春の日曜日、岐阜の酒の中島屋主催の日本酒と料理を楽しむ会に参加した。
今日は、250回目の節目に当たる目出度い日である。
第250回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い
日時: 2011年5月15日(日)
12:00~15:00
場所: ぶらっ菜 本店
岐阜県岐阜市西園町17 神野ビル1F

岐阜駅をでると、駅前は春の陽が一杯で、眩しい。
若葉が春の日に煌めく季節だが、駅前の信長像は若葉以上に金色の光輝いている。
会場のぶらっ菜は、今回初めてなので、場所は地図を見ていくことになる。岐阜駅から歩いて5分くらいの近さなので便利な場所だ。

角を左折すると、遠く人が立っているところがあった。日曜日なので殆どの店がシャッターを降ろしているので、人が立っているところがぶらっ菜だろうと思ったがその通りだった。

店構えはオープンデッキであり、開放感がある。
炉端焼き店のような印象だ。
三つ葉葵の暖簾が下げられている。

2階は簾がかけられた町家風だ。

1階はカウンター席になっている。
会場の2階に上がると、もう既に多くの参加者が着座していた。
受付を済ませ、指定されたテーブルの席に座る。
今日の会は、毎月行われている会より参加者が多い。
今日は250回目の記念すべき会であると同時に、今年は会場の都合で行われなかった「飛騨・美濃酒蔵の集い」の穴埋めの意味もある。
この2つの意味があり、酒蔵の参加者も多く、9蔵が参加している。
・玉柏醸造元 酒蔵やまだ 八百津町
・美濃天狗醸造元 林酒造? 可児市羽崎
・鯨波醸造元 恵那醸造? 中津川市
・達磨正宗醸造元 (資)白木恒助商店 岐阜市門屋
・房島屋醸造元 所酒造(有) 揖斐郡揖斐川町
・長良川醸造元 小町酒造? 各務原市
・榮一醸造元 ?林本店 各務原市
・三千盛醸造元 ?三千盛 多治見市笠原町
・初緑醸造元 高木酒造? 下呂市金山町
定刻の正午になり、小町酒造の金武の乾杯の発声で開始された。

途中、250回の長きにわたってこの会を運営されてきた中島屋店主ご夫妻に記念の花籠が贈呈された。
毎月開かれているこの会も250回開催するには、21年近くの歳月を要する。大変な歴史を持っている会である。当時生まれた赤ちゃんは、もう既に成人していることを想像すれば、その長さを実感できる。

司会者の発案で、参加者から質問を受ける事になった。
ご夫妻の馴れ初めは?
その詳細は書くことはできないので割愛する。
何でもそうだが、歴史というものは解釈でしか無い。歴史は当事者ごとに異なるのは芥川の藪の中と同じだ。
300記念回までは、50回ある。年月にして4年2ヶ月。その時まで是非ご夫妻に今まで通り仲良く、ご活躍いただいて、300回記念大会を盛大に行いたいと思う。
がんばれ日本、がんばれ東北、がんばれ日本酒!!
季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い!!
【今日の出品酒】
今回はいつもと違って、コーナーはなく、参加蔵ごとに2銘柄。他に3銘柄あり、合計22銘柄である。
この会は、瓶の勢揃いがないので、残念ながら写真は掲載できない。
印象を書いてあるが、個人的なものであり、客観性はない。あくまで個人的な感想である。N/Aと書かれているのもは、話に夢中になったため飲み逃したものである。
(1) 三千盛 まる尾 純米大吟醸 三千盛 (岐阜)
舌触り丸く、酸のふくらみがある。中盤から辛味を感じる。三千盛の中では酸と膨らみに特徴がある。
(2) 房島屋 純米 辛口 7号酵母 所酒造 (岐阜)
立香は仄かな枯れた香り。舌触りは丸いが、酸味はスッキリとして枯れた印象。含み香は軽いエチル香。中盤からスッキリと切れる。房島屋の純米では最も切れが良い印象で新しい世界を感じる。
(3) 房鳥屋 純米吟醸50 山田錦 生 所酒造 (岐阜)
N/A
(4) 達磨正宗 ファーストキッス 純米生 <平成22BY> 白木恒助商店 (岐阜)
立香はやや熟した香。甘味と酸の濃い味わい、底に辛味もある。含み香はエチル香。後口は辛味系。
(5) 達磨正宗 限定ブレンド古酒 <兎年> 白木恒助商店 (岐阜)
立香は熟香。色は薄い着色。甘い入り口の後カルメラの含み香。甘味+酸味+苦味+旨みの厚い味わい。後半には辛味も感じる。
(6) 征空 本醸造からくち 林本店 (岐阜)
甘い入り口、トロリとした舌触り。丸いふくらみがあるが切れは良い。
(7) 榮一 純米 秋田酒こまち <平成22BY> 林本店 (岐阜)
甘い入り口の後酸味。含み香はエチル香が鼻に抜ける。底に苦味を感じる。
(8) 長良川 純米 袋搾り <平22BY> 小町酒造 (岐阜)
甘い立香。甘酸っぱい味の後シュワシュワ、ピリピリの舌触り。含み香が長く続く。
(9) 長良川 超辛口 滓酒 <平成22BY> 小町酒造 (岐阜)
入り口甘い。スッキリとした酸。苦味もあり、後口は辛味系と多味である。揮発性の立香が鼻をくすぐりくしゃみが出た。
(10) 鯨波 純米吟醸 おりがらみ <平成22BY> 恵那醸造 (岐阜)
おりがらみだがカスミのような軽く細かい澱。甘くフルーティな酸。含み香は吟醸香。
(11) 鯨波 純米吟醸 恵那醸造 (岐阜)
N/A
(12) 玉柏 本醸造 酒蔵やまだ (岐阜)
立ち香は感じない。スッキリとしたバランスのとれた味わいの酒。アル添酒だが添加アルコールの存在は感じない穏やかさがある。中盤からなだらかに切れていき、後口も癖がない。上品さを感じる。
(13) 玉柏 純米酒 酒蔵やまだ (岐阜)
立香は感じない。甘い入り口。酸は軽く爽やか、底に苦味があり味を締めている。舌触りは丸くなめらか。後口は軽い苦味系。
(14) 初緑 特別純米 無濾過生原酒 <平成22BY> 高木酒造 (岐阜)
立香はあまり感じない。酸味系の味だがスッキリとしている。含み香は良い。中盤から辛味が出、底に苦味を感じる。後重型の味の推移。後口は辛味系。
(15) 初緑 純米65 山田錦 高木酒造 (岐阜)
スッキリとした入り口だが、膨らみと厚みのある味わい。後口は良い。
(16) 一滴水 吟醸 袋吊り生原酒 <平成22BY> 林酒造 (岐阜)
甘味と酸味の味、下に苦味もある。含み香が良い。後口はピリ辛。
(17) 美濃天狗 かくれ里 大吟醸 平成20BY 林酒造 (岐阜)
立香は仄かな吟醸香。酸は透明感があり切れが良い。先日、蔵と花見で飲んだかくれ里に比べると立香も味も穏やかな落ち着きを感じた。データを見てみると平成20BYであった。
(18) 三千盛 純米大吟醸 生 平成22BY 三千盛 (岐阜)
酸はスッキリ、中盤に辛味を感じる底に苦味も感じる。三千盛の世界では濃い方の味わい。
(19) 三千盛 特醸 三千盛 (岐阜)
N/A
(20) 芳水 土用酒 吟醸生貯蔵 芳水酒造 (徳島)
立香は仄かな枯れた香、干物のような香りだろうか。スッキリとした味わい。酸はあるが中盤から消えてゆく。
(21) 芳水 淡遠 純米吟醸生貯蔵 芳水酒造 (徳島)
N/A
(22) 蓬莱泉 純米大吟醸 本生 平成22BY 関谷醸造 (愛知)
立香は仄かな吟醸香。甘味と酸味があり中盤から辛味も感じ、底に苦味も感じ、味の推移がある。「空」の生酒だが、味わいはかなり異なる。空は甘味から入るバランスの良さだが、生はフレッシュで活気がある躍動感がある。
【今日の料理】
ぶらっ菜は初めてなのでどんな料理が出るか楽しみだった。
料理は、4人分毎にさらに盛られて出てくるので、各自銘々皿に取っていただく方式である。
以下、品書きはないので、筆者の判断で書いているので間違いがあるかもしれない。

刺身の盛り合わせ。(鮭、鰆、鯛、蒸し蛸、鮪)
鰆の刺身は久しぶりだが、美味しい。

だし巻き卵の餡掛け白髪ネギ添。
緑の餡はとろりとしたもので枝豆だろうか?

炙りもの。
小鰯の丸干、たたみいわし、白身の魚のみりん干し(ふぐにしては大きい)
たたみいわしは上品な味で、吟醸酒にも合わせられる旨さだった。
小鰯の丸干は癖があり、酸の強い押しのある酒に合う。

鰹のたたき。

蒸し鯛をもち米のご飯の上に載せ、餡がかけられている。

銘々皿に取った写真。
薄目の味の餡にあっさりとした白身の味わい。

焼き魚。

銘々皿に取った写真。
鰆の焼き物だろうと思うが、脂が適度にあり、臭みもなく美味しかった。

チキンのグリルにタルタルソース。ポテトサラダ。

鶏の唐揚げに春巻き。
春巻きの中に香りの良いものがいれてあり、いい香りが余韻として残る。

蛤の酒蒸し。

浅利の炊き込みご飯。
わっぱ飯のようなもちもちとした食感で、美味しかった。
【データ】
ぶらっ菜 本店 (ぶらっさい)
TEL: 058-265-5929
住所: 岐阜県岐阜市西園町17 神野ビル1F
営業時間: 18:00~03:00(L.O.02:30)
定休日: 無休

店舗はオープンで入りやすいい。
料理は、上記のように、手をかけて丁寧に作られており、美味しい。
日本酒もこだわりがある。

棚の上には、十四代の空瓶が並んでいる。


カウンターのテーブルの上には、今日の参加蔵の名酒が並べられている。
日本酒のメニュー

酔鯨、八海山、十四代本丸、飛露喜、東力士に加えて
岐阜の地酒として長良川、三千盛、房島屋、榮一、初緑、美濃天狗が提供されている。日本酒ファンも満足する顔ぶれだ。
価格も480円からであり、一番高い飛露喜でも780円と財布に優しい価格設定だ。
又
素敵にお料理の紹介も頂き大変恐縮しております
今後も美濃天狗共々お引き立て宜しくお願い致します
林 容子