげなる竹のつゆ 
0903 菜園やつぶさにしげきちちろ虫 
0904 夏旅や温泉山出てきく日雷 
0905 腰縄の刀いかつくて鮑取 
0906 水替へて鉛のごとし金魚玉 
0907 山平老猿雪を歩るくなり 
0908 花ちりて秋暑に耐へぬ山の百合 
0909 門松や雪のあしたの材木屋 
0910 太祇忌や秋の湖邊の蒲焼屋 
0911 雲井なる富士八朔の紫紺かな 
0912 さるほどにしどみ咲く地のあをみけり 
0913 水あかり蝸牛巌を落ちにけり
0914 冬耕の婦がくづをれてだく児かな 
0915 はせを忌や月雪二百五十年 
0916 しつけ糸ふくむ愛憐秋袷 
0917 思想ありけさ春さむの眼をみはる 
0918 夕虹に蜘蛛のまたげる青すすき 
0919 雪の香に炉辺の嬰児を抱きて出ぬ 
0920 はかなきは女人剃髪螢の夜 
0921 後山の葛引きあそぶ五月晴 
0922 雪どけや渡舟に馬のおとなしき 
0923 蓮枯れて晴れのむら雲姫路城 
0924 残雪を噛んで草つむ山の子よ 
0925 万寿山仲春にしてリラの雨 
0926 鯵釣や帆船にあひし梅雨の中 
0927 山脈に富士のかくるる暮春かな 
0928 空だきに月さす松のすいとかな 
0929 昼雨に玉蜀黍畑のきりぎりす 
0930 槻たかく鳳蝶上る土用明け 
0931 眼をほそめ頸をすくめてシヨールきる 
0932 わが浴むたくましき身に夏の空 
0933 山水に夏めく蕗の広葉かげ 
0934 送行の雨又雲や西東 
0935 舟をりをり雨月に舳ふりかへて 
0936 寝食のほかはもろとも春しぐれ 
0937 菜園の夜露あきらか山日待 
0938 白日傘睫毛を上げて驚きぬ 
0939 かりがねに乳はる酒肆の婢ありけり 
0940 溪水に雨つゆ滴るつるもどき 
0941 ふた親のなみだに死ぬ子明け易し 
0942 香じゅ散保養の月におこたりぬ 
0943 ほたる火を叩みてきたる河童子 
0944 爪もろく剪るに甲斐なし冬籠 
0945 奥山の寒蝉月になきにけり 
0946 枯萩や忙しき針に情夫無し 
0947 冬の蟇川にはなてば泳ぎけり
0948 青梅のおちゐて遊ぶ精舎の地 
0949 雲に古る扉の花鳥彼岸寺 
0950 渓梅にとまりて青き山鴉 
0951 秋蝿もとびて大堰の屋形船 
0952 秋爽の地におりたちし身のひとつ 
0953 積雪に月さしわたる年の夜 
0954 獏まくらわりなき仲のおとろへず 
0955 松過ぎの後山に淀む炭煙り 
0956 暁くらく春雪樹々をおほひけり 
0957 みにしみてつめたきまくらかへしけり 
0958 紫蘇の葉や裏ふく風の朝夕べ 
0959 夏来れば夏をちからにホ句の鬼 
0960 石山の驟雨にあへる九月かな 
0961 ころもより僧の布施透く盆会かな 
0962 春もやや光りのよどむ宙のさま 
0963 書樓出て日寒し山の襞を見る 
0964 ゆく水に暮春の墓のうつりけり 
0965 凍てゆるむ麦生畠の早桃はも 
0966 ぎんねずに朱ヶのさばしるねこやなぎ 
0967 黍熟れて刈敷の萱穂にいでぬ 
0968 閨怨のまなじり幽し野火の月
0969 はなびらの肉やはらかに落椿 
0970 眞澄みなる苗田の水に鎌研げる 
0971 炭竈や春頼母しく峯の松 
0972 川波の手がひらひらと寒明くる 
0973 山中の巌うるほひて初しぐれ 
0974 観瀑の月いやたかくなりにけり 
0975 邯鄲や日のかたぶきに山颪 
0976 一二泊して友誼よき褞袍かな 
0977 なまなまと白紙の遺髪秋の風 
0978 洞然と白昼の庭梅もどき 
0979 ひらひらと蛭すみわたる種井かな 
0980 啄木鳥に日和さだまる滝の上 
0981 ゆく春や流人に遠き雲の雁 
0982 夢さめてただ青ぬたの古草廬 
0983 風鈴の夜陰に鳴りて半夏かな 
0984 雲はやしあだかも文月七日の夜 
0985 ほそぼそと月に上げたる橇の鞭 
0986 春かへるやま川機婦にかなでけり 
0987 春北風白嶽の陽を吹きゆがむ 
0988 ころがりてまことに粗なる落葉籠 
0989 雪光に炎ばしる猟の大焚火 
0990 墓濡れて桐咲くほどの地温あり 
0991 涸れ滝へ人を誘う極寒裡 
0992 冬ふかく風吹く大地霑へり 
0993 樺の咲く山なみ低くどこまでも 
0994 後山の虹をはるかに母の佇つ 
0995 地靄してこずゑにとほく春鶫 
0996 梅若忌日もくれがちの鼓かな 
0997 山川をながるる鴛鴦に松すぎぬ 
0998 かけ橋やいざよふ月を水の上 
0999 潮ゆたにもぐりし蜑や油照り 
1000 後山の蘭にあそびて梅佳節 
1001 ちかよりて踏ままく止むやけむり茸 
1002 しばぐりのいろづくほどにいがの数 
1003 雨やんで巌這ふ雲や山帰来 
1004 樺嵐嶺々をつらねて養花天 
1005 初潮にものの屑なる漁舟かな 
1006 旅名残り雲のしかかる立夏かな 
1007 盆波やいのちをきざむ崕づたひ 
1008 蜂とぶや鶴のごとくに脚をたれ 
1009 海凪げるしづかさに焼く栄螺かな 
1010 わが事に妻子をわびる冬夜かな 
1011 山墓に薄暑の花の鬱金かな 
1012 わらべらに天かがやきて花祭 
1013 ひたひたと寒九の水や厨甕 
1014 老ぼれて子のごとく抱くたんぽかな 
1015 金輪際牛の笑はぬ冬日かな 
1016 十月の日影をあびて酒造り 
1017 打水のころがる玉を見て通る 
1018 たましひのしづかにうつる菊見かな 
1019 健康のもつともセルに勝れけり 
1020 夜々むすぶ夢の哀艶きくまくら 
1021 遺児と寝て一と間森ンたる冬座敷 
1022 汗の吾子ひたすらにわが眼を追へり 
1023 なきひとのおもかげにたつ麦青し 
1024 ハープひく漁港の船の夏至白夜 
1025 渓下る大揚羽蝶どこまでも
1026 春蘭の花とりすつる雲の中 
1027 四ツ橋やどろ舟遅々とはるの昼 
1028 冬の果蒲団にしづむ夜の疲れ 
1029 手毬つく唄のなかなるお仙かな 
1030 初栗に山上の香もすこしほど 
1031 山塊にゆく雲しろむ秋思かな 
1032 虫絶えて冬高貴なる陽の弱り 
1033 甘藍の玉つきそめて郭公啼く 
1034 太刀のせてあはれさかへる衾かな 
1035 雪解けぬ跫音どこへ出向くにも 
1036 火山湖にとほく小さき皐月富士 
1037 寒明けし月ややひずむ旧山河 
1038 秋蛍夕ひと刻のものあはれ 
1039 初蝉に忌中の泉くみにけり 
1040 生き疲れただ寝る犬や夏の月 
1041 大揚羽娑婆天国を翔けめぐる 
1042 秋の闇したしみ狎れて来たりけり 
1043 手花火のほをつぐまなと思ひけり
1044 久遠寺へ閑な渡しや雉子の声 
1045 夜あらしのしづまる雲に飛燕みゆ 
1046 水の日に浮きてゆられぬ藻掻竿 
1047 啓蟄の夜気を感ずる小提灯 
1048 ぱつぱつと紅梅老樹花咲けり 
1049 雨に剪つて一と葉つけたる葡萄かな 
1050 ほたる火のくぐりこぼるる八重むぐら 
1051 あかあかと白樺を透く雪解川 
1052 料峭と鵯ひそかなる渓の梅 
1053 雷やみし合歓の日南の旅人かな 
1054 冬空や大樹暮んとする静寂 
1055 高西風に吹かれて飄と岩魚釣 
1056 流觴の鳥ともならず行方かな 
1057 鯖釣や夜雨のあとの流れ汐 
1058 萩紫苑瑠璃空遠く離れけり 
1059 一片の葉の真青なる柚の実かな 
1060 炉をひらく火の冷え~と燃えにけり 
1061 冬凪ぎにまゐる一人や山神社 
1062 玉虫の死にからびたる冬畳 
1063 ひぐらしのこゑのつまづく午後三時 
1064 たちいでて年浪流る夜の天 
1065 竃火赫つとただ秋風の妻をみる 
1066 合歓を巻く蛇を見かけぬ茸狩 
1067 卓の果てに明治のランプ冬座敷 
1068 牧へとぶ木の葉にあらぬ小禽かな 
1069 大榾火煙らはで炎のあるきゐる 
1070 春立つや鹿島浦曲の小家がち 
1071 ふんべつをこゝろに春の夜宴行 
1072 葉がくれに水蜜桃の臙脂かな 
1073 二三顆のあけびさげたる岩魚釣 
1074 虹に啼き雲にうつろひ夏雲雀 
1075 おもかげを児にみる露の日夜かな 
1076 切株において全き熟柿かな
1077 われを視る眼の水色に今年猫 
1078 凍光に方針の刻ペチカもゆ 
1079 戸袋にあたる西日や竹植うる 
1080 人かげにうりばえさとく夏の露 
1081 萱草の芽に雨しみる田経かな 
1082 えんやさと唐鍬かつぐ地蜂捕 
1083 梓川風波だちて残花ちる 
1084 ありあけの月をこぼるゝ千鳥かな 
1085 はたと合ふ眼の悩みある白日傘 
1086 雪やみて山嶽すわる日の光り 
1087 馬の耳うごくばかりや花曇り 
1088 深山路に雲ふむ尼僧孟蘭盆会 
1089 日触の大露ふみて草刈女 
1090 師をしたふこゝろに生くる卯月かな 
1091 草木瓜にかげろふたつや埴輪より 
1092 苔咲いて雨降る山井澄みにけり 
1093 炉火ぬくく骨身にとほる寝起きかな 
1094 風の吹く弓張月に春祭 
1095 山風にながれて遠き雲雀かな 
1096 峯の火のけむらずもゆる爽気かな 
1097 蓑を着てみのむしうごく空明り 
1098 花桃の蕊をあらはに真昼時 
1099 新緑の風にゆらるるおもひにて 
1100 秋風やいのちうつろふ心電図 
1101 曳き水の野路よこぎりて稲みのる 
1102 朴の葉や秋天高くむしばめる 
1103 極寒のちりもとどめず巌ふすま 
1104 更衣爬虫のいろに蜂腰(すがるごし) 
1105 よるべなく童女のこゑの日々寒し 
1106 竜胆をみる眼かへすや露の中 
1107 新年のゆめなき夜をかさねけり 
1108 おく霜を照る日しづかに忘れけり 
1109 春は夜風四段五段と吹きにけり 
1110 花薊露珊々と葉をのべぬ 
1111 万緑になじむ風鈴夜も昼も 
1112 帷子や汗ひえびえと座にたゆる 
1113 古駅や塀沿ひ曲る蛭の川 
1114 嬰児だいてさきはひはずむ初月夜 
1115 白靴に岩礁はしる潮耀りぬ 
1116 山柿の一葉もとめず雲の中 
1117 大峰の月に帰るや夜学人
1118 秋風や眼前湧ける月の謎
1119 初年の雲ゆく瀑のみゆるかな 
1120 女人の香亦めでたしや老の春 
1121 山中の蛍を呼びて知己となす 
1122 ふるさとの雪に我ある大炉かな 
1123 門畑に牛羊あそぶ社日かな 
1124 人遠く胡麻にかけたる野良着かな 
1125 汗疹して娘は青草のにほひかな 
1126 御嶽の雲に真つ赤なおそ椿 
1127 葦の水真澄みに杉菜涵りけり 
1128 見下して滝つぼ深き冬木かな 
1129 夏至の雨娘ひとり舟ただよはす 
1130 ゆふかげの身にしむ花卉のほとりかな 
1131 雪晴れて我が冬帽の蒼さかな 
1132 揚羽とぶ花ぬれてゐるむぐらかな 
1133 身のしゞに越瓜を匍ふちゝろむし 
1134 すたすたと宵闇かへる家路かな 
1135 草籠の蔭に雉子や春の山 
1136 とぶなべに影ほのかなる瓜の虫 
1137 こだまする後山の雪に豆を蒔く 
1138 原爆忌人は孤ならず地に祈る 
1139 やまみづの珠なす蕗の葉裏かげ
1140 小野の鳶雲に土りて春めきぬ 
1141 肩寄せての国の山眠る 安斎郁子
1142 郷の地を一途にふみて春暑き 
1143 行水や盥の空の樅の闇 
1144 夏山や又大川にめぐりあふ 
1145 冷え冷えと闇のさだまる初秋かな 
1146 短日のはや秋津嶋灯しけり 
1147 墨するや秋夜の眉毛うごかして 
1148 みだれたる秋鵜の羽のしづくかな 
1149 饗宴の灯にとぶ虫や菊膾 
1150 春耕の子をいたはりて妻老いぬ 
1151 白猫の見れども高き帰燕かな 
1152 菊畑や大空菊の気騰る 
1153 老の愛水のごとくに年新た 
1154 秋の風富士の全貌宙にあり 
1155 津軽よりうす霧曳きて林檎園 
1156 時雨霽れ香椎の宮で見る帆かな 
1157 春仏石棺の朱に枕しぬ 
1158 ましろにぞをとめがてどるかがみもち 
1159 秋晩く雲に紅さす巽空 
1160 高浪もうつりて梅雨の掛け鏡 
1161 土の香のなにかたのしく翁草 
1162 苅籠やわけて虎杖いさぎよし 
1163 酪農の娘が恋しりて初日記 
1164 正月の油を惜しむ宮の巫女 
1165 火なき炉の大いさ淋し春の宿 
1166 地靄たつ青なんばんの名残り花 
1167 双燕の啼き交ふあふち花ざかり 
1168 八方に秋嶽そびえ神祭 
1169 新月や掃きわすれたる萩落葉 
1170 あるときは春潮の鴎眞一文字 
1171 ゑのこ草風雨あとなく曲りけり 
1172 向日葵の葉にとぶ蝿や南風 
1173 春の夜をはかなまねども旅の空 
1174 如月の大雲の押す月夜かな 
1175 冬鵙のゆるやかに尾をふれるのみ 
1176 赤貧にたへて髪梳く霜夜かな 
1177 ゆく春や僧に鳥啼く雲の中 
1178 いわし雲大いなる瀬をさかのぼる 
1179 秋雨や田上のすゝき二穂三穂 
1180 画廊出て夾竹桃に磁榻ぬる 
1181 雲うすく夏翳にじむお花畠 
1182 つゆさむやすこしかたむく高峯草 
1183 凍て街路ちらばる命拾ひあふ 
1184 月いでて見えわたりたる梅雨入かな 
1185 早蕨や風の蝶とぶ二子山 
1186 後架灯おくやもんどりうちて金亀子 
1187 貝寄や南紀の旅の笠一つ 
1188 父と疎く榾焚く兄の指環かな 
1189 明けのこる霧に羽うちて川鴉 
1190 蔬菜園朝虹たちて花いちご 
1191 雪山のそびえ幽らみて夜の天 
1192 冬といふもの流れつぐ深山川 
1193 凪ぎわたる地はうす眼して冬に入る 
1194 星合の後山を拂ふ巽風 
1195 荒れなぎて囲の蜘蛛黄なる山泉 
1196 爽かに日のさしそむる山路かな 
1197 木瓜噛むや歯の尖端に興動く 
1198 三日月にとりわすれたる卵かな 
1199 六月の人居ぬ山の大平ら 
1200 ひと燃やし初山けむりいちはやく 



2019-10-03 (Thu)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その5)

2019/10/03 飯田蛇笏 俳句集成(その5)

1201     空ふかく蝕ばむ日かな竹の秋  1202     爪かけて木原の斜陽冬深む 1203     山の霧罩めたる柿の雫かな 1204     抱き納む屍は冷くて夏暁かな 1205     太箸やいただいて置くしづごころ 1206     虫の夜の更けては葛の吹きかへす  1207     滋賀の雨...

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1201    
空ふかく蝕ばむ日かな竹の秋 
1202    
爪かけて木原の斜陽冬深む
1203    
山の霧罩めたる柿の雫かな
1204    
抱き納む屍は冷くて夏暁かな
1205    
太箸やいただいて置くしづごころ
1206    
虫の夜の更けては葛の吹きかへす 
1207    
滋賀の雨花菜つづきに竹の秋
1208    
滝川に吹かれあがりぬ石たたき
1209    
人妻よ薄暑の雨に葱や取る
1210    
草庵の壁に利鎌や秋隣
1211    
文月や田伏の暑き仮り厠
1212    
寒流の奥嶽を去る水けむり
1213    
とび梅にうすもやこめし山社
1214    
蛞蝓のはかなき西日青胡桃
1215    
今日もはく娑婆苦の足袋の白かりき
1216    
乳を滴りて母牛のあゆむ冬日かな
1217    
桑の実に顔染む女童にくからず
1218    
鯉つづきめぐりて野山錦せり
1219    
薺つむかたびらゆきのふまれけり
1220    
はつ汐にものの屑なる漁舟かな
1221    
白梅のさかりの花片まへるあり
1222    
大秋と謂ひ早世す曼珠沙華
1223    
春の星戦乱の世は過ぎにけり
1224    
太祗忌や秋の湖辺の蒲焼屋
1225    
秋しばし寂日輪をこずゑかな
1226    
父逝くや凍雲闇にひそむ夜を
1227    
或夜月に富士大形の寒さかな
1228    
月に眠る峰風強し葱を盗る
1229    
蕎麦さきて機影あしたの雲にみゆ
1230    
身延山雲靆く町の睦月かな
1231    
炎天の山に対へば山幽らし
1232    
秋の蜂巣をやく土にころげけり
1233    
うまいものをやればみてゐるとかげかな
1234    
みちばたの墓に落花す風のまま
1235    
炉におちしちちろをすくふもろ手かな 
1236    
山椒の雨あきらかに実のそみぬ
1237    
日影して脈ふとき鶏や芹の水
1238    
山泉橿鳥蔓の実を啄めり
1239    
明月に馬盥をどり据わるかな
1240    
槍の穂に咎人もなし秋の風
1241    
温泉山みち賤のゆき来の夏深し
1242    
福鍋に耳かたむくる心かな
1243    
いんぎんにことづてたのむ淑気かな
1244    
むらさきのこゑを山辺に夏燕
1245    
たかどのに唯ある春の炬燵かな
1246    
刈草のしどみつぶらに露しめり 
1247    
折りとりてはらりとおもき芒かな
1248    
富士垢離のほそほそ立つる煙かな
1249    
新藁の香のこのもしく猫育つ 
1250    
柳絮おふ家禽に空は夕焼けぬ
1251    
夜の秋や轡かけたる厩柱 
1252    
翠黛に雲もあらせず遅ざくら 
1253    
炉をきつて出るや椿に雲もなし
1254    
ゆく水に紅葉をいそぐ山祠
1255    
うす靄をこめて菜園夏ふかむ
1256    
花菜かげ蝶こぼれては地にはねぬ
1257    
温泉けむりに別府は磯の余寒かな
1258    
山川は鳴り禽猛く胡桃熟る
1259    
高西風に秋たけぬれば鳴る瀬かな
1260    
春浅き灯を神農にたてまつる 
1261    
ゆすらとる童に山鵲は揺曳す
1262    
国葬の夜を厨房のほたるかご
1263    
炉火たのし柴もて鍋の芋さしぬ
1264    
唐黍をつかみてゆるる大鴉
1265    
夜をこめて東風波ひゞく枕かな 
1266    
神農祭聖らなる燈をかきたてぬ
1267    
桃青忌夜は人の香のうすれけり
1268    
六波羅へぼたん見にゆく冬至かな
1269    
夏山辺あかつきかけて夜鷹啼く
1270    
秋風やみだれてうすき雲の端
1271    
山国の虚空日わたる冬至かな
1272    
雲を出て青鷹北に狩の場
1273    
あきつとぶ白樺たかき夕こずゑ
1274    
涙ぐむしなあえかなる雪眼かな
1275    
冬日影人の生死にかかはらず
1276    
山霧に蜻蛉いつさりし干飯かな
1277    
厳冬の僧餉をとりて歯をみせず
1278    
春たつや山びこなごむ峡つゞき
1279    
寒雁のつぶらかな声地におちず
1280    
花びらの肉やはらかに落椿
1281    
白樺の大露に咲く鳥兜
1282    
野いばらの青むとみしや花つぼみ 
1283    
仏壇や夜寒の香のおとろふる 
1284    
雁ゆきてべつとりあをき春の山
1285    
橡の実の山川まろぶひとつかな
1286    
山雪に焚く火ばしらや二月空
1287    
秋の雲しろじろとして夜に入りし
1288    
灯をはこぶ湯女と戦ぐ樹夏のあめ
1289    
彼岸会の故山邃まるところかな
1290    
山風にゆられゆらるゝ晩稲かな
1291    
灯をかゝげ寒機月になほ織りぬ
1292    
大旱血を曳く蛭のしづみをり 
1293    
忌へ連れて雲水飄と寒日和
1294    
河童忌あまたの食器石に干す
1295    
豌豆の咲く土ぬくく小雨やむ
1296    
雨ふれば瀬はやくすみてくづれ簗
1297    
秋めくと日影ふまるる八重山路
1298    
おしなべて懈怠の山河燕来る
1299    
山寺や高々つみてお年玉 
1300    
悔いもなく古年うせる侘寝かな
1301    
窖ちかく雪虫まふやのべおくり 
1302    
しづかさや日盛りの的射ぬくおと
1303    
新雪に出て橇犬のふる尾かな
1304    
竹の実に山寺あさき日ざしかな
1305    
山桑の花ひたにぬれ春驟雨
1306    
貧農のこばなしはずむ囲炉裏かな
1307    
刈草の櫨子つぶらに露しめり
1308    
月いでて冬耕の火をかすかにす
1309    
炉がたりも気のおとろふる三日かな
1310    
山桐の葉を真平らにつゆしぐれ
1311    
上布着て媼肥えしたる尼の膝
1312    
埋火に妻や花月の情鈍し
1313    
秋さむや瑠璃あせがたき高峯草
1314    
山びこのひとりをさそふ栗拾ひ
1315    
風あらぶ臥待月の山湯かな
1316    
死骸や秋風かよふ鼻の穴
1317    
地蔵盆負ふ児曳く児に蛍籠
1318    
田水満ち日いづる露に蛇苺
1319    
葬人の歯あらはに哭くや曼珠沙華
1320    
野分つよし何やら思ひのこすこと
1321    
霊芝とる童に雲ふかき甌窶かな
1322    
眼がみえぬ人の夜を澄む寒さかな
1323    
束の間の林間の日や茎洗ふ
1324    
昨今の心のなごむ褞袍かな
1325    
春星のあたりの夜気の鮮しき
1326    
林間の篠分くる瀬の氷りけり 
1327    
萬緑に滲みがたくしてわかかへで
1328    
春あつく旅人づれの肉を焼く
1329    
これやこのつむりめでたき野良蚕 
1330    
郁子いけて白蚊帳秋となりにけり
1331    
水洟や喜劇の灯影頬をそむる
1332    
野ざらしも波がくれなる秋出水
1333    
うばたまの夜学の窓をあけし儘
1334    
伊達の娘がみて通りたる社会鍋
1335    
クロス垂る市場の婆々も聖週間
1336    
相まみえざりしや草の花 毛呂刀太郎
1337    
めづらしやしづく尚ある串の鮎
1338    
ばさ~と秋耕の手の乾きけり
1339    
山川のとどろく梅を手折るかな
1340    
ほとびては山草を這ふ梅雨の雲
1341    
つらなりて雪嶽宙をゆめみしむ
1342    
はしり火に茶棚のくらし冬隣
1343    
昼月に垂り枝のゆれて冬桜
1344    
軒菖蒲庭松花をそろへけり
1345    
向日葵や炎夏死おもふいさぎよし




【飯田蛇笏データ】


格調高 俳人 飯田蛇笏
https://www.pref.yamanashi.jp/koucho/fureai/documents/vol28-14-15.pdf


「なきがらや秋風かよふ鼻の穴」100発問
http://www.tos-land.net/teaching_plan/contents/14014?print=true


ふらんす堂
飯田蛇笏
http://furansudo.com/archives/188


山廬文化振興会
https://www.sanrobunka.com/blank-5


~山廬文化振興会の役割について~
https://www.yafo.or.jp/2015/02/27/2543/


蛇笏の俳諧堂復元へ
https://densho-sha.co.jp/furubi/appreciation/dakotsu





2019-10-03 (Thu)

2019/10/03 日記  蛇笏忌

2019/10/03 日記  蛇笏忌

2019/10/03 (木) 旧暦: 9月5日 祝日・節気:  日出: 5時36分 日没: 17時23分 月出: 10時19分 月没: 20時41分 月齢: 4.36 干支: 癸酉 六曜: 先勝 九星: 六白金星今日のあれこれ: 蛇笏忌「鳥海山 紅葉空撮 2018.」https://youtu.be/Fn17QCqjA6M『蛇笏忌: 山廬忌  仲秋俳人・飯田蛇笏(明治十八年四月二十六日生~昭和三十七年十月三日没)の忌日で、秋の季語。蛇笏は現在の山梨県笛吹市境川町に生まれ、早稲田...

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2019/10/03 (木) 旧暦: 9月5日 祝日・節気:  日出: 5時36分 日没: 17時23分 月出: 10時19分 月没: 20時41分 月齢: 4.36 干支: 癸酉 六曜: 先勝 九星: 六白金星


今日のあれこれ: 蛇笏忌


「鳥海山 紅葉空撮 2018.」

https://youtu.be/Fn17QCqjA6M



『蛇笏忌: 山廬忌

  仲秋

俳人・飯田蛇笏(明治十八年四月二十六日生~昭和三十七年十月三日没)の忌日で、秋の季語。
蛇笏は現在の山梨県笛吹市境川町に生まれ、早稲田大学在学時代に小説や詩、俳句に多才を発揮。
帰郷後、俳句に専念し高浜虚子の「ホトトギス」で活躍。
格調高い俳風で立句の名手と言われた。「雲母」を主宰した。』
(季語と歳時記)



蛇笏忌の俳句:


・蛇笏忌の雲とあそべる深空かな  井上静川


・山を仰げば蛇笏忌の霧しづく  鷲谷七菜子


・蛇笏忌の山越す風の中に立つ  広瀬澄江



今日は蛇笏忌。
飯田蛇笏は、1962(昭和37)年10月3日、77歳で没した。

大正から昭和前期にかけて、活躍した俳人なので、最近はあまり注目される俳人ではないような気がする。

しかし、その句は古臭いものではなく、格調の高さがあり、もっと読まれても良い俳句世界だと思う。

俳句界の中での評価は高いからか、蛇笏忌の句はそれなりにある。

例句は、蛇笏が生きた自然。
観念的なイメージの自然ではなく、厳として目の前に在る自然の中に、蛇笏忌を置いている。

山、空、雲、風の中に生きることは、その事自体が祝福であるという日。



【データ】

飯田蛇笏 Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%AF%E7%94%B0%E8%9B%87%E7%AC%8F