2018年03月 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

菜花亭笑山の暇つぶし的日常のつれづれ。 散歩する道筋は、日本酒、俳句、本、音楽、沖縄、泡盛、カメラに...etc

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2018-03-31 (Sat)

2018/03/31  日記  枝垂桜

2018/03/31  日記  枝垂桜

2018/03/31 (土) 旧暦:2月15日 祝日・節気: 望 日出:5時29分 日没:18時01分 月出:17時44分 月没:5時26分 月齢:13.58 干支: 壬戌 六曜: 仏滅 九星: 二黒土星 今日のあれこれ: 枝垂桜 「東京桜散歩 椿山荘 雨の庭園 枝垂桜が雨にぬれる 2014.4.3 Chinzan-so Garden」 https://youtu.be/zaeG1MeCa1c 『枝垂桜 ・薔薇(ばら...

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2018/03/31 () 旧暦:215日 祝日・節気: 望 日出:529分 日没:1801分 月出:1744分 月没:526分 月齢:13.58 干支: 壬戌 六曜: 仏滅 九星: 二黒土星

今日のあれこれ: 枝垂桜

「東京桜散歩 椿山荘 雨の庭園 枝垂桜が雨にぬれる 2014.4.3 Chinzan-so Garden


https://youtu.be/zaeG1MeCa1c



『枝垂桜
・薔薇(ばら)科。
・学名
Prunus pendula
Prunus : サクラ属
pendula : 下垂する、
つり下がる

Prunus(プラナス)は、
ラテン古名の
plum(すもも)」が語源。
学名P


・開花時期は、320 420頃。
3月下旬頃から咲き出すものと、桜より少し遅れて4月5日頃から咲き出すものとがある。
(一重のものは開花時期が早く、八重のものは遅いようです)。
・長い枝を垂れ下げ、その先端にたくさん花をつける。
八重のものもある。
とにかくきれい♪

・「八重紅枝垂
(やえべにしだれ)」とか「紅枝垂(べにしだれ)」など、品種いろいろ。
ちなみに、春に紅葉するモミジにも同じ「紅枝垂(べにしだれ)」という総称がついている。
→ 紅枝垂 へ


・梅にも枝垂梅というのがある。

・なぜ枝が垂れるのか、
という研究をしているグループ があり、「枝は伸びると 重力によって下に垂れそうになるが、ふつうの植物にはそれに打ち勝つだけの復元する力があり上(太陽)に向かって伸び続ける。
しかし枝垂桜はその力が弱く、人間が支え木などをして 育てていかないと大きくならない」との見解を出している。』
(季節の花300)



枝垂桜の俳句:



・極楽寺枝垂桜の傘に入る  加藤サヨ子



・しだるるは雨脚枝垂桜かな  稲畑汀子



・まつ直ぐに雨降る枝垂桜かな  山尾玉藻



・雨しとど枝垂桜を伝ひ落つ  古賀貞美



・雨傘に枝垂桜の重さかな  荒井和昭





今年は、桜の開花時期から良いお天気だった。
花に雨のお天気は今年は無かった地域が多い。

俳句を読んでいると、枝垂桜には雨が詠まれている句がある。
染井吉野と比べ開花時期が少し遅いので、雨の降ることも多いだろう。
また、雨でも花は簡単には散らず、雨の風情が楽しめるようだ。
染井吉野が終わり、雨が降ったら枝垂桜を求めて歩くのが良さそうだ。





2018-03-30 (Fri)

2018/03/30  日記  囀り

2018/03/30  日記  囀り

2018/03/30 (金) 旧暦:2月14日 祝日・節気:  日出:5時31分 日没:18時00分 月出:16時40分 月没:4時49分 月齢:12.58 干支: 辛酉 六曜: 先負 九星: 一白水星 今日のあれこれ: 囀り 「ホオジロの囀り7」 https://youtu.be/OWQLRzddCM8 『囀(さえずり、さへづり) 三春 子季語: 囀る、鳥囀る 関連季語: 鳥交る ...

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2018/03/30 () 旧暦:214日 祝日・節気:  日出:531分 日没:1800分 月出:1640分 月没:449分 月齢:12.58 干支: 辛酉 六曜: 先負 九星: 一白水星

今日のあれこれ: 囀り

「ホオジロの囀り7


https://youtu.be/OWQLRzddCM8



『囀(さえずり、さへづり) 三春
子季語: 囀る、鳥囀る
関連季語: 鳥交る
解説: 春、鳥たちは繁殖期を迎え、恋の歌をうたう。これが囀。鳥の鳴声は四季を通して聞くことができるが、季語としての「囀り」は春の求愛の鳴声のこと。
来歴: 『世話盡』(明暦2年、1656年)に所出。

(季語と歳時記)



囀の俳句:



・永き日も囀り足らぬひばり哉 松尾芭蕉



・水まさる余呉囀のあるばかり  坂井建



・草千里光りとどめて囀りぬ 太田蘆青



・思ひきり愛されたくて囀りぬ 吉井弥生



・溢れたる囀りのものぐるほしき 中田剛





鳥の囀りは、春が来て異性を求める求愛行動だそうだ。
芭蕉も朝から晩まで只管囀っているひばりを詠んでいる
ひばりにしてみれば、相手が認めてくれるまではおいそれと止めることなで出来はしない。目的を達するまでは、初志貫徹あるのみだ。

動物の世界で異性に認めて貰う方法は、パワーである事が多い。ライオンにしても猿にしても自分が一番強いことを証明できれば、ボスとしての気配りは必要としても、異性に求愛することができる。
周囲・相手が認める腕力・パワーが求愛の要になる
人間の場合も、モテる要素にパワー的要素もある。逞しく広く厚い胸に気を引かれる女性もいる。人間の場合は、パワー的要素以外の要素も重要だ。頭脳、学歴、地位、収入、財産など色々とある。
囀りではないが、声が良い男性に惹かれる声フェチの女性もいる。あの声で愛を求められてみたいという思いもあるらしい。

モテる条件が、鳥の場合は囀りの音色だとすれば、力づくとは違って、平和的で美的だ。
美しく鳴いても餌が獲れなくても良いのなどと心配するのは要らぬお世話だろう。
矢張り春には美しい声で、長い日をひがな鳴き続けるのが良いのだ。




2018-03-29 (Thu)

2018/03/29  日記  土筆

2018/03/29  日記  土筆

2018/03/29 (木) 旧暦:2月13日 祝日・節気:  日出:5時32分 日没:17時59分 月出:15時34分 月没:4時10分 月齢:11.58 干支: 庚申 六曜: 友引 九星: 九紫火星 今日のあれこれ: 土筆 「里山散歩 雪解のあとの土筆など 2018・3・22 (4K)」 https://youtu.be/Bek0REjLerw 『土筆(つくし) 仲春 2011/02/04 ...

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2018/03/29 () 旧暦:213日 祝日・節気:  日出:532分 日没:1759分 月出:1534分 月没:410分 月齢:11.58 干支: 庚申 六曜: 友引 九星: 九紫火星

今日のあれこれ: 土筆

「里山散歩 雪解のあとの土筆など 20183224K)」


https://youtu.be/Bek0REjLerw



『土筆(つくし) 仲春
2011/02/04

【子季語】つくづくし、つくしんぼ、筆の花、筆頭菜、土筆野、土筆摘
【解説】筆和、土筆飯、土筆汁トクサ科の多年草。杉菜の胞子茎をいう。三月ごろから日のあたる土手や畦道に生える。筆のような形をしているのでこの名がある。
【科学的見解】土筆は、スギナというシダ植物の胞子葉の部分をさす。春先、土壌中にある地下茎から胞子葉が伸び、地上に出たあとは茎を伸ばし先端から胞子を飛散させる。その後、遅れて細く尖った松葉状の葉(栄養葉)を出し、活発に光合成を行う。スギナは、在来の植物で、北海道から九州まで分布する。土筆は、食用となり、春の山菜として昔から親しまれている。(藤吉正明記)』
(季語と歳時記)



土筆の俳句:



・陽を纏ふ千本立ちの土筆摘む  垂水イツ子



・緑の頭に亀甲の罅土筆たち 田川飛旅子



・話しつつ土筆の袴むいてをり  谷村幸子



・卵とぢ土筆の旬でありにけり  稲畑汀子



・椀種に土筆ありけり昼御膳  岡和絵




春の陽に誘われて、外に出る。
暖かそうに輝いている川の土手に立ってみると土筆が此処にもあちらにも生えている。

土筆を採り始めると手が止まらない。
時を忘れて夢中になると、いっぱい採れてしまう。
家に帰り、袴を取ると大変な作業になる。
折角採ったのだから全てと思ってしまう。
少しにして余りは他の人に分ければよいのだ。

卵とじの土筆のほろ苦さが春を感じさせる。
量は少なくても春を感じれば土筆はそれで充分だ。





2018-03-28 (Wed)

2018/03/28  日記  田楽

2018/03/28  日記  田楽

2018/03/28 (水) 旧暦:2月12日 祝日・節気:  日出:5時33分 日没:17時59分 月出:14時28分 月没:3時28分 月齢:10.58 干支: 己未 六曜: 先勝 九星: 八白土星 今日のあれこれ: 田楽 「豆腐田楽が美味しく焼けていきます」 https://youtu.be/_mQO-CYvfVU 『木の芽田楽(きのめでんがく) 三春 子季語: 田楽豆腐、田...

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2018/03/28 () 旧暦:212日 祝日・節気:  日出:533分 日没:1759分 月出:1428分 月没:328分 月齢:10.58 干支: 己未 六曜: 先勝 九星: 八白土星

今日のあれこれ: 田楽

「豆腐田楽が美味しく焼けていきます」


https://youtu.be/_mQO-CYvfVU



『木の芽田楽(きのめでんがく) 三春
子季語: 田楽豆腐、田楽焼、田楽刺、田楽
関連季語:
解説: 山椒の若芽を木の芽といい、これを擂りつぶし味噌と混ぜ、長方形に切った豆腐に塗り焼いたもの。緑が美しく香ばしい。
来歴: 『守貞漫稿』(嘉永6年、1853年)に所出。
』(季語と歳時記)



田楽の俳句:



・田楽に山川晴れて来たりけり 鈴木鷹夫



・迎へられ菜めし田楽友五人 松崎鉄之介



・酒をかむ木の芽田楽一人前 根津洋子





葉山椒の芽が膨らんだと思ったら、突然弾けて芽吹いた。
小さな若葉が伸び始めるのは時間の問題だ。

先日の宴で、朴葉みそに蕗の薹を添えて春を楽しませていただいたが、木の芽の季節も間近だ。

豆腐の協調性は抜きん出ていることは間違いない。
田楽味噌と木の芽のコラボレーションに豆腐が加われば春の香りが立ち上がる。

春の陽と木の芽田楽とは切ることができない縁がある。
春の陽を身体に感じれば、木の芽田楽を求めて出かけたくなる。

気のおけない仲間と行くのも良い。
家族で行くのも良い。
勿論、二人で行くのも問題ない。

独り、酒を噛み、木の芽田楽を口にする根津女史。
お主、春の楽しみ方を知っている。





2018-03-27 (Tue)

2018/03/27  日記  苗木市

2018/03/27  日記  苗木市

2018/03/27 (火) 旧暦:2月11日 祝日・節気:  日出:5時35分 日没:17時58分 月出:13時21分 月没:2時40分 月齢:9.58 干支: 戊午 六曜: 赤口 九星: 七赤金星 今日のあれこれ: 苗木市 「【4K】たうんニュース2018年3月「第116回松山植木まつり」」 https://youtu.be/n74tM4R3mas 『苗木市: 苗市、苗木売 仲春 三...

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2018/03/27 () 旧暦:211日 祝日・節気:  日出:535分 日没:1758分 月出:1321分 月没:240分 月齢:9.58 干支: 戊午 六曜: 赤口 九星: 七赤金星

今日のあれこれ: 苗木市

「【4K】たうんニュース20183月「第116回松山植木まつり」」


https://youtu.be/n74tM4R3mas



『苗木市: 苗市、苗木売
仲春
三月から四月にかけて苗木を植えるよい時期である。庭木や果樹などの苗木が寺社の縁日の市で売られる。近頃は大型店舗の屋外でも市が立ち、野菜の苗等と共に売られる。』
(季語と歳時記)



苗木市の俳句:



・奥多摩の山見えてゐる苗木市 皆川盤水



・苗木市山の匂ひの樅を買ふ 小林黒石礁



・苗木市蝶の止まりし鉢を買ふ 横畑順美




春の陽が降り注ぐ時期になると、此処其処で苗木市が開かれる。
地域恒例の大規模な植木市も開催されるし、神社の近くやスーパーマーケットの駐車場でも思いがけないく通りがかったりする。

ふらりと寄ってみたくなる空気が流れているのか、自然に足が向いてしまう。
食虫植物に吸い寄せられる虫のように、中に入ってしまえば逃れることはできない。

目のさめるような鮮やかな色の花々が春の光を輝かせながら迫ってくる。実をつけた苗木が連れて帰ってと語りかけてくる。
花も木も生き物で世話をするのは簡単ではないのだが、そんな事も忘れて、気がつくと苗をぶら下げて、果たし得ぬ夢を見ながら歩いている。

庭土との相性もあるのか、柑橘類は根付いたが、花桃、桜桃は枯れてしまった(枯らしてしまった)。

ゴーヤーだってと言ったら怒られるが、実を多くならせるのは簡単ではない。
少なくとも日除けカーテンにはなるので、それで良いのだが。

蝶の泊まった鉢には、その後も蝶は止まってくれているのだろうか。

また、植木市が始まる。





2018-03-26 (Mon)

2018/03/26 藤井六段詰将棋でV4 毎日が大記録

2018/03/26  藤井六段詰将棋でV4 毎日が大記録

卒業式は終えたが、月末までは中学生の藤井六段が最後の中学生の日々を充実させている。 今日は、詰将棋解答選手権チャンピオン戦で午前も午後も100点満点でぶっちぎり優勝。 詰将棋とプロの実践は違うそうだが、先日の糸谷八段との試合の最後の詰めは詰将棋さながらで、藤井六段の場合は詰将棋が実践の中に生きていることを目の前で見せてくれた。 新年度もさらなる高みを目指して、タイトル獲得とV5にチャレンジし、実現す...

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卒業式は終えたが、月末までは中学生の藤井六段が最後の中学生の日々を充実させている。
今日は、詰将棋解答選手権チャンピオン戦で午前も午後も100点満点でぶっちぎり優勝。

詰将棋とプロの実践は違うそうだが、先日の糸谷八段との試合の最後の詰めは詰将棋さながらで、藤井六段の場合は詰将棋が実践の中に生きていることを目の前で見せてくれた。

新年度もさらなる高みを目指して、タイトル獲得とV5にチャレンジし、実現する。

藤井六段の毎日は、普通人とは違って毎日が大記録だ。



『藤井聡太六段 100点満点で大会初の4連覇 詰将棋解答選手権チャンピオン戦
03
25 16:13スポニチアネックス

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「詰将棋解答選手権」に出場した藤井聡太六段。後半開始後、わずか1分半で解答を書き始めた
(
スポニチアネックス)

将棋の中学生棋士、藤井聡太六段(15)が25日、名古屋市内で開催された「詰将棋解答選手権チャンピオン戦」に出場し、全10問正解の100点満点で大会初の4連覇を達成した。


将棋の終盤力を鍛える詰め将棋は藤井が幼少期からのめり込み、数々の記録を達成してきた強さの原点でもある。藤井は前半、全3会場で最速の55分で回答を終え退室、5問全てに正解で単独トップに立った。時間に関係なく全問正解なら優勝できる後半は、慎重に時間を使い切り念入りに確認する勝負師らしさも見せながら“ラスボス”と呼ばれる最難関の第10問もクリア。12歳で初優勝した2015年以来、自身2度目の100点満点を叩き出し、2位以下を大きく引き離した。

競技は前後半各90分で、39手詰以内の詰め将棋を解く正確さと速さを競う。1問10点、前後半各5問の100点満点。15回目の今年は東京、大阪、名古屋の3会場に分かれ、プロ棋士をはじめ奨励会員、アマチュアら105人が同じ条件で出場した。谷川浩司九段(55)、行方尚史八段(44)、広瀬章人八段(31)らトッププロも参加している。』
(スポニチアネックス)



『100点満点で詰将棋選手権V4の藤井聡太六段「今年はまったく自信がなかった」
03
25 17:24スポーツ報知

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詰将棋解答選手権のチャンピオン戦で史上初のV4を決め、賞状を手にする藤井聡太六段 【報知新聞社】(スポーツ報知)

25日に全国3会場で開催された「第15回詰将棋解答選手権」のチャンピオン戦を100点満点で制し、大会史上初の4連覇を達成した藤井聡太六段(15)が名古屋会場で会見した。


2011年に初参加し、小学6年だった15年からのV4。「毎年楽しみで参加しているので、プレッシャーはなかった。今年も素晴らしい作品に出会えてうれしく思います」と、詰将棋の作者に感謝した。「来年もぜひ出たい」と5連覇を目指す意向だ。

谷川浩司九段(55)ら一流プロから、奨励会員、アマなど過去最多105人が参加した。「最近、たまたま(詰将棋を)解くことがなく、どうかなという不安もあった」「今年はまったく自信がなかった」と話したが、結果はただ一人の100点満点。全問正解は15年の初優勝時以来、自身3年ぶりだった。

大会は各90分間の2ラウンド制(5問ずつ)で、藤井六段は第1ラウンドを55分で終了して会場の外に。4問までは20分で解答したが「特に5番(5問目)が難しかった」。第2ラウンドは、関係者によると51分で終了したが、会場内で時間いっぱい入念にチェックしていたという。関係者が“ラスボス”と称する最難問の10問目も「難解でしたが、時間的に余裕があったので、変化を確認できた。だいたい合っているかなと思いました」と振り返った。

詰将棋については「最近は上達法としてはやっていないですが、三手、五手詰みで始めた頃はたくさん解いて、基礎になったと思います」。22日の公式戦で元竜王の強豪・糸谷哲郎八段(29)をたたみ込んだ寄せを実行委員長の柳田明氏(61)から称賛されると「あのような詰みが実戦で見えるのは、なかなかないケース。ああいうのが見えると気持ちいい」と笑顔で話した。

準優勝は、2004年の第1回からの3連覇など6度の優勝経験がある宮田敦史六段(36)で、94点だった。』
(スポーツ報知)



2018-03-26 (Mon)

2018/03/26  日記  誓子忌

2018/03/26  日記  誓子忌

2018/03/26 (月) 旧暦:2月10日 祝日・節気:  日出:5時36分 日没:17時57分 月出:12時16分 月没:1時47分 月齢:8.58 干支: 丁巳 六曜: 大安 九星: 六白金星 今日のあれこれ: 誓子忌 (山口誓子記念館 http://www.office.kobe-u.ac.jp/ksui-yamaguchiseishi/ より転載 ) 『誓子忌 仲春            . 俳人山...

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2018/03/26 () 旧暦:210日 祝日・節気:  日出:536分 日没:1757分 月出:1216分 月没:147分 月齢:8.58 干支: 丁巳 六曜: 大安 九星: 六白金星

今日のあれこれ: 誓子忌

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(山口誓子記念館
http://www.office.kobe-u.ac.jp/ksui-yamaguchiseishi/
より転載




『誓子忌
仲春
           .
俳人山口誓子(一九〇一~一九九四)の忌日。三月二十六日。京都市生まれ、本名は新比古(ちかひこ)。「ホトトギス」の四Sのひとりに数えられ、新興俳句運動で先導的役割を果たした。即物象徴による硬質な叙情世界を開拓。「天狼」を主宰。句集『凍港』『炎昼』など。』
(季語と歳時記)



誓子忌の俳句:



・誓子忌の夜は万蕾の星となれ 鷹羽狩行





晩年の誓子の好みの句ではないかもしれないが、誓子の静謐で、広がりがあって、輝きもあって美しい世界を再現していると思う。



【データ】

山口誓子
Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E8%AA%93%E5%AD%90




2018-03-26 (Mon)

2018/03/26 山口誓子 俳句集成 (その1)

2018/03/26 山口誓子 俳句集成 (その1)

山口誓子は大家であり、人気もあるのでネット上で読むことができる句は多い。すべて集めることは今回はできなかった。一部でも900句近くあれば、誓子の世界を知ることはできるだろう。(頭の数字に意味はなく、単なる番号に過ぎない。)1  いつも忌に横顔の子規老いし子規 2  かの巫子の手焙の手を恋ひわたる 3  海人の子と思ひ焚火のとびかかる 4  熊の子が飼はれて鉄の鎖舐む 5  籾山に乗りて沈みて子は遊ぶ 6  白鷺...

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山口誓子は大家であり、人気もあるのでネット上で読むことができる句は多い。

すべて集めることは今回はできなかった。
一部でも900句近くあれば、誓子の世界を知ることはできるだろう。

(頭の数字に意味はなく、単なる番号に過ぎない。)


1  いつも忌に横顔の子規老いし子規
2  かの巫子の手焙の手を恋ひわたる
3  海人の子と思ひ焚火のとびかかる
4  熊の子が飼はれて鉄の鎖舐む
5  籾山に乗りて沈みて子は遊ぶ
6  白鷺に子ありて秋の水に彳つ
7  蹠の白きまで子の寝冷して
8  猫の子が道の一町先へ来て
9  子に靴を穿かすインバネス地に触り
10  子を探しに出でてむなしく夏の浜
11  浴衣きて生業はなれたり舸子が妻
12  これはさて入學の子の大頭
13  蜑の子や沖に短かき一夜寝て
14  いなびかり終に子のなき閨照らす
15  げぢげぢよ嫌ひを匐ひまはれ
16  塔中の僧門の子に星まつり
17  廻廊を鹿の子が駆くる伽藍かな
18  聖病院夏の夜あけに子を賜ふ
19  親雀書屋の簷に入る
20  子雀を盗るにはあらず梯出す
21  初神楽太く神慮に叶ひたり
22  初富士の鳥居ともなる夫婦岩
23  初凪の一湾海の門まで見ゆ
24  落葉松は直幹落葉しつくして
25  生きてゐる牡蠣その殻のざらざらに
26  浮く鴨に志賀のさざなみ細かなり
27  金色の御堂に芭蕉忌を修す
28  白孔雀白鮮かな木の葉髪
29  学問のさびしさに堪へ炭をつぐ
30  手袋の十本の指を深く組めり
31  黒マント角ばりしもの中に負ふ
32  冬河に新聞全紙浸り浮く
33  雪の富士高し地上のものならず
34  大日輪霧氷を折りて手にかざす
35  海に出て木枯帰るところなし
36  寒き光芒吾に見えざる海照らす
37  冬ざれの塩田を踏む許得て
38  たづさふや竜胆折りし妹が手を
39  芦折れて立つ真直ぐなるものは佳し
40  石炭の尽きし山々紅葉せる
41  林檎樹下病める林檎の集められ
42  夕鵙によごれし電球の裡ともる
43  大文字第一画の衰へそむ
44  七夕や天皇の御名を書しまつる
45  遠き世の如く遠くに蓮の華
46  桐咲けり天守に靴の音あゆむ
47  山窪は蜜柑の花の匂ひ壺
48  蝿たかるとも闘牛の眼を据ゑて
49  鯉幟富士の裾野に尾を垂らす
50  離宮内にて麦藁を焚く猛火
51  白扇を捨てて手だけになりて舞ふ
52  葭戸過ぎ几帳も過ぎて風通る
53  太宰の碑濡らせしビール頒けて飲む
54  火口ちかし降りし氷雨に手を衝たる
55  吾の航く天に峯雲堵列せる
56  激流に棹一本の若布刈舟
57  枝垂桜垂れて疎水の水にまで
58  唐太の天ぞ垂れたり鰊群来
59  大阪駅大峰行者突つ走る
60  流氷や宗谷の門波荒れやまず
61  潮音寺春潮の音聞く寺か
62  近づくにつれ塔重き春の暮
63  歳晩やトラック滴るまで洗ふ
64  樹氷凝る汝は何の木と知れじ
65  足袋穿くを見下し妻を葬に遣る
66  吸入器地獄のごとく激すなり
67  鼻長きキリスト吾は水洟かむ
68  風邪の妻起きて厨に匙落す
69  煖房や株主集ふ椅子を置く
70  街道に障子を閉めて紙一重
71  読みちらし書きちらしつつ冬籠
72  いとどしき猟夫の狐臭炉のほとり
73  おでん酒酌むや肝胆相照らし
74  鋤焼の香が頭髪の根に残る
75  ラヂオより拍手万雷芝枯らす
76  群りて鳥に過ぎざる浮寝鳥
77  やがてわが炊煙も出て冬霞
78  大いなる古創顔にこれの鷲
79  芭蕉忌の選して御堂筋が見ゆ
80  斧あてし枝の切口冬に入る
81  刃を入れて滴る血なし猪の肉
82  蟻死してかかる事にも秋深む
83  海鳩の群れて栴檀実生る頃
84  稲扱きの古き機械を野にさらす
85  高稲架の上の上から穂を垂らす
86  ゐのこづち人のししむらにもすがる
87  宮後や鉄路に椎の実を拾ふ
88  草の絮わがてのひらを発ち去れり
89  蘆の花舟あやつれば水匂ふ
90  あけびの実餅なり種のある餅なり
91  乳を吸ひぐみの実の渋きをも吸ふ
92  無花果を食ふ百姓の短かき指
93  身辺に割けざる柘榴置きて愛づ
94  鶇死して翅拡ぐるに任せたり
95  鵯海をわたらむとして木に射たる
96  はたはたはわぎもが肩を越えゆけり
97  石橋の蝗や野川とどまらず
98  眼のなかの秋の白雲あふれ去る
99  爽やかやたてがみを振り尾をさばき
100  稗草は飽かぬ草にてコップに挿す
101  一握となりし間引菜飯を食ふ
102  はじかみを切りし刃物も厨の夜
103  太刀魚の曲りたる太刀漁夫が持つ
104  立ちながら身丈測らる秋袷
105  秋の蚊を払ふかすかに指に触れ
106  わがからだぬくとしとまる秋の蝿
107  とぶものはみな羽ひびく秋の蝶
108  毒ありてうすばかげろふ透きとほる
109  見られたり芋虫を踏みにじれるを
110  地虫鳴くこゑ地中にてとぎれつつ
111  秋の夜を生れて間なきものと寝る
112  颱風のあとや日光正しくて
113  南瓜の葉紙か何かのごとく踏む
114  木鋏の縁にひびきて秋の雷
115  法師蝉眼鏡外して聞きゐたり
116  送り火やよもの山扉は空に満つ
117  墓参より帰りて海女の褌ひとつ
118  老の海女盆に短かく髪刈れり
119  索道の石炭落す麻畠 山□
120  妻も濡る青き蕃茄の俄雨
121  手花火に妹がかひなの照さるる
122  幻燈会林間の学舎椅子を貸す
123  開放の夏期大学を覗くもの
124  没りし日に白き昆虫網ゆける
125  夕焼けて西の十万億土透く
126  肺強く鳴って老農昼寝せり
127  炎天の遠き帆やわが心の帆
128  帆を以て帰るを夏の夕とす
129  冷し馬馬首ともすれば陸に向く
130  十二時を宵のごとくに旅の端居
131  噴水の穂さきもう行きどころなく
132  キャンプ寝て太白西に落ちゆけり
133  兜虫一角風を切つてとぶ
134  金亀虫松の鉄幹立ち並び
135  一点の偽りもなく青田あり
136  この町の電車をかしや山開
137  まだ誰も憩はず海の葭簀張
138  脂多き百足虫を踏みにじりたり
139  流水に真紅うつらず蛇苺
140  刈草を負ひて歩幅を制せられ
141  木の暗を音なくて出づ揚羽蝶
142  夏つばめ遠き没り日を見つつゐる
143  青嵐電車の音と家に来る
144  蟻地獄砂の切味あざやかに
145  油虫にぶくなりしをもう追はず
146  蟷螂の斧をねぶりぬ生れてすぐ
147  刺されたる*えい泣きゐしがしづまれり
148  水楊浮巣に卵なかりけり
149  腰たるき百姓歩む代田べり
150  紫蘇壷を深淵覗くごとくする
151  月の出の黄なる海へと蟇すすむ
152  杜に入る一歩に椎の花匂ふ
153  海荒れに汐汲む海女や栗の花
154  穀象のゐる米少し踏み通る
155  茫々と麦生つづけり胸の病
156  燈台がともる海亀縛られて
157  薔薇熟れて学課けだるくなりまさる
158  芍薬を嗅げば女体となりゐたり
159  豌豆の実のゆふぐれに主婦かがむ
160  みつけしは非番の厨夫蜃気楼
161  土蜂や夕日の弱き頃をとび
162  春の蚊の燈のほとり過ぎ顧みず
163  春賑のわが身をくぐる浪の音
164  遠足の女教師の手に触れたがる
165  大学の空の碧きに凧ひとつ
166  強風に吹かれて麦と吾青し
167  孕み鹿肘にて起ちしことも見る
168  雀の巣われは田草の穂を手にす
169  巣燕に外は鏡のごとき照り
170  海女行けば寄居虫ずり落つ忘れ潮
171  岩の間に手をさし入れて磯遊び
172  観潮船ふつと白煙音とならず
173  春潮やわが総身に船の汽笛
174  伊勢湾口大なる春の海会す
175  さくらを吹き且つ神将を吹きとほる
176  春の月海ある方へ犬走る
177  おうおうと男掛声都踊
178  春の日やポストのペンキ地まで塗る
179  紅斑ある虎杖思ふのみに酸し
180  はこべらを小鳥にやりし手で物食ふ
181  うまごやし炭坑の娼婦帯を結ばず
182  紫雲英田の濃きも淡きも花盛
183  早蕨や裾田ひかりてよき日和
184  俎の蓬を刻みたるみどり
185  炉塞ぎて小暗き時をなほ刻む
186  水中界蜷の徐行のつづくなる
187  春山やわが手ぢからにゆるぎ岩
188  東風の船汽笛真白く吹き止めず
189  鳴門より抽き出す長き若布刈竿
190  この町を愛せば駅の土手青む
191  星はみな西へ下りゆく猫の恋
192  解けぬ雪月光ほしいままにさす
193  麗しき春の七曜またはじまる
194  スケートの紅緒紅顔の美少年
195  氷の窓に冥き海ぞも氷下魚釣る
196  氷海やはやれる橇にたわむところ
197  風雪にたわむアンテナの声を聴く
198  直立のスキーに手掛け立ち憩ふ
199  雪敷きて海に近寄ることもなし
200  悴む手女は千も万も擦る
201  髪長く神を慰む初神楽
202  寒造り渚の如く米沈む
203  瑞気とはこれ初釜を昇る湯気
204  正月の太陽襁褓もて翳る
205  置火鉢青畝も居ずなんぬ 中西夕紀
206  杖にして主婦が買ひ来し砂糖黍
207  葉月潮伊雑の宮をさしてゆく
208  秋の海深きところを覗き過ぐ
209  花野には岩あり窪あり花ありて
210  秋山に秋山の影倒れ凭る
211  やさしさは殻透くばかり蝸牛
212  赤*えいは毛物の如き目もて見る
213  始めての土地に夏足袋黒く来ぬ
214  蟻のぼる病のセルの黒きのみ
215  洞窟の滴り髪に撫でつける
216  噴井あり学ぶ吾等のために噴く
217  橋脚に水引つ掛かる出水川
218  地の土は高嶺の土のお花畠
219  雪渓が直立峰の高ければ
220  反り返り先の尖れる夏の富士
221  伊賀上野蘇枋の花を以て古ぶ
222  流し雛冠をぬいで舟にます
223  競漕の空しき艇庫潮さしぬ
224  高きより雪崩れて最上川塞ぐ
225  伊吹嶽残雪天に離れ去る
226  苗代の密生密の密なるもの
227  春の海四角の黒きもの沈む
228  春水と行くを止むれば流れ去る
229  枯草に午笛のながき尾が隠る
230  楡枯れぬ露西亜軍楽隊いまはなき
231  血潮濃き水にしなほも鰤洗ふ
232  鰭強く刎ねゐし鮪の腸を抜く
233  鮪(しび)の船水平線を突き上ぐる
234  凍鶴は夜天に堪へず啼くなめり
235  鶴ころこ鷲かんかんと啼いたりき
236  雌の熊の皮やさしけれ雄とあれば
237  さかり場に鉄骨立てり近松忌
238  除夜の鐘吾身の奈落より聞ゆ
239  飾り太刀倭めくなる熊祭
240  ラグビーの巨躯いまもなほ息はずむ
241  スケートの紐むすぶ間も逸りつつ
242  長袋先の反りたるスキー容れ
243  夜番の柝この世の涯に聞えつつ
244  水枕中を寒柝うち通る
245  聖霊の御名に由り石炭を焚き添ふる
246  煖房に鍵盤を白く蓋せざる
247  乾鮭の下なることにこだはれり
248  こころ吾とあらず毛糸の編目を読む
249  冬帽を火口に奪られ髪怒る
250  映画館裘匂ひ穢土なるや
251  冬服の衣嚢が深く手を隠す
252  年木割つて少年の手の痛かりけり
253  氷海や船客すでに橇の客
254  凍港や旧露の街はありとのみ
255  月食の夜を氷上に遊びけり
256  霜柱枕辺ちかく立ちて覚む
257  沿ひ行けば夜の雲うつる冬の川
258  克明に提灯うつる冬の水
259  枯れし苑磔形の釘錆流す
260  おほわたへ座うつりしたり枯野星
261  汽車とまり遠き雪嶺とまりたり
262  冬の雷家の暗きに鳴り籠る
263  燦爛たる霧水の原に麺麭を食ふ
264  磐石をめがけて霰降り集ふ
265  虎落笛叫びて海に出で去れり
266  寒星はただ天に倚る海の上
267  月光は凍りて宙に停れる
268  呼ぶ母にこゑは応へず寒の暮
269  初冬やシャベルの先の擦り切れて
270  菌山天の直下に飯を食ふ
271  茸山の白犬下り来るに逢ふ
272  けふの日の終る着物に草虱
273  いのこづちひとのししむらにもすがる
274  萱を負ひ雀色時おし黙る
275  むつかしき牛の眉間や稲の秋
276  薄暮にてとろろの薯を擂りゐたり
277  木実青かりし昨日のけふとなる
278  三室山桑の葉黄ばむ道来れば
279  九年母や土傷つくる馬の蹄
280  柿を食ふ君の音またこりこりと
281  芋虫のしづかなれども憎みけり
282  秋の蜂梳らざるわれにとぶ
283  暗き雁暗きすばるを見て帰る
284  われありと思ふ鵙啼き過ぐるたび
285  蹤き来る妹には告げぬ秋の蛇
286  古びたる午下の日輪川施餓鬼
287  七夕や真赭(まそほ)の地獄湧きたぎつ
288  あとの闇しづまりかへり鰯引
289  稲扱機音し暮天にはばからず
290  蜑びとの海に障子を洗ふころ
291  とろろ汁吾に齢の高さなし
292  運動会庭の平を天に向け
293  秋の田の只中石の鳥居暮る
294  露の花圃天主を祈るもの来る
295  踏切の燈にあつまれる秋の雨
296  ひもじきとき鉄の匂ひの秋の風
297  ひややけき空気に秋日さしゐるも
298  走る蟻ことしの秋も深むらし
299  枕辺に眼鏡を外す夜寒かな
300  蜂死して十月の峰天聳(そそ)る



2018-03-26 (Mon)

2018/03/26 山口誓子 俳句集成 (その2)

2018/03/26 山口誓子 俳句集成 (その2)

301  仲秋や漁火は月より遠くして 302  終に苦しかやつりぐさの錯粽は 303  隙なき青の密生藺と思ふ 304  身の懈さ著莪も蜥蜴も照りいづる 305  鬢白くして生きのこる草いきれ 306  老農の喰はず携ふ真桑瓜 307  真桑瓜農夫跼みて味ふも 308  喪の花環ミモザをはじめ既に萎ゆ 309  アカシヤの晩晴花を桶まで 310  磔像や泰山木は花終んぬ 311  薔薇熟れて空は茜の濃かりけり 312  百足虫出づ海荒るる夜に...

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301  仲秋や漁火は月より遠くして
302  終に苦しかやつりぐさの錯粽は
303  隙なき青の密生藺と思ふ
304  身の懈さ著莪も蜥蜴も照りいづる
305  鬢白くして生きのこる草いきれ
306  老農の喰はず携ふ真桑瓜
307  真桑瓜農夫跼みて味ふも
308  喪の花環ミモザをはじめ既に萎ゆ
309  アカシヤの晩晴花を桶まで
310  磔像や泰山木は花終んぬ
311  薔薇熟れて空は茜の濃かりけり
312  百足虫出づ海荒るる夜に湛へがたく
313  あけがたのひかりに蚤を殺したり
314  蚊とんぼの必死に交む一夜きり
315  空蝉を妹が手にせり欲しと思ふ
316  臥して聞けば初蝉海に沁みわたる
317  水隈にみづすましはや暮るるべし
318  穀象が出て大日を畏めり
319  玉虫の雌はとまれども雄はとぶも
320  髪切虫逆髪立てて風に飛ぶ
321  蛍火の流れ落ちゆく荒瀬見ゆ
322  夏虫の硬翅空ゆき日は白き
323  蜂もどりては音もなく巣をつくる
324  舟虫の猜ひ深き日本海
325  赤*えいの広鰭潮を摶ち摶てる
326  ゆるやかな水に目高の眼のひかり
327  杜を過ぎ杜を過ぎ鷺白さ増す
328  はばたける朱き腋見ゆ羽抜鶏
329  汗疣の背罪を犯せしごと思ふ
330  行楽の日焼は撫でて消ゆるほど
331  少年の跣足ひびきて走りをる
332  高原の裸身青垣山よ見よ
333  蛍籠極星北に懸りたり
334  蓮見舟*えりの潰えを路とする
335  ナイターに見る夜の土不思議な土
336  滝浴びのまとふものなし夜の新樹
337  沖に出て泳ぐ黒髪かと思ふ
338  泳がむとすすむ乳房の浪隠る
339  菜殻火のこの距り旅愁といはむ
340  早乙女の裾を下して羞ぢらへり
341  みめよくて田植の笠に指を添ふ
342  曝書にほふ性に眼覚めし頃のにほひ
343  蚤取粉黄なるをふりて寝入りたり
344  いねながら蚊帳の月光掌にすくふ
345  水盤のぐるりに月を滴らす
346  影となりて茶屋の葭簀の中にをる
347  勢ふ噴水中を貫くものあるなり
348  老婆歩きつつ甚平に手を通す
349  幻燈会林間学校椅子を貸す
350  開け放す夏季大学を覗くもの
351  泉川いとけなき咳こんこんと
352  地獄見て憤ろしも大旱
353  歩を進めがたしや天地夕焼けて
354  妻とあればいづこも家郷梅雨青し
355  青あらし電車の音と家に来る
356  南風の浪桐咲く梢を走りつぐ
357  七月の青嶺まぢかく鎔鉄炉
358  海苔掻きて森より帰り来るごとし
359  青年と腹這ふ前に菫濃し
360  花楓新婚のふたり椅子に揺れ
361  松の花きのふはここに潦
362  生きてまた松の花粉に身は塗る
363  ゆふ空の暗澹たるにさくら咲き
364  昼中の白き刻のみ春の蝉
365  虻翔けて静臥の宙を切りまくる
366  天よりもかがやくものは蝶の翅
367  蟻穴を出でておどろきやすきかな
368  雀の巣藁しべ垂れて日没す
369  親雀鳥毛咥へしよろこびに
370  行く雁の啼くとき宙の感ぜられ
371  蝌蚪曇りなほ三月の日のごとき
372  涅槃の図白きは象の歎けるなり
373  薪能火の粉ついつい火を離る
374  女の雛の髪ほぐれつつ波の間に
375  大和また新たなる国田を鋤けば
376  山焼きや賽の河原へ火のびたり
377  名ある星春星としてみなうるむ
378  春月の海ある方へ犬走る
379  春日を鉄骨のなかに見て帰る
380  春の暮鴉は両翼垂らしとぶ
381  晩春の瀬瀬のしろきをあはれとす
382  初神楽太(いた)く神慮に叶ひたり
383  吹初の高笛雪を降らすかと
384  独楽の紐子等はゆつくり巻いてゐる
385  遣羽子や海原かくすさうび垣
386  遥かなる春著こちらへ来ず曲る
387  大徳寺庫裏深々と名刺受
388  初瀬の駅獅子舞汽車を待てるかも
389  落ち羽子に潮の穂さきの走りて来
390  舟に据ゑ海へ供へし鏡餅
391  年礼に来し木匠の木の香する
392  機関車は裾も湯げむり初詣
393  ちかき田ぞ神の若井をいただける
394  初凪に岬燈台白一指
395  新年の病臥の幾日既に過ぎ
396  察察と寒鴉の翼静臥の上
397  寒雀大仏殿を栖ひなる
398  凍る鐘ひとつびとつの音を異に
399  風花に驚破(すは)一角の日の光
400  静臥位に豊かなる雪降りつづく
401  わが家のいづこか除夜の釘をうつ
402  ぴよつと瓦斯点火この年を忘るゝ会
403  みちのくへ向く芭蕉忌の芭蕉の眼
404  雪虫が胸の高さすぐ眼の高さ
405  焚火の穂よぢれよぢれて常なきなり
406  大根を刻む刃物の音つゞく
407  冬の田に消ゆるピアノの音惜む
408  牡蠣の実の粒粒生ける盛り上り
409  枯蘆の穂は獣毛と異ならず
410  海の鴨あはれまむにもみな潜く
411  皇居にも深落葉道陛下の道
412  東西の鉄路真直ぐに霜置けり
413  闇走る犬猫どもの冬の夜
414  陵さむく日月空に照らしあふ
415  冬ざれの中に角帽あぶらじみ
416  胴太の藁塚最も薩摩らし (薩南)
417  秋刀魚焼く煙の中の妻を見に
418  蟻死してかかることにも秋深む
419  とまりし蛾蘭の花より来向へり
420  くちなはのしづかに失せし魂祭
421  水蜜桃を徒弟が顎にしたゝらす
422  葛の花流人時忠ただ哀れ (平時忠歌碑除幕式)
423  きりぎりすながき白昼啼き翳る
424  法師蝉海へ放ちしこゑをさむ
425  ひぐらしが啼く奥能登のゆきどまり(緑剛崎)
426  秋の燈をひと横切り燈を明るうす
427  鰯船火の粉散らして闇すすむ
428  紅となるべきもの鶏頭に凝りにけり
429  空気銃撃ちし音菊ひやゝかに
430  蜻蛉やとぶ翅触るたのしさに
431  渡り鳥夕日に翳をわきばさみ
432  霧こめて山に一人の生終る
433  屋根瓦光(て)るかそけさも秋の雨
434  立ち出づる一歩の地に月けぶる
435  ひとり膝を抱けば秋風また秋風
436  飛行雲時経て鱗雲と化す
437  駅までに秋の暮色に追ひ抜かる
438  秋没日松は花よりくれなゐに
439  花火見て一時間後に眠り落つ
440  夜涼みに脇目もふらず犬通る
441  蜑が戸の虫干見ゆる澳辺かな
442  高鉾に揺れつつ笛を吹きやめず
443  夜の蓮に婚礼の部屋を開けはなつ
444  熱砂ゆく老婆の声もせずなれり
445  大旱や泥泉地獄ふつふつと
446  青梅のなしと思へば見えそむる
447  早苗大切に又放棄して顧みず
448  近づくだけ吾に近づき蛍過ぐ
449  たかんなの土出でてなほ鬱々と
450  葉桜の駅に字を書く洋傘の尖
451  滝浴のまとふものなし夜の新樹
452  燈をとりに来し蛾の闇は雨降れり
453  十里飛び来て山頂に蝿とまる
454  祭あはれ覘きの眼鏡曇るさへ
455  池畔ゆき青萍の香にむせぶ
456  鵜のやさしさ鵜匠の腰の蓑を噛む
457  清水のむつゝがの胸の板ぬらし
458  草茂る要塞砲を毀たれて
459  青野ゆき馬は片眼に人を見る
460  煙草火を海南風の中に乞ふ
461  半天に雲たのみなき峯つくる
462  暑き日のゲートル解けてまた結ぶ
463  飼屋の灯后の陵の方にまた
464  田を鋤ける牛や角より行きちがふ
465  紫雲英田の濃きも淡きも花盛
466  藤を見て来しが電燈黄に点る
467  花更けて北斗の杓の俯伏せる
468  酩酊に似たり涅槃をひた歎き
469  発掘を埋めし上に草芽ぐむ
470  お彼岸や音羽の滝のにぎやかに
471  白樺やのこる古雪萱の中
472  海苔粗朶を浪の出て来るかぎりなし
473  活けし梅一枝強く壁に触る
474  山焼や賽の河原へ火のびたり
475  石鹸玉よろばひ出でし無風かな
476  塩田のゆふぐれとなる遍路かな
477  櫓を揚げて鳴門落ちゆく若布刈舟
478  海は春入渠の船のうすき煙 (神戸三菱造船所浮船渠)
479  畑打や池田の鯉を手捕つたり
480  黒土にまぎるるばかり菫濃し
481  かげろひて港は夏をおもはしむ
482  雪あはく画廊に硬き椅子置かれ
483  犬が来て覗く厨の春の暮
484  七いろの貝の釦の春の昼
485  暮遅し鞴動かす町も過ぎ
486  永き日や庭より見ゆる襖の絵
487  身を埋めゐし落葉より世に帰る
488  紅くあかく海のほとりに梅を干す
489  秋夜遭ふ機関車につづく車輛なし
490  誘蛾灯すでに末世の星懸る
491  旅を行く君に黄泉路も枯れてゐる
492  ひかる鉄路冬のゆふべを貫けり
493  うしろより見る春水の去りゆくを
494  蝌蚪生れて畝火の溝に泳ぐなり
495  寒潮の犇きゐるは解きがたし
496  冬の浪従へるみな冬の浪
497  墓山に厚き氷を凝らしめ
498  掌に枯野の低き日を愛づる
499  玄海の冬濤を大と見て寝ねき
500  枯園に向ひて硬きカラア嵌む
501  猫歩く枯山中にみごもりて
502  せりせりと薄氷杖のなすままに
503  大干潟茂吉の歌集読み暮す
504  稔り田に無頼の草が混り立つ
505  船ゆけり夏の島山を率てゆけり
506  門を落ちて夏濤白く南せる
507  町なかの昔の松の春の暮
508  がくがくと鋏揺れつつ蟹よぎる
509  月光に障子をかたくさしあはす
510  檣燈を夏の夜空にすゝめつゝ
511  石炭を掬ふ音冬遠からず
512  青すゝきわぎもが袖に透きて青し
513  走馬燈青女房の燃やしぬる
514  禍つ魚氷の下闇に游ぐ見ゆ
515  船客に四顧の氷原街見えず
516  牡蠣船や夜の雪堆く覚めてあり
517  翔りゆく落葉の路は嶺の天
518  家路なる眞夜の枯野は行くべかり
519  負け海贏やたましひ抜けの遠ころげ
520  遅々としてわが俳諧や獺祭忌
521  學問のさびしさに堪へ炭をつぐ
522  西開くままに流燈西へ行く
523  雪の上に魂なき熊や神事すむ
524  住吉に凧揚げゐたる処女はも
525  まどろすが丹の海焼や労働祭
526  しづかなる洲に来てヨット寄りゐたり
527  冷し馬潮北さすさびしさに
528  もろ袖にハンカチ探るとき艶めく
529  日蔽やキネマの衢鬱然と
530  笛のこゑ鉾を解体せし後も
531  籐椅子や海の傾き壁をなす
532  ボート裏返す最後の一滴まで
533  障子しむる妻の眼最後までのこる
534  渦潮を落ちゆく船の姿して
535  露けき身いかなる星の司どる
536  投函の後ぞ寒星夥し
537  塵夫出でてこころを遣らふ野分浪
538  虹の環を以て地上のものかこむ
539  天覆ふ鰯雲あり放心す
540  月明の宙に出で行き遊びけり
541  死がちかし星をくぐりて星流る
542  星流る身後のわれの何ならむ
543  海上に星らんらんと曼珠沙華
544  閂をさすむんむんと春の星
545  海の門や二尾に落つる天の川
546  満月の紅き球体出で来る
547  天狼のひかりをこぼす夜番の柝
548  くらがりの手足を照らすいなびかり
549  汽罐車の車輪からからと地の旱
550  いづくにも虹のかけらを拾ひ得ず
551  鏡中に西日射し入る夕立あと
552  五月闇汽罐車一台ゆくごとし
553  寒月に水浅くして川流る
554  虹といふ聖なる硝子透きゐたり
555  砂に寝て砂の軋むや秋日和
556  青嵐電車の音と家にくる
557  黒き帆のまぢかに帰る冬の暮
558  金星を懸くるすなはち冬の暮
559  仲秋や漁火は月より遠くして
560  麦秋や葉書一枚野を流る
561  少年の早くも夏は腋にほふ
562  てのひらに砂を平して五月処女
563  冬の航木箱を海に棄てて去る
564  紅くして黒き晩夏の日が沈む
565  渤海を大き枯野とともに見たり
566  臼を碾きやみし寒夜の底知れず
567  寒き夜のオリオンに杖挿し入れむ
568  愉しまず晩秋黒き富士立つを
569  麦の秋雀等海へ出てかへす
570  くちなしの香を嗅ぎて寄るひとのあと
571  青栗の刻一刻にゆふまぎる
572  緑蔭に読みて天金をこぼしける
573  双眼鏡遠き薊の花賜る
574  新樹の夜星はしづかに飛びはじむ
575  青林檎しんじつ青し刀を入る
576  冬樹伐る倒れむとしてなほ立つを
577  雪やなぎ苑をしろくし人死せり
578  昼ながら天の闇なり菖蒲園
579  向日葵に天よりも地の夕焼くる
580  懸崖菊いかな高さに置くならん
581  鬼灯を地にちかぢかと提げ帰る
582  桜咲く前より紅気立ちこめて
583  梅雨茸や低空飛行実に低し
584  吾亦紅壮なる時過ぎて立つ
585  遅れ咲きいまの落花に加はらず
586  桐の花電線二本過ぎゆくも
587  甘藷を掘ることを暮色の中に止む
588  どこにこのしぶとき重さ西瓜抱き
589  雑木色づきて悲傷の山ならず
590  八重桜日輪すこしあつきかな
591  曼珠沙華雲はしづかに徘徊す
592  妙齢の息しづかにて春の昼
593  生き難き刻午後にありきりぎりす
594  露更けし星座ぎつしり死すべからず
595  夕焼のやがてさめゆく蟻地獄
596  残る虫無間地獄に鳴きひそむ
597  自ら倦みあし踏み替ふる水馬
598  天界に散華きらきら蝉の昼
599  蟹の来るところに斧を置く厨
600  碧揚羽通るを時の驕りとす


 


 

2018-03-26 (Mon)

2018/03/26 山口誓子 俳句集成 (その3)

2018/03/26 山口誓子 俳句集成 (その3)

601  蜥蜴出て新しき家の主を眄たり 602  捕鯨船嗄れたる汽笛をならしけり 603  はたはたや妹が唇すふ山の径 604  橇行や氷下魚の穴に海溢る 605  檣頭にこゑ切り落す冬の鵙 606  螢獲て少年の指みどりなり 607  鉄路よりしづけきものなし虫がなき 608  金魚池渾天映りゐたりけり 609  螢谿足音の無き人が来る 610  木陰より総身赤き蟻出づる 611  鳥威す金銀金は火に見ゆる 612  わらべらに寝ねどき過ぎ...

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601  蜥蜴出て新しき家の主を眄たり
602  捕鯨船嗄れたる汽笛をならしけり
603  はたはたや妹が唇すふ山の径
604  橇行や氷下魚の穴に海溢る
605  檣頭にこゑ切り落す冬の鵙
606  螢獲て少年の指みどりなり
607  鉄路よりしづけきものなし虫がなき
608  金魚池渾天映りゐたりけり
609  螢谿足音の無き人が来る
610  木陰より総身赤き蟻出づる
611  鳥威す金銀金は火に見ゆる
612  わらべらに寝ねどき過ぎぬクリスマス
613  オリオンが枯木にひかる宵のほど
614  猟夫と逢ひわれも蝙蝠傘肩に
615  一湾をたあんと開く猟銃音
616  流れはやし猟銃肩に渉る
617  猟犬と思へど一犬走るのみ
618  毛皮手に夫人の耳は髪に見えず
619  床下に生きものゐるや風邪癒えず
620  火口湖が白き氷盤となれるのみ
621  病院の燈も年の尾に近づきつ
622  赤き実を垂りて南天提げ帰る
623  冬服の衣嚢(かくし)が深く手を隠す
624  着てたちて羽織のしつけ抜かるなり
625  鷺とんで白を彩とす冬の海
626  暖房や葭の衝立扉を隠す
627  炭焼きし石組もまた廃墟たり
628  大嶺や裾曲の道を炭車
629  大綿やアララギを買ふ町の書肆
630  雪ぐもり火星はもはや高からむ
631  節分の夜や擲ちし煙草の火
632  積雪の鬱たりといふ他はなく
633  虻よんで倦むこと知らず石蕗の花
634  昇降機聖誕祭のとつくにびとと
635  水洟を滴る良寛のむかしより
636  ジヤズ・バンドはしやぎて除夜も深まれり
637  日あたりて春まぢかなり駅の土堤
638  犬橇かへる雪解の道の夕凝りに
639  解纜や亜庭の鯨浮き出でぬ
640  削り木を神とかしづき熊祭
641  曽て世の男女の情や近松忌
642  玉霰すべて了りぬ日の光り
643  手を洗ひ寒星の座に対ひけり
644  寒星やとぼそ洩る燈のおのづから
645  寒江の丸太置場に遊ぶなし
646  眼はうごき眉はしづかにマスクの上
647  硬雪に焚く炭俵スキー会
648  全車輛全スキー揺れスキー列車
649  クリスマストリイともるわれらが貧しき町
650  猛り鵙蘆咲く原をよろこばず
651  鵙の贄雨降りいでて後知らず
652  柚子の香の下過ぎたりと思ひけり
653  晴着よりゆふぐれとなる秋祭
654  見るかぎり同じ速さの秋の川
655  妹と行けば漆の紅葉径に斜め
656  穢土の川葭青々と施餓鬼かな
657  水なぶる童の手あり施餓鬼舟
658  穴惑ひ縞美しと嘆く間に
659  頚垂れて鶉わが掌につゝまるゝ
660  海坂や見えてはるけき鯊の舟
661  颱風を来し濡れ手紙鋏剪る
662  蟷螂のしだいに眠く殞ちゆけり
663  かりかりと蟷螂蜂の皃を食む
664  かまきりのはや枯色を避けがたし
665  一湾の潮しづもるきりぎりす
666  夜はさらに蟋蟀の溝深くなる
667  蘆の花賑やかにしてわれひとり
668  花過ぎしゆすらや茱萸や登山道
669  断崖を跳ねしいとどの後知らぬ
670  藁塚を照らす燈駅の燈もまじる
671  蹠のこそばゆきまで落し水
672  野分だつ中を俯向き牛帰る
673  両肩に夜の寒さの鞭つごとし
674  籾筵素足となりて踏みわたる
675  無花果を喜ぶほどの貧しき膳
676  見るうちにしだいに紅来梅擬
677  定家忌や高き尊き姫みこも
678  定家忌へまがる左手の皇居かな
679  いとちかき処に星あり虫すだき
680  停電の夜にて地虫なきいでつ
681  十町を来てなほ行くや草R
682  掃苔や餓鬼が手かけて吸へる桶
683  石榴の実の一粒だにも惜しみ食ふ
684  稲の上にはかに星を落しける
685  をちかたの洗ひ障子や日に燦と
686  蒼々と障子張り替へられゐたり
687  あしたより鰯雲あり小鳥網
688  秋旱へろつく黍の葉に及ぶ
689  秋没日美しき顔しかめつゝ
690  秋風に舌を扁(ひらた)く児が泣けり
691  老の身のくづほれ寝たり秋日和
692  鞦韆や舞子の駅の汽車発ちぬ
693  秋郊のひやゝかなりし切通し
694  秋の野に溝とび踰えてたのしきろ
695  山の娘のてのひらにうつ秋の蜂
696  秋の暮まだ眼が見えて鴉飛ぶ
697  秋の浜見かへるたびに犬距る
698  秋浜の沙(いさご)を膝に弄ぶ
699  秋の田にものを落して晩鴉過ぐ
700  七夕や真赭の地獄湧きたぎつ
701  銀行をよごして砂糖黍しがむ
702  もみぢばの流れ来て河口出づ
703  樹々多き町富田浜甘藷分つ
704  干し柿の暖簾が黒く甘くなる
705  天暮れぬかぎり刈田の面ひかる
706  梶鞠の鞠足砂をとばしけり
707  食卓にあり食べられぬ烏瓜
708  暮色濃く鰯焼く香の豊かなる
709  堪へがたし稲穂しづまるゆふぐれは
710  盛装を稲田の夕日照らしけり
711  頭上より羽音拡がる稲雀
712  連山を踏みにふむなり稲扱機
713  道すがら見し稲扱の手を真似て
714  てのひらに載せてとろりととろ汁
715  潮漬きし田のいづこにてちゝろ虫
716  あとさきにきちきちがゐてうちまどふ
717  蜂舐ぶる舌やすめずに蟷螂(いばむしり)
718  葭雀すでに河口と云ひがたき
719  白樺の皮葺きたれや避暑の宿
720  梅雨の月凄ししとしと降りゐたり
721  青潮に石花菜(てんぐさ)の花は深けれど
722  わが旅の舷の水母さし覗く
723  胸板に祭太鼓を打ちこまれ
724  蛍獲て少年の指みどりなり
725  郭公や韃靼の日の没るなべに
726  両眼を低くして蟹穴を出づ
727  寂しさにかやつり草の青穂抜く
728  晩婚や蚊帳の縁の紅くして
729  花桐の下に糞尿黄なりけり
730  汽罐車の煙鋭き夏は来ぬ
731  夏ゆふべ父の片手にぶらさがる
732  夏暁のなほ白燈の船あはれ
733  羽抜鶏広き肩胛あはれなり
734  競泳のときもプールを風駆けり
735  としよりの咀嚼つゞくや黴の家
736  鱚釣りや青垣なせる陸(くが)の山
737  蜥蜴照り肺ひこひことひかり吸ふ
738  しんかんと空の蒼さよ葭簀茶屋
739  風来る葭切啼ける行手より
740  悪鬼ゐて地獄たぎらす大旱
741  栴檀の嫩葉のゆふべ星ともる
742  鬢附の香の淫なり立版古
743  和書増えて夕蝉の鳴きゐたりけり
744  轍あと深くかげりぬ誘蛾燈
745  駅の声夜涼に絶えていつか寝る
746  万緑やわが掌に釘の痕もなく
747  索道の石炭落す麻畑
748  母衣蚊帳に蟻匍ふことも憤る
749  配給の蕗をゆさゆさ提げ帰る
750  浜木綿は甲羅法師のかざす花
751  見下して蛭をさげすむことは易し
752  田より来て百姓の娘等氷飲む
753  麦秋や奔流谷を出で来る
754  あひびきは梅の実よりもひそかなる
755  蚤紅く逃げむとすなる美しさ
756  話途中なれども客に虹を指す
757  朝焼に通風筒は並立てる
758  竹落葉ひらりと蝌蚪の水の上
759  大旱や牛頭馬頭に逢ふ地獄村
760  ひんがしの日に照らされて走馬燈
761  白いさぎよし早乙女の膝がしら
762  月の夜にはしばしを梳く洗ひ髪
763  扇風機大き翼をやすめたり
764  赤*えいは毛物のごとき眼もて見る
765  濁流に日のあたりけり青葡萄
766  水錬の紅旗一処に集まりて
767  新緑の庭より靴を脱ぎ上る
768  水暮れて海の鳥来る菖蒲園
769  砂掬ふことが遊びや暑をきざす
770  尾のさきとなりつゝもなほ蛇身なり
771  向日葵のまなひ瞠れる園生かな
772  空蝉を風の中にていつくしむ
773  洛中のいづこにゐても祇園囃子
774  蟹の直ぐそばに滔々たる流れ
775  夏の暮駅の水栓飲み勤む
776  よるべなく光あかるし夏の浜
777  炎昼やとぼしけれども蔵書あり
778  炎ゆる海わんわんと児が泣き喚き
779  瓜貰ふ太陽の熱さめざるを
780  風呂敷の瓜に手を触れては老婆
781  鵜飼の鵜アクアラングの足で立つ
782  高浪に眼をねむらざるキヤムプかな
783  アカシヤのもとに梢の花も落つ
784  夜桜や汽車の白煙ふんだんに
785  炭坑の汽車に乗り来て入学す
786  鉄橋のとゞろきてやむ雪柳
787  あたゝかき昼岳上に雪残る
788  新入生靴むすぶ顔の充血する
789  名を知りて後星の春立ちにけり
790  火星なほ燃えて春天明けゐたり
791  残雪の硬きを踏めば去り難し
792  奈良線に沿へりし邑の鶏合せ
793  海苔粗朶のなほ黒くして明けやらず
794  海女の春礁は海の草繁り
795  なほ黄蝶たりや食はれて翅ばかり
796  どんよりと利尻の富士や鰊群来
797  苜蓿は丘となりゆく恋の丘
798  あひびきのほとりを過ぎぬ苜蓿
799  あひひきや枳殻のとげ青き頃
800  壷焼や海女のいとなみ居つゝ見ゆ
801  まどろすが丹(に)の海焼けや労働祭
802  激つ瀬やのど瀬にかよふ落椿
803  麦青し眼ゆがめて洟をかむ
804  猫柳高嶺は雪をあらたにす
805  猫の恋昴は天にのぼりつめ
806  東風強くして踏切の天鳴れり
807  尼宮を母(も)といたゞけり地久節
808  卒業の日の病棟に在る患者
809  卒業や畳しづけく思ほゆる
810  この家とも別れや松の花終る
811  春眠のわが身をくゞる浪の音
812  春蝉を聞いて仰臥の手足かな
813  砂浜に日あたれば憂き春の風邪
814  少女たるよろこび春の日に瞑る
815  同じ字を砂に書きつゝ春の昼
816  七星のうすれてかゝる春の霜
817  この家を去る日ちかきに春の蝉
818  指さすがごとく種蒔く農婦かな
819  若草にやうやく午後の蔭多く
820  傷つきてとびすさむなり黒揚羽
821  岩窪に深き海ある黒菜かな
822  峯雲の贅肉ロダンなら削る
823  ほのかなる少女のひげの汗ばめる
824  一輪の花となりたる揚花火
825  どこまでも水田日本は水の国
826  日本の霞める中に富士霞む
827  げんげ田の広大これが美濃の国
828  天耕の峯に達して峯を越す
829  日本がここに集る初詣
830  燃えさかり筆太となる大文字
831  泳ぎより歩行に移るその境
832  鵜篝の早瀬を過ぐる大炎上
833  美しき距離白鷺が蝶に見ゆ
834  太陽の出でて没(い)るまで青岬
835  苗代にいのち噴かざる籾が見ゆ
836  手を入れて井の噴き上ぐるものに触る
837  頭なき鰤が路上に血を流す
838  全長のさだまりて蛇すすむなり
839  一湾の潮(うしほ)しづもるきりぎりす
840  沖までの途中に春の月懸る
841  パンツ脱ぐ遠き少年泳ぐのか
842  舟漕いで海の寒さの中を行く
843  寒き沖見るのみの生狂ひもせず
844  海に鴨発砲直前かも知れず
845  蟷螂の眼の中までも枯れ尽す
846  除夜零時過ぎてこころの華やぐも
847  紅きもの枯野に見えて拾はれず
848  秋の暮水中もまた暗くなる
849  悲しさの極みに誰か枯木折る
850  月光の中じゆんじゆんと時計鳴る
851  波にのり波にのり鵜のさびしさは
852  土手を外れ枯野の犬となりゆけり
853  鷹の羽を拾ひて待てば風集ふ
854  この岸にわが彳(た)つかぎり蟹ひそむ
855  城を出し落花一片いまもとぶ
856  雁のこゑすべて月下を過ぎ終る
857  秋の暮山脈いづこへか帰る
858  つきぬけて天上の紺曼珠沙華
859  蟋蟀の無明に海のいなびかり
860  火口丘女人飛雪を髪に挿す
861  蟋蟀が深き地中を覗き込む
862  夏の河赤き鉄鎖のはし浸る
863  凍鶴の啼かむと喉をころろころろ
864  するすると岩をするすると地を蜥蜴
865  ピストルがプールの硬き面にひびき
866  春潮やわが総身に船の汽笛(ふえ)
867  掌(てのひら)に枯野の低き日を愛づる
868  祭あはれ奇術をとめに恋ひ焦れ
869  男の雛もまなこかぼそく波の間に
870  夏草に気罐車の車輪来て止る
871  ラグビーのジヤケツちぎれて闘へる
872  スケート場沃度丁幾の壜がある
873  春潮に海女の足掻きの見えずなる
874  鳰鳥の息のながさよ櫨紅葉
875  巨き船造られありて労働祭
876  探梅や遠き昔の汽車にのり
877  匙なめて童たのしも夏氷
878  夜を帰る枯野や北斗鉾立ちに


 

2018-03-25 (Sun)

2018/03/25  高梨沙羅 W杯男女歴代単独最多54勝達成し、55勝と連勝

2018/03/25  高梨沙羅 W杯男女歴代単独最多54勝達成し、55勝と連勝

長いトンネルに入ってしまった高梨沙羅が漸くトンネルを抜けた。 オリンピックイヤーはレベルが急上昇するのはいつものことだが、今回もそうで、北欧・ヨーロッパ勢のレベルアップが急激だった。 高梨は優勝が当たり前の状態から、表彰台にも上がれない日があるような状態に陥った。 どうなるか心配だったが、漸くシーズン最後に歴代最多54勝を達成した。 最終戦にも勝ち、連勝で締めくくった。 高梨はW杯を55勝もしているが、...

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長いトンネルに入ってしまった高梨沙羅が漸くトンネルを抜けた。
オリンピックイヤーはレベルが急上昇するのはいつものことだが、今回もそうで、北欧・ヨーロッパ勢のレベルアップが急激だった。
高梨は優勝が当たり前の状態から、表彰台にも上がれない日があるような状態に陥った。

どうなるか心配だったが、漸くシーズン最後に歴代最多54勝を達成した。
最終戦にも勝ち、連勝で締めくくった。

高梨はW杯を55勝もしているが、年齢は21歳。
まだまだ未来のある選手、トンネルを抜けたので思う存分活躍することができる。



『高梨沙羅、W杯男女歴代単独最多54勝「本当に幸せな気分」
2018
32560  スポーツ報知

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W杯ジャンプで歴代最多の通算54勝目を挙げ、表彰式で笑顔を見せる高梨(中)(共同)

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高梨沙羅

ジャンプ女子はドイツのオーベルストドルフで個人第14戦(ヒルサイズ=HS106メートル、K点95メートル)を行い、平昌五輪銅メダルの高梨沙羅(21)=クラレ=が100・5メートル、96・5メートルの合計227・1点で今季初優勝。グレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)をかわして、W杯男女歴代単独最多となる通算54勝目を手にした。個人戦Vは2017年2月の平昌大会以来、13か月ぶり。シーズン最終盤で、節目の1勝にたどり着いた。25日は今季最終戦となる個人第15戦が同会場で行われる。

忘れかけていた味だった。「本当に驚いている」。昨季の最終戦から14戦足踏みを続けていた沙羅が、ようやく前人未到の通算54勝を達成した。1回目に100・5メートルで首位に立ち、2回目も96・5メートルと粘ってイラシュコ(オーストリア)の猛追を3点差、飛距離にして1・5メートル差で振り切った。「本当に幸せな気分。今シーズン中に54勝をとれるとは思っていなかった。長かった」。平昌五輪金で、既に今季個人総合Vを決めているルンビ(ノルウェー)を3位に従えた表彰台で、金字塔の達成感をかみしめた。

12年3月に蔵王大会でW杯初勝利。7シーズンで通算104戦54勝、5割超の高勝率で白星を重ねてきた。牧野講平トレーナー(38)は、「ソチ以降は本当に『大人のアスリート』になった。言われたことを実行するだけでなく、自立して意見も言う。休む時は休むメリハリもついた。(以前とは)まるで別人を指導しているみたい」と評する。根底には謙虚な向上心と純粋な興味。ノルディック複合でW杯3連覇の荻原健司氏(48)は、「前向きな気持ちを無理して維持するのではなく(自然と)持ち続けられるのは、本人の素質や性格」と述べた。

ルンビと平昌銀のアルトハウス(ドイツ)の“2強”へ、最終盤で一矢報いた。銅メダルの平昌と同じように伊藤有希らチームメートに祝福され、「五輪の時のような感動をまた感じることができて、チームの温かさが身に染みた」と感謝した。25日には今季ラストの個人第15戦。理想の一本と向き合う沙羅の歩みは続く。

(スポーツ報知)



『高梨沙羅、W杯今季初連勝!通算55勝目で締めくくる
3/25(
) 23:09配信 スポーツ報知

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高梨沙羅

ジャンプ女子W杯は25日、ドイツのオーベルストドルフで個人最終第15戦(ヒルサイズ=HS106メートル、K点95メートル)を行い、平昌五輪銅メダルの高梨沙羅(21)=クラレ=が99・0メートル、102・5メートルの合計250・4点で優勝し、今季初の2連勝で締めくくった。

【写真】W杯最終戦で飛躍をする高梨沙羅

高梨は24日、同会場で行われた第14戦で優勝し、グレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)をかわして、W杯男女歴代単独最多となる通算54勝目を手にした。

高梨沙羅「昨日の課題を克服して今日につなげられたことは、すごく良かった。今日の55勝目は素直に喜べることになったかなと思う。シーズンファイナルで、ようやく自分の考えてることと体とがリンクし始めた。なかなかかみ合わない日々が続いていたので、もどかしい部分もあった。最後に合わせられて、そこが良かった点。シーズンを通して好調を維持していかないとワールドカップのスタンディング(順位)は取れない。そういうマーレンさん(総合優勝のルンビ)のような選手が本当に強い選手だと思うので、そういうところを目指して自分もやっていきたい」

(スポーツ報知)




2018-03-25 (Sun)

2018/03/25  日記  花の宴

2018/03/25  日記  花の宴

2018/03/25 (日) 旧暦:2月9日 祝日・節気: 電気記念日、上弦 日出:5時38分 日没:17時56分 月出:11時15分 月没:0時48分 月齢:7.58 干支: 丙辰 六曜: 仏滅 九星: 五黄土星 今日のあれこれ: 花の宴 「【深川おどり】PINKTHEニッポンのお花見大宴会今年で10周年!」 https://youtu.be/yXZxCzvc7EU 『花の宴: 花の踊 晩春 ...

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2018/03/25 () 旧暦:29日 祝日・節気: 電気記念日、上弦 日出:538分 日没:1756分 月出:1115分 月没:048分 月齢:7.58 干支: 丙辰 六曜: 仏滅 九星: 五黄土星

今日のあれこれ: 花の宴

「【深川おどり】PINKTHEニッポンのお花見大宴会
今年で10周年!」


https://youtu.be/yXZxCzvc7EU



『花の宴: 花の踊
晩春
桜をめでる酒宴のこと。もともとは宮廷行事で、「文人に命じて詩を賦し禄を賜ふ」『俳諧歳時記栞草』という記述もある。』
(季語と歳時記)



花の宴の俳句:



・花の宴琴弾かさりし不興かな 正岡子規



・花の宴銃眼に置く缶ビール 山口超心鬼



・花の宴庇に沿うて灯りけり 阿波野青畝





今日は日曜日。
花は先お天気も良いとなれば、花の宴。

桜の名所では、茣蓙を敷いて花を愛でながら、お酒を飲み美味しい料理を食べ、和やかなお話を楽しんだことだろう。

季語「花の宴」では、宴だから歌舞音曲が当然想定されている。
子規も明治の世でさえ琴も弾かないと嘆いている。

場所によって違うのかもしれないが、愛知県周辺の花見では飲み食べることが中心で、歌って踊るのはあまり見かけない。

外部スピーカーを使って大音量はいけないが、歌や踊りを和やかに楽しむのは伝統に適って良いことだと思う。

動画のように、歌って踊る花の宴があってもよいのでは。




2018-03-24 (Sat)

2018/03/24  日記  桜狩

2018/03/24  日記  桜狩

2018/03/24 (土) 旧暦:2月8日 祝日・節気:  日出:5時39分 日没:17時55分 月出:10時19分 月没:#NAME? 月齢:6.58 干支: 乙卯 六曜: 先負 九星: 四緑木星 今日のあれこれ: 桜狩 「【優秀賞】2018仙北インターナショナルドローンフィルムフェスティバル【月山を取り囲む市町村の雪上桜】SEMBOKU INTERNATIONAL DRONE FILM」 https://youtu.be/54W14nFke28 ...

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2018/03/24 () 旧暦:28日 祝日・節気:  日出:539分 日没:1755分 月出:1019分 月没:#NAME? 月齢:6.58 干支: 乙卯 六曜: 先負 九星: 四緑木星

今日のあれこれ: 桜狩

「【優秀賞】2018仙北インターナショナルドローンフィルムフェスティバル【月山を取り囲む市町村の雪上桜】SEMBOKU INTERNATIONAL DRONE FILM


https://youtu.be/54W14nFke28




『桜狩: 桜見、観桜
晩春
花に誘われて、野や山に桜を訪ね歩いて愛でること。花見のことではあるが、より花を求めて逍遥するおもむき。豪華な花見弁当よりも素朴な飯が、筵を広げるよりも山路を行く杖が似合いそうである。』
(季語と歳時記)



桜狩の俳句:



・吉野山奥へ奥へと桜狩  安原葉



・ことしまた母とふたりの桜狩  赤座典子



・ときどきは死を思ひての桜狩 能村登四郎





週末の土曜日は、全国的に良いお天気に恵まれた。
急に暖かくなった影響で、桜の開花も全国的に早いようだ。
今日も、お花見の公園では場所取りの新人や幹事が、朝早くからブルーシートに座り刻が来るのを待ったことだろう。

桜狩りという季語があった。
一般的に紅葉狩りは使うが、花の場合は花見が普通だ。
だが、「桜狩」と言う言葉がある以上「花見」とは違った意味合いがあるのだ。

調べてみると、桜狩は新しい言葉ではなく、蕪村も使っている。
花見も秀吉の醍醐の花見があり、元禄時代になれば庶民も桜の花を楽しむ様になった。
どちらも昔から使われてきたと考えられる。

花見と桜狩りの違いを敢えて考えれば、花見は団体で場所を決めて花やお酒や料理を楽しむ宴、桜狩は独りもしくは限られた同志で自然の山野に桜を求めて彷徨うことになり、心も楽しみだけではなく、もう少し思い入れのある側面がありそうだ。

時空の違いもありそうだ。
桜狩は、過去・現在・未来にわたって心象はつながり、花見は今のみ。
空間も、花見は此処、桜狩は遠近・此処其処になりそうだ。

桜狩の例句を読んでみて、掲載した3句は特に桜狩らしい印象を受けた。





2018-03-23 (Fri)

2018/03/23  日記  白木蓮

2018/03/23  日記  白木蓮

2018/03/23 (金) 旧暦:2月7日 祝日・節気:  日出:5時41分 日没:17時54分 月出:9時29分 月没:23時46分 月齢:5.58 干支: 甲寅 六曜: 友引 九星: 三碧木星 今日のあれこれ: 白木蓮 「ハクモクレン 2018」 https://youtu.be/QD5wmeGVeGw 『白木蓮 ・木蓮(もくれん)科。 ・学名 Magnolia denudata または...

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2018/03/23 () 旧暦:27日 祝日・節気:  日出:541分 日没:1754分 月出:929分 月没:2346分 月齢:5.58 干支: 甲寅 六曜: 友引 九星: 三碧木星

今日のあれこれ: 白木蓮

「ハクモクレン 2018


https://youtu.be/QD5wmeGVeGw



『白木蓮
・木蓮(もくれん)科。
・学名
Magnolia denudata または
Magnolia heptapeta
Magnolia : モクレン属
denudata : 裸の、露出した

Magnolia(マグノリア)は、
18世紀のフランス、
モンペリエの植物学教授
Magnol さん」の名前にちなむ。

・開花時期は、310 410頃。
・白い清楚な花。
花びらの幅が広く、厚みがある。
花は上向きに
閉じたような形で咲く。
全開しない。
これが辛夷と違うところ。

・開花しているときの風景は、
白い小鳥がいっぱい木に
止まっているように見える。

・花びらは太陽の光を受けて
南側がふくらむため、
花先は北側を指す。
(よって、「つぼみ」の頃は
片方にそり返っている)
このことから、「磁石の木」と
呼ばれることもある。


・似ている花へのリンク
辛夷(コブシ) 木蓮』
(季節の花300)



白木蓮の俳句:



・鎌倉の白木蓮の日暮れかな 鈴木信行



・白木蓮の下に集まる仏かな 高田英美子



・白木蓮のひとひら風の舟となる 角川照子





昨日も今日も白木蓮を見た。
遠くからでも真っ白な花を枝全体に咲かせた樹はよく目立つ。
此処にも白木蓮が在ったのかと思う。

今日は特に晴れ渡った青い空に白い木蓮が白く輝き美しかった。
白木蓮に似た女性がいれは、清楚で美しく魅力的だ。昔、遭った人はその様な女性だった。


掲載させていただいた動画は、ドローンで撮影したものだろう。
ドローンで見る角度は、下から見上げる普通の角度とは違い面白い。


白木蓮も花盛りの時季は長くはない。
満開の白い花が風と遊んでいる様子は見逃さず目に止める必要がある。

桜と違って白木蓮の散り際は、美しくはない。
下に落ちた花も白は褐色に変わり、花筏や花屑の様な風情はない。

角川が詠むように、満開から散る時を迎えた花びらは風の流れに浮かんで、遠く見えないところへ流されていってしまえば良いのだが...




2018-03-22 (Thu)

2018/03/22 藤井六段が糸谷八段にも勝ち16連勝

2018/03/22  藤井六段が糸谷八段にも勝ち16連勝

藤井六段の今回の相手糸谷八段は元竜王で「怪物」と称される実力者で、来期はA級に昇格を決めている。 連勝が止まるかもしれないと思われた強敵だが、勝ったのは藤井六段だった。 「なぐりあい」の激しい将棋だったそうだが、激しい殴り合いの接近戦の中でも冷静に鋭いパンチを出して勝ってしまった。 藤井六段の今の調子は、A級レベルと考えて良いことを示した試合だった。 『藤井六段「難しい将棋でした」糸谷八段下し16連...

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藤井六段の今回の相手糸谷八段は元竜王で「怪物」と称される実力者で、来期はA級に昇格を決めている。

連勝が止まるかもしれないと思われた強敵だが、勝ったのは藤井六段だった。
「なぐりあい」の激しい将棋だったそうだが、激しい殴り合いの接近戦の中でも冷静に鋭いパンチを出して勝ってしまった。

藤井六段の今の調子は、A級レベルと考えて良いことを示した試合だった。



『藤井六段「難しい将棋でした」糸谷八段下し16連勝
[2018
322217]


自身2度目の16連勝を飾り、感想戦を行う藤井聡太六段(撮影・松浦隆司)

   
自身2度目の16連勝を飾り、感想戦を行う藤井聡太六段(撮影・松浦隆司)

   
元竜王を破り、インタビューに応える藤井聡太六段(撮影・松浦隆司)

史上最年少プロ棋士、藤井聡太六段(15)が22日、大阪市の関西将棋会館で指された第66期王座戦2次予選で元竜王の糸谷哲郎八段(29)を89手で破り、挑戦者決定トーナメント(T)進出を決めた。公式戦通算成績は71勝11敗。自身2度目の公式戦16連勝を飾った。20日に通学する中高一貫校の名古屋大学教育学部付属中学校の修了(卒業)式を終え、初対局だった。再び藤井が絶好調モードに突入した。

関西の若手強豪との熱戦を制した藤井は「形勢判断がよく分からず、非常に難しい将棋でした」と振り返った。糸谷は竜王のタイトルを獲得した経験を持つ実力者。今期はB級1組でトップの成績を収め、来期から最上位A級で戦う。難敵を撃破しての16連勝にも「連勝は意識していないので、これからも普段通りに臨めたらなと思っています」と謙虚に話した。

藤井と初対局となった糸谷は「ちょっと強気に行きすぎたかな。ずっと一手負けですね。難しい形なので殴り合いに持ち込むしかなかった」と反省した。藤井の印象については「終盤、鋭いですし、中盤に切り込んでこられる。気持ちのいい踏み込み方でした」。

これで藤井は王座戦の決定Tに進出した。決定Tは2次予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の計16人でトーナメントを行い、挑戦者を決める。

藤井はこの日の王座も含め、竜王、王将で勝ち残っている。屋敷伸之九段(46)の持つ最年少タイトル獲得記録(18歳6カ月)を1年以内に破る可能性も十分にある。王座戦決勝Tに向けて「本戦まで勝ち進むことができた。ここからも1歩1歩、上を目指していきたい」と意気込んだ。

次戦は28日、王将戦1次予選6組3回戦で井上慶太九段(54)と対局する。17年度最後の対局となる。すでに17年度の記録全4部門(勝率、勝利数、対局数、連勝)の1位が確定、最年少「4冠王」を決めている。』
(日刊スポーツ)






 




2018/03/23 動画を2本追加した。

「藤井六段 超速の読みで16連勝!」


https://youtu.be/VpY22d_KiFE




「藤井聡太六段と糸谷哲郎八段の対局は予想外の一手で決着!!将棋の神はどちらに微笑み“神の一手”を授けたのか?」


https://youtu.be/Avuyu9OGlK4





2018-03-22 (Thu)

2018/03/22  日記  若鮎

2018/03/22  日記  若鮎

2018/03/22 (木) 旧暦:2月6日 祝日・節気: 消防記念日、放送記念日 日出:5時42分 日没:17時54分 月出:8時44分 月没:22時42分 月齢:4.58 干支: 癸丑 六曜: 先勝 九星: 二黒土星 今日のあれこれ: 若鮎 「若鮎乱舞!」 https://youtu.be/C0dgYHbKSTA 『若鮎(わかあゆ) 晩春 子季語: 小鮎、鮎の子、稚鮎、上り鮎 ...

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2018/03/22 () 旧暦:26日 祝日・節気: 消防記念日、放送記念日 日出:542分 日没:1754分 月出:844分 月没:2242分 月齢:4.58 干支: 癸丑 六曜: 先勝 九星: 二黒土星

今日のあれこれ: 若鮎

「若鮎乱舞!」


https://youtu.be/C0dgYHbKSTA



『若鮎(わかあゆ) 晩春
子季語: 小鮎、鮎の子、稚鮎、上り鮎
関連季語: 鮎、落鮎
解説: 海で育った鮎は二、三月頃から群れを成して川を遡る。これが若鮎である。体長四~六センチくらい。琵琶湖で生まれた子鮎を捕らえしばらく育ててから各地の川へ放流するのを放ち鮎という。
来歴: 『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
文学での言及: 
実証的見解: 鮎はアユ科の魚。川の下流域で孵化した稚魚はいったん海に入りプランクトンなどを食べて成長する。五センチくらいに成長した鮎は川に戻り、三月から五月ころにかけて遡上を始める。川の上流から中流域にたどり着いた幼魚は櫛形に変形した歯で、岩などに付着したケイソウ類を主食とする。一段と大きくなった鮎は縄張りを作るようになり、縄張りに入ってくる別の鮎に攻撃を仕掛ける。この性質を利用した釣が「友釣り」である。秋になると鮎は、体が橙と黒の婚姻色に変化し、産卵のため下流へ落ち始める。このころの鮎は「錆鮎、落鮎」と呼ばれる。産卵した鮎は、体力を消耗して多くは死んでしまう。それゆえ鮎は、年魚ともいわれる。』
(季語と歳時記)



若鮎の俳句:



・堰落つる水に若鮎挑みけり  高橋スミ子



・若鮎に刃のごとき日の光 片山由美子



・若鮎のきらりと跳ねる暮れの川  平野きぬ子



・若鮎の堰を越すとき光りけり  小林修水



・若鮎の光となりて水を脱ぎ 沙羅ささら





天然の若鮎の遡上季節がやってきた。
多くの川や堰で上流に向かって群れをなして登っているだろう。

魚体がまだ小さい若鮎は、眼には見えにくい。
その代り、若鮎は活発に動き、泳ぎ回る。
身を捩り回転させる時、光を反射し一瞬の光を発する。
光の中に若鮎はいる。

俳人たちも、若鮎の放つ光に見とれている。
小さな身体にとっては激流であるはずの堰に挑み、身体の十倍もある高さを飛び上がる。落ちても落ちても、繰り返し挑み続ける。

最初は物悲しい生命の営みも、絶えること無く繰り返される挑戦の姿に触発され、観ている眼も熱を帯び、やがて燃え上がる。





2018-03-21 (Wed)

2018/03/21  日記  春分の雀

2018/03/21  日記  春分の雀

2018/03/21 (水) 旧暦:2月5日 祝日・節気: 春分の日 日出:5時43分 日没:17時53分 月出:8時04分 月没:21時37分 月齢:3.58 干支: 壬子 六曜: 赤口 九星: 一白水星 今日のあれこれ: 春分の雀 「モト冬樹が弱ったスズメを保護、自宅で飼育これが違法?」 https://youtu.be/wVGLv-tGm78 『春分(しゅんぶん、英: vernal eq...

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2018/03/21 () 旧暦:25日 祝日・節気: 春分の日 日出:543分 日没:1753分 月出:804分 月没:2137分 月齢:3.58 干支: 壬子 六曜: 赤口 九星: 一白水星

今日のあれこれ: 春分の雀

「モト冬樹が弱ったスズメを保護、自宅で飼育これが違法?」



https://youtu.be/wVGLv-tGm78



『春分(しゅんぶん、英: vernal equinox)は、二十四節気の第4。よく昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなるとされるが、実際には昼の方が14分ほど長い(日本の場合。後述。)。二月中(旧暦2月内)。

現在広まっている定気法では、太陽が春分点を通過した瞬間、すなわち太陽黄経が0度となったときで、天文学ではその瞬間であるが、暦ではその瞬間が属する日であり、これを春分日(しゅんぶんび)と呼ぶ。したがって、いずれの日が春分日になるかはその国・地域の時差によって1日の違いが出る。日本では320日または321日になることが多い。

恒気法では冬至から1/4年(約91.31日)後で323日ごろ。

期間としての意味もあり、この日から、次の節気の清明前日までである。

西洋占星術では春分を白羊宮(おひつじ座)の始まりとする。
...
記念日
日本ではこの日は国民の祝日の「春分の日」となる。春分の日は、国立天文台の算出する定気法による春分日を基にして閣議決定され、前年21日に暦要項として官報で告示される。天文学に基づいて年ごとに決定される国家の祝日は世界的にみても珍しい。また、この日をはさんで前後7日間が春の彼岸である。第二次大戦前は春季皇霊祭として祭日であった。

イラン暦の元日、ノウルーズ(nawrūz)はちょうど春分の日に当たり、イランを中心に、中央アジアからアフリカまでに及ぶ広い地域で祝われる祭日である。ヨーロッパなどでも、春分をもって春の開始とする。いくつかの国では休日とされる。

キリスト教で復活祭の日付を算出するには、春分を基点とし、春分後最初の満月の次の日曜日を復活祭の日と定める。この算出方法をコンプトゥスという。ただし、ここでいう「春分」は暦の上での321日に固定されており、太陽黄経が0度の日とは必ずしも一致しない。「満月」も簡素化した計算によって求められており、天文学上の満月とは必ずしも一致しない。この算定法は第1ニカイア公会議で定められた。
...
』(Wikipedia



春分の俳句:



・春分のおどけ雀と目覚めたり 星野麥丘人



・春分の雀こぼれずこぼれさう  熊谷ふみを



・春分の地へとこぼるる雀かな  永野真智子





春分の句を読んでいて、雀の句が目についた。
暖かい日差しが降り注ぎ、冷たい北風が止めば、鳥たちも囀り始める。
雀も飛び回り、遊び始める。

この時季、俳人の眼にも雀の姿が映るのだ。

遊んでいる雀を見れば、自分も一緒に遊びたくなる春分だ。

雀の句を読んでいて、モト冬樹のチュンちゃんの話を思い出した。
法律は守らなければならないが、この場合は目くじら立てて取り締まる内容ではない。
取り締まるのは、業者とか大量・日常的に鳥を捕まえる人達で、眼を逃れてやっている人達は多いはずだ。
チュンちゃんを問題にする前に、精力をそちらに使うほうが世の中のためになる。





2018-03-20 (Tue)

2018/03/20  日記  卒業

2018/03/20  日記  卒業

2018/03/20 (火) 旧暦:2月4日 祝日・節気:  日出:5時45分 日没:17時52分 月出:7時28分 月没:20時33分 月齢:2.58 干支: 辛亥 六曜: 大安 九星: 九紫火星 今日のあれこれ: 卒業 「浦添高校 第51回(2018) 卒業式ハプニング」 https://youtu.be/vGw7vPMdLTs 卒業の俳句: ・花束の混んで...

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2018/03/20 () 旧暦:24日 祝日・節気:  日出:545分 日没:1752分 月出:728分 月没:2033分 月齢:2.58 干支: 辛亥 六曜: 大安 九星: 九紫火星

今日のあれこれ: 卒業

「浦添高校 第51(2018) 卒業式ハプニング」


https://youtu.be/vGw7vPMdLTs



卒業の俳句:



・花束の混んでロビーは卒業期  鴛尾敏子



・歓声高く腕のトンネル卒業す  芝宮須磨子



・校門にリボンをかけて卒業す  半澤佐緒里




3
月は卒業のシーズン。
卒業も色々あるが、学校の卒業は大人になる前の大きな出来事だ。
小学校、中学校、高校は、年も違うがそれぞれ思い出深いものだ。

同級生たちと別の地区の学校に行く場合は、特に別れが辛く、新しい学校への不安が大きい。
大人から見れば、それほどではないにしても当事者にとっては、卒業は大きな事件だ。

卒業のたびに、篩がかけられ、人生が決まっていくという側面も卒業にはある。
より高いレベルの学校に進学して、一流大学に入学して、エリートコースの人生を歩む生徒たちと本人の成績や環境からその道を外れ手物の道に進む生徒たちと別れていく。

荒れる成人式と同様荒れる卒業式も以前は多く見られた。
今でも、北九州市の中学では卒業式の夜、特攻服に身を固め繁華街や公園など人目を引くところで騒ぐそうだ。
特攻服と言っても、戦時中の特攻隊とは無関係で暴力団の事務所で着られていたものから派生したものだそうだ。
Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%94%BB%E6%9C%8D


元気のない閉じこもりの子供より、まだ特攻服で騒ぐ子供のほうが元気があって良い。
だが、いずれ精力を善用する道と方法を自分で見つける必要はある。

人生に区切りをつける卒業は在ったほうが良い。
何もなければのっぺらぼうの人生になってしまう。




2018-03-19 (Mon)

2018/03/19  日記  若布

2018/03/19  日記  若布

2018/03/19 (月) 旧暦:2月3日 祝日・節気:  日出:5時46分 日没:17時51分 月出:6時53分 月没:19時30分 月齢:1.58 干支: 庚戌 六曜: 仏滅 九星: 八白土星 今日のあれこれ: 若布 「若狭の天然ワカメ」 https://youtu.be/yxNt04dbdd0 『ワカメ(若布、和布、稚海藻[3]。学名: Undaria pinnatifida)は、褐藻綱コンブ目...

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2018/03/19 () 旧暦:23日 祝日・節気:  日出:546分 日没:1751分 月出:653分 月没:1930分 月齢:1.58 干支: 庚戌 六曜: 仏滅 九星: 八白土星

今日のあれこれ: 若布

「若狭の天然ワカメ」


https://youtu.be/yxNt04dbdd0




『ワカメ(若布、和布、稚海藻[3]。学名: Undaria pinnatifida)は、褐藻綱コンブ目チガイソ科の海藻である。

概要
日本海側では北海道以南、太平洋岸では北海道南西部から九州にかけての海岸、朝鮮半島南部の両岸の、低潮線付近から下に生育する。根状の部分で岩などに固着し、葉状部を水中に伸ばし、長さは2mにも達する。葉状部の中心には主軸があって、それを中心に左右に広く伸び、大きく羽状に裂ける。広がった葉の基部には、とても厚くなった葉状部がちぢまり、折れ重なったような部分がある。これをメカブ(和布蕪)と呼び、生殖細胞が集まっている部分である。

ワカメは世代交代を行なう。一般に知られているワカメは胞子体(複相世代)であり、メカブで作られた遊走子から発芽した配偶体は、ごく小さなものである。

海苔と同じく、古くから日本人に親しまれてきた海藻であり、『万葉集』にも現れている。主に食用として用いられ、酢の物、汁物の具として使われたが、豊作祈願の神事などにも利用されていた。
...
語誌と歴史
ワカメは乾燥が容易で、軽く移動も容易であったこともあり、先史から日本で広く食べられていたことが確認されている。縄文時代の遺跡からは、ワカメを含む海藻の植物遺存体が見つかっており[5]、この時代から食されていたことが明らかになっている。

和語では古くは、藻類の「も」に対し、食用の海草一般を「め」と呼んでいた。漢字では、古くは「海藻」(平城宮木簡)、「軍布」(万葉集、藤原京木簡)、「和布」(色葉字類抄)などと当てられていた。古代に食されていた海藻の主体はワカメであったらしく、この「め」は、特にワカメを指していた[6]。また一説には女性(海女)の手で採られたことから「メ」と云われたとも伝わる。後にカジメ(搗布)・ヒロメ・アラメ(荒布)・ホソメ(細海布)等々の海藻にも「布(メ)」があてられた。ワカメという語は、「ワカ+メ」、つまり若い(新しい)海藻に由来する。

「ワカ」を「タマ(玉)」などと同じ美称と捉えれば、古代にあっては海藻類一般を指していた可能性があり、それがワカメを特定する名称となったのは中世以降かもしれない[7]。万葉集には「和可米」「稚海藻」(いずれも訓は「わかめ」)の他、「和海藻」(「にぎめ」、やわらかいワカメのこと)が見られる。他に、万葉集に頻出する「玉藻(たまも)」も、歌によってはワカメを指すかもしれない。

各地で採れたワカメを朝廷への献上品としていたことが確認できる(平城宮木簡)。延喜式(927)によれば、ワカメを含む多くの海藻が神饌として奉納されており、さらには『正倉院文書』などによると、給与としても用いられていた[8]

利用
食用
旬のものであれば生で流通することもあるが、主に葉の部分を塩漬けしたり乾燥させたりして保存性を高めて商品化される。使うときは水に漬け、塩抜きあるいは戻して用いる。メカブは湯通ししてからそのまま食べるか、乾燥させてから細かく切って流通されることが多い。市販のワカメは緑色であるが、生きた状態では褐色であり、湯通しすることで緑色となる。

ワカメは味噌汁などの汁物の具としてよく使われる。他にも酢の物、炒め物、サラダ、地域によっては天ぷらやしゃぶしゃぶ等幅広く料理される。メカブは細かく叩いて粘りを出したものがパックになって売られることもある。旨み成分を多く含み、また低カロリーであることから、ダイエット食品としても適している。ワカメに多く含まれる栄養素は、食物繊維、アルギン酸、フコイダンなどで、血中コレステロール値を下げたり、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐなどの効果があると言われている。

ワカメを食用に供する習慣はほぼ日本と朝鮮半島にしかなく、日本や朝鮮半島と同じく海藻を食べる習慣が一応ある中国ですら食べなかった。しかし中国でも近年は日本からの養殖技術の導入により、日本向けの輸出用に養殖されたものが中国国内の市場に出回り、食べられるようになっている。

一方で、朝鮮半島ではワカメを日本以上に多食し、韓国国民一人あたりの年間ワカメ平均消費量は、日本の三倍と言われている。出産の時には、乳児への授乳を通じての栄養補給のために、ワカメを茹でてスープを作って食べる習慣を持つ。同様に、誕生日にワカメのスープ(ミヨックク)を飲む習慣がある。日本と異なり、韓国では天然ワカメと養殖ワカメに歴然としたブランド差があり、天然ワカメは非常に貴重視され高値で取引される。天然ワカメが取れる磯や海域は畑や田と同じ不動産扱いされ、厳しい管理のもとで一族に代々相続される。

健康食品としての機能
高血圧症とワカメ
   
ワカメ等の海草類に含まれるアルギン酸は、消化管中で食物中のナトリウムと化合し一部がアルギン酸ナトリウムに変化する。アルギン酸ナトリウムはヒトの腸管内の消化酵素では分解できないため便として排出される、結果的に体内へのナトリウム吸収量が抑制されることになる。また、ペプチド類にはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用のタイプも含まれており、ラットによる動物実験では吸収されたペプチドによる血圧降下作用が示されている[12]

肥満予防効果
   
ワカメに微量に含まれるフコキサンチンは肥満予防効果があることが解明されている[13][14]

水質浄化機能

横浜の「みなとみらい地区」の地先海域では、「夢ワカメ・ワークショップ」という環境教育のプロジェクトを行っており、地元の小学生など総勢三百名で横浜港でワカメを養殖している。ワカメは海中のリンや窒素を取り込みながら成長し、海水をきれいにする。
...』
Wikipedia



若布の俳句:



・ゆるゆると舳先出てゆく若布舟  吉原一暁



・一舟に一人の自由若布刈る  今瀬剛一



・海光を抱へて海女の若布干す  水田清子



・海の宿雲丹の御飯に若布汁  松本秀子



・磯の香の部屋に広がる若布茹で  土井久美子





和布は春の季語。
漁期は北海道では、3月から6月。
三重県では2月から4月だそうだ。
もう磯や浜では今年のワカメ漁が行われているだろう。

昆布というと簡単には使えない感じもあるが、若布なら毎日の味噌汁の実として欠かせない日常的なもの。
栄養も有り、肥満防止の効能もあるという。
毎日、使いたい食材だ。

若布が獲られて食卓に届くまでには、漁師や海人や加工所や問屋の手を経ている。
労働力不足が、この分野でも起きているのではないかと心配される。

日本人にとっては、親しみのある若布だが、外国では食べる国が少なく、国によっては侵略的外来種として取り扱われているそうだ。

『ワカメの遊走子が日本からの商船のバラストタンクに注入されたバラスト水に混入した状態でニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパ諸国の沿岸域に運ばれ、そこで水と共に放出されて増殖しており、外来生物として問題になっている。』(Wikipedia

一番良い方法は、日本のように食べてしまうことだ。ワカメサラダにすれば、人気の日本食にもなる。
もし食べないのなら、収穫して日本に輸出すれば良いと思うが、簡単な話ではないのかな。




2018-03-18 (Sun)

2018/03/18  日記  春光

2018/03/18  日記  春光

2018/03/18 (日) 旧暦:2月2日 祝日・節気: 彼岸 日出:5時48分 日没:17時50分 月出:6時20分 月没:18時29分 月齢:0.58 干支: 己酉 六曜: 先負 九星: 七赤金星 今日のあれこれ: 春光 「錦鯉 〜泳ぐ芸術〜」 https://youtu.be/MfrfcoWvqJU 『春光(しゅんこう、しゆんくわう) 三春 ...

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2018/03/18 () 旧暦:22日 祝日・節気: 彼岸 日出:548分 日没:1750分 月出:620分 月没:1829分 月齢:0.58 干支: 己酉 六曜: 先負 九星: 七赤金星

今日のあれこれ: 春光

「錦鯉 〜泳ぐ芸術〜」

https://youtu.be/MfrfcoWvqJU




『春光(しゅんこう、しゆんくわう) 三春
子季語: 春の色、春色、春望、春の匂、春景色、春景、春の光
関連季語: 春日
解説:もともとは春の風光、春の景色をいったが、春の日の光としても用いられる。
来歴: 『俳諧大成新式』(元禄11年、1698年)に所出。
文学での言及: 誰か言つし春の色東生より到ると、露暖かにして南枝花始めて開く 菅原文時『和漢朗詠集』
野煙の春の光に嘯いて、各々一句を吟じ、山霞の晩の色を酌んで、忽ちに数盃に酔ゑり
橘在列『新撰朗詠集』
』(季語と歳時記)



春光の俳句:



・鯉の尾のはねて春光生れにけり  中元英雄



・師の碑建つ能登春光のみなぎりて  柴崎英子



・春光に山つつまれて一碧湖  赤羽正行



・乾杯や春光綺羅のグラス挙げ  江木紀子



・春光と天地ゆるがす楽隊と  瀬川公馨



・春光と画板をのせて膝小僧  林昭太郎





週末の日曜日。
陽射しが目に見えて強くなった。
風が温んだこともあるが、暖かくなった。

遅かった白梅がとうとう満開になり、庭の雑草が黒く膨らんだ土の下から緑色の葉を勢いよく伸ばし始めた。

春の主役は光だ。
光は煌めき、輝く。
春光の光景も煌めき輝くものだ。

錦鯉の尾の跳ねる水の一瞬の煌めき。
雪雲から開放された光に満ちた能登の海。
山と湖の青。
持ち上げたシャンパングラスの輝き。
強い光を跳ね返し煌めくトランペット。
写生する小学生の未来の輝き。

春の光は、世界を輝かせ煌めかせている。





2018-03-17 (Sat)

2018/03/17  日記  紅梅

2018/03/17  日記  紅梅

2018/03/17 (土) 旧暦:2月1日 祝日・節気: 社日、朔 日出:5時49分 日没:17時49分 月出:5時47分 月没:17時29分 月齢:29.25 干支: 戊申 六曜: 友引 九星: 六白金星 今日のあれこれ: 紅梅 (名古屋護国神社の紅梅) 『紅梅(こうばい) 初春 子季語: 薄紅梅 関連季語: 梅 解説: 梅のうち赤い花を咲かせる種類とその花をさ...

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2018/03/17 () 旧暦:21日 祝日・節気: 社日、朔 日出:549分 日没:1749分 月出:547分 月没:1729分 月齢:29.25 干支: 戊申 六曜: 友引 九星: 六白金星

今日のあれこれ: 紅梅

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(名古屋護国神社の紅梅)



『紅梅(こうばい) 初春
子季語: 薄紅梅
関連季語: 梅
解説: 梅のうち赤い花を咲かせる種類とその花をさす。白梅より少し遅れて暖かさが感じられる頃に開く。濃い色から淡い色、八重、一重などがある。
来歴: 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
文学での言及: くれなゐの梅が枝に鳴く鶯は声の色さへことにぞありける 藤原俊成『風雅集』

(季語と歳時記)



紅梅の俳句:



・紅梅に空あをくなれ青くなれ  林翔



・雲の端を染めて紅梅の風生まる  大村真佐子



・紅梅に青き鳥来て私語ふやす  鈴鹿仁



・紅梅のかくもしだれて地に触れず  鷹羽狩行



・紅梅に甘酒屋あり日ざしあり  阿部ひろし





昨日、名古屋の護国神社を通り抜けた。
入口近くの歩道に紅梅が咲いていた。
紫陽花は時季も場所も頭にあるけれど、紅梅は突然だった。

黄昏近い時間になり、空を背景にした紅梅は色を失いかけていた。
已む無く、光量を増やす操作をして写真を撮った。


桜の時期には、露天が出て、たこ焼きや串焼き団子やソセージや味噌おでんなど並ぶのだが、梅の周りには甘酒屋もない。
淋しいが、梅が数本では人は集まらないから仕方がない。

東京では開花宣言がされた。
いよいよ花の季節が近づいた。
寒さが長かったので、花の咲くスピードに心が追いついていない。

花を求めて公園や林を歩くことが必要だ。
ビルの中、部屋の中ばかりでは、気づかない内に春に置いていかれてしまう。





2018-03-16 (Fri)

2018/03/16  日本酒の会sake nagoya 3月定例会  (その1)

2018/03/16  日本酒の会sake nagoya 3月定例会  (その1)

sake nagoyaの3月定例会に参加した。 テーマは、「大吟醸生酒」、上級クラスの酒を並べての利き酒だ。 今回も、早々満席になっている、女性の参加者も多い。 護国神社の境内に入ると桜がもう咲いていた。 名古屋は開花宣言があったばかりだが、この場所は北風が当たらないのか、桜はもう満開状態だ。 ...

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sake nagoya
の3月定例会に参加した。
テーマは、「大吟醸生酒」、上級クラスの酒を並べての利き酒だ。

今回も、早々満席になっている、女性の参加者も多い。

護国神社の境内に入ると桜がもう咲いていた。

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名古屋は開花宣言があったばかりだが、この場所は北風が当たらないのか、桜はもう満開状態だ。

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思いがけず、一足早く花見ができた。


旬菜処かのうに近づくと店の前の桜と紅梅が競って咲いていた。
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定刻の19時になり宴が始まった。
今日の大吟醸生は13銘柄だそうだ。
大吟醸しかも生酒を13本利くのは、自宅ではできない貴重な機会だ。

〈今日の出品酒〉
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利き酒と全体評価が終わり、ベールが取られ、勢揃いした13銘柄の大吟醸生たち。

以下、個人の利き酒の印象と評価を記載する。
個人の嗜好によるもので客観性はないが、ブラインドなので先入観なしの生の印象であることは間違いない。

(1)
風香 純米大吟醸 山田錦 50% 172018/02
 
梅乃宿 (奈良
)
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立香甘い、吟醸香が快い。甘い入り口。含み香も吟香。酸は透明で切れを感じさせるもの。ふくらみもある。中盤、辛味があり、その後の切れが良い。苦渋は締める程度で浮かず適度。残り香も適度の吟香。 評価9.0




(2)
横山五十 純米大吟醸 直汲み生 山田錦 50% 162018/01 重家酒造 (長崎)
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立香は軽いエチル系のもの。甘くトロリとした入り口。滑らかな舌触りが特徴。中盤以降の切れも良い。評価8.0




(3)
蓬莱泉 純米大吟醸 生  関谷醸造 (愛知)
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立香は仄かな吟醸香で快く、上品さを感じさせる。入り口甘い。軽い透明な酸。中盤に辛味と苦味があるが適度で切れの良さを感じさせる。残り香も吟香だが上品さを感じさせる程度。全体として吟醸酒らしい世界で上品。加えればもう少し広がり・ふくらみが欲しい。評価8.0




(4)
栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒 五百万石 50% 17.12017/11 冨士酒造 (山形)
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立香はあまり感じない。甘くトロリとした入り口。含み香は少しムッとする様な麹香のようなもの。酸のふくらみはあるが透明感がなく、見通しが効かないどんよりとした印象、切れは良くない。評価7.0




(5)
荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV 山田錦 50&40 152017/05 加茂錦酒造 (新潟)
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立香はあまり感じない。スッキリとした入り口。味のバランスは良い。おとなしい印象。トロリとしているがふくらみはない。おとなしく優しい世界だがもう少し切れが欲しい。評価7.0




(6)
純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒 162018/02 丸石酒造 (愛知)
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立香はあまり感じない。入り口は酸味、発泡感を感じる。酸はふくらまないが発泡感切れのある透明感がある。シュワシュワの切れの良い大吟醸の世界だが、含み香は個性を感じさせるもの。評価8.0




(7)
常山 純米大吟醸 超辛 直汲生 五百万石 50% 16-172017/12 常山酒造 (福井)
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立香はあまり感じない。スッキリとした入り口。含み香は単なる吟香ではなく個性的なもの。酸はふくらむ。中盤以降切れる。含み香も感じる。味わいの展開が安定した展開ではなく、早く始まったかと思うと突然終わる感じで落ち着かない。評価7.0




(8)
東一 大吟醸 にごり酒 山田錦 39% 172018/01 五町田酒造 (佐賀)
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霞がかかった霞酒。立香はあまり感じない。あまり入り口。トロリとした舌触り。味は偏りがなくバランス良い。中盤以降スッキリ切れる。切れの良さを感じさせる世界だが評価が難しい。無いものねだりだが一寸優しさが欲しい。評価8.0




(9)
一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒 山田錦 35% 17-182017/12 宇野酒造場 (福井)
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立香あまり感じない。甘い入り口。トロリとした舌触り。含み香吟香だが、やや切れがなく纏わりつく感じ。中盤以降辛味。後半味わいが長引いて切れが良くない印象がある。評価8.0




(10)
惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒 五百万石 50% 152017/12 惣誉酒造 (栃木)
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立香はあまり感じない。スッキリとした入り口。含み香は吟香ではなく、麹香のようなもの。トロリとした丸い舌触り透明な味の塊を感じる。含み香も続く。後半は切れが良い。評価8.0





2018-03-16 (Fri)

2018/03/16 日本酒の会sake nagoya 3月定例会 (その2)

2018/03/16 日本酒の会sake nagoya 3月定例会 (その2)

(11) 東鶴 純米大吟醸 生 山田錦 40% 16度 2017/12 東鶴酒造 (佐賀) 立香は仄かな吟醸香。スッキリとした入り口で甘さを感じさせる。含み香の吟香がほんのりと快い。味のバランスが良い。透明な酸のふくらみ、苦・渋は浮かず後半の切れが良い。吟醸酒らしい世界を感じさせる酒だ。評価9.0。(12) 村祐 黒 無濾過本生 酒米・精米非公開 15度 村祐酒造 (新潟) 立香は吟醸香というより個性的な香りで、敢えて例えれば乾物のよ...

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(11)
東鶴 純米大吟醸 生 山田錦 40% 16度 2017/12 東鶴酒造 (佐賀)






立香は仄かな吟醸香。スッキリとした入り口で甘さを感じさせる。含み香の吟香がほんのりと快い。味のバランスが良い。透明な酸のふくらみ、苦・渋は浮かず後半の切れが良い。吟醸酒らしい世界を感じさせる酒だ。評価9.0。




(12) 村祐 黒 無濾過本生 酒米・精米非公開 15度 村祐酒造 (新潟)




立香は吟醸香というより個性的な香りで、敢えて例えれば乾物のような乾いた香りを含む。

 甘い入り口。酸は滑らかでトロリとしている。含み香も個性的。酸を感じさせた後、中盤以降切れる、スピード速い。
大吟醸らしいという世界ではなく、個性的な世界。評価7.0。



(13) 播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生 兵庫北錦 50% 16度 2017/12 山陽盃酒造 (兵庫)







立香はあまり感じない。トロリとした舌触り。含み香はエチル系。酸はトロリとして丸い世界。中盤、底に渋味を感じる。後半の切れが遅く、含み香も長い。評価7.0。






〈個人な利き酒評価あれこれ〉

ブラインド評価をするこの会は、自分の嗜好に気づく場でもある。
 一般的な嗜好と個人的な嗜好との違い、個人的な嗜好と価格の関係など自分を知ることの機会を与えてくれる場である。


(1) 個人の評価結果







































































(1)



風香 純米大吟醸



9



(2)



横山五十 純米大吟醸 直汲み生 



8



(3)



蓬莱泉 純米大吟醸 生



8



(4)



栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒



7



(5)



荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV



7



(6)



純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒



8



(7)



常山 純米大吟醸 超辛 直汲生



7



(8)



東一 大吟醸 にごり酒



8



(9)



一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒



8



(10)



惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒



8



(11)



東鶴 純米大吟醸 生



9



(12)



村祐 黒 無濾過本生



7



(13)



播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生



7




この会の採点は10点満点だが、筆者は5点以下はつけたことがないので、5点法でもよいのだがルールには従わなければならない。


(2) 個人の評点による順位







































































(1)



風香 純米大吟醸



9



(11)



東鶴 純米大吟醸 生



9



(2)



横山五十 純米大吟醸 直汲み生 



8



(3)



蓬莱泉 純米大吟醸 生



8



(6)



純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒



8



(8)



東一 大吟醸 にごり酒



8



(9)



一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒



8



(10)



惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒



8



(4)



栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒



7



(5)



荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV



7



(7)



常山 純米大吟醸 超辛 直汲生



7



(12)



村祐 黒 無濾過本生



7



(13)



播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生



7





(3)
価格順位
出品酒の価格は、この場では不明だが、終了後調べてみた。
(ネットで調べたので、店舗による高安があるかもしれない。
蓬莱泉の純米大吟醸については瓶・ラベルによる銘柄が判断できないので、本社蔵純米大吟醸生量り売り1800mmの価格とした。
税込み・外税の混在があるかも知れない。)







































































(12)



村祐 黒 無濾過本生



8640



(11)



東鶴 純米大吟醸 生



6048



(3)



蓬莱泉 純米大吟醸 生



5334



(8)



東一 大吟醸 にごり酒



4320



(2)



横山五十 純米大吟醸 直汲み生 



3970



(1)



風香 純米大吟醸



3900



(7)



常山 純米大吟醸 超辛 直汲生



3780



(6)



純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒



3630



(9)



一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒



3478



(5)



荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV



3326



(4)



栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒



3240



(10)



惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒



3240



(13)



播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生



3240





自分の評価と価格を見比べてみると、自分の嗜好と酒蔵の造りのコンセプトについてあれこれ考えてしまう。

・嗜好と価格
値段を知って飲む場合は、価格のハロー効果があるので、齟齬は起きにくいが、ブラインドの場合はそうは行かない。
価格が高くても嗜好と合わなければ、あるいはテーマと合わなければ、評価は下る。
 今回では、村祐が一致しないケースだ。最高価格だが、評価は7点だった。
 村祐黒は本生で製造は平成29年12月になっている。この表記と香り味わいとがしっくりこない。
 本生で昨年12月製造ならばもう少し、吟醸香が立ちフレッシュな味わいになるはずなのだが、利いた印象では熟成酒のような香りと滑らかな舌触りだ。
 製造が29年12月でも醸造が27年3月ならば、表記と味わいの関係がhappyになるのだが。

 価格は高いが評価も高ければ関係はhappyだ。今回では東鶴はそうだった。点数は9点だが、価格も2番目に高い。


・コストパーフォーマンス
価格が高い酒が高い評価になるのは当たり前。
ただ、嗜好の違いは人それぞれなので、人ごとに結果は異なるが、同じ人の中では価格の序列は有効と考えるのが自然だ。

一面、価格が高い酒と安い酒を同じ基準で表はするのは不公平だ。
 だから、価格は安いが評価は高い酒がコストパーフォーマンスが高いと言える。

そこで、評価点数で価格を割り、評価1点あたりの価格を計算してみた。

(4) 評価1点あたりの価格

































































































(1)



風香 純米大吟醸



9



3900



433



(2)



横山五十 純米大吟醸 直汲み生 



8



3970



496



(3)



蓬莱泉 純米大吟醸 生



8



5334



667



(4)



栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒



7



3240



463



(5)



荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV



7



3326



475



(6)



純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒



8



3630



454



(7)



常山 純米大吟醸 超辛 直汲生



7



3780



540



(8)



東一 大吟醸 にごり酒



8



4320



540



(9)



一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒



8



3478



435



(10)



惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒



8



3240



405



(11)



東鶴 純米大吟醸 生



9



6048



672



(12)



村祐 黒 無濾過本生



7



8640



1234



(13)



播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生



7



3240



463




点数1点あたりの価格が小さいほど、コストパーフォーマンスが良いことになる。

(5)
評価1点あたりの価格で並べ替えてみた結果

































































































(10)



惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒



8



3240



405



(1)



風香 純米大吟醸



9



3900



433



(9)



一乃谷 大吟醸 斗瓶中取り 無濾過生原酒



8



3478



435



(6)



純米大吟醸 二兎 備前雄町 四十八 生原酒



8



3630



454



(4)



栄光冨士 ZEBRA 純米大吟醸 無濾過生原酒 限定酒



7



3240



463



(13)



播州一献 純米大吟醸 北錦 無濾過生



7



3240



463



(5)



荷札酒 月白(げっぱく) 純米大吟醸 しぼりたて 28BV



7



3326



475



(2)



横山五十 純米大吟醸 直汲み生 



8



3970



496



(7)



常山 純米大吟醸 超辛 直汲生



7



3780



540



(8)



東一 大吟醸 にごり酒



8



4320



540



(3)



蓬莱泉 純米大吟醸 生



8



5334



667



(11)



東鶴 純米大吟醸 生



9



6048



672



(12)



村祐 黒 無濾過本生



7



8640



1234





(1)
個人の評価結果と(5) 評価1点あたりの価格で並べ替えてみた結果を見比べると、自分の嗜好と価格との間の微妙な関係に気づく。

(1)は絶対評価で価格は考えていない(5)は価格の要素を入れた。
 それによって順位が変化する。最高位にいた東鶴が12位にに後退する。
 隠れている感じの惣誉が1位になる。

お金が沢山あって、困らない人は、(1)の評価に従って行動すれば良い。

一方、高くて美味しいのは当たり前、安くて美味しいことが大切だと考えるならば(5)の表が重要だ。


2018-03-16 (Fri)

2018/03/16  日本酒の会sake nagoya 3月定例会  (その3)

2018/03/16  日本酒の会sake nagoya 3月定例会  (その3)

<今日の料理> 毎回、テーマを考えて料理を出していただける旬彩処かのうさんの料理は楽しみだ。 ・豚肉、菜の花、豆腐、ひらたけの鍋 甘みのある出汁に醤油の香ばしさがベースの鍋。 具材の豚肉は肉の旨味がある。 菜の花は、シャキシャキした食感で甘みがある。 豆腐は柔らかい食感と甘み。 きのこはシャキシャキした食感。 素...

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<今日の料理>
毎回、テーマを考えて料理を出していただける旬彩処かのうさんの料理は楽しみだ。

・豚肉、菜の花、豆腐、ひらたけの鍋
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甘みのある出汁に醤油の香ばしさがベースの鍋。
具材の豚肉は肉の旨味がある。
菜の花は、シャキシャキした食感で甘みがある。
豆腐は柔らかい食感と甘み。
きのこはシャキシャキした食感。
素材の食感と味わいが感じられる。


・ホタテの酒蒸し
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甘みのある旨味の出汁にほんのりと磯の香が漂う。
貝から身を取り出して口に入れるとホタテの香りと旨味が口の中に広がる。香りが良いのは素材が新鮮だからだ。

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利き酒終了後、出汁を惣誉に合わせた処、惣誉透明感のある味の塊とホタテの旨味が合体してマリアージュ状態になり良かった。



・ちらし寿司
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鮪の漬け、椎茸、豆腐、筍、海老、鳥貝など具沢山。
海鮮の旨味がアクセントになっっている。
椎茸は肉厚でシコシコとした豊かな食感がある。



・赤だし
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三つ葉の香りと赤味噌の香りと出汁の香りが婚前と立ち上がる。
なめこはトロリとなめらかな食感。


・漬物
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大根の粕漬けときゅうりの浅漬



今日の「純米大吟醸生酒」のテーマは人気で、新しい人も多く参加して、女性の参加者が多かった。
美味しい日本酒と料理に情熱を向ける人達が増えている。
考えてみれば当然な事なのだが

来月、2018420日(金)のテーマは、「生酛(きもと)造り」の酒。

かなりマニアックな世界の探求になるが、どんな銘柄が登場するか楽しみだ。
新しい発見があるに違いない。





2018-03-16 (Fri)

2018/03/16  日記  沈丁 または 暗香浮動

2018/03/16  日記  沈丁 または 暗香浮動

2018/03/16 (金) 旧暦:1月29日 祝日・節気:  日出:5時51分 日没:17時48分 月出:5時13分 月没:16時29分 月齢:28.25 干支: 丁未 六曜: 大安 九星: 五黄土星 今日のあれこれ: 沈丁 (夜の沈丁花 Mostly Flowers http://nick-h.at.webry.info/200803/article_5.html より転載 ) 『ジンチョウゲ(沈丁花)とは、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木...

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2018/03/16 () 旧暦:129日 祝日・節気:  日出:551分 日没:1748分 月出:513分 月没:1629分 月齢:28.25 干支: 丁未 六曜: 大安 九星: 五黄土星

今日のあれこれ: 沈丁

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(夜の沈丁花 Mostly Flowers
http://nick-h.at.webry.info/200803/article_5.html
より転載




『ジンチョウゲ(沈丁花)とは、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木。チンチョウゲとも言われる。漢名:瑞香、別名:輪丁花。 原産地は中国南部で、日本では室町時代頃にはすでに栽培されていたとされる。日本にある木は雄株が多く、雌株はほとんど見られない。挿し木で増やす。赤く丸い果実をつけるが、有毒である。花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われる。

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月末ないし3月に花を咲かせることから、春の季語としてよく歌われる。つぼみは濃紅色であるが、開いた花は淡紅色でおしべは黄色、強い芳香を放つ。枝の先に20ほどの小さな花が手毬状に固まってつく。花を囲むように葉が放射状につく。葉の形は月桂樹の葉に似ているが月桂樹よりも軟弱。

名前の由来
沈丁花という名前は、香木の沈香のような良い匂いがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木、という意味でつけられた。223日の誕生花。学名の「Daphne odora」の「Daphne」はギリシア神話の女神ダフネにちなむ。「odora」は芳香があることを意味する。

花言葉は「栄光」「不死」「不滅」「歓楽」「永遠」。
...』(Wikipedia



沈丁の俳句:



・香の甘し逢魔が時の沈丁花   高木邦雄



・格子より鼓打つ音沈丁花  野口香葉

・手をつなぐ宵のふたりや沈丁花  赤座典子


・沈丁や黒髪に手をさし入れて 中田剛

・沈丁や夜でなければ逢へぬひと 五 所平之助


・女教師の夕の身仕舞沈丁花  飯田眞理子

・深く息して沈丁を離れけり 石川美佐子



好きな言葉に、「暗香浮動」がある。
暗い闇の中に、そこはかとなく良い香りが漂うと言う意味だ。

「疎影横斜水清淺 暗香浮動月黄昏」は茶の湯で使われる禅語にもなっている。
柴山全慶の解釈では、「梅影が水に映り、暗香が微かに流れる。現成そのまま悟りの妙景」だそうだ。

出典は、中国北宋時代の詩人林逋(9671028)の詩「山園小梅」に拠っている。

『山園小梅 山園の小梅

衆芳揺落独嬋妍 衆芳 揺落して 独ひとり嬋妍たり
占尽風情向小園 小園にて 風情を占め尽くす
疎影横斜水清浅 疎影 横斜して 水 清浅
暗香浮動月黄昏 暗香 浮動して 月 黄昏
霜禽欲下先偸眼 霜禽 下らんと欲して 先ず眼を偸む
粉蝶如知合断魂 粉蝶 如もし知らば 合まさに魂を断つべし
幸有微吟可相狎 幸に微吟の相い狎なるべき有り
不須檀板共金樽 須もちいず 檀板と金樽とを


山の中の梅の園では、水は澄み、暗闇に梅の香が漂い、月が美しく昏れている。
鳥も蝶もこの梅の園を楽しんでいる。
自分の詩を小声で唱えば、楽器や酒で宴を催す必要もない。
と言った意味だ。


暗香浮動は梅の香りだが、沈丁にも同じ世界がある。
実は梅より沈丁のほうがその性格が強いとも言える。
梅は小さい花だがそれなりに気高く美しい、沈丁の花は一つ一つは美しいとは言えない、姿より香りが沈丁だ。


フェロモンというものが生き物にはあるそうだ。
昆虫も人間にもそれぞれのフェロモンが用意されている。
「フェロモン(pheromone)は、動物または微生物が体内で生成して体外に分泌後、同種の他の個体に一定の行動や発育の変化を促す生理活性物質のことである。」
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%A2%E3%83%B3


これは、甘い香りとか酸っぱい香りとか臭い臭いとかではなく、直接官能に働きかえる作用があるから厄介だ。
最近の女性は「無理!」と言う表現を使って、男を選別するが、その背景にはこのフェロモンが働いているそうだ。


前置きが長くなった。
闇に漂う香りは、危険だ。
匂いは、理性・知性・知識と言った心の秩序を飛ばしてしまう。
暗い闇の中で突然襲われる子犬のようなものだ。
抵抗することもできず、匂いに囚われてしまう。

沈丁の香りにもその様な働きがある。
飛ばされている俳人たちの証言の句を抜き出してみた。

逢魔が刻、突然、沈丁の香りに出くわす。
その時こそが始まりだ。

宵闇の中、沈丁の香りに男と女は手をつながされる。

男の中田は黒髪に手を差し入れている、黒髪の美人に違いない。
映画監督の五所が夜の暗闇の中でだけ逢った「ひと」。誰だか判らないが、美人でない訳がない。


女の俳人は、
飯田は宵闇までは教師、闇が来れば沈丁の香りを身に纏い、身支度を夜に切り替え、闇の中に消えていく。

秘密主義者の石川は多くを語らない。
深く吸い込んだ沈丁の香りのフェロモンに、心を決めたことは間違いがない。

沈丁の夜には気をつけよう。

マリリン・モンローはシャネルNo.5 を着て、眠った話は有名だ。
香りは危険だ、そして魅惑的だ。





2018-03-15 (Thu)

2018/03/15 藤井六段 中学生でC級2組全勝1期抜け

2018/03/15 藤井六段 中学生でC級2組全勝1期抜け

羽生永世七冠を破り、師匠の杉本七段に恩返しし、2017年度の勝率、勝利数、対局数、連勝の記録全4部門で1位となり四冠王になったばかりの藤井六段が、今日もまた新しい記録を創った。 全勝1期抜けは6人目だが、中学生は史上初。今日の相手の三枚堂達也六段は、公式戦2敗目を喫した因縁の相手だったが、リベンジを果たした。 しかも、今日は危なげのない経過で、将棋が判る人の目には圧勝だったようだ。連勝も15に伸びたこと...

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羽生永世七冠を破り、師匠の杉本七段に恩返しし、2017年度の勝率、勝利数、対局数、連勝の記録全4部門で1位となり四冠王になったばかりの藤井六段が、今日もまた新しい記録を創った。
 全勝1期抜けは6人目だが、中学生は史上初。

今日の相手の三枚堂達也六段は、公式戦2敗目を喫した因縁の相手だったが、リベンジを果たした。
 しかも、今日は危なげのない経過で、将棋が判る人の目には圧勝だったようだ。

連勝も15に伸びたことだし、今後の活躍、記録造りはなお続く、当分将棋界の話題は尽きることがない。



『藤井聡太六段 史上初 中学生でC級2組全勝1期抜け 史上4人目の年度60勝達成

3/15(木) 20:31配信 産経新聞


対局中の藤井聡太六段=15日、東京都渋谷区

 将棋の順位戦C級1組への昇級を決めている将棋の最年少プロ、藤井聡太六段(15)は15日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われた第76期名人戦順位戦C級2組の最終10回戦で、三枚堂(さんまいどう)達也六段(24)に85手で勝って10戦全勝とし、史上初の中学生で同組全勝1期抜けを果たした。同組全勝1期抜けは6人目。公式戦通算成績は70勝11敗で、史上4人目の年度60勝を達成し、連勝も15に伸ばした。

 藤井六段は先月1日、同組9回戦で勝ち、9連勝でC級1組への昇級を決め、規定により五段に昇段。同17日には第11回朝日杯オープン戦準決勝で羽生善治棋聖(47)=竜王=を、決勝で広瀬章人八段(31)をそれぞれ破り、最年少の15歳6カ月で中学生初の一般棋戦優勝。規定により、加藤一二三・九段が持つ16歳3カ月を抜いて最年少で六段に昇段した。

 今月13日には今年度の将棋界の記録4部門(対局数、勝数、勝率、連勝)の1位独占が確定した。

 終局後、藤井六段は全勝でのC級2組1期抜けについて、「最後、良い形でフィニッシュできたことはうれしく思っている」と話し、15連勝については「(29連勝のときと違い)今回の連勝は意識していないので、今まで通りの気持ちで臨みたい」と気を引き締めていた。』
(産経新聞)



『藤井六段、公式戦15連勝…最年少で年度60勝
2018年03月15日21時01分


   
三枚堂六段に勝利し、対局後に笑顔をみせる藤井六段

 将棋の中学生棋士・藤井聡太六段(15)は15日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館での対局で三枚堂達也六段(24)に85手で勝利し、公式戦の連勝を15に伸ばすとともに、史上最年少で史上4人目の年間60勝を達成した。

 過去、年間60勝を達成した棋士は、4度達成した羽生善治竜王(47)と森内俊之九段(47)、木村一基九段(44)の3人。年間最多勝は羽生竜王が2000年度に記録した68勝。

 この日の対局は、名人戦の予選にあたる順位戦C級2組。すでにC級1組昇級を確定させていた藤井六段は10戦全勝となり、順位戦参加初年度に全勝で昇級した6人目の棋士になった。

 三枚堂六段戦は、横歩取りの力戦となり、中盤からリードを拡大した藤井六段がそのまま押し切った。終局後、藤井六段は「本局は模様の良さをいかすことができました。(10戦全勝という)いい形でフィニッシュできたことはうれしく思います」と話した。』


(読売新聞)




2018-03-15 (Thu)

2018/03/15  日記  涅槃

2018/03/15  日記  涅槃

2018/03/15 (木) 旧暦:1月28日 祝日・節気:  日出:5時52分 日没:17時48分 月出:4時37分 月没:15時31分 月齢:27.25 干支: 丙午 六曜: 仏滅 九星: 四緑木星 今日のあれこれ: 涅槃 「釈迦涅槃図 お絵解き「お釈迦さま 最後の旅」」 https://youtu.be/joIIz2UA8Co 『涅槃会(ねはんえ、ねはんゑ) 仲春 子季語: 涅槃、お涅槃、涅槃の日、涅槃忌、仏忌、涅槃像、涅槃絵、寝釈迦、仏の別れ、二月の別れ 去りし仏、鶴の...

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2018/03/15 () 旧暦:128日 祝日・節気:  日出:552分 日没:1748分 月出:437分 月没:1531分 月齢:27.25 干支: 丙午 六曜: 仏滅 九星: 四緑木星

今日のあれこれ: 涅槃

「釈迦涅槃図 お絵解き「お釈迦さま 最後の旅」」




https://youtu.be/joIIz2UA8Co



『涅槃会(ねはんえ、ねはんゑ) 仲春
子季語: 涅槃、お涅槃、涅槃の日、涅槃忌、仏忌、涅槃像、涅槃絵、寝釈迦、仏の別れ、二月の別れ
去りし仏、鶴の林、涅槃寺、涅槃講、涅槃粥、涅槃変、団子撒き、涅槃図、涅槃仏
関連季語:      
解説 : 釈迦が沙羅双樹の下に入滅した日にちなむ法要。旧暦の二月十五日であるが、新暦の二月十五日あるいは三月十五日に執り行われる。各寺院では涅槃図を掲げ、釈迦の最後の説法を収めた「遺教経」を読誦する。参詣者には涅槃だんごなどがふるまわれる。
来歴: 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
文学での言及: 双林入滅 きさらぎや薪つきにし春を経て残る煙は霞なりけり 円空上人『続拾遺集』
実証的見解: 涅槃会は、釈迦の誕生にちなむ仏性会、釈迦の悟りにちなむ成道会とともに三大法要として重んじられているもの。当日は涅槃図を掲げて法要を営む。涅槃図は、沙羅双樹のもとに横臥した釈迦のまわりを、弟子や動物が取り囲んだ図で、なかでも京都興福寺の吉山明兆作の涅槃図はその雄大さで知られている。
釈迦が入滅した日は実際は定かでないが、『大般涅槃経』の記述にもとづいて二月十五日とされる。』
(季語と歳時記)



涅槃の俳句:




・沙羅の樹の空七彩に涅槃像  吉村ひさ志




・燭の火が涅槃経に和して揺れ  山口速




・山寺や涅槃図かけて僧一人 星野立子






今日は、涅槃の日。
仏教が社会の柱であった頃、お寺が庶民の生活の中心であった頃、涅槃の日にお寺で涅槃図を見ながらお釈迦様の最後の言葉や導師の説法を聞くのが楽しみだったそうだ。

中世には絵解きが隆盛になり、専門的に絵解きを行う比丘尼も登場した。
掲載動画は、その伝統を現代に蘇らせる試みのようだ。

絵解については以下wiki参照。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B5%E8%A7%A3


お寺の復権については、志のある僧侶が努力をしているが、葬式仏教に堕してしまったお寺の存在から抜け出すのは難しい。
お寺は、不安・迷い・悲しみ・絶望といった心の悲鳴を正面から取り上げる場になる必要がある。
心の病は精神医に任せれば済むほど少なくはない。
ただ、耳を傾け聞いてあげるだけでも良いし、長い歴史の中で解決の方法は既に用意されている筈だ。





2018-03-14 (Wed)

2018/03/14  第333回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

2018/03/14  第333回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

岐阜の酒の中島屋主催の宴に参加した。 今回は333回目ゾロ目の記念すべき回、次のゾロ目は111回後、10年位先になる。 会場は、楮グループのMINOてつめい。 開催時刻は、水曜日の夜8時から10時までだが、酒の中島屋店主の吟味された銘酒とMINOてつめいの創作料理のコラボレーションとなれば参加せざるを得ない価値がある。 岐阜駅を出て、徹明町まで歩く。 今までは日曜日...

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岐阜の酒の中島屋主催の宴に参加した。
今回は333回目ゾロ目の記念すべき回、次のゾロ目は111回後、10年位先になる。
会場は、楮グループのMINOてつめい。

開催時刻は、水曜日の夜8時から10時までだが、酒の中島屋店主の吟味された銘酒とMINOてつめいの創作料理のコラボレーションとなれば参加せざるを得ない価値がある。


岐阜駅を出て、徹明町まで歩く。
今までは日曜日の昼の開催が多かったが、今回は夜。

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お店の佇まいも夜の顔だ。


店に入り、会費を支払い、所定の席に着く。
今回は、総勢24名だったが、インフルエンザで2名欠席、22名の参加者になり、若い女性が多いとのことだ。

定刻の8時になり、中島屋店主から今日の宴の説明がある。3月は酒蔵の繁忙期のため蔵元の参加はない。
今日の出品酒につきコーナー毎の説明があり、乾杯、新酒、吟醸酒飲み比べ、30年ものの超古酒の飲み比べ。
今回の柱は2本で、新酒は酒米別にしぼりたてを飲み比べる。

熟成酒の方は新潟の久須美酒造出荷の30年ものの熟成酒「清泉 亀の翁 くらっしく」と酒の中島屋で冷蔵熟成させた「清泉 亀の翁」の飲み比べ。
こちらの方は、開栓してみなければ判らないリスキーな酒なので、承知の上利いてほしいとの説明があった。
出品酒リストを見ると、「清泉 亀の翁 純米大吟醸」33年の熟成酒と書かれている。これは大変な酒だ。


宴は、出品酒を順番に飲み、並行してMINOてつめいの料理が提供される。
利きながら、食べながらの進行なので忙しい。進行通り記事を書くと纏まりが無くなるので、お酒と料理は区分して書くことにする。

出品酒は、中島屋店主のシナリオに沿って、各コーナーが設定されており、順を追ってお酒が登場する。



<乾杯>
今日の乾杯酒は美丈夫
(1)
美丈夫 舞 純米大吟醸 うすにごり 濱川商店 (高知)
この酒米は松山三井。

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グラスに注ぐと中から泡が立ち上る。



https://youtu.be/hzk29Da2uc4


入り口甘い。柔らかく優しい発泡感で辛くはない。中盤からスッキリと切れる。含み香は甘いもので麹香もある。甘く柔らかい世界で、軽やか、乾杯の酒に適している。

この酒があれば、洋風のパーティーでもシャンパンはいらない。



<新酒しぼりたて生のお酒>
到着したばかりの新酒を、酒米別に飲み比べる趣向だそうだ。

(2)
美田 山廃純米 うすにごり生 みいの寿 (福岡)
この酒米は山田錦。

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グラスに注ぐと表面にヨーグルトのような澱が浮いている。

立ち香は甘いもの。甘い入り口。すぐ辛味があり切れの良さを感じさせる。次に酸味があるが透明感のあるもので切れが良い。後口は辛味系。


(3)
玉川 山廃純米 雄町 無濾過生原酒 木下酒造 (京都)
この酒米は雄町。

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立香は仄かに甘い、山廃だがそれらしい香りではない。先ずトロリとした舌触りを感じる。酸の膨らみが丸い、中心にある苦味と渋味を柔らかく包み込んでいる。含み香、味わいも山廃らしい癖の強さは感じない。丸く膨らみのある豊かな味わいの世界で、個性を感じる。雄町でこの様な膨らみを感じさせる造りができるのかと思わせた。
単独で飲んでも楽しいが、合わせる肴を探す楽しみがありそうな酒だ。

この酒は、周囲の女性に評判が良かった。


(4)
百歳 夜桜 漆黒 特別純米 無濾過生原酒 吉久保酒造 (茨城)
この酒米は常陸錦。

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甘い入り口。酸は膨らみがあるが、やや透明感が足りなく見通しが利かない印象。後半の展開は早目に終わり、押しは感じない。後半はやや寂しい感じ。全体として温和な世界、味の基調は苦・渋。


(5)
京ひな 深山 特別純米 直汲み生 酒六酒造 (愛媛)
この酒米は松山三井。

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立ち香は甘く、ふんわりと漂い快い。甘い入り口。まったりとした膨らみ、酸の丸みあり。中盤からの切れが良い、含み香は仄かな麹香を感じる。後半にかけて苦・渋は感じない、軽く締める程度で切れの良さを感じさせる。

京ひなはお気に入りの銘柄だが、この酒も豊かさが有り、切れもよく、京ひなの良さを再確認した。
周りの女性達も美味しいと評価していた。


(6)
白岳仙 純米大吟醸 限定商い 生 安本酒造 (福井)
この酒米は、吟のさと、五百万石。

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(会場で写真を取り忘れたので、ネット上から借用した。)

立香は甘い仄かな吟醸香。甘い入り口。切れの良さを感じさせる入り口で、酸はスッキリとして透明感がある。含み香も吟醸香だが立ちすぎず快い。中盤以降も切れがよく、有りがちな甘・苦の展開はなく、大吟醸らしい世界を持っている。

周りの女性の評判が良かった。



<今日の贅沢・吟醸酒 飲み比べ>

(7)
墨廼江 純米吟醸 八反錦 墨廼江酒造 (宮城)
この酒米は八反錦。

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立ち香甘い。甘い入り口。酸はあまり膨らまず、早目に終わる。後半は苦・渋があるが軽いもの。全体の印象としておとなしい世界。


(8)
四季桜 特別純米 宇都宮酒造 (栃木)
この酒米は美山錦。

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甘い立香。甘い入り口。スッキリとした酸だが膨らみもあり、透明感がある。後半、やや渋みが浮く。後半の切れが欲しい後口だ。


(9)
笹一 山廃純米 笹一酒造 (山梨)
この酒米は夢山水。

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立香は甘いもの。トロリとした舌触り、甘い入り口。酸は丸みがあるもので透明感もある。辛味、苦渋は上手くコントロールされていて、癖を感じさせない。終盤もスッキリとして切れる。従来の山廃らしさを感じさせない世界。




2018-03-14 (Wed)

2018/03/14  第333回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

2018/03/14  第333回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

<今日の贅沢・吟醸酒 飲み比べ> (10) 出羽桜 一路 純米大吟醸 出羽桜酒造 (山形) この酒米は山田錦。  立ち香、吟醸香高い。甘い入り口。含み香も吟醸香。酸は適度で切れが良い。底に軽い渋味が締める。吟醸香の含み香が長く続く、しつこいと感じる人もいそうだ。 (11) 清...

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<今日の贅沢・吟醸酒 飲み比べ>

(10)
出羽桜 一路 純米大吟醸 出羽桜酒造 (山形)
この酒米は山田錦。

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立ち香、吟醸香高い。甘い入り口。含み香も吟醸香。酸は適度で切れが良い。底に軽い渋味が締める。吟醸香の含み香が長く続く、しつこいと感じる人もいそうだ。


(11)
清泉 亀の翁 純米大吟醸 久須美酒造 (新潟)
この酒米は亀の尾。

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立ち香は仄か。甘い入り口。穏やかな含み香。酸のバランスが良い。味わいの偏りがなく、優しい味わいの世界。

この酒は、「清泉 亀の翁 純米大吟醸」の現行バージョンである。
出荷は今年20183月で最新、製造は20164月となっている。
ラベルで見ると、利いた印象が得心できる。
新酒にしては、穏やかな佇まいでバランスが良く、フレッシュだが味わいが暴れるといった新酒らしさがない。
穏やかな上品さの世界を持っている。


(12)
清泉 亀の翁 くらしっく 純米大吟醸 30年熟成酒 久須美酒造 (新潟)
この酒米は亀の尾。

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蔵元の久須美酒造が商品化した純米大吟醸の30年熟成酒。立香はエチル系の香りの中にかすかな老香。甘い入り口、含み香に老香を感じる。超古酒に期待するビロードもしくは絹の舌触りはあまり感じない。味わいは癖は感じないが、基調としては辛味系。残り香にも軽い老香をかんじる。

この酒は、久須美酒造が出荷した特別な酒で、355mlの容量で価格は、9,720円(税込)である。平成29年の出荷は限定600本。殆ど品切れで、入手不能、入手できてもプレミア価格で税込み16200円もする。

説明書きを「地酒の隠れ家 三清酒店」より転載させていただく。
『清泉 くらしっく30年熟成(穴蔵貯蔵)

亀の翁くらしっく01.jpgロバートパーカーポイント最高位を獲得した久須美酒造より、ワインのグランクリュヴィンテージに匹敵する日本酒史上かってない30年熟成酒が登場。その名は「亀の翁くらしっく」。当時専務であった久須美記廸(現会長)が昭和55年幻の酒米・亀の尾をロマンと執念の末ようやく見つけたわずか1500粒の種籾を2年の歳月をかけ昭和57年「純米大吟醸 亀の翁」を醸し“亀の翁伝説”が始まりました。生まれその後まもなく日本全土を席巻し一世を風靡した時に当時日本酒業界が全く考えもしなかった熟成を楽しむ時代が来ることを予見したて貴重な酒の一部を久須美酒造敷地の裏山にある深さ約25mの穴蔵に保管し大切に大切に寝かせ時が来るのを待ち続けついに今、日の元に登場、それはまさに唯一無二。

≪酒の履歴書≫

製造年度/昭和60年(1985年)極寒期 仕込み・製造・瓶詰め

精米歩合/50%(全量自家精米)

仕込み水/昭和60年 新潟県名水指定の自家湧水

アルコール度/16

熟成/穴蔵貯蔵20年 久須美酒造二代目・久須美作之助が明治時代に酒蔵裏山の水源林に掘った穴蔵   (深さ約25m

冷蔵庫貯蔵10年 久須美酒造三代目作之助が大正時代に建てた白壁欅づくりの蔵に設えた冷蔵庫

新瓶詰め替え/平成2810

容量・製品本数/355ml600

価格/9,720円(税込)

味わい/通常10年を過ぎる古酒は、色が茶色や赤っぽくなり、香りも老香を強く感じてしまうものですが、亀の翁30年熟成は黄金色でにごりもなく、スキッとしていて。高級ブランデーのような奥の深い得も言われぬ味わいです。冷蔵庫で管理し、飲むときは酒に眠る成分が花開く頃1213度位が適温。料理は和食はもちろんフレンチ、イタリアンでもお好み次第、食後酒でも合います。そして、何よりもこの酒を酌み交わしながらご自分のそしてご家族の30年間を振り返るのもまた味わいをさらに豊かにしてくれるでしょう。(久須美酒造七代目 久須美 賢和)

 
【店主より】本商品は、超希少につき当店入荷数も極小につき、ここでは商品紹介のみとさせていただいております。販売については当店規定によりますので直接当店にお問合せ下さい。
TEL 0257-22-3354
Mail sansei@eos.ocn.ne.jp

http://www.zizake-sansei.com/sake/kusumi/cat65/001324.html


<熟・醇・を飲む>

(13)
清泉 亀の翁 純米大吟醸 昭和60年製造 久須美酒造 (新潟)
この酒米は亀の尾。

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正面ラベルの上に清酒二級の表示がある。

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製造年月は昭和604月。
紛れもない33年超古酒である。

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酒の中島屋の冷蔵庫で33年の歳月ををかけ熟成した超古酒。立香は老香ではなく、香ばしい香り、敢えて言えば乾物系の香。甘くトロリとした舌触り。含み香もふんわりと香ばしいもので、老香ではない。舌触りはビロードの舌触りで、超古酒の世界がある。後半軽い辛味を感じる。残り香のほのかで、老香ではない。


(14)
天狗舞 石蔵 山廃純米吟醸生酒 平成17年製造 車多酒造 (石川)
この酒米は山田錦。

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立ち香は乾物系のもの。甘い入り口。酸は切れの良いもの。含み香有り。舌触りは良い。残り香まで乾物系の香りが続く、やや含み香が気になる感じもする。




<亀の翁 くらしっくと亀の翁昭和60年の印象>

冷蔵熟成30年を超える日本酒を利くことができるチャンスは滅多にない。
くらっしくもレア物で入手不可能であり、プレミア16200円個人的に飲むことはないだろうし、昭和60年ものはこの宴しか存在しないかもしれないし、その可能性は高いだろう。

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並べて利いた印象では、個人的には右の昭和60年の方が自分の嗜好に合った。
クラッシクは、立香は良いが、含み香に老香が感じられる。舌触りも超長期の熟成酒としては絹のような究極の舌触りまでは感じられなかった。
一方、昭和60年は、立香も含み香も老香はなく香ばしい香り。舌触りも、絹のような滑らかさを感じられた。
クラッシクは地下25mの穴蔵で熟成され、途中詰替えも行われているそうで、温度がやや高めになった時期があるのかもしれない。
昭和60年は、個別の瓶熟成で、冷蔵庫に33年間保管されてきたので、条件が一定していた効果かもしれない。

いずれにしても、30年を超える日本酒が今日2酒利くことができたのは、藤井六段の言葉を借りれば「僥倖」だった。
幸運に感謝する他はない。





2018-03-14 (Wed)

2018/03/14  第333回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

2018/03/14  第333回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

MINOてつめいの料理は、楮グループらしく、イメージした世界を持って、手を掛けて提供している。 ありふれた居酒屋料理とは違う、発見の楽しさを感じさせる。 ・鯛と分葱の梅味煎り酒浸し 煎り酒は、醤油が使われる前、室町時代から使われてきた調味料で、日本酒と梅干しを一緒に煮て造る調味料。 素材は鯛、分葱、梅干し(赤く見えるもの)...

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MINO
てつめいの料理は、楮グループらしく、イメージした世界を持って、手を掛けて提供している。
ありふれた居酒屋料理とは違う、発見の楽しさを感じさせる。


・鯛と分葱の梅味煎り酒浸し
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煎り酒は、醤油が使われる前、室町時代から使われてきた調味料で、日本酒と梅干しを一緒に煮て造る調味料。

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素材は鯛、分葱、梅干し(赤く見えるもの)、煎り胡麻。
日本酒の旨味に梅干しの味香を乗せた上品な味わいで鯛の刺身の上品さを邪魔しない。
分葱はヌタのようなトロリとした食感。
梅干しの実は上品さの中に塩味と梅の香でアクセントを付けている。
見た通りの綺麗な外観と上品な味わいが上手く調和している。



・蓬豆腐と白子の柚子風味のお椀
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葉に包まれているのが蓬豆腐。柚子が薬味として乗せられている。
蓬豆腐は胡麻豆腐のような食感で仄かな苦味があり、焼いてあるのか香ばしい香りを感じる。
白子はトロリと滑らかな食感。
出汁はトロリとした舌触りで、甘さの後ふんわりと旨味が口に広がる、美味しい出汁だ。
個性のある蓬豆腐と白子の味と食感をこの旨味のある出汁が纏めている。



・海老と芹のかき揚げ
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口元に寄せると海老の香りが立つ。
カリカリとした衣の食感、芹のパリパリとした食感の後、揚げすぎていない太目の海老の弾力のある食感が続き、海老の甘みと香りが口の中に広がる。
食材に合わせた揚げ方のチューニングが見事なかき揚げだ。




・里芋の海老味噌・このわた・西京味噌焼き
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蒸した里芋と天使海老を味噌で包み焼いてある。
里芋はネットリとした食感で口の中で滑らかに溶ける。
海老はサックリとした食感に甘みと旨味。
味噌は、海老の味噌と海鼠腸(このわた)と左京味噌を合わせたものだそうで、複雑な旨味を感じさせる。



・鴨肉と椎茸と蕗の薹の朴葉味噌焼き白髪ねぎ添え
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素材は鴨肉と厚みのある椎茸。
鴨肉はサクサクとした柔らかい食感で臭みはまったくない。朴葉味噌には蕗の薹の早春のほろ苦い味と香りが加わり、口の中に蕗の薹の香りが広がり春らしさを演出している。
椎茸は肉厚でシコシコとした椎茸の食感を味わうことができる、食べ終わると蜂蜜のような残り香を感じた。



・鯛と菜の花と大根の粕汁
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福井の銘酒加藤吉平商店の酒粕を用いた粕汁だそうだ。
鯛はホロリとした柔らかな食感と上品な味。
大根は酒粕の甘さとふんわりとした味わい
菜の花はサクサクとした食感で春を感じさせる。



・生海苔と焼きおにぎりの山葵茶漬け
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出汁は薄い塩味に旨味。生海苔の香りと旨味が加わる。
焼きおにぎりの香ばしさに山葵のピリリとしたアクセントと香りが加わる。
主役は生海苔で、最初から最後まで海苔の甘みと香りが持続する。



しぼりたての新酒からレアもものの銘酒まで幅広く日本酒を楽しむことができ、MINOてつめいの創意ある料理を楽しむことができた今宵の宴は最高だった。

またこの様な刻があれば嬉しいのだが。