天笠は負けてしまったが、完全燃焼の試合を見せてくれた。 タイトルは取れなかったが、観客を楽しませた点では勝利したといえる。 とにかく、天笠は1回から前に前に出続けた。 戦前、99%勝ち目はない、残り1%に賭けて、相打ちを目指すと言っていた。 殴り合いの間に勝機を見つける作戦で、我武者羅に前にでた。 リゴンドーはフットワークを使い、...
天笠は負けてしまったが、完全燃焼の試合を見せてくれた。
タイトルは取れなかったが、観客を楽しませた点では勝利したといえる。
とにかく、天笠は1回から前に前に出続けた。
戦前、99%勝ち目はない、残り1%に賭けて、相打ちを目指すと言っていた。
殴り合いの間に勝機を見つける作戦で、我武者羅に前にでた。
リゴンドーはフットワークを使い、闘牛士のように天笠をさばいた。
前後左右に動いて天笠を避けながら、パンチを当て続けた。
ところが、7回1%の勝機がやってきた。
天笠の右ストレートが当たるとリゴンドーは仰向けにひっくり返った。立ち上がったがまだ効いている。
2度めのダウンを奪ったがゴングに救われてしまった。
8回もリゴンドーは、ダウンの影響が残っていた。
この回に仕留められなかったのが、天笠の敗因だった。
金メダル2個の最強の王者リゴンドーに一泡吹かせたのだから、天笠はよくやった。
『天笠 リゴンドーに11回TKO負け
2014年12月31日
7回、リゴンドー(左)からダウンを奪う天笠尚=ボディメーカーコロシアム(撮影・保田叔久)
「WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(31日、ボディメーカーコロシアム)
ボクシングダブル世界戦のメーンイベントでWBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチが行われ、挑戦者でWBA同級10位、WBO同級6位の天笠尚(29)=山上=は統一王者のギジェルモ・リゴンドー(34)=キューバ=に11回終了TKOで敗れた。世界初挑戦の天笠は本来のフェザー級から1階級下げて最強王者に挑んだが、圧倒的不利の予想の中、ダウンを奪う、気持ちの入ったファイトを見せた。
7回終盤、圧倒的技術差を見せつけていたリゴンドーが余裕を持って右に回り込む。そこに天笠の右ストレートがさく裂した。鉄壁の防御技術を誇る王者がキャンバスに倒れ込む信じられないシーンが生じた。再開後、天笠が左フックを決めると王者はたまらずクリンチ。そのまま倒れスリップダウンとなったが、このラウンドはゴングに救われた。
試合決定から「勝算は3%。相打ちしかない」と悲壮な決意で臨んだ天笠渾身の一撃に、最強王者をあと一歩のところまで追い詰めた。
反撃に出たリゴンドーは10回に左ストレートでダウンを奪い返す。左ほほ、右目が腫れ試合は11回終了時にストップ。しかし天笠の勇気に会場の拍手は止まらなかった。
リゴンドーはシドニー、アテネで五輪2連覇後、2009年に米国に亡命。プロ転向後は7戦目でWBA世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得すると、ノニト・ドネア(米国)との統一戦を制し、現在は米国で対戦相手が現れないほどの世界トップクラスの王者。東洋太平洋フェザー級王者でもある天笠は1階級落として“最強王者”への挑戦に名乗りを挙げたが、。
リゴンドーの通算戦績は15戦15勝(10KO)。天笠は35戦28勝(19KO)5敗2分け。』(デイリースポーツオンライン)