2020/06/28 (日) 旧暦: 5月8日 祝日・節気・雑節・朔望: 貿易記念日、上弦日出: 4時27分 日没: 19時00分 月出: 11時28分月没: ---- 月齢: 6.85 潮汐: 小潮 干支: 壬寅六曜: 赤口
今日のあれこれ: 藤井聡太七段の棋聖戦五番勝負王手
今日のあれこれは、季語・俳句はお休み。
コロナの自粛期間を逆手に取って充電期間とし、一回り大きく強くなった藤井聡太七段の活躍を称えることにした。
5番勝負の2番目を制し、次に勝てば棋聖のタイトルを取ることになり、最年少記録を更新する。
将棋のことは解らないが、渡辺3冠に連勝したことはタイトル獲得の確率が高くなったと言える。
この局は、渡辺3冠の得意戦法に対し新しい工夫を見せて勝利したそうだ。
周到な準備の上に、連勝しているそうなので、3局目にも勝つ可能性は十分ありそうだ。
『藤井聡太七段、最年少タイトル獲得に王手!渡辺明棋聖に2連勝 最短7月9日に快挙/将棋・棋聖戦五番勝負
6/28(日) 18:39配信

藤井聡太七段
将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(17)が6月28日、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第2局で、渡辺明棋聖(棋王、王将、36)に勝利、今シリーズ2連勝とし、最年少タイトル獲得の偉業に王手をかけた。第3局は7月9日に行われる。
【映像】藤井聡太七段が一気に優勢になった局面
激戦の第1局に勝利していた藤井七段は、後手番の第2局で渡辺棋聖が得意とする矢倉の出だしから、5五の地点目指して両者の金駒が早々と集中する激しい展開に。難解な中盤を経て、終盤では一気にリードを拡大。勝負どころを逃さない集中力を発揮。現在、最多の三冠を保持し“現役最強”と呼ばれることもある渡辺棋聖に、堂々たる連勝を飾った。対局後には「序盤はやってみたかった作戦で、積極的に動いていけました。次戦もなんとか気負わずに臨みたいと思います」とコメントした。凛々しい和服姿での登場は、対局開始直後からファンの反響も呼んでいたが「和服は長時間の対局では初めてで、どんな感じかわからないところはあったんですが、着てみて思ったより快適というか、普段どおりでした」と感想を語った。
従来の最年少タイトル記録は屋敷伸之九段(48)が持つ18歳6カ月。7月19日に18歳の誕生日を迎える藤井七段だが、7月9日の第3局で勝利した場合は、従来の記録を半年以上更新。将棋界初となる「17歳のタイトルホルダー」誕生となる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、多くの対局が延期になる中、藤井七段は重要局が集中した6月で、本局を含めて計9局指し、敗れたのは1回だけ。タイトルに関わる大一番が繰り返される中でも抜群の力を発揮している。中2日置いて、7月1日には王位戦七番勝負が開幕。昨期、史上最年少で初タイトルを獲得したベテラン木村一基王位(47)と、30歳差の番勝負に挑む。最年少でのタイトル獲得に加え、一気に二冠達成の可能性もあり、7月も藤井七段の対局から目が話せない日々が続く。』
(ABEMA TIMES)
『渡辺棋聖「一気にガタガタとダメに」連敗で崖っぷち
6/28(日) 19:14配信

第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局に臨んだ渡辺明棋聖(日本将棋連盟提供)
将棋の藤井聡太七段(17)が28日、初タイトル獲得へ王手をかけた。東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局で、渡辺明棋聖(36)を下し、2連勝とした。開幕局を制した後の宣言通り、和服姿で登場。緊張することなく指し回して、タイトルホルダーをかど番へと押しやった。17歳11カ月21日での史上最年少初戴冠を目指す第3局は7月9日、東京都千代田区「都市センターホテル」で行われる。
【写真】第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局に臨んだ渡辺明棋聖と藤井聡太七段
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渡辺棋聖が、あっという間にかど番に追い込まれた。中盤から終始、押され気味。背中を丸め、頭に手をやり、ほおづえをつき、首を横に振って考え込むシーンが目立った。「均衡が取れるように指していたつもりが、一気にガタガタとダメにしてしまった」と振り返る。26日には、豊島将之名人に挑戦している名人戦7番勝負第3局でも敗れ、1勝2敗と黒星が先行している。過密日程での連敗はきつい。「もう少し、いい将棋を指さないと」と奮い立たせるかのように話していた。』
(日刊スポーツ)
『“藤井の先輩”藤井猛九段も驚き 藤井聡太七段が生んだ新定跡に「相当研究している」/将棋・棋聖戦五番勝負
2020.06.28 20:01
振り飛車戦術「藤井システム」の生みの親、藤井猛九段(49)にしても、驚きの序盤戦術だ。6月28日に行われたヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第2局で、挑戦者の藤井聡太七段(17)が渡辺明棋聖(棋王、王将、36)に90手で勝利した。ABEMAの中継で聞き手を務めていた藤井九段だが、最年少棋士が見せた新たな一手に驚きを隠さなかった。
藤井七段が対局後「やってみたかった作戦」と話したのは、渡辺棋聖が先手から急戦の矢倉で来たものに対して応じる手。一度、位置を変えた角を元の位置に戻し、さらには本来守りに使う金を5五の地点に近づけて使う積極策で、序盤からプレッシャーをかけ始めた。
新戦法を生み出したことで知られる藤井九段だが、将棋界の“藤井の後輩”、藤井七段が見せたこの手に「渡辺さんはちょっと想定していなかったでしょうね。指されてみると、先手が悪いのかもしれません。定跡になりましたね。相当研究していないと指せない手」と、矢倉戦における新たな定跡が誕生したと明言した。
この局面では互角と見られていたが、対局は終わってみれば藤井七段が快勝と言える結末に。「矢倉の最新型を体感しました。渡辺さんにあんな勝ち方をする藤井七段に改めて驚きました。また新しい形が見られるかもしれません」と、第3局以降の戦いにも期待していた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)』
(ABEMA TIMES)
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2020/06/29 追記
現役最強と言われる渡辺3冠が、試合後「前例のない将棋だった」と語ったそうだ。
勝負は、自分は力を出し、相手は力を出させないことが戦略として重要だ。
藤井七段が、矢倉が得意な渡辺3冠に対して、定跡から外れる手を打って、攪乱戦法に出て、渡辺3冠は自分のペースに持ち込めなくなり、力を出せないまま終わってしまったのだ。
今日のニュースに、その辺りの解説が出てきたので追記することにした。
問題は、藤井七段の「5四金」だ。
実際の棋譜をTVで紹介している。
「藤井聡太七段2連勝!最年少タイトル獲得王手 スッキリ 2020年6月29日」
https://youtu.be/hyXCjnDYEyA
師匠の杉本七段が、素人にも判るように料理に例えて解説してくれている。
『藤井七段の将棋は「味噌汁にバナナやチョコを入れたような…」師匠が驚き明かす
6/29(月) 12:14配信
棋聖戦2局目で史上最年少タイトル獲得へ王手をかけた藤井聡太七段について29日、TBS系「ひるおび」が特集。生出演した師匠の杉本昌隆八段が、藤井七段の大胆な手を「味噌汁にあり得ないバナナやチョコレートを入れた」と表現した。
【写真】初和服対局の藤井七段…袴は仙台平!丈夫で皺がつきにくい高級品
敗れた渡辺明三冠が「前例のない将棋だった」と評した藤井七段の「5四金」。本来は守りに使う「金」を繰り上げた型破りな手に杉本八段は「配置がすごく悪い。金の下に歩というのは。あり得ないんです。これで戦えるって判断は素晴らしかった」と解説。「料理にたとえると、味噌汁を作るときにあり得ないものを使う。バナナやトマトや、チョコレートを全部入れたような。おいしいものはできないと思うが、できあがったら素晴らしいものができてた」と驚きを持って伝えた。
「指し手を見たらひどい将棋だなと一瞬、思った。十年前の藤井なら注意したと思う。こんな将棋やっちゃだめだよと。今は、いい作戦だなって」とも明かした。
共に生出演した田中虎彦九段は「羽生(善治九段)以上の棋士は生まれないと思ったが、どうも、これを見てると間違いだったな、とそんな気がしてならない」と最大級の賛辞を贈った。』
藤井聡太七段は、最強の棋士でさえ迷うような局面を作り出すことができる。
そして、迷わせて力を出させなくし、その間に自分のペースに展開してしまう。
永瀬2冠との2番、渡辺3冠との2番、相手は「見ていない手を指された」とか「分からなかった」とか感想を言っているが、それは藤井七段が用意した迷路に入り込んでしまったからだろう。
藤井七段は、ただ将棋が強いだけではなく、勝負師としては老獪で強かと言える。
これでは、タイトル戦でストレート負けのない渡辺3冠も対応が難しいかもしれない。