緊急事態宣言のお酒を伴う飲食の制限が解除された。活動を停止していた日本酒の会sake nagoyaの活動が再開された。会場を旬菜処かのうにする活動は、1年ぶりになる。 利き酒を行う大規模な定例会ではなく、人数を絞った特別企画の宴なのだが、案内をいただき早速申し込んだ。待ちかねた当日の今日、お天気も秋晴れに恵まれた。いつもの通り、地下鉄の丸の内駅を出て、県立図書館の交差点を渡り、堀の中の道を歩き官庁街へ入る。 ...
緊急事態宣言のお酒を伴う飲食の制限が解除された。
活動を停止していた日本酒の会sake nagoyaの活動が再開された。会場を旬菜処かのうにする活動は、1年ぶりになる。
利き酒を行う大規模な定例会ではなく、人数を絞った特別企画の宴なのだが、案内をいただき早速申し込んだ。
待ちかねた当日の今日、お天気も秋晴れに恵まれた。
いつもの通り、地下鉄の丸の内駅を出て、県立図書館の交差点を渡り、堀の中の道を歩き官庁街へ入る。
裁判所の建物は変わること無く立っている、コロナ騒ぎとは関係がない様に見える。
護国神社の裏に入る道を曲がれば、会場の旬菜処かのうだ。店内の明かりが灯っているのが見える。
入り口の階段前に立つと、漸くその日が来たかと感慨深い。
中に入ると、定刻までかなり時間があるが幹事さん二人の顔があった。準備のお手伝いをしようと思ったのだが、もう全て準備は終わっていた。
会場の設定が、コロナ前とは違っている。
感染対策のため席数が減らされ、対面にはアクリル板が設置されている。
入り口近くの棚には見慣れないデジタル表示のLED機器が動いている。何かわからなかったが、訊くとCO2の濃度計だそうだ、これで室内の換気状況は刻々と確認できる。
確かに、飲食店のコロナ対策は実践されている、時間・酒飲制限に加えて、こうした感染対策も行わなければならないお店の負担は大変なものだ。
定刻の14時になり、主催者の開会の挨拶が始まった。
参加者は23名、感染対策で人数は絞られている。
注意事項で、酒を飲む・料理を食べる時以外はマスクをするように説明があった。
今日の特別企画のテーマは、「気になるお酒」。
入手困難な酒も含まれ、気になる銘酒が登場するとの前触れだ、どんな酒が登場するのか、期待の瞬間。
今日は定例会ではなく、利き酒は行わないので、お酒の瓶は隠されていない。ラベルを見ながら、お酒を楽しむ宴だ。
出品酒は一升瓶ではなく4合瓶12酒だった。
各テーブルに2,3本づつ置き、飲み終わったら、次のテーブルに回す方式で、順番に銘酒を楽しむ手順になっている。
<今日の出品酒>
宴が終わり、勢揃いした12本の出品酒。
今日は定例会ではなく、利き酒・評価シートの作成を行わない。飲んで愉しめば良いのだが、習慣で個人的な印象を記録することにした。
以下は、個人の嗜好によるお酒の印象で、会の活動とは関係がないことをお断りした上で書くことにした。
(記事の順番は写真の並びとは異なっている、記事は写真右から左への順に近いが、一致していない。)
1 田酒 貴醸酒 製造:2021/01 西田酒造 (青森)
立香はあまり感じない。甘い入り口、とろりとした舌触り、フルーティな酸が来る、辛味はあるが表面には浮かず、酸に包まれているので適度な押しを感じさせる。含み香があるが吟醸香のようなものではない、嫌味はないので気にはならない。中盤以降の切れは良い。評価7.0。
2 新政 陽乃鳥 貴醸酒 製造:2020/03 新政酒造 (秋田)
立香は甘い香り、吟醸香ではなく、仄かな柔らかい甘さを感じる。甘く、フルーティな入り口。滑らかな舌触り、酸と辛味が来て、中盤に向けパンチを感じさせる。中盤、辛味と苦味が絡んだ味わいがあり力強さを感じる。後半、辛味が引く。含み香は甘さとエチル系の香りの混合。評価8.0。
3 十四代 龍の落とし子 大極上生 製造:2020/12/04 高木酒造 (山形)
立香はあまり感じない、仄かな甘い香りが漂う感じ。甘い入り口、酸はスッキリとしていて、膨らみは大きくない。中盤の辛味も強くない。中盤以降の切れは良い、しかし何か物足りなさを感じさせる終盤。評価8.0。
4 寫樂 純米大吟醸 しずく取り 製造:2017/11 宮泉銘醸 (福島)
立香は仄かな甘い香り。スッキリとした入り口。酸は軽いもので、膨らみとか押しは感じない。中盤以降、味が切れる。全体として膨らみのない世界で物足りない。評価7.0。
5 喜久酔 純米大吟醸 松下米40 製造:2020/11 青島酒造 (静岡)
甘い入り口。含み香も甘く、吟醸香らしきものを感じる。酸はスッキリとしたもので軽い感じ。辛味の押しはなく甘味系の中盤だが、底の方に辛味が隠れている。後半の切れは良い。含み香を感じないのがこの酒の特徴でもある。評価7.0。
6 黒龍 感謝ボトル 純米大吟醸 製造:2021 5下 黒龍酒造 (福井)
立香は仄かに甘いもの。酸は膨らまない、辛味の押しもなく、苦味・渋味も感じない、良く言えば軽やかな世界。中盤以降の味わいも早目に終わるので、ややショビついた印象を与える。評価7.0。
7 ほしいずみ 純米大吟醸 斗瓶囲 製造:2021/08 丸一酒造 (愛知)
立香は吟醸香。甘い入り口、酸の膨らみがありフルーティーさを感じさせ、生き生きとした活気を感じる、楽しめる世界を持っている。含み香も吟香。中盤、苦味・渋みも浮かない。中盤以降の切れも良い。残香に吟醸香の余韻を感じさせる。評価9.0。
8 真澄 純米大吟醸 山花 製造:2021/01 宮坂醸造 (長野)
立香はあまり感じない、仄かなもの。甘い滑らかな入り口。酸は軽く、膨らまない辛味の押しも感じない。中盤、軽い渋味の締めがある。中盤の膨らみ味わいが少ないので、飲み終わりが物足りなさを感じる。評価7.0。
9 雪中梅 特別純米 生原酒 製造:2020/12/22 丸山酒造場 (新潟)
立香はあるが吟醸香ではない、個性的なもの、お酒の香りではなく、思い出せないが食料品、お菓子なのかも知れない。甘い入り口。酸がふわっと広がり大きな世界があり、引き込まれる感じ。含み香を感じて、鼻をくすぐるものがあり、くしゃみが出そうになった、時節柄くしゃみは禁止なのでなんとか抑え込んだ。舌触りは滑らか。中盤以降、辛味が適度にスッキリとさせる。飲み終わりも辛味が残り、ピンとした尻尾の跳ねがある。評価8.0。