2023年03月13日 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

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2023-03-13 (Mon)

2023/03/13 日記 お水取

2023/03/13 日記 お水取

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今日のあれこれ: お水取り

2023 【修二会】若狭小浜のお水送り 神宮寺から奈良東大寺へ》

https://youtu.be/JqJgieL4GIw



『お水取り(おみずとり、おみづとり)  仲春

【子季語】
 水取

【関連季語】
 修二会、若狭のお水送り

【解説】
 奈良東大寺二月堂における修二会の行のひとつ。三月十二日深夜、堂近くの閼伽井から香水を汲み本尊の十一面観音に供える。この水は、天平時代より遠敷明神が若狭から送り届けるという時空を超えた霊水。これを中心に堂内外ではさまざまな祈の行法がある。これが終わると奈良に本格的な春が訪れる。

【来歴】
 『わくかせわ』(宝暦3年、1753年)に所出。

【実証的見解】
 「お水取り」は、三月十二日の夜から十三日の未明にかけて、若狭井から香水をくみ上げる行事である。十三日の午前一時半ころ練行衆の行列が二月堂から閼伽井屋に向かい、暗闇の中で香水がくみ上げられる。香水は閼伽桶入れられ、榊を飾った台に載せて内陣に運ばれる。この「香水」は、本尊の十一面観音に献じたり、供花の水として用い、残りは一般の参詣者にも分けられる。香水は、若狭の遠敷(おにう)明神が神々の参集に遅れた詫びとして二月堂本尊に献じことに由来する。今でも「お水取り」に先立って若狭小浜市の若狭神宮寺では、「お水送り」(三月二日)の行事が行われる。』
(季語と歳時記)



お水取りの俳句:


・お水取待つ間落ちゆく眉の月  小枝秀穂女


・お水取火の曼陀羅の走る闇  山田弘子


・お水取五体投地の板の音  安藤香風


・お水取火屑浄土にわが浮ぶ  青木綾子


・水取や仰ぐ随喜の火の粉あび  田畑美穂子




春を呼ぶ行事とも言えるお水取り。
これが終われば、もう春は目の先にある。

東大寺に水を送る神宮寺は、福井県若狭市にある事は知らなかった。
 神宮寺という名前が示すように、この寺は神仏習合の寺だそうだ。

神仏習合は歴史の時間に昔の話として学んだ事はあるが、明治になり皇国化政策により廃仏毀釈が行われ、神社と寺は分離されたと理解していた。
 しかし、融通無碍というか自由自在というか神宮寺という名前で今なお神事を行う寺が存在しているとは興味深い。
 国が政策として外から押し付けても、中の本質は変えられないということを証明している。

火を使った激しい行とも見えるお水取りは、仏籍のものでなくとも、浄土に浮かんだり、随喜の涙の中にいることが出来る事を下の2句は証言している。

葬式仏教と言われるようなお寺の側面より、お水取りのようなお寺のほうが、人の魂を震わせるのであれば、そちらのほうが宗教としては魅力的と思う。

松明の火を浴びなければ、そこのところは頭だけでなく心を含めた身体全体で理解することは出来ない。
 お水取りの火を浴びに、行くことが必要だ。