2023/05/17 (水) 旧暦: 3月28日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時35分 日没: 18時40分 月出: 3時01分 月没: 16時09分 月齢: 26.95 潮汐: 中潮 干支: 乙亥 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 新樹
《 日本の里山 美しい新緑の風景 茨城県 栃木県 2023年5月 》
https://youtu.be/qHeIrNMU2xw
『新樹(しんじゅ) 初夏
【子季語】
新樹蔭
【関連季語】
新緑
【解説】
若葉におおわれる初夏の木立をいう。新緑は風景、新樹は樹木を指す。みずみずしい新樹に包まれる山や野には生命力がみなぎる。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。』
(季語と歳時記)
新樹 の俳句:
・阿蘇も火を噴くと新樹のきのふけふ 百合山羽公
・街新樹色さまざまに吹かれ立つ 高橋照子
・英霊を鎮めて宮の新樹晴 田所洋子
・一雨の過ぎし新樹の香を浴ぶる 吉村玲子
・華やぎを余さず降らす新樹かな 黒沢登美枝
(今日は、例句のみ。
記述文はなし。)
菜花亭日乗
菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc
2023/05/16 (火) 旧暦: 3月27日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時35分 日没: 18時39分 月出: 2時34分 月没: 15時03分 月齢: 25.95 潮汐: 中潮 干支: 甲戌 六曜: 大安
今日のあれこれ: 聖五月
《 【着帯の祝い】安産を願って岩田帯を巻く儀式。 》
https://youtu.be/SpQ0SZSVFZY
『聖五月
読み方:セイゴガツ(seigogatsu)
カトリックのマリアの月をいう
季節 夏
分類 時候
』(季語・季題辞典)
聖五月の俳句:
・岩田帯きりりと巻きて聖五月 荒木治代
・聖五月羽交ひじめてふ愛のあり 鈴木節子
・洗顔の水なめらかや聖五月 塩路隆子
・搾乳の乳ほとばしる聖五月 和田和子
・聖五月母となる娘を迎へけり 山田怜子
季語は、「聖五月」なのだが、と言うか、だからと言うべきか。
選んだ句は、女の句になった。
言葉「女性」、「男性」には情念がない。
この5句を語るには「女」、「男」でなければ、伝わらない。
「聖五月」と言う季語は、女のために在るのかもしれない。
時は聖五月、岩田帯をきりりと巻く女の充実感は、男には解からない、許されないのだから解りようもない。
大谷選手の冠る兜は所詮戦うためのもの、生命を消滅することはあっても育むことはない。
岩田帯は、生命を育てるための帯。
どちらがキリリとしているかは、言うまでもない。
第2句、これもまた。
羽交い締めされて、身動き取れなくなった、究極の不自由に愛を感じる。不自由さを楽しむ強かさ、これも男には許されていない。
第3句から5句まで。
もう語るまでもない。
聖五月、女は生命を手にして、満ち満ちている。
2023/05/15 (月) 旧暦: 3月26日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時36分 日没: 18時38分 月出: 2時07分 月没: 13時56分 月齢: 24.95 潮汐: 若潮 干支: 癸酉 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 葵祭
《 【京都三大祭】1分でわかる葵祭 / 京都いいとこ動画 》
https://youtu.be/8iPslIvVIiM
『賀茂祭(かもまつり) 初夏
【子季語】
祭、北祭、葵祭、懸葵、加茂葵、双葉葵、葵鬘、諸鬘、御生祭
【解説】
五月十五日に行われる京都の上賀茂神社、下鴨神社の大祭。平安時代の宮中では祭といえばこのまつりだった。御所から参向する勅使らの冠を、葵桂で飾ったことから葵祭ともいい、石清水八幡宮の南祭に対し北祭ともいう。
【来歴】
『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
【文学での言及】
『源氏物語』葵の巻では葵祭見物の場面での光源氏の正妻、葵の上と年上の愛人、六条御息所との確執が描かれている。』
(季語と歳時記)
葵祭の俳句:
・懸葵人群れそめて比叡立つ 古舘曹人
・賀茂祭近く馬留打たれをり 坂崎茂る子
・御所の門出てくる葵祭かな 村田橙重
・葵懸け遊びつつくる祭馬 加藤三七子
・飾られて馬も古風や賀茂まつり 竹腰朋子
古都京都では、平安時代からのお祭りが連綿と開催されてきた。
これは、素晴らしいことで、未来に繋げていかなければならない。
2023/05/14 (日) 旧暦: 3月25日 祝日・節気・雑節・朔望: 母の日 日出: 4時37分 日没: 18時37分 月出: 1時38分 月没: 12時48分 月齢: 23.95 潮汐: 長潮 干支: 壬申 六曜: 先負
今日のあれこれ: 母の日
《 【母の日】Thank you always. 母の日を知り尽くし、母に最上級の感謝を伝えよう-2023 母の日イベントムービー-Lucerna Verre 》
https://youtu.be/eBGxpogzHAY
『母の日(ははのひ) 初夏
【解説】
母に感謝して贈り物などをする日。五月の第二日曜を当てる。
アメリカで一九〇七年、A・ジャービスの提唱に始まるとされる。日本では敗戦後に一般化した。カーネーションの花がつきものである。』
(季語と歳時記)
母の日の俳句:
・カーネーション母の日知らぬ母に買ふ 中田みなみ
・花束はピンクと決めて母の日よ 今橋眞理子
・贈られし母の日の傘蝶無数 都筑智子
・気に入りし帽子を貰ふ母の日よ 仁平則子
・嫁が肩揉みくれ母の日なりけり 玉置かよ子
・母の日に気丈な姑の涙見る 山本恵美
今日は5月の第2日曜日、母の日。
母の日は感謝する日なので、プレゼントが絶対ではないが、プレゼントは母の日の主役でもある。
母の日に関心のない母も居れば、プレゼントを楽しみに心待ちにしている母も居る。母それぞれだ。
関心のない母がプレゼントを貰えば喜ぶだろうし、1本の電話だけでも喜ぶだろう。
プレゼントを楽しみにしている母がお目当てのものがプレゼントされれば嬉しいし、逆に1本の電話だけではがっかりするかもしれない。
例句を読んでいても、人それぞれ、様々な思いが詠まれている。
良いなと思ったのは、5句と6句。
姑と嫁の句だ。
5句は姑の句。
血はひいていないが、親しく肩を揉んでくれる嫁は、娘のように可愛い。
6句は嫁の句。
いつもは気を張っている姑が、優しい言葉をかけてもらったのか、お気に入りのプレゼントを貰ったのか、嫁がそうしたのか、他の人がそうしたのか、そこは分からない。
しかし、思いの外の嬉しさに姑が思わず涙を目に浮かべてしまった。
それは、まさに母の日の出来事だ。
母の日は佳い日だ。
母がこの世にいる人は、母を喜ばせる事ができる。
その様な句も多く詠まれている。
2023/05/13 (土) 旧暦: 3月24日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時38分 日没: 18時37分 月出: 1時05分 月没: 11時38分 月齢: 22.95 潮汐: 小潮 干支: 辛未 六曜: 友引
今日のあれこれ: 初夏
《 竹林の道 天に舞う新緑と風の声 京都・嵐山 Arashiyama bamboo forest Kyoto
Japan 嵯峨野 癒しの風景 ヒーリング 音のスケッチ16/Ryuju 》
https://youtu.be/OGroyyMnFO4
『初夏(しょか) 初夏
【子季語】
夏始、首夏、孟夏
【解説】
陽暦なら五月、陰暦なら卯月のころを指す。空はからりと晴れ渡り、暑さもまだそれほど強くはない。まことにすがすがしい気候のころで、大型連休を利用して行楽客が山や海へ繰り出す。』
(季語と歳時記)
初夏の俳句:
・嵯峨野路の初夏の竹林風の鳴る 鵜飼紫生
・海見えるガラスの扉押せば初夏 佐々木紗知
・空色のゆの字の暖簾初夏の風 山田晴久
・鯉跳ねて初夏の光を散らしけり 宮田香
・今日を祝ぐ初夏の青空頂きて 稲畑汀子
手入れされた嵯峨野の竹林。
その中を渡っていく初夏の風は清々しい。
其処には自然と人との調和が在る。
手入れされていない竹林は、踏み入ることもできないジャングルの様な混乱と無秩序が在る。
竹林の清々しい初夏の風を楽しんで生きる。
日本という国の有り様を保っていかなければならない。
どの句にもその歓びが謳われている。
2023/05/12 (金) 旧暦: 3月23日 祝日・節気・雑節・朔望: 下弦 日出: 4時39分 日没: 18時36分 月出: 0時26分 月没: 10時26分 月齢: 21.95 潮汐: 小潮 干支: 庚午 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 新茶
《 八十八夜に宇治茶摘み 新茶シーズン到来、京都 》
https://youtu.be/gekV-lGBH4A
『新茶(しんちゃ) 初夏
【子季語】
走り茶、古茶、陳茶、茶詰
【解説】
お茶は年四回摘み取られるが、その年の最初に摘み取られるお茶を新茶という。一番茶であり、走り茶とも言う。四月の終わりから五月中頃までである。香りはよく、おいしいお茶である。静岡茶や宇治茶が有名。』
(季語と歳時記)
新茶の俳句:
・駿河路は新茶の幟はためきて 田中藤穂
・機上より富士を眺めつ新茶飲む 秋田直己
・我がために賛沢少し新茶買ふ 岡久枝
・絞りきる新茶の美しき色しづく 布川直幸
・三人姉妹三様に生き新茶汲む 青垣和子
静岡の三姉妹から新茶を頂いた。
この季節、たっぷりと新しい生命の香りを含んだ玉色のお茶を楽しむことが出来る。
感謝の他は無い。
青垣氏の句のように、三姉妹が久しぶりに揃って、新茶を楽しめば、お茶菓子など忘れて、終わることのない話を楽しむことが出来る
爽やかな風の吹く、この新茶の季節は、歓びに満ちた季節だ。
2023/05/11 (木) 旧暦: 3月22日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時39分 日没: 18時35分 月出: ---- 月没: 9時13分 月齢: 20.95 潮汐: 中潮 干支: 己巳 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 風薫る
《 風薫る5月 ~運動公園ほか~【4K/30fps】-2023/5/2- 》
https://youtu.be/s_5L_rZT9oY
『風薫る(かぜかおる、かぜかをる) 三夏
【子季語】
薫風、薫る風、風の香、南薫
【解説】
夏に吹きわたる風をほめたたえた季語であるが、新緑、若葉のころの風として使いたい季語でもある。語源は漢語の「薫風」で、それを訓読みして和語化したものである。』
(季語と歳時記)
風薫るの俳句:
・岩木山のぞむ天守や風薫る 鈴木静恵
・花嫁を乗せる川舟風薫る 菅原孟
・チャイム鳴る白亜の校舎風薫る 高木邦雄
・ポニーテールと赤いパンプス風薫る 赤座典子
・オリーヴの葉裏しろがね風薫る 高久清美
連休が終わってから、雨が上がり、陽射しが戻った。
それに合わせて風が北からの乾いた風に変わった。
今日も晴れ上がった空の下爽やかな風が吹き、歩くのが楽しい日になった。
こんな日の季語は、「風薫る」だ。
「薫風」も良いが心に響くのは「風薫る」だ。
俳人たちも好んで詠むので、例句も数多く見つかる。
春の爽やかな一日を気持ちよく詠んだ句が多い。
その中から5句選んだが、もっと多くの良い句があり絞るのは難しい。
5句いずれも、風薫る美しい光景が目に浮かぶようだ。
2023/05/10 (水) 旧暦: 3月21日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時40分 日没: 18時34分 月出: 23時38分 月没: 8時03分 月齢: 19.95 潮汐: 中潮 干支: 戊辰 六曜: 大安
今日のあれこれ: 巣立
《 【2023/04/19】孵化後22日目、巣立ち完了!夜は戻って来た!【ツバメ】 》
https://youtu.be/-SFd8mr3VRw
『巣立鳥(すだちどり) 初夏
【子季語】
巣立、親鳥、子鳥、鳥巣立つ
【解説】
春、巣の中でに孵った雛鳥が飛べるまでに成長し、初夏の頃に次 々に巣から離れていくこと。』
(季語と歳時記)
巣立の俳句:
・最上川渦巻くを見て鷹巣立つ 細谷鳩舎
・羽ばたきて巣立間近や燕の子 阿部文子
・うちの子と呼びゐし雀巣立ちけり 佐藤保子
・くれなゐの嘴を濃く巣立ちけり あさなが捷
・燕巣立つ彼らに会ふ日ありやなし 中里よし子
動画によれば、もう燕の巣立ちは済んでいるようだ。
場所が鹿児島なので早いのかもしれないが。
孵化してから22日で巣立ちとは驚かされる。
生まれてから1ヶ月も経たない内に独立して巣立っていく。
親はその間せっせと雛のために餌を運んでやる。
これは動物でも人間でも同じだが。
人間の場合、生まれてから20年前後も巣立ちに時間がかかる。
鳥に比べると長すぎるとも考えられる。
自分も同じ様にして巣立ちまで親の世話になったのだから、当然のことなのだが、口を開いて餌をせがむ雛に、餌を口に入れては、また獲物を取りに行く親鳥の姿は、切ないものだ。
2023/05/09 (火) 旧暦: 3月20日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時41分 日没: 18時33分 月出: 22時42分 月没: 6時59分 月齢: 18.95 潮汐: 中潮 干支: 丁卯 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: ライラック
《 第61回 (2019年)さっぽろライラックまつり(Sapporo Lilac Festival 2019) 》
https://youtu.be/SUWts6OM9vM
『ライラック 晩春
【子季語】
紫丁香花、リラの花、リラ
【解説】
高さ三から六メートルの落葉高木。ヨーロッパ原産。四月頃、紫色の小さい花が穂のように集まって咲く。香りの良い花で、日本では北海道など寒地でよく見られる。
【科学的見解】
ライラックは、モクセイ科の落葉低木で、観賞用として公園木や庭木として植栽されている。本種の標準和名は、ムラサキハシドイと呼ばれている。本種は、ヨーロッパ原産の植物で、明治期に導入された外来植物である。ヨーロッパと気候の似ている北海道や東北地方で見かける。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)
ライラック・リラの俳句:
・ライラック咲けば札幌なつかしく 綿谷美那
・ライラック五月の雨の上がりけり 大内恵
・リラの花触れ行くたびに匂ひ立ち 清部祥子
・リラの香に庭は一気にときめきぬ 櫛橋直子
・リラ一日暮れぬまなうらむらさきに 堀口星眠
2022年度から再開された「さっぽろライラックまつり」は、今年も開催されるそうだ。
「2023さっぽろライラックまつり」
公式ホームページ
https://www.sapporo.travel/lilacfes/
春遅い北国にも、ようやく爽やかな風が吹き、
ライラックの香が風に乗って人に春を告げるだろう。
薔薇の香りもそうだが、リラの香りも心をときめかせる物。
堀口氏のように、一日中リラの香りにまみれて、眠る頃には眼の中も紫色に染まるほど心を奪われてみたい。
2023/05/08 (月) 旧暦: 3月19日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時42分 日没: 18時32分 月出: 21時37分 月没: 6時06分 月齢: 17.95 潮汐: 大潮 干支: 丙寅 六曜: 先負
今日のあれこれ: 柏餅
《 端午の節句に食べる縁起物!柏餅のつくり方|How to make Kashiwa Mochi 》
https://youtu.be/ENO0k-YpnGQ
『柏餅(かしわもち、かしはもち) 初夏
【解説】
粽とともに、五月五日の端午の節句菓子として知られる。新粉生地で餡を包み柏の葉でくるみ、蒸した菓子。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないため、子孫繁栄の意味がある。』
(季語と歳時記)
柏餅の俳句:
・我が街に老舗の菓子屋柏餅 大橋晄
・紙兜かぶり食べゐる柏餅 三村純也
・噛み合はぬ話のあれど柏餅 赤座典子
・叱られし頃の懐かし柏餅 長野純顕
・若き日の母蘇りたり柏餅 田中信行
柏餅は、5月5日端午の節句に、食べる習慣になっている。
男の子だったころ、武者人形が飾られ柏餅が供えられ、それを食べた記憶を持っている人は多いだろう。
端午の節句に柏餅を食べる習慣は、江戸時代から始まったそうだ。
柏の木は、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、
家系が絶え間なく続く様に、男の子の成長を祝うために
、柏の葉で餅を巻き、縁起のいい食べ物として柏餅を食べることになった。
例句を読んでいると、4句、5句の様に、柏餅には子供の頃の良い思い出が結びついている。
こうした子供の成長を祝う風習は、大切なものだ。
今の子供達は、お節句に桜餅や柏餅を飾り物を前にして食べさせて貰っているのだろうか。
もしそうでないとしたら、人生の良い思い出を貰えないまま大人になってしまう。
そうならないような時代であって欲しいと思う。
2023/05/07 (日) 旧暦: 3月18日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時43分 日没: 18時32分 月出: 20時26分 月没: 5時22分 月齢: 16.95 潮汐: 大潮 干支: 乙丑 六曜: 友引
今日のあれこれ: 若葉
《 【高清水トレイル】高清水高原~山歩き~若葉風 新樹光 》
https://youtu.be/Fjba3LKHebQ
『若葉(わかば) 初夏
子季語: 朴若葉、藤若葉、若葉寒
関連季語: 青葉、草の若葉、茂、新緑、新樹
解説: おもに落葉樹の新葉のこと。やわらかく瑞々しい。若葉をもれくる日ざし、若葉が風にそよぐ姿、若葉が雨に濡れるさまなどいずれも美しい。
来歴: 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
文学での言及:
かげひたす水さへ色ぞ緑なるよもの梢の同じ若葉に 藤原定家『夫木和歌抄』
実証的見解: 「青葉」という季語もあるが、季語としては若葉より歴史が浅い。芭蕉がおくの細道の途中、日光で「あらたふと青葉若葉の日の光」と詠んだ当時はまだ青葉は季語ではなかった。
「朴若葉」などと柿や椎、樟など樹種を冠して詠んだり、「山若葉」などと里や庭、谷など場所を冠して詠むことも多い。』
(季語と歳時記)
若葉の俳句:
・若葉雨蛤御門に軒借りて 西田もとつぐ
・雨なればこその閑けさ寺若葉 高濱朋子
・雨だれの芯まで青き若葉かな 中村江利子
・雨の日を雀の遊ふわかばかな 正岡子規
・雨あとの若葉の色のきはまりぬ 板坂道子
・雨上り若葉輝く朝の庭 富永レイ子
連休最終日の今日、5月7日は雨になってしまった。
全国的に雨だが、愛知県は朝から終日の雨になった。
生憎の雨だが、若葉の場合、雨は決して仇なすものでは無い。
春の塵を浴びた若葉も、雨のシャワーに洗われて、すべすべの肌を取り戻すことが出来る。
光に照らされてきらきらと輝く若葉は、勿論美しいが、雨の若葉も詩心を震わせるものらしい。
若葉の例句を読むと、雨の句も多く詠まれていた。
その中から6句選んでみた。
明日の朝までは、雨が降り続くが、昼前には雨が上がるそうだ。
ゴールデンウイークまでの汚れが洗い落とされた若葉は、また光に照らされて、増々きらきらと輝くことだろう。
2023/05/06 (土) 旧暦: 3月17日 祝日・節気・雑節・朔望: 立夏、望 日出: 4時44分 日没: 18時31分 月出: 19時16分 月没: 4時45分 月齢: 15.95 潮汐: 大潮 干支: 甲子 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 立夏
《 【Rose PV】おススメの白いバラ|White
Roses No color , No matter what. 》
https://youtu.be/SrSfRyvBetk
『立夏(りっか) 初夏
【子季語】
夏立つ、夏に入る、夏来る、今朝の夏
【解説】
二十四節気の一つ。陽暦の五月六日ごろ。暦のうえではこの日からが夏。実感からするといささか早い気もするが、もう夏に入りましたと定められると、目に入る景色も新しい夏の光を纏いはじめたように思える。』
(季語と歳時記)
立夏の俳句:
・ゆつたりと雲の流れて立夏かな 中山静枝
・遠くを見るたのしさ夏の来りけり 岡本眸
・ブラウスに糊をきかせて立夏かな 塩千恵子
・夏に入る星よりそひてうるみけり 久保田万太郎
・夏来たる白き乳房は神のもの 三橋鷹女
・夏立つと誰に告ぐべく挿す白花 佐野美智
ゴールデンウイークも残り2日となった今日。
お天気は下り坂、昨日までの爽やかな風吹く五月晴れは終わり、南から湿度の高い風が吹き込んだ。
立夏に相応しいお天気だった。
雲が多く、雨こそ降らなかったが、天気は下り坂。
明日は終日雨らしい。
外に出てスポーツやドライブ、旅行などは生憎の天気。
室内で開催されるイベントや音楽や本などを考えても良いだろう。
立夏というのはお天気の面では難しい季節になるが、
夏が来るという歓びのある時でもある。
俳人たちも立夏の日を歓びを胸に詠んでいる。
数多い句を読んでいて感じたのは、女性の感覚の鋭さだ。
三橋氏の至高の乳房宣言を耳にしては、男は平伏すのみだ。
また、佐野氏の魔術の様な祈りを込められた白い花に、男たちは悦んで吸い寄せられるに違いない。
2023/05/04 (木) 旧暦: 3月15日 祝日・節気・雑節・朔望: みどりの日 日出: 4時46分 日没: 18時29分 月出: 17時01分 月没: 3時48分 月齢: 13.95 潮汐: 中潮 干支: 壬戌 六曜: 大安
今日のあれこれ: みどりの日
《 2023 新緑の河口湖と富士(4K-HDR) Mt.
Fuji At Lake Kawaguchi With Fresh Green Leaves(UHD-HDR) 》
https://youtu.be/5S7viSDzaSg
『みどりの日(みどりのひ) 晩春
【解説】
国民の祝日で五月四日。「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨とする。』
(季語と歳時記)
みどりの日の俳句:
・みどりの日緑の上に富士坐る 本間 稔
・みどりの日風もみどりでありにけり 小林草吾
・畦草も小さき花揚ぐみどりの日 小林葭竹
今日も五月晴れの日になった。
ゴールデンウイークの前半はお天気に恵まれた。
季語「みどりの日」の例句は、探してみたが、少なかった。
ゴールデンウイークの中での歴史がまだ浅いからなのだろう。
五月晴れの日、新緑もよく映える季語なので、これから詠まれる事が多くなると期待できる。
2023/05/03 (水) 旧暦: 3月14日 祝日・節気・雑節・朔望: 憲法記念日 日出: 4時47分 日没: 18時28分 月出: 15時59分 月没: 3時24分 月齢: 12.95 潮汐: 中潮 干支: 辛酉 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 憲法記念日
《 洗濯天気予報 憲法記念日は全国的に外干し日和 》
https://youtu.be/5AH6i88kf84
《 憲法記念日 憲法改正に賛成・反対それぞれの団体が集会…市民も賛否わかれる 》
https://youtu.be/PW2IHTPwc-g
『憲法記念日(けんぽうきねんび/けんぱふきねんび) 晩春
【解説】
五月三日。現行の日本国憲法が施行されたのは昭和二十二年のこの日。
その日を記念して国民の祝日にしたのがこの季語である。ゴールデンウィークの一日にあたり、憲法をめぐっての色々の問 題をよそに、一般には家族などの行楽の一日としても親しまれている。』
(季語と歳時記)
憲法記念日の俳句:
・憲法記念日あをぞらに一穢なく 大畑善昭
・この国は何処行く憲法記念の日 稲畑廣太郎
・一本の葦憲法の中に老い 山崎涼史
・憲法の日や雑草と山に居る 熊谷愛子
・憲法記念日ゴミ袋にも名前 天谷翔子
季語「憲法記念の日」は、憲法記念日、憲法記念、憲法などと短くされて、詠まれることもある。
憲法記念の日は、句には詠みにくい季語だと思うのだが、意外に多くの句が詠まれており、成る程と感心する句も多かった。
やればできる。気持ちの問題なのだ。
ウクライナ戦争が始まり、他の主権国家の領土を迷うこともなく侵略する現実が目の前にあると憲法9条にどう向き合うか個人個人に考えを問われている。
尖閣諸島への中国の侵犯、竹島に韓国の議員が上陸。
日本の主権が弄ばれている現実を目の前にすると憲法改正はどうするのか、一人一人の考えを問われることになる。
天谷氏が詠むように、ゴミ袋にも名前が書けないような日本国民では、難しい問題だ。
+
それはそれとして、
大畑氏の句のように、今日は素晴らしい五月晴れの憲法記念日だった。
2023/05/02 (火) 旧暦: 3月13日 祝日・節気・雑節・朔望: 八十八夜 日出: 4時48分 日没: 18時27分 月出: 14時59分 月没: 3時00分 月齢: 11.95 潮汐: 中潮 干支: 庚申 六曜: 先負
今日のあれこれ: 八十八夜
《 4K 童謡唱歌 ♫八十八夜 茶摘みの歌 歌詞付き 》
https://youtu.be/fB2p2sUoXDI
『八十八夜(はちじゅうはちや、はちじふはちや) 晩春
【解説】
立春から八十八日目。「夏も近づく八十八夜」で始まる小学唱歌の歌詞にあるように立夏も間近く、農事、殊に種蒔に適した時の到来を意味する大切な日。』
(季語と歳時記)
八十八夜の俳句:
・わが山河八十八夜の星あかり 豊田都峰
・越の田に八十八夜の風匂ふ 芋川幸子
・吉報のありて八十八夜の茶 田渕葉陽
・賛沢な吾子の寝顔よ八十八夜 奧野ちあき
・雑踏に八十八夜を遊びけり 中田郁子
・耳たぶに八十八夜の水明り 中村恭子
今日も、五月らしい爽やかなお天気に恵まれた。
風があり空は晴れ渡って、強すぎるほどの陽射しが降り注いでいる。
車の中では暑すぎるが、外を歩いていれば風が爽やかで気持ちが良い。
八十八夜は、この様な日に恵まれることが多いかもしれない。
例句を読んでも気持ち良く詠まれた句が目にとまる。
最初の2句は自然に恵まれた八十八夜らしい世界だ。
次の2句は、祝福された日八十八夜には、普段の生活の中にも幸せを感じることができる。
大きなことである必要はない、小さなことで充分。
最後の2句は、最近の感覚の句。
八十八夜を雑踏で遊ぶ? 何をどう遊ぶのか?
想像力が働かない。
中村氏の句は、柔らかく明るい世界で、気持ちが良いのだが、言葉の空間にある実体が伝わって来ない。
感覚も時代を背景にするものだから、仕方がないことではあるのだが...
2023/05/01 (月) 旧暦: 3月12日 祝日・節気・雑節・朔望: メーデー 日出: 4時49分 日没: 18時27分 月出: 14時00分 月没: 2時36分 月齢: 10.95 潮汐: 若潮 干支: 己未 六曜: 友引
今日のあれこれ: 五月
《 デイゴの花(2023年4月18日撮影) 》
https://youtu.be/aXF8w_WjtmI
『五月(ごがつ、ごぐわつ) 初夏
【子季語】
五月来る、聖五月
【解説】
この月から夏に入るが、まだ、暑さや湿気が少ない。
新緑が萌え て、一年の中でも特に清々しさを感じられる頃である。』
(季語と歳時記)
五月の俳句:
・藍々と五月の穂高雲を出づ 飯田蛇笏
・瑠璃盤となりて五月の海遠し 日野草城
・翔ぶ鳥の空に羽透く五月かな 森澄雄
・煌々と五月の林樹液充つ 内藤吐天
・抛り上げて見たき五月のわれ軽量 長谷川かな女
・旅情まづ梯梧の真紅那覇五月 河野静雲
今日から五月。
ゴールデンウイークの真っ最中。
今日、明日の休日が取れている人は9連休。
そうでない人も3日から5連休になる。
これだけ休みが取れれば、海外に行く人も多いはずだ。
日本の観光地も、外国からの旅人も加わり人で溢れるだろう。
五月は、樹々花々も犬や猫も鳥も生命あるものを生き生きとさせる。
勿論、人も活気づける。
季語「五月」の句を探してみたら、驚かされた。
ザッと探しただけでも、2300句を超えている。
五月と言う言葉だけでも、俳人たちの頭は活気を注入され、句を詠みたくなるのだ。
とても全てを読み切れるものではないが、選ぶのに困らないのはありがたい。
読んでみると、自然は美しく、樹々は緑の若葉を輝かせ、鳥は軽やかに翔ぶ。
俳人も元気そのものだ。
羽が無くたって飛ぶつもりだし、飛行機に乗って南国まで飛ぶつもりだ。
さあ、五月だ。
家に居て書を読むのも良し
外に出て花を見るのも良し
此処を離れて旅に出るのも良し
全ては自分の思うがままだ
さあ、五月だ。
2023/04/30 (日) 旧暦: 3月11日 祝日・節気・雑節・朔望: 図書館記念日 日出: 4時50分 日没: 18時26分 月出: 13時02分 月没: 2時09分 月齢: 9.95 潮汐: 長潮 干支: 戊午 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 四月尽
《 春の息吹に満ち溢れる野草園 山形市 》
https://youtu.be/Y_KruqeZ4uU
『【四月尽】 しがつじん(シグワツ・・)
春(晩春)・時候
◇「四月尽く」
陽暦に改められてから弥生を晩春とは思えなくなった。そのため四月尽といい替えて、春が過ぎゆく日を詠むようになった。行く春を惜しむ情より、即物的な印象が強い。
』
(わたしの俳句歳時記
https://www.mysai.net/cgi-bin/kaisetsu_disp.cgi?kisetsu_cd=1&kisetsu_kbn_cd=3&bun_ya_cd=01&bun_ya_kbn_cd=01&kigo_no=0064
)
四月尽の俳句:
・山形は百花のさかり四月尽 河野静雲
・大淀の水鏡なす四月尽 大橋晄
・白雲へ杉まつすぐに四月尽 寺井治
・布目ある豆腐なつかし四月尽 赤石梨花
・四月尽ことに夕日の彩ゆたに 安立公彦
今日はもう四月の最後の日になった。
アッという間に四月が過ぎてしまった感覚がある。
考えてみれば、桜の花を筆頭に、色々な花を見たことは確かだが、まだ物足りないのかもしれない。
季語「四月尽」は、旧暦では弥生尽とされた言葉であったそうだ。
旧暦では今日は3月11日なので月末ではない。旧暦の弥生尽はまだ2週間ほど先だ。
四月尽は陽暦の四月の最後の日として、季節を考えるべきだと思う。旧暦三月の弥生尽との関連は考える必要はない。
2023/04/29 (土) 旧暦: 3月10日 祝日・節気・雑節・朔望: 昭和の日 日出: 4時52分 日没: 18時25分 月出: 12時03分 月没: 1時40分 月齢: 8.95 潮汐: 小潮 干支: 丁巳 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 春惜しむ
《 伊吹山 2023年4月2日 》
https://youtu.be/yfzynXHR2qI
『春惜しむ: 惜春、春を惜しむ
晩春
過ぎゆく春を惜しむこと。春は秋と並んで過ごしやすく、自然のすがたも美しい。また物事のはじまりの季節であり、人との出会いや別れも多い。
春を惜しむことは、人生において束の間のものである佳き時間や佳き交わりを惜しむ心につながる。』
(季語と歳時記)
「春惜しむ」の俳句:
・伊吹見ゆ丘にのぼりて春惜しむ 近藤一鴻
・海の美は荒きをよしと春惜しむ 鈴木真砂女
・一斉に咲き競ふ春惜む日に 稲畑汀子
・観音に野の花供へ春惜しむ 山田春生
・鍬の柄に頬杖しばし春惜しむ 森岡正作
春は花が咲き競う。
桜が散れば木蓮が咲き花水木が咲き、春の舞台を飾る花たちは役が終われば、次の花に舞台を譲っていく。
今は、躑躅が、赤、白、桃の花を、びっしりと咲かせている。
次は、薔薇が蕾を膨らませ、その時を待っている。
今日は、午後から急にお天気は下り坂になり、雨は明日まで降り続くそうだ。
雨に濡れながら、花たちの面影を思い出し、春を惜しむ日だった。
2023/04/28 (金) 旧暦: 3月9日 祝日・節気・雑節・朔望: 上弦 日出: 4時53分 日没: 18時24分 月出: 11時03分 月没: 1時06分 月齢: 7.95 潮汐: 小潮 干支: 丙辰 六曜: 大安
今日のあれこれ: しゃぼん玉
《 2023 04 22シャボン玉とエルアちゃん 》
https://youtu.be/YIRZwkXm_BU
『石鹸玉(しゃぼんだま) 三春
【子季語】
たまや
【解説】
石鹸水をストローの先につけ、軽く息を吹き込んで泡を膨らませる遊び。
すぐに割れることもあれば風に乗って遠くまで飛ぶこともある。春らしいのどかな遊びである。』
(季語と歳時記)
しやぼん玉の俳句:
・しやぼん玉ジヤングルジムを越えゆけり 徳丸峻二
・しやぼん玉オパール色に輝けり 楠原幹子
・どの子にも未来七色しやぼん玉 岡垣佳子
・しやぼん玉どの子も瞳大きかり 小澤克己
・しゃぼん玉かぜがふいたらきえちゃった 塩路彩奈
今年は、しゃぼん玉を間近で見た。
お花見が始まるまでの青のシートの上の待ち時間。
桜の花や青空や通行人や芝生のシートに座り宴を楽しんでいる人たちを、何思うこともなく見続けていた。
ある時、しゃぼん玉が飛んできた。
小さなしゃぼん玉が無数に、右の方から流れてきた。
見ると幼稚園くらいの子供が飛ばしていた。
一吹きで数多くのしゃぼん玉が生まれ。
程よく右から左に吹いている風に乗って、桜の花の手前を通って通り、空に向かって飛んでいる。
しかし、空に届くまでの生命は無い。
桜の木の花々を超える頃には消えている。
花の生命は短い。
しゃぼん玉の生命はもっと短い。
花を見ている人の生命は長い。
長いけれども、儚いことは変わりが無い。
しかし、儚いからこそ、美しい。
2023/04/27 (木) 旧暦: 3月8日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 4時54分 日没: 18時23分 月出: 10時04分 月没: 0時27分 月齢: 6.95 潮汐: 小潮 干支: 乙卯 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 春日傘
《 2023年度【新作日傘のご紹介】NG集もあるよ*124栗山工房型染チャンネル 》
https://youtu.be/bZz9gicsZU8
『春日傘(はるひがさ) 晩春
【子季語】
春の日傘、春のパラソル
【解説】
春といっても、夏が近くなると日差しは日々強くなり、日焼けを防ぐために女性は日傘を用いることが多い。』
(季語と歳時記)
春日傘の俳句:
・快晴となりしと今日は春日傘 稲畑汀子
・靴ぬいで砂丘を登る春日傘 西村節子
・下町は橋が舞台や春日傘 岡本眸
・寄り道をしたくなるよな春日傘 宮崎高根
・花びらのゆれるがさまに春日傘 辻香秀
今日は、天気が回復し、陽射しが強い日になった。
気温が低かった昨日の余韻が残り、風は蒸し暑いのではなく、爽やかだった。
細かい塵が雨で流され、透明感の増した大気の中では春の陽射しは肌に刺さるように感じられた。
今日の様な日には日傘が必要だ。
街を歩くと、日傘をさした女性が歩いている。
前から、日傘がよく似合う佇まいの女性が、歩いてくる。
絵になるなと、楽しくなってしまう。