2012/10/27  沖縄旅行3日目(その4) 咲元酒造訪問 - 菜花亭日乗

菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

Top Page › (4)泡盛 › 泡盛酒造所 › 2012/10/27  沖縄旅行3日目(その4) 咲元酒造訪問
2012-10-27 (Sat)  23:35

2012/10/27  沖縄旅行3日目(その4) 咲元酒造訪問


約束の時間1時が近くなったので、咲元酒造に向かう。
歩いて咲元酒造に行くのは初めてだが、首里の雰囲気があっていいものだ。

10
分ほど前に到着すると、もう佐久本氏は待っておられた。今日は土曜日なので、お休みの日なのだがお話を聞かせていただけるのはありがたい。

酒造所の一角の椅子に座り、お話をお聞きする。
月末から月初にかけて、広島へ出張とのこと。
広島の咲元ファンは、首里に何度も来ている人たちだそうだが、今回は広島のファンたちが集い、その人たちが核になって、咲元愛好会in広島を開催するとのこと。
出てみたいイベントだ。

咲元酒造の泡盛に関心を持ったのは、20112月名古屋で開催された泡盛のセミナーで粗濾過44度を試飲してからだ。
酸味をベースにした力強い味わいと味の多さからくる押しと存在感が印象的だった。

そのことは以下の記事に書いた。
2011/02/16 泡盛大試飲会&セミナー in 名古屋 (その1)」
http://blog.goo.ne.jp/nabanatei/e/7e6c7ed12ca0adddda076416f91689a1

それがきっかけで、6月には酒造所を初めて訪問した。
2011/06/09 沖縄旅行第4日目(その1
咲元酒造所 蔵見学」
http://blog.goo.ne.jp/nabanatei/e/1801c2ce6d0138011f038f3b9a895215


今回は時間もあり、徒歩でもあり試飲させていただきながら色々とお話をお聞きした。
・咲元の味は変えないこと
・濾過については、極力行わない。フィルターというより網のようなもので浮遊物を取る程度。無濾過という表現は、誤解を与えることもあるので粗濾過としている。
・瓶の熟成も開栓すると、密封より熟成が進む。
clip_image001
テーブルの上に置いてある試飲用の咲元美酒。
これも開栓して置いてあるものだが、販売されているものとは味が違うので、買った人から味が違うといってきたことがあり、開栓して熟成が進む話をした。その後、同じ味になったと言ってきたとのこと。

瓶でも開栓して、飲みながら、半年とか1年に一度栓を開け、空気を入れ替えて揺すったりして刺激をすると良いとの話だった。

<検査・研究・管理用の泡盛の試飲>
我々一般消費者には解らないが、酒造所では蒸留後、泡盛の品質の検査・研究・管理用のものを保存して、品質を常に管理しておられるとのこと。
その泡盛を利かせていただいた。
clip_image003
左の2本は甕違いのもの。2006122日に違う甕につめられ、20121024日に瓶詰めにされたもの。
度数は40度。

筆者は甕熟成の古酒を飲んだ経験は多くないので、よく言われる甕の香りのイメージは掴みきれていない。
佐久本氏の解説により、甕臭が高いと言われる方は、香りは穏やかで、鼻に抜けていくような香りがした。
もう一つの方は、香りが高く、甘い香りが高く香ばしい香りがする。
利き比べた印象は、甕の違いによる熟成の変化は、大きいものがあるということだ。

同じ泡盛を入れても、味香が変わるので甕を選ぶのが重要で、難しいが面白いことだ。

佐久本氏の話では、一般的には甕の焼きの締まり具合が良い物が良いそうだ。
使い込まれた良い甕は、そこに新酒を入れると良い古酒に変化させる古酒製造器になるとのこと。


右の2本は、蒸留直後の泡盛の原酒。
度数は50度~51度ある。
透明な瓶は、2006年から20117月にかけて4回、新しい原酒を仕次ぎしてきたもの。
右端の1升瓶は、20121024日蒸留した新しい原酒。

10
月の新酒は、最初にムッとする香りを感じるが、これはガス臭というものらしい。穀物のような香りもする。味わいは、度数が高いこともあるがぴりりと辛い。

2006
年から4回仕次ぎされたもの。
古酒の甘い丸い香りがする。香ばしい香りとバニラ香と両方感じる。
香ばしさは古酒に由来するもので、バニラ香は新しいものに由来しているのだろう。

<脂の話>
いろいろな話の中で面白かった一つ。
蒸留した直後の原酒には脂分が含まれ、これが浮いてくる。この脂分は古酒の旨みのもとになるものなので全て除去してはいけないが、新酒の段階では癖を感じさせるものでもある。
clip_image005
以前、この脂を貰いに来る老人がいたそうだ。
何にするかと聞くと、自宅の甕にいれて、古酒の表面に浮かせるとのこと。
推測だが、表面に脂の膜ができ酒質の劣化を防ぎ、甕熟成の古酒の具合を良くするのではないか。

泡盛の脂分はゆるがせにはできないもののようだ。


10年物秘蔵酒>
酒造所の中に大きな甕がひとつ置かれている。
この中には秘蔵酒が熟成されており、外に出る時を待っている。
過去2回、ごく少量外に出たことがあるだけで、まだその時を待っている状態。

来年、あたり限定酒として出荷されるかもしれないとのこと。ウオッチが必要な話だ。

clip_image007
この甕は、由緒ある貴重な甕だそうだ。

太平洋戦争の際、日本軍が首里に陣営したため、首里は米軍の集中砲火を浴び、酒造所も壊滅的な被害を受け、酒造所の建物や設備、貴重な泡盛の古酒、麹菌などすべてを消失してしまった。

この甕は、避難のため地下に埋められて生き延びた2つの甕の一つだとのこと。
戦後2つの甕は、蒸留原酒を蓄える甕として使用されてきたが、現在のステンレスのタンクに交換される時、一つは破損してしまい、今はこれひとつしか残っていない。
咲元酒造の歴史より前から存在し、見守ってきた咲元酒造の守り神と言える存在である。


最後に、熟成用の粗濾過44度を2本購入させていただき帰ることにした。
色々な話を伺うことができ、酒造所でしか経験できない管理用の泡盛を利かせていただく貴重な体験が出来た訪問だった。


【データ】
咲元酒造合資会社
住所:  沖縄県那覇市首里鳥堀町1-25
電話:
  098-884-1404
FAX
  098-884-1404
創業年:1902

施設見学: 可能だが、予め予約が必要。
観光客専用の施設はないので飛び込みでは対応できないので、予約が必要。
公式ホームページ:
http://www.sakimoto-awamori.com/

取り寄せも可能である。




関連記事

最終更新日 : 2019-03-15

Comment







管理者にだけ表示を許可