2009/10/13(火) 旧暦:8月25日 日出:5時45分 日没:17時08分 月出:#NAME? 月没:14時00分 月齢:24.34辛卯(しんぼう,かのとう) 六曜:友引 九星:三碧木星 選日:
今日の季語: 通草(あけび)

(山菜 より転載)
『アケビ(木通、通草)はアケビ科の蔓性落葉低木の一種(学名 Akebia quinata)、あるいはアケビ属(Akebia)に属する植物の総称である。
形態
アケビ属の一種の葉と花。大きく色の濃い方の花が雌花で小さな色の薄い花が雄花茎はつるになって他物に巻き付き、古くなると木質化する。葉は5つの楕円形の小葉が掌状につく複葉で、互生する。花は4~5月に咲き、木は雌雄同株であるが雌雄異花で淡紫色。花被は3枚で雄花の中央部には6本の雄しべがミカンの房状に、雌花の中央部にはバナナの果実のような6-9本の雌しべが放射状につく。雌花の柱頭(先端部)には、甘みを持った粘着性の液体が付いており、花粉がここに付着することで受粉が成立する。雌雄異花で蜜も出さないので受粉生態にはよくわかっていない点が多いが、雌花が雄花に擬態して雄花の花粉を目当てに飛来する小型のハナバチ類を騙して受粉を成功させているのではないか、とする仮説がある。ハエ類が甘みを持った粘着質を舐めに来る際に受粉していると考えられる。受粉に成功した個々の雌しべは成長して果実となり、10cm前後まで成長する。9~10月に熟して淡紫色に色づく。成熟した果実の果皮は心皮の合着線で裂開し、甘い胎座とそこに埋もれた多数の黒い種子を裸出する。この胎座の部分は様々な鳥類や哺乳類に食べられて種子散布に寄与する。
利用
アケビ属の一種の実種子を包む胎座が甘みを持つので、昔から山遊びする子供の絶好のおやつとして親しまれてきた。果皮はほろ苦く、内部にひき肉を詰めて油で揚げたり刻んで味噌炒めにするなど、こちらは山菜料理として親しまれている。主に山形県では、農家で栽培されスーパーで購入することができる。また、東北地方などでは新芽(山形や新潟などでは「木の芽」と呼ぶ)をやはり山菜として利用している。
その他、成熟した蔓はかごを編むなどして工芸品の素材として利用される。また、秋田県では種を油の原料としている。江戸時代から明治時代にかけては高級品として珍重され、明治以降生産が途絶えていたが近年復活した[1]。
生薬
アケビまたはミツバアケビのつる性の茎は木通(もくつう)という生薬である(日本薬局方に記載の定義による)。木通は利尿作用、抗炎症作用などがあり、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などの漢方方剤に使われる。
また、木通とまぎらわしいものに関木通(かんもくつう)というものがある。これはアケビ類とは別の植物(ウマノスズクサ属)であり、腎臓障害を起こすおそれのある成分アリストロキア酸が含まれている。名前が似ている上、中国などでは関木通を「木通」としていることもあるので十分な注意が必要である。「木通」を利用する場合は日本薬局方のものが無難である。
栽培
商業栽培では、品質に優れたミツバアケビ由来の品種が多く用いられる。安定した結実のため、人工授粉を行うことがある。自家不和合性があり、他品種との混植などが必要である。アケビとミツバアケビは交雑しやすいため、ミツバアケビ由来の品種に対し、アケビを授粉樹として用いることもある。3葉種と5葉種では熟期が2~4週間程度異なる。
日本国内で栽培されるものは、ほとんどが山形県産である。
...』(Wikipedia)
通草の俳句:
・鳥飛んでそこに通草のありにけり 高浜虚子
・通草下げ吉祥天に逢ひに来し 坂口緑志
・通草食うときはまさしくうわの空 松下雅静
・通草貰ひて楽しと思ひ憂しと思ふ 石田波郷
・泣顔の子にちかぢかと通草熟れ 岸田稚魚
1868年10月13日(慶応4年8月28日)は、清貧の歌人、橘 曙覧(たちばな の あけみ)の忌日。
「たのしみは」ではじまる独楽吟は清貧・自足の楽しみを詠っている。
1 たのしみは艸のいほりの莚敷きひとりこころを 静めをるとき
2 たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起こすも知らで寝し時
3 たのしみは珍しき書人にかり始め一ひらひろげたる時
4 たのしみは紙をひろげとる筆の思ひの外に能くかけし時
5 たのしみは百日ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく出できぬる時
6 たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべて物をふ時
7 たのしみは物をかかせて善き価惜しみげもなく人のくれし時
8 たのしみは空暖かにうち晴れし春秋の日に出でありく時
9 たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時
10 たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつづけ煙艸すふとき
11 たのしみは意にかなふ山水のあたりしづかに見てありくとき
12 たのしみは尋常ならぬ書に画にうちひろげつつ見もてゆく時
13 たのしみは常)に見なれぬ鳥の来て軒遠からぬ樹に鳴きしとき
14 たのしみはあき米櫃に米いでき今一月はよしといふとき
15 たのしみは物識人に稀にあひて古しへ今を語りあふとき
16 たのしみは門売りありく魚買ひて烹(に)る鐺(なべ)の香を 鼻に嗅ぐ時
17 たのしみはまれに魚烹て児等皆がうましうましといひて食ふ時
18 たのしみはそぞろ読みゆく書の中に我とひとしき人をみし時
19 たのしみは雪ふるよさり酒の糟(かす)あぶりて食ひて火にあたる時
20 たのしみは書よみ倦めるをりしもあれ声知る人の門たたく時
21 たのしみは世に解きがたくする書の心をひとりさとり得し時
22 たのしみは銭なくなりてわびをるに人の来たりて銭くれし時
23 たのしみは炭さしすてておきし火の紅くなりきて湯の煮ゆる時
24 たのしみは心(こころ)をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき
25 たのしみは昼寝せしまに庭ぬらしふりたる雨をさめてしる時
26 たのしみは昼寝目ざむる枕べにことことと湯の煮えてある時
27 たのしみは湯わかしわかし埋み火を中にさし置きて人とかたる時
28 たのしみはとぼしきままに人集め酒飲め物を食へといふ時
29 たのしみは客人(まれびと)えたる折しもあれ瓢に酒のありあへる時
30 たのしみは家内(やうち)五人(いつたり)五(いつ)たりが風だにひかでありあへる時
31 たのしみは機おりたてて新しきころもを縫ひて妻が着する時
32 たのしみは三人(みたり)の児どもすくすくと大きくなれる姿みる時
33 たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書を見る時
34 たのしみは明日物くるといふ占を咲くともし火の花にみる時
35 たのしみはたのむをよびて門あけて物もて来つる使ひえし時
36 たのしみは木の芽?(に)やして大きなる饅頭を一つほほばりしとき
37 たのしみはつねに好める焼豆腐うまく烹たてて食はせけるとき
38 たのしみは小豆の飯の冷えたるを茶漬けてふ物になしてくふ時
39 たのしみはいやなる人の来たりしが長くもをらでかへりけるとき
40 たのしみは田づらに行きしわらは等が耒(すき)鍬とりて帰りくる時
41 たのしみは衾かづきて物がたりいひをるうちに寝入りたるとき
42 たのしみはわらは墨するかたはらに筆の運びを思ひをる時
43 たのしみは好き筆をえて先づ水にひたしねぶりて試みるとき
44 たのしみは庭にうゑたる春秋)の花のさかりにあへる時時
45 たのしみはほしかりし物銭ぶくろうちかたぶけてかひえたるとき
46 たのしみは神の御国の民として神の教へをふかくおもふとき
47 たのしみは戎夷(えみし)よろこぶ世の中に皇国忘れぬ人を見るとき
48 たのしみは鈴屋(すずのや)大人(うし)の後に生まれその御諭(さと)しをうくる思ふ時
49 たのしみは数ある書を辛(から)くしてうつし竟(を)へつつ とぢて見るとき
50 たのしみは野寺山里日をくらしやどれといはれやどりけるとき
51 たのしみは野山のさとに人遇ひて我を見しりてあるじするとき
52 たのしみはふと見てほしくおもふ物辛くはかりて手にいれしとき
限りない欲望は果てのない不幸に繋がっている。
自分の幸せを自覚できればそれが幸せと言うことなのだろう。