2019年05月 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

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2019-05-31 (Fri)

2019/05/31 日記 五月尽

2019/05/31 日記 五月尽

2019/05/31 (金) 旧暦: 4月27日 祝日・節気:  日出: 4時27分 日没: 18時50分 月出: 2時34分 月没: 15時28分 月齢: 26.18 干支: 戊辰 六曜: 赤口 九星: 五黄土星 今日のあれこれ: 五月尽 <【沖縄旅行】Hawaiiの海より綺麗! ハワイよりも沖縄のビーチの方がクオリティ高い! ワイキキビーチよりも離島のビーチ! ハワイ行ったことあるけど沖縄離島行ったことない人に> https://youtu.be/_M47PsID...

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2019/05/31 (金) 旧暦: 427日 祝日・節気:  日出: 427分 日没: 1850分 月出: 234分 月没: 1528分 月齢: 26.18 干支: 戊辰 六曜: 赤口 九星: 五黄土星


今日のあれこれ: 五月尽

<【沖縄旅行】Hawaiiの海より綺麗! ハワイよりも沖縄のビーチの方がクオリティ高い! ワイキキビーチよりも離島のビーチ! ハワイ行ったことあるけど沖縄離島行ったことない人に>


https://youtu.be/_M47PsIDIJM



『五月尽
読み方:ゴガツジン(gogatsujin)

五月が終ること

季節 夏

分類 時候』
( 季語・季題辞典)


五月尽の俳句:


・あれこれと計画倒れ五月尽   濱田ヒチヱ


・ねばならぬもののみ増えて五月尽  加藤瑠璃子


・暗闇や母攫はるる五月尽   各務麗至




ここの処毎年、五月尽を取り上げている。
例句を探し、取り上げようとすると過去にもう取り上げている。
 同じ句を取り上げるのは気がすすまないので、上手く行かなかった五月の句を探してみた。

個人的にもこの五月は、色々だった。
良いこともあれば、そうでないこともあった。
思い通りもあったが、想定外もあった。

俳人たちも、人生色々を詠んでいる。

各務の句は、どうしたのだろう、尋常ではない。
虚構なのかイメージなのかよくわからない。
それとも実際亡くなってしまったのだろうか。

現実の日本でも川崎の様な事件が起きた五月だった。
様々な憶測が言われているが、自ら首を切って死んでしまった男が居ない以上真相は判らない。
 不遇な生まれ、虐げられた子供時代が背景になっていると識者がしたり顔で話している。

逆境は人を駄目にすることばかりではない、逆境・不遇を乗り越えて伸びる人も多い。
 矢張り人次第と言う他はない。





2019-05-30 (Thu)

2019/05/30 日記 杜若

2019/05/30 日記 杜若

2019/05/30 (木) 旧暦: 4月26日 祝日・節気:  日出: 4時27分 日没: 18時49分 月出: 2時05分 月没: 14時29分 月齢: 25.18 干支: 丁卯 六曜: 大安 九星: 六白金星 今日のあれこれ: 杜若 「知立市 無量寿寺 かきつばた満開 2019  Vol.2」 https://youtu.be/UF7B67yafp4 『杜若(かきつばた) 仲夏 子季語: 燕子花、かほよ花、白かきつばた 関連季語: あやめ、花菖蒲、菖蒲 解説:...

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2019/05/30 (木) 旧暦: 426日 祝日・節気:  日出: 427分 日没: 1849分 月出: 205分 月没: 1429分 月齢: 25.18 干支: 丁卯 六曜: 大安 九星: 六白金星


今日のあれこれ: 杜若

「知立市 無量寿寺 かきつばた満開 2019  Vol.2

https://youtu.be/UF7B67yafp4



『杜若(かきつばた) 仲夏
子季語: 燕子花、かほよ花、白かきつばた
関連季語: あやめ、花菖蒲、菖蒲
解説: 尾形光琳の「燕子花図屏風」に描かれている水辺の花。剣のような葉と紫の花で一目でこの花と分かる。「燕子花」字は花の姿が燕の姿を思わせるところから。この花の汁を布にこすり付けて染料にしたことから「書付花」といわれ、それが転じて「かきつばた」となったとされる。
来歴: 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
文学での言及: 吾のみやかく恋すらむかきつはたにつらふ妹はいかにかあるらむ よみ人しらず『万葉集』
唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ 在原業平『伊勢物語』 
実証的見解: アヤメ科の多年草。五~六月ごろ池や沼などの水辺に咲く。形はあやめを少し大きくした感じ。七十センチほどの直立した茎で葉は広剣状。花の色は、白または紫。他のアヤメ科の花同様、三枚の外花被片(外の花びら)は垂さがり、それよりも小さな内花被片(内の花びら)は直立する。かきつばたの特徴として、外の花びらの付け根から中央にかけて白っぽい筋が一本入る。

(季語と歳時記)



杜若の俳句:


・杜若我に発句の思ひあり  松尾芭蕉


・今朝見れば白きも咲けり杜若  与謝蕪村


・水の書き水の消したり杜若  千代尼



・旅人にすれし家鴨や杜若  小林一茶


・京は水の清きからこそ杜若  広瀬惟然




杜若の花を最初に見たときの印象は、思ったより小さくて地味だなと言うものだった。
 それは、花菖蒲と比べてしまったからだ。

しかし、杜若には昔からの伝説や歴史がある。
単なる色、形、姿の花では無く、歴史や歌や句も背負った総体を背景にして見る必要がある。

業平の昔、江戸の昔の時代の中に杜若は咲いている。
これから数百年後にも杜若は咲き、歌や句に詠まれているだろう。




2019-05-29 (Wed)

2019/05/29  日記  多佳子忌

2019/05/29  日記  多佳子忌

2019/05/29 (水) 旧暦: 4月25日 祝日・節気:  日出: 4時27分 日没: 18時49分 月出: 1時37分 月没: 13時32分月齢: 24.18 干支: 丙寅 六曜: 仏滅 九星: 七赤金星今日のあれこれ: 多佳子忌(橋本多佳子38歳産経新聞https://www.sankei.com/premium/photos/190418/prm1904180006-p1.htmlより転載)『多佳子忌初夏五月二十九日、俳人橋本多佳子の忌日。本名多満、明治三十二年、東京に生れる。杉田久女に俳句を学び...

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2019/05/29 (水) 旧暦: 425日 祝日・節気:  日出: 427分 日没: 1849分 月出: 137分 月没: 1332分月齢: 24.18 干支: 丙寅 六曜: 仏滅 九星: 七赤金星


今日のあれこれ: 多佳子忌

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(橋本多佳子38歳
産経新聞
https://www.sankei.com/premium/photos/190418/prm1904180006-p1.html
より転載)



『多佳子忌

初夏

五月二十九日、俳人橋本多佳子の忌日。本名多満、明治三十二年、東京に生れる。杉田久女に俳句を学びのち山口誓子に師事。「天狼」の重要同人となり、自らも「七曜」を主宰した。華麗な叙情句の作り手として知られる。昭和三十八年死去。六十四歳。』
(季語と歳時記)



多佳子忌の俳句:


・多佳子忌の崖あをあをと滴れり 上野さち子



今日529日は俳人橋本多佳子の忌日。
1963
年(昭和38年)529日に亡くなっている。
女性で64歳の死は早すぎると言ってよいだろう。

もう少し天が余命を与えれば、多くの佳句が世に残された筈だと思うと残念だ。



【データ】

橋本多佳子 Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E5%A4%9A%E4%BD%B3%E5%AD%90



橋本多佳子 北九州市文学館
http://www.kitakyushucity-bungakukan.jp/display/159.html


杉田久女 ・ 橋本多佳子 句碑

http://www.kcta.or.jp/kaidou/hi/kokura/rozan/rozan.html



2019-05-28 (Tue)

2019/05/28 日記 辰雄忌

2019/05/28 日記 辰雄忌

2019/05/28 (火) 旧暦: 4月24日 祝日・節気:  日出: 4時28分 日没: 18時48分 月出: 1時08分 月没: 12時36分 月齢: 23.18 干支: 乙丑 六曜: 先負 九星: 八白土星 今日のあれこれ: 辰雄忌 「信濃追分 堀辰雄が愛した軽井沢」 https://youtu.be/KHgSGBAhubQ 『辰雄忌 初夏 五月二十八日、堀辰雄の忌日。堀辰雄は昭和期の小説家。芥川龍之介に師事、「聖家族」で文壇に認められた。知...

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2019/05/28 (火) 旧暦: 424日 祝日・節気:  日出: 428分 日没: 1848分 月出: 108分 月没: 1236分 月齢: 23.18 干支: 乙丑 六曜: 先負 九星: 八白土星


今日のあれこれ: 辰雄忌

「信濃追分 堀辰雄が愛した軽井沢」


https://youtu.be/KHgSGBAhubQ



『辰雄忌

初夏

五月二十八日、堀辰雄の忌日。堀辰雄は昭和期の小説家。芥川龍之介に師事、「聖家族」で文壇に認められた。知性、抒情にあふれた作風で「美しい村」「風立ちぬ」等の作品がある。』
(季語と歳時記)



辰雄忌の俳句:

・辰雄忌や林に拾ふ鳥の羽根 久保和子



新緑から青葉の季節。
高原の緑間には爽やかな風が吹き抜ける。
透明な澄んだ空気の中に世界がある。
軽井沢や蓼科は、これから美しい季節を迎える。

今日528日は、堀辰雄の命日。
彼は、昭和28年(1953年)の今日、信濃追分の新居で持病の胸の病でなくなった。

堀辰雄の文学は、今の主流ではないが、堀辰雄の文学世界を愛する人は常にいて、忘れられた世界ではないようだ。


季語の辰雄忌も多くはないが詠まれている。
その中の一句を掲載した。

飛び去った鳥の残した羽の残した余韻。
忌というのは幸せな喪失感。
とでも言えるだろうか


堀辰雄が若い頃、折りに触れ呟いた言葉がある。


『...いつも僕の口癖のようになって浮んでくる一つの言葉があります。或る時はフランス語で、〈Sois belle, Sois triste〉と、――又或る時は同じ言葉を「美しかれ、悲しかれ」と。――ときには僕はその文句に「女のひとよ」という一語を自分勝手につけ加えて、口の中でささやいて見ることもある。』
(「美しかれ、悲しかれ」)

「美しかれ、悲しかれ」は、彼の文学世界の主旋律を奏でいてる。


【データ】

堀辰雄 Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E8%BE%B0%E9%9B%84


堀辰雄 青空文庫 収録一覧

https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1030.html




2019-05-27 (Mon)

2019/05/27 日記 青葉潮

2019/05/27 日記 青葉潮

2019/05/27 (月) 旧暦: 4月23日 祝日・節気: 下弦 日出: 4時28分 日没: 18時47分 月出: 0時37分 月没: 11時41分 月齢: 22.18 干支: 甲子 六曜: 友引 九星: 九紫火星 今日のあれこれ: 青葉潮 「カツオ漁船 第183佐賀明神丸」 https://youtu.be/SpiruLuameU 『青葉潮: 青潮、青山潮、鰹潮   初夏 青葉の頃の黒潮をいう。黒潮は、日本の南岸に北上し房総半島沖を東に流れる海流である。...

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2019/05/27 (月) 旧暦: 423日 祝日・節気: 下弦 日出: 428分 日没: 1847分 月出: 037分 月没: 1141分 月齢: 22.18 干支: 甲子 六曜: 友引 九星: 九紫火星


今日のあれこれ: 青葉潮


「カツオ漁船 第183佐賀明神丸」


https://youtu.be/SpiruLuameU



『青葉潮: 青潮、青山潮、鰹潮

  初夏

青葉の頃の黒潮をいう。黒潮は、日本の南岸に北上し房総半島沖を東に流れる海流である。この青葉潮にのって鰹が北上する。』
(季語と歳時記)



青葉潮の俳句:


・青葉潮岬の鼻を北上す   金國久子


・鰹潮迅し漁師の血がさわぐ   中村翠湖


・青葉潮蹴立て更なる沖目ざす   久染康子




黒潮に乗って北上する鰹を追いかけて、早春の九州から始まり、漁師も漁船も北上する。
 動画の佐賀明神丸船団も、早春から鰹を追って北上するそうだ。

丁度青葉の季節に鰹は関東沖に差し掛かる。
房総では初鰹漁が最盛期を迎える。

鰹漁と言えば、近海では一本釣りの勇壮な漁だったが、いまも変わりなく行われているのだろうか?

「カツオ一本釣り」

https://youtu.be/M1I3tWr7Gyw


身体を酷使する現場では人手不足も深刻だが、鰹一本釣りの現場でもカツオの自動釣り機ロボットが実用実験で成果を上げ、現場への投入が近づいているそうだ。





2019-05-26 (Sun)

2019/05/26 日記 牡丹

2019/05/26 日記 牡丹

2019/05/26 (日) 旧暦: 4月22日 祝日・節気:  日出: 4時29分 日没: 18時46分 月出: 0時04分 月没: 10時45分 月齢: 21.18 干支: 癸亥 六曜: 先勝 九星: 九紫火星 今日のあれこれ: 牡丹 「徳川園春を謡う《牡丹、新緑》2019」 https://youtu.be/gUvar0p5Wvs 『牡丹(ぼたん) 初夏 子季語: ぼうたん、深見草、富貴草、白牡丹、牡丹園 関連季語: 寒牡丹、牡丹の芽、牡丹焚火 解説:...

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2019/05/26 (日) 旧暦: 422日 祝日・節気:  日出: 429分 日没: 1846分 月出: 004分 月没: 1045分 月齢: 21.18 干支: 癸亥 六曜: 先勝 九星: 九紫火星


今日のあれこれ: 牡丹

「徳川園春を謡う《牡丹、新緑》2019

https://youtu.be/gUvar0p5Wvs



『牡丹(ぼたん) 初夏

子季語: ぼうたん、深見草、富貴草、白牡丹、牡丹園
関連季語: 寒牡丹、牡丹の芽、牡丹焚火
解説: 花の王といわれる中国渡来の花。初夏、白や紅、黒紫など芳香のある大輪の花を咲かせる。
花の姿は華麗で、寺社の庭園などで観賞用に栽培されてきた。漢詩人、なかでも白楽天が好んで詠んだ。俳句でも牡丹の名句が多く詠まれているが、画家でもあった蕪村にとりわけ多い。奈良の長谷寺、当麻寺が牡丹の寺として有名である。
来歴: 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
文学での言及: 形見とて見れば嘆きのふかみ草なになかなかのにほひなるらん 藤原重家『新古今集』
実証的見解: ボタン科ボタン属の落葉小低木。原産は中国北西部と考えられている。日本には天平時代に渡ったといわれる。日本に伝わる前から園芸品種が作られ、江戸期には百六十以上もの品種があったとされる。木の丈は一メートルから一メートル半くらい。葉は二回三出羽状複葉で互生する。葉の長さは四センチから十センチくらいで裏は白っぽい。五月ころ、今年のびた枝に二十センチにもなる大輪の花を咲かせる。花の色は、白、赤、ピンク、黄などさまざま。多数の花弁が重なり合うようにぼってりと咲く。』
(季語と歳時記)



牡丹の俳句:


・牡丹の花曼陀羅に咲き満ちて   細原由起子


・艶やかに名残の牡丹咲きゐたり   小峯雅子


・一株の牡丹にはなし弾みけり   柴田美佐子


・延命の地蔵に牡丹明りかな   小宮山勇


・牡丹と在りしこの数日に悔はなし   安住敦




地球と言う環境、取り分け四季の自然に恵まれた日本に生きていると忘れてしまうことがある。

一歩この世界を離れてしまえば、全ては闇の中にある。
光がなくても物が見えるエイリアンでもあれば、光はいらないが人間にとっては暗闇はモノの存在が見えなくなる。

初夏の光の中咲いている牡丹の花は、光そのものだ。
闇を排除し、色鮮やかに形を彩っている。

闇を照らすものが地蔵であり、牡丹明かりなのだ。

牡丹は闇を照らす明かり。
牡丹を見て過ごした刻は格別なものだ。
無明の中に浮かんだレゾンデートルなのだから。




2019-05-25 (Sat)

2019/05/25 日記 蝦蛄

2019/05/25 日記 蝦蛄

2019/05/25 (土) 旧暦: 4月21日 祝日・節気:  日出: 4時29分 日没: 18時46分 月出: ----  月没: 9時49分 月齢: 20.18 干支: 壬戌 六曜: 赤口 九星: 八白土星 今日のあれこれ: 蝦蛄 「親子で楽しめる干潟のアナジャコ釣り!《江戸川》」 https://youtu.be/fBeuItx8R6o 「2018/08/11 石狩湾新港 シャコを家族分釣る」 https://youtu.be/bB1Wg8TXDOo 『シャコ(蝦蛄[1]、青...

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2019/05/25 (土) 旧暦: 421日 祝日・節気:  日出: 429分 日没: 1846分 月出: ----  月没: 949分 月齢: 20.18 干支: 壬戌 六曜: 赤口 九星: 八白土星


今日のあれこれ: 蝦蛄


「親子で楽しめる干潟のアナジャコ釣り!《江戸川》」


https://youtu.be/fBeuItx8R6o



2018/08/11 石狩湾新港 シャコを家族分釣る」

https://youtu.be/bB1Wg8TXDOo



『シャコ(蝦蛄[1]、青龍蝦、学名: Oratosquilla oratoria) は、甲殻類 軟甲綱 トゲエビ亜綱 口脚目(シャコ目)シャコ科に属する節足動物の1種である。転じてシャコ目に属する種の総称にも使われる。

寿司ダネなどになる食用種がよく知られる。地方名にシャコエビ[1]、ガサエビ[1]、シャッパなど。
...
生態
シャコ類では最も北の海域に生息[1]。北はロシア沿海州から南は台湾にかけて分布[1]

内湾や内海の泥底や砂泥底に生息し、海底の砂や泥にU字形の巣穴を掘って生活する[1]。肉食性で、他の甲殻類や魚類、イソメ、ゴカイなどの多毛類、貝類などを強大な捕脚を用い捕食する。この捕脚による攻撃[4]は打撃を伴う強力なもので、カニの甲羅や貝殻を叩き割って捕食するほか、天敵からの防御や威嚇にも用いられる。飼育下においても捕脚の打撃で水槽のガラスにヒビが入ることがある。このような特性から、釣りや水揚げされた物を不用意に触ると大怪我をするので十分な注意が必要である。

環境の変化に強く、一時東京湾の汚染が進んだ時期には「東京湾最後の生物になるだろう」といわれていたこともあった[5]

食材としての利用
シャコの握り寿司
エビよりもアッサリとした味と食感を持つ。旬は産卵期である春から初夏。秋は身持ちがよい(傷みにくい)。日本では、新鮮なうちに茹で、ハサミで殻を切り開いて剥き、寿司ダネとすることが最も多い。捕脚肢の肉は「シャコツメ」と呼ばれ、軍艦巻きなどにして食べられることが多く、一尾から少量しか取れない珍味。産地では、塩茹でにして手で剥いて食べたり、から揚げにすることが多い。産卵期の卵巣はカツブシと呼ばれて珍重されるため、メスのほうが値段が高い。また、ごく新鮮なうちに刺身として生食する場合もある。香港では、日本のものよりも大振りなものが多いが、素揚げにしてから、ニンニク、唐辛子、塩で味付けして炒める「椒鹽瀬尿蝦 ジウイム・ライニウハー」(広東語)という料理が一般的である。

シャコは死後時間が経つと、殻の下で酵素(本来は脱皮時に使われる)が分泌され、自らの身を溶かしてしまう。そのため、全体サイズの割に中身が痩せてしまっていることも多い。これを防ぐには、新鮮なうちに茹でるなどして調理してしまうことである。活きた新鮮なシャコは珍重されるが、勢いよく暴れる上に棘が多いため、調理時に手に刺さる場合があるので取り扱いには注意が必要である。
...』
Wikipedia


蝦蛄の俳句:


・蝦蛄を掘る人を遥かにしたる潟  酒見蘆香


・蝦蛄を釣る地声の太き浜男  保坂リエ




季語としての蝦蛄は三夏だが、旬は6月から7月の産卵の時期が美味しいとされる。
 つまり、これからが旬だ。

蝦蛄を捕る方法は、色々あるようで、砂浜の穴を見つけて筆を挿入して、押し出すために入口に出てきたところを捕らえる方法が一番簡単だそうだ。
 竿で釣る方も個人でできる、漁師は底引き網で漁獲するのが一般的だ。

筆でおびき出す方法は簡単そうだが、見えないところに指を突っ込むのは不安だし、実際指を挟まれることもあるらしい。

この辺りでは、蝦蛄は三河湾でも穫れるが、北海道の小樽周辺では大きなジャンボ蝦蛄が穫れるそうだ。
春と秋2回の蝦蛄祭りも開催され、ジャンボ蝦蛄を楽しみことができる。

北海道は暫く行っていないが、蝦蛄祭りはいつか行ってみたい。






2019-05-24 (Fri)

2019/05/24 日記 時鳥

2019/05/24 日記 時鳥

2019/05/24 (金) 旧暦: 4月20日 祝日・節気:  日出: 4時30分 日没: 18時45分 月出: 23時27分 月没: 8時53分 月齢: 19.18 干支: 辛酉 六曜: 大安 九星: 七赤金星 今日のあれこれ: 時鳥 「ホトトギス20190521」 https://youtu.be/JE4I4UvPY3E 『ホトトギス(杜鵑、学名:Cuculus poliocephalus)は、カッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類の一種。特徴的な鳴き声とウグイスなどに托卵す...

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2019/05/24 (金) 旧暦: 420日 祝日・節気:  日出: 430分 日没: 1845分 月出: 2327分 月没: 853分 月齢: 19.18 干支: 辛酉 六曜: 大安 九星: 七赤金星


今日のあれこれ: 時鳥


「ホトトギス20190521


https://youtu.be/JE4I4UvPY3E



『ホトトギス(杜鵑、学名:Cuculus poliocephalus)は、カッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類の一種。特徴的な鳴き声とウグイスなどに托卵する習性で知られている(「ホトトギス目ホトトギス科」と書かれることもあるが、カッコウ目カッコウ科と同じものである)。日本では古来、様々な文書に登場し、杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰[ 1]、時鳥、子規、田鵑など、漢字表記や異名が多い。

形態
全長は28cmほどで、ヒヨドリよりわずかに大きく、ハトより小さい。頭部と背中は灰色で、翼と尾羽は黒褐色をしている。胸と腹は白色で、黒い横しまが入るが、この横しまはカッコウやツツドリよりも細くて薄い。目のまわりには黄色のアイリングがある。
...
生態
日本へは九州以北に夏鳥として渡来するが、九州と北海道では少ない。

カッコウなどと同様に食性は肉食性で、特にケムシを好んで食べる。また、自分で子育てをせず、ウグイス等に托卵する習性がある。

オスの鳴き声はけたたましいような声で、「キョッキョッ キョキョキョキョ!」と聞こえ、「ホ・ト・・ト・ギ・ス」とも聞こえる。早朝からよく鳴き、夜に鳴くこともある。この鳴き声の聞きなしとして「本尊掛けたか」や「特許許可局」や「テッペンカケタカ」が知られる。

文学や芸術とホトトギス
故事
ホトトギスの異称のうち「杜宇」「蜀魂」「不如帰」は、中国の故事や伝説にもとづく。長江流域に蜀という傾いた国(秦以前にあった古蜀)があり、そこに杜宇という男が現れ、農耕を指導して蜀を再興し帝王となり「望帝」と呼ばれた。後に、長江の氾濫を治めるのを得意とする男に帝位を譲り、望帝のほうは山中に隠棲した。望帝杜宇は死ぬと、その霊魂はホトトギスに化身し、農耕を始める季節が来るとそれを民に告げるため、杜宇の化身のホトトギスは鋭く鳴くようになったと言う。また後に蜀が秦によって滅ぼされてしまったことを知った杜宇の化身のホトトギスは嘆き悲しみ、「不如帰去」(帰り去くに如かず。= 何よりも帰るのがいちばん)と鳴きながら血を吐いた、血を吐くまで鳴いた、などと言い、ホトトギスの口の中が赤いのはそのためだ、と言われるようになった。

日本の芸術とホトトギス
古典文学
日本では、激情的ともいえるさえずりに仮託して、古今ホトトギスの和歌が数多く詠まれ、すでに『万葉集』では153例、『古今和歌集』では42例、『新古今和歌集』では46例が詠まれている。鳴き声が聞こえ始めるのとほぼ同時期に花を咲かせる橘や卯の花と取り合わせて詠まれることが多い。

ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明(ありあけ)の月ぞ残れる(後徳大寺左大臣『千載和歌集』)
目には青葉山ほととぎす初鰹(山口素堂)
他にも夜に鳴く鳥として珍重され、その年に初めて聞くホトトギスの鳴き声を忍音(しのびね)といい、これも珍重した。『枕草子』ではホトトギスの初音を人より早く聞こうと夜を徹して待つ様が描かれる。

平安時代以降には「郭公」の字が当てられることも多い。これはホトトギスとカッコウがよく似ていることからくる誤りによるものと考えられている。松尾芭蕉もこの字を用いている。

宝井其角の句に「あの声で蜥蜴(とかげ)食らうか時鳥」がある。ホトトギスは美しい声で鳴くが醜いトカゲなどの爬虫類や虫などを食べる、すなわち「人や物事は見かけによらない」ということを指す。

万葉の時代から「ウグイスの巣に卵を産んで育てさせる」という託卵の習性が知られる一方、時代や地域によってはカッコウあるいはウグイスと混同されている例もある。下記「天下人」を詠んだ句では鳴き声を愛でる鳥すなわちウグイスであるとの考え方も一般的である。従って作品中に「ホトトギス」とある場合でも、季節や時間帯によっては注意が必要となる。

近代文学
正岡子規は1895年(明治28年)4月に近衛師団つきの従軍記者として遼東半島に渡ったものの予定通りにはゆかず同年5月には帰国の途につくはめになり、帰国の船中で喀血して重態に陥り、神戸病院に入院し、結核と思われ、当時は結核は「不治の病」という位置づけであったので、自分に死・死期が迫っていると覚悟した。喀血した(血を吐いた)ことから、「鳴いて血を吐く」と言われているホトトギスと自分を重ね合わせ、ホトトギスにちなむ句を一晩で数十も作ったという。そして、ホトトギスの漢字表記のひとつの「子規」を自分の俳号とした。

江戸時代から「厠(かわや)の中にいるときにホトトギスの声を聞くと不吉である」という言い伝え、迷信が日本各地に伝わっているが、この出典は『酉陽雑俎』および『太平広記』である。夏目漱石が西園寺公望におくった有名な俳句「時鳥(ほととぎす)厠(かわや)半(なか)ばに出かねたり」も、この迷信をふまえる(加藤徹『怪力乱神』ISBN 978-4-12-003857-0)。

音楽
『ほととぎす』(山田流箏曲) - 文化初年頃、山田流の流祖・山田検校作曲。ホトトギスの忍音をたった一声でも聞くため、船に乗り隅田川を徹夜でさかのぼる様が詠われた曲。
『時鳥の曲』(箏曲) - 1901年、楯山登作曲。明治時代に大阪で活躍した盲人音楽家・楯山の数多い作品中、代表作。古今和歌集の「我が宿の池の藤波咲きにけり 山ほととぎすいつか来鳴かむ」「今更に山に帰るなほととぎす 声の限りは我が宿に鳴け」の2種を歌詞とし、ホトトギスの声を描写した手事(てごと - 長い間奏器楽部)を持つ。この作曲のため楯山は関西中のホトトギスの名所を巡り、また何日も山にこもって声を研究したと言う。
『夏の曲』(箏曲) - 幕末の安政・嘉永頃、吉沢検校作曲。「古今組」5曲の一つ。古今和歌集から4首を採り歌詞とした中に「夏山に 恋しき人や入りにけむ 声振り立てて鳴くほととぎす」がある。
その他、『四季の眺』(松浦検校作曲)、『里の暁』(松浦検校作曲)、『夏は来ぬ』(小山作之助作曲)など、曲中一部にホトトギスを詠んだ曲は少なくない。
芸術の関連人物
正岡子規
徳富蘆花
村上幸子
...』
Wikipedia



時鳥の俳句:


・待たぬのに菜売りに来たか時鳥  松尾芭蕉


・稲葉殿の御茶たぶ夜や時鳥  与謝蕪村


・どこを押せばそんな音が出ル時鳥  小林一茶


・けふの我があはれをしるや時鳥  広瀬惟然


・しるべして山路もどせよ杜宇(時鳥)  内藤丈草


・雲を蹴て月を吐たる時鳥  榎本其角


・行燈を月の夜にせん時鳥  服部嵐雪


・時鳥あとは松吹あらし哉  高井几董




時鳥は、昔から句に詠まれてきた。
今も詠まれているが、江戸時代の方が関心を集めていた様に思われるがどうだろう。

昔の有名どころの句を選んでみた。
錚々たる俳人が詠んでいる。

芭蕉の句は、句意が取りにくかった。
調べてみると以下の解釈だそうだ。


『ホトトギスの初音は今かいまかと待っている。そこにやってきたのは菜売りの呼び声、なんとまあ無風流なこと。同じ感興の句に「烏賊売の声まぎらはし杜宇」がある』
(芭蕉DB
http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/basho/haikusyu/nauri.htm
より転載)




2019-05-23 (Thu)

2019/05/23 日記 芍薬

2019/05/23 日記 芍薬

2019/05/23 (木) 旧暦: 4月19日 祝日・節気:  日出: 4時31分 日没: 18時44分 月出: 22時45分 月没: 7時58分 月齢: 18.18 干支: 庚申 六曜: 仏滅 九星: 六白金星 今日のあれこれ: 芍薬 「牡丹 芍薬 ぼけ封じのお寺さん Peony flower temple」 https://youtu.be/CXWhFbJwK8g 『シャクヤク(芍薬)はボタン科の多年草。学名 Paeonia lactiflora。高さ約60cm。葉は複葉。初夏、大形の紅・白色...

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2019/05/23 (木) 旧暦: 419日 祝日・節気:  日出: 431分 日没: 1844分 月出: 2245分 月没: 758分 月齢: 18.18 干支: 庚申 六曜: 仏滅 九星: 六白金星


今日のあれこれ: 芍薬

「牡丹 芍薬 ぼけ封じのお寺さん Peony flower temple


https://youtu.be/CXWhFbJwK8g



『シャクヤク(芍薬)はボタン科の多年草。学名 Paeonia lactiflora。高さ約60cm。葉は複葉。初夏、大形の紅・白色などのボタンに似た花を開く。アジア大陸北東部の原産。品種も多い。

概要
牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、芍薬は花の宰相、「花相」と呼ばれる。ボタンが樹木であるのに対して、シャクヤクは草本である。そのため、冬には地上部が枯れてしまい休眠する。ボタンの台木として使用されるが、シャクヤク自体の花も美しく、中国の宋代には育種が始まった。江戸時代には「茶花」として鑑賞され、品種改良も行われた古典園芸植物でもある。また熊本藩では武士の素養として園芸を重要視し、奨励された。特に六種類の植物が盛んに栽培、育種され、これを「肥後六花」と総称するが、キク、朝顔、椿等と共にシャクヤクもそこに加わっている。この熊本で育種された系統を「肥後芍薬」と呼ぶ。これを含め日本のシャクヤクは一重咲きが中心で、特に雄蕊が大きく発達して盛り上がり花の中央部を飾るものが多く、全般にすっきりした花容である。この花型を「金蕊咲き」と呼び、海外では「ジャパニーズ・タイプ」と呼んでいる。

花の形は「一重咲き」「八重咲き」「翁咲き」などがある。

株分けで増やすことが一般的。

歴史
中国で、宋代には育種が始まっている。
近代に入り西洋にも紹介され、19世紀には特にフランスで品種改良がなされ、豪華な千重咲き大輪の品種群が生まれた。明治時代以降の日本では、神奈川県農事試験場(現神奈川県農業技術センター)がこれらを導入し従来の日本の品種群との交配を重ねて、新たな一群が作られた。その後日本でも切り花用品種の育成が続いているほか、伊藤東一によりボタンの黄花品種との交配により濃黄色の品種がいくつか生まれ、世界的にも注目された。また20世紀後半にはアメリカでの育種が進み、いくつかの近縁種との種間交雑も試みられ、従来にない花色を備えたものもいろいろと現れている。外国での品種は「洋芍」とよばれる。

薬用
シャクヤクまたは近縁植物の根は、消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用がある生薬であり[2][3]、日本薬局方に収録されている[4]。生薬名「芍薬」(シャクヤク)。初出は『神農本草経』[2]。漢方ではポピュラーな生薬で葛根湯、十全大補湯、芍薬甘草湯、大柴胡湯、当帰芍薬散など多くの漢方方剤に配合される[5]。根には配糖体であるペオネフリン、アルカロイドであるペオニンが含まれる[6]

現在、中国では芍薬を赤芍と白芍とを区別して用いている。一時期、赤花を赤芍、白花を白芍としたり、野生品を赤芍、栽培品を白芍としたりしたが、外皮をつけたまま乾燥したものを赤芍、外皮を取り去って乾燥させたものを白芍とするのが正しい区別である[2][3]

近縁種
ボタンやヤマシャクヤク、パエオニア・ムロコセウィッチー、パエオニア・テヌイフォリア、パエオニア・オフィキナリスなど日本から中央アジア、地中海沿岸まで十数種が分布している。
...』
Wikipedia



芍薬の俳句:


・紅白の芍薬活けて客を待つ   印牧緑


・近づけば芍薬と息かよひけり   葉山美香


・供へたる芍薬の香に寝つかれず   西畑敦子




芍薬の花には、心を通わせるもの、心を湧き立てるもの、心を震わせる何かがありそうだ。

芍薬の花には、絶世の美女の小野小町と深草の少将にまつわる百夜通いの物語がある。

 小野小町に心を奪われた深草の少将に、小町は毎夜芍薬の花を持ち、百日の夜通いを遂げれば、契りを結んでもよいと言う。
 
深草の少将は、深草から山科まで芍薬を持参し毎夜通い続けた。
 毎夜通って、深草の少将は残り1日まで通いつめたが、99日目の夜、真冬の夜は吹雪となり、深草の少将は凍死してしまう


俳句の世界では、女性たちが芍薬に心を掻き立てられている。




2019-05-22 (Wed)

2019/05/22 日記 風薫る

2019/05/22 日記 風薫る

2019/05/22 (水) 旧暦: 4月18日 祝日・節気:  日出: 4時31分 日没: 18時44分 月出: 21時57分 月没: 7時06分 月齢: 17.18 干支: 己未 六曜: 先負 九星: 五黄土星 今日のあれこれ: 風薫る 「【弘前公園・空撮映像】天守と岩木山 弘前さくらまつり2017」 https://youtu.be/T5Ji7QL5AhE 『風薫る : 薫風、薫る風、風の香、南薫   三夏 夏に吹きわたる風をほめたたえた季語であるが、...

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2019/05/22 (水) 旧暦: 418日 祝日・節気:  日出: 431分 日没: 1844分 月出: 2157分 月没: 706分 月齢: 17.18 干支: 己未 六曜: 先負 九星: 五黄土星


今日のあれこれ: 風薫る


「【弘前公園・空撮映像】天守と岩木山 弘前さくらまつり2017


https://youtu.be/T5Ji7QL5AhE



『風薫る : 薫風、薫る風、風の香、南薫

  三夏
夏に吹きわたる風をほめたたえた季語であるが、新緑、若葉のころの風として使いたい季語でもある。語源は漢語の「薫風」で、それを訓読みして和語化したものである。』
(季語と歳時記)



風薫るの俳句:


・岩木山のぞむ天守や風薫る   鈴木静恵


・雨止んで吹き下ろす風薫りけり   稲畑汀子


・一歩出づればそこに山あり風薫る   足立典子


・化粧せし石仏のあり風薫る   黒田秋子


・乾杯のグラスきらりと風薫る   青野安佐子



今日は風薫る日だった。

鈴木の句の天守は、弘前城に違いない。
写真や動画を調べてみると、弘前城と岩木山をテーマにしたものは沢山あった。
掲載した動画は、沢山登録があったyoutubeの動画の一つだ。

大雨が降った後の今日は、塵が流されて、空気は澄み渡った。
 風薫る五月らしい良いお天気になった。

五人の俳人たちも、今日のように光と風に祝福された日に思わず句を詠んだ筈だ。





2019-05-21 (Tue)

2019/05/21 日記 小満

2019/05/21 日記 小満

2019/05/21 (火) 旧暦: 4月17日 祝日・節気: 小満 日出: 4時32分 日没: 18時43分 月出: 21時04分 月没: 6時16分 月齢: 16.18 干支: 戊午 六曜: 友引 九星: 四緑木星 今日のあれこれ: 小満 「伊豆のわさび田 ロッキィ使用」 https://youtu.be/4Wgp6hCfq9U 『小満(しょうまん)は、二十四節気の第8。四月中(通常旧暦4月内)。 現在広まっている定気法では太陽黄経が60度のときで5月21日ごろ。...

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2019/05/21 (火) 旧暦: 417日 祝日・節気: 小満 日出: 432分 日没: 1843分 月出: 2104分 月没: 616分 月齢: 16.18 干支: 戊午 六曜: 友引 九星: 四緑木星


今日のあれこれ: 小満

「伊豆のわさび田 ロッキィ使用」


https://youtu.be/4Wgp6hCfq9U



『小満(しょうまん)は、二十四節気の第8。四月中(通常旧暦4月内)。

現在広まっている定気法では太陽黄経が60度のときで521日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。恒気法では冬至から5/12年(約152.18日)後で523日ごろ。

期間としての意味もあり、この日から、次の節気の芒種前日までである。

西洋占星術では、小満を双児宮(ふたご座)の始まりとする。

季節の特徴
万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ。『暦便覧』には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されている。

麦畑が緑黄色に色付き始める。

沖縄では、次の節気と合わせた小満芒種(すーまんぼーすー)という語が梅雨の意味で使われる。
...
七十二候
小満の期間の七十二候は以下の通り。

初候
蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう) : 蚕が桑を盛んに食べ始める(日本)
苦菜秀(くさい ひいず) : 苦菜がよく茂る(中国)
次候
紅花栄(こうか さかう) : 紅花が盛んに咲く(日本)
靡草死(びそう かる) : 薺など田に生える草が枯れる(中国)
末候
麦秋至(ばくしゅう いたる) : 麦が熟し麦秋となる(日本)
小暑至(しょうしょ いたる) : ようやく暑さが加わり始める(中国)
...』
Wikipedia



小満の俳句:


・山葵田に小満の水余りけり  鈴木しげを


・小満のひと日始まる空真青   折橋綾子


・小満の人影ふゆる田に畑に  太田 嗟




昨夜から今朝にかけての暴風雨が去り、お天気が回復した。
 青空のもと爽やかな風が吹いた。

伊豆や安曇野の大王わさび農場の清流にも初夏の日差しが降り注ぎ、水と山葵の葉が光に照らされて輝いていただろう。

今日、郊外の農地では、田に水が張られていた。
その先の水田では、耕運機が水の中を走り、土を耕していた。

直ぐに田植えが始まるだろう。
梅雨に入れば、稲の晴れ舞台が開幕する。





2019-05-20 (Mon)

2019/05/20 gooブログの菜花亭日乗を解約した

2019/05/20 gooブログの菜花亭日乗を解約した

3月19日にgooブログからFC2ブログに引越した。 理由は20日、21日の記事に書いた通りだ。 3月20日以降の新しい記事はFC2ブログの菜花亭日乗に書き、gooブログの方は其の儘にしてきた。 検索エンジンの関係でgooブログのURLに来られる方が多いと考えられたので、引っ越しの経緯をご案内するためだった。 それから、2ヶ月が経過し、ある程度ご案内が進んだと思われるので、切の良い5月20日に解約することにした。 Mさんの...

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3
19日にgooブログからFC2ブログに引越した。
理由は20日、21日の記事に書いた通りだ。

3
20日以降の新しい記事はFC2ブログの菜花亭日乗に書き、gooブログの方は其の儘にしてきた。
検索エンジンの関係でgooブログのURLに来られる方が多いと考えられたので、引っ越しの経緯をご案内するためだった。

それから、2ヶ月が経過し、ある程度ご案内が進んだと思われるので、切の良い520日に解約することにした。

M
さんの質問に触発されて、2007520日よりブログを開始することになった。

あれから丸12年が経過した。
12
年のgooブログに終止符を打つことにした。

設定ページのブログの解約ボタンをクリックすると一瞬に、12年間の記事も画像もすべて消えた。

だが、消えたものはすべてFC2ブログに移されている。
過去記事を検索した方が、こちらのFC2に迷わず辿り着かれることを祈るばかりだ。





2019-05-20 (Mon)

2019/05/20 日記 青鷺

2019/05/20 日記 青鷺

2019/05/20 (月) 旧暦: 4月16日 祝日・節気:  日出: 4時32分 日没: 18時42分 月出: 20時05分 月没: 5時31分 月齢: 15.18 干支: 丁巳 六曜: 先勝 九星: 三碧木星 今日のあれこれ: 青鷺 「アオサギがボラを食べまくり。」 https://youtu.be/DyQAU9FWFcQ 『アオサギ(蒼鷺、Ardea cinerea) は、ペリカン目サギ科アオサギ属に分類される鳥類。 ... 生態 河川、湖沼、湿原、干潟、水田...

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2019/05/20 (月) 旧暦: 416日 祝日・節気:  日出: 432分 日没: 1842分 月出: 2005分 月没: 531分 月齢: 15.18 干支: 丁巳 六曜: 先勝 九星: 三碧木星


今日のあれこれ: 青鷺


「アオサギがボラを食べまくり。」


https://youtu.be/DyQAU9FWFcQ



『アオサギ(蒼鷺、Ardea cinerea) は、ペリカン目サギ科アオサギ属に分類される鳥類。
...
生態
河川、湖沼、湿原、干潟、水田などに生息する[5]。非繁殖期には単独で生活するが[4][6]、本種のみで数羽が同じねぐらに集まったりコサギなどのねぐらに混ざることもある[5]

魚類、両生類、昆虫などを食べるが、鳥類の雛、小型哺乳類を食べることもある[5]。水辺で待ち伏せたり、水辺や浅瀬を徘徊しながら獲物を探す[5][6]。小型の魚類は嘴で挟んで捕えるが、コイなどの大型の魚類は側面から嘴で突き刺して捕えることもある[5]。獲物を発見すると、素早く頸部を伸ばし捕食する。

繁殖形態は卵生。松林などに集団繁殖地(コロニー)を形成する[5]。主に本種のみのコロニーを形成するが、同科他種のコロニーに混ざることもある[5]。主にオスが巣材を集め、メスが樹上に木の枝を組み合わせた皿状の巣を作る[4][5]。日本では4 - 5月に1回に3 - 5個の卵を産む[6]。同じ巣を修理して何年にもわたり使用しつづける[5]。雌雄で抱卵・育雛を行い、抱卵期間は23 - 28[4]。雛は孵化してから50 - 55日で巣立つ[5][6]。生後2年で成熟する[6]。アシの生えた地上での営巣記録もある。

人間との関係
離島の溜池に餌になる魚を求め飛来したアオサギ(神島)
養殖魚を食べるため、害鳥とみなされることがある[7]

害鳥としての駆除などにより生息数が減少している地域もある。例としてイングランドとウェールズでは1970年代後半には年あたり4,600羽以上が駆除されたと推定され、1979年における繁殖個体数は5,400ペアまで激減した[7]。日本では集団繁殖地は限定的で、日本海側に多い傾向がある[5]1978年に環境庁による調査では確認された繁殖地は18メッシュで、例として猿賀神社のように消滅した繁殖地もある[5]。一方で関東地方では近年繁殖数が増加傾向にあり、例として神奈川県では1995年に初めて繁殖が確認された[5]
...
』(Wikipedia



青鷺の俳句:


・夕風や水青鷺の脛をうつ  與謝蕪村


・青鷺の叱と鳴つゝけふの月  服部嵐雪


・ついと首伸ぶる青鷺木を離る   加藤静江


・一歩出で青鷺狙ひ定まりぬ   間宮あや子


・群れなして青鷺諍ふことしきり   大橋晄




白鷺は、郊外の田でよく見る。
白い優美な姿が魅力になっている。

青鷺はあまり見かけない。
というより見ているが知らないだけかも知れない。
句では江戸の昔から詠まれているから、それなりの情趣を持つ鳥なのだろう。

今回,youtubeで動画を見てみると、なかなか優美とは言えず、魚、蛙は勿論、鼠や蛇まで捉えて食べてしまう貪欲な鳥で、烏や鵜などと勢力争いを避けない戦闘的な志向性もあるようだ。

日本でも養殖の魚や観賞用の池の鯉など食べてしまうので嫌がられているが、外国では害鳥として駆除されている。

あまり人里に近いところに来ないほうが良い鳥かもしれない。






2019-05-19 (Sun)

2019/05/19  日記  筍飯

2019/05/19  日記  筍飯

2019/05/19 (日) 旧暦: 4月15日 祝日・節気: 望 日出: 4時33分 日没: 18時41分月出: 19時03分 月没: 4時50分 月齢: 14.18 干支: 丙辰 六曜:赤口 九星: 二黒土星今日のあれこれ: 筍飯(京料理 筍亭(じゅんてい) 桂コースhttp://www.juntei.jp/menu.html〒615-8164 京都府京都市西京区樫原鴫谷50TEL.075-391-7191)『筍飯  初夏採りたての筍であれば皮をとりそのまま調理できる。日を経たものは米糠などであく...

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2019/05/19 (日) 旧暦: 415日 祝日・節気: 望 日出: 433分 日没: 1841分月出: 1903分 月没: 450分 月齢: 14.18 干支: 丙辰 六曜:赤口 九星: 二黒土星


今日のあれこれ: 筍飯


clip_image002
(京料理 筍亭(じゅんてい) 桂コース
http://www.juntei.jp/menu.html
615-8164 京都府京都市西京区樫原鴫谷50
TEL.075-391-7191




『筍飯
  初夏

採りたての筍であれば皮をとりそのまま調理できる。日を経たものは米糠などであく抜きをしてから使う。細かく刻んだ筍と油揚や鶏肉などを煮含めご飯に炊き込む。山椒の若い葉をのせると色取りも香も楽しめる。』
(季語と歳時記)



筍飯の俳句:


・ふるさとの筍飯の旨さかな  羽生栄子


・ようきたと筍飯をてんこもり  樋口英子


・京二夜筍飯でしめくくる  内藤静



故郷の実家や親戚に筍山があったりすると。
掘りたての筍を味わうことができる。
筆者には残念ながらそのようなツテはないので、店で購入するより方法はない。

店で購入しても、筍は下処理に時間がかかる。
料理は手をかけてこそだから、当然なのだが、出来れば作って貰える人がいたほうが美味しい。
なかなか、筍飯も簡単ではない。

京都には、筍料理の専門店があるそうだ。
季節の筍を工夫をこらした献立で味わい尽くす贅沢を京都では実現している。

一人では無理だが、人が揃えば、この季節荀亭の筍づくし会席を楽しむことができる。




2019-05-19 (Sun)

2019/05/19 井上 ロドリゲス2回TKO、WBSS決勝進出

2019/05/19 井上 ロドリゲス2回TKO、WBSS決勝進出

朝起きて、試合結果がどうなったか見てみた。 もう結末が報道されていた。 長い試合になるとの予想だったが、意外にも2回で終わっていた。 『井上尚弥、ロドリゲス粉砕! 王者対決制し、ドネアとの決勝へ…WBSS準決勝 5/19(日) 6:06配信 スポーツ報知 2回TKOでロドリゲスを倒した井上尚弥(ロイター) ◆プロボクシング 世界戦▽ワールド・ボクシング...

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朝起きて、試合結果がどうなったか見てみた。

もう結末が報道されていた。
長い試合になるとの予想だったが、意外にも2回で終わっていた。


『井上尚弥、ロドリゲス粉砕! 王者対決制し、ドネアとの決勝へ…WBSS準決勝
5/19(
) 6:06配信 スポーツ報知

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TKOでロドリゲスを倒した井上尚弥(ロイター)
◆プロボクシング 世界戦▽ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ バンタム級準決勝 ○WBA王者・井上尚弥ーIBF王者・エマヌエル・ロドリゲス18日、英スコットランド・グラスゴー、SSEハイドロ)

WBSS準決勝を兼ねたIBF世界バンタム級タイトルマッチで、挑戦者として臨んだWBA世界バンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=がIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(26)=プエルトリコ=を下し、IBF王座の奪取に成功し、WBSS決勝進出も果たした。井上の戦績は18戦全勝(16KO)、2度目の防衛に失敗し、初黒星を喫したロドリゲスは19勝(12KO1敗となった。

欧州に初めて上陸した日本の“モンスター”が、変わらぬ暴れっぷりを見せた。井上は「海外で良い結果を出して、日本のボクシング界を盛り上げたい」と誓っていた通り、日本のエースとして大きな足跡を残した。2019年、そして「令和」を迎えての初戦。日本人選手が過去20試合全敗のヨーロッパで、初の白星を挙げた。

2018年は衝撃の連続だった。20185月、世界3階級制覇を目指し、6度目の防衛戦に臨んだWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)を試合開始から襲いかかり、先制ダウンを奪い、152秒のTKO勝ち。同年10月には、WBSS初戦で元WBA世界バンタム級スーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を右ストレートで倒し、70秒でKOした。

そんな怪物に「戦力も評価も高い選手」と言わしめさせるロドリゲス。豊富なアマチュア経験、卓越した技術と鋭い強打…と井上との共通点が多い。多彩のパンチを持ち、攻防ともに技術に長けている。今大会で初めての現役チャンピオン対決を「事実上の決勝戦」と評する声も上がっていた。

井上も「過去最強の相手」と明言しながらも「昨年の2試合とは違う面白さを見せたい」と意気込みを示し、試合前日には「精進して挑みたい」と自信を膨らませていた。有言実行の勝利。決勝では互いにリスペクトし合う世界5階級制覇ノニト・ドネア(フィリピン)が待ち構える。井上はさらなる高みへと突き進む。』
(スポーツ報知)


既に、youtubeに動画も登録されていた。

『井上尚弥- エマヌエル ロドリゲス』

https://youtu.be/ZcfcWiEUdnY



『試合後インタビュー 井上尚弥- ノニト・ドネア』

https://youtu.be/qSN7VP0lA-k



トレーナーの父が、先に当てたほうが勝ちと試合前に言っていたが、先に当てたのは井上だった。

接近戦でのパンチはロドリゲスの得意分野だが、井上のほうが先に当てた。
ロドリゲスのフックをかわして、内側からコンパクトに腕をたたんで、フックを命中させた。
予想通りの結果だった。

詰めも、完全だった。
ボデーでロドリゲスの戦闘力を奪ってから、顔面に戻って結末をつけた。

これで、ドネア戦まで、井上は世界のボクシング界の中心になった。





2019-05-18 (Sat)

2019/05/18 日記 薪能

2019/05/18 日記 薪能

2019/05/18 (土) 旧暦: 4月14日 祝日・節気:  日出: 4時34分 日没: 18時40分 月出: 17時57分 月没: 4時12分 月齢: 13.18 干支: 乙卯 六曜: 大安 九星: 一白水星 今日のあれこれ : 薪能 『初夏告げる「薪御能」 古都奈良、幽玄の舞』 https://youtu.be/HMVHqWczUGs 『薪能(たきぎのう)は、主として夏場の夜間、能楽堂、もしくは野外に臨時に設置された能舞台の周囲にかがり火を焚いて、...

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2019/05/18 (土) 旧暦: 414日 祝日・節気:  日出: 434分 日没: 1840分 月出: 1757分 月没: 412分 月齢: 13.18 干支: 乙卯 六曜: 大安 九星: 一白水星


今日のあれこれ : 薪能

『初夏告げる「薪御能」 古都奈良、幽玄の舞』


https://youtu.be/HMVHqWczUGs



『薪能(たきぎのう)は、主として夏場の夜間、能楽堂、もしくは野外に臨時に設置された能舞台の周囲にかがり火を焚いて、その中で特に選ばれた演目を演じる能楽。「薪の宴の能」の意。起源は平安時代中期にまで遡り、奈良の興福寺で催されたものが最初だという。興福寺では、現在5月の11日、12日に薪能が行われている。ただし興福寺では薪御能(たきぎおのう)と呼ぶ。また、薪御能の源流はあくまで神事・仏事の神聖な儀式であり、野外で薪を燃やせば薪能になるのではないとしている​[要出典]​。しかし公的団体が、日本文化の趣旨を地域住民に理解してもらうように様々な資料を用意し、能楽を広めるために行っている行事を、能楽関係者が深く関わることにより、政(まつりごと)としての薪能の趣旨が生きてくるという考え方もある。

現在、各地の神社仏閣(日前神宮・国懸神宮、平安神宮、長田神社、増上寺、神田明神、生国魂神社、称名寺など)や庭園(大阪城西の丸庭園、新宿御苑、愛知県小牧城麓など)で催されている。』
Wikipedia



薪能の俳句:


・闇に浮く笛の一声薪能   鈴木勢津子


・羽衣の吹かれ立ちつつ薪能  坂井建


・化身出て炎荒ぶる薪能   秋千晴




2019
年の興福寺・春日大社の薪御能は、昨日と今日開催された。
・日 程: 2019517日(金)・18日(土)

・場所・時間: 
5
17
  春日大社舞殿   『咒師走りの儀』午前11時~
  興福寺 南大門跡 『南大門の儀』 午後530分~

5
18
  春日大社若宮社  『御社上りの儀』午前11時~
  興福寺 南大門跡 『南大門の儀』 午後530分~

薪御能の魅力は、非日常の世界に誘わえることだ。
闇と炎を舞台として演じられる能楽の世界の幽玄さが見るものを現実の世界から連れ出してくれる。

管理された世界に慣れてしまった感性を、炎と闇と風と笛・鼓の音が目覚めさせる。


【データ】

興福寺 薪能

http://www.kohfukuji.com/event/festival/07.html




2019-05-17 (Fri)

2019/05/17  日本酒の会sake nagoya 5月定例会 (その1 出品酒)

2019/05/17  日本酒の会sake nagoya 5月定例会 (その1 出品酒)

今月のテーマは、「気になるちょっといいお酒」。 先月の「気になるお酒」に続く第2弾は、上級クラスの酒になる。 【今月の出品酒】 ブラインド評価が終わり、勢揃いした「気になるちょっといいお酒」たち。 以下、利き酒の個人的評価を記載するが、個人の嗜好によるもので客観性はない。 参加者の全体評価が会のサイトに掲載されるが、そちらの方が客観...

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今月のテーマは、「気になるちょっといいお酒」。
先月の「気になるお酒」に続く第2弾は、上級クラスの酒になる。


【今月の出品酒】

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ブラインド評価が終わり、勢揃いした「気になるちょっといいお酒」たち。

以下、利き酒の個人的評価を記載するが、個人の嗜好によるもので客観性はない。
参加者の全体評価が会のサイトに掲載されるが、そちらの方が客観性がある。


1) 栄光富士 純米大吟醸 無濾過生原酒 スネークアイ2018~ワイン酵母仕込み~ 富士酒造 (山形県)
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立香はあまり立たないが、何か香ばしさのようなものを感じる。甘くとろりとした入り口。ふくらみは大きい。含み香あり、フルーティーなもの。酸味がある。発泡感の名残を感じる。中盤以降の切れは良い。

大きな世界を持っている、含み香がやや気になる。評価8.0



2) 田酒 純米吟醸 西田酒造店 (青森県)

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立香は仄かな吟醸香で主張するレベルではない。甘い入り口。ふくらみは中くらい。含み香は吟香。微発泡感あり。中盤以降の切れ良い。残り香も吟香。

変な偏りのない癖のない世界だ。評価7.0



3) 豊盃 純米吟醸 三浦酒造 (青森県)
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立香は軽く甘いもの。甘い入口。滑らかな舌触り。ふくらみは大きくない、透明と言うよりスリガラスの世界。中盤に渋味が舌を締める。含み香は吟醸香で、やや気になるレベル。評価7.0




4) 羽根屋 純米吟醸プリズム究極しぼりたてHologram Label 富美菊酒造 (富山県)

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立香は甘い。甘い入口。酸は柔らかさを感じる、辛味が抑えられているからか。含み香は吟香。発泡感のようなものを感じる。味は早目に終わる感じだが切れは良い。残り香も吟香。

綺麗な世界で、吟醸酒らしい。評価8.0



5) 風が吹く 純米大吟醸 生酒 白井酒造店 (福島県)

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立香は仄かな吟醸香。甘い入口。含み香も吟香。ふくらみはない。味は早目に終わり、ややショビ付く感じ。中盤、辛味と渋味の締めが来る。後半の切れは今ひとつ。評価7.0




6) 越乃寒梅 純米大吟醸 無垢 石本酒造 (新潟県)

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立香はふわりとふくらむフルーティーな香り。甘い入口。とろりとした舌触り。透明感が在り、丸いふくらみの中に酸と辛味の混合した味が芯となって主張を感じる。

雑味のない、切れの良い、大きな世界だ。評価8.0




2019-05-17 (Fri)

2019/05/17  日本酒の会sake nagoya 5月定例会 (その2 出品酒)

2019/05/17  日本酒の会sake nagoya 5月定例会 (その2 出品酒)

(7) 古伊万里 前 monochrome+ 古伊万里酒造 (佐賀県) 立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。酸はスッキリとしている、シュワッとした発泡感を感じる。含み香は吟醸香で鼻に抜ける。中盤の味のバランが良い。残香も吟醸香。評価8.0。 (8) 七田 純米吟醸 生 無濾過 天山酒造 (佐賀県) ...

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7) 古伊万里 前 monochrome+ 古伊万里酒造 (佐賀県)

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立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。酸はスッキリとしている、シュワッとした発泡感を感じる。含み香は吟醸香で鼻に抜ける。中盤の味のバランが良い。残香も吟醸香。評価8.0




8) 七田 純米吟醸 生 無濾過 天山酒造 (佐賀県)

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立香は吟醸香。甘い入り口の後吟醸香の含み香が来る。微発泡の名残を感じる。吟醸香と甘さが鼻に抜ける。吟醸の世界全開の印象で、吟醸香はやや鼻につく。吟醸酒の世界は好きだが、ややあざといと感じなくもない。評価7.0




9) 一白水成 純米吟醸 福禄寿酒造 (秋田県)

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立香はあまり感じない。甘い入り口。滑らかな舌触り。ふくらみは大き目。透明感がある。中盤の味のバランス良い。後半に掛け発泡感らしき辛味を感じる。後口の切れ良い。評価8.0




10) 鳳凰美田 純米大吟醸 無濾過本生 赤判 小林酒造 (栃木県)

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立香は吟醸香。甘い入り口。含み香は吟醸香。ふくらみはあるが早目に腰が引ける。含み香の吟醸香が長く続く。中盤、何か切れが良くない味わいを感じる、含み香と渋味の混合が後半の切れを邪魔している印象。評価7.0




11) 流輝 純米吟醸 無濾過生 松屋酒造 (群馬県)

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立香は仄かな吟醸香。甘い入口。ふくらみは大きい。含み香は吟醸香。中盤に軽い渋味を感じる。後半に掛け、吟醸香と渋味が切れを妨げる感じで後口の切れは今ひとつ。残香も吟醸香。評価7.0




12) 田酒 純米吟醸 西田酒造店 (青森県)

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立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。ふくらみ大きく、透明感のある酸。含み香も立ち過ぎず適度なもの。味のバランス良い。中盤、渋味も浮かず切れが良い。ふくらみと透明感のある味わいで、癖を感じない、節度を保つ品位を感じさせる。評価9.0




【感想】
・「気になるちょっといいお酒」なので、純米の吟醸酒が勢揃いした。
(「古伊万里の前」はスペック非公開だが、純米吟醸以上は間違いないだろう。)

・吟醸酒らしい世界の酒が多かった。
全体評価でも、羽根屋、七田、鳳凰美田といった吟醸酒らしい世界の酒が高評価を受けた。

・個人的には、立香から含み香から残り香まで吟醸香が切れ目なく続くのは、やや息苦しい気がした。
これは個人の嗜好だが、ふくらみがあり味のバランスが良く、含み香の吟醸香も節度のあるものと言うポイントから見ると田酒、越の寒梅が好みだった。
越乃寒梅は全体評価で、最下位だった。
古い趣味となるのだろうか。





2019-05-17 (Fri)

2019/05/17  日本酒の会sake nagoya 5月定例会 (その3 かのうの料理)

2019/05/17  日本酒の会sake nagoya 5月定例会 (その3 かのうの料理)

【今日の料理】 かのうさんの今日の料理。 ・枝豆 定番の枝豆。 これがあると落ち着きが出て安心する。 確りとした豆の食感と味わい。 ・黒鯛酒蒸し 黒鯛が姿ごと大皿に盛られている。 かのうの料理の魅力の一つが、家庭では出来ない豪快な料理だ。 この黒鯛の酒蒸しもそうだ。 ...

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【今日の料理】

かのうさんの今日の料理。

・枝豆
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定番の枝豆。
これがあると落ち着きが出て安心する。

確りとした豆の食感と味わい。



・黒鯛酒蒸し
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黒鯛が姿ごと大皿に盛られている。
かのうの料理の魅力の一つが、家庭では出来ない豪快な料理だ。
この黒鯛の酒蒸しもそうだ。

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青菜は、豆苗(だと思う)。
シャキシャキとした食感の後、青臭さはなく甘みを感じる味、火がよく通っているからだろう。

豆腐はは甘く滑らか。

鯛は口に入れるとサクサクとした食感、噛むと次第に鯛の旨味が口の中に広がる。



・新じゃがバター塩辛添え
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今日の料理の中で、最も意表を突かれたと言う意味で面白いメニューだった。

最初何が乗せられているのかわからなかった。
立香はバターの香ばしい香り、新じゃがの滑らかな柔らかい食感のあと新じゃがの香りの含み香、その後漸く塩辛の旨味だと気付く。
バター+塩辛は甘さの後塩辛の塩味と癖のある旨味と香りを感じさせる。

新じゃが+バター+塩辛の取り合わせは、初めての経験だが、面白い。
全部一度にやってくる、新じゃがの味と香り、バターの香ばしさと乳臭い香り、塩辛の癖のある香りと旨味、これらが合体するのでもなく、反発し合うのでもなく、微妙な時間差でそれぞれの香味を口の中で展開する。
色々な香味が口の中で弾け、百花繚乱状態になり、面白かった。

筆者は初めての経験だったが、この3つの取り合わせは面白い、一度家でも真似してみよう。



・ねぎ塩重ねカツ
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見たところトンカツかと思ったらそうではなかった。
豚肉でネギ塩を挟んで揚げてある。

表面の衣はさっくりとした食感。
肉の味わいの後、葱の香りと味わいが来る。
豚肉の味わいを追いかける葱の香味が引き上げる役割をしている。



・生青のりの茶漬け
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顔を近づけると、生の青海苔の香りとアラレの香ばしい香りが立つ。
噛むと三つ葉の爽やかな香りが広がり、生の青海苔の磯の香とハーモニーを演出する。
中盤の青海苔の旨味が強く感じられるのは海苔の量のお蔭だろう。


・白菜の浅漬
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シャキシャキとした食感。
柔らかい塩の味と白菜の甘さが旨味と成り、口の中をサッパリさせる。





2019-05-17 (Fri)

2019/05/17 日記 三社祭

2019/05/17 日記 三社祭

2019/05/17 (金) 旧暦: 4月13日 祝日・節気:  日出: 4時35分 日没: 18時40分 月出: 16時51分 月没: 3時37分 月齢: 12.18 干支: 甲寅 六曜: 仏滅 九星: 九紫火星 今日のあれこれ: 三社祭 「【1日目】浅草三社祭はここから始まる!本社神輿神霊入れの儀!2019年 令和元年 浅草 三社祭 - SANJA MATSURI Festival」 https://youtu.be/wqFcvGDKd-Y 『三社祭(さんじゃまつり)は、毎年5月に...

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2019/05/17 (金) 旧暦: 413日 祝日・節気:  日出: 435分 日没: 1840分 月出: 1651分 月没: 337分 月齢: 12.18 干支: 甲寅 六曜: 仏滅 九星: 九紫火星


今日のあれこれ: 三社祭


「【1日目】浅草三社祭はここから始まる!本社神輿神霊入れの儀!2019年 令和元年 浅草 三社祭 - SANJA MATSURI Festival


https://youtu.be/wqFcvGDKd-Y



『三社祭(さんじゃまつり)は、毎年5月に行われる東京都台東区浅草の浅草神社の例大祭である。

かつては観音祭・船祭・示現会に分かれていたが、1872年から51718日に行われるようになった。現在は5月第3週の金・土・日曜日に行われる。名前は浅草神社の旧名である三社大権現社または三社明神社(檜前浜成・竹成の兄弟と土師真中知の3人を祀ってあるためこの名だった[2])に因む[3]。正式名称は「浅草神社例大祭」。奉納される田楽「びんざさら舞」は古式に則ったものとして有名[3](室町時代頃と言われる)。

浅草神社は明治時代に入るまでは浅草寺と一体であり、この時代には浅草寺の祭りとして行なわれていた。神仏分離によって浅草寺と分離してからは浅草神社単体での祭りとなり発展したが、これは明治に入って以降のことである。

このことを表すかのように、江戸時代から謳われている江戸の大きな祭りを謳った狂歌「神輿深川(深川祭)、山車神田(神田祭)、だだっぴろいは山王様(山王祭)」の中には含まれていない。
...』
Wikipedia



三社祭の俳句:


・ワッショイにソイヤと掛け声三社祭   橋本みず枝


・果ててなほ喧嘩の匂ふ三社祭   布川直幸


・荷風なし万太郎なし三社祭  宇田零雨




浅草神社の三社祭は、16日から19日までの4日間開催さる。

16
日は「本社神輿神霊入れの儀」が行われた。
その模様は動画の通りだ。
今日は、午後1時より、大行列・びんざさら舞奉納・各町神輿神霊入れの儀が行われている。

昔は、火事と喧嘩は江戸の華と言われたように、数多く起こり、人々はその成り行きを楽しんでいた節もある。
 今では、火事は消火され、喧嘩は取り締まられて、場合によっては検挙されて、犯罪者になりかねない。

喧嘩を見て楽しむのは、今では難しい。
その反動が、格闘技系のスポーツの盛行となって現れているとも言える。

江戸情緒と言えば荷風や万太郎。
荷風亡き後、万太郎亡き後も三社祭は続いている。
江戸情緒は、時代に合わせながら続いていくのだろう。


【データ】

浅草神社 公式サイト
https://www.asakusajinja.jp/


三社祭 
Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%A4%BE%E7%A5%AD





2019-05-16 (Thu)

2019/05/16 日記 伽羅蕗

2019/05/16 日記 伽羅蕗

2019/05/16 (木) 旧暦: 4月12日 祝日・節気:  日出: 4時35分 日没: 18時39分 月出: 15時45分 月没: 3時02分 月齢: 11.18 干支: 癸丑 六曜: 先負 九星: 八白土星 今日のあれこれ: 伽羅蕗(きゃらぶき) 「キャラブキ(フキの佃煮)の作り方 【美人女将サーヤのおばんざいブログより】」 https://youtu.be/UJxKQu2ayE0 『伽羅蕗   三夏 山蕗を使う。三、四日水に漬けてあくを出したあ...

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2019/05/16 (木) 旧暦: 412日 祝日・節気:  日出: 435分 日没: 1839分 月出: 1545分 月没: 302分 月齢: 11.18 干支: 癸丑 六曜: 先負 九星: 八白土星


今日のあれこれ: 伽羅蕗(きゃらぶき)

「キャラブキ(フキの佃煮)の作り方 【美人女将サーヤのおばんざいブログより】」


https://youtu.be/UJxKQu2ayE0



『伽羅蕗

  三夏

山蕗を使う。三、四日水に漬けてあくを出したあと、醤油、みりん、酒などでとろとろと煮る。伽羅香のような色になるのでこの名がついた。』
(季語と歳時記)




伽羅蕗の俳句:


・伽羅蕗の滅法辛き御寺かな  川端茅舎


・伽羅蕗が好きで大山詣かな  轡田 進


・伽羅蕗に箸はづませて茶わん酒  加藤武夫




伽羅蕗は、季語の説明にあるように、山で採る野生の小さなふきで作るものと思っていたが違っていた。
 伽羅蕗というのは、ふきを佃煮にしたものを言うそうなので、素材はつわぶきに限らず、栽培物のふきでも良いそうだ。

フキは、2種類あり、キク科フキ属のものと、キク科ツワブキ属のものがある。
 前者は、大きくなる、東北では傘代わりになるほど大きな物がある。
 栽培されて販売されているのは、キク科フキ属のもの。

ツワブキは、大きくならず、野生のものが多く。
若いツワブキを採集して、佃煮にしたものは伽羅蕗として販売されている。

日本酒の肴としての伽羅蕗は、無濾過原酒のように味の確りしたものと合わせれば良さそうだ。






2019-05-15 (Wed)

2019/05/15 日記 葵祭

2019/05/15 日記 葵祭

2019/05/15 (水) 旧暦: 4月11日 祝日・節気:  日出: 4時36分 日没: 18時38分 月出: 14時38分 月没: 2時28分 月齢: 10.18 干支: 壬子 六曜: 友引 九星: 七赤金星 今日のあれこれ: 葵祭 「令和元年 京都 葵祭 第64代 斎王代 Aoi Festival 64rd princess 2019」 https://youtu.be/RQe8JiyZbbk 葵祭の俳句: ・馬場ひらく葵祭の幕あけに  谷中隆子 ・馬降りて葵祭の御老体  辻桃...

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2019/05/15 (水) 旧暦: 411日 祝日・節気:  日出: 436分 日没: 1838分 月出: 1438分 月没: 228分 月齢: 10.18 干支: 壬子 六曜: 友引 九星: 七赤金星


今日のあれこれ: 葵祭

「令和元年 京都 葵祭 第64代 斎王代 Aoi Festival 64rd princess 2019

https://youtu.be/RQe8JiyZbbk



葵祭の俳句:


・馬場ひらく葵祭の幕あけに  谷中隆子


・馬降りて葵祭の御老体  辻桃子


・賀茂祭斎王代は牛車にて  田中雍子




5
15日は京都の葵祭。
昨日は荒れ模様の天気だったが、今日は回復し、御所の行列も動画の様に問題無く行われた。

祭りの話題の一つは、祭りのヒロイン斎王代。
意外だったのは、斎王代はコンテストや公募で決まるのではなく、巨額の費用を負担できる資産家の令嬢から選ばれることになっている事だ。


『斎王・斎王代

「斎王」(さいおう)とは、賀茂神社に御杖代として仕えるために皇室から差し出された内親王・女王のこと。

1956
年(昭和31年)に斎王にちなみ、斎王代と女人列が創設された。京都ゆかりの一般女性から選ばれ、斎王の代理ということで「斎王代」となる。唐衣裳装束(からぎぬもしょうぞく)を着用、白塗りの化粧をし、お歯黒も付ける。

毎年54日には斎王代禊(みそぎ)の儀が行われる。斎王代と女人たちが御手洗池(みたらしいけ)に手を浸し清める儀式で、下鴨神社と上賀茂神社両社で隔年交替で行われる。

なお斎王代は一般公募あるいはオーディション等で選ばれていない。数千万円と言われる費用を負担できることが条件となっているため、京都ゆかりの寺社・文化人・実業家などの令嬢(主に20代)が推薦等で選ばれている。莫大な負担ができ、かつ祭の維持に理解がある一部の家の令嬢に事実上限られるため、一部の資産家に役割が集中し、母も斎王代であったという例は数多く、姉妹揃って斎王代や、祖母・母・本人と三代続けて斎王代であるという例もある。
...』(Wikipedia


2019
年の第64代斎王代は、負野李花さん(23歳)でご本人は村田製作所の会社員で、お父さんは京都の老舗お香専門店である負野薫玉堂の社長だそうだ。

「令和最初の「葵祭」ヒロインの斎王代に23歳の負野さん」

https://youtu.be/RprEVCqYY2c


歴代の斎王代のプロフィルは、下記京都新聞の葵祭のサイトで見ることができる。


祭りの優雅な話題からは離れてしまうが、京都の上流社会の存在を垣間見るような気がする。
 国内はもとより、海外からも観光客が来てお金を落としていく京都では、資産家が多いのだろう、数千万円の費用を負担するのがステータスシンボルになっているのかもしれない。
 資産とは別に血筋・血統の世界もあるだろうし、東京の様な田舎者の集まりとは違う、格式・血筋・資産の絡み合った上流階級が息づいているのだろう。



【データ】

葵祭 Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%B5%E7%A5%AD


葵祭 京都新聞

https://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/aoi/index.html




2019-05-14 (Tue)

2019/05/14 日記 緑雨

2019/05/14 日記 緑雨

2019/05/14 (火) 旧暦: 4月10日 祝日・節気:  日出: 4時37分 日没: 18時37分 月出: 13時30分 月没: 1時52分 月齢: 9.18 干支: 辛亥 六曜: 先勝 九星: 六白金星 今日のあれこれ: 緑雨 「[ BMPCC 4K ] 緑雨 RYOU-U ( Spring rain )」 https://youtu.be/8PsReu3oRu8 『【緑雨】の意味 新緑の季節に降る雨。《季 夏》 』 (出典:デジタル大辞泉(小学館)) 緑雨の俳句: ...

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2019/05/14 (火) 旧暦: 410日 祝日・節気:  日出: 437分 日没: 1837分 月出: 1330分 月没: 152分 月齢: 9.18 干支: 辛亥 六曜: 先勝 九星: 六白金星


今日のあれこれ: 緑雨


[ BMPCC 4K ] 緑雨 RYOU-U ( Spring rain )


https://youtu.be/8PsReu3oRu8



『【緑雨】の意味
新緑の季節に降る雨。《季 夏》

(出典:デジタル大辞泉(小学館))



緑雨の俳句:


・古墳群の御霊鎮めし緑雨かな   邑橋節夫


・峡の田に緑雨の水輪重なりぬ   岩木茂


・ひたすらな緑雨の道に鼓舞されし   小澤克己




先人の心が偲ばれる季語。
季節は、日本人の心のかたちを作っている。

「緑雨」というのは良い言葉だ。
植物に光は欠かせない。
新緑は光に輝くもの。
緑雨は新緑を磨くもの。

ニュースでは、奄美地方が梅雨入りしたと話している。
今日は、九州から東北まで前線の影響でところどころ雷雨が発生する落ち着かないお天気だった。
どうやら、明日の明け方までは雷雨は残りそうだ。

明日の朝には、緑雨の後の新緑の美しさを歩くことができる。





2019-05-13 (Mon)

2019/05/13 日記 鯖

2019/05/13 日記 鯖

2019/05/13 (月) 旧暦: 4月9日 祝日・節気:  日出: 4時38分 日没: 18時36分 月出: 12時22分 月没: 1時14分 月齢: 8.18 干支: 庚戌 六曜: 赤口 九星: 五黄土星 今日のあれこれ: 鯖 「鯖のさばき方~しめ鯖の作り方と握り 寿司屋の仕込み how to fillet a mackerel and make sushi and shimesaba」 https://youtu.be/ZAUcVRP__e8 『鯖: 鯖舟、鯖釣、鯖火 三夏 近海で多く捕れる庶...

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2019/05/13 (月) 旧暦: 49日 祝日・節気:  日出: 438分 日没: 1836分 月出: 1222分 月没: 114分 月齢: 8.18 干支: 庚戌 六曜: 赤口 九星: 五黄土星


今日のあれこれ: 鯖

「鯖のさばき方~しめ鯖の作り方と握り 寿司屋の仕込み how to fillet a mackerel and make sushi and shimesaba

https://youtu.be/ZAUcVRP__e8



『鯖: 鯖舟、鯖釣、鯖火

三夏

近海で多く捕れる庶民的な魚。夜に火を焚いて漁をする。これを鯖火といい、壮観である。生のものは傷みやすく、塩鯖やしめ鯖にする。味噌煮、おろし煮など調理法が多い。』
(季語と歳時記)



鯖の俳句:


・壱岐の燈を鯖火たちまち奪ひけり  米沢吾亦紅


・鯖とる火星と交信するごとし  川村紫陽


・合羽黒くかこむ鯖船どこも雨  古沢太穂


・金曜日が好きで韮・鯖・浅蜊買ふ  正木ゆう子


・鯖火燃ゆねむりふかきは女かな  鈴木真砂女




健康食ブームで、鯖の人気が年々急上昇。
缶詰といえばツナ缶だったが、今ではサバ缶になっている。
日本の漁獲量は、増えているそうだが、需要増に追いつかないのだろうか、サバ缶の値上げが続いている。

脂の乗った大型の鯖は、ノルウエーからの輸入でしのぎ、日本の鯖は、小型なので半分はアフリカ等に輸出されているそうだ。

北欧では鯖の資源量が減り、漁獲規制が始まったらしい。
一部の日本のブランド鯖は高級魚になっているが、鯖全般が高級魚になる日が近いのかもしれない。


海の夜の闇を照らして行われる烏賊や鯖の漁は、美しく句に詠まれてきたが、この光景もいつまで続くのだろうか。





2019-05-12 (Sun)

2019/05/12 日記 母の日

2019/05/12 日記 母の日

2019/05/12 (日) 旧暦: 4月8日 祝日・節気: 母の日、上弦 日出: 4時39分 日没: 18時36分 月出: 11時14分 月没: 0時31分 月齢: 7.18 干支: 己酉 六曜: 大安 九星: 四緑木星 今日のあれこれ: 母の日 「2019母の日フラワーギフト「ハートフルカーネーションボウル 」」 https://youtu.be/yUxPNBlS5TU 『母の日 初夏 母に感謝して贈り物などをする日。五月の第二日曜を当てる。アメリカで一...

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2019/05/12 (日) 旧暦: 48日 祝日・節気: 母の日、上弦 日出: 439分 日没: 1836分 月出: 1114分 月没: 031分 月齢: 7.18 干支: 己酉 六曜: 大安 九星: 四緑木星


今日のあれこれ: 母の日


2019母の日フラワーギフト「ハートフルカーネーションボウル 」」


https://youtu.be/yUxPNBlS5TU



『母の日

初夏

母に感謝して贈り物などをする日。五月の第二日曜を当てる。アメリカで一九〇七年、A・ジャービスの提唱に始まるとされる。
日本では敗戦後に一般化した。カーネーションの花がつきものである。』
(季語と歳時記)



母の日の俳句:


・母の日や二人老母に花贈る   南原正子


・母の日の花束抱へ切れぬほど   古田考鵬


・贈られし花を飾れば母の日よ   稲畑汀子


・母の日の花束届き子は遠し   長屋せい子


・母の日の空路来りし蘭の花   三輪温子




母の日のプレゼントは、2019年も花、スイーツ、ごちそう、ステーキなどだそうだ。

出発点からカーネーションだから母の日に花はつきものなのだが、今年話題になったのは花束を母の日に贈るのはやめて欲しいとの介護職員のつぶやきだった。


『はじめちゃん @hajimechan2001
来週は母の日ですね。
言ったら怒られるであろう介護職の心の叫びをつぶやかせていただきます。

母の日には、たくさんの花が贈られ(送られ)てきます。

介護職に、利用者のお世話に加え花の世話という仕事が増えてしまいますので、できれば花を贈るのはお控えいただきたい。

以上、心の声でした。

  2019-05-05 11:38:01
 
はじめちゃん @hajimechan2001
これは心の声であって、
介護職は、声にも顔にも出さず、笑顔でお母さまとお花のお世話をしているのです。

ということをお知らせしておきます。

母の日に自分の母に会いに行くことなく・・・。
それが仕事ですから。

あとこれは私のつぶやきであって、
介護職を代表するものではありませんからね。
  2019-05-06 10:33:33

 
はじめちゃん @hajimechan2001
介護支援専門員/介護福祉士、2011年より介護職。現在、相談員兼施設ケアマネ、社会福祉士通信課程の学生です。2020年社会福祉士取得が目標。主に高齢者介護に対する思いをつぶやきます。介護の世界を実名顔出しでツイートできるような明るい世界に!ベーストロンボーンを吹きます。 #介護 #介護福祉士 #ケアマネ #トロンボーン

togetter.com
https://togetter.com/li/1345430
より転載)

TV
でもこれを取り上げ、10日放送の『モーニングショー』では、花だけ送る人への否定的なコメンテーターの発言があったそうだ。
https://npn.co.jp/article/detail/66387343/


要介護の母に、花束だけ送り事を済ませる家族の考え方も問題だが、介護士側もつぶやかずに、家族に花瓶を添えて送るように言うべきだろう、これは介護施設の問題だが。

自分で自分の用が足せる母には、従来通り花束で良いが、
出来れば、足を運んで顔を見せて、会話も楽しむのが一番のプレゼントであることは言うまでもない。





2019-05-11 (Sat)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その1)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その1)

ネット上にある、松本たかしの句を集めてみた。 彼の句は、「只管写生」を原点としているが、それだけではなく景に照応する想いを調べのある言葉一言を加え表現している。  そこに、世界が広がり、奥行きが生まれ、読む人を導いていく優しさがある。  愛される所以であろう。 (注: 頭の番号が単なる整理のためのもので、意味はない。) (1)        麦打ちの見えて音なき遠さ...

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ネット上にある、松本たかしの句を集めてみた。

彼の句は、「只管写生」を原点としているが、それだけではなく景に照応する想いを調べのある言葉一言を加え表現している。
 そこに、世界が広がり、奥行きが生まれ、読む人を導いていく優しさがある。
 愛される所以であろう。

(注: 頭の番号が単なる整理のためのもので、意味はない。)


(1)       
麦打ちの見えて音なき遠さかな
(2)       
雪を消す雨の降りをり落椿
(3)       
玉と呼び絹と称ふ島波うらら
(4)       
瓢箪の出来の話も残暑かな
(5)       
から/\と欠け風鈴や秋の風
(6)       
砂丘行き秋燕を見しばかりなり
(7)       
目白の巣我一人知る他に告げず
(8)       
庭山の茸とらであり我等故
(9)       
焚火跡濡れゐる上に散紅葉
(10)     
盆の月消えし燈籠にさしゐたり
(11)     
夜学児の暗き頸のくぼみかな
(12)     
芥子坊主一つ出来たる淋しさや
(13)     
開かれし炉あり炉辺に何もなし
(14)     
秋水に映れる森の昃りけり
(15)     
鉦講のあらかしましの十夜かな
(16)     
松蝉の鳴きたつ森へ道向ふ
(17)     
蘂白く夕暮れにけり落椿
(18)     
露けさに物音ありぬ寺修理
(19)     
東京へ行く汽車音よ避暑地の夜
(20)     
海棠に法鼓とどろく何かある
(21)     
月明の中空にあり妙義町
(22)     
椿咲く一度も雪をかふむらず
(23)     
芭蕉葉の雨音の又かはりけり
(24)     
叔父の僧姪の舞妓や大石忌
(25)     
乱鶯に山藤が散る通草が散る
(26)     
苗代を見て来し心美しき
(27)     
木蓮の花間を落ちて来たる雨
(28)     
凍りたる雪著いてあり花椿
(29)     
大霧の霽れかゝるより小鳥狩
(30)     
べら釣の小舟がゆれて島ゆれて
(31)     
消え/\の枯蔓の実の真赤かな
(32)     
土間広し二組羽子をつきにけり
(33)     
鉄の甲胄彳てる暖炉かな
(34)     
彳めば昴が高し花畑
(35)     
雪田の雪の止み間の淋しさよ
(36)     
淡路より眠る紀の山見ゆるかな
(37)     
小夜時雨してゐたりけり傘を呼ぶ
(38)     
客設けしつつすぐれず花の雨
(39)     
はる/\と慕ひ来りし賀客かな
(40)     
蟻地獄在り山中の暦日に
(41)     
惜春や乗りても見たる川蒸気
(42)     
蛤を買うて重たや春の月
(43)     
藪の空ゆくばかりなり宿の月
(44)     
皆ほむる秋の山あり庵の前
(45)     
大嶺の集まり眠る国境
(46)     
上目せば向山桜見ゆるなり
(47)     
先づ萌ゆる花壇の外の唯の土
(48)     
藤植ゑてつくかつかぬか軒うらゝ
(49)     
古屏風の剥落とどむべくもなし
(50)     
紅梅や赤城颪によろめきて
(51)     
温泉の流煙れる門の夕紅葉
(52)     
ひさ/\の杖を手にして春めきし
(53)     
氷りたる滝ひつ提げて山そそる
(54)     
一時雨濡れし日和や紅葉見に
(55)     
たんぽゝの閉づれば天気変るなり
(56)     
つく杖の銀あたゝかに蝶々かな
(57)     
南の海湧き立てり椿山
(58)     
小鼓のポポとうながす梅早し
(59)     
金雀枝の黄金焦げつつ夏に入る
(60)     
雨あとの石あらはなる坂紅葉
(61)     
百姓の足袋の白さや野辺送り
(62)     
濃紅葉に日のかくれゐる美しさ
(63)     
桃の小屋梨の小屋あり春暮るゝ
(64)     
コスモスの夕やさしくものがたり
(65)     
濃山吹墨をすりつゝ流し目に
(66)     
大木の栗の小さきが落ちそめし
(67)     
夜長なる呆け瞼の眉の影
(68)     
天草撰る坐り仕事や小屋の前
(69)     
沢水は春も澄みつつ山葵生ふ
(70)     
杓のもと小さくかなしや甘茶仏
(71)     
這ひのぼり失せし日かげや谷紅葉
(72)     
父の世の如金屏と寒牡丹
(73)     
炭竈の火を蔵したる静かかな
(74)     
客を待つ炉火のかげんをいたしけり
(75)     
釣竿のぴかり/\と水草生ふ
(76)     
屋根越しに見ゆる実梅に端居かな
(77)     
雨音のかむさりにけり蟲の宿
(78)     
下闇に遊べる蝶の久しさよ
(79)     
白露や何の果なる寺男
(80)     
枯桑に雪ありそめて利根細る
(81)     
父の室の父が描きし絵雛かな
(82)     
山深し朴の落葉に目そばだつ
(83)     
爐火いよよ美しければ言もなし
(84)     
パンジーの畑蝶を呼び人を呼ぶ
(85)     
湯女どちと深雪月夜を一つ温泉に
(86)     
時雨るゝや並びて同じ三つの堂
(87)     
板屏風立てし板間の大炉かな
(88)     
来て止る雪片のあり紅椿
(89)     
踊らまくさかさ頬冠したりけり
(90)     
人人に年惜めやと鼓打つ
(91)     
野に出れば稲架の日向もかんばしや
(92)     
しどみ掘る力込めつゝ笑ひをり
(93)     
風花にやがて灯りぬ芝居小屋
(94)     
桃林に柴積んであり腰かけぬ
(95)     
影ひいて枯鶏頭の静かな
(96)     
佇ば流れ寄りたる椿かな
(97)     
鶏頭のほとほと暮れてまだ暮るゝ
(98)     
荒れ/\し人も神輿も息みをり
(99)     
出刃の背を叩く拳や鰹切る
(100)   
夕まで初富士のある籬かな
(101)   
この夏の一番甘き西瓜なり
(102)   
十棹とはあらぬ渡しや水の秋
(103)   
秋晴や何かと干せる村の橋
(104)   
庭の月一瞬ありし野分かな
(105)   
空蒼し放たざらめや吾が雲雀
(106)   
月待つや指さし入るる温泉の流
(107)   
金魚大鱗夕焼の空の如くあり
(108)   
朴の葉の大きくぞなり落ち来る
(109)   
蟹二つ食うて茅舎を哭しけり
(110)   
羽子板の判官静色もやう
(111)   
木の間なる人語りゆく浮寝鳥
(112)   
輸飾を掛けし其他はすべて略
(113)   
磐石を刳りて磴とす散紅葉
(114)   
牡丹の残りし花に法事かな
(115)   
チューリップの花には侏儒が棲むと思ふ
(116)   
漕ぐ舟を廻せば銀河まはるなり
(117)   
目つむりて春日に面さらしをり
(118)   
天龍に沿うて霧たつ盆地の夜
(119)   
物干に女出て来て都鳥
(120)   
茶の花の垣たえ/\に草の中
(121)   
手をば刺す穂麦の中を来りけり
(122)   
眼つむれば駆けりゐる血や日向ぼこ
(123)   
花咲ける一木の梨に棚づくり
(124)   
左右より芍薬伏しぬ雨の径
(125)   
枯菊にさはれば粉がこぼれけり
(126)   
打仰ぎ落葉する木にもたれけり
(127)   
あまたゝび雪にいたみし椿咲く
(128)   
通夜までをすこし暇の昼蛙
(129)   
けふの日の燃え極まりし日向ぼこ
(130)   
卯の花や流るるものに花明り
(131)   
山吹を見れば芽ぐめり庭焚火
(132)   
野路晴れて我杖に飛ぶ曼珠沙華
(133)   
人来ねば鼓打ちけり花の雨
(134)   
秋水のおのづからなる水輪かな
(135)   
いたみたる椿ころげぬ雪の上
(136)   
干柿をはづしに立ちし火燵かな
(137)   
鶏頭に目がけ飛びつく焚火かな
(138)   
枯菊に虹が走りぬ蜘蛛の糸
(139)   
一夏の緑あせにし簾かな
(140)   
木曽谷の日裏日表霜を解かず
(141)   
小屋の炉に焼けゐる鳥や渡鳥
(142)   
炭窯の火を蔵したる静かな
(143)   
病床に上げし面や下萌ゆる
(144)   
山雨なほ轟き落ちて夏爐もゆ
(145)   
四段張にして十間の小鳥網
(146)   
雲去れば月の歩みのゆるみつゝ
(147)   
霜柱倒れつつあり幽かなり
(148)   
木曽谷の奈落に見たる銀河かな
(149)   
輪飾を掛けて使はず外厠
(150)   
金粉をこぼして火蛾やすさまじく
(151)   
山垣やひとり雪置く遠浅間
(152)   
山かこむ枯野の中の山一つ
(153)   
花野来て白き温泉に浸りけり
(154)   
十日経れば箱庭のはや年古りし
(155)   
草庵をめぐる径や月を待つ
(156)   
夏めくや庭を貫く滑川
(157)   
初暦翁格子の襖かな
(158)   
脱衣著衣浴女出で入り雪散華
(159)   
縁側の団扇拾うて下り立ちし
(160)   
水洟を貧乏神に見られけり
(161)   
初雷の一くらがりや遊園地
(162)   
掃かれ来る落葉の柵をはなれけり
(163)   
逗留や立待月に立ちまじり
(164)   
蓮の實を取つて呉れては棹させり
(165)   
朴の葉のつゝ立ちてすみやかに落つ
(166)   
鶏頭の老いさらぼへる風情かな
(167)   
門川の野茨の或は匂ひ来て
(168)   
飯食うてしのぐ寒さや昨日今日
(169)   
葉を巻いてトマト病みをり梅雨の庭
(170)   
萩むらに夕影乗りし鶏頭かな
(171)   
日を追うて歩む月あり冬の空
(172)   
スケートの左廻りや山囲む
(173)   
愁あり歩き慰む蝶の晝
(174)   
緑陰や蝶明らかに人幽か
(175)   
葛城の神の鏡の春田かな
(176)   
蒲の穂の飛び赴いて行方かな
(177)   
秋蝶の心ゆくままなる日かな
(178)   
月見草蛾の口づけて開くなり
(179)   
鎌倉に春の雪積む一夜かな
(180)   
松蝉の松の下草深き寺
(181)   
橙に天照る日ある避寒かな
(182)   
月見草すくなく咲きて月明し
(183)   
秋晴のどこかに杖を忘れけり
(184)   
包丁を取りて打撫で桜鯛
(185)   
又通る彼の女房や藪椿
(186)   
屏風絵の煤竹売が来るところ
(187)   
木々枯れて鴉も居らぬ上野かな
(188)   
ふと~と氷一字の旗よろし
(189)   
世に交り立たなんとして朝寝かな
(190)   
旅衣濡れしをあぶる夏炉あり
(191)   
花人の酔に与せず汽車に在り
(192)   
葉牡丹の深紫の寒の内
(193)   
よき雛の數多からず飾りたる
(194)   
行人の背にある蝿や麦の秋
(195)   
惜春やすこしいやしき紫荊
(196)   
大恵那の尾根や端山や鳥渡る
(197)   
大仏の後ろ見て住む枯木宿
(198)   
雲近く通る姥子の月を見たり
(199)   
田楽の味噌ぽつたりと指貫に
(200)   
杉本寺まつくらがりの秋の風
(201)   
雨音につつまれ歩く若葉かな
(202)   
するすると涙走りぬ籠枕
(203)   
虚子庵に至り坐りぬ花疲
(204)   
日がなゐて夕しづもりの炬燵かな
(205)   
水仙や古鏡のごとく花をかかぐ
(206)   
返り咲く小米花あり門の春
(207)   
屋の棟の一八枯れぬはねつるべ
(208)   
渋柿の滅法生りし愚さよ
(209)   
仰ぎてし椿の上に廻り出し
(210)   
烏瓜映る水あり藪の中
(211)   
刈込みし山美しや小鳥網
(212)   
一籠の鯵を抱へて戸に戻る
(213)   
春雨に降り込められぬそれもよし
(214)   
宵闇に漁火鶴翼の陣を張り
(215)   
蒲の穂の飛ぶを仰げば昼の月
(216)   
せゝらぎつゝ揺れつゝ芹の生ひにけり
(217)   
一つ櫛使ふ夫婦の木の葉髪
(218)   
搦手の木曾川へ落つ露の徑
(219)   
氷りたる滝の柱に初音せり
(220)   
蓮広葉芭蕉広葉も今朝の秋
(221)   
鶏頭を目がけ飛びつく焚火かな
(222)   
ゆき当り瀬石をまはりゆく椿
(223)   
道の端大藁塚の乗出せる
(224)   
霧の道現れ来るを行くばかり
(225)   
一円に一引く注連の茅の輪かな
(226)   
崖氷柱刀林地獄逆しまに
(227)   
夕月のまだかまつかの紅ほのか
(228)   
うかゞひて杓さし入れぬ花御堂
(229)   
草山に浮き沈みつつ風の百合
(230)   
夕月の既に朧や藪の空
(231)   
玉簾の滝の千筋のもつれなく
(232)   
雪中に牡丹めぐめり谷の坊
(233)   
水仙を活けて鼓をかざりけり
(234)   
ころがりて又ころがりて田螺かな
(235)   
鎌倉はすぐ寝しづまり寒念仏
(236)   
榾の宿群書類聚そなへあり
(237)   
目白来てゆする椿の玉雫
(238)   
流れつゝ色を変へけり石鹸玉
(239)   
藤黄葉蔓あきらかに見ゆるかな
(240)   
茸多く朴の落葉の夥し
(241)   
もの皆の縁かがやきて春日落つ
(242)   
歩きつれ憩ひつれつゝ春惜む
(243)   
霜柱次第に倒れいそぐなり
(244)   
彼の船の煙いま濃し秋の海
(245)   
やはらかな粟打つてゐる音ばかり
(246)   
かなかなや欅屋敷と称へ古り
(247)   
流れゆく椿を風の押とゞむ
(248)   
温泉の宿の昼寝時なる長廊下
(249)   
朝ぼらけ林檎咲く家へ牛乳買ひに
(250)   
麥笛を吹けば誰やら合せ吹く
(251)   
板屏風どうと据ゑたる炉辺かな
(252)   
正月や炬燵の上の朱短冊
(253)   
鶏頭に飛び来る雨の迅さかな
(254)   
菊日和浄明寺さま話好き
(255)   
干布団してある縁に賀客かな
(256)   
事古りし招魂祭の曲馬團
(257)   
青蔦の蔓先の葉の小さきかな
(258)   
八方に稲架出来てゆく盆地かな
(259)   
枯木中居りたる雲のなくなりし
(260)   
(うすもの)をゆるやかに著て崩れざる
(261)   
餅花の凍てゝ落つるや少なからず
(262)   
主はや炉をひかへたりこぼれ萩
(263)   
水茎の古りにし反古や雛をさめ
(264)   
一面の著莪にさゞめく洩日かな
(265)   
枯蘆の水に濯げる男かな
(266)   
洗髪乾きて月見草ひらく
(267)   
貼替へていよ/\古し障子骨
(268)   
鳴子繩引きたしかめて出来にけり
(269)   
むらさきの散れば色無き花樗
(270)   
かたはらの榻よりかけてこぼれ萩
(271)   
春霜や袋かむれる葱坊主
(272)   
花人のこの廟所まで来るは稀
(273)   
灯の数のふえて淋しき十夜かな
(274)   
立仕事坐仕事や浜遅日
(275)   
山越えて伊豆に来にけり花杏
(276)   
枯菊と言捨てんには情あり
(277)   
鎌倉の夏も過ぎけり天の川
(278)   
海棠を見にほつ/\と人絶えず
(279)   
秋水の藪の中ゆく響かな
(280)   
後の月庭の山より上りけり
(281)   
死の如き障子あり灯のはつとつく
(282)   
閉ぢがちとなりし障子やこぼれ萩
(283)   
岩橋に立とゞまりて躑躅見る
(284)   
地の底に在るもろもろや春を待つ
(285)   
たんぽゝの大きな花や薄曇
(286)   
海棠のうつろふ花に開宗会
(287)   
花時の近よる園の蝌蚪の水
(288)   
雪解の打うなづける椿かな
(289)   
ふと羨し日記買ひ去る少年よ
(290)   
燈火の揺れとどまらず虎落笛
(291)   
またたきて枯木の中の星は春
(292)   
凍滝の寂莫たりし解けはじむ
(293)   
池に浮く鴨もそぞろや草萌ゆる
(294)   
大空に唸れる虻を探しけり
(295)   
煤掃に用なき身なる外出かな
(296)   
目のあたり浴泉群女深雪晴
(297)   
春山の大圏の中高知城
(298)   
鶏頭の首を垂れて枯れんとす
(299)   
山坂に爪立ち憩ふ紅葉かな
(300)   
かかり羽子ふと舞ひ下りぬ松の昼




2019-05-11 (Sat)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その2)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その2)

(301)    狐火の火を飛び越ゆる火をみたり (302)    一片の落花の行方薮青し (303)    月光の走れる杖をはこびけり (304)    睡蓮の葉に手をかけて亀しばし (305)    秋晴れてまろまりにける花糸瓜 (306)    山椿撰び折り来て実朝忌 (307)    虫時雨銀河いよいよ撓んだり (308)    手違ひの多く...

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(301)   
狐火の火を飛び越ゆる火をみたり
(302)   
一片の落花の行方薮青し
(303)   
月光の走れる杖をはこびけり
(304)   
睡蓮の葉に手をかけて亀しばし
(305)   
秋晴れてまろまりにける花糸瓜
(306)   
山椿撰び折り来て実朝忌
(307)   
虫時雨銀河いよいよ撓んだり
(308)   
手違ひの多くて暮るゝ冬の雨
(309)   
泳ぎ子のひとり淋しや岩に上り
(310)   
さしのぞく木の間月夜や浮寝鳥
(311)   
鶏頭の夕影並び走るなり
(312)   
菊畑に菊剪る姥や浄妙寺
(313)   
小人数の親しき中の初句会
(314)   
我訪へば彼も達者や夏衣
(315)   
枇杷咲いて長き留守なる館かな
(316)   
暮遅くとざす御苑の門幾つ
(317)   
炭竃に塗り込めし火や山眠る
(318)   
人中に十夜の稚子の遊び居り
(319)   
立てひらく屏風百花の縫ひつぶし
(320)   
ぽかり真っ黄ぽかりと真っ赤チューリップ
(321)   
百日紅こぼれて庫裡へ石畳
(322)   
罌粟咲けばまぬがれがたく病みにけり
(323)   
又一つ病身に添ふ春寒し
(324)   
稲架の裾吹き抜く風の夜道かな
(325)   
日もすがら落葉を焚きて自愛かな
(326)   
見下ろせば来馴れし谷や探梅行
(327)   
水澄むやはやくも莟む藪椿
(328)   
夏場所のはねし太鼓や川向ふ
(329)   
木曾人は雨寒しとて夏炉焚く
(330)   
芹や摘まん芝を焼かん君来たり
(331)   
刀豆の棚の中にも葉鶏頭
(332)   
浜淋し打上げし藻に蝿生れ
(333)   
えごの花かゝりて蜘の糸見えず
(334)   
借覧す甲子夜話あり榾の宿
(335)   
下りかけて止めたる谷の紅葉かな
(336)   
前山や初音する時はろかなり
(337)   
多摩の水三条に断れて涸れゐたり
(338)   
甲斐駒の雲塊憎し五月晴
(339)   
春泥に映りてくるや町娘
(340)   
雨落つる空がまぶしき木槿かな
(341)   
ゆく春の牡丹桜の一木かな
(342)   
そくばくの粟束ねあり後の月
(343)   
沸沸と田螺の国の静まらず
(344)   
鴨を得て鴨雑炊の今宵かな
(345)   
塔の上の鐘動き鳴るクリスマス
(346)   
かい抱く大三宝や年男
(347)   
庭山の小谷もありて栗茸
(348)   
爐框に置く盃や十三夜
(349)   
初蝶を見し束の間のかなしさよ
(350)   
この庭の霧すさまじき紅葉かな
(351)   
炭ひいて稍まぎれたる愁かな
(352)   
地に置し梅の落花や貝の如
(353)   
鎌倉の空紫に花月夜
(354)   
裏山に登れば遅日尚在りぬ
(355)   
このわたに唯ながかりし父の酒
(356)   
鳴神や暗くなりつつ能最中
(357)   
一日のゆふべの雨の萩に灯す
(358)   
小鼓の稽占すませし端居かな
(359)   
落花踏んで見知らぬ庭に這入りをり
(360)   
あたたかや砂に黄色き防風の芽
(361)   
もの芽出て長き風邪も忘れけり
(362)   
橙の木の間に佇ちつ避寒人
(363)   
網の面にかゝり輝く小鳥かな
(364)   
炉ほとりにさす春日とはなりにけり
(365)   
霜除の日南なつかし歩をとむる
(366)   
菜の花の月夜の風のなつかしき
(367)   
麦秋の藤沢在の閑居かな
(368)   
湯気たちておのづからなるもつれかな
(369)   
牡丹の葉を起しつゝ開き行く
(370)   
三つ池の二つが見ゆる土間焚火
(371)   
鶏頭の影走りつゝ伸びにけり
(372)   
汗かきて日々恙なくありにけり
(373)   
ロンロンと時計鳴るなり夏館
(374)   
いづくかに月夜囃子や祭月
(375)   
ふさぎたる窓の外なる干菜かな
(376)   
凭り馴れて句作柱や夜の秋
(377)   
起出れば秋立つ山の八方に
(378)   
宿はづれ急に山路や夜の秋
(379)   
腐りたる杭の空洞に萌ゆる草
(380)   
何としても掘れぬしどみや山の春
(381)   
石に腰下せば一葉かたはらに
(382)   
早苗束放る響の谷間かな
(383)   
虚子庵に不参申して寝正月
(384)   
桐の花散りひろがりぬ掃かぬまゝ
(385)   
色町にかくれ住みつつ菖蒲葺く
(386)   
訃を聞いて暫くありて百舌鳥高音
(387)   
泳ぎ子に萩咲きそめぬ山の池
(388)   
鎌倉に馬車あり乗りて初詣
(389)   
紐のごとこんぐらかりし枯木かな
(390)   
炭をひくうしろ静の思かな
(391)   
雲霧の何時も遊べる紅葉かな
(392)   
佳墨得てすり流しけり春を待つ
(393)   
すこし待てばこの春雨はあがるべし
(394)   
蚊帳の中に見てゐる藪や今朝の秋
(395)   
藪に立つ欅三本鵙の秋
(396)   
吹き当ててこぼるる砂や枯薄
(397)   
幟の尾垂れたる見えて夕庇
(398)   
木の芽中那須火山脈北走す
(399)   
島人の墓並びをり十三夜
(400)   
桑枯れてあからさまなる住居かな
(401)   
干茸に時雨れぬ日とてなかりけり
(402)   
蘆原に浮める屋根と進む帆と
(403)   
柄を立てて吹飛んで来る団扇かな
(404)   
一本の櫻大樹を庭の心
(405)   
水仙にかゝる埃も五日かな
(406)   
すかんぽをくはへし顔やこちら見る
(407)   
口ンロンと時計鳴るなり夏館
(408)   
落葉掃く音山にあり移りゆく
(409)   
屏風立てゝ結界せばき起居かな
(410)   
蝌蚪生れて未だ覚めざる彼岸かな
(411)   
篝火の火の粉が高き無月かな
(412)   
蜥蜴の子這入りたるまま東菊
(413)   
行き消えて又行き消えて枯野人
(414)   
学園の寒林の中牧師棲む
(415)   
立ち浮む瑞の茅の輪をくぐりけり
(416)   
ものゝ芽にいとゞ輝ある日かな
(417)   
末枯の桑の果なる町灯る
(418)   
温泉澄みて湯気も立たずよ梅二月
(419)   
朝々の独り焚火や冬たのし
(420)   
風の中寒肥を撒く小走りに
(421)   
こつ/\とこつ/\と歩す堂の秋
(422)   
親王の墓ある山の百千鳥
(423)   
女夫仲いつしか淡し古茶いるる
(424)   
炉框に置く盃や十三夜
(425)   
古蘆の動くともなし水温む
(426)   
胼の手を盗み見られつ話し居り
(427)   
遊女屋の使はぬ部屋の秋の暮
(428)   
菜の花は濃く土佐人の血は熱く
(429)   
蝉涼し絵馬の天人身を横に
(430)   
鶏頭のおのづからなる立並び
(431)   
避暑人の住み交りをり圓覚寺
(432)   
紅梅の花大きくて乏しけれ
(433)   
炭おこすとぼしき火種ねもごろに
(434)   
代々の船場住居や敷松葉
(435)   
踊見る踊疲れを憩ひつゝ
(436)   
連翹の枝多からず交へたる
(437)   
我見たりなかのりさんの木曾踊
(438)   
曼珠沙華潰えたる門をつくろはず
(439)   
水亭の腰窓の辺の菖蒲の芽
(440)   
菜の花が汽車の天井に映りけり
(441)   
湯気たてて起居忘れし如くなり
(442)   
暦売古き言の葉まをしけり
(443)   
雪柳一ト朝露を綴りけり
(444)   
木曾人に噴くあたゝかの冬の水
(445)   
盆梅の枝垂れし枝の数へられ
(446)   
春泥に映り歪める女かな
(447)   
咲き疲れひれ伏しにけり黄水仙
(448)   
山川の秋は来にけり黄鶺鴒
(449)   
桑黄葉暮れつつありぬ汽車灯る
(450)   
柿の棹梢にわたしありにけり
(451)   
枯蔓をはらひ/\て山仕事
(452)   
戀猫やからくれなゐの紐をひき
(453)   
柿紅葉地に敷き天に柿赤し
(454)   
入海の更に入江の里の秋
(455)   
鈴懸の緑陰よろしテニス見る
(456)   
山の上の日に貼替し障子かな
(457)   
物の芽のほぐれほぐるる朝寝かな
(458)   
眼にあてて海が透くなり桜貝
(459)   
大空へうすれひろがる落花かな
(460)   
歳時記に聞きて冬至のはかりごと
(461)   
帷子を軒端に干せば山が透く
(462)   
椅子に在り冬日は燃えて近づき来
(463)   
玉虫を含めりにけり福寿草
(464)   
落椿海に放りて島に遊ぶ
(465)   
とことはの二人暮しの年用意
(466)   
晩涼の杉本寺は鐘も撞かず
(467)   
菖蒲見の人にまじりて禰宜そちこち
(468)   
起出でゝ木曾の朝寒ひとしほに
(469)   
ものの芽にふまへひろげし両の足
(470)   
この夏を妻得て家にピアノ鳴る
(471)   
柿をもぐ籠を梢にくゝりけり
(472)   
山茶花の散りつゞきたるそこらまで
(473)   
竹伏して堰き止めにけり落椿
(474)   
こぼれたるまゝ芥子萌えぬ沢山に
(475)   
菊の香の身に移されし芸すこし
(476)   
大佛の俯向き在す春日かな
(477)   
海中に都ありとぞ鯖火もゆ
(478)   
炉火いよよ美しければ言もなし
(479)   
洞門の曲りゐて吹く秋の風
(480)   
大入日野分の藪へ轟然と
(481)   
實朝忌春動かなとしてためらふ
(482)   
霜除や今日の日うすく並びゐる
(483)   
貝寄風の風に色あり光あり
(484)   
曼珠沙華に鞭れたり夢覚むる
(485)   
受けて来し七福神は置き並べ
(486)   
預けある鼓打ちたし冬の梅
(487)   
庭荒れて白藤棚にあふれたり
(488)   
一つ家を叩く水鶏の薄暮より
(489)   
年を守り炉を守るのみの身にしあれど
(490)   
苗代の二枚つづける緑かな
(491)   
祀りある古き湯釜や時鳥
(492)   
裸木も霞みそめたる藪穂かな
(493)   
竹馬の影近づきし障子かな
(494)   
夢に舞ふ能美しや冬籠
(495)   
象頭山その他春山皆似たり
(496)   
温泉の香のたゞよひゐるや夕紅葉
(497)   
父酔うてしきりに叩く火桶かな
(498)   
末枯や掘れば現はる古き池
(499)   
いま一つ椿落ちなば立ち去らん
(500)   
木蓮の花びら風に折れてあり
(501)   
父に似し弟一人残る菊
(502)   
枯菊の幽にそよぎはじめけり
(503)   
あの雲が飛ばす雪かや枯木原
(504)   
虹消えて春の山ありもとのまま
(505)   
風鈴や早鳴り出る懸くるより
(506)   
大稲架に突き立てゝある案山子かな
(507)   
バナナの香フルーツパーラー昼暗く
(508)   
鶏頭のぐわばとひれ伏す霜の土
(509)   
ありふれし鶏頭立てり我の庭
(510)   
梅に在り紅梅にある文目かな
(511)   
稚子が降らす花を拾ひし十夜かな
(512)   
胡桃の実見えて寝ころぶ避暑の宿
(513)   
添へ竹をはなれ傾き菊枯るる
(514)   
ひく波の跡美しや桜貝
(515)   
西瓜より冷きものゝのぼりけり
(516)   
雪しんしん出湯こんこんと尽くるなし
(517)   
榛名湖を見て戻りたる一ト昼寝
(518)   
四阿の輪飾落ちぬ雪の上
(519)   
炭竃に日行き月行く峡の空
(520)   
青籬の霜ほろほろと初雀
(521)   
燕の飛びとどまりし白さかな
(522)   
もの書きて日を経るほどに葉山吹
(523)   
酒庫の紋それ/\や梅の村
(524)   
いてふ散り来り地に着く時早く
(525)   
鳥雲に身は老眼の読書生
(526)   
残菊の黄もほとほとに古びたる
(527)   
露草のおがめる如き蕾かな
(528)   
青麦の丘の近道知りて訪ふ
(529)   
栗飯の洒落た家あり不動道
(530)   
ともすれば十夜の稚子の手を合せ
(531)   
山吹の日陰へ蝶の這入りけり
(532)   
柊の花もこぼれぬ箒先き
(533)   
盆梅のしだれし枝の数へられ
(534)   
女の手ますます赤し菜を洗ふ
(535)   
松蟲を聞きに来にけり城ケ島
(536)   
年賀受け年賀状受け籠りをり
(537)   
雪解や現れ並ぶ落椿
(538)   
燕の飛びとどまりて返しけり
(539)   
福寿草一鉢置けば座右の春
(540)   
猫と居る庭あたたかし賀客来る
(541)   
逗留の我に客ある爐辺かな
(542)   
川蟹の垣にのぼり来昼寝宿
(543)   
喰積にさびしき夫婦箸とりぬ
(544)   
或る谷の四五戸隠るる薄かな
(545)   
ややねびし人の春著の濃紫
(546)   
芥子も一重衣も単風渡る
(547)   
正しくも時の歩みやお元日
(548)   
炭斗に炭も満ちたり宿の春
(549)   
冬山の拒み塞げる行手かな
(550)   
日は遠く衰へゐるや軒簾
(551)   
あたたかき茶を秋雨の庭に捨つ
(552)   
室咲や一誌出さうずはかりごと
(553)   
山日和すこし崩れぬ紅葉狩
(554)   
花深く煤の沈める牡丹かな
(555)   
雪嶺に三日月の匕首飛べりけり
(556)   
正月も古りつゝ福寿草たもつ
(557)   
山清水ささやくままに聞入りぬ
(558)   
古池や藤咲きたれてゐもり浮く
(559)   
三日月の大きかりける沈丁花
(560)   
山裾に立もたれたる日向ぼこ
(561)   
山川の鶺鴒の黄の朝まだき
(562)   
掃き納め又掃き始む枯菊に
(563)   
女郎花やゝ略したる床の間に
(564)   
中庭の掃かで塵なき牡丹かな
(565)   
熊の皮干して戸板に余りけり
(566)   
侘助の莟の先きに止まる雪
(567)   
梨棚の跳ねたる枝も花盛
(568)   
昼顔に認めし紅の淋しさよ
(569)   
先へ行く紅葉がくれや下山人
(570)   
風花の峡の小村の二日かな
(571)   
大木の揉まれ疲れし野分かな
(572)   
葛の谷行けばだんだん家貧し
(573)   
朝寒の淵に下り来し日ざしかな
(574)   
余花の雨布団の上の鼓かな
(575)   
書を購ひて暫く貧し虫の秋
(576)   
泳ぎ子や獣の如くすこやかに
(577)   
この雨はつのるなるべし春惜む
(578)   
ひそかなる枯菊に年改る
(579)   
颱風の北進し来る恵那山の月
(580)   
炭竈に塗込めし火や山眠る
(581)   
在りし世の羽子板飾りかくれ住む
(582)   
手巾の白々として男かな
(583)   
干柿も其まゝ黒し宿の春
(584)   
一円を立てて茅の輪に内外あり
(585)   
花園に晩涼の蝶一しきり
(586)   
木魚居る畳に坐り夜学かな
(587)   
秋晴や黄色き花の糸瓜垣
(588)   
渦巻の残りすくなき蚊遣香
(589)   
蒲の穂の飛ぶを眺めて憩はゞや
(590)   
葉牡丹の火むら冷めたる二月かな
(591)   
磊塊と朱欒盛られて籠歪む
(592)   
夕待つ岐阜提灯の空(うつろ)かな
(593)   
上州の風ひりひりと野良の梅
(594)   
秋深しピアノに映る葉鶏頭
(595)   
門前の秋の出水や滑川
(596)   
朴の葉の落ちて重なる山静か
(597)   
白樺の雨に来て張るキャンプあり
(598)   
炉框の早や傷きし新居かな
(599)   
撫で下す顔の荒れゐる日向ぼこ
(600)   
唯うすき岐阜提灯の秋の草




2019-05-11 (Sat)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その3)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その3)

(601)    枯蔓の蔓先を見る断れて無し (602)    拱きて稲を負ひくる少女かな (603)    流れ行く椿を風の押し止む (604)    二人ゐてよそよそしさよ芹摘めり (605)    青蔦の這うて暗しや軒の裏 (606)    響き来る音まち/\や餅日和 (607)    今年の二度ある梅雨や額の花 (608)    臘八の聴衆ま...

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(601)    枯蔓の蔓先を見る断れて無し
(602)   
拱きて稲を負ひくる少女かな
(603)   
流れ行く椿を風の押し止む
(604)   
二人ゐてよそよそしさよ芹摘めり
(605)   
青蔦の這うて暗しや軒の裏
(606)   
響き来る音まち/\や餅日和
(607)   
今年の二度ある梅雨や額の花
(608)   
臘八の聴衆まばらや大伽藍
(609)   
水馬交み河骨知らん顔
(610)   
あら草に負けて夏芝あはれなり
(611)   
一条の激しき水や青薄
(612)   
粟扱のあまり見られし不興かな
(613)   
いと古りし毛布なれども手離さず
(614)   
村人に倣ひ暮しぬ吊し柿
(615)   
冬庭の落込んでゐて離室あり
(616)   
傘雫いつか絶えたる木の芽かな
(617)   
蒲の穂の行き違ひつつ飛ぶもあり
(618)   
通ひ路の一礼し行く神も留守
(619)   
行燈をさへぎる梅や一の午
(620)   
蘆の穂の夕風かはるけしきあり
(621)   
藪の穂の春光こぼれ交しつつ
(622)   
春愁や稽古鼓を仮枕
(623)   
宵闇や盲し如く墓の道
(624)   
春草や光りふくるる鳩の胸
(625)   
霙るるや小蟹の味のこまかさに
(626)   
桑畑を山風通ふ昼寝かな
(627)   
ふは/\と朴の落葉や山日和
(628)   
枯蔓をかぶらぬはなし山椿
(629)   
二ひらの花びら立てゝ螢草
(630)   
大島と久に逢ひ見て梅雨晴れぬ
(631)   
ますぐなる香の煙や涅槃像
(632)   
庭山の朴の木立や後の月
(633)   
かまつかのからくれなゐの別れ蚊屋
(634)   
橙の木の間に伊豆の海濃ゆし
(635)   
桑畑の枯れゆく里の障子かな
(636)   
窓開けし人咳きぬ畑の霜
(637)   
処女みな情濃かれと濃白酒
(638)   
深雪晴非想非非想天までも
(639)   
庭山の手入はかどる鵙日和
(640)   
かくるゝが如く寮あり冬椿
(641)   
花葛山守る神は髪豊か
(642)   
門に積む菜に降り溜まる霙かな
(643)   
道標のみ便り行く夏野かな
(644)   
チチポポと鼓打たうよ花月夜
(645)   
たんぽゝや一天玉の如くなり
(646)   
騒がしき風吹く春を惜みけり
(647)   
輪蔵の後ろに落つる冬日かな
(648)   
恵那の雪ひとまづ消えし小春かな
(649)   
腰かけしまゝ寝ころびぬ縁の春
(650)   
後々と日和まさりに三ヶ日
(651)   
棚瓢片隅なるが大きけれ
(652)   
爽かに弓ン手の肌を脱ぎにけり
(653)   
竹薮の空ゆく月も十四日
(654)   
露けぶるむらさき捧げ紫苑立つ
(655)   
水鳥の争ひ搏ちし羽音かな
(656)   
窓の灯のありて句をとむ虫の原
(657)   
目を細むあまり枯枝の細かさに
(658)   
蜩や杉本寺のあさゆふべ
(659)   
くらくなる物芽をのぞき歩きけり
(660)   
吹き渡る葛の嵐の山幾重
(661)   
柿吊つて相かはらざる主かな
(662)   
弾初や古曲を守る老女あり
(663)   
天竜も行きとどこほる峡の冬
(664)   
かへりみる吾が俳諧や年の暮
(665)   
湯気立ちておのづからなるもつれかな
(666)   
寺町に尼寺一つ花御堂
(667)   
東京の上の冬雲襤褸のごと
(668)   
門川の冰りたるより音もなし
(669)   
朝寒く夜寒く人に温泉(いでゆ)あり
(670)   
大勢に一人別るゝ霜夜かな
(671)   
手にありし菫の花のいつかなし
(672)   
軒低し干柿したる竿斜め
(673)   
一日の煤浮みけり潦
(674)   
我宿の内も外もなき野菊晴
(675)   
雲雀みな落ちて声なき時ありぬ
(676)   
春寒や貝の中なる桜貝
(677)   
あなどりし四百四病の脚気病む
(678)   
打離れ枯菊の辺に残る雪
(679)   
崖氷柱我をめがけて殺気かな
(680)   
風寒し破魔矢を胸に抱へくる
(681)   
干網をくゞり/\て秋の浜
(682)   
寒明や寺の裏なる隠居寺
(683)   
花人やいつ夕月の影をひき
(684)   
灯に染みし雪垂れてをり深庇
(685)   
声高く読本よめり露の宿
(686)   
永りたる瀧ひつ提げて山そそる
(687)   
雲嶺に三日月の匕首飛べりけり
(688)   
屋根替の萱つり上ぐる大伽藍
(689)   
ゆるやかに落葉降る日を愛でにけり
(690)   
裃の古びし老や能始
(691)   
桐の花散りひろごれり寺静
(692)   
玉椿落ちて冰れる田水かな
(693)   
いただきのふっと途切れし冬木かな
(694)   
顔見世で逢ふまじき妓と出逢ひけり
(695)   
花に葉に花粉たゞよふ牡丹かな
(696)   
秋雨に濡れて船頭不興かな
(697)   
抱き画く大提灯や祭人
(698)   
釣人にえごの落花も絶えしかな
(699)   
いさゝかの草履埃や梅日和
(700)   
杉寒し枯葉しきりに吹き落ちて
(701)   
萍に松の緑を摘み捨てし
(702)   
頭上過ぐ嘴脚紅き都鳥
(703)   
懐手して万象に耳目かな
(704)   
残桜や見捨てたまひし御用邸
(705)   
末枯や一番遅れ歩きをり
(706)   
提灯のしづかになりぬ稲架のかげ
(707)   
椎の花古葉まじりに散り敷きし
(708)   
波除に大年の波静かかな
(709)   
橋の燈の雪をまとひて灯りけり
(710)   
屏風絵の鞴祭の絵ときなど
(711)   
枯菊にさし向ひ居り炭をひく
(712)   
干柿の蠅またふえぬ上天気
(713)   
青天にたゞよふ蔓の枯れにけり
(714)   
散らばりし筆紙の中の桜餅
(715)   
ベラ釣の波乗小舟島端に
(716)   
赤く見え青くも見ゆる枯れ木かな
(717)   
傷のごと山の額に残る雪
(718)   
柿干して日当りのよき家ばかり
(719)   
小鳥狩したるその夜の小句会
(720)   
池に落つ温泉のたちけぶる良夜かな
(721)   
コレラ出て佃祭も終りけり
(722)   
花の上の月星遠し谷の坊
(723)   
妙本寺法輪の大海棠 二句
(724)   
漣の下に連翹映りをり
(725)   
揚舟のかげにまはれば千鳥たつ
(726)   
我庭の良夜の薄湧く如し
(727)   
嫁ぐなる別れの雛にかしづきぬ
(728)   
春雨にすこし濡れ来て火桶かな
(729)   
物芽出て指したる天の眞中かな
(730)   
みんなみの海湧立てり椿山
(731)   
誰よりも疲れし我や夕紅葉
(732)   
貯へておのずと古りし梅酒かな
(733)   
花茶屋の古りに古りたる面白さ
(734)   
抱きし子に持たせて長き破魔矢かな
(735)   
コスモスの倒れぬはなき花盛り
(736)   
さざ波にさざれ石あり浜千鳥
(737)   
どん底を木曾川のゆく枯野かな
(738)   
ものゝ芽の古葉吹き飛ぶ日なりけり
(739)   
菊よろし紫ならず赤ならず
(740)   
空色の水飛び飛びの枯野かな
(741)   
花火見の彼の幇間も老しかな
(742)   
冬蝶の濃き影を見る芝の上
(743)   
師へ父へ歳暮まゐらす山の薯
(744)   
囲炉裏火に照り輝くや板屏風
(745)   
夜の芝生ありけば露や弾き飛ぶ
(746)   
逝春や風雨の土に花苺
(747)   
木を組みて仮に釣りたる鐘の秋
(748)   
買初の小魚すこし猫のため
(749)   
玉蟲を含めりにけり福寿草
(750)   
萍に亀乗りかけてやめにけり
(751)   
枯蔓の引ずる水も涸れにけり
(752)   
茶の花のとぼしきまゝに愛でにけり
(753)   
春水の大鏡ある木の間かな
(754)   
町に入る飛騨街道や小六月
(755)   
残雪に椿落ちたり谷の坊
(756)   
明らかに鵯の嘴より落ちしもの
(757)   
静かなる雲二つ三つ枯木中
(758)   
一つづゝ田螺の影の延びてあり
(759)   
夜の如き帷垂れたる牡丹かな
(760)   
庭すこし荒れて好まし葉山吹
(761)   
藁塚にはや家々のとざゝれし
(762)   
書屋あり実梅落つ音筆擱く音
(763)   
蚊遣火や夕焼冷むる淡路島
(764)   
雪嶺の無言に充てる太虚かな
(765)   
スキーヤー伸びつ縮みつ雪卍
(766)   
葉牡丹に鉢の木をこそ謡ひけれ
(767)   
庭山や薪積みたる著莪の中
(768)   
影遠く逃げてゐるなり砂日傘
(769)   
春雨やゆつくり入りし和倉の湯
(770)   
秋雨の土間より見えて病み臥せる
(771)   
左右には芹の流れや化粧坂
(772)   
仕る手に笛もなし古雛
(773)   
おばしまの走りかくれて青簾
(774)   
薄目あけ人嫌ひなり炬燵猫
(775)   
我が椿いたむる雪や実朝忌
(776)   
草あやめ茶屋の男に掘らしめし
(777)   
枯芭蕉八柱立てり初日射す
(778)   
遠き家の朝な夕なや葉鶏頭
(779)   
萱草や昨日の花の枯れ添へる
(780)   
春水の落つるをはさみ二タ座敷
(781)   
牡丹の一弁落ちぬ俳諧史・・・松本たかし死す
(782)   
うつし世の月を真上の踊かな
(783)   
村中に椿の塵の殖えにけり
(784)   
鶸焼くや炉縁にならぶ皿小鉢
(785)   
やり過ごす紅葉の茶屋の一時雨
(786)   
一筋の落花の風の長かりし
(787)   
木曾川の出水を苗木城趾より
(788)   
二三枚重ねてうすし櫻貝
(789)   
子規忌すみあと話しゐる萩の雨
(790)   
妙義嶺の傾倒し来る簗を守る
(791)   
牡丹の花に暈ある如くなり
(792)   
鬚はねて甚長し飾海老
(793)   
童顔の永久にあはれや茅舎の忌
(794)   
箱庭を貧しき庭に置きにけり
(795)   
茅舎死後四日夏炉を焚きゐたり
(796)   
菊に羞づ菊を詠ぜし我詩かな
(797)   
桑摘む娘呼ぶや飼屋の二階より
(798)   
炭竃の火を蔵したる静かかな
(799)   
日蔽舟扇使ひの人見ゆる
(800)   
薄紅葉せる木立あり歩み入る
(801)   
滝の上に出て滝見えず青嵐
(802)   
落椿砕け流るゝ大雨かな
(803)   
日曜の人にかげろひそめにけり
(804)   
紫苑の芽暗く甘草の芽明るし
(805)   
泳ぎ子や光の中に一人づつ
(806)   
古馬車に痩馬つけて御者の春
(807)   
葉交りの花に遊びぬ薄日和
(808)   
藪の空ゆく許りなり宿の月
(809)   
格子戸をはめし岩屋や春寒し
(810)   
さみどりの瓜苗運ぶ舟も見し
(811)   
我宿の桃も桜もおくれがち
(812)   
春蘭に支那めかしたる調度かな
(813)   
骨傷む障子いたはり貼りにけり
(814)   
枯菊を焚きて遣りたる想ひかな
(815)   
登山バス霧がかかればゆるやかに
(816)   
白々とハンカチーフや老紳士
(817)   
帷子の洗ひ洗ひし紺の色
(818)   
萩一枝石に乗りゐてすがれけり
(819)   
吹雪きくる花に諸手をさし伸べぬ
(820)   
白洲ある古き舞台の能始
(821)   
垂れてゐる花に蕾に雨の玉
(822)   
渋川や四万へ伊香保へ夜寒人
(823)   
大石の馬をもかくす枯野かな
(824)   
いつくしみ育し老の菊枯れぬ
(825)   
歌留多読む声のありけり谷戸の月
(826)   
日の障子太鼓の如し福寿草
(827)   
紫陽花の大きな毬の皆褪せし
(828)   
竹山に春の虹立つ間近さよ
(829)   
水音に暫し沿ひゆく枯野かな
(830)   
雪残る汚れ汚れて石のごと
(831)   
野蒜掘れば強きにほひや暮の春
(832)   
山墓の屯す如し草紅葉
(833)   
生けてある秋海棠は庭のもの
(834)   
月星に氷柱は牙を磨きをり
(835)   
柿取の棹をあつかふ梢かな
(836)   
稀といふ山日和なり濃竜胆
(837)   
蘆原を焼拂いたる水とびとび
(838)   
橋裏に吸ひ着いてゐる蓮広葉
(839)   
天龍も行きとどこほる峡の冬
(840)   
炭斗の侍せるが如き屏風かな
(841)   
蚊帳除れて黍の葉擦に寝る夜かな
(842)   
餅花やもつれしまゝに静まれる
(843)   
左右より萩ひざまづく石に腰
(844)   
海棠の落花してゐる柵の内
(845)   
雪だるま星のおしゃべりぺちゃくちゃと
(846)   
篝火に飛び込む雪や白魚舟
(847)   
老の荷を背負ひて来る十夜かな
(848)   
もの芽出て指したる天の真中かな
(849)   
鴨向きをかへてかはしぬ蘆の風
(850)   
炭竃に燃えつづく火の去年今年
(851)   
屏風絵の蘆より鴨を追ふところ
(852)   
柊の花のともしき深みどり
(853)   
大いなる暗き帆のゆく蘆の上
(854)   
玉の如き小春日和を授かりし
(855)   
山人は客をよろこぶ夏炉かな
(856)   
渡鳥仰ぎ仰いでよろめきぬ
(857)   
正月をして出てゆきぬ鮪船
(858)   
柿落葉いちゞるしくも光るなり
(859)   
取出し著たる昔の透綾かな
(860)   
晴天にたゞよふ蔓の枯れにけり
(861)   
海苔つけし粗朶一片や波のまゝ
(862)   
菊畑にあまり夜焚火近かりし
(863)   
小鳥小屋飛騨街道も一目なり
(864)   
山々に木曾の踊も終りけり
(865)   
一日や竹伐る響竹山に
(866)   
老の手のわなゝきかざす火桶かな
(867)   
汗じみし人のからだとさはりけり
(868)   
古絵馬に四万六千日来る
(869)   
水浅し影もとどめず山葵生ふ
(870)   
影抱へ蜘蛛とどまれり夜の畳
(871)   
庭に出て夕餉とるなり月見草
(872)   
江の島のせばき渚や後の月
(873)   
すぐ前に塀がふさがる釣忍
(874)   
鳥交る母が襁褓は干しなびき
(875)   
咲のぼり梅雨晴るゝ日の花葵
(876)   
山荘に終る句会や夕霞
(877)   
冬山の倒れかかるを支え行く
(878)   
山深く逢ひし焚火や一あたり
(879)   
小戸の露流れ消ゆるもありにけり
(880)   
大松の家と呼ぶ屋の注連作
(881)   
嶺せまる大きしじまに鷽のこゑ
(882)   
美しく並ぶ端山に鳥屋二つ
(883)   
盆梅の仕立し枝やうらおもて
(884)   
遠雷や波間波間の大凹み
(885)   
たんぽぽの咲き据りたる芝生かな
(886)   
町を行く夜番の灯あり高嶺星
(887)   
やはらかにま直ぐな枝の木槿かな
(888)   
蕨萌え山水落つる庭を有つ
(889)   
月の穢に妙にも黄なる月見草
(890)   
蒲公英の咲き据りたる芝生かな
(891)   
乾山の彼の鉢出でぬ笹粽
(892)   
砂日傘小犬がくゝりあるばかり
(893)   
鶏頭育つ花壇の外の唯の土
(894)   
流木を上げんと待てり秋出水
(895)   
流木の行くを天日寒く瞰る
(896)   
豆菊の這ひ浮みたる水の上
(897)   
麦踏も庵の眺の一つかな
(898)   
冷房の高島屋あり街の夏
(899)   
水仙や大きからざる観世音
(900)   
日覆に針のやうなる洩れ日かな





2019-05-11 (Sat)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その4)

2019/05/11 松本たかし句集成 (その4)

(901)    大空に莟を張りし辛夷かな (902)    水垢と椿と吹かれ別れけり (903)    山栗の大木のあるなつかしき (904)    厩ある姥子の宿の秋の暮 (905)    ぢり/\としぼむ芙蓉やむし暑し (906)    秋の山縁広ければ臥して見る (907)    やう/\に三の鳥居や初詣 (908)    風ふけば流れる椿ま...

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(901)    大空に莟を張りし辛夷かな
(902)   
水垢と椿と吹かれ別れけり
(903)   
山栗の大木のあるなつかしき
(904)   
厩ある姥子の宿の秋の暮
(905)   
ぢり/\としぼむ芙蓉やむし暑し
(906)   
秋の山縁広ければ臥して見る
(907)   
やう/\に三の鳥居や初詣
(908)   
風ふけば流れる椿まはるなり
(909)   
橙の大木にして避寒宿
(910)   
鉄の甲冑彳てる暖炉かな
(911)   
干茸に時雨れぬ日とてなかりけり
(912)   
つくばひにこぼれ泛めり杉の花
(913)   
追ひかけて届く鯛あり大晦日
(914)   
卒然と風湧き出でし柳かな
(915)   
こぼれ萩受けてあたかも浮葉かな
(916)   
雪沓をしつかと着けぬ吹雪きをり
(917)   
避暑町の少しさびれぬ花木槿
(918)   
裏白のからびまろまり藁を纏き
(919)   
初冬や龍胆の葉の薄紅葉
(920)   
桑原を飛びつつ雲のさみだるる
(921)   
うす青き銀杏落葉も置きそめし
(922)   
はからずも旭川翁と御慶かな
(923)   
杭の蜷ほろ/\落つる夕日かな
(924)   
全山の葛のしじまの破れざる
(925)   
枯菊に日こそはなやげまぐれ雪
(926)   
蝋涙に肩打たれたる十夜かな
(927)   
割竹を編んで敷いたり庭の春
(928)   
時雨るゝと著せたまはりし真綿かな
(929)   
今日となり明日となりゆく石蕗の花
(930)   
蓆戸を上げて顔出す鳥屋の主
(931)   
たまに居る小公園の秋の人
(932)   
ストーブの口ほの赤し幸福に
(933)   
越後路の軒つき合す雪囲
(934)   
納屋の屋根山につかへて落葉積む
(935)   
足もとに来る芝火を踏み越えぬ
(936)   
夕霞片瀬江の島灯り合ひ
(937)   
飲食に汚れし爐邊や草の宿
(938)   
絶壁につららは淵の色をなす
(939)   
曼珠沙華つゝがなかりし門を出づ
(940)   
柿の木に籠をくはへて登りけり
(941)   
プレゼント大きく軽し毛糸ならむ
(942)   
柿日和浄明寺さまてくてくと
(943)   
でんがくと白く抜いたり赤暖簾
(944)   
うち透きて男の肌白上布
(945)   
避けがたき寒さに坐りつづけをり
(946)   
山間の打傾ける枯野かな
(947)   
真白き障子の中に春を待つ
(948)   
静かなる自在の揺れや十三夜
(949)   
夏萩のとぼしき花の明らかに
(950)   
旅先の軽き恙のそば湯かな
(951)   
枯木中行きぬけたりし雲一つ
(952)   
枯桑の向ふに光る茶の木かな
(953)   
前山に雲みてかげる庭芒
(954)   
氷食ふ二階の欄にまたがりて
(955)   
避暑人の佇む海人が門火かな
(956)   
月高く炉火さかんなれ十三夜
(957)   
藪中の空溝深し竹落葉
(958)   
春月を濡らす怒涛や室戸岬
(959)   
炭斗の出てゐし部屋や秋の雨
(960)   
三河女と早苗取ろうよ業平忌
(961)   
三度来て水仙咲きぬ瑞泉寺
(962)   
菖蒲田の夕日に浮ぶ花となりぬ
(963)   
人形なき廊下の菊に憩ひけり
(964)   
遅れゐし雪どつと来し椿かな
(965)   
春昼やものの細かき犬ふぐり
(966)   
青笹に冰れる水の岐れけり
(967)   
乗鞍は凡そ七嶽霧月夜
(968)   
夏まけとかくしがたなくやつれけり
(969)   
籠二つ地に在り雲雀空にあり
(970)   
木洩日にうなづき止まぬ椿かな
(971)   
花静か天守の人語聞えつゝ
(972)   
時雨傘開きたしかめ貸しにけり
(973)   
夜遊びや炉辺から炉辺にたちまはり
(974)   
山国の藁塚木菟に似て脚もてる
(975)   
一ト火あり又一ト火あり冬山家
(976)   
とつぷりと後暮れゐし焚火かな
(977)   
茸山の深き落葉に藁草履
(978)   
徐ろに黴がはびこるけはひあり
(979)   
向日葵に剣のごときレールかな
(980)   
京言葉大阪言葉濃白酒
(981)   
棧も今は安けし葛の花
(982)   
踏青や野守の鏡これかとよ
(983)   
一人とる遅き朝餉や梅日和
(984)   
我癒えて今春草を踏み得たり
(985)   
行人や吹雪に消されそれつきり
(986)   
春水の浮き上り見ゆ木の間かな
(987)   
誰をかも待つ身の如し春炬燵
(988)   
枯蔓の吹つ切れてゐる椿より
(989)   
花過て山吹咲る木陰かな
(990)   
山の端に庵せりけり薄紅葉
(991)   
蘆を焼く火先を追うて人走る
(992)   
足袋をぬぎ袴をとりて涼しけれ
(993)   
ものの芽のほぐれほぐるる朝寝かな
(994)   
鳳来寺祭群衆紅葉冷え
(995)   
身を包む月の浴衣や世は情
(996)   
卒業を控へて遊ぶ物芽かな
(997)   
コスモスの家また浮ぶ雨の中
(998)   
雪山と降る白雪と消し合ひぬ
(999)   
毎日の朝寝とがむる人もなし
(1000)  
杉葉もてもさと葺いたり小鳥小屋
(1001)  
縁端に放りおこしたる円座かな
(1002)  
秋風のユーカリ大樹吹きしぼり
(1003)  
取散らす几辺なれども福寿草
(1004)  
洗髪乾きて軽し月見草
(1005)  
よき櫛の我が身と古りぬ木の葉髪
(1006)  
白猫の綿の如きが枯菊に
(1007)  
鳥おどし動いてゐるや谷戸淋し
(1008)  
冬耕の牛と一日吹きさらし
(1009)  
沈丁の香の強ければ雨やらん
(1010)  
霰打つ暗き海より獲れし蟹
(1011)  
我宿のおのづからなる冬至梅
(1012)  
木曾谷の奈落に見たる銀河かな
(1013)  
麗や皆働ける池の鴨
(1014)  
貝寄の風に色あり光あり
(1015)  
日がな居て取散らしたる炉辺かな
(1016)  
草堤に坐しくづをれて春惜む
(1017)  
塵捨てに来て跼みけり水温む
(1018)  
すかんぽを皆くはへて草摘めり
(1019)  
稲妻の四方に頻りや山の湖
(1020)  
遠き家のまた掛け足しし大根かな
(1021)  
冬浪の日かげりければ帰らばや
(1022)  
秋晴に虫すだくなる谷間かな
(1023)  
よき炉火と我とのみあり宿の春
(1024)  
炉べりより見返ればあり吊し柿
(1025)  
相抱く枯葉二片や落ち来る
(1026)  
月やさし葭切葭に寝しづまり
(1027)  
炉開けば遥かに春意あるに似たり
(1028)  
八方に山のしかかる枯野かな
(1029)  
だまされて遠道を来し霞かな
(1030)  
古雪の凍しが上に落椿
(1031)  
枯れつゝもそれとしるしや吾亦紅
(1032)  
寺共に七八戸在り露の谷
(1033)  
飼屋のぞけば女房顔を恐うしぬ
(1034)  
下萌ゆと思ひそめたる一日かな
(1035)  
行交や蛙月夜の廓道
(1036)  
風吹けば流るゝ椿まはるなり
(1037)  
落ちかかる夏座布団や椽のはし
(1038)  
ほのぼのと泡かと咲けり烏瓜
(1039)  
肱のせて窓に人ある芭蕉かな
(1040)  
銀河濃き夜々ひたすらの船路かな
(1041)  
初午や盆に乗せくる小豆飯
(1042)  
春潮の底とどろきの淋しさよ
(1043)  
芥子の芽や夕一時明らかに
(1044)  
啓蟄に伏し囀に仰ぎけり
(1045)  
いつしかに失せゆく針の供養かな
(1046)  
鶺鴒の歩き出て来る菊日和
(1047)  
初富士に往来の人や富士見町
(1048)  
こと古りし招魂祭の曲馬団
(1049)  
脱ぎ懸けし帷子月のおばしまに
(1050)  
酒沸いて小鳥焼けたり山は晴
(1051)  
くきくきと折れ曲りけり蛍草
(1052)  
鶲鳥はなやかならず赤きかな
(1053)  
打ち止めて膝に鼓や秋の暮
(1054)  
草の戸の開いて洩る灯や鬼やらひ
(1055)  
春の灯のつらなる廊下人も来ず
(1056)  
水仙の途絶えて花をつゞけゝり
(1057)  
毛布あり母のごとくにあたたかし
(1058)  
二つづゝ放り出しけり早苗束
(1059)  
芋の露姥子の宿ははや寝たり
(1060)  
干柿もおひ/\甘き炬燵かな
(1061)  
懸崖に色鳥こぼれかかりたる
(1062)  
高原の薄みぢかき良夜かな
(1063)  
恋猫やからくれなゐの紐をひき
(1064)  
武蔵野女子大生徒と百花園に遊ぶ
(1065)  
鈴虫は鳴きやすむなり虫時雨
(1066)  
松蟲にささで寝る戸や城ケ島
(1067)  
如月の山に遊べば杉の花
(1068)  
家家の枯菊捨てぬ滑川
(1069)  
箱庭の人に大きな露の玉
(1070)  
綺羅星は私語し雪嶺これを聴く
(1071)  
狐火の減る火ばかりとなりにけり
(1072)  
三つ並ぶ大きな窓や牡丹雪
(1073)  
早苗田にあやめ立ち添ふ業平忌
(1074)  
これよりの百日草の花一つ
(1075)  
かず/\の物芽の貴賤おのづから
(1076)  
大木にしてみんなみに片紅葉
(1077)  
山々を統べて富士ある良夜かな
(1078)  
焼れある蘆原踏めば水の湧く
(1079)  
往きつ来つ目白遊べり二タ椿
(1080)  
雪満目温泉を出し女燃えかがやき
(1081)  
餅花や捨んとしつゝ美しき
(1082)  
屋根々々の雪消日和の煙出し
(1083)  
尼寺の畳の上の花御堂
(1084)  
冬浜や浪に途切れし轍あと
(1085)  
外の面より煙這入り来秋の風
(1086)  
甘草や昨日の花の枯れ添へる
(1087)  
蛇苺鎖大師へ詣でけり
(1088)  
飾られてクリスマス待つホテルかな
(1089)  
片蔭の宿へ入り来し木曽路かな
(1090)  
ひろ/\と桃畑あり松の中
(1091)  
寒餅を搗かん搗かんとおもひつつ
(1092)  
きびきびと応ふる寒に入りにけり
(1093)  
藺を伝ひ生るる蜻蛉に水鏡
(1094)  
花人の皆出し園を閉しけり
(1095)  
掛けてある砧の衣の唯白し
(1096)  
宿とりて欄に凭りたる紅葉かな
(1097)  
藻の花に紛れ現れ泛子小さし
(1098)  
通り雨踊り通して晴れにけり
(1099)  
粟畑のあたり明るし山の裾
(1100)  
蟹提げて人霙れ来る三国かな
(1101)  
山代の雪に雨降る夜番かな
(1102)  
葱畑のけはしき月に戻りけり
(1103)  
杵肩に餅つきにゆく畦伝ひ
(1104)  
胼の手に何物も触るゝ事なかれ
(1105)  
秋草のもの芽ながらもおのがじゝ
(1106)  
月明の道あり川ともつれつつ
(1107)  
早苗束膝に当てゝはくゝりけり
(1108)  
秋扇や生れながらに能役者
(1109)  
芦原を焼払ひたる水とびとび
(1110)  
かへるでの花の紅さの光琳忌
(1111)  
谷かげに菊の黄色きみ寺かな
(1112)  
釣堀やみな日焼けたる釣なじみ
(1113)  
孜々として皆いそしめる菊の虻
(1114)  
大磯はすたれし避暑地土用浪
(1115)  
冬山の我を厭ひて黙したる
(1116)  
セルを着て遊びにゆくや東京ヘ
(1117)  
広前や降り舞ふ雪のおほどかに
(1118)  
猫の毛のエレキ蓄ふ小春かな
(1119)  
蜜蜂の出で入り出で入る巣箱古り
(1120)  
くつがえる蓮の葉水を打すくひ
(1121)  
睡蓮や鯉の分けゆく花二つ
(1122)  
薮に立つ欅三本鵙の秋
(1123)  
めりがちの鼓締め打つ花の雨
(1124)  
三つ落つる筧の音の夜長かな
(1125)  
木に凭りてみな/\を見る紅葉かな
(1126)  
走りゆく芝火の彼方枝垂梅
(1127)  
鍬音の露けき谷戸へ這入り来し
(1128)  
玩具など好きな主や午の春
(1129)  
春雷やぽたりぽたりと落椿
(1130)  
道缺けて淵見せてゐる紅葉かな
(1131)  
眠り薬利く夜利かぬ夜猫の恋
(1132)  
濯ぎ場のゆふべ濡れゐて桐の花
(1133)  
春潮の彼處に怒り此處に笑む
(1134)  
餅搗の水呑みこぼす顎かな
(1135)  
このわたの桶の乗りゐる父の膳
(1136)  
砂日傘びよう/\と鳴る下に在り
(1137)  
下萌の園の床几に添乳かな
(1138)  
暮れてゐるおのれ一人か破蓮
(1139)  
早春の牡丹畑を廻りけり
(1140)  
木犀に朝の蔀を上げにけり
(1141)  
ガラス戸に顔押しあてゝ雨月かな
(1142)  
虹の中人歩き来る青田かな
(1143)  
我去れば鶏頭も去りゆきにけり
(1144)  
うす黒き蛾おびたゞし葛の花
(1145)  
夏桑に破れすたれし飼屋かな
(1146)  
花辛夷人なつかしく咲きにけり
(1147)  
鉄塔の一脚に触れ螢草
(1148)  
借りし書の返しがたなく春隣
(1149)  
彼の森へこぼるゝ見ゆる渡鳥
(1150)  
凧の影走り現る雪の上
(1151)  
南縁の焦げんばかりの菊日和
(1152)  
門川の氷りたるより音もなし
(1153)  
能始着たる面は弥勒打
(1154)  
秋晴や歩をゆるめつゝ園に入る
(1155)  
句に入りて歌は忘れつ西行忌
(1156)  
螢籠飛ぶ火落つる火にぎやかに
(1157)  
炭竈に日行き月行く峡の空
(1158)  
舞まうて面なや我も年忘れ
(1159)  
そこはかと禰宜の起居や軒紅葉
(1160)  
山々を覆ひし葛や星月夜
(1161)  
椿落ちて水にひろごる花粉かな
(1162)  
磐石に乗つかけてあり小鳥小屋
(1163)  
木曽川の出水見んとて著たる蓑
(1164)  
尋めくれば山葵咲くあり沢ひそか
(1165)  
甘草の咲き添ふ石の野中めき
(1166)  
真つ白き障子の中に春を待つ
(1167)  
座敷には鼓出されて花に月
(1168)  
ふるさとに暫し寄す身や下萌ゆる
(1169)  
木屏風を引きかこひたる大炉かな
(1170)  
暮遅し白子は白く干し上り
(1171)  
外濠へ落つ公園の秋の水
(1172)  
硝子戸の晴るる日曇る日さくら草
(1173)  
俳席の次にはんべる夜長かな
(1174)  
向日葵の葉の真黒に焦げたるも
(1175)  
枯枝の吹き落つ響藪にあり
(1176)  
屏風絵の鞴祭の絵解など
(1177)  
春月の病めるが如く黄なるかな
(1178)  
古都の上にさしわたりたる雨月かな
(1179)  
ゆたかなる苗代水の門辺かな
(1180)  
幹高く大緑蔭を支へたり
(1181)  
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ
(1182)  
身辺や年暮れんとす些事大事
(1183)  
北浦のきらめく風や蓮根掘
(1184)  
からめ手の木曾川へ落つ露の径
(1185)  
風鈴や移り住たる夕心
(1186)  
虚子庵のいつもの部屋やお元日
(1187)  
出てゆきし湖舟を追うて秋時雨
(1188)  
麦打の遠くの音の眠たけれ
(1189)  
風花の華やかに舞ひ町淋し
(1190)  
芥子咲けばまぬかれがたく病みにけり
(1191)  
午過の花閉ぢかゝる犬ふぐり
(1192)  
牡丹に垂れし帷の重さかな
(1193)  
西行忌我に出家のこころなし
(1194)  
飯食に汚れし炉辺や草の宿
(1195)  
着膨れし体内深く胃痛む
(1196)  
濡れてゐる朴に月あり小夜時雨
(1197)  
山眠り激流国を分ちたる
(1198)  
朴の葉の高く残りて時雨れけり
(1199)  
それぞれの座布団もつて鳥屋を見に
(1200)  
鯊釣や片手に蘆をとらへつゝ
(1201)  
神垣の内の別墅や年の暮
(1202)  
海苔舟を松の木の間に海晏寺
(1203)  
踊見し木曾の夜霧に中り病む
(1204)  
秋簾木の間に吊りて野点かな
(1205)  
白菊の枯るるがままに掃き清む
(1206)  
箱庭とまことの庭と暮れゆきぬ
(1207)  
炭ひけば寒さに向ふ思かな
(1208)  
蟲時雨銀河いよいよ撓んだり
(1209)  
小鳥焼く火も一ツ角に大炉かな





2019-05-11 (Sat)

2019/05/11 日記 たかし忌

2019/05/11 日記 たかし忌

2019/05/11 (土) 旧暦: 4月7日 祝日・節気:  日出: 4時39分 日没: 18時35分月出: 10時07分 月没: ---- 月齢: 6.18 干支: 戊申 六曜: 仏滅 九星: 三碧木星今日のあれこれ: たかし忌 (鎌倉文学館http://www.kamakurabungaku.com/literature/w100_7.htmlより転載)『松本 たかし(まつもと たかし、1906年(明治39年)1月5日 - 1956年(昭和31年)5月11日)は、東京都出身の俳人。本名は松本孝。能楽師...

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2019/05/11 (土) 旧暦: 47日 祝日・節気:  日出: 439分 日没: 1835分月出: 1007分 月没: ---- 月齢: 6.18 干支: 戊申 六曜: 仏滅 九星: 三碧木星


今日のあれこれ: たかし忌

松本たかし 

(鎌倉文学館
http://www.kamakurabungaku.com/literature/w100_7.html
より転載)



『松本 たかし(まつもと たかし、1906年(明治39年)15 - 1956年(昭和31年)511日)は、東京都出身の俳人。本名は松本孝。能楽師の家に生まれ能を志したが、病のために断念、高浜虚子に師事し俳句に専心した。俳誌「笛」を創刊・主宰。芸術性の高い高雅な句を作り、「ホトトギス」では川端茅舎、中村草田男らと並び称された。

略歴
東京市神田区猿楽町(現・千代田区猿楽町)生まれ。代々江戸幕府所属であった宝生流能役者の家に長男として生まれる。父は能楽師の松本長。弟の松本惠雄も能楽師となりのちに人間国宝となる。作家の泉鏡花は親戚(長が鏡花の従兄弟)。

5歳より能の修業を始める。錦華小学校卒業後、在宅で漢学や国文学を学びつつ能の修行に専心するも、1920年に14歳で肺尖カタルと診断される。静岡県静浦にて療養中、病床を見舞った父が残していった「ホトトギス」を読んで俳句に興味を持ち、1922年に父の能仲間の句会「七宝会」に参加。翌年より俳句を高浜虚子に師事する。

1924
年より神経衰弱に悩むようになり、1926年、療養を兼ねて鎌倉市浄明寺に移住。6月に療養中の句が「ホトトギス」に4句入選し、これを機に能役者になることをほぼ諦め俳句に専心するようになる。1929年、「ホトトギス」巻頭を取り23歳で同人に推される。この頃より派遣看護婦であった高田つやと夫婦生活に入った。1931年、川端茅舎、高野素十と知り合い親交を結ぶ。1935年には父が脳溢血で死去し生活が困窮するが、虚子から与えられた仕事が生活の支えとなった。

1945
年、岩手県稗貫郡へ疎開。10月に島村茂雄の誘いで上京し、1946年に島村の援助をうけて「笛」を創刊・主宰。上京後は杉並区久我山に定住した。その後「笛」に「茅舎研究」を連載。1948年には能の師であった宝生九郎をモデルにした伝記小説『初神鳴』を「苦楽」に発表。この小説はのちに映画化された(1958年、伊藤大輔監督)[1]1954年、第四句集『石魂』(笛発行所、1953年)にて第5回読売文学賞(詩歌俳句賞)を受賞。

1956
2月、軽い脳溢血を起こし言語喪失状態となり句作途絶。「避けがたき寒さに坐りつづけをり」が最後の句となった[2]。同年511日、心臓麻痺により久我山の自宅で死去。戒名は青光院釈一管居士[3]。没後、文庫版『松本たかし句集』(角川書店、1956年)、『たかし全集』(全4巻)(笛発行所、1965年)などが刊行されている。

作風・評価
チヽポヽと鼓打たうよ花月夜
春月の病めるが如く黄なるかな
海中に都ありとぞ鯖火燃ゆ
夢に舞ふ能美しや冬籠
水仙や古鏡のごとく花をかゝぐ
雪だるま星のおしやべりぺちやくちやと
などが代表句。虚子からの教えを「只管写生」(ひたすら写生)であると唱えつつ、能で培った美意識に支えられた典雅で格調の高い句を作った[4]。互いに傾倒しあった川端茅舎からは「生来の芸術上の貴公子」と評されている。茅舎とは境遇や作風に通じるものがあったことから「句兄弟」と呼ばれたが、たかしは茅舎に比べ耽美的、楽天的とも評されている[5]。また茅舎とおなじく、たかしも「如く俳句」と呼ばれる比喩の句を多く作ったが、三村純也は「春月の」の句を指して、茅舎に比べたかしの「如く」はより感覚的であると評している[6]
...』
Wikipedia



たかし忌の俳句:

・たかし忌の白扇が打つ膝拍子  鷲谷七菜子


今日は、俳人松本たかしの命日である。
昭和31年(1956年)511日に亡くなっている。
まだ、50歳であった。
惜しまれる死であったと言える。

ネット上にたかしの俳句は、多く見ることができる。
昭和の人だが、古さを感じさせない普遍性を持った俳人だ。