2023/01/31 (火) 旧暦: 1月10日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時42分 日没: 17時06分 月出: 12時16分 月没: 2時20分 月齢: 9.25 潮汐: 長潮 干支: 己丑 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 日脚伸ぶ
《【1月のGARDENS】出会えるのは年に一度だけ | 期間限定のお花屋さん | Temporary flower shop.》
https://youtu.be/9SIw9FudYPE
『日脚伸ぶ
晩冬
年も明けて、少しずつ日が長くなることをいう。
一月も終わりの頃になると、日が長くなったなあという感慨にとらわれることがある。
冬木の芽もしだいにふくらみ、春が近いことを感じる。』
(季語と歳時記)
日脚伸ぶの俳句:
・叡山の肩なだらかや日脚伸ぶ 山田閏子
・花舗日々に色を増したり日脚伸ぶ 金森信子
・影つれて出づる公園日脚伸ぶ 宮津昭彦
・街カフェにママと赤ちゃん日脚伸ぶ 笹村恵美子
・嬰の足太きがうれし日脚伸ぶ 志方章子
今日は、朝からよく晴れて、街を歩いていても暖かかった。
曇った日や風の冷たく吹き付ける日は判らないが、今日は午後3時を過ぎても陽が傾かず、4時を過ぎてもまだ明るい光だった。
歩道の植え込みにある花たちも光の中で嬉しそうに咲いている。
今日は、確かに日脚が伸びているのを感じた。
ただ、明日からまた低気圧が通過し、冬型の気圧配置に戻るそうだ。
明日は、南から入る風で気温は上がるそうだが、明後日はまた西高東低の冬型で北からの風に変わり、日本海側では雪らしい。
毎日お天気は晴れたり曇ったり、風が吹いたり、雪が降ったりするだろうが、日脚が伸びていることはその分春が近づいている。
赤ちゃんのまるまると太った足が、陽の光に照らされている光景に出会えれば、未来とか成長とか伸びやかな世界が感じられて眼も心も温かく感じられる。
もう明日からは、2月が始まる。
菜花亭日乗
菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc
2023/01/30 (月) 旧暦: 1月9日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時42分 日没: 17時05分 月出: 11時39分 月没: 1時18分 月齢: 8.25 潮汐: 小潮 干支: 戊子 六曜: 先負
今日のあれこれ: 雪下ろし
『シーズン1回目の2軒目雪下ろし⓪(2023年1月7日)最後に予想以上の雪の塊が一気に落ちてびっくり!!...』
https://youtu.be/EkEcKck-RaM
『雪下ろしに革命?どんどん滑り落ちる発明品(2019年2月18日放送 the SOCIAL より)』
https://youtu.be/skE9D0HBchg
『雪下し(ゆきおろし) 晩冬
【子季語】
雪卸、雪掘り
【解説】
屋根などに積もった雪を掻き下ろすこと。
雪の重みで戸の開け閉てがきつくなったり、ひどい時は家が倒壊したりするので雪下しは不可欠。
危険な力仕事である。』
(季語と歳時記)
雪下ろしの俳句:
・雪下し剣岳はひとり夕焼くる 金尾梅の門
・山里の命がけなる雪下し 中田寿子
・軒下にトラック据ゑて雪下ろす 森山暁湖
・ぜんざいも出て分校の雪下し 中川句寿夫
・雪卸し真青の海を見て憩ふ 三宅草木
愛知県は今日は曇り、処によって雪が舞うという予報だったが、午前中は陽が差し明るくなった。
しかし、寒波は今週も日本海側に雪を降らせるそうだ。
北の方は、まだまだ雪が降り、積もった雪の上にまだまだ降り積もる勢いだ。
雪の積もる北国では、雪下ろしは大変だ。
経済的にも労力の面でも負担が大きい。
放置しておくと、一度に崩れ落ちて、場合によっては人が巻き込まれれば、生命に関わる事故になる。
崩れ落ちないと、雪の重みで建物が倒壊する危険もある。
雪が湿って氷のようになると重くなり、処理が難しくなる。
軽いうちに、屋根から下におろすのは避けては通れない作業だ。
雪下ろしの句を読むと、命がけの作業は大変なことは確かだ。
一方、辛い作業の中、雪が止んだ晴れ間の山並みを楽しんだり、遠く海を見たりして憩うこともある。
作業の後の、甘く熱いぜんざいは疲れから開放してくれる。
例句はないが、当然、いける大人の場合は、御神酒を一献ということもあるだろう。
動画を見ていたら、新しく降り積もった雪を、屋根の登らず、下からの操作で滑り落とす道具が開発されているそうだ。
これなら、屋根の事故を避けられるし、手軽に作業できる。
雪下ろしの作業も、まだ知恵を働かせば楽になることもあるはずだ。
いつの日か、雪下ろしは楽しい日が来るかもしれない。
2023/01/29 (日) 旧暦: 1月8日 祝日・節気・雑節・朔望: 上弦 日出: 6時43分 日没: 17時04分 月出: 11時07分 月没: 0時14分 月齢: 7.25 潮汐: 小潮 干支: 丁亥 六曜: 友引
今日のあれこれ: 冴ゆ
《2023年2月の星空情報・天文現象(冬の星座を探そう/星の誕生現場
オリオン大星雲/日の入り後の惑星/2月の月の暦)》
https://youtu.be/3eY31NybevM
『冴ゆ(さゆ) 三冬
【子季語】
冴る夜、冴る月、冴える星、冴る風、声冴る、影冴ゆ
【解説】
寒さが厳しく、あらゆるものに透き通ったような、凜とした、冷たさを感じること 。
』
(季語と歳時記)
冴ゆの俳句:
・一片の雲も許さず星冴ゆる 林いづみ
・古城は語らず星空の冴ゆばかり 栗山恵子
・一人居や句のきっかけと星冴ゆる 赤座典子
・ことごとく父の訓へや星冴ゆる 吉田葎
・冴ゆる夜の小さき星となられしか 今井千鶴子
昨夜の予報では、今日は終日曇りだった。
しかし、朝が来ると、太陽が昇り、陽射しが降り注いでいた。
その後も、雲は流れてきたが、空を覆うことはなく、雲の間から光は見えた。
夜になっても、空には月が輝き、星は瞬いている。
季語「冴ゆ」の句を読んでいると、夜の月、星や星座に触発されて詠まれた句が多い。
冷え込んだ冷気の中、冬空に瞬く星を見ていると、身体の冷えとともに、心も冴え冴えとしてくる。
「冴ゆ」の句が心に浮かぶのは自然なことだ。
数多の星の句から、僅か5句を選んだ。
冴え冴えとした星と心の共振によるものだろうか、かけがえの無い人が心に浮かび、懐われる。
生きている時は何かと面倒だった父でさえ、星の下では、父の話を素直に聞くことができる。
今井氏の心に浮かんだ人は、誰なのだろう?
父なのか、母なのか、夫なのか、親友なのか...
誰だかわからない。
だが、大切な人であることは間違いない。
冴え冴えとした星空の下で、大切な人と話ができるのなら、外に出て、夜空を眺めることも悪くはない。
2023/01/28 (土) 旧暦: 1月7日 祝日・節気・雑節・朔望: 旧人日 日出: 6時44分 日没: 17時03分 月出: 10時38分 月没: ---- 月齢: 6.25 潮汐: 小潮 干支: 丙戌 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 山焼き
《【ライブ配信】広大な草地に放たれる炎&約600発の花火!古都・奈良の伝統行事「若草山焼き」冬の夜空を彩る幻想的な映像をお届けします》
https://youtu.be/B7QbPE-jLUQ
『山焼く(やまやく) 初春
【子季語】
山火
【解説】
村里に近い野山を焼くこと。
牛馬の飼料の草や山菜類の発育を促し、害虫も駆除できる。山火は山焼きの火。』
(季語と歳時記)
山焼の俳句:
・お山焼く僧六人の白頭巾 田村愛子
・火の上に火の上に火のお山焼 蔦三郎
・お山焼火は頂を皆目指す 磯野充伯
・遠つ世の火色ひろげしお山焼 山田弘子
・お山焼すみし麓に鹿遊ぶ 山下輝畝
今日は、奈良の若草山のお山焼き。
コロナのために3年振りの開催になった。
今年は、大寒波の来襲で、現地はかなり雪が降っている。
しかし、予定通り決行されると発表されている。
『【2023年】奈良の伝統行事「若草山焼き」は”赤い山”が圧巻!
公開日: 2020/01/09
更新日: 2022/12/20
「若草山焼き」は、毎年1月の第4土曜日に行われる、古都奈良に早春を告げる伝統行事です。若草山に広がる炎が、澄み切った冬の夜空を真っ赤に染め上げる様子は壮観です。若草山では当日午後からさまざまなイベントや式典・祭典などが催され、山焼き直前には、色とりどりの花火も打ち上げられます。なかなか見ることのできない圧巻の伝統行事です。2023年は3年ぶりに一部を除き通常開催しますが、新型コロナウイルス感染症対策として内容が変更・中止となる場合があります。
2023年の開催概要
【開催日】2023年1月28日(土)※荒天の場合、中止
【若草山の入山について】例年、若草山の山麓ゲート(北、南)から若草山に入山可能です。
【実施されるもの】
・山焼き(点火の範囲は縮小予定)※点火時間:18:30
・野上神社祭典(関係者のみ)
・花火
・聖火行列
・山麓イベント(奉納演奏、消防団出発式典、鹿せんべい飛ばし大会など)
【中止されるもの】
・温食ブース
・山麓特別観覧席
』
(LIVE JAPAN
https://livejapan.com/ja/in-kansai/in-pref-nara/in-nara_ikoma_tenri/article-a2000264/
より転載)
例年の様子は、上記サイトで読むことができる。
今年の様子は、掲記動画でLIVE中継で見ることができる。
17:45現在、中継は始まっている。
今、このブログを読まれている人は、3年振りのお山焼きを見ることができます。
是非、お楽しみください。
2023/01/27 (金) 旧暦: 1月6日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時44分 日没: 17時02分 月出: 10時11分 月没: 23時10分 月齢: 5.25 潮汐: 中潮 干支: 乙酉 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 雪催
《平地でも積雪予想…この冬一番の寒気で名古屋でも断続的に雪 東海3県の雪のピークは25日昼頃にかけてか》
https://youtu.be/ZlTmqGY8L-A
『雪催: 雪気、雪雲、雪曇、雪模様、雪暗、雪意
三冬
いまにも雪が降り出しそうな天気のこと。
雲が重く垂れこめ、空気も冷え冷えとしてくる。』
(季語と歳時記)
雪催の俳句:
・京に入る日や大比叡の雪もよひ 村山故郷
・一舟行く墨絵のごとし雪催 中村洋子
・蟹殻に鴉の群るる雪催ひ 小野千枝子
・幾度か空仰ぎをり雪催 田原陽子
・音絶ゆる母亡き庭や雪催 西岡裕子
昨日は、寒い日だったが、午前中は日差しがあり、風も冷たくはあったが、穏やかだった。
今日は、朝から雲が空を覆った。
鉛色の空の下の街は、寒さの中に生気を無くしたように沈んでいた。
やがて、鉛色の空から、細かな白いものが音もなく降り始めた。
その光景は昔、雪国に住んでいた時に、来る日も来る日も眼にしたものだった。
冬でも明るい太陽が輝く、太平洋側に戻って、この光景を忘れていた。
今日の季語を選ぶにあたって、「雪催」にすることにした。
雪催という言葉には、毎日毎日続く厳しくも寂しい冬の日々を、苛立つこともなく淡々と過ごす心模様を秘めている事を思い出した。
2023/01/26 (木) 旧暦: 1月5日 祝日・節気・雑節・朔望: 文化財防火デー 日出: 6時45分 日没: 17時01分 月出: 9時43分 月没: 22時05分 月齢: 4.25 潮汐: 中潮 干支: 甲申 六曜: 大安
今日のあれこれ: 寒梅
《2023/01/14 この暖かさで一気にほころび始めた梅の花 大洲家族旅行村 その2 〜愛媛県大洲市〜》
https://youtu.be/SMGqcsmbx-A
『冬の梅(ふゆのうめ) 晩冬
【子季語】
寒梅、寒紅梅
【解説】
冬のうちから花をつける梅のこと。初春を待つ心に適う。 』
(季語と歳時記)
寒梅の俳句:
・横笛冴けりな寒梅開く二三輪 正岡子規
・寒梅のただ一輪のあまねき日 山口青邨
・寒梅に明日ひらかむとするもあり 阿波野青畝
・寒梅の珠抱くごときふふみかな 山内遊糸
・寒梅とならむいのちの小さく紅し 林翔
花は満開が、一番だ。
特に、桜の花は満開の豪華絢爛たる様が愛される。
そして、風に誘われ花びらが舞いながら散る風情も愛される。
しかし、梅の花は少し違うようだ。
例句に詠まれているように、花の二三輪が愛でられている。
山口氏は寒梅は一輪の花で充分鑑賞、満足できると言っている。
そして、春まだ遠い寒の内に梅は、花を、一輪、二輪、三輪と咲いている。
数は少ないが厳しい寒さの中、咲いた花は、ただ一輪でさえ、キリリと咲いている。
そして、枝をよく見ると蕾が数多くついており、明日開くほど膨らんでいる蕾もある。
それぞれの蕾ごと、膨らみ、花開くその日を迎えるために、準備している。
一輪の花の後には宝石のような蕾が続いている。
その様は、まだ寒い早春の中に、来るべき春をしっかりと見せてくれている。
・息白く梅一輪の花見かな 笑山
2023/01/25 (水) 旧暦: 1月4日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時46分 日没: 17時00分 月出: 9時15分 月没: 20時57分 月齢: 3.25 潮汐: 中潮 干支: 癸未 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 寒造
『日本酒「寒造り」最盛期(呉市)』
https://youtu.be/auRUFkLseNI
『寒造(かんづくり) 晩冬
【子季語】
寒造酒
【解説】
寒中の水を用い醸造する酒をいう。
この酒の味は旨く腐りにくいことから寒造と呼ばれる。』
(季語と歳時記)
寒造の俳句:
・こころ澄むまで米洗ひ寒造り 鷹羽狩行
・一徹な杜氏を恃みの寒造 伊東宏晃
・かの杜氏とこの井戸ありて寒造 宮澤靖子
・ホトトギス同人で杜氏寒造 稲畑廣太郎
・歌詠みの杜氏もをりし寒造 能村研三
暦の上で最も寒い季節は、大寒。
2023年の大寒(だいかん)は、1月20日から2月3日
当然と言えば当然なのだが、2023年もその大寒に、10年に一度の大寒波がやってきている。
除雪や事故や交通の支障など大寒波のマイナス面には注意が必要だが、この大寒にはプラスの面もある。
寒さから逃げるのではなく、逆に寒さを利用してプラスに転じようとする積極的な態度だ。
そうした、先人たちの工夫は、様々に実現されている。
しかも、季語も用意されている。
・寒い時期にだからこそ、精神を、身体を鍛えよう
修行、寒行、寒稽古、寒泳
・寒い時期の、水、食べ物は良い性質を持っている
お酒、味噌などの醸造の寒造、水は寒の水
・寒気や水を利用し、布や食品といった物を、空気や水にさらして使う
寒晒し
今、全国の日本酒の蔵では、寒造りが行われている。
杜氏が厳しい寒さの中、心身に気を充満し、感覚を研ぎ澄まし、最高の酒を造っている筈だ。
先ごろ、NHKで酒の神様と称される農口尚彦杜氏の寒造りをLIVE中継していた。
例句に詠まれている様に、日本酒は杜氏の最高の酒を造るという心意気から生まれるものだ。
感覚に優れた杜氏は、歌も詠み、句も詠む風流人なのだ。
寒造りの酒は、それを造った杜氏の心意気を感じながら味わいたい。
2023/01/24 (火) 旧暦: 1月3日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時46分 日没: 16時59分 月出: 8時43分 月没: 19時46分 月齢: 2.25 潮汐: 大潮 干支: 壬午 六曜: 先負
今日のあれこれ: ホットレモン
《レモン白湯の効果と作り方!ダイエットや冷え性に!レモン白湯を毎日飲むと体に起こる変化とは?知ってよかった雑学【ちょこっとTV】》
https://youtu.be/05I5UJsZ5N0
『ホットドリンクス: ホットウイスキー、ホットワイン、ホットレモン.
三冬
冬場に身体を暖める飲み物のことである。
ワインやウイスキー、ソフトドリンク、缶コーヒーなど様々なものがある。
家庭で作ったり、飲食店で注文したりする。』
(季語と歳時記)
ホットレモンの俳句:
・ホツトレモン大匙一杯分の恋 高田令子
・ホットレモン恋にときめく待ち時間 佐藤千恵
・読みさしてホット・レモンの逢瀬かな 信幸
・ホットレモン人恋しくて人嫌い 火箱ひろ
10年に一度の大寒波が、とうとうやってきた。
名古屋でも昼前には、黒い雲が上空に流れてくると、
冷たい風が吹き始め、霰というより小さな雹が無数に降ってきた。
街の様相は、すっかり変わってしまった。
季節らしい季語を選ぼうとすると、「寒」のつく寒い季語ばかりになる。
寒いのに重ねて寒いのは、今日は嫌なので、温かい季語を考えた。
寒い夜には、温かい飲み物が良い。そう考えると一番の候補は「熱燗」だが、今シーズンはもう使ってしまった。
であれば、矢張り、「ホットレモン」だ。
今でもこんな寒さが厳しい夜には、ホットレモンが飲みたくなる。
それは個人的な理由だ。
子供の頃風邪を引きそうになると、温かいホットレモンを飲ませてくれた。
子供向けだから砂糖をたっぷり入れて。
ホットレモンには勿論身体を温める効果があるのだが、自分の場合は、それだけではなく、今は亡き母の心が入っているからだ。
だが、「ホットレモン」は冬の季語になるのか?
「レモン」自体は晩秋の季語だが。
調べてみると、冬の季語になっていた。
しかし、単独の季語ではなく、他のコーヒー、ミルク、ココア等と同様、「ホットドリンクス」に纏められていた。
「ホットレモン」は、安心して冬の季語として詠むことができる。
ホットドリンクスの例句は、まだ少ない様だ。
探してみたが、なかなか纏められていない、探すのに時間を要したが、すべて合わせても47句しか見つからなかった。
その内、「ホットレモン」は11句だった。
その中に、恋の句が、4句あった。
ホットレモンは、身体を温めるだけではなく、心も熱くする。
ホットレモンをもっと飲んで、どんどん人を好きになれば、たくさんの「ホットレモン」の句が詠まれる日が来る筈だ。
2023/01/23 (月) 旧暦: 1月2日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時47分 日没: 16時58分 月出: 8時05分 月没: 18時31分 月齢: 1.25 潮汐: 大潮 干支: 辛巳 六曜: 友引
今日のあれこれ: 寒波
《10年に一度の強烈寒波 24日から大雪、暴風雪に警戒(2023年1月23日)》
https://youtu.be/YjY-7R2Rvr0
『寒波(かんぱ) 晩冬
【子季語】
寒波来る、冬一番
【解説】
冬、シベリア方面から波の様に周期的に寒気団が来ること。気温 もぐっと下がり厳しい寒さに見舞われる。』
(季語と歳時記)
寒波の俳句:
・寒波来ていよいよ尖る妙義山 大西八洲雄
・寒波かな群れたる鳩の石と化し 永田万年青
・寒波急みな背をちぢめ小走りに 村田とくみ
・塊の肉買ふ寒波来つつあり 楠原幹子
・寒波急日本は細くなりしまま 阿波野青畝
10年に一度と言う大寒波が、目の前まで近づいている。
愛知県は、明日から明後日が寒さのピークになり、場所によっては、積雪、道路の凍結なのが起きそうだ。
雪国であれば、スノータイヤ、チェーンをもう車に装着しているはずだが、愛知県ではその様な車は少ないだろう。
ノーマルタイヤでは雪道は走れない。
雨でも夜間の冷え込みで凍結すれば、スノータイヤでも運転次第ではスリップしてしまう。ましてやノーマルタイヤでは走ることはできない。
雪が止んでも日陰には暫く残る。
兎に角車の運転は、暫くの間避けたほうが良い。
それは当然の心構えだが、楠原氏の態度は見習うべきだ。
矢張り寒波と戦う気持ちが大切だ。
車や暖房器具や寝具などの準備は、すぐ思いつくことだが、身体のことは忘れがちだ。
肉をモリモリ食べ、身体の中から熱が発散できるようにエネルギーを充填しておく。加えて、気合を入れて精神に活を入れる。
それができれば、寒波に負けることはない。
2023/01/22 (日) 旧暦: 1月1日 祝日・節気・雑節・朔望: 旧正月、朔 日出: 6時47分 日没: 16時57分 月出: 7時19分 月没: 17時12分 月齢: 0.25 潮汐: 大潮 干支: 庚辰 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 凍鶴
《「茅沼無人駅」丹頂鶴 2023年1月21日 北海道川上郡標茶町茅沼駅》
https://youtu.be/QjulpXIF0nw
『凍鶴(いてづる) 三冬
【子季語】
霜の鶴、霜夜の鶴、鶴凍つ
【解説】
厳寒の中の鶴の印象をいう。風雪に耐えながら自らの翼に首をうずめて片脚で立っている鶴は、まさに凍てついてしまったかのようである。』
(季語と歳時記)
凍鶴の俳句:
・一輪と言ふべき鶴の凍て立てり 近藤喜子
・凍鶴が羽根ひろげたるめでたさよ 阿波野青畝
・凍鶴に今日の日薄くなりにけり 米沢吾亦紅
・鶴凍てて夕べ山影伸び切りし 稲畑汀子
・垣なして月明の鶴凍つるなり 原裕
動画の北海道の標茶町茅沼駅は、丹頂鶴の保護地だそうだが、昨日見ることのできた鶴は、一羽だったそうだ。
鶴は群れで百羽、千羽と見ることができるそうだが、飛来数が少ないのか、鳥インフルエンザの影響でもあるのだろうか。
日本より遥かに寒い地域から渡ってくるのだろうが、北海道は相対的に温かいと言っても、雪に覆われた原野では餌には不自由することだろう。
雪の原野に渡ってきて、日本で冬を過ごす鶴たちの姿は、健気であり、また美しくもある。
俳人たちは自分でその地に足を運び、自分の目で見た鶴を詠んでいる。
凍鶴という季語には、厳しい自然の中で生きている鶴の美しさを讃える想いが込められている。
日本に渡ってきた鶴たちが、厳しい冬を乗り越え、また無事に故郷に帰っていくことを祈りたい。
2023/01/21 (土) 旧暦: 12月30日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時48分 日没: 16時56分 月出: 6時23分 月没: 15時55分 月齢: 28.7 潮汐: 大潮 干支: 己卯 六曜: 大安
今日のあれこれ: 初大師
《京都・東寺で今年初めての縁日「初弘法」 骨董品や野菜などを求める人たちで賑わう(2023年1月21日)》
https://youtu.be/nLQZbhuE-Gg
『初大師: 初弘法
新年
弘法大師、空海の新年初の縁日。一月二十一日。
参詣の人で、初詣以上に賑わう。関東では川崎大師、西新井大師、京都では東寺が名高い。』
(季語と歳時記)
初大師の俳句:
・初大師遠嶺より享く日のぬくし 吉岡道夫
・香煙に降りこむ雪や初大師 五十嵐播水
・初大師百僧侍る燭あかり 宇都木水晶花
・ゆうもあを交じえ法話の初大師 佐々木スガ子
・初大師火渡りを待つ人の群 佐藤花子
毎月21日は、お太師様の縁日とされている。
『お大師様こと、弘法大師空海は日本が密厳国土となるよう、生涯を衆生のために尽くし、62歳で高野山奥の院に3月21日に入定されました。 晩年に記された願文に「虚空尽き
涅槃尽き 衆生尽きなば 我が願いも尽きなむ」とお大師様の祈りは天が消え、仏の世界すら消え、人が消えてなくなるまで続くと宣言されています。
我々の祈りをささげ、お大師様の祈りに報いる縁日が毎月21日です。』
(真言宗醍醐派大日山神崎寺
https://www.kouzakiji.com/lst21745/dt5667.html
より転載)
1月は新年の縁日で、初大師と言われる。
お祭り、催しの性格も持った初大師は、信仰の面は勿論、縁無き衆生も楽しむことができる。
楽しさを求めているうちに、信心も得られれば、それが本来の縁と言うべきだろう。
法話を楽しく聞くことも大切な縁だ。
佐藤氏の「火渡り」。
初大師の縁日にすべて火渡りが行われる訳では無いが、香川では行われている。
「香川)「火渡り」で無病息災を祈る 香西寺」
https://youtu.be/kHywmJG4P90
2023/01/20 (金) 旧暦: 12月29日 祝日・節気・雑節・朔望: 大寒 日出: 6時48分 日没: 16時55分 月出: 5時17分 月没: 14時43分 月齢: 27.7 潮汐: 中潮 干支: 戊寅 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 日向ぼこ
《【子猫がかわいい】野良猫の親子、日向ぼこる。》
https://youtu.be/yczvBZCf40w
『日向ぼこ(ひなたぼこ) 三冬
【子季語】
日向ぼこり、日向ぼっこ、日向ぼこう、負喧
【解説】
冬の日射しを浴びてじっと暖まること。
風のない陽だまりで浴びる日射しは、ことのほか暖かい。
お茶を飲んだり世間話をしたり、楽しいひと時である。』
(季語と歳時記)
日向ぼこの俳句:
・縁側のある家訪ね日向ぼこ 達山丁字
・おしやべりをみな聞く犬や日向ぼこ 池田久恵
・これと言ふ思案もなくて日向ぼこ 永野由美子
・うつつ世も来世もあらぬ日向ぼこ 山科帰雁
・うとうとと生死の外や日向ぼこ 村上鬼城
・お日さまに心預けて日向ぼこ 播磨武子
嵐の前の静けさと言うか。
大地震が近づいているのかどうかは、判らないが、今年最大の寒波がやって来ると天気予報が言っている。
その前の、束の間の、陽射しいっぱいの朝がやってきた。
夕方からは、風が強まるらしいのだが、その様な気配は全く感じられない、穏やかな日溜りだ。
こんな日には、西の冷たい風を防いでくれる堤防のある河川敷にあるベンチや用水路沿いの小道に作られたベンチには木像のように動かない人が座っているに違いない。
日溜りに身を置いて時を過ごすのは、猫やおばあちゃんのすることだと思っていた。
「日向ぼこ」と言う言葉は知っているが、何なのか解らなかった。
「日向ぼこ」の例句は、数多い。
千句を遥かに超える句があった。
それを読んでいるうちに、「日向ぼこ」の世界がおぼろげながら浮かんできた。
「日向ぼこ」の世界では、
あれやこれや考える自分は、要らない。
要るのは、温かい陽射し。
仲間、犬、猫、小鳥が傍らに居ても良い。
だが、居なくても構わない。
今も過去も未来もすべて何か遠いうわの空。
生きているのか死んでいるのか、どうでも良い。
ただ、お日様の温もりの中に居るのみだ。
2023/01/19 (木) 旧暦: 12月28日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時48分 日没: 16時54分 月出: 4時06分 月没: 13時41分 月齢: 26.7 潮汐: 中潮 干支: 丁丑 六曜: 先負
今日のあれこれ: 寒月
《尺八、ピアノ、和太鼓による【寒月 ~インスピレーション~】》
https://youtu.be/EG7Pi-Y_qII
『寒月(かんげつ) 晩冬
【解説】
厳寒の空にさえざえとある月。
満月に近い寒月の夜は、冷たい月光が降り注ぎ建物の影や自分の影が地面に黒々と落ちる。
いよいよ寒さが身に滲みて、帰宅の足も自ずと早まる。』
(季語と歳時記)
寒月の俳句:
・寒月に白妙の富士峙てり 安原葉
・寒月に白刃をかざす滝のあり 桂信子
・寒月にまぶたを青く鶏ねむる 田中祐三郎
・寒月に射貫かれし身の固まりぬ 湯川雅
・寒月のうつくしといふ閨の妻 山口青邨
・寒月に照る海を見て寝に就く 山口波津女
天体というものは、あまり好きではない。
あまりに人間離れしていて人間の尺度では理解ができない。
温度からして氷より冷たいものもあれば、何千度で燃えているものもある。
近いものもあれば、遠いものもある。
遠いものは見えているが、その瞬間に存在するかどうかはわからない。
光り輝くものもあれば、暗黒で見えないものもある。
すべてを吸い込んでしまうものもあるとかや。
全く訳が分からない。
月は近い天体で、比較的安心できる。
それでも、寒月の例句を読んでいると、俳人たちはそうでもないようだ。
月では兎が餅を搗くとか狸が太鼓を叩くとか、メルヘンチックなものもあるが、美しいと感じる人達もいる。
一方、幻覚に夢を見ている人もいる。
「まぶたの青い鶏」など居る訳がない。
だが、寒月の光の下では居ると詠む。
不安に襲われやすい人は、寒月を冷え込んだ空気の中で見るのは避けたほうが良い。
2023/01/18 (水) 旧暦: 12月27日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時49分 日没: 16時53分 月出: 2時53分 月没: 12時51分 月齢: 25.7 潮汐: 若潮 干支: 丙子 六曜: 友引
今日のあれこれ: 山眠る
『三峰山・八丁平[2023年1月18日]』
https://youtu.be/Gc5fE3MNiSo
『山眠る(やまねむる) 三冬
【子季語】
眠る山
【解説】
冬山を擬人化したもの。中国の山水画伯、郭煕の画論の次の言葉「冬山惨淡として眠るがごとく」が、この季語の原点。
春は「山笑ふ」夏「山滴る」秋「山粧ふ」、季節に応じて使い分けのできる重宝な季語。』
(季語と歳時記)
「山眠る」の俳句:
・鋭峰の重なり合うて山眠る 千田久美子
・懐に大湖を抱き山眠る 安斎久英
・奥飛騨に残る車田山眠る 江頭文子
・一筋の水音残し山眠る 市川夏子
・円空仏数多を裾に山眠る 藤原照子
・幾千のたましひをさめ山眠る 稲畑廣太郎
今週末から来週にかけて大寒波が波のようにやって来るという。
高い山は雪に閉ざされ、眠りは深く、長くなるだろう。
鳥が啼き、花々が咲き乱れる山は、まだまだ先のことになる。
今は、眠り続ける季節だから。
山は眠るから、目覚めた後の山が美しく、楽しくなる。
2023/01/17 (火) 旧暦: 12月26日 祝日・節気・雑節・朔望: 土用、防災とボランティアの日 日出: 6時49分 日没: 16時52分 月出: 1時42分 月没: 12時12分 月齢: 24.7 潮汐: 長潮 干支: 乙亥 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 万両
『万両 千両 十両の見分け方 赤い実がなる縁起の良い植物 どこが違う?』
https://youtu.be/qRIkqbY_VRE
『万両(まんりょう、まんりやう) 三冬
【子季語】
実万両
【解説】
ヤブコウジ科の常緑低木で、葉の下に直径六ミリ位の実をつける。まれに黄色や白い実をつける品種があり、黄実万両、白実万両と呼ばれる。千両と共に正月の縁起物として飾られる。
【科学的見解】
万両(マンリョウ)は、ヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木で、関東以西から沖縄までの常緑樹林内に自生している。
センリョウ同様に、縁起物とされ、鉢植え栽培や庭に植栽されている。縁起植物としては、万両(マンリョウ)や千両(センリョウ)の他に、百両としてカラタチバナが、十両としてヤブコウジが、一両としてアリドオシがあてられている。
(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)
万両の俳句:
・実万両朝の日のまづ照らすもの 前川明子
・雪染めて万両の紅あらはるゝ 鈴木宗石
・終の家の万両の実の豊かなる 和田一
・われ富めり千両万両くれなゐに 山口青邨
・残されしいのちの重さ実万両 西村博子
用水路に沿った歩道を歩いていると、植え込みに赤い実を鈴なりに着けた木があった。
花がない季節なので、陽の光に照らされた赤い実は目を引き付ける。
立ち止まって、主張している赤い実をよく見てあげた。
植物にはあまり詳しくないが、千両なのか万両なのか。
葉の下に、赤い実が鈴なりになっているので万両だろう。
万両は、お正月の縁起物と考えられ、花言葉は「寿ぎ(ことほぎ)」という目出度い言葉になっている。
そうした縁起の良い赤い実に出会えたので佳い日になった。
近くに住んでいる人が、歩道の植え込みに植えたのだろうと思われるが、通る人に新しい年の始まりに「寿」を振りまいてくれているのは、ありがたい事だ。
万両の句を読んだが、流石に「寿」の万両。
数多くの中から5句選んだが、
俳人たちの心も万両の赤に照らされて、明るく輝いている。
2023/01/16 (月) 旧暦: 12月25日 祝日・節気・雑節・朔望: 藪入り 日出: 6時49分 日没: 16時51分 月出: 0時36分 月没: 11時39分 月齢: 23.7 潮汐: 小潮 干支: 甲戌 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 雪祭
『新野の雪祭り』
https://youtu.be/fCmjBgWHKpQ
『ゆき‐まつり【雪祭(り)】 の解説
1 長野県下伊那郡阿南町新野 (にいの) の伊豆神社で、その年の豊作を祈って正月14日から15日にかけて行われる祭り。田楽や古風な猿楽などが夜を徹して行われる。《季
新年》
2 雪の多い地方で、さまざまな雪像や氷の彫像をつくって競ったりする観光行事。2月上旬に北海道札幌市で行われるものなどが有名。《季
冬》』
(デジタル大辞泉(小学館))
雪祭の俳句:
・あかときの野の雪燃えて雪祭 宮岡計次
・笛吹いて神を寝かさぬ雪祭 稲垣陶石
・火の神に雪供へたり雪祭 沢木欣一
・彩餅吊る藁しべの艶雪祭 文挟夫佐恵
・雪の田のしんと一夜の神あそび(新野雪祭) 野澤節子
季語としての雪祭は、難しい側面を持っている。
雪の積もっている雪国で行われる一般的な雪祭の他に、特定の場所の雪祭がある。これも、季語として明確になっている雪祭が2つある。
一つは、よく知られている札幌の雪祭、もう一つは長野県下伊那郡の神社で開催される新野の雪祭だ。
札幌なり新野と明示すればどちらの雪祭なのかはっきりするが、ただの雪祭ではどちらの雪祭なのか判らない。
「さっぽろ雪まつり」は2月開催のイベントなので、今月の例句として取り上げるのなら、新野の雪祭になる。
雪祭の例句を読んだが、札幌なのか新野なのか判らない。
新野と思われる句を5句選んでみた。
神様が登場するのは新野だろう、札幌なら雪像だし。
同じ雪祭だが、性格・内容は全く違う、新野の方は祭というより神事と言った方が良い内容だ。
文化的な遺産とも言える雪祭、引き継ぐ若い人たちは居るのだろうか心配になる。
地方の雪深い場所で、地域総出で、連綿と引き継がれてきた神事を将来に伝えていくことは大切な事だ。
2023/01/15 (日) 旧暦: 12月24日 祝日・節気・雑節・朔望: 小正月、下弦 日出: 6時50分 日没: 16時50分 月出: ---- 月没: 11時11分 月齢: 22.7 潮汐: 小潮 干支: 癸酉 六曜: 大安
今日のあれこれ: どんど焼き
『どんど焼き2023』
https://youtu.be/KM9sNEUfKoU
『左義長(さぎちょ、さぎちやう) 新年
【子季語】
三毬杖、とんど、どんど、どんどん焼き、どんど正月、どんど場、さいと焼き、正月小屋、どんどん小屋、さいと小屋、飾りあげ、飾りはやし、吉書揚、みそどんど、爆竹、飾焚
【解説】
小正月に行われる行事。一月十四日の夜または十五日の朝に松飾りや注連飾りを焚きあげる。
この火で餅団子を焼いて食べると一年中無病息災であるとされる。書初の書を燃やして高く上がると上達するとも言われている。
「どんど焼」の「どんど」は「どんど燃えろ、どんど燃えろ」という囃し言葉からきたとされる。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【実証的見解】
左義長は、平安時代の宮中行儀の吉凶占いがその始まりとされる。大焚火の中心になるのは、三本に組まれた毬杖(ぎちょ)といわれる祝い棒または竹である。これに村人が持ち寄った正月飾りなどを結んで火をつけ、門松や注連飾りによって迎えた歳神を、それらを焼いた火によって送り返すのである。』
(季語と歳時記)
どんど焼きの俳句:
・一村がひとつとなりしどんどの火 小林もと子
・とんどの火燃えよ燃えよと大太鼓 水原春郎
・とんどの火小雪まじりを猛りけり 平田マサ子
・どんど火の灰降る振舞汁粉かな 夏目満子
・火照りたる笑顔並べりどんどの火 夏目満子
昔は、暖を取るために焚き火は、行われていたそうだ。
残り火で焼芋を作ったりした話は聞いたことがある。
今では、法律上の規制もあり、むやみ勝手に焚き火などはできなくなっている。
しかし、どんど焼き・左義長は地域ごとに行われてきた伝統行事なので、問題なく開催されている。
メラメラと燃え上がる火は、今ではどんど焼きなどの行事でしか見ることはできないだろう。
ガス焜炉の火とか七輪の火などは管理された火であり、心に燃え移る火ではない。
燃え上がる大きな炎は、人の心を燃え上がらせる力を持っている。
どんど焼きが開催される地域に住んでいる人は、どんど焼きに参加をして、御札や用済みになったものを燃え上がらせ、炎を見つめて、心も燃え上がらせることができる。
もし、あれば、参加されると良いと思う。
2023/01/14 (土) 旧暦: 12月23日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時50分 日没: 16時49分 月出: 23時34分 月没: 10時46分 月齢: 21.7 潮汐: 小潮 干支: 壬申 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 寒垢離
《【過酷な年越し】極寒の中滝行に挑戦する人々に密着》
https://youtu.be/naiGa1dbNSY
『寒垢離(かんごり) 晩冬
【子季語】
寒行
【解説】
寒の三十日間、心身を清めて神仏に仕えること。
冷水を浴びたり 滝に打たれたりして経を唱える。』
(季語と歳時記)
寒垢離・寒行の俳句:
・寒垢離の一喝山に谺して 藤田達子
・寒垢離に滝団々とひかり墜つ 山口草堂
・寒こりや思ひきつたる老の顔 正岡子規
・寒垢離のみるみる赤みさす命 田所節子
・しづかな熱気寒行後の僧にほふ 能村登四郎
「寒垢離」と言う言葉は、明治以前にはよく使われていたが、現在では「寒行」の方が季語として、よく使われるようだ。
2023年の、寒垢離・寒行の動画を探してみたが、見つけられなかった。
滝行の動画があったので、掲載させていただいた。
滝行イコール寒行ではないが、厳寒に滝に打たれるという厳しさから注目される側面もあるので、取り上げられるのだろう。
季語の説明も、簡素すぎるので、辞書の記載も掲載することにした。
『寒行 (読み)かんぎょう
寒苦に堪え忍んで修行すること。寒修行(かんしゅぎょう)ともいう。
寒(かん)の入りから30日間、毎日、托鉢(たくはつ)や誦経(じゅきょう)、坐禅(ざぜん)、念仏(ねんぶつ)、題目(だいもく)などを行う。温暖な時期に比較して忍苦の度が大きいので、その功徳(くどく)も多大であるという信仰に基づく。
鉦(かね)をたたいて念仏や和讃(わさん)を唱えて市中を巡行するのを寒念仏といい、神社仏閣に参るのを寒参り、神仏に祈誓して寒中に水を浴びるのを寒垢離(かんごり)という。
一般の人が技能の熟達を神仏に願い、寒行することもある。
[石川力山]』
(日本大百科全書(ニッポニカ)「寒行」の解説)
動画は見つからなかったが、寒垢離・寒行は、現在でも寺社では行われている。
日蓮宗系のお寺では、寒行が行われているようだ。
例えば、静岡県富士宮市に所在する興徳寺の寒行の様子は、以下のサイトに報告されている。
日蓮宗 大日蓮華山 興徳寺
https://kotokuji.jp/22/
寒垢離・寒行の俳句を読むと、なぜ寒行が行われるのか、よく理解できる。
勿論、心も鍛えられるのだが、身体にも大きな力が充実するようだ。
田所氏、能村氏の句にはその様が詠まれている。
生命が赤く燃える。
寒行の後は、身体が匂い立つそうだ。
良い匂いであることは、言う迄も無い。
2023/01/13 (金) 旧暦: 12月22日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時50分 日没: 16時48分 月出: 22時34分 月没: 10時22分 月齢: 20.7 潮汐: 中潮 干支: 辛未 六曜: 先負
今日のあれこれ: 雪国
《「隠れ豪雪日本一」の町 積雪380cm…暖房費高騰“電気代7万円” オール電化が裏目に【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年1月12日)》
https://youtu.be/JqTSQp3STWU
『雪国(ゆきぐに) の意味・使い方
ゆき‐ぐに【雪国】 の解説
雪の多い地方。《季 冬》
』
<デジタル大辞泉(小学館)>
雪国の俳句:
・雪国の雪降る音の無音なる 新谷ひろし
・雪国となりて我が街眠りけり 石井雲雀
・雪国に嫁ぎ著なれしちやん~こ 三輪きぬゑ
・雪国に花鳥づくしの婚衣裳 筑紫磐井
・雪国に雪ふるどうにもならぬこと 平畑静塔
今年は、異常気象なのか、雪深い土地の人も驚く降雪量だ。
雪下ろし中に雪の事故で亡くなる人のニュースを何回も見た。
雪国の人だから除雪は危険なことだと承知しているはずだが、それでも事故は起きている。
今日は、久しぶりに寒さが緩んだ。
気温が上がると、雪は溶けるが屋根の雪が滑り落ちたりすると却って危ない。
スキーや雪見温泉など楽しむ雪は良いのだが、日々の生活に降り積む雪は辛いことのほうが多いかもしれない。
平畑氏の詠むように、「どうにもならぬ」と考える他はない。
立ち向かって勝てる相手ではない、心を平らかにして、雪の溶ける時を待つしか方法はない。
2023/01/12 (木) 旧暦: 12月21日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時50分 日没: 16時47分 月出: 21時36分 月没: 9時58分 月齢: 19.7 潮汐: 中潮 干支: 庚午 六曜: 友引
今日のあれこれ: 寒の内
《新年の味 うまみ極め~新潟「塩引きサケ」》
https://youtu.be/dEkee8tA89g
『寒の内(かんのうち) 晩冬
【子季語】
寒中、寒、寒四郎、寒九
【解説】
寒の入(小寒の日)から、立春の前日までをいう。単に寒とも寒中ともいう。
太平洋側はからりと晴れる日が続き、日本海側は鉛色の雪雲に覆われる。大寒、小寒など、類季語は微妙に配されているので、体感を踏まえつつ用いたいもの。』
(季語と歳時記)
寒の内の俳句:
・干鮭も空也の痩も寒の内 芭蕉
・厳かに万象寒の内にあり 富安風生
・熊笹の美しき時寒の内 高田風人子
・のら猫の声もつきなや寒の内 浪化
・寒の内子等健やかであれば足る 高木晴子
季語の解説にある様に、「太平洋側はからりと晴れる日が続き、日本海側は鉛色の雪雲に覆われる」日が続いている。
今日も風は冷たいが、陽射しは明るく良い天気だった。
1年で一番寒い時期なので、「寒」に関する季語は多い。
解説にもある様に、「寒の内」も「寒」も「寒中」も同じ内容の季語である。
寒いのは辛いことだが、寒いから良いこともある。
お酒の寒造りは、寒い時期だから良いお酒ができることを証明している。 他にも食料品で寒い時期が良いものはある。
「寒晒し」は、食品にも布にも寒さが良いものを作ることを言っている。
寒いからと言って逃げるのではなく、それを上手に使いこなすのは、人の知恵だ。
意外だったのは季語「寒の内」を使った句が少なかったこと。
「寒」が入る季語は多いが、「寒の内」は少ない。
「寒の内」と言う言葉は、日常的過ぎて、句に入れたいと思わせないのだろうか。
2023/01/11 (水) 旧暦: 12月20日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時50分 日没: 16時46分 月出: 20時38分 月没: 9時32分 月齢: 18.7 潮汐: 中潮 干支: 己巳 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 福寿草
*(福寿草は、13:15辺りから登場します。)
《【季節の花々】1月 福寿草・ロウバイ・梅・十月桜 新春の花活》
https://youtu.be/CfELWgkSA5I
『幸福と長寿を願うフクジュソウ【寄り道・脱線 生薬雑話】』
https://youtu.be/1w2JkiVDQY4
『福寿草(ふくじゅそう、ふくじゆさう) 新年
【子季語】
元日草
【解説】
福寿草は、花のこがね色とその名がめでたいことから新年の花とされる。元日草ともいわれるように、古くから元日に咲くように栽培されてきた。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【科学的見解】
福寿草(フクジュソウ)は、キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草で丈は十センチほど。観賞用に栽培されるほか日本各地に広く分布する。
花は黄色で、人参に似た葉を持つ。花期は二月から四月。近年、野生のフクジュソウは、個体数が激減しており、多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されている。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)
福寿草の俳句:
・安曇野の日は透明に福寿草 熊岡俊子
・温もりの土手に競ひし福寿草 佐藤健伍
・黄と言はむ金と言はむか福寿草 樺山翠
・寄り添うて二つほころぶ福寿草 田中淺子
・福寿草咲きて家中明るかり 多田節子
新しい年が明ける元日に咲く花。
元日草、またの名を福寿草。
まあ、何と目出度い名前の花だろう。
新年に花開き、福と寿を持ってきてくれる花。
花の色も黄色で明るい、陽を受けると金色のように輝きを増す。
名前も花の姿も光の明るさと輝きを備えていて、周りを明るく見せてくれる。
福寿草の句は多い。
俳人たちに愛されて詠まれている。
福寿草に心を明るくされた俳人たちは素直に福寿草を詠んでいる。
薔薇のような花とは違う福寿草。
庭がある家なら植えてみたい花だ。
2023/01/10 (火) 旧暦: 12月19日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時50分 日没: 16時45分 月出: 19時40分 月没: 9時04分 月齢: 17.7 潮汐: 大潮 干支: 戊辰 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 初場所
『2023.大相撲初場所。国技館観戦の楽しみ方』
https://youtu.be/x7SkyxE8WMk
『初場所: 一月場所、正月場所、初相撲
新年
大相撲一月場所のこと。東京の両国国技館で行われる。
見物人に和服姿の女性も多く、館内は正月らしい雰囲気に包まれる。』
(季語と歳時記)
初場所の俳句:
・初場所の風の街ゆくふれ太鼓 安陪青人
・初場所の土俵美し色満てり 金森恭子
・初場所の衣裳新たに立行司 水原春郎
・初場所の呼出し次郎すくと立ち 佐用圭子
・初場所の我にも欲しや力水 藤田美耶子
・初場所の座布団派手に舞ひにけり 鈴木撫足
令和5年の初場所は、1月8日初日を迎え、始まっている。
街にふれ太鼓が流れると伝統行事が東京を江戸に変える。
初場所の持つ力は大きなものがある。
日本人として生まれたからには日本の文化の中に浸りたい。
例句の中で、俳人たちも相撲の明るい健康的な文化を見えるもの聞こえるものからすべてを心の底から楽しんでいる。
力水欲しいなぁ~
2023/01/09 (月) 旧暦: 12月18日 祝日・節気・雑節・朔望: 成人の日 日出: 6時51分 日没: 16時44分 月出: 18時41分 月没: 8時32分 月齢: 16.7 潮汐: 大潮 干支: 丁卯 六曜: 大安
今日のあれこれ:
《“18歳で成人”変わる「成人式」 「20歳を祝う会」に名称変更も【知っておきたい!】(2023年1月5日)》
https://youtu.be/1Pydr9FTEwE
『成人の日(せいじんのひ) 新年
【子季語】
成人式、成人祭
【解説】
一月の第二月曜日、国民の祝日である。
過去一年間に満二十歳になった青年男女を祝福する。
市町村では祝賀の式典をおこなう。』
(季語と歳時記)
成人の日の俳句:
・雲駈けよ駈けよ成人祭の朝 増成栗人
・祝ふかに成人の日の鶴舞へり 清水基吉
・水打たれ成人の日の駅賑ふ 岡田日郎
・言ひ回し父さんに似て成人式 村上倫子
・桜いろして成人の日の吾子ならむ 能村研三
昨年4月1日から、民法が改正され、成年年齢が20歳から18歳に変わた。
2022年4月1日以降は、18歳の誕生日から成人となることになっている。
一方、20歳にならないとできないことも残されており、わかりにくい。
下記のようになっている。
(政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html#:~:text=%E6%88%90%E5%B9%B4%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8&text=%E6%88%90%E5%B9%B4%E3%81%AB%E9%81%94%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E8%A6%AA,%E3%81%AE%E5%90%8C%E6%84%8F%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
より転載
)
『成年年齢の引下げで変わるもの・変わらないもの
・18歳(成年)になったらできること
親の同意がなくても契約できる
携帯電話の契約
ローンを組む
クレジットカードをつくる
一人暮らしの部屋を借りる など
10年有効のパスポートを取得する
公認会計士や司法書士、医師免許、薬剤師免許などの国家資格を取る
結婚
女性の結婚可能年齢が16歳から18歳に引き上げられ、男女とも18歳に
性同一性障害の人が性別の取扱いの変更審判を受けられる
※普通自動車免許の取得は従来と同様、「18歳以上」で取得可能
・20歳にならないとできないこと
(これまでと変わらないこと)
飲酒をする
喫煙をする
競馬、競輪、オートレース、競艇の投票券(馬券など)を買う
養子を迎える
大型・中型自動車運転免許の取得』
18歳で職を持ち、収入があり自活している人は、契約を自分の意志でできることは意味がある。
一方、まだ大学に行き、親の扶養下にある人は、契約ができても意味は無いと言えるだろう。
成人の日の例句の下2句。
それぞれ、母親が男の子を父親が女の子を詠んでいる。
いずれも、親から見ればまだまだ子供。
成長することは、良いのだが、独立して離れてしまうのは、まだまだ先の様だ。
2023/01/08 (日) 旧暦: 12月17日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時51分 日没: 16時43分 月出: 17時42分 月没: 7時54分 月齢: 15.7 潮汐: 大潮 干支: 丙寅 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 初薬師
《【2023元旦】峯薬師 護摩焚 般若心経》
https://youtu.be/GJwiIcvlueU
『初薬師(はつやくし) 新年
【解説】
正月八日は新年はじめての薬師の縁日である。
薬師は薬師瑠璃光如来の略称であり、病を癒すといわれ、信仰されている。
元旦にお参りすると、平常の三千日分のご利益がいわれる。縁日は毎月八日と十二日。』
(季語と歳時記)
初薬師の俳句:
・降る雪に大護摩焚けり初薬師 熊田鹿石
・かんざしを豊年挿しや初薬師 後藤綾子
・初薬師の御掌に照らされゐたりけり 藤沢紗智子
今日1月8日は、初薬師。
お正月は特別なので、元旦にお参りすると三千日分のご利益がいただけるので、元日からお藥師にお参りする。
動画の峯薬師の元旦護摩焚は、その有り難い様子なのだ。
初薬師の句を3句選んだ。
いずれも、正月早々の目出度い気分の中に居ることを感じさせて呉れる。
藤沢氏の句の世界は、もう一つ上のレベル、信仰の世界を示している。
初薬師は、行事・イベントではあるが、信心の人にとっては、お薬師様のお傍に居られる、仏様の光に照らされていることを幸せにも感じることができている。
「照らされる」と言う文字は、素晴らしい。
良い句を読ませていただいた。
2023/01/07 (土) 旧暦: 12月16日 祝日・節気・雑節・朔望: 人日、望 日出: 6時51分 日没: 16時43分 月出: 16時44分 月没: 7時11分 月齢: 14.7 潮汐: 大潮 干支: 乙丑 六曜: 先負
今日のあれこれ: 若菜
《【俳句さんぽ・第46回】人日・七種(新年の季語)一緒に七草を摘み、料理していただきませんか!》
https://youtu.be/4iUwPw4SIG8
『若菜(わかな) 新年
子季語: 朝若菜、磯若菜、磯菜、京若菜、千代菜草、祝菜、粥草、七草菜
関連季語: 七種
解説: 七種粥に入れる菜の総称。新春の菜は香りが強く精気に満ちている。その気をいただいて、一年を健やかに過ごそうというのが七種粥。
春の七草は芹、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)をいう。
今ではパックにしてスーパーなどで売られている。
来歴: 『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
文学での言及:
明日よりは春菜採まむと標めし野に昨日も今日も雪降りつつ 山部赤人『万葉集』
国栖等が春菜採むらむ司馬の野のしましま君を思ふこのごろ 作者不詳『万葉集』
あづさゆみおして春雨今日降りぬ明日さへ降らば若菜摘みてむ よみ人しらず『古今集』
君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ 光孝天皇『古今集』
春日野の若菜摘みにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ 紀貫之『古今集』
君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ 光孝天皇『古今六帖』
』
(季語と歳時記)
若菜の俳句:
・伊吹嶺に一歩近づき若菜摘む 水谷文謝子
・花までは出惜しむ足を若菜哉 千代尼
・華やぎの日差し加へて若菜粥 小澤克己
・嫁姑ほどよき距離の若菜かな 矢口笑子
・我が儘も夫のゐてこそ若菜風 児玉有希
今日は1月7日、人日の節句。
古来、この日には七草粥をいただいて、健康を祈願する習わしがある。
昔であれば、野原に出て自分の手で七種を摘んで、お粥にすることが普通であったが、今は、そのような環境に恵まれている人は少ない。
しかし、スーパー、八百屋の店頭で手に入れることは可能だ。
できれば、今日でなくとも良いから七草粥をいただきたいものだ。
若菜の例句を読んでいて、気持ちの良い句が多かった。
その中から5句を選んだ。
中でも、気持ち良い心が伝わる良い句が児玉氏の句。
この様な心を持って生活できれば、家庭は健康的になる事は間違いない。病気など近づくことはできない。
感謝の気持ちは健康に繋がっている。
言葉も「若葉風」が良い。
春の温かさが感じられる爽やかな風が吹いている。
2023/01/06 (金) 旧暦: 12月15日 祝日・節気・雑節・朔望: 小寒 日出: 6時51分 日没: 16時42分 月出: 15時50分 月没: 6時21分 月齢: 13.7 潮汐: 大潮 干支: 甲子 六曜: 友引
今日のあれこれ: 初夢
『2023年元旦 開運!京都の初詣 伏見稲荷大社を歩く/
Kyoto Japan Walk〡New Year in
Furhimi-inari』
https://youtu.be/L16jCHb1RNU
『初夢(はつゆめ) 新年
子季語: 夢祝、夢流し、初枕、獏枕
関連季語:
解説: 元日の夜または二日の朝にみる夢。二日の夜に見る夢を初夢という地方もある。縁起のよい初夢として「一富士二鷹三茄子」があるが、吉夢を願って宝船の絵を枕の下に置いて寝たり、悪い夢は「獏に食わせろ」ということから、獏の絵を枕の下にして寝たりする。
来歴: 『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
文学での言及: 年くれぬ春は来べしとは思ひ寝にまさしく見えてかなふ初夢 西行『山家集』
』
(季語と歳時記)
初夢の俳句:
・縁起よき初夢賜ばり京の宿 服部珠子
・七十路の初夢空を飛びにけり 中村月代
・初夢にちちははも居り嬉しげに 斉藤裕子
・「君の名は」と聞かれ初夢覚めにけり 森下康子
・肩に手を置かれてふりむく初夢ぞ 熊谷愛子
初夢の例句を5句選んだ。
上の3句は、初夢らしい良い夢だ。
正夢であって欲しい夢だ。
下の2句は、初夢らしい夢。
夢の最後が判らない。
それからどうなったのか?
夢を見た本人が一番知りたいのだろうが、読まされた我々もヤキモキするのだから、なんとかして欲しい。
お正月なのだから、お正月らしい初夢を見たいものだ。
10億円の宝籤があたって大喜びなんというのは俗っぽすぎる。
コロナが終わって、家族で飛行機に乗って旅行という初夢なら、正夢になって欲しい。
2023/01/05 (木) 旧暦: 12月14日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時51分 日没: 16時41分 月出: 15時00分 月没: 5時25分 月齢: 12.7 潮汐: 中潮 干支: 癸亥 六曜: 先勝
今日のあれこれ: 仕事始
『仕事始め 今年の願いは(2023年1月4日)』
https://youtu.be/ChC6h4Winkg
『仕事始: 事務始/初仕事/初事務
新年
新年になって初めて仕事にとりかかることであるが、もともとは仕事を始める式を行うことであった。かつてはたずさわる職業によって仕事始めの日は決まっていて、おおむね二日は仕事に取り掛かれるように準備をする程度にとどめ、十一日に正式の儀式をするようであった。昔の農家の仕事始めは、二日と決まっていて、朝早く起き、朝飯までの間に、藁仕事や裁縫など、それぞれの分野の仕事を形式的に行った。』
(季語と歳時記)
仕事始の俳句:
・海女の村仕事始めの畔を焼く 森山治子
・鍬研いで仕事始としたるのみ 田辺素風
・鶏の骨煮つめて仕事始めとす 四十物敦子
法律で仕事始めの日が定められている官公庁は、勿論、昨日1月4日が仕事始め、大企業等の会社員も4日。
データでは、1月4日が40.18%、1月5日 17.18%だそうだ。
法律や規則で決まっている人ばかりではない。
決まっていない人も多い。
例句の3句は、そうした人たちの句。
海の仕事、農家の人、最後は主婦だろうか。
いずれにしても、今日か明日くらいまでに、それぞれ仕事が始まり、新しい年が始まって行く。
新年も今日5日現在は、コロナ、戦争から開放されていない。
しかし、いずれ、終わりの日が来る。
それは間違いない。
その時が早く来るように祈りたい。
2023/01/04 (水) 旧暦: 12月13日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時50分 日没: 16時40分 月出: 14時17分 月没: 4時26分 月齢: 11.7 潮汐: 中潮 干支: 壬戌 六曜: 赤口
今日のあれこれ: 売初
《【初売り】名古屋の百貨店で お目当ての福袋、セール品買い求める》
https://youtu.be/N6lPd19KoFk
『初商(はつあきない/はつあきなひ) 新年
【子季語】
商始/商初/初売/売初/福袋
【解説】
新年初めての商い。
昔は元日は休み、二日から店をひらいたが、今は元日も休まない店が多い。この一年の繁盛を願い、福袋などを用意して客を呼び込む。』
(季語と歳時記)
売初・初売の俳句:
・初売の加賀の起上小法師かな 飴山實
・売初やよゝと盛りたる桝の酒 西山泊雲
・初売の目玉の大き金目鯛 鈴木真砂女
・紅少し濃くひき初売出しの妻 榎本栄子
・初売りのお辞儀の列の中通る 若井菊生
百貨店・モールなど大店舗は開店していた店もあったが、街の商店街などは、今日から商い開始のところが多い。
商店街の初売には、威勢や常とは違うオメカシ・粧いが伴う。
新春の目出度さを売り手も買い手も感じながらの商いになる。
それが、初商いの楽しいところだ。
若井氏の句。
勢ぞろいしてお迎えしてくれるお店に入るには、新年の晴れがましさと、面映ゆい想いが交錯してお正月らしさを全身で感じることができる。
国産の治療薬も医療現場に投入されることになった。
今年こそはコロナ禍を終息させる新年にしたい。
2023/01/03 (火) 旧暦: 12月12日 祝日・節気・雑節・朔望: 日出: 6時50分 日没: 16時39分 月出: 13時39分 月没: 3時24分 月齢: 10.7 潮汐: 中潮 干支: 辛酉 六曜: 大安
今日のあれこれ: 三ヶ日
『伊勢神宮に大勢の参拝客 内宮前のおかげ横丁も多くの人で混雑
』
https://youtu.be/mfZLnhlA9AI
『三が日: 三ケ日
新年
元旦、二日、三日の総称。
この間は毎朝屠蘇、雑煮を祝い、年賀を交換し、賀客には年酒をすすめる。正月気分はこの三日間に濃い。』
(季語と歳時記)
三ヶ日の俳句:
・穏やかな日射し恵まれ三ケ日 吉川ハマ子
・海を見て富士見て過す三ヶ日 星野
椿
・駅伝の話題に弾む三ヶ日 仁平則子
・悔いのなき看取りに明けし三ケ日 赤川誓城
・家族皆揃ひて過ぎし三ケ日 稲畑汀子
北国では、大雪が降ったり、冷たい北風が吹き付けた場所もあったが、太平洋側は、風は冷たく強い風が吹いたが、陽射しがあり明るい印象の三ヶ日だった。
交通事故、火災で死者は出たが、日本は大きな自然災害も無く三ヶ日が過ぎたことは良かった。
三ヶ日の句を読むと、不幸な三ヶ日や無為の三ヶ日の句も散見されるが、矢張り三ヶ日は目出度い気分で居たい。
心が安まる三ヶ日の句も数多くあるので、その中から選んだ。
人を取り巻く環境は人それぞれだが、心の感じ方も人それぞれだ。
環境が厳しいから心が安らないとは言えない。
病人を抱えていても家族とともに過ごすことができた三ヶ日なら、良いお正月だったと言える。
2023/01/02 (月) 旧暦: 12月11日 祝日・節気・雑節・朔望: 振替休日 日出: 6時50分 日没: 16時38分 月出: 13時06分 月没: 2時22分 月齢: 9.7 潮汐: 若潮 干支: 庚申 六曜: 仏滅
今日のあれこれ: 淑気
『都心から290キロ 豊かな自然広がる「八丈島」の正月は?』
https://youtu.be/PoCFNy_KxYk
『淑気(しゅくき) 新年
【子季語】
淑気満つ
【解説】
新しい年を迎え、天地山河いたるところに瑞祥の気が満ちていること。』
(季語と歳時記)
淑気の俳句:
・一湾の海穏やかや淑気満ち 大島みよし
・あけぼのの空刻々と淑気満つ 及川照子
・火入れ待つばかりの窯の淑気かな 館 容子
・花道を淑気のはしる鏡獅子 長谷川祥子
・うちつれて鶴歩みくる淑気かな 西山東渓
新年2日目の朝。
目覚めるとカーテンの間から朝の光が見える。
南の部屋のブラインドカーテンを開け、レースのカーテンも開けると、朝の光が差し込み眩しい朝陽が見えた。
ガラス戸を開け、ベランダに出ると空気は冷たく、キリリとして身が引き締まるのを感じた。
見晴らす景色はいつもと同じだが、正月2日目、まだ世の中は動き始めていない。
陽射しが降り注ぐ空も地上も動き始めようとする力を感じる。
淑気の説明では瑞祥(ずいしょう)と言い換えているが、今時の人は、瑞祥の意味もわからない。
調べてみた。
『瑞祥/瑞象
読み方:ずいしょう
めでたいことが起こるという前兆。吉兆。祥瑞。「―が現れる」
』
(デジタル大辞泉)
朝の光が照らす世界には、これから明るいことが起きると感じさせる力がある。