ドイツでフォトキナ2010が現地時間9月21日に始まった。
2年に一度の世界最大のカメラの見本市で、各メーカーは新製品を発表し、今後の見通しを展示している。
以下のサイトに速報がレポートされている。
「Dijital Camera.jp」
http://www.digitalcamera.jp/
フォトキナでの開始に合わせて、国内でもニュースリリースが行われた。
今回の発表では、LUMIX GH2、SIGMA SD1が目を引いた。
LUMIX GH2は下馬評で色々取り沙汰され、満を持しての登場。一方、SIGMA SD1はダークホースだった。
【LUMIX DMC-GH2】
予想されていたとおり旧機種GH1からかなり進歩した内容を盛り込んでいる。

(Panasonic HP より転載)
Panasonicのプレスリリースは以下。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn100921-1/jn100921-1.html
心臓部の撮像素子は、新開発の4/3型1,605万画素マルチフォーマット対応LiveMOSセンサー。
小さな素子を高画素化することに不安を持たれていたが、蓋を開けてみるとGH1より高感度になって、むしろ1段階良くなっているそうだ。
注目は、AFと動画機能。
AFは、コントラストAFでありながら、位相差AFを上回る約0.1秒の高速AF機能を実現している。
これを可能にしたのは、センサー駆動を60fpsから120fpsと倍速し、フォーカスの動作予測処理や起動シーケンス短縮によるものだそうだ。特に革新的な技術開発によるものではなさそうだ。
SONYの透過光ミラーによる高速AFと実際の動体撮影での比較レポートがどうなるのか興味深い。
連写速度は、メカシャッター時5コマ。電子シャッター時40枚(4M時)の超高速連写となっている。
「電子シャッター時」というのがよく判らないが、実際の写りがよければ40コマは魅力的である。
写りが良くなければ、この連射速度では10コマのα55に軍配が上がりそうだ。
動画撮影はセンサー出力で秒60フレームのAVCHDフルHD動画撮影が可能となった。
その他、「シネマ動画」、「スロー/クイック動画」、「EXテレコン」、「写真優先モード」とか消費者の要望を取り入れた新機能が搭載されている。
最長撮影時間は、制限がない。α55が29分、NIKON D7000が20分であることに比べると、現場での使い勝手が良い。
まあ、20分を超えるカットはあまりないので、事実上問題はないが。
個人的には、関心がないが、別売の専用レンズを使えば3D静止画の撮影が可能になった。
これは、デジイチでは世界最初だ。
気になる発売日と価格だが、10月29日発売予定。
価格は、以下のようだ。
ボディ単体:10万前後。
標準ズームレンズキット(ボディと「LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」):11万前後。
レンズキット(ボデーと「LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH.」):15万前後。
このGH2とD7000とα55が市場でどのように評価されるのかが、興味深い。
フオトキナ以降の関心は、NIKON、PENTAX、CANONの専業メーカーのミラーレス機がどんな姿で登場するかだ。
【SIGMA SD1】

ダークホースのSIGMA SD1は、静止画と動画の統合時代に進むのではなく、静止画にとどまり静止画を極めようとする姿勢の商品だ。ターゲットのユーザーはGH2、D7000、α55とは異なると考えてよいだろう。
シグマ自体も『「SIGMA SD1」は、ポートレートや風景、スタジオ撮影など、厳しい目を持つプロやハイアマチュアの要求に高次元で応える最新のデジタル一眼レフカメラです。』としている。
なんといっても特徴は撮像素子。
24×16mmのAPS-CサイズフルカラーX3ダイレクトイメージセンサーと呼ぶもの。
有効画素数46メガピクセル(4,800×3,200×3層)の途方も無い高精細、高画質を追求する撮像素子だ。
ダイレクトイメージセンサーは、『このセンサーは、RGB全色を3層で取り込むことができる画期的なフルカラーイメージセンサーで、シリコンの異なる深さに配置されている3つの層が、センサー表面に近い方から順に青(B)、緑(G)、赤(R)の光を取り込み、画像を生成します。原理的に偽色が発生しない為、ローパスフィルターを必要とせず、光と色の情報を余すことなく取り込むことができるので、立体的で臨場感のある画像が得られます。』だそうだ。
話を聞いているだけでも、このセンサーで撮影した風景写真が見てみたくなる。
素晴らしい解像度と色彩があれば静止画の分野で人気を博することは十分考えられる。
46メガピクセルのデータに対応するためメディアはSDでは無く高速転送に適したCFカードTYPE I(UDMA対応)である。
マグネシウム合金の採用、高い防塵・防滴性を持っており、戸外の使用に十分耐えられる仕様になっている。
発売日、価格は、未定だそうである。
<SIGMA SD1の主な仕様>
記録媒体: CFカード(Type I,UDMA対応)
撮像素子サイズ: 24×16mm(APS-Cサイズ)
レンズマウント: シグマSAバヨネットマウント
実撮影画角 :レンズ表記の約1.5倍の焦点距離に相当(35mmカメラ換算)
撮像素子: X3ダイレクトイメージセンサー (CMOS)
有効画素数: 46 MP(4,800×3,200×3)
アスペクト比 : 3 : 2
ファインダー: ペンタプリズム式一眼レフファインダー
ファインダー視野率: 縦98%、横98%
ファインダー倍率: 0.95倍 (50mmF1.4・∞)
アイポイント: 18mm
視度補正範囲 :-3dpt ~+1.5dpt
オートフォーカス: TTL位相差検出方式
測距点: 11点ツインクロスセンサー
測距範囲: EV-2 ~+19 (ISO100)
フォーカスモード: シングルAF、コンティニアスAF(動体予測機能付)、マニュアル
フォーカシングスクリーン: 固定式、全面マット
ミラー :クイックリターン式
被写界深度確認: 絞込みボタンによる
AFフレーム選択: 自動選択、マニュアル選択可能
AFフレーム選択表示: ファインダー内スーパーインポーズ
フォーカスロック : シャッターレリーズの半押し
内蔵フラッシュ: 手動ポップアップ式、ガイドナンバー11 (レンズ表記17mmをカバー)
調光方式: S-TTL自動調光
フラッシュ調光補正: ±3EV(1/3ステップ)
外部フラッシュシステム対応 :EF-610 DG SUPER、EF-610 DG ST、EM-140DG
シンクロ端子: あり
フラッシュ接点:
ホットシュー(X接点、1/180秒以下で同調、専用フラッシュ連動接点付き)
液晶モニタ: 3.0型TFTカラー液晶モニタ、約46万ドット
大きさ : 145.5mm (幅) × 112.5mm (高さ) × 80.0mm (奥行)
質量: 未定
前にも書いたが、デジタルカメラの時代は、レンズもさることながら、撮像素子の勝負になる。
この意味では、家電メーカーに強みがあるが、シグマのように小さいメーカーでも素晴らしい映像が手に入れられるカメラを創り出せれば、存在を認められる可能性は充分にある。
撮像素子の新技術は日進月歩だからある日突然、業界の趨勢を決めるような新しい素子が登場する可能性は高い。
どんな素子が市場に登場するか楽しみは尽きない。
ケラレて見れたものではありません。
まさにトイカメラですかね。