2023年03月 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

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2023-03-31 (Fri)

2023/03/31 日記 花曇

2023/03/31 日記 花曇

2023/03/31      (金)      旧暦:   閏2月10日     祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時30分           日没:   18時01分       月出:  ...

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2023/03/31      ()      旧暦:   210     祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   530           日没:   1801       月出:   1216       月没:   231         月齢:   9.4       潮汐:      長潮     干支:   戊子     六曜:   大安

今日のあれこれ: 花曇

《 [京都お散歩4K] 2023/3/24 花曇りの上賀茂神社お花見さんぽ。kyoto 》

https://youtu.be/eVz_XI1ijD4



『花曇(はなぐもり)  晩春

子季語: 養花天
関連季語:         
解説: 桜が咲く頃の曇り空を言う。雲が低く垂れ込めるほどではなく、比較的明るい曇り空である。
 太陽に暈がかかることもある。「養花天」は雲が花を養うという発想から生まれた言葉。
来歴: 『世話盡』(明暦2年、1656年)に所出。』
(季語と歳時記)



花曇の俳句:


・花曇きらめき失せて目黒川   稲畑廣太郎


・屋根の雀ひとまはりして花曇  藤岡筑邨


・花ぐもり花びら色の餅を買ふ   島谷征良


・花ぐもり心のくまをとりけらし  杉風


・花曇りがよし酔生夢死がよし   小形さとる




今日は、午前中は曇りだったが、午後は処により陽射しが出ていた。
 晴れている時の桜は、青空を背景にクッキリとした花の姿を見せる。
 曇り空の下では、はっきりとした輪郭や輝きは無いが、穏やかな色の優しさがある。

名古屋も染井吉野が満開になり、雨風次第では散ってしまう日になってしまう。
 個人的には、桜はそれなりに足を運び、花を楽しませていただいている。
 集まっての花見の宴は、明後日42日の予定になっている。

当日は、曇の天気予報だ。
晴れの日の花もは勿論良い。
しかし、曇の日の花見も悪くはない。
暑すぎることもなく、日焼けの心配もない、穏やかな曇り日の宴は、花見日和とも言える。

煌めきとか陰影とかは無い中間色の穏やかな色合い。
花曇りの良さは間違いなくある。

下の2句は、そう教えてくれている。
杉風は、花曇りの花は、心の陰も取り去ってくれると言う。
小形氏は、もっと過激な中間派だ。
花は晴れより曇りが良い。人生も波乱万丈より、夢見心地が良いと言う。人生の達人の様に。





2023-03-30 (Thu)

2023/03/30 日記 野遊び

2023/03/30 日記 野遊び

2023/03/30      (木)      旧暦:   閏2月9日      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時31分           日没:   18時00分       月出: &...

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2023/03/30      ()      旧暦:   29      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   531           日没:   1800       月出:   1118       月没:   148         月齢:   8.4       潮汐:      小潮     干支:   丁亥     六曜:   仏滅


今日のあれこれ: 野遊び

《 里山散歩 春の野の花樹々の花、ヤマザクラ・カタクリなど  2023. 3 .15. (4K) 》

https://youtu.be/HZQCAFmiiFM



『野遊(のあそび)  晩春

【子季語】
 山遊、野がけ、春遊、ピクニック

【解説】
 春の山野に遊ぶこと。飲食を楽しんだり、遊びに興じたり、花や草を摘んだりして過ごす。

【来歴】
 『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。』
(季語と歳時記)



野遊びの俳句:


・貫之のあそびたる野に遊びけり  稲荷島人


・暖かき日を遊ばんと野に出でし  高木晴子


・子と犬の野遊び終へて息青し   丸井巴水


・共に老い野遊びのあと万歩計   酒井たかお


・寝ころびて野遊びの雲独り占め   隅田恵子




冷たく激しい北の風が止めば、温かな陽が山に野に降り注ぐ
春だ。

その様な恵まれた日に家に籠もってはいけない。

広がる緑の野に出て、陽射しを浴びて、目的もなく野を歩くことだ。
 野遊びに目的などいらない。

春が呼び寄せた、空を、白い雲を、囀る鳥たちを、陽を浴びて輝く緑の樹樹を身体で感じて歩き回ることが何よりも貴重なのだから。

隅田氏の様に寝転がって世界と春と自分が一つになるのをまつのだ。





2023-03-29 (Wed)

2023/03/29 日記 伊勢参

2023/03/29 日記 伊勢参

2023/03/29      (水)      旧暦:   閏2月8日      祝日・節気・雑節・朔望:   上弦     日出:   5時32分           日没:   17時59分       月出:   10時23分    ...

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2023/03/29      ()      旧暦:   28      祝日・節気・雑節・朔望:   上弦     日出:   532           日没:   1759       月出:   1023       月没:   057         月齢:   7.4       潮汐:      小潮     干支:   丙戌     六曜:   先負


今日のあれこれ: 伊勢参

《 【伊勢神宮】神宮を感じる FEEL JINGU「伊勢 ダイジェスト」4K ISE-JINGU 》

https://youtu.be/FHGC1FPxLwE



『伊勢参: 伊勢参宮、お蔭参、抜参、坂迎へ、伊勢講、太々講

  三春

伊勢神宮に参拝すること。
時候が良いため近世には春に多く行われた。
伊勢講を作り講中で参拝することも多い。 』
(季語と歳時記)



伊勢参の俳句:


・初御空那覇より空路伊勢参   伊舎堂根自子


・五十鈴川手を浸すより伊勢参   稲畑廣太郎


・落花踏み鳥の声浴び伊勢参り   中山静枝


・老杉へ音響かせて伊勢参り  松原弥生


・父母ありし日の美しき伊勢参り   冨松寛子




伊勢参りの句は少ない。
ザッと探しただけでは、50句にも満たない。
どうしたことだろう?

神様の聖域を句に詠んではいけないという思いがあるのだろうか。
 そのようなお考えは神様にはないはずだが。

お伊勢さんには誰もお参りしているはずだ。
三重には海もあり観光地もあり桜も美しい。
句の題材、敬虔な想いなどは作句には困らないはずだが。

一番の問題は、「伊勢参り」の感動の大きさだろうと思う。

江戸時代、人々は貧しく、伊勢参りをすべての人が行うことは出来なかった。
 講を作り代表者を伊勢参りに出す事が一般的だった。

その辺りの事情は以下のWikipediaに詳しく書かれている。

「お蔭参り」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E8%94%AD%E5%8F%82%E3%82%8A

今の人は、経済的には誰でも行くことが出来るので、感動が少ないのだ。

日本を昔から見てこられた神様に詣でて、今までの自分とこれからの自分を顧みて心を新たにすれば、大きな意味を見出すことが出来る。

コロナ禍も落ち着きつつある。
もう伊勢参りを再開する時期が来ている。
季節も美しい季節になる。
お蔭参りに出よう。





2023-03-28 (Tue)

2023/03/28 日記 花冷え

2023/03/28 日記 花冷え

2023/03/28      (火)      旧暦:   閏2月7日      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時34分           日没:   17時58分       月出: &...

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2023/03/28      ()      旧暦:   27      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   534           日没:   1758       月出:   932         月没:   000         月齢:   6.4       潮汐:      小潮     干支:   乙酉     六曜:   友引


今日のあれこれ: 花冷え

《 27日はお花見日和26日の東海3県は花冷えの一日に 名古屋・鶴舞公園では約750本の桜が満開間近 》

https://youtu.be/J0M3Z3-BSKQ



『花冷え(はなびえ)  晩春

【子季語】
 花の冷え

【関連季語】
 桜、花

【解説】
 桜の咲くころ、急に冷え込むことがある。そのひえびえとした感じを花冷えという。
 早春の春寒とは違い、すっかり暖かくなってからの冷え込みである。』
(季語と歳時記)



花冷えの俳句:


・一山を覆へる靄や花の冷え  桂信子


・粟田口より花冷の京に入る   山路紀子


・花冷えて軒の雀の人恋ふごと   高塚診次


・花の冷えと花の重たさの下をゆく  篠原梵


・花冷えのむしろに坐る宴かな   高橋均




名古屋周辺の桜は満開で、この週末までが見頃と、TVの花見情報が話していた。
 今日、用水路沿いの桜並木は満開で、少し強めの風に誘われて、散り始めている樹もあった。

この時期は、太陽の出る昼下がりは気温が上がるが、日が沈み、夕闇が濃くなると一気に気温が下がる。
 一日の寒暖差が大きい。多治見市を見ると最高は20度あっても、最低は3度だ。寒暖差が17度もある。多くの季節の寒暖差は、10度程度だが、桜の満開の頃の寒暖差は、もっと激しいのだ。

これか、花冷えの科学的根拠だが、季語の花冷えは、感覚の世界だ。

花の句は多いが、花冷えの句も多い。
ザッと調べただけでも、1300句を遥かに超える句が見つかる。

温かくなった陽射しの下の花とその対極にある寒い夜気の中の花と、同じ時期に両方見ることが出来るから、花冷えの句が多いのも当然のことだろう。

温暖化に連れて、開花時期が早くなっている。
昔のイメージでは、満開の桜は入学式と重なっていた。
感覚的には、その頃と今と比べると、1週間から10日程満開が早くなったような気がする。

桜の花は冷たい空気の方が好きなのだろう。





2023-03-27 (Mon)

2023/03/27 日記 花衣

2023/03/27 日記 花衣

2023/03/27      (月)      旧暦:   閏2月6日      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時35分           日没:   17時58分       月出: &...

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2023/03/27      ()      旧暦:   26      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   535           日没:   1758       月出:   847         月没:   ----     月齢:   5.4       潮汐:   中潮           干支:   甲申     六曜:   先勝


今日のあれこれ: 花衣

『ブルガリアで着物でお花見してきた!』
(花衣を来て、桜のお花見が始まるのは、8:05辺りから)


https://youtu.be/040tY3GKDIE



『花衣(はなごろも) 晩春

【子季語】
 花見衣、花の袖、花見小袖、花の袂、花見衣装

【解説】
 お花見に行く時に女性が着る晴れ着のこと。
古くは「桜がさね」という襲の色目を「花衣」といった。
また、元禄期には花見小袖が流行した。
 現在では特定のものをさしては言わないが、散りゆく花の中の着物姿などは実に華やかである。』
(季語と歳時記)



花衣の俳句:


・花衣てふ言の葉美し八坂道   今村千年


・胸もとに鍵の鈴鳴る花衣  井上雪


・花衣紺を己の色として  鈴木真砂女


・花衣たたむうなじの美しき   西宮舞


・花衣帯解けるとき香りけり   久永つう




アメリカのワシントンDC、ポトマック河畔のお花見は有名だが、ブルガリアでもお花見が行われているのは、知らなかった。
 しかも、着物の花衣でのお花見だから完璧だ。

「花衣」と言う素敵な言葉ががあるのだから、お花見も着物で楽しむ人が増えたほうが良いと思う。

花茣蓙の上で飲食を楽しむお花見とは別に、お茶を楽しむとか、立って行うパーティーの様な花の宴なら着物でも楽しむことが出来る。

日本でも、花衣のお花見の女性が多くなってほしいと思う。





2023-03-26 (Sun)

2023/03/26 日記 夜桜

2023/03/26 日記 夜桜

2023/03/26      (日)      旧暦:   閏2月5日      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時37分           日没:   17時57分       月出:  ...

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2023/03/26      ()      旧暦:   25      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   537           日没:   1757       月出:   808         月没:   2258       月齢:   4.4       潮汐:      中潮     干支:   癸未     六曜:   赤口


今日のあれこれ: 夜桜

《 桜の名所で夜桜ライトアップが復活 目黒川は4年ぶり 隅田川でも「墨堤さくらまつり」始まる|TBS NEWS DIG 》

https://youtu.be/dRZuI4Icihc



『夜桜(よざくら)  晩春

【解説】
 夜の桜花。また、夜の桜花見物のことをいう。
桜の木の周囲に雪洞や燈籠をともしたり、篝火を焚いたりする。
 闇の中に浮かび上がる桜は、昼間とは異なる妖艶さを秘めている。』
(季語と歳時記)


夜桜の俳句:


・星を見に出て夜桜に包まるる   稲畑汀子


・吉原や雨の夜桜蛇目傘 夜桜  正岡子規


・月の夜の桜に蝶の朝寐哉  千代尼


・宴果ててなほ夜桜の酔ひのなか   中山静枝


・雪洞の人肌いろに夜の櫻  高澤良一




WBC
の取材のために、外国から多くの記者が来日した。
各国代表のチームが戦う試合の取材をするのは、当然だがそれ以外にも、日本の今に付いて報告をしていた。

日本の街の綺麗さとかお弁当とか桜の花とかお花見とか色々記者の目に止まり、本人も楽しんでいる様子が、本国に報告され、反響を呼んでいた。

その中に、東京の目黒川の夜桜の報告があった。
川に沿って植えられた桜が雪洞や夜間照明の光の中に浮かぶ様子は幻想的で少し妖しい美しさに満ちていた様だ。

日本の桜の名所は、海外でもよく知られている。
目黒川の桜もその中の一つだそうだ。


長い動画だが、youtubeに目黒川の夜桜が紹介されていたので、記事に掲載させていただくことにした。
確かに、夜桜は陽の下の桜とは、違う美しさに包まれている。


《 目黒川 夜桜ライトアップ2023【中目黒 桜 》

https://youtu.be/SoMv8TvQv7o



《 4K【中目黒 桜】目黒川 夜桜ライトアップ!2023 東京 Japan 》

https://youtu.be/ycA6GmQANEA





2023-03-25 (Sat)

2023/03/25 日記 春の雨

2023/03/25 日記 春の雨

2023/03/25      (土)      旧暦:   閏2月4日      祝日・節気・雑節・朔望:   電気記念日      日出:   5時38分    日没:   17時56分       月出:   7時33分         月没...

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2023/03/25      ()      旧暦:   24      祝日・節気・雑節・朔望:   電気記念日      日出:   538    日没:   1756       月出:   733         月没:   2152       月齢:   3.4       潮汐:      中潮     干支:   壬午     六曜:   大安


今日のあれこれ: 春の雨

《 皇居「乾通り」 4年ぶりに春の一般公開(2023325) 》

https://youtu.be/Tu89i8yInlk



春の雨(はるのあめ) 三春

【子季語】
 暖雨

【解説】
 春に降る雨の総称。雨には概して陰鬱なイメージがつきまといが ちであるが、この季語には春ならではの明るく暖かな雰囲気があ る。
 なお、「三冊子」では陰暦正月から三月の初めに降るのを春の雨。それ以降は春雨と区別している。』
(季語と歳時記)



春の雨の俳句:


・近江路やしがらき笠に春の雨   藤野古白


・家居より外出尚よし春の雨  阿部みどり女


・一歩出で掌にうく春の雨   垣岡暎子


・はちみつのやうな香りの春の雨   高田令子


・花の色育むと言ふ春の雨   大浦昤


・いのちあるもの膨らみて春の雨   椿和枝




花は満開。
お花見の週末なのに、雨になった。
茣蓙に座り、銘酒を片手に花見酒、
それは出来なくなった。

しかし、花を散らす風はない。
穏やかに降る春の雨なら、桜の花びらも美しい。


花見の宴は、出来なくなったが、
花見はできる。

空を見るだけではなく、外に出れば花を見ることは出来る。

家を出て、春の雨降る外に出れば、見るもの、聞こえるもの、手に触れるもの、すべてが生き生きとしている。

俳人たちの句を読んでいると、家の中に閉じこもってはいけないことが良く解る。

降っているのは、ただの雨ではない。
「春の雨」なのだ。

蜂蜜のように甘い香りのする春の雨。
花も生命も育む春の雨。
その中に自分を置けば、
生き返ることが出来る春の雨だ。





2023-03-25 (Sat)

2023/03/25 《重要》ブログ:菜花亭日乗のアドレスの変更

2023/03/25 《重要》ブログ:菜花亭日乗のアドレスの変更

各位 いつも、拙い当ブログをお読みいただきましてありがとうございます。 先日、ブログ管理上の問題から、ブログが表示できなくなった事がありました。 問題が解決しておりませんので、今後、再び、表示されなくなる可能性があります。 現在のブログのアドレスは、以下のとおりです。 http://nabanatei.com/ 今後、表示されなくなった場合は、以下のアドレスで、検索をお願いします。 http://nabanatei.blog.f...

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各位

いつも、拙い当ブログをお読みいただきましてありがとうございます。

先日、ブログ管理上の問題から、ブログが表示できなくなった事がありました。

問題が解決しておりませんので、今後、再び、表示されなくなる可能性があります。


現在のブログのアドレスは、以下のとおりです。
http://nabanatei.com/

今後、表示されなくなった場合は、以下のアドレスで、検索をお願いします。
http://nabanatei.blog.fc2.com

両方のアドレスを、念のために、記録もしくは保存しておいていただければと思います。

http://nabanatei.com/
http://nabanatei.blog.fc2.com


よろしくお願いします。

 菜花亭 笑山





2023-03-24 (Fri)

2023/03/24 日記 雪柳

2023/03/24 日記 雪柳

2023/03/24      (金)      旧暦:   閏2月3日      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時39分           日没:   17時55分       月出: &...

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2023/03/24      ()      旧暦:   23      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   539           日没:   1755       月出:   702         月没:   2045       月齢:   2.4       潮汐:      大潮     干支:   辛巳     六曜:   仏滅


今日のあれこれ: 雪柳

《 #ユキヤナギとスズメ #雪柳 #スズメ #Sparrow #上野動物園 2023. 3.19 》

https://youtu.be/6VoPAVoKhm8



『雪柳(ゆきやなぎ) 仲春

【子季語】
 小米花、小米桜、こめやなぎ、えくぼ花、噴雪花

【解説】
 バラ科の落葉低木。柳のようにしなう枝に、真白い小さな花が群がって咲く。葉に先立って花をつけるため、満開の様子はひとかたまりの雪のよう。春風に散る細かい花びらは、風花のようである。

【科学的見解】
 ユキヤナギは、別名:コゴメバナとも呼ばれている。本種は、バラ科の低木で、本州関東以西から九州の川岸の岩場などに生育している。花が美しいため、広く庭や公園などに植栽されている。近縁の種としては、中国から導入されたコデマリが存在するが、コデマリは花序が散房状にまとまって咲くのに対して、本種は数個の花が束生する点で区別できる。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)



雪柳の俳句:


・雪柳風を呼んでは揺れやまず   松山佐治彦


・咲き満ちて風に嵩張る雪柳   塩川君子


・闇夜にもうかぶ白さや雪柳   中島秀夫


・雪柳風のひと日は龍を舞ふ   泉田秋硯


・阿修羅と逢う噴き溢れ散る雪柳  渋谷道




用水路沿いの道は、今、白い花が延々と続いている。
夏、秋、冬と道端の緑の植え込みとしか見えない風景だが、この季節だけは様子が違う。

細かい白い花をびっしりと着けた雪柳が四方八方に白い連獅子のような髪を伸ばしている。

それが、今日のような風に強い日になると、狂おしく何かの生命あるものの如く激しく動き始める。

狂って髪振り乱す連獅子のように見えるが、泉田氏には龍に見え、渋谷氏には阿修羅に見える。
激しい生命である。

夕方帰ってくる時、大規模マンションの筑山に植えられた雪柳は、一段と高いところから、下を通る自分たちに、連獅子の髪振り乱して、踊り狂っていた。





2023-03-23 (Thu)

2023/03/23 日記 春荒

2023/03/23 日記 春荒

2023/03/23      (木)      旧暦:   閏2月2日      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時41分           日没:   17時54分       月出:  ...

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2023/03/23      ()      旧暦:   22      祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   541           日没:   1754       月出:   633         月没:   1937       月齢:   1.4       潮汐:      大潮     干支:   庚辰     六曜:   先負


今日のあれこれ: 春荒

《 【323()】木曜日は大雨・雷雨に注意!週末は花冷えで黄砂飛来??【近畿地方】 》

https://youtu.be/FJZU-nbn45c



『季語 :  春荒 (はるあれ)

簡単な説明
春に天気が荒れること。時には強い風や雨をともなう嵐となる。』
(俳句データベース)



春荒の俳句:


・春荒れの富士を丸ごと洗ひけり  長田良輔


・春荒れの潮鳴りをきき壱岐を旅   東野鈴子


・春荒の空や信濃は木を曳くころ  河野友人


・春荒や喝と目を剥く仁王像   吉村涼子


・春荒れやわが身の一歩ままならず   樺山翌




昨日までは、春の訪れが快い日だった。
一転、今日は激しい雨が降る日になった。

春に嵐は付き物だ。

月末にかけて、雨や風が激しい荒れ模様の日が続くらしい。

花に嵐の喩えもあるさ






2023-03-22 (Wed)

2023/03/22 日記 陽炎

2023/03/22 日記 陽炎

2023/03/22      (水)      旧暦:   閏2月1日      祝日・節気・雑節・朔望:   放送記念日、朔 日出:   5時42分    日没:   17時53分       月出:   6時05分         月没:   18時28分&nbs...

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2023/03/22      ()      旧暦:   21      祝日・節気・雑節・朔望:   放送記念日、朔 日出:   542    日没:   1753       月出:   605         月没:   1828       月齢:   0.4       潮汐:      大潮     干支:   己卯     六曜:   友引


今日のあれこれ: 陽炎

《 【ゆっくり解説】空気中のモヤモヤ、「陽炎」現象の仕組み 》
  
840辺りから陽炎の解説がある)

https://youtu.be/oi0lrTyjYyU



『陽炎(かげろう、かげろふ) 三春

【子季語】
 野馬、糸遊、遊糸、陽炎燃ゆ、陽焔、かげろひ、かぎろひ

【解説】
 地面から立ちのぼる蒸気で空気が乱れ、風景やものが揺らめいて見えること。光の屈折率の変化によって起こる現象で春に限ったものではないが、のどかな感じがするので春の季語としている。

【来歴】
 『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。

【文学での言及】
 東の野にかぎろひの立つ見えて返り見すれば月かたぶきぬ 柿本人麻呂『万葉集』

(季語と歳時記)



陽炎の俳句:


・かぎろふやまだ水細き飛鳥川  小澤満佐子


・かぎろへる遠き鉄路を子等がこゆ  橋本多佳子


・あるほどの養蜂箱の陽炎へる  西村和子


・おふおふと陽炎の立つ太宰の地   増成栗人


・かげろうて笑うて母の歩みくる  瀧澤伊代次




昨日、今日と春らしい良い天気だった。
しかし、天気は下り坂。
天気の変化が、激しくなりそうだ。

運勢や呪いの世界では、春分の日を境に、大きな変化が訪れると恐ろしい未来を教えてくれる動画も多い。
 また、地震関係の学者は、大地震が近づいているので注意が必要だと警告している。

未来のことは、人間にはわからない。
自然現象も全てわかっている訳では無い。

陽炎も物理的な説明はできるのだが、自分の目で再現しながら理解するのは難しい。

だから、神秘的なものに見える。

陽炎を詠んだ句が多いのは、その様な神秘さが背景にあるのだろう。

1から3までの句は、自然現象の陽炎だ。
4と5は、自然現象なのだろうか。

季節によっては太宰の地にも陽炎は発生するだろうから、否定はできない。

第5句は、これはもう夢の世界か妄想の世界の陽炎だろう。
妄想と言っても快い妄想だが...





2023-03-21 (Tue)

2023/03/21 日記 春分の日

2023/03/21 日記 春分の日

2023/03/21      (火)      旧暦:   2月30日         祝日・節気・雑節・朔望:   春分の日、社日 日出:   5時44分    日没:   17時53分       月出:   5時36分         月没: &n...

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2023/03/21      ()      旧暦:   230         祝日・節気・雑節・朔望:   春分の日、社日 日出:   544    日没:   1753       月出:   536         月没:   1718       月齢:   28.83    潮汐:      大潮     干支:   戊寅     六曜:   先勝


今日のあれこれ: 春分の日

《 飲食伴う「花見」も解禁…コロナ前より弱くなった? 久々の酒を楽しむ“注意点”(2023321) 》

https://youtu.be/RsluPxaX32o



『春分の日(しゅんぶんのひ)  仲春

【解説】
 三月二十一日前後。戦後、国民の祝日として法律で定めれられた。 「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされている。
 昼夜の長さがほぼ等しく、彼岸の中日にあたる。この頃から暖かくなり、行楽に適した日和となる。』
(季語と歳時記)



春分の日の俳句:


・たっぷりと春分の日を歩きけり  増成栗人


・幹つたふ春分の日のひかりかな  岡部名保子


・日も真上春分の日をよろこべば  林翔


・春分の日のなんと大きなオムライス   浅田光代


・春分の日切株が野に光る  安養白翠




今日は、321日。
春分の日の祝日。
折しも花の季節。
開花全国一位の東京。
もう、昨日から上野公園は満開、4年振りの飲めや歌えの宴だったそうだ。

今日春分の日も忙しかった。
花見の宴も、全国で花あるところでは行われたはずだ。
そして、今日はもう一つ日本中が湧いた日だった。

WBC
の準決勝メキシコ戦の侍たちの最後まで力を尽くし、逆転した姿に、多くの人が躍り上がった日だった。

「野球は9回ツーアウトから」と言われるが、今日の日本の侍たちはその通り実行してくれた。
 スンナリと勝つより余程楽しませてくれた。

大谷選手がヘルメットを脱ぎ捨てて、ツーベースを撃ち、2塁上で、
“打ったぞ、次も来い、次も来い、カモン、カモン...”と言った仕草で、両腕を引き寄せて、次の「村神」選手を鼓舞した。
そして、「村神」様は、それに応えて、フェンスまで飛ばして見せた。
 語り草になるドラマだった。


春分の句を読んでいると、最後の句に出会った。
「切株」の文字を見て、また大谷選手を思い出してしまった。

《 【大谷翔平選手のサイン入り切り株】 名古屋城本丸御殿で展示へ 名古屋市 》

https://youtu.be/EYnkciWyeK4


(*
大谷選手と切株の話を知らない人は、以下の記事が参考になる。

『河村市長「せっかくのご縁なので…」 名古屋城天守閣復元に使用される岩手産の名木の切り株に大谷翔平選手がサイン 414日~57日に展示』
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d354bcbf431afa7ae6c174acec443325e470da4

*)





2023-03-20 (Mon)

2023/03/20 日記 目白

2023/03/20 日記 目白

2023/03/20      (月)      旧暦:   2月29日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時45分           日没:   17時52分     &nb...

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2023/03/20      ()      旧暦:   229         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   545           日没:   1752       月出:   504         月没:   1606       月齢:   27.83    潮汐:      中潮     干支:   丁丑     六曜:   赤口


今日のあれこれ: 目白

2023319日のメジロ』

https://youtu.be/T-o2wLHjFGQ



『眼白(めじろ) 三夏

【子季語】
 目白籠、目白捕

【解説】
 十二センチくらいのメジロ科の留鳥。目のまわりに光沢のある白い環があるので、この名がある。性格が穏やかでよく群れをなす。 』
(季語と歳時記)



目白の俳句:


・いちどきに目白のこゑのふえてをり  伊藤敬子


・眼白来て庭の楽しさ音となる  斎藤翠


・一通り見せ呉れ目白の軽業芸  高澤良一


・おしゃべりな目白の雌雄梅に来て   隅田恵子


・賀客なり夫と迎へし目白二羽   青木民子




冷たい風が止み、春の陽射しが其の儘温かくなった。
木々にも土の上にも、色鮮やかな花が声を挙げ、目を引くようになった。

街を歩いていても、公園の中を歩いていても、鳥の姿が目につくようになった。

公園の芝生の周りの、木々が多いところの花を見に行くと、そこには先客がいる。
 鳥たちが花を楽しんでいる。

鳥たちの花の楽しみは花見ではなく、花の蜜であることは言うまでもない。
 人とは違って花より密だ。

枝に居る鳥たちで、目白は名前の通りの特徴があるので判り易い。
 忙しく密を探している姿を見ていると、時を忘れていた。

週末にかけては雨の日が多くなるという。
花見も花蜜も、今の内に。





2023-03-19 (Sun)

2023/03/19 日記 彼岸桜

2023/03/19 日記 彼岸桜

2023/03/19      (日)      旧暦:   2月28日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時47分           日没:   17時51分     &nb...

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2023/03/19      ()      旧暦:   228         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   547           日没:   1751       月出:   427         月没:   1451       月齢:   26.83    潮汐:      中潮     干支:   丙子     六曜:   大安


今日のあれこれ: 

《 【ペキニーズ】16歳ペキニーズの日常「凄くねぇ?、彼岸桜に彼岸花、お彼岸前後に、絶対咲くじゃん」 》

https://youtu.be/Q8b_kMp5DkI



『彼岸桜(ひがんざくら)  仲春

【子季語】
 枝垂彼岸、江戸彼岸、姥彼岸

【解説】
 バラ科の落葉樹。春の彼岸の頃咲くのでこの名がある。花はソメイヨシノにくらべると、白っぽくややこぶりでパラパラとした感じに咲く。

【科学的見解】
 彼岸桜は、コヒガンザクラとエドヒガンに対して使われる名称である。コヒガンザクラは、エドヒガンとマメザクラの雑種と考えられており、主に観賞用に庭木などに活用されている。エドヒガンは、本州から九州の山地に分布する野生の桜であり、コヒガン同様に庭や寺院などに植栽されている。ともに春の彼岸頃に開花する。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)




彼岸桜の俳句:


・彼岸桜咲き大空を見上げたる   中谷富子


・含羞の彼岸桜の咲きはじむ  細見綾子


・咲きそめし彼岸桜のとどまらず   稲畑汀子


・尼寺や彼岸桜は散りやすき  夏目漱石


・母植ゑし彼岸桜は紅淡く   谷泰子




昨日、雨も終わり、今日の日曜日は春らしい陽光が朝から降り注ぐ春らしい日になった。

この様な日は、家に居てはいけない。
外に出て歩くことだ。

用事を済ませ、午後自由になり、気儘に歩きに出かけた。
用水路の道の植え込みには、雪柳が連獅子のような白い髪を振り乱している。
 その先には白木蓮が待っている。

公園は、サッカーや野球を楽しむ人が溢れ、ドッグランには、飼い主と犬達が走り回れないほど密集している。それでも犬も人も楽しそうだ。

公園内の木々も今日は、花を咲かせている。
紫木蓮、白木蓮、椿に紅梅と白梅、その遠くに見えるのは辛夷だろうか。

帰り道の芝生の花壇には、菜の花が満を持していた様に、か風除けの覆いを外され、黄色い花が菜の花畑を造っていた。

今日は、佳い日になった。
春爛漫。





2023-03-18 (Sat)

2023/03/18 日記 彼岸

2023/03/18 日記 彼岸

2023/03/18      (土)      旧暦:   2月27日         祝日・節気・雑節・朔望:   彼岸     日出:   5時48分           日没:   17時50分       月出:   3時44分 &...

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2023/03/18      ()      旧暦:   227         祝日・節気・雑節・朔望:   彼岸     日出:   548           日没:   1750       月出:   344         月没:   1335       月齢:   25.83    潮汐:      若潮     干支:   乙亥     六曜:   仏滅


今日のあれこれ: 彼岸

《 「去年は雪に埋まっていたお墓…今年は楽です」”彼岸の入り”で札幌の霊園 一気に進む雪解けの中 先祖を供養 (23/03/18 12:00) 》

https://youtu.be/cVYhxgJzu6Q



[季節] 仲春(3月18日ころから24日ころ)時候季題
 
[
季題] 彼岸(ひがん)
 
[
副題] 入彼岸(いりひがん)
    お中日(おちゆうにち/おちゅうにち)
    彼岸会(ひがんえ)  彼岸寺(ひがんでら)
    彼岸詣(ひがんもうで)
 
  ▼副題の『入彼岸』の例句へ ▼副題の『お中日』の例句へ
  ▼副題の『彼岸会』の例句へ ▼副題の『彼岸寺』の例句へ
  ▼副題の『彼岸詣』の例句へ
 
 春分の日を「お中日」とする前後3日の7日間を彼岸という。
 
 たいてい3月18日ころから24日ころまでとなる。
 
 俗に「暑さ寒さも彼岸まで」というように誠に良い時候である。
 
 彼岸とは梵語の波羅蜜多の訳で悟りの境地に至ることであるがこの季節太陽が真西に沈むで西方浄土と関係づけて彼岸会の行事が行われる。
 
 このとき先祖を祀り墓参をし寺院に詣でる。
 

 俳句で「彼岸」といえば春の彼岸をさし秋分の日を中心とした彼岸は「秋彼岸」又は「後の彼岸」と詠まれる。』
(清月俳句歳時記
https://haiku575.info/saijiki/03/a/04/04.htm




彼岸の俳句:


・雲海の彼岸の富士や今日あけつゝ  中村草田男


・安房なれや彼岸の供華も金盞花  清崎敏郎


・花ちらほら鳥も獣も彼岸かな  日野草城


・お彼岸の寺に遊べる雀かな   松山正江


・一山を越え来し思ひ彼岸来る  稲畑汀子


・何見ても喰みても彼岸おかげさま   丸山佳子







2023-03-17 (Fri)

2023/03/17 日記 卒業

2023/03/17 日記 卒業

2023/03/17      (金)      旧暦:   2月26日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時49分           日没:   17時49分     &nb...

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2023/03/17      ()      旧暦:   226         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   549           日没:   1749       月出:   252         月没:   1221       月齢:   24.83    潮汐:      長潮     干支:   甲戌     六曜:   先負


今日のあれこれ: 卒業

《「入学式なし」「分散登校」で始まった高校生活…初めてのマスク不要行事が「卒業式」(2023228日)》

https://youtu.be/JuNDzFj0mKw



『卒業(そつぎょう、そつげふ)  仲春

【子季語】
 卒業生、卒業式、卒業期、卒業証書、卒業歌、卒園

【関連季語】
 落第、大試験

【解説】
 学業を修めて学校を去ること。幼稚園から大学までさまざまな卒業がある。日本の卒業式は年度末の三月に行われる。一つのことを成しとげた安堵感や新しい世界への希望に満ちた心とともに、学舎を去るさびしさや人との別れなどが入り混じり感慨もさまざまでる。』
(季語と歳時記)



卒業の俳句:


・沖をゆく流氷窓に卒業歌  伊藤彩雪


・一樹よく耀く日以て卒業す  下村槐太


・花束の混んでロビーは卒業期   鴛尾敏子


・一礼の目の奥澄める卒業子   水谷靖


・寄せ書きに夢をいつぱい卒業す   遠山のり子







2023-03-16 (Thu)

2023/03/16 日記 磯開

2023/03/16 日記 磯開

2023/03/16      (木)      旧暦:   2月25日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時51分           日没:   17時48分     &nb...

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2023/03/16      ()      旧暦:   225         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   551           日没:   1748       月出:   152         月没:   1113       月齢:   23.83    潮汐:      小潮     干支:   癸酉     六曜:   友引


今日のあれこれ: 磯開

《伝統を紡ぐ海女たち 海女学でさぐる持続可能な漁業 | ガリレオX 203回》

https://youtu.be/3dr5ALLvDto



『磯開(いそびらき)  晩春

【子季語】
 海下、口開祭、磯の口開、浜の口開

【解説】
 海藻類や魚介類などの解禁日のこと。乱獲を防ぎ、海草や貝などの成長を促すための禁止期間の解除である。』
(季語と歳時記)



磯開の俳句:


・にぎやかにほら貝吹いて磯開き  三浅馨三


・磯開き陣形の海女沖へ沖へ  佐藤信顕


・磯開大きな月の昇りけり  宮坂静生




磯開きは晩春の季語。
海藻や鮑などの貝類の保護期間が開け、漁が始まる解禁の行事なのだが、2023年の磯開きの動画を探しても見つからなかった。

磯開きは、今年は行われていないのだろうか。
詳しい事情は、分からない。

自分の勝手な想像で言えば、磯焼けが全国的に進行している。
 海藻が水中を覆い、その中で貝や海老などなどが生きる、海女の仕事の場である磯が無くなっているそうだ。
 居るのは海藻を食べ尽くすウニばかり。海藻を食べ尽くしたウニは、痩せ細り、ウニとしての商品価値はない。

その様な磯焼けの海では、海藻が最初からいないのだから、禁漁する必要もなく、磯開きも行われないのだろう。

磯焼けの原因は、地球の温暖化。
海水温の上昇と言われるが、詳しいことはわかっていない。

季節感豊かな自然が失われれば、季語も実体を喪失して死語ばかりになってしまう。

そんな事は絵空事だと未来が教えてくれれば、安心できるのだが...







2023-03-15 (Wed)

2023/03/15 日記 白木蓮

2023/03/15 日記 白木蓮

2023/01/15      (日)      旧暦:   12月24日       祝日・節気・雑節・朔望:   小正月、下弦    日出:   6時50分    日没:   16時50分       月出:   ----     月没:   11時11分 &nb...

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2023/01/15      ()      旧暦:   1224       祝日・節気・雑節・朔望:   小正月、下弦    日出:   650    日没:   1650       月出:   ----     月没:   1111       月齢:   22.7      潮汐:   小潮           干支:   癸酉     六曜:   大安


今日のあれこれ: 白木蓮

『白木蓮2023 じっちゃん花物語』

https://youtu.be/DsBvcT3MI_Q



『木蓮(もくれん) 仲春

【子季語】
 木蘭、もくれんげ、紫木蓮、白木蓮、はくれん

【解説】
 モクレン科の落葉高木。春、葉に先立って花をつける。白炎のような花を咲かせる白木蓮と、外側が紫、内側が白色の紫木蓮があり、紫木蓮の方が開花時期が少し遅い。

【科学的見解】
 木蓮は、それら仲間の総称として呼ばれる場合もあるが、生物種としてのモクレンは、紫色の花弁を有する紫木蓮(別名:シモクレン)をさす。ハクモクレンとは、分類学上で区別されている。その他木蓮の仲間としては、ホオノキ、シデコブシ、タムシバ、タイサンボク、オオヤマレンゲなどが存在し、被子植物誕生の歴史の中で早くから出現した太古の植物でもある。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)



白木蓮の俳句:


・家ごとに白木蓮あかり峡の村   内藤順子


・雲ひとつ無き空に映ゆ白木蓮   村田武


・青空に白木蓮の舞ふごとし   谷田貝順子


・白木蓮かたはらに夫ゐるごとく   田代ヨシ


・白木蓮にちちはは思ふ高曇り   荒井千佐代




冷たい風が止むと、待っていた花々が一斉に咲いた。

用水路沿いに植えられた白木蓮が咲いた。
公園の紫木蓮も咲いた。
高速道路下の辛夷並木も咲いた。

中でも白木蓮は晴れ上がった青い空を背景にするとその白さが一層際立つ。

白木蓮を見るのは、一人でも良いが、満開の美しい瞬間には、かけがえの無い人と一緒に見るのが良い。

そうすれば、下の2句の様に、毎年白木蓮は、美しい瞬間を用意してくれる。
 かけがえの無い人を想い起こしてくれる瞬間を...





2023-03-14 (Tue)

2023/03/14 日記 春光

2023/03/14 日記 春光

2023/01/14      (土)      旧暦:   12月23日       祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   6時50分           日没:   16時49分       月出:&...

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2023/01/14      ()      旧暦:   1223       祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   650           日没:   1649       月出:   2334       月没:   1046       月齢:   21.7      潮汐:      小潮     干支:   壬申     六曜:   仏滅


今日のあれこれ: 春光

『早春の花 2023年』

https://youtu.be/5dzRfw13gSM



『春光(しゅんこう、しゆんくわう)   三春

子季語: 春の色、春色、春望、春の匂、春景色、春景、春の光
関連季語: 春日
解説: もともとは春の風光、春の景色をいったが、春の日の光としても用いられる。
来歴: 『俳諧大成新式』(元禄11年、1698年)に所出。
文学での言及: 
 誰か言つし春の色東生より到ると、露暖かにして南枝花始めて開く 菅原文時『和漢朗詠集』

 野煙の春の光に嘯いて、各々一句を吟じ、山霞の晩の色を酌んで、忽ちに数盃に酔ゑり                              橘在列『新撰朗詠集』

(季語と歳時記)




春光の俳句:


・一湾の春光廻す風車かな   岡野里子


・汲み上ぐるたび春光を含む水   ことり


・うれしさは春のひかりを手に掬ひ  野見山朱鳥


・この道ときめ春光の只中へ   井上玉枝


・一歩又一歩春光又一歩   稲畑汀子




今日は、本当に良い天気だった。
冷たい風が漸く止んだ。
そして春の光が眩しいばかりに降り注いだ。

冷たい風が吹き付ける春先が長かったので、
今日の様な穏やかな春の光と風は特に心を踊らせた。

昼休み、建物から外に出て、歩いてみると。
いつも見慣れた風景も今日は変わっている。
気づかなかった花に道は彩られている。
あの家の庭に梅の木があったのだ。
満開の紅梅は枝も全て見えないほどに赤い花に囲まれている。

道沿いにも、辛夷の花は咲き、白木蓮の蕾は早くも開き、おおらかな白い花が光に照らされて明るく輝いている。

この様に、春の光と風の中を歩く日は、もう何日もあるだろうか。

下の2句。
井上氏と稲畑氏の歩いた道も、同じような春の光と風の中だったに違いない。





2023-03-13 (Mon)

2023/03/13 日記 お水取

2023/03/13 日記 お水取

2023/03/13      (月)      旧暦:   2月22日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時55分           日没:   17時46分     &nb...

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2023/03/13      ()      旧暦:   222         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   555           日没:   1746       月出:   2337       月没:   845         月齢:   20.83    潮汐:      中潮     干支:   庚午     六曜:   大安


今日のあれこれ: お水取り

2023 【修二会】若狭小浜のお水送り 神宮寺から奈良東大寺へ》

https://youtu.be/JqJgieL4GIw



『お水取り(おみずとり、おみづとり)  仲春

【子季語】
 水取

【関連季語】
 修二会、若狭のお水送り

【解説】
 奈良東大寺二月堂における修二会の行のひとつ。三月十二日深夜、堂近くの閼伽井から香水を汲み本尊の十一面観音に供える。この水は、天平時代より遠敷明神が若狭から送り届けるという時空を超えた霊水。これを中心に堂内外ではさまざまな祈の行法がある。これが終わると奈良に本格的な春が訪れる。

【来歴】
 『わくかせわ』(宝暦3年、1753年)に所出。

【実証的見解】
 「お水取り」は、三月十二日の夜から十三日の未明にかけて、若狭井から香水をくみ上げる行事である。十三日の午前一時半ころ練行衆の行列が二月堂から閼伽井屋に向かい、暗闇の中で香水がくみ上げられる。香水は閼伽桶入れられ、榊を飾った台に載せて内陣に運ばれる。この「香水」は、本尊の十一面観音に献じたり、供花の水として用い、残りは一般の参詣者にも分けられる。香水は、若狭の遠敷(おにう)明神が神々の参集に遅れた詫びとして二月堂本尊に献じことに由来する。今でも「お水取り」に先立って若狭小浜市の若狭神宮寺では、「お水送り」(三月二日)の行事が行われる。』
(季語と歳時記)



お水取りの俳句:


・お水取待つ間落ちゆく眉の月  小枝秀穂女


・お水取火の曼陀羅の走る闇  山田弘子


・お水取五体投地の板の音  安藤香風


・お水取火屑浄土にわが浮ぶ  青木綾子


・水取や仰ぐ随喜の火の粉あび  田畑美穂子




春を呼ぶ行事とも言えるお水取り。
これが終われば、もう春は目の先にある。

東大寺に水を送る神宮寺は、福井県若狭市にある事は知らなかった。
 神宮寺という名前が示すように、この寺は神仏習合の寺だそうだ。

神仏習合は歴史の時間に昔の話として学んだ事はあるが、明治になり皇国化政策により廃仏毀釈が行われ、神社と寺は分離されたと理解していた。
 しかし、融通無碍というか自由自在というか神宮寺という名前で今なお神事を行う寺が存在しているとは興味深い。
 国が政策として外から押し付けても、中の本質は変えられないということを証明している。

火を使った激しい行とも見えるお水取りは、仏籍のものでなくとも、浄土に浮かんだり、随喜の涙の中にいることが出来る事を下の2句は証言している。

葬式仏教と言われるようなお寺の側面より、お水取りのようなお寺のほうが、人の魂を震わせるのであれば、そちらのほうが宗教としては魅力的と思う。

松明の火を浴びなければ、そこのところは頭だけでなく心を含めた身体全体で理解することは出来ない。
 お水取りの火を浴びに、行くことが必要だ。





2023-03-12 (Sun)

2023/03/12 日記 土筆

2023/03/12 日記 土筆

2023/03/12      (日)      旧暦:   2月21日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時57分           日没:   17時45分     &nb...

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2023/03/12      ()      旧暦:   221         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   557           日没:   1745       月出:   2230       月没:   812         月齢:   19.83    潮汐:      中潮     干支:   己巳     六曜:   仏滅


今日のあれこれ: 土筆

《二十四節気の一つ『啓蟄』 ツクシが姿を見せ春の訪れ(熊本) (23/03/06 18:30)

https://youtu.be/aytnnas7Djs



『土筆(つくし)  仲春

【子季語】
 つくづくし、つくしんぼ、筆の花、筆頭菜、土筆野、土筆摘

【解説】
 筆和、土筆飯、土筆汁トクサ科の多年草。杉菜の胞子茎をいう。三月ごろから日のあたる土手や畦道に生える。筆のような形をしているのでこの名がある。

【科学的見解】
 土筆は、スギナというシダ植物の胞子葉の部分をさす。春先、土壌中にある地下茎から胞子葉が伸び、地上に出たあとは茎を伸ばし先端から胞子を飛散させる。その後、遅れて細く尖った松葉状の葉(栄養葉)を出し、活発に光合成を行う。スギナは、在来の植物で、北海道から九州まで分布する。土筆は、食用となり、春の山菜として昔から親しまれている。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)



土筆の俳句:


・ぎつしりと箱にお稲荷土筆摘む   きくちきみえ


・つぎつぎと土から生命つくしんぼ   増田甚平


・かたまりて家族のごとく土筆あり   唐澤まさし


・つくしんぼ少年の背は伸び放題   横田敬子


・つくしんぼ摘んでそのままねころんで   根橋宏次


・つくしんぼ子育てといふ至福かな   溝越教子




冷たい北風が収まれば、春の陽に誘われて、野遊びの季節。
 加えて、この季節なら、土筆も土を出て空に向かって伸びている日和だ。

野遊びなら、穏やかな陽射しさえあれば良い。
それに、土筆でも見つけることができれば、なお良い。

都会暮らしの人間には、どこに土筆は生えているのかわからない。
 訊いてみると、川の堤防には生えていることが多いそうだ。

この辺りなら、木曽川や長良川の堤防のある場所なら、見つけることが出来るそうだ。


昨日、今日、野に出て土筆採りを楽しんだ人は多いはずだ。

来週もまだ天気さえ良ければ、間に合う。

沢山採る必要はない。
ほろ苦い土筆の春の味わいを味わえれば、それで充分なのだから。





2023-03-11 (Sat)

2023/03/11 日記 桃の酒

2023/03/11 日記 桃の酒

2023/03/11      (土)      旧暦:   2月20日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時58分           日没:   17時44分     &nb...

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2023/03/11      ()      旧暦:   220         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   558           日没:   1744       月出:   2124       月没:   744         月齢:   18.83    潮汐:      中潮     干支:   戊辰     六曜:   先負


今日のあれこれ: 桃の酒


桃花酒

(桃の酒の動画が見つかりませんでした。
 これは、動画ではなく、写真です。)
桃の酒http://www.kikunotsukasa.jp/column/archives/5147
  より転載)



『桃の酒(もものさけ)  仲春

【子季語】
 桃花酒

【解説】
桃の花を浸した酒。
 これを桃の節句に飲めば、百病を除き、顔の色艶がよくなるといわれる。』
(季語と歳時記)


桃の酒の俳句:



・くちびるにひと雫うけ桃の酒 黒川悦子


・桃の酒も李白は一斗例のごとし  樗良


・雛もなし男ばかりの桃の酒 桃酒  正岡子規


・桃の酒五官やさしくなりにけり  塚本久子


・ぬれつつぞしひてもりこぼす桃の酒  宗因


・恋よびの一句や桃の酒注がれ  加藤三七子




桃の酒は、上巳の節句、雛祭りに飲まれてきたお酒のようだ。
今は、子供向けの白酒は残っているが、大人向けの桃の酒は、あまり飲まれない。

3
3日の雛祭りの日記に書いたように、現在では雛祭りは、女の子・子供の祭りになってしまっている。だから、白酒は飲まれるが桃の酒は飲まれないのだろう。

雛祭りの記事に書いたように、大人の女性も元女の子であることは、間違いない。
 子供の女の子だけではなく大人の元女の子の成長と健康と感謝の気持を込めて、桃の酒で祝うべきだと思う。

説明にある様に、桃の酒を飲めば顔の色艶がよくなるそうだ。
美しくなれるお酒を飲まない手はない。

酒蔵も酒屋も、もっとこの側面を声を挙げて、桃の酒を売れば、商売の売上は上がり、女性は美しくなる。
良い事ずくめの桃の酒を、飲んで楽しめば、皆、ハッピーになれるのだ。





2023-03-10 (Fri)

2023/03/10 日記 沈丁花

2023/03/10 日記 沈丁花

2023/03/10      (金)      旧暦:   2月19日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   5時59分           日没:   17時43分     &nb...

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2023/03/10      ()      旧暦:   219         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   559           日没:   1743       月出:   2022       月没:   718         月齢:   17.83    潮汐:      大潮     干支:   丁卯     六曜:   友引


今日のあれこれ: 沈丁花

『沈丁花 春を香りで告げる日本三大香木 [20223月 神奈川]

https://youtu.be/IYtNjOm4etI



『沈丁花: ちやうじぐさ、瑞香、沈丁、丁字

  三春

中国原産の常緑灌木。鈍い光沢のある卵形の葉をもち、庭や垣に植えられる。
 薄紅の小さな薬玉のような花を球状につける。花は名の示すとおり沈香と丁字の香を併せもち、その鮮やかな匂いで
春の到来を告げる。』
(季語と歳時記)



沈丁花の俳句:


・月あげて空昏れきらず沈丁花   伊藤美音子


・沈丁のくちひらきゆく月夜にて  金田咲子


・三日月の大きかりける沈丁花  松本たかし


・沈丁の香にこの頃の月のよき  高橋淡路女


・鎌倉の月まんまるし沈丁花  高野素十




朝、8時の地下鉄に乗ろうと、少し早足で歩いている。
今日も春らしい良い天気に恵まれた。
用水の水も昨日と違って綺麗な水が豊かに流れている。
前方の樹の枝に白いものがいくつか見える。
近づいたので見上げてみると白木蓮の蕾だった。
もう春なのだ。
のんびりとしてはいられない。また歩きはじめる。

今度は、甘い香りが左から流れてくる。
よく知っている香りだ。
沈丁花の甘くやるせない香りだ。
見ると、道路に沿った植え込みに、沈丁花が飛び飛びに植えられている。
 小さな赤い蕾が開き白い花びらが見える。辺りには沈丁花の香りが充満していた。

それから地下鉄に乗れば、慌ただしい一日の始まりだった。


夜、季語は黄水仙を予定していたが、沈丁花に変更することにした。


例句を読んでみると、意外にも沈丁花を月と伴に詠んでいる句が気になった。
 朝陽の下の沈丁花ではないが、月夜の沈丁花も確かに魅力的だ。

闇の中、花の姿は確かではなくとも、その香りは確かなものだ。

三日月の夜も、満月の夜も、沈丁花の甘い香りは、人の心をよろめかせる。

今度は、月の明るい夜に、用水路の道を歩いてみよう。





2023-03-09 (Thu)

2023/03/09 日記 田楽

2023/03/09 日記 田楽

2023/03/09      (木)      旧暦:   2月18日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   6時01分           日没:   17時42分     &nb...

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2023/03/09      ()      旧暦:   218         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   601           日没:   1742       月出:   1921       月没:   654         月齢:   16.83    潮汐:      大潮     干支:   丙寅     六曜:   先勝


今日のあれこれ: 田楽

4K映像 ふくい足もと遺産「木の芽でんがく」』

https://youtu.be/lQgon1Z7dSc



『木の芽田楽(きのめでんがく) 三春

【子季語】
 田楽豆腐、田楽焼、田楽刺、田楽

【解説】
 山椒の若芽を木の芽といい、これを擂りつぶし味噌と混ぜ、長方形に切った豆腐に塗り焼いたもの。緑が美しく香ばしい。

【来歴】
 『守貞漫稿』(嘉永6年、1853年)に所出。

(季語と歳時記)



田楽の俳句:


・参河路の田楽なれや味噌加減  能村登四郎


・ご城下の豆腐田楽二本差し  田部黙蛙


・お茶屋めき木の芽田楽婆つくる  山口青邨


・田楽の木の芽をもつと摺りまぜよ  杉田久女


・酒をかむ木の芽田楽一人前  根津洋子




豆腐だけではなく山女やこんにゃくや筍や様々なものが
田楽にされる。
 しかし、春の花の季節には、やはり木の芽味噌の豆腐の田楽が無ければ、収まらない。

昔は花より団子では無く、花より木の芽田楽だったにちがいない。

今年の桜の開花は早いそうだ。
東京では3/16、名古屋では3/18だそうだ。
もうお花見の準備をして置かなければならない。

今年は、花を愛でながら木の芽田楽を肴に、霞酒というのはどうだろう。

お花見の名所近くには、田楽の店が見つかるだろう。
多治見の虎渓公園には、若松屋という店があるそうだ。

『虎渓公園(岐阜県多治見市)の若松屋さんで五平餅と木の芽田楽を頂く』

https://youtu.be/r-IQWaQ291A


詳しい、紹介記事もある。

『虎渓公園にある おばあちゃんのお店 若松屋【多治見市・テイクアウト】』
https://myttline.jp/archives/9070


行く場所がなければ、虎渓公園で木の芽田楽も良いではないか!


・田楽やよくぞ日本に生まれける  笑山





2023-03-08 (Wed)

2023/03/08 日記 薔薇の芽

2023/03/08 日記 薔薇の芽

2023/03/08      (水)      旧暦:   2月17日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   6時02分           日没:   17時41分     &nb...

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2023/03/08      ()      旧暦:   217         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   602           日没:   1741       月出:   1822       月没:   630         月齢:   15.83    潮汐:      大潮     干支:   乙丑     六曜:   赤口


今日のあれこれ: 薔薇の芽

《【春来る】バラ、始動!今年もついに春が来た!「バラの芽が動く」とは?&薔薇ノートのススメ。》

https://youtu.be/RP3aBvL8FwE



『薔薇の芽(ばらのめ)  初春

【解説】
 
くの薔薇は三月頃から芽が伸び始める。色は若緑から赤味の強い緑まで品種により様々。』
(季語と歳時記)



薔薇の芽の俳句:



・ばらの芽の紅濃に朝の光満つ   岡淑子


・バラの芽を二寸伸ばして雨上る   中西明子


・薔薇の芽が紅しネクタイ替へてみる  小田切輝雄


・薔薇の芽のくれなゐ人は人愛し   山田暢子


・薔薇の芽の日毎に紅し産衣縫ふ   清原彰子




週末、散歩している公園には薔薇苑がある。
色々な種類の薔薇が花を咲かせる。
盛の春、秋は花の色と香りが苑にむせ返るほどだ。
それ以外の季節も、いつも何かの花が咲いている。
四季咲きの薔薇だろうか、花のない季節がない薔薇もある。

しかし、2月に入ると剪定が行われる。
四方八方に伸びていた枝は、短く切り詰められる。
剪定が済んだ薔薇は皆、同じような顔をしている。
違いは、表示板に書かれている名前だけだ。

3
月に入ると、切られた位置の下の枝分かれと先端の間に、ニキビのような赤い膨らみがポツンと出来る。
その点は、1週間毎に、膨らみ、上に上に伸びてくる。

勢いのある薔薇は、元気いっぱい、伸ばしてくる。
先週末には、性急な薔薇は、芽を解き葉の形に変え始めた。


薔薇の花は、美しい。
花の無い薔薇苑は淋しい。
しかし、薔薇の芽の勢いには生命の力がある。
薔薇の芽には未来がある。
この季節の薔薇には、花とは違う、歓びがある。


薔薇の芽を見ている俳人たちの句には、それが出ている。

最後の清原氏の句。
これはもうどう言ったら良いのだろう。
未来がいっぱい、生命がいっぱい、歓びがいっぱい。
こんな充実した刻、季節があるのだ。
それをまた句に詠んで、確かめるなんて!!






2023-03-07 (Tue)

2023/03/07 日記 残雪と名残雪

2023/03/07 日記 残雪と名残雪

2023/03/07      (火)      旧暦:   2月16日         祝日・節気・雑節・朔望:   消防記念日、望 日出:   6時03分    日没:   17時40分       月出:   17時24分       月没:   6時05...

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2023/03/07      ()      旧暦:   216         祝日・節気・雑節・朔望:   消防記念日、望 日出:   603    日没:   1740       月出:   1724       月没:   605         月齢:   14.83    潮汐:      大潮     干支:   甲子     六曜:   大安


今日のあれこれ: 残雪と名残雪

20233月の太郎山』

https://youtu.be/MaZN1Kg06nQ



『残雪: 雪残る、陰雪、去年の雪、雪形

  仲春

春になっても消えずに残っている雪。町中では日の当たらない庭の隅や建物の裏などに、野山では木や岩や山の陰に残る。
 春が進んだ頃、遠くの山肌に残っている雪が輝いているのもいい。山に残る雪の形で種まきの時期を判断したという地方もある。』
(季語と歳時記)



残雪、雪の果、名残雪の俳句:


・伊吹嶽残雪天に離れ去る  山口誓子


・ほほゑみを目もて分けあひ雪の果  上田日差子


・とめどなく春歌うたへば名残雪  辻桃子


・うつしよに犬猫飼はず雪の果  宮坂静生


・ひざまくら重さ残れり雪の果  谷口桂子




雪を表現する言葉は多い。
雪の降り方、形状、季節などにより表情を変える雪には、様々な名前がつけられ、錯綜した気持ちも付け加えられている。

季語の雪も、それなりに用意されている。
暦も春に入り、雪の降ることも次第に少なくなるが、積もった雪はまだ街にも野にも山にも残る。
 冬も終わりもう春本番かと思う頃、降る雪もある。

それに応じて、残雪、雪の果ての季語が用意されている。

それに加えて、「名残の雪」も加わった。

デジタル大辞泉の説明は、以下のようになっている。

『名残の雪(なごりのゆき) の意味・使い方
 出典:デジタル大辞泉(小学館) 

なごり‐の‐ゆき【名残の雪】 の解説
1 春が来ても消え残っている雪。
2 春が来てから降る雪。《季 春》

goo辞書)

残雪も春が来てから降る雪も両方ともに使うことが出来るとしている。

このブログでも、以下の記事で、名残の雪について書いている。

2019/03/14
 日記  名残の雪
https://nabanatei.com/blog-entry-1.html


もう一つ、「名残雪」がある。

これは、三省堂が、伊勢正三の名曲「なごり雪」を前提にして、春が来て、雪が降り、名残惜しい気持ちを持つ雪をイメージしている。

以下、参照。

三省堂辞書出版部
@sanseido_dict
twitter
https://twitter.com/sanseido_dict/status/1506122711503814656


例句の、下の2句。

「雪の果て」だが、
雪には生命への思いがある。
犬猫を飼わないのは嫌いだからではなく、亡くした後が辛いからだ。
ひざ枕の重さは、別れた恋人か、先立った夫の頭の重さだろう。


その気持を、感じるために、
聴いてみよう。


『なごり雪 - イルカ』

https://youtu.be/eliU3I2nDJA






2023-03-06 (Mon)

2023/03/06 日記 啓蟄

2023/03/06 日記 啓蟄

2023/03/06      (月)      旧暦:   2月15日         祝日・節気・雑節・朔望:   啓蟄     日出:   6時05分           日没:   17時40分       月出:   16時25分 ...

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2023/03/06      ()      旧暦:   215         祝日・節気・雑節・朔望:   啓蟄     日出:   605           日没:   1740       月出:   1625       月没:   538         月齢:   13.83    潮汐:      中潮     干支:   癸亥     六曜:   仏滅


今日のあれこれ: 啓蟄

『今日は冬ごもりの虫が動き始める『啓蟄』松のこも外しでは「暖かかった影響で少ない」(202336日)』

https://youtu.be/JzuH0-rNKGY



『啓蟄(けいちつ)  仲春

【子季語】
 驚蟄

【解説】
 二十四節気の一つで三月六日ころ。「啓」は「ひらく」、「蟄」は「土の中で冬ごもりしている虫」の意で、冬眠していた蛇や蛙などが暖かさに誘われて穴から出てくるころとされる。実際に虫が活動を始めるのはもっと暖かくなってからである。

【来歴】
 『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。

【実証的見解】
 初春の項参照

(季語と歳時記)



啓蟄の俳句:


・城山の鳶啓蟄の宙めぐる  右城暮石


・啓蟄のひかり一村余すなし   田中臥石


・啓蟄といふ新しき土の色   黒滝志麻子


・啓蟄のみみず横縞きらめかす  後藤比奈夫


・啓蟄のなんでも留めたいホッチキス   寺田良治


・啓蟄のそろりそろりと参ろうか   本村弘一




今日は、3月6日、啓蟄。
お天気も、それに合わせて春らしくなった。
朝の天気予報は、4月上旬並の暖かさと言っていたが、確かに風が収まった、陽射しのある日は春本番のようだった。

寒さを避けて土の中に潜んでいた虫たちが、地上に現れる日なのだが、暖かいのは良いが地上に出れば、危険もある。
鳥たちに見つかれば食べられてしまうこともある。
 しかし、穴の中で過ごし続けることは出来ない。時が来れば、活動しなければならない。

啓蟄の日は虫たちの日だけではない、人間にとっても嬉しい日だ。
 もう春だと、お墨付きを得られたのだから。

最後の二句の作者のはしゃぎようはどうだろう!

初めて買ってもらったおもちゃの刀を手にした子供のようだ。
何も留めるものなど必要はない。
カチャカチャ、春なのだから、カチャカチャ、春なのだから...

本村氏など、気分は昆虫と変わらない。
お天気は良いし、春なんだから、慌てる必要もない。
ソロリ、ソロリと気の向く儘だ...





2023-03-05 (Sun)

2023/03/05 日記 鶯

2023/03/05 日記 鶯

2023/03/05      (日)      旧暦:   2月14日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   6時06分           日没:   17時39分     &nb...

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2023/03/05      ()      旧暦:   214         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   606           日没:   1739       月出:   1526       月没:   508         月齢:   12.83    潮汐:      中潮     干支:   壬戌     六曜:   先負


今日のあれこれ: 鶯

『ウグイス ケキョケキョケキョ(谷渡り)』

https://youtu.be/F_tsgUb6MJE



『鶯(うぐいす、うぐひす) 三春

【子季語】
 黄鶯、匂鳥、歌よみ鳥、経よみ鳥、花見鳥、春告鳥、初音、鶯の谷渡り、流鶯、人来鳥

【関連季語】
 笹鳴、老鶯

【解説】
 鶯は、春を告げる鳥。古くからその声を愛で、夏の時鳥、秋の雁同様その初音がもてはやされた。梅の花の蜜を吸いにくるので、むかしから「梅に鶯」といわれ、梅につきものの鳥とされてきた。最初はおぼつかない鳴き声も、春が長けるにしたがって美しくなり、夏鶯となるころには、けたたましいほどの鳴き声になる。

【来歴】
 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。

【文学での言及】
 鶯の谷より出づる声なくは春来ることをたれかしらまし 大江千里『古今集』

【実証的見解】
 鶯はスズメ目ウグイス科ウグイス属の留鳥で、日本各地の山地の明るい笹薮などに生息する。体長十五センチくらいで、雀ほど。背がみどりがかった茶褐色で、腹はやや白っぽい。食性は雑食で、春から夏に虫を捕食し、秋や冬には木の実や植物の種子などを食べる。時鳥の托卵の対象となる。』
(季語と歳時記)



鴬の俳句:


・うぐひすは起せどねぶる柳哉  千代尼


・うぐひすにとらばや菴の風ふせぎ  丈草


・うぐひすのみへねば見ねどはつ音哉  土芳


・うぐひすの影ぼし見えて初音哉  高井几董


・うぐひすの声せで来けり苔の上  太祇


・うぐひすの音づよになりぬ二三日  去来


・うぐひすの今朝たく柴にとまりけり  白雄


・うぐひすの宿とこそみれ小摺鉢  嵐雪


・うぐひすの声くれて後日は入ぬ  加藤曉台



・うぐひすも笹にちよつちよと味噌くさし  支考


・うぐひすにこの芥子酢は涙かな  其角




鶯は、江戸の昔から、愛され、句に詠まれてきた。
それは、今でも変わらない。
ザッと調べただけでも、鶯の俳句は軽く二千句を超える。

例句を読んでいて、昔の人の句が目についた。
読んでみて、文字通りの意味で理解できるものもあるが、言葉は理解できるが全体の意味はわからないものもある。


上の七句は、一先ず、理解が出来た。
下の二句は、言葉は解るが、意味は解らない。
俳諧と俳句は違うので、その辺りの問題だろうと思うが、単に、予備知識・理解力の問題かもしれない。
昔の人は教養が深く、博識だったから。




2023-03-04 (Sat)

2023/03/04 日記 曲水

2023/03/04 日記 曲水

2023/03/04      (土)      旧暦:   2月13日         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   6時07分           日没:   17時38分     &nb...

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2023/03/04      ()      旧暦:   213         祝日・節気・雑節・朔望:              日出:   607           日没:   1738       月出:   1426       月没:   433         月齢:   11.83    潮汐:      中潮     干支:   辛酉     六曜:   友引


今日のあれこれ: 曲水

《平安時代の宮中の遊び再現 曲水の宴 太宰府天満宮》

https://youtu.be/QYdJnGItIZ8



『曲水(きょくすい)  晩春

【子季語】
 曲水の宴、流觴(りゅうしょう)/、盃流し

【解説】
 陰暦三月上巳の日(最初の巳の日)のち三月三日に宮中で行われた行事。
 庭園の水の流れのほとりに座り、流される盃が自分の前を通り過ぎる前に詩歌を吟じ、できなければ盃の酒を飲み、また下流へ流すというもの。
 現在は京都の城南宮や太宰府天満宮などで行われている。』
(季語と歳時記)



曲水の俳句:


・永き日をあら曲水の面白や   正岡子規


・曲水や豊頬女官目もと酔ひ  岡部六弥太


・曲水やどたり寝ころぶ其角組  小林一茶


・曲水や後手突いて夕日山  沙羅


・曲水や春の日永久に落つ勿れ  原月舟




流れに盃を浮かべ、盃が自分の前に来るまでに、一首歌を詠む。
 王朝時代の優雅な遊びが曲水。

今では、観光客向けの催しとして残っているだけで、仲間内で行う事は難しい。曲水の環境が手に入らないのが一番の難しさだ。
 この条件を外せば、宴席で盃を回して、その間に歌を詠むなり、句を詠むなりすれば、簡易版の曲水になるかもしれない。

曲水の句は少ない。
やはり歌の催しなので、歌は多いのだろうが、句は少ない。
それも、江戸期の俳人たちの句が残されている。

一茶の句は、一茶らしい。
この曲水は、酒でも飲みながら、歌ではなく句を無礼講で詠んだのだろうか。

春の佳き日に、仲間たちと、歌を詠み、酒盃をあげれば、楽しくないわけがない。
 沙羅も月舟も楽しかった曲水の宴にも夕暮れが近づいているのを心から楽しみながら、過ぎ行く時を惜しんでいる。





2023-03-03 (Fri)

2023/03/03 日記 雛祭

2023/03/03 日記 雛祭

2023/03/03      (金)      旧暦:   2月12日         祝日・節気・雑節・朔望:   上巳・雛祭り、耳の日     日出:      6時09分         日没:   17時37分       月出: ...

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2023/03/03      ()      旧暦:   212         祝日・節気・雑節・朔望:   上巳・雛祭り、耳の日     日出:      609         日没:   1737       月出:   1328       月没:   352         月齢:      10.83    潮汐:   若潮     干支:   庚申     六曜:   先勝


今日のあれこれ: 雛祭

《【圧巻!】勝浦ビッグひな祭り2023

https://youtu.be/vCYNixecx4E



『雛祭(ひなまつり) 仲春

【子季語】
雛、ひいな、雛飾、雛人形、雛の調度、雛道具、雛屏風、雛段、雛の膳、雛の酒、紙雛、立雛、内裏雛、享保雛、変り雛、糸雛、菜の花雛、京雛、木彫雛、官女雛、五人囃、雛箱、初雛、古雛、雛の燭、雛の宴、雛の宿、雛の客、雛椀

【関連季語】
 桃の節句、上巳、雛市、雛流し、雛納め

【解説】
 三月三日、女の子の健やかな成長を願うお祭である。雛人形を飾り、白酒や雛あられをふるまって祝う。

【来歴】
 『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。

【実証的見解】
 雛祭は、人のけがれを移した人形(ひとがた)を川に流すという上巳の日の祓の行事と、雛遊びの風習が結びついたものとされる。室町時代になると中国から新しい人形技術が伝わり現在のすわり雛の原型ができた。江戸時代に入ると、幕府や大奥でも雛祭りを行うようになり、やがて武士階級から町人へと広まった。男児の端午と並んで雛祭が盛んになったのは元禄のころとされる。』
(季語と歳時記)



雛祭の俳句:


・御所風のみやび尽せる雛祭   大畠政子


・おびたゞしく古雛祭る座敷かな  正岡子規


・ぬひぐるみ・こけしも加へ雛祭   赤木亜華里


・園児らの声は外まで雛祭り   瀬島洒望


・絵本もち膝に来る子よ雛祭   朝妻力


・九十の齢賞でませ雛祭   工藤義夫




今日は3月3日。
女の子の祭り、雛祭りの日。

古くは中国の上巳の節に起源を持つと言われるが、雛人形を飾り女の子の成長を願う雛祭りになったのは日本の固有のお祭りと考えても良いと思う。

3月3日は桃の節句で女の子を祝い。
5月5日は端午の節句で男の子を祝う。

自分の経験から考えても、子供の頃、姉のお雛様が飾られたり、5月には自分の武者人形が飾られたりするのは、ソワソワする程嬉しかった。
 今でも、良い思い出になっている。

勝浦ビッグひな祭りは、4年ぶりに開催されたそうだが、各家庭の雛祭りは、コロナ禍の中でも行われたはずだ。
目に見えるお祭りで、自分の成長を祝って貰えるのは、かけがえの無い大切な思い出になる。

女の子のいる家庭は勿論のこと。
女の子がいない家庭でも、おばあちゃんが居れば、雛を飾り長寿を祝えば良い。
 女の子もおばああちゃんも居なくても、奥さんが居れば元女の子なのだから、雛を祭れば良い。

3月3日は、老いも若きも、女性のお祭りの日だから、目出度い日にしよう。