昼の宴は終了したが、まだ外は明るい。
二次会に行く人が、自然に集まり始める。
金賞受賞酒を含めた銘酒と楮の料理を楽しんだあと、もう日本酒も料理も充分なのだが、歌でも歌うのならと中に入る。
岐阜駅方面に快い千鳥足のそぞろ歩き。
足が止まったのは、「とり酒場天てん」
焼鳥の店のようだ。
とりあえず中に入る。
店内は真ん中から左に掛け、Uj字型のカウンター、右の壁に沿ってテーブル席がある。
皆ビールを注文する。
突き出しは冷奴。
トッピングは畑のキャビアとんぶり。
とんぶりは冷奴に良く合った。
メニューは鳥を中心としたメニュー。
一般的な居酒屋メニューもあるが、鳥に関してはこだわりのある個性的なものを用意しているようだ。
右の壁の上に日本酒のメニューが貼ってある。
房島屋、初緑、南、梵、信濃鶴、白岳仙、獺祭、清泉…
居酒屋だが趣味のよい日本酒が並んでいる。
軽くこだわりの日本酒を楽しむには良い店だ。
趣味の良い日本酒を扱うためには取引する酒屋を選ぶことが大切だ。
この顔ぶれを見ると取引しているのは「酒の中島屋」であることは間違いない。
オープンキッチンが面白かった。
料理をパーフォーマンスにして楽しませるのはよくあることだ。
ここは意図的にしているかどうか判らないが、豪快だ。
柄の長い網柄杓の様な道具に鶏肉を入れる。
強火の火にかざすと、皮の脂が炙り出されて出てくる。
脂は下に落ちて燃え上がる。
燃え上がった火は、網の中の肉に引火する。
樋口から網の上のダクトまで炎が燃え上がり、大きな火柱になる。
火遊びが好きな人には、チョットそそられる料理法かもしれない。
出来上がったものは、これ。
メニューのモモ皮MIX黒焼きではないかと思われる。
味は塩と胡椒のシンプルなものだが美味しい。
表面は強火で炙られているが、加熱時間は短いので中は適度に柔らかい。肉をあまり大きくしていないのも調理法から来るものだろう。
ローストされたスモークのような煙臭い纏わり付く香りがあって、癖になる味だ。
毎日はどうかと思うが、偶には食べてみたい気がする。
右のカウンターに座っていた女性の二人連は、楮の宴に参加していた人だった。
店内は打ち上げパーティーの様に盛り上がっている。
楽しい酔っぱらいに店内は占拠されている。
やがてカップルがやってきた。酔っ払いたちが見逃すはずがない。
ツッコミを開始するが、彼氏はなかなか落ち着いていた。
日本酒も通じた人のようで、話は順調に流れていった。
ある時間が経った。
酔っ払いたちは店を出る
また駅方向に歩き、今度は定番の店Nに向かっている。
ここで流れから抜け、名古屋に帰ることにした。
流行りの居座りを続けている秋雨前線に洗われて、駅前の緑が鮮やかだ。
開発時は工事現場だった駅前も、次第に落ち着いてきて、今では昔からこのようだった顔をしている。
厚い雲と高層ビルの下では、金色の信長が傲然と立っている。
【データ】
大衆とり酒場 天てん
TEL: 058-262-2510
住所: 岐阜県岐阜市長住町3-19
名鉄岐阜駅から185m
営業時間: 17:00~24:00
定休日 無休 (12/27-12/31除く)
URL:
http://r.tabelog.com/gifu/A2101/A210101/21010617/
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最終更新日 : 2019-03-15