日本酒の会sake nagoya - 菜花亭日乗
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2021-10-23 (Sat)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その1)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その1)

緊急事態宣言のお酒を伴う飲食の制限が解除された。活動を停止していた日本酒の会sake nagoyaの活動が再開された。会場を旬菜処かのうにする活動は、1年ぶりになる。 利き酒を行う大規模な定例会ではなく、人数を絞った特別企画の宴なのだが、案内をいただき早速申し込んだ。待ちかねた当日の今日、お天気も秋晴れに恵まれた。いつもの通り、地下鉄の丸の内駅を出て、県立図書館の交差点を渡り、堀の中の道を歩き官庁街へ入る。 ...

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緊急事態宣言のお酒を伴う飲食の制限が解除された。
活動を停止していた日本酒の会sake nagoyaの活動が再開された。会場を旬菜処かのうにする活動は、1年ぶりになる。
 利き酒を行う大規模な定例会ではなく、人数を絞った特別企画の宴なのだが、案内をいただき早速申し込んだ。

待ちかねた当日の今日、お天気も秋晴れに恵まれた。
いつもの通り、地下鉄の丸の内駅を出て、県立図書館の交差点を渡り、堀の中の道を歩き官庁街へ入る。
 裁判所の建物は変わること無く立っている、コロナ騒ぎとは関係がない様に見える。
 護国神社の裏に入る道を曲がれば、会場の旬菜処かのうだ。店内の明かりが灯っているのが見える。
 入り口の階段前に立つと、漸くその日が来たかと感慨深い。

中に入ると、定刻までかなり時間があるが幹事さん二人の顔があった。準備のお手伝いをしようと思ったのだが、もう全て準備は終わっていた。

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会場の設定が、コロナ前とは違っている。
感染対策のため席数が減らされ、対面にはアクリル板が設置されている。
 入り口近くの棚には見慣れないデジタル表示のLED機器が動いている。何かわからなかったが、訊くとCO2の濃度計だそうだ、これで室内の換気状況は刻々と確認できる。
 確かに、飲食店のコロナ対策は実践されている、時間・酒飲制限に加えて、こうした感染対策も行わなければならないお店の負担は大変なものだ。

定刻の14時になり、主催者の開会の挨拶が始まった。
参加者は23名、感染対策で人数は絞られている。
注意事項で、酒を飲む・料理を食べる時以外はマスクをするように説明があった。


今日の特別企画のテーマは、「気になるお酒」。
入手困難な酒も含まれ、気になる銘酒が登場するとの前触れだ、どんな酒が登場するのか、期待の瞬間。

今日は定例会ではなく、利き酒は行わないので、お酒の瓶は隠されていない。ラベルを見ながら、お酒を楽しむ宴だ。
 出品酒は一升瓶ではなく4合瓶12酒だった。

各テーブルに2,3本づつ置き、飲み終わったら、次のテーブルに回す方式で、順番に銘酒を楽しむ手順になっている。


<今日の出品酒>

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宴が終わり、勢揃いした12本の出品酒。

今日は定例会ではなく、利き酒・評価シートの作成を行わない。飲んで愉しめば良いのだが、習慣で個人的な印象を記録することにした。

以下は、個人の嗜好によるお酒の印象で、会の活動とは関係がないことをお断りした上で書くことにした。
(記事の順番は写真の並びとは異なっている、記事は写真右から左への順に近いが、一致していない。)

1
田酒 貴醸酒 製造:2021/01 西田酒造 (青森)
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立香はあまり感じない。甘い入り口、とろりとした舌触り、フルーティな酸が来る、辛味はあるが表面には浮かず、酸に包まれているので適度な押しを感じさせる。含み香があるが吟醸香のようなものではない、嫌味はないので気にはならない。中盤以降の切れは良い。評価7.0



2
新政 陽乃鳥 貴醸酒 製造:2020/03 新政酒造 (秋田)
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立香は甘い香り、吟醸香ではなく、仄かな柔らかい甘さを感じる。甘く、フルーティな入り口。滑らかな舌触り、酸と辛味が来て、中盤に向けパンチを感じさせる。中盤、辛味と苦味が絡んだ味わいがあり力強さを感じる。後半、辛味が引く。含み香は甘さとエチル系の香りの混合。評価8.0



3
十四代 龍の落とし子 大極上生 製造:2020/12/04 高木酒造 (山形)
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立香はあまり感じない、仄かな甘い香りが漂う感じ。甘い入り口、酸はスッキリとしていて、膨らみは大きくない。中盤の辛味も強くない。中盤以降の切れは良い、しかし何か物足りなさを感じさせる終盤。評価8.0



4
寫樂 純米大吟醸 しずく取り 製造:2017/11 宮泉銘醸 (福島)
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立香は仄かな甘い香り。スッキリとした入り口。酸は軽いもので、膨らみとか押しは感じない。中盤以降、味が切れる。全体として膨らみのない世界で物足りない。評価7.0



5
喜久酔 純米大吟醸 松下米40 製造:2020/11 青島酒造 (静岡)
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甘い入り口。含み香も甘く、吟醸香らしきものを感じる。酸はスッキリとしたもので軽い感じ。辛味の押しはなく甘味系の中盤だが、底の方に辛味が隠れている。後半の切れは良い。含み香を感じないのがこの酒の特徴でもある。評価7.0



6
黒龍 感謝ボトル 純米大吟醸 製造:2021 5下 黒龍酒造 (福井)
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立香は仄かに甘いもの。酸は膨らまない、辛味の押しもなく、苦味・渋味も感じない、良く言えば軽やかな世界。中盤以降の味わいも早目に終わるので、ややショビついた印象を与える。評価7.0



7
ほしいずみ 純米大吟醸 斗瓶囲 製造:2021/08 丸一酒造 (愛知)
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立香は吟醸香。甘い入り口、酸の膨らみがありフルーティーさを感じさせ、生き生きとした活気を感じる、楽しめる世界を持っている。含み香も吟香。中盤、苦味・渋みも浮かない。中盤以降の切れも良い。残香に吟醸香の余韻を感じさせる。評価9.0



8
真澄 純米大吟醸 山花 製造:2021/01 宮坂醸造 (長野)
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立香はあまり感じない、仄かなもの。甘い滑らかな入り口。酸は軽く、膨らまない辛味の押しも感じない。中盤、軽い渋味の締めがある。中盤の膨らみ味わいが少ないので、飲み終わりが物足りなさを感じる。評価7.0



9
雪中梅 特別純米 生原酒 製造:2020/12/22 丸山酒造場 (新潟
)
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立香はあるが吟醸香ではない、個性的なもの、お酒の香りではなく、思い出せないが食料品、お菓子なのかも知れない。甘い入り口。酸がふわっと広がり大きな世界があり、引き込まれる感じ。含み香を感じて、鼻をくすぐるものがあり、くしゃみが出そうになった、時節柄くしゃみは禁止なのでなんとか抑え込んだ。舌触りは滑らか。中盤以降、辛味が適度にスッキリとさせる。飲み終わりも辛味が残り、ピンとした尻尾の跳ねがある。評価8.0





2021-10-23 (Sat)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その2)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その2)

10 一白水成 純米吟醸 製造:2020/11 福禄寿酒造 (秋田) 立香はあまり感じない。甘い入り口。酸はあるが早目に、辛味と渋味が一緒に来て、味わいが膨らまない。中盤以降の切れがやや悪い印象。評価7.0。11 AKABU 極上ノ斬(きれ)純米大吟醸生酒 製造:2020/11 赤武酒造 (岩手) 立香は甘いもの、吟醸香。甘い入り口、口に含むとフルーティーな含み香が広がる、入り口の感じが良い印象。酸は滑らかなもの、苦味・渋味は浮...

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10
一白水成 純米吟醸 製造:2020/11 福禄寿酒造 (秋田)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸はあるが早目に、辛味と渋味が一緒に来て、味わいが膨らまない。中盤以降の切れがやや悪い印象。評価7.0



11 AKABU
 極上ノ斬(きれ)純米大吟醸生酒 製造:2020/11 赤武酒造 (岩手)
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立香は甘いもの、吟醸香。甘い入り口、口に含むとフルーティーな含み香が広がる、入り口の感じが良い印象。酸は滑らかなもの、苦味・渋味は浮かない。吟醸酒らしい世界。中盤以降の切れ良い。残り香も吟香。評価8.09.0




12
田酒 純米大吟醸 秋田酒こまち 西田酒造 (青森)
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(最後で気が緩んだのか、個別写真を撮り忘れてしまった。
ネット上から写真を拝借した。)

 
立香は甘い、程良い吟醸香。甘い入り口、とろりとした舌触り。酸は膨らみがあり、辛味・苦味は浮かず、押しは軽く程良い。中盤以降の切れは良い。後口も癖はない。癖が無く、飲みやすい純米大吟醸で、万人向けの安定感を感じる。評価8.0


<お酒の感想>
利き酒の印象に書いていないことを補記する。

(1)
最初に我がテーブルに来たお酒が貴醸酒2酒だった。
 これが、その後の利き酒に影響したかも知れない。
貴醸酒は甘味とフルーティーな酸とが活発で味が濃く、舌の感覚を味の濃い方に、準を1枚上げたような気がする。
スッキリとした味わいの上品な酒の印象に影響したかも知れない。具体的には十四代・黒龍が物足りなく感じた印象を持たせたかもしれない。

(2)
十四代と言う酒
入手困難な日本酒の代表である十四代。
定価はあって無いようなもので、今日出品された「龍の落とし子 大極上生」は、4合瓶でプレミアム価格は37000円前後で売られている。
 個人的には入手不可能であるし、入手する気持ちもないが、この特別企画では飲むことができるのでありがたい。
 お酒のような嗜好品は、人の好み、金力によるので一概には言えないが、個人的には、この酒を買うより、4000円の4合瓶10本を買いたいと思う。


(3)
気になった酒
 良い方で気になったのは3

・ほしいずみ
気品のある大吟醸酒ではなく、生き生きとして若々しい活気を感じさせる大吟醸酒だ。
この様な純米大吟醸があっても良いと思うし、愛知県の酒蔵であることも嬉しい。

AKABU 極上ノ斬(きれ)
今日会場で人気があった酒。 
一通り飲み終わったあと探している人がいた。
確かに、吟醸酒らしい香りと味わいを持った酒だ。
価格も720ml5500円と相応の価格になっている。

・雪中梅 特別純米
久しぶりに飲んだ雪中梅。
含み香に個性があるが大きく広がる世界にはおおらかな歓びを感じる。
特別純米だが米を磨きすぎない主張を感じる、特別純米で充分だと思わせる。
 純米吟醸 美守は飲んだことがあるが、それほどでもない印象があった、大吟醸はまだ飲んだ記憶がないが、特別純米と利き比べてみたいものだ。


・らしくなかった酒では寫樂。
香り、味わいとも元気がない。寫樂は熟成には向かない酒のようだ。




<今日の料理>
日本酒の会sake nagoyaの楽しみは勿論銘酒だが、会場の旬菜処かのうさんの料理も楽しみだ。
丁寧に作られた肴は、お酒と相俟って宴の歓びを提供していただける。

・きんぴら牛蒡
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牛蒡、人参、煎り胡麻。
牛蒡の香りとシャキシャキの食感が快い。
噛むと、甘さと旨味。胡麻の香りが漂う。


・だし巻き卵
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だし巻き卵だが、薄味の少し甘いだし巻き卵とは一味違う。
コクのある旨味を感じさせるだし巻き卵。
説明を受けなければ判らないが、出汁の中にコノワタとイカ墨が入っているそうだ。
これは癖になるだし巻き卵。


・秋刀魚の姿焼き すだち添
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秋刀魚は今年も、極端な不漁から始まった。その後、漁獲が回復したとニュースが流れた記憶があるが、最近はまた不漁だと言っている。
 家ではまだ食べたことがないので、初物で嬉しい。

箸先を横に入れ、上下に身を分けて、上の方を大きく取って、口の中に入れる。
 ふんわりとした食感、新物の秋刀魚の世界が感じられる。
腹の中も脂が乗って、苦味がなく美味しい。
 すだちをたっぷりとワタに掛け、口に入れる、ふんわりとした旨味とかすかな苦味が良い感じ、ワタの旨さを実感できる。
 ワタの旨味が楽しめるのは新物の秋刀魚の特徴だ。

・釜揚げしらすとおろし大根
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大根おろしの甘味に釜揚げしらすの塩味がバランスして、快い。
 噛んでいるとしらすの旨味が口の中に次第に広がる、大根おろしが、それを演出する仕組みになっている。



・茸づくしの揚げ出し豆腐 (茸は舞茸・しめじ・なめ茸)
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茸の旨味と豆腐のあっさりとした味の取り合わせ。
舞茸のシャキシャキした食感、三葉の香りと出汁の旨味。
山葵の香りが最後にピリリと決まる。



11
月からは愈々、定例会が始まる。
もう満席で、受付開始2分で満席になったそうだ。
皆、再開を待ち望んでいたからだ。
席が絞られていることもあるだろうが、増々参加が難しくなっているのは辛いが今暫くの辛抱だ。

感染対策は確りとした上で宴の場を楽しみたい。




2020-12-02 (Wed)

2020/12/02   旬彩処かのう の おせち

2020/12/02   旬彩処かのう の おせち

11月20に日本酒の会sakenagoyaの定例会が開催された。気になるハイグレードな酒を並べ、旬彩処かのうの料理を堪能する素敵な宴だった。(詳細は以下の記事を参照。「2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)」https://nabanatei.com/blog-entry-8288.html「2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)」https://nabanatei.com/blog-entry-8289.htmlこ...

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11
20に日本酒の会sakenagoyaの定例会が開催された。
気になるハイグレードな酒を並べ、旬彩処かのうの料理を堪能する素敵な宴だった。
(詳細は以下の記事を参照。
2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)」
https://nabanatei.com/blog-entry-8288.html

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)」
https://nabanatei.com/blog-entry-8289.html

この会は、素晴らしい日本酒の会で、全国の銘酒を毎月10-12本並べて、利き酒をして酒を楽しむ事が出来る。
 個人では入手不可能な限定酒、人気酒が勢揃いしている。
もう一つ良いことは、自分の日本酒の理解度を他の人と比べて客観的に見ることが出来ることだ。

この会の魅力は銘酒だけではなく、料理・肴も魅力だ。
「旬彩処かのう」の料理は、居酒屋の作り置きメニューとは違う。
 蛸の姿ごと桜煮、鯛や金目の姿煮、鮪の中落ちなど家庭では出ない豪快な料理、テーマに合わせた料理、ヘシコの茶漬け、などなど...
 兎に角、料理も楽しいのだ。

過去どんな料理が出たのかは、sake nagoyaのオフィシャルサイトの活動記録で見ることが出来る。
日本酒の会sake nagoya
http://www.sakenagoya.com/activity/activity.html


前置きが長くなってしまったが、これからが本題のおせち。

定例会の席上に「おせち」のパンフレットが置いてあった。
これは、参加者以外にも必要な情報だと思ったので、記事に書くことにした。

12
月に入り、クリスマス、年越し、正月と忙しい日々が続く。
今年は、コロナで一家が揃う事は難しい事情があり、今いる家族だけでも、家でゆっくり過ごすことになるだろう。
 おせちでのんびりお正月が良さそうだ。

おせちは通販でも、いつものスーパーでもどこでも入手できる。
 しかし、宣伝と実際が違うことがあり、その比較が報道されたりする。
 考えてみれば、大きな広告費が掛かっているのだから、おせちの内容が乏しくなるのは当然だ。

だから、どの店で、どのような材料を使って作られているのかわからないまま、値段だけで注文するのは賢い態度ではない。

実績が信頼できる店が作り、使用している材料をこだわっていることが明らかであるおせちであれば、間違いはない。

その点、「旬彩処かのう の おせち」は問題がない。


以下、「旬彩処かのう の おせち」を紹介する。
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要点を纏めると、

・おせちの種類と価格(税込)
 和洋3段 34560
 和2段   25920
 和1段   14040

・申し込み
 平日1330以降、電話で予約する。
 052-201-6699

・おせち受取・代金支払い
 12/31(木) 1200-1500の間に、
 店頭にて代金を支払、おせちを受け取る。

(念の為
sake nagoya
の会と関係なく、誰でも注文することが出来ます。)

まだ、おせちを決めていない方、決めているが未発注の方は、「旬彩処かのう の おせち」を検討されると良いと思い、記事にしました。


お正月は、コロナのことは一時忘れ、晴れやかな気分で。
お気に入りの日本酒の年酒とおせちで、まったりとお正月しましょう。




2020-11-20 (Fri)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)

北海道、東京、大阪のコロナ感染者が激増し、他県もそれを追うようになり、落ち着いていた愛知も短期間に感染者が倍増する事態になった。再び、開催中止になるのではと、期日が近づくに連れ心配が募っていたが、なんとか当日になり、開催することが出来た。入店時のアルコール消毒に加え、参加者数も絞り密を避け、各テーブルにも消毒用アルコールが置いてあり、参加者もすべての人がマスクを着けている。 酔っ払って騒ぐ人もいな...

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北海道、東京、大阪のコロナ感染者が激増し、他県もそれを追うようになり、落ち着いていた愛知も短期間に感染者が倍増する事態になった。

再び、開催中止になるのではと、期日が近づくに連れ心配が募っていたが、なんとか当日になり、開催することが出来た。

入店時のアルコール消毒に加え、参加者数も絞り密を避け、各テーブルにも消毒用アルコールが置いてあり、参加者もすべての人がマスクを着けている。
 酔っ払って騒ぐ人もいない、この会は「静かなマスク会食」と言って良い。

無事に「気になるハイグレードなお酒」たちを利くことが出来て良かった。


【今日の出品酒】

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ブラインド・テイスティングが終わり、目隠しが外された「気になるハイグレードなお酒」の勢揃い。

個人の利き酒結果を下記に記載する。
評価は、個人の嗜好に基づくもので、客観性はない。
参加者全員の評価は、日本酒の会sake nagoyaの公式サイト
http://www.sakenagoya.com/
に掲載されるので、そちらの方が客観性が在る。


(1) 
鳳凰美田 赤判 純米大吟醸 生詰 瓶燗火入れ 山田錦 ・ 40% 製造:2020/09 小林酒造  (栃木県)
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立香は程良い吟醸香。甘い入り口。滑らかで、スッキリとしている。酸は大きく膨らまないが透明感はある。滑らかで舌触り良いが、広がりがもう少し欲しい。ややおとなしい印象。残り香は吟醸香が漂い、余韻は良い。評価8.0


(2) 
花陽浴 純米吟醸 瓶囲い無濾過生原酒 山田錦 ・ 55% 製造: 2019/03  南陽醸造  (埼玉県)
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立香は甘い吟醸香だがエチル系の香りも感じる。甘い入り口、酸味あり、辛味も感じるが硬いものではない。含み香の吟醸香がかなり強い。中盤以降切れは良いが、含み香の吟醸香が余韻の邪魔をする、含み香が立ちすぎて煩い印象だ。評価7.0


(3) 
十四代 角新大吟醸 生酒 兵庫県特A地区産山田錦 ・ 35%  製造: 2020/01/07 高木酒造  (山形県)
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立香は甘い吟醸香。滑らかな舌触り、甘い酸。含み香は吟醸香が立つ。軽いが発泡感様なものを感じる。酸は滑らか、広がりより透明感に特徴を感じる。中盤以降の香りも吟醸香、強め。後半の切れ良い。評価8.0


(4) 
黒龍 純吟三十八号 国産山田錦 ・ 50%/55%  製造: 2020/10下 黒龍酒造  (福井県)
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立香は吟醸香で軽め、エチル系の香りも感じる。とろりとした舌触りと甘さの入り口。酸のふくらみは無く、広がりもない。中盤、苦味と渋みを感じる。この辺りは、広がりと透明感が欲しい。含み香は吟醸香。中盤以降、やや活気がなく、ショビつく印象。評価7.0


(5) 
田酒 純米大吟醸 国産米 ・ 45%  製造: 2018/10 西田酒造  (青森県)
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立香は、柔らかな吟醸香、フルーティーさも感じる。滑らかな舌触り、酸は厚みがあり、芯には辛味があり味を締める。含み香は吟醸香だが適度なもの。辛味は発泡感由来のものか。後半の切れは良い。後口もピリリとした辛味で切れる。評価8.0


(6) 
白龍 純米大吟醸 長期氷温熟成酒 福井県産山田錦 ・ 40%  製造: 2018/06 吉田酒造  (福井県)
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立香はあまり感じない、仄かなもの。甘い入り口。滑らかな舌触り、酸のふくらみはない。透明感はあるが、軽い渋味を感じる。舌触りがとろりとしていて、重さを感じさせ、中盤の切れに影響している感じで、後半にかけ、香り・味がスッキリと切れ無い。全体として重い印象を受ける。評価7.0


(7) 
一白水成 純米吟醸 愛山 ・ 50% 製造: 2019/06  福禄寿酒造  (秋田県)
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立香、甘い仄かな吟醸香。甘い入り口。酸のふくらみと広がりがある。含み香も吟醸香で適度なもの。中盤の味わいも広がりがあり、苦味・渋みは表に出ず癖を感じない。後半にかけ切れも良い。残り香の余韻も感じる。全体として癖のない上品さがある。評価9.0


(8) 
大那 純米大吟醸 兵庫県特A地区産山田錦 ・ 40% 製造: 2020/09  菊の里酒造  (栃木県)
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立香はあまり感じない。甘い入り口、とろりとした舌触り。酸のふくらみ、広がりはあまり感じない。透明感はあるが、世界が小さい、味わいがこじんまりとして狭い感じがする。含み香は吟醸香らしいが軽いもの。評価6.0


(9) 
醸し人九平次 別誂 純米大吟醸 山田錦 ・ 35%  2018BY 製造: 2020/01 萬乗醸造  (愛知県)
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立香はあまり感じないが、甘いもの、くしゃみが誘発された、揮発性の何かがある。甘い入り口、酸は軽く、広がりがあり良い感じ。中盤以降、味わいが早く終る。後半にかけもう少し味わいの展開がほしい。世界は良いが、終わりが速く、物足りなさが残る。評価8.0


(10) 
鍋島 純米大吟醸 山田錦 ・ 45%  製造: 2020/10 富久千代酒造  (佐賀県)
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立香は吟醸香。スッキリとした入り口。シュワッとした感じもある。酸の広がりあるが透明感はあまり感じない。含み香も吟醸香で軽目のもの。中盤の透明感がもう少し欲しい。評価7.0


個人的には(7)の一白水成が最も良かったが、下記の4酒も良かった。
(1) 
鳳凰美田
(3) 
十四代
(5) 
田酒
(9) 
醸し人九平次

(6)
の白龍 純米大吟醸は、10800/1800mlの高価な長期氷温熟成酒だが、ラベルの製造年月は2018/06となっていた。
 長期氷温熟成酒なので、出荷時点がピークであったろうと思われる。2年経過後の評価である事を考える必要がありそうだ。






2020-11-20 (Fri)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)

【今日の料理】この宴の楽しみは勿論、日本各地の銘酒だが、加えて会場である旬彩処かのうさんの料理がある。 今日の会費は5000円であるが、料理店や酒店主催の日本酒の会であれば、10000円を超える価格設定になることは間違いない。・だし巻き卵と牛蒡のきんぴら牛蒡のきんぴらは、牛蒡のシコシコ、コリコリの食感の後、牛蒡の香りと胡麻の香りのカクテル、特に牛蒡の香りが立ち牛蒡の生命力を感じる。だし巻き卵はふんわりとし...

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【今日の料理】

この宴の楽しみは勿論、日本各地の銘酒だが、加えて
会場である旬彩処かのうさんの料理がある。
 今日の会費は5000円であるが、料理店や酒店主催の日本酒の会であれば、10000円を超える価格設定になることは間違いない。

・だし巻き卵と牛蒡のきんぴら
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牛蒡のきんぴらは、牛蒡のシコシコ、コリコリの食感の後、牛蒡の香りと胡麻の香りのカクテル、特に牛蒡の香りが立ち牛蒡の生命力を感じる。

だし巻き卵はふんわりとして柔らかな食感、出汁の塩は薄く、後味に余韻が感じられる。
 卵の中の緑のものはあおさと思ったが、食べてみると三つ葉のようだ。


・鱈の白子ポン酢 薬味葱添え
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とろりとした舌触りと滑らかさが快い、口の中で徐々に溶けていく中に旨味が広がる。タレは柔らかい味わいで穏やかで、白子の淡白な味わいを引き立てている。タレに何か香りを感じるが判らなかった。
 下処理が充分なので白子は魚臭さがまったくなく、とろりと旨味が全面に出る。
 初めての人でもこの白子を食べれば、白子の魅力にとり憑かれそうだ。


・鯖の味噌煮白髪生姜添え
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出てきた時は、説明を聞いていなかったので、蒟蒻のおでんかと思った。箸を入れてみると蒟蒻ではなく鯖だった。
 見た目はどて味噌だが口に入れてみると赤味噌の濃い味ではなく軽やかスッキリの赤味噌だった。
 鯖は骨が取られていて食べることに集中できる、たっぷりと大きな鯖の切り身と赤味噌の旨味がマッチするが、後口はスッキリと切れる、初めての味わいだ。
 この料理は過去に出た記憶はないが、定番料理にして欲しいと感じた。


・河豚の唐揚げ
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大きな河豚の唐揚げだが、一般的なニンニク風味の鶏の唐揚げとは全く違う。スッキリとした味わいで、上品さを感じる。
淡白なふぐの旨味を唐揚げで感じさせるのが楽しい。


・牡蠣の玉子雑炊 しめじ、えのき茸・三つ葉添
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何か香ばしさを感じる雑炊。牡蠣は大振りでとろりとした食感に磯の風味と旨味。雑炊らしい旨味たっぷりをいただいていると今日の宴の安心感を感じた。


ハイグレードのお酒に合わせた今日の料理は、料理法も素材も様々で面白かったが、一貫して感じたのは薄味で素材の旨味を引き出して、ハイグレードな銘酒の邪魔をせず、透明感と香りのハイグレードな世界に合わせていることだ。

ハイグレードなお酒と旬彩処かのうさんの上品な肴を楽しむことが出来た今日の宴、本当に良かった。

出席者が交々話していたが、第3金曜日が近づくにつれて、コロナの感染状況が北海道、東京、大阪を中心に爆発前夜になり、愛知もそれを追い始めた。
 ひょっとするとまた中止になるのではないかと皆さんが心配していたが、こうして宴を楽しむことが出来、幸せだった。

来月のテーマは、「やれたらいいな スペシャルなお酒」とアナウンスが有った。
 利き酒と料理の時以外はマスクして静かな会食を守っているこの宴、来月もやれたらいいね、やれるだろう。



<旬彩処かのうのおせち>

 会場に旬彩処かのうのおせちのパンフレットが置いてあった。

毎月、この宴の2本目の柱である料理を提供していただいているかのうさんのおせちに間違いはない。

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これについては、稿を改めて紹介させていただく積りだ。





2020-10-16 (Fri)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その1)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その1)

10月定例会に参加した。今月も無事に開催になり、参加できたことは良かった。今日のテーマは「気になるお酒」。【今日の出品酒】利き酒が終わり、ブラインドが外された銘酒たちの勢揃い。以下、個人の利き酒結果を記載する。個人的な嗜好によるものなので客観性はない。会の公式サイトに全体評価が掲載されるので、そちらのほうの評価はより客観性がある。「日本酒の会sake nagoya」http://www.sakenagoya.com/(1) 〆張鶴 純米吟...

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10
月定例会に参加した。
今月も無事に開催になり、参加できたことは良かった。
今日のテーマは「気になるお酒」。


【今日の出品酒】

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利き酒が終わり、ブラインドが外された銘酒たちの勢揃い。

以下、個人の利き酒結果を記載する。
個人的な嗜好によるものなので客観性はない。
会の公式サイトに全体評価が掲載されるので、そちらのほうの評価はより客観性がある。

「日本酒の会sake nagoya
http://www.sakenagoya.com/


(1)
〆張鶴 純米吟醸 生原酒 製造:2020/01/28 宮尾酒造 (新潟)

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立香は甘く、鼻にスーッと抜ける吟醸香、仄かで上品な立香だ。甘い入り口、とろりとした舌触り。滑らかな酸でふくらみもある。含み香も程良い吟醸香。中盤も癖は無く、苦・渋の重さもない。後半にかけての切れも良い。後口は辛味系。残り香に吟醸香の余韻を感じる。評価9.0
利き酒終了後、温度が上がったときの印象は少し変わった。中盤に重さが出る、苦・渋が表面に出るのかもしれない、後半の切れも鈍くなる感じ、この酒は冷温が必要だ。



(2)
旭興 純米大吟醸 愛山 製造:2019/09 渡邉酒造 (栃木)

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立香は甘い香り、次第に吟醸香と判る。甘い入り口、滑らかな舌触り、酸はふくらみより透明感・広がりを感じさせる。含み香も吟醸香。中盤、変な癖はないが、やや切れが足りない印象。後半辛味系。評価8.0



(3)
蓬莱泉 純米大吟醸 製造:2020/04 関谷酒造 (愛知)

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仄かな甘い香り、吟醸香らしいがはっきりとはしない。甘い入り口、とろりと滑らかな舌触り。含み香は吟醸香、穏やかな香り。中盤、苦・渋は感じないが、何か舌が絞まる感じがする。中盤の酸の広がりが欲しい。後半、味わいの展開が感じられず淋しい。評価7.0



(4)
みむろ杉 純米吟醸 山田錦 無濾過生酒 製造:2020/01 今西酒造 (奈良)

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立香はあまり感じないが、何か鼻に抜けるものを感じる。甘い入り口、とろりとした舌触り。酸はスッキリとして広がりがある。含み香は吟醸香らしきものだが少し違う気がする。後半、やや苦味を感じる。後半の切れは程々。残り香は含み香と同じ。評価7.0



(5) EMISIKI
 SENSATION WHITE 2019-20生酒 製造:2019/11 笑四季酒造 (滋賀)

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立香は、甘い濃厚さを感じさせる香り。とろりとした入り口。甘さの後、酸は滑らか、辛味の芯を感じる。含み香は甘いもの。中盤以降、辛味の切れが良い。残り香を感じる。評価8.0

No.9
の黒ラベルとスペックの何が違うのかラベルを見ただけでは、判らなかった。
蔵元のサイトに行き確認した処、酵母が違っていた。

黒ラベルが「7号系酵母」
白ラベルが「14号酵母」

と記載されている。


(6)
鳳凰美田 純米吟醸 無濾過本生 製造:2019/12 小林酒造 (栃木)

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立香は甘い、吟醸香らしい。とろりとした舌触り、酸は軽やかで広がる。含み香は吟醸香らしいが、少し違う感じ。中盤、辛味あり。香りが、含み香、残り香と続き香りがやや気になる。後半の切れが欲しい。味香の主張が続き、減衰感がない、ややあざとい感じがする。評価7.0



(7)
日高見 純米大吟醸 しぼりたて 生酒 製造:2020/03 平孝酒造 (宮城)

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立香はあるのだが、こちらの判別能力の範囲内にないので判別できない。甘い入り口、滑らかな舌触り。酸は透明で、早く終る。とろりとしているが味が単調で、中盤が物足りない。含み香もあるが、立香と同じで、判別できない。個性を感じさせる味香だが、自分の嗜好で理解できない不安を感じる。評価6.0



(8)
勝山 縁 特別純米 限定本生酒  勝山酒造 (宮城)

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立香は、何か乾燥したものを感じさせる。とろりとした入り口。酸は滑らか、中心に辛味がある。含み香もあるが表現できない。中盤までは味わいがあるが、後半、味の展開が消えてしまう印象。評価7.0



(9) EMISIKI
 SENSATION BLACK 2019-20生酒 製造:2019/11 笑四季酒造 (滋賀)

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立香は甘い。甘い入り口、滑らかな酸。次に広がりがある。中盤まで癖がなく、良い感じ。中盤、苦・渋は無いが、何か舌が絞まる感じがする。評価8.0



(10)
栄光富士 GMF:24 純米大吟醸 無濾過生原酒 超限定 製造:2019/12 冨士酒造 (山形)

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飲み忘れによる未評価。
10
年以上この会の利き酒を行ってきたが、出品酒を利き漏らしたのは今日が初めてだ。
 長い間には思いがけないことが起きる。





2020-10-16 (Fri)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その2)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その2)

毎度書くが、sake nagoyaの宴は酒も良いが、料理も楽しみだ。 定番のものもあれば、意外なものもあり、家庭ではできない料理もあり、大勢だから出来る料理もある。 酒にも合わせ、参加者に心を込めて作った料理を出していただいている。 今日も、参加者のどよめきが在った。【今日の料理】・揚げ茄子の煮浸しとろりとした食感。滑らかな舌触り、次第に旨味と香りが口の中に広がる。出汁は旨味もあり、濃すぎることもなく上品な...

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毎度書くが、sake nagoyaの宴は酒も良いが、料理も楽しみだ。
 定番のものもあれば、意外なものもあり、家庭ではできない料理もあり、大勢だから出来る料理もある。
 酒にも合わせ、参加者に心を込めて作った料理を出していただいている。
 今日も、参加者のどよめきが在った。


【今日の料理】

・揚げ茄子の煮浸し
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とろりとした食感。滑らかな舌触り、次第に旨味と香りが口の中に広がる。出汁は旨味もあり、濃すぎることもなく上品な味わいだ。


・胡瓜の醤油漬け
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カリカリとした食感。塩と醤油の旨味の後、スッキリと口の中をリセットしてくれる。お酒の切り替えに丁度合う。


・揚げ出し豆腐
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揚げ出し豆腐、しめじとえのき茸に薬味葱。
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とろみのある甘酢の垂れが揚げ物のしつこさをスッキリとさせている。


・秋刀魚の姿焼き
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秋刀魚の姿焼きが一人に一皿運ばれてきた。
テーブルでどよめきが起こった。
極端な不漁により、庶民の味から高嶺の花になってしまった秋刀魚が突然登場したのだから無理もない。

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「旬菜処かのう」さんは、作りおきの居酒屋メニューではない。
この秋刀魚は、一尾一尾焼かれて、一人ひとりの眼の前に運ばれる。
これだけでも、美味しく、有り難くいただける。

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表面はカリッと焼かれている。
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が、黒焦げではない。きちんと管理されて焼かれている。
焼き上がりも美しい。
生臭さは当然無い。

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火は中まで通っているが、バサバサではなく肉汁がジューシーである。焼きなれていない家庭では、このようには焼けない。
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いつもは食べないハラワタもすべて美味しく頂いた。ほろ苦さと旨味の混じり合いが判るのは大人になったご褒美だ。

同じテーブルの人達も秋刀魚に出会うことができて喜んでいた。
 秋刀魚のいない秋なんて日本の秋ではない。
日本人は、秋刀魚を食べて秋を実感することが出来る。


・赤味噌おでん
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名古屋人には、この黒光りする味噌おでんがおでんなのだ。
関東煮や関西の透明な出汁のおでんは、おでんには違いないが、心許せるおでんではない。
東京や大阪の人は、この黒光りする赤味噌の艶を見て圧倒され、口の中に運ぶことができない人もいる。
気の毒なことだ。

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カメラをマクロにして撮ると自動露光の関係で、土手味噌が少し赤く写る。実際は、上の写真ぐらいが本当の色だ。
種は蒟蒻と玉子、味噌おでんの王道だ。
味わいのある銘酒の肴にする味噌おでんは、酒の旨さをその儘出してくれる。
名古屋人の本望だ。


・炊き込みご飯と赤だし
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具は、しめじ、人参、鶏肉、竹輪、青菜、蒟蒻。
味付けは薄味でスッキリとして上品。
素材の味を生かしている。
かのうさんは竹輪の使い方が上手だ、焼きそばにも竹輪が入るが、これが違和感なく、美味しい、旨味を加える働きをしている。

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赤だしの具はなめこと葱。
赤味噌の香りとスッキリと切れの良いだし。

・漬物
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大根の粕漬け。
カリカリの食感。甘味と粕の旨味と香り。
残り香がスッキリ感を与える。



【感想】

・コロナ禍の中でのsake nagoyaの宴。
例会も中止になり、お花見も中止になった。
愛知県は東京、大阪に比べれば感染は抑えられているので、今の処、宴会もできるが、GOTOキャンペーンもあり、今後どうなるかわからない。
先月、今月と例会が開催できたのは良かった
日常・通常の大切さは失ってみて、大切さに気づく。
毎月第3金曜日の夜の宴今後も続いて行って欲しい。

今日のお酒・料理は記事に書いた通り、嬉しいものだった。

今宵は、予期せぬ邂逅があった。
二人の人が久し振りに参加して、旧交を温めることが出来、感慨深いものが在った。
「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」を実感した。
一人は、十数年ぶり、大手製パンメーカーの社員さんでよく語り楽しい場持ちの良い人だった。突然参加されなくなり、その後上海だか何処かに転勤になった聞いた。
 今回、久し振りにお会いしたが、覚えていてくださり、昔話をしたが、転勤先は香港だったそうだ。

もう一人は、以前同じテーブルでよく利き酒をした人で、今日は隣のテーブルに座っておられ、久し振りだなと思っていたら、宴終了後、声をかけていただいた。
 もう3年振りだそうで、その間の経緯もお伺いした。3年前に大阪に転居され、その後体調を崩され、手術もされたそうだが、今では元気にお酒も楽しまれ、これからはバイクに乗って走り回る予定だそうだ。最後に、拙ブログは今も読んでいますよと言っていただいた。ありがたい話だった。

この会で同じ酒を利いたり、お花見をしたり、蔵見学をしたりした仲間が名古屋を離れる事は多くはないがある。
 昔の仲間は東京、大阪、遠くはアメリカにもいる。
お酒が取り持つ縁も貴いものだ。
  






2020-07-17 (Fri)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になるお酒」(その1)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になるお酒」(その1)

コロナ禍対策のための活動休止が先月終わり、再開後2度目の定例会に参加した。テーマは「気になる酒」だが、閉会時の主催者挨拶によれば、中止されたお花見にお目見えする予定だった花見酒も中に含まれているそうだ。今年は、お花見の宴もできなかったが、こうして今月の例会が開かれ、同好の士とともに日本のお酒と旬彩処かのうさんの料理を楽しむ時を過ごせたのはありがたいことだった。 来月のテーマは「気になるお酒、どえら...

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コロナ禍対策のための活動休止が先月終わり、再開後2度目の定例会に参加した。

テーマは「気になる酒」だが、閉会時の主催者挨拶によれば、中止されたお花見にお目見えする予定だった花見酒も中に含まれているそうだ。

今年は、お花見の宴もできなかったが、こうして今月の例会が開かれ、同好の士とともに日本のお酒と旬彩処かのうさんの料理を楽しむ時を過ごせたのはありがたいことだった。

 来月のテーマは「気になるお酒、どえらいええやつ」だそうだ。

「どえらいええやつ」!! たまりませんネェ~


【今日の出品酒】
ブラインド評価終了後目隠しが外された銘酒たち。
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コロナ対策のため参加者が絞られているため、本数も10本になっている。

以下、目隠しの利き酒の個人的評価を記載するが、個人的嗜好によるもので、客観性はない。
 参加者全体の評価結果は、sake nagoyaの公式サイトに後日掲載されるので、その結果の方が客観性がある。

公式サイト
http://www.sakenagoya.com/


(1)
 東鶴 槽搾り 純米吟醸  製造2019/09 東鶴酒造 (佐賀)
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 立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。スッキリとした酸、舌触り丸い。厚みのある味わいよりスピード感の世界。含み香も吟醸香の名残り。中盤以降、やや味がショビつく印象。少し味わいの盛りを過ぎているかもしれない。評価7.0


追記:

かがた屋酒店の紹介
『ラベル、ロゴ、酒質、東鶴酒造が大改革を断行。
酒造りの重要要素「水」に着目。
いままで10メートルの深さだった井戸を
100
メートルの深さまで掘り下げ、軟質な水をGET
それにより酒質が抜群に向上。
この生まれ変わり感、ハンパなし!!』
https://www.kagataya.net/shopdetail/000000002987/



(2)
 伯楽星 純米吟醸 おりがらみ 生酒 製造2019/12 新澤酒造店 (宮城)
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 おりがらみ。立香は甘い香り。甘い入り口。トロリとした舌触り、甘い酸で、軽やか。中盤の苦・渋も無く味わいのバランスが良い。穏やかな世界で、偏った癖はない。後口の切れ良い。評価8.0


追記:

阿部酒店の紹介
『 瓶底にうっすらと「にごり」が沈殿している限定バージョンです。香りは本来の味わいを邪魔しない穏やかで清涼感のある香り、飲み口はフレッシュで爽やか、若々しくしなやかな美味さを誇ります。単に、生の華やかな旨味だけで押し切る味わいではなく、緻密に設計された繊細な美味さを表現している逸品。初めて伯楽星を試してみようかと思う方にもおすすめできる魅力満載の美味しさです。

2011
3月の震災後、様々な問題を乗り越え未来への出発を志し、川崎蔵への移転を決意。その新蔵での伯楽星のR1BY新酒です。ここからまた新たな歴史が始まります!どうぞこの味わいを存分にお楽しみ下さい。』
https://www.ast39.com/product/440



(3)
 フモトヰ 純吟雄町 おりがらみ 生 製造2020/02 麓井酒造 (山形)
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 おりがらみとにごりの中間。立香は仄かに甘いもの。甘い入り口だが、酸味が追いかけてくる。すぐ、発泡感の名残のような辛味があるが、続かない。中盤以降、甘・酸・辛の混合した味で味わいの展開がない。後口は辛味系。評価7.0


追記:


花山の紹介
『純米吟醸 生酒 おりがらみ 2月限定発売

雄町米のやわらかい味わいと、搾りたてのフルーティーな吟香を表現するため、搾りたての新酒におりを絡めて瓶詰しました。2月上旬発売。
日本酒度 +5
酸度 1.6
使用米 雄町
精米歩合 50%
使用酵母 山形酵母』
https://www.nipponnosake.com/kura/fumotoi/sake.html



(4)
 玉旭 ECHOES 酒母搾り 純米生原酒 製造2019/07 玉旭酒造 (富山)
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 黄みのある色。立香は熟香と酸っぱさの混合した香り。甘い入り口、フルーティーな酸、含み香も果実を想わせる香り。味わいも甘酸っぱく、爽やかでワイン風な世界。含み香にエチル系のものを感じる。中盤以降の切れも良い。評価8.0


追記:
味わいも個性的だった、これが日本酒?
イメージは、日本酒よりワイン。
後で、ラベルを見て「酒母搾り」と書いてあった。
知らなかったので、搾り方のことと考えたが、そうではなく造り方のことだった。
 日本酒の世界も、まだまだ未知の事が満ちている。


酒母搾りとは
『本来日本酒は、蒸した米・麹・水で酵母を培養した酒母(しゅぼ)を作り、そこにさらに蒸した米・麹・水を加えて量を増やした酛(もと)を作ってから搾る。しかし、酒母搾りは酒母の状態で搾る。

ここがポイント
酒母搾りは通常の日本酒に比べて生産量が少ない。また酵母が糖をアルコールに変える割合が少ないので甘くて酸味の強い日本酒になる。』
https://toyamatome.com/sake-echoes/


「玉旭酒造のECHOESMOTHERの比較・酒母絞り4種を飲んでみた感想」
https://arnon.jp/tamaasahi



(5)
 五橋 五(five) ブルー 2018BY 純米吟醸 生酒 製造2019/09 酒井酒造 (山口)
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 立香は爽やかな香り、吟醸香か? 甘い入り口、トロリとした舌触り。含み香は吟醸香。中盤、酸の後、渋味と苦味の重みがある。味わいの展開のお尻が重いタイプ。吟醸香が残り香まで続く。評価7.0


追記:


いまでやの紹介
fiveとは、すべて木桶で仕込まれており、5種類のロゴカラーで酒質と季節感を表したシリーズ。このお酒は、毎年初夏ごろにリリースされる、キリッとスッキリした夏にぴったりな味わいのお酒です。
【蔵元より】
上槽したばかりのお酒は青みがかった黄緑色をしています。これを「青冴え」していると言い、よいお酒ができた指標となるのです。 その新鮮で刺激的な香味は、生命力に満ち満ちた若者をイメージさせます。だからどこか尖って「青い」と感じるかもしれません。時にはあの頃を振り返りながら飲む。そんなお酒です。 PS.飲み干した後に残る微かな苦み。Bitter sweet memory

https://www.imaday.jp/shopdetail/000000004092/



(6)
 佐久乃花 純吟 手詰め 直汲み Spec d 無濾過生原酒 製造2019/12 佐久の花酒造 (長野)
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 立香は仄かな吟醸香。丸い入り口。酸の後、酸と辛味の固い味わい、味が広がらない。含み香も中心に固まる。中に閉じこもった世界。中盤、底に渋味を感じる。評価6.0


追記:

固い味わいの印象は、アルコール度数が17度と高いことにも因るかもしれない。

日本酒物語の紹介
specDとは、アルプス酵母(長野C酵母)より華やかな吟醸香を発するといわれる、長野D酵母で醸した事を意味します。使用米は地元産ひとごこち。"手詰め直汲み"は発売初期の限定らしいです。スペックから想起される通りのフルーティーな吟醸香と微々発泡のシュワシュワ感が心地よい。アルコール度数が高い生原酒なのに、それを感じさせません。毎冬発売が楽しみな一品です。
個人的な飲み方ですが、開封後時間を置くとどんどん甘くなってしまうので、短期間で呑み切るように、飲む人数に応じて一升瓶と四合瓶を選び分けています。』
https://www.sakeno.com/meigara/1131/voice/



(7)
 明鏡止水 純米吟醸 甕口 生原酒 製造2020/02 大澤酒造 (長野)
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 立香はあまり感じない。トロリとした入り口。酸の味わい。滑らかな舌触り。中盤、辛味が味を締める。広がりとかふくらみがなく味が展開しない。中盤以降、辛味と渋味が糸を引く。評価7.0


追記:
この酒も中盤の味わいの展開がないと感じた。
度数が1718度と高いことに因るかもしれない。


佐金商店の紹介
『槽より滴り落ちる甕から直汲みした新酒を瓶詰めし、そのまま出荷したしぼりたて生原酒です。 空気に触れる時間を極力短くして、純米吟醸のしぼりたての旨さをそのまま瓶詰めしています。 しっとりとした中に、ボリューム感あふれる凝縮された味わいと爽やかな香りをお楽しみ頂けます。 パンチの効いた飲み応えが非常に印象深い、明鏡止水の新境地です。 水のように清冽でサラリと流れるような明鏡止水とは一線を画す限定酒です。』
https://www.sakin21.com/SHOP/0235_160_720.html



(8)
 福田 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒 製造2019/12 福田酒造 (長崎)
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 透明な酒。立香は仄かに甘い、軽い吟醸香?甘い入り口、トロリとした舌触り。酸は滑らか。味わいは酸味系だがふくらみがある。中盤、苦・渋は無く辛味が味を締める。含み香は吟醸香らしいが、ややダレた崩れた感じがする。評価7.0

追記:
3
月末のお花見の時にいただけば、満開だっただろうと惜しまれる。


矢島酒店の紹介文
『矢島酒店で取り扱う「福田」は、次期・福田竜也氏が立ち上げた特約流通ブランドです。穏やかな香りに、酒造好適米「山田錦」ならではのふくらみのある柔らかな旨味とキレの良さが特徴です。

近年は数々のコンテストにおいて高い評価を受けています。

【令和元年】
・全国新酒鑑評会 最高位『金賞』受賞
2019年 Kura Maste  純米酒部門 金賞[フランス・パリ]

【平成30年】
・全国新酒鑑評会 入賞
IWC(インターナショナルワインチャレンジ)
           SILVER[イギリス・ロンドン]
Kura Master 純米酒部門 プラチナ賞[フランス]
Kura Master 純米吟醸部門 金賞[フランス・パリ]
・福岡国税局 金賞受賞
SAKE selection吟醸酒部門 シルバー賞[ベルギー]
...』
https://www.yajima-jizake.co.jp/products/detail.php?product_id=8882



(9)
 羽水 UI(うい) 特別純米 製造2019/12 株式会社せんきん (栃木)
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おりがらみ、霞酒。立香は甘い香り。甘い入り口、酸は軽く、広がりあり、発泡感の名残が含み香と軽い辛味を感じさせる。中盤以降、癖がなく切れる。残り香の余韻がある。味のバランス良い。後口の切れ良い。評価8.0
バランスの良さはNo.2と良い勝負。

追記:
先月も仙禽の酒が出品され、個人的には最も評価が高かったが、今月も「羽水UI」という新しいブランドで登場した。
この酒も良かった。
仙禽を含めて最近の栃木の酒は好い。


さかや 栗原の紹介文
『「薄井 真人」杜氏の新ブランド!!
羽水が新たにUIとして新登場!!

羽水ブランド定番として「純米」と「生もと」の双璧はそのままに「USUI」のアルファベットの最初と最後を抜粋し『羽水 UI (ウィ) 』という名を冠しました。UIの意味合いは「初々しい」・「切り開く」・「初心を忘れず」・「新たな境地を開拓し続ける」などで、フランス語の「Oui
Yes」の意味も兼ね備えます。「羽水」から「羽水 UI」へ新生した事により常に時代に合わせ、市場を鑑み、斬新なものを生み出していく。「常に新しく、初であり、それを武器として切り拓き、開拓していく。」という意味合いを持たせています。

薄井真人 杜氏メッセージ―
仕上がりは、香り穏やかで色気は少ないが底力のある栃木酵母を使用しゆっくりとしかし確実に酵母本来の力を引き出し主役は彼らの微生物であることを再確認する。麹造りでも酵母と同じく種麹の持つ本来のパワーを最大限に引き出す事に注力した。
そうする事により酵母の食料を充満させ麹菌と酵母菌の相乗効果を図り現代の発酵形態の最上級の力を存分に発揮させた。
このような造りをする事により「純米」から「特別純米」へと製造方法を変更しました。

酒質のベースとなるものは「羽水・夏酒」となります。穏やかな香りと甘みのバランスの取れた味わいです。
常に新たなる挑戦を続けるせんきんの「今」をご堪能下さい!

https://www.sakaya-kurihara.jp/item/2015ho-1559/



(10)
 花邑 純米吟醸 手詰め 生 出羽蝶々 製造2020/02 両関酒造 (秋田)
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 透明な酒。立香は仄かに甘い、軽い吟醸香?甘い入り口、軽やかな丸い酸。含み香は吟醸香だが適度で鼻につかない。中盤も軽やかな味わいで苦・渋が軽く味を締める。透明感のある広がりがある大吟醸の世界を感じさせる。評価9.0


追記:

地酒大好きドットコムの紹介文
『人気実力ともに日本酒の頂点に立つ【十四代】の高木社長からの異例の技術指導が行われた純米吟醸。 その話題性と非常にレベルの高い酒質から、都内を始め多くの地酒酒販店が新規取引を目指しているが、米選びから、徹底した品質管理のもと 醸造される量が非常に少ないため新規で取引を始めることは難しい。 米選び、醸造方法、保管方法、ラベル、名前まですべて十四代が監修したこともあり、ベースは間違いない酒質なのだが、そこから プライドをかけた両関酒造のアレンジがより味に深みを与えます。 そして昨年より花邑のラインナップに加わった出羽燦々。花邑と山形の酒造好適米との必然的な出逢い。蔵人一丸、「両関 ONE TEAM」。花邑イズムを惜しげもなく注ぎ込み、大事に育て上げた花邑出羽燦々。フラッグシップの雄町が持つ流麗、且つ艶やかさを継承し、陸羽田のスマートな美しさも併せ持つ花邑の才色兼備。』
https://jizake-daisuki.com/shopdetail/000000000648/



2020-07-17 (Fri)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になる酒」(その2)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になる酒」(その2)

毎回楽しみな旬彩処かのうさんの料理を今日も頂くことが出来た。【今日の料理】・枝豆枝豆の確りとした食感。丸い塩の後豆の甘さと香りが広がる。・葱じゃこ刻み葱と柔らかいじゃことの和え物。口に入れると、胡麻油の香ばしい香りが口の中に広がり、葱の薬味としての主張とじゃこの薄い塩味の旨味が感じられる。・鯖の梅干し煮甘味のある薄めの醤油出汁で鯖が煮てあり一人二切れありたっぷりとしている。柔らかく出汁を吸った梅干...

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毎回楽しみな旬彩処かのうさんの料理を今日も頂くことが出来た。

【今日の料理】


・枝豆
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枝豆の確りとした食感。丸い塩の後豆の甘さと香りが広がる。


・葱じゃこ
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刻み葱と柔らかいじゃことの和え物。口に入れると、胡麻油の香ばしい香りが口の中に広がり、葱の薬味としての主張とじゃこの薄い塩味の旨味が感じられる。


・鯖の梅干し煮
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甘味のある薄めの醤油出汁で鯖が煮てあり一人二切れありたっぷりとしている。柔らかく出汁を吸った梅干しと紫蘇の葉は調味料の役割とそれ自体の旨さ両方楽しむことができる。
細切り生姜の爽やかさも加わって、魚の生臭さは全く感じない。鯖の背側の確りとした食感と旨味の後、脂の乗った腹身鯖らしさを実感させる。
 鯛や金目などの高級魚も良いが、鯖は旨い。
以前にも登場したが、この肴は好みだ。


・豚肉のねぎま
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見たとこと焦げ臭が予想されるが、実際は立香は癖がない。スモーク・いぶしの香りが豚肉の旨味を感じさせる。
豚肉はよく焼かれているので確りとした食感と香ばしさが先に来る、噛んでいる内に肉がほぐれ、焼きで凝縮された豚肉の旨味が口の中に広がる。
 葱はシャキシャキの食感と甘みがある。
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本だが凝縮した旨味があり満足感がある。


・蛸の唐揚げ
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説明を聞きそびれたので、最初、何の唐揚げか判らなかった。食べ始めると歯ごたえのある確りとした食感。噛んでいると判った、蛸だった。
 旬彩処かのうさんの蛸の肴といえば、姿煮の桜煮になる。家では食べられない喜びがある肴だ。
蛸の唐揚げは、あまり記憶がないが、美味しいことが判った。


・鯛茶漬け
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これも説明を聞きそびれたので、鯛ではないかもしれないが、一切れ丸々入った茶漬けは焼き魚の香ばしさと旨味がだし汁と合わさって贅沢なお茶漬けだ。


・沢庵
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ひねた沢庵ではなく、浅漬系のサッパリとした漬物。
シャキシャキとした食感と甘味のある味が口の中を爽やかに、リセットしてくれる。



【今日のお酒の感想】
目隠し利き酒の結果は、個々に書いたが、最後のまとめの感想を書かせて頂く。

1.お花見の酒
 利き酒をしていて、おりがらみ、霞酒の酒が多く、お花見みたいだなと思ったが、主催者の最後の挨拶でお花見の酒が入っていると説明があったので得心した。

おりがらみの花見酒らしい世界は、伯楽星、羽水UIで楽しむことが出来た。

3月末、お花が咲いている下で飲みたかったと思ったのは、 東鶴と福田、今日時点では少しピークを過ぎている気がした。


2.気になった酒
 (1)花邑

  個人的には純米吟醸は中途半端で存在理由が解らないのだが、この酒は純米吟醸のイメージを変えた。
 これは大吟醸の世界だと思った。

後で知ったが、高木酒造の技術援助を背景に、造られた酒らしい。良いお酒を造る面で十四代の跡を追うのは良いが、供給量を絞る営業政策面では跡を追わないでほしい。

 (2)玉旭の酒母搾り
  ラベルに酒母搾りと書いてあったがどんな搾り手法かと思った。
 単なる酒好きで、造りには素人なので、日本酒は3段仕込みで造るものと言う固定観念の中にいた。
 酒母は知っているが、酒母だけで造る日本酒があるとは知らなかった

 味も日本酒と言うより白ワインの世界だった。
酒母だけなら酸っぱいだけのような気もするが、この酒は甘さもある、どうして造るのか気になる。

特別企画で出会った「小嶋屋 無題 弐」は貴醸酒の4段仕込みだった、この酒の酒母搾りと言い、三段仕込みの固定観念より、日本酒の未来は遥かに広く開けていると感心した。
 新しいチャレンジは、いつも、どこでも必要だ。

(3)
個人の嗜好
 佐久乃花も明鏡止水も味わいが固く感じた。これは個人の嗜好だが、利き方にも因ると思う。
 肴の影響が評価に入らないように、利き酒が終わらないうちは、料理に手を付けないことにしている。
 食べながら利き酒をする人も居る、その方が多いかもしれない。酒単独で利く場合と食べながらとでは結果が違うことは十分想像できる。

 今日の自分の評価結果を見て感じた固い酒という印象は 度数が高い事に因る可能性がある。1718度では味が開かないと感じるのかもしれない。
自分の嗜好は1516度なのだろう。 


今日も、色々勉強になった。
楽しむ時も過ごせた。
日本酒の会sake nagoyaはありがたい。

来月は「気になるお酒、どえらいええやつ」だ!!!




2020-07-04 (Sat)

2020/07/04 sake nagoya特別企画@旬彩処かのう(その1)

2020/07/04 sake nagoya特別企画@旬彩処かのう(その1)

日本酒の会sake nagoyaの特別企画に参加した。sake nagoyaは毎月1回、第3金曜日に定例会を開催しているが、定例会以外に特別企画の会が不定期に開催されている。定例会と特別企画は運営や内容で異なっている。定例会は、開かれた会であり、公式サイトで告知される募集に応募し運が良ければ誰でも参加できる。公式サイトはhttp://www.sakenagoya.com/因みに、7月の定例会「気になるお酒」は、募集終了で満席になっている。一方、特...

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日本酒の会sake nagoyaの特別企画に参加した。
sake nagoya
は毎月1回、第3金曜日に定例会を開催しているが、定例会以外に特別企画の会が不定期に開催されている。

定例会と特別企画は運営や内容で異なっている。
定例会は、開かれた会であり、公式サイトで告知される募集に応募し運が良ければ誰でも参加できる。

公式サイトは
http://www.sakenagoya.com/
因みに、7月の定例会「気になるお酒」は、募集終了で満席になっている。

一方、特別企画は、一般公募はないので、定例会に参加しているとか何らかの形でsake nagoyaの縁者である必要がある。

運営についても異なっている。
定例会は、ブラインドテイスティングで出品酒を参加者が評価し、評価結果を集計し、参加者全員の評価結果も公表することになっている。
 これが、sake nagoyaが他の日本酒の会と異なる最大の特徴と言える。楽しむだけでなく、真剣に酒と向き会うことが要求される宴でもある。

一方、特別企画は、ブラインドテイスティングは行われない。
銘柄を見ながらラベルのスペックを確認しながら飲むことができる。日本酒を楽しむ普通の宴だ。

会場も開催時間も違う。
定例会は、旬彩処かのうに固定され、時間は19時からに固定されている。
特別企画は、今回はコロナ禍の関係と思われるが旬彩処かのうで開催された。それまでは主催者I氏の関係先の某処で開催されてきた。開催時間は夜ではなく、明るい時間帯の開催だ。


コロナ禍はあらゆる活動に自粛をもたらしたので、日本酒のイベントは勿論、殆どが中止になった。
 sake nagoyaも同様に中止を余儀なくされたが、コロナ対策を講じた上で6月の定例会は開催され、追いかけて特別企画も7月に開催されることになった。

失ってみて初めて分かる喪失感。
日本酒を愛する人にとって、日本酒の宴のある日常が戻ることは喪失感を癒やしてくれる。



【今回の出品酒】
sake nagoya
の主催者でもありバイヤーでもあるI氏の目に留まった出品酒たち。

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30人の参加者に対して17銘柄。
宴が終わった後の勢揃いだ。


前述の通り、特別企画はブランドテイスティングは行わないので、只管目の前の銘酒を愉しめば、それで良い。
日本酒は飲んで楽しむもの、これは根本だ。

しかし、筆者は飲みながらメモを書いたりする、酒だけではなく料理もだ。
 これは、酒宴の場では問題になることもある。
酒も料理も楽しむもの、それに集中し、その楽しさを同席者と語らうことが宴だと考えるほうが一般的だ。

だから、多くの酒宴の場ではメモを書いたりしていると、横目で見られたり、時によっては酒は楽しむものだよとアドバイスを受けたりすることもある。多くはないが、マナー違反として口撃されたこともある。
 だから、sake nagoya以外の酒宴では、会場のハズレ、片隅に座るようにしている。

メモを書く理由は、酒の印象は、喉を通れば泡沫のように消えてしまうからだ。
 メモを書いたからすべてを書き切れることはないことも承知はしているが、10の内2でも3でも、消えてしまうより良いのではないか。

という事で今回も個人的に印象をメモした。
以下に印象を書くが、個人的嗜好によるものであり客観性は無いことと書いた時点ではそれぞれのお酒に対する十分な情報を持っていなかった事による浅薄さがある事をお断りする。


(1)
 貴 特別純米山田錦 無濾過おりがらみ生 蔵開き限定酒 製造2020/04 永山本家酒造場 (山口)
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 立香は熟成感を感じさせるものと甘さを感じさせるものの混合した香りだが強くはないが主張のある香り。甘い入り口トロリとした舌触り。甘酸っぱさの後辛味の芯が来る。滑らかな感じだが、膨らみとか広がりはなく、中盤は辛味が中心にあるパンチのある味。評価7.0

追記:
蔵開きで提供されるために造られた特別な酒だが、コロナ禍のために蔵開きが行われなくなった。
 本来は蔵開きでしか入手できなかった酒だが、特別に限定したルートで出荷されたもの。

蔵開き限定酒「特別純米の無濾過おりがらみ生酒」
搾ったそのままを瓶に詰め無濾過・おりがらみ酒。




(2)
 明鏡止水 純米大吟醸 磨き35  製造2019/04 大澤酒造 (長野)
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 立香は仄かに鼻に抜けるもの。滑らかな甘い入り口。トロリとした舌触りだが、広がらない。膨らみもあまり大きくはない。評価7.0

追記:
A地区東条産特上米のみで醸した純米大吟醸。
フラッグシップ「プラチナ」(720ml 1万円)の槽搾りの無濾過原酒で、総数150本のみ蔵出しの限定酒だそうだ。


原材料 : 特A地区山田錦
精米歩合 : 35%
日本酒度 : +6
酸度 : 1.6
アルール分 : 17%
産地 : 長野県 大澤酒造



(3)
 而今 特別純米 火入れ 製造2019/10 木屋正酒造 (三重)
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 立香は甘いもので吟醸香風のもの。スッキリとした入り口。酸味が来て、広がりを感じる。含み香は何か発泡感の名残のようなものを感じる。背景に渋みを感じる。後半は辛味系。評価8.0

追記:
人気の而今の限定出荷品。
運がよく通常価格で入手できれば、税込み1650円なのだが、それは無理。
 超人気のプレミアム価格酒である。
楽天では720ml12000円~15000円で販売されている。
中国人ではあるまいし、希少品を買い占めて値段を吊り上げるような事は止めてほしいと思う。



(4)
 獺祭 早田 純米大吟醸 磨き2割3分 製造2020/01 旭酒造 (山口)
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仄かな吟醸香が穏やかに立つ。トロリとした舌触り、味わいのふくらみ、甘さと透明な酸のふくらみが大きくふくらむ。
 透明感がある大きな世界だ。中盤もトロリとした舌触りが続く。中盤以降も味のバランスが良く、味の偏りを感じない。終盤雑味無く、後口の切れが良い。評価9.0


追記:
今日最も興味が湧いたのは獺祭23分だった。
sake nagoya
でも何度か登場している。

獺祭23分のイメージは、過去の記憶に基づいている。
ほっそりとした味わい、上品だが、綺麗すぎて味わいの主張に乏しいというイメージだ。23分まで米を磨く必要はあるのだろうかという素朴な疑問だ。

この印象は、下記の記事に書いている。
2014/12/19
 日本酒の会sake nagoya  12月定例会 (その1)
https://nabanatei.com/blog-entry-2405.html

2014/12/19
 日本酒の会sake nagoya  12月定例会 (その2)
https://nabanatei.com/blog-entry-2406.html

ところが、今日の獺祭23分は、全く違う世界だった。
綺麗さ・切れの良さより膨らみ・豊かさがあった。
全く別のお酒と考えた方が良い印象だった。

「獺祭 早田 純米大吟醸 磨き2割3分」を調べてみてその理由が理解できた。
 旭酒造は、遠心分離法による搾りに見られるように、日本酒の革新のために技術開発の努力を惜しまない蔵だが、この酒にも技術革新が行われていた。

この酒では、火入れの革新が行われていた。
通常の火入れは酒の温度を上げ、酵母を失活させるのだが、温度を上げると風味もその分失われる危険性がある。

そこで、旭酒造は、明治大学の早田教授と共同研究し、二酸化炭素をマイクロバブル化し低い温度で火入れする方法を開発した。

『当商品「獺祭 早田 磨き二割三分」は、二酸化炭素をマイクロバブル化(通常の水で発生する気泡よりも極めて細かい泡にすること)してお酒に加える事で、極力熱を加えず(通常65度くらいのところを約40度で)、かつ、短時間で、フレッシュ感を損なわずに通常の火入れと同等の成果を得ることに成功した商品です。

「早田」という商品名は、上記の加熱処理を旭酒造と共に研究・開発されていた明治大学の故・早田保義教授の名字から頂いたもの。』
(佐野屋
https://www.jizake.com/c/sake/dassai/ns010007c10
より転載)

獺祭23分は、2014年のものとは違う造りになっていた、生まれ変わっていた。

良い酒だが、720ml
11,000円(税込)の価格では、一人で晩酌で飲むには高価過ぎる。
 何かのお祝いの会で皆で楽しむにはピッタリの酒だ。



(5)
 一白水成 MOVING SATURDAY 製造2020/05 福禄寿酒造 (秋田
)
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 甘い立香。酸味の後、辛味が来る。中盤からの切れが良い。残り香に発泡感の名残のようなものを感じる。評価8.0

追記:
一白水成 Moving Saturday 720ml
価格:2,112 円(税込)

Moving Saturday
という銘柄名はゴルフ用語から来ているそうだ。

通常、ゴルフの大会は木曜日~日曜日の4日間かけて開催され、日曜日は最終日に当たる。

土曜日は最終ラウンド前日のせいか、スコアが「Moving」する、つまり乱高下激しくなると言われるそうだ。
土曜日の大荒れという名を冠した予測のつかない酒という意味合い。

ラベル表示はないが、この酒は精米歩合50%の純米大吟醸クラスを使った貴醸酒だそうだ。

貴醸酒は日本酒の三段仕込の最終段階である留で水ではなく日本酒酒を使って造る贅沢な酒だ。
 一般の日本酒よりも甘味が強くトロリとした舌触り、酸度も高くスッキリと切れる後口になる。

利いた印象も、貴醸酒と言われれば、成程と得心が行く。




(6)
 雪の茅舎 山廃 純米大吟醸 製造2019/02 齋彌酒造店 (秋田)
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立香はあまり感じない、癖のある立香ではない。スッキリとした入り口、酸は透明感があり、スピード感を感じる。舌触りはトロリとした印象があるが、中盤以降良く切れる。後口は辛味系。評価8.0

追記:
スペックを見て意外だった、印象は山廃とは思わなかった。山廃らしくない含み香だ。
山廃は味わいは厚く旨味一杯だが含香に癖があるという筆者の今までの山廃のイメージを変える酒だった。

秘伝山廃シリーズの限定酒で、2018101日から6000本限定で蔵出し開始され、初年度は即完売となったそうだ。
二期目は、20191211日から蔵出し開始されたそうなので、この酒の出荷は2019/02となっていることから、初年度の6000本のうちの1本と考えられる。




(7)
 七水 純米吟醸 -55- 夢錦 製造2019/07 虎屋本店 (栃木)
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 入り口は甘いが、すぐ酸味が追い掛ける。含み香が個性的で、説明が難しい香りだがやや気になる。広がり、透明感は少ない。残香も個性的な含み香と同じ香りが残る。評価6.0

追記:
調べてみたが、この酒の造りが特別なことがあるのか判らなかった。
 この蔵は、最近海外の品評会で入賞し、注目されているようだ。
 お酒は嗜好品、個人的な嗜好には合わない印象だったが、合う人も多いから、世の中はよく出来ている。



(8)
 鳳凰美田 別誂至高 大吟醸 原酒 製造2018/04 小林酒造 (栃木)
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 立香はあまり強くなくスッキリとして快い甘さを感じる。甘い入り口、滑らかな舌触り。中盤の味わいは透明感があり、広がりもある。味のバランスも良く、嫌味を感じなく、品位を感じさせる。広がり、ふくらみ、味わいのバランスが良い世界を感じさせる。評価9.0

最初に利いた後、温度が上がって、二度目に飲んだときは、中盤以降少し苦味が浮いた気がした。

追記:
今回の17銘柄で、最初は好みの酒だった。
自虐的に言えば、香り高い典型的吟醸酒好みの酒だ。

兵庫県産特A地区「山田錦」を35%まで磨き、醪日数30日の長期低温醗酵の醪を袋吊り雫搾りにした酒。
斗瓶に採り冷蔵庫で貯蔵した、贅沢な造りで、全国新酒鑑評会出品用に仕込んだ酒らしい。
大吟醸 720ml 5500円(税込み)



(9)
 陸奥八仙 大吟醸  製造(不明) 八戸酒造 (青森)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸味の後、渋味、苦味が続く。広がりはなく、味が中に集まる味わい。大吟醸というより純米酒の世界に近く、食中酒として適性がありそうだ。評価6.0

追記:
蔵内で約半年間の貯蔵熟成をさせ出荷されるらしい。
720 ml  3,630
円(税込み)価格は晩酌に無理ではない。
だが、鳳凰美田の後に飲むと、大吟醸らしい透明感とか切れは感じない。食中酒なら良いが単独で楽しむには大吟醸らしくはない。



(10)
 
あべ FOMALHAUT Spark Rice Harvest Year 2018 製造2019/07 阿部酒造 (新潟)
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 利き猪口に注ぐと泡立つが、口に含むと発泡感は強くなく穏やかな感じ。甘さとシュワ感の後スッキリと消える。見かけと味わいの印象に違いがある。後口の余韻は発泡感と香り。評価8.0

追記:
シュワッとして消える、後口爽やか、後が良い感じだ。
日本酒というよりワインの印象、日本酒でもこの様な造りができるのと感心した。
誕生会などの祝いの場で乾杯に使うのが適役だ。


長いが酒店の紹介記事を転載する。
『瓶内二次発酵で得られた炭酸ガスをボトルに封じ込めた爽快さと艶やかな甘さが調和した瑞々しさいっぱいの飲み口。香り高くクリーミーな香味を爽やかにお楽しみいただけるスパークリングな「あべ」です。

新潟県で日本酒「あべ」を醸す阿部酒造による数量限定の逸品「フォーマルスパーク」のご紹介です。こちらは、瓶内二次発酵で得られた炭酸ガスをボトルに封じ込めた状態でリリースされた「スパークリング」の日本酒。きめ細かな泡の中で瑞々しく煌く甘さと酸、苦みが調和した味わいを爽やかにお楽しみいただけます。

ガラスに注がれた「フォーマルスパーク」は、微かにイエローを溶け込ませたホワイトシルバーの色調を呈します。にごり成分はきめ細かく、わずかに小さな欠片を浮かばせつつ、くすみなく満遍なく行き渡り、艶やかに溶け込んだエキス分の豊かさと健全さを誇示。差し込んだ照明の光を余すことなく反射する液面は精良なアルコール分が溶け込んでいることを伝えます。

香りにはスミレを想わせる清楚で甘やかな花のようなニュアンス。にごり成分からのスペアミントのような柔らかな清涼感や若草のようなフレッシュな香り、さらには求肥を想わせるしっとりとしたお米感も漂います。蜜のような甘い雰囲気と爽快さをほのめかす香り立ちは、もたらされるであろう瑞々しい味わいをありありと想像させるマウス・ウォータリングっぷりです。

炭酸の泡はごく小さく、舌の上で粒が溶けるような感触。口当たりの爽やかさにちくちくと心地よい刺激を加えます。麹の甘みが表現された味わいは蜜のように艶やかで、炭酸と調和して瑞々しい飲み口を展開。さらに、日本酒「あべ」ならではのメロンを想わせるフレッシュな甘いフレーバーと溶け合ってマイルドな果実感を引き出し、バニラアイスクリームを溶かして混ぜたクリームソーダが思い浮かぶ、クリーミー、且つ、フルーティな味わいを爽やかに楽しませてくれます。

飲み落とすとまろやかな苦みによる柔らかなキレ。後口に消え残る甘みが優しく漂い、バニラを想わせる余韻を繊細にたなびかせます。

艶やかな甘さやにごり成分からの豊かな旨みのクリーミーな舌触り、炭酸による爽快感が調和して引き出された、瑞々しさいっぱいの「フォーマルスパーク」。果実フレーバーが相乗して表現する清涼感と、日本酒「あべ」の火入れのお酒ならではのくっきりとした鮮明感が歯切れよく心地よい香味を楽しませてくれる極上の逸品です。この機会にぜひ、ご体験ください。』
(尾崎商店
http://ozakishouten.com/product/%E3%81%82%E3%81%B9-fomalhaut-sparkling-rice-harvest-year-2018-720ml/
より転載)




2020-07-04 (Sat)

2020/07/04 sake nagoya特別企画@旬彩処かのう(その2)

2020/07/04 sake nagoya特別企画@旬彩処かのう(その2)

(11) フモトヰ 雪女神 純米大吟醸 製造2018/11 麓井酒造 (山形) 立香は個性的、エチル系とか化学臭系のもの。スッキリとした入り口。味わいの透明感はあるが、立ち香と同じ含み香が続き、味わいの推移を妨げ気になる。評価6.0。追記:山形の酒米雪女神を35%まで磨いた純米大吟醸。ラベルを見ると『山形県オリジナルの酒米 「雪女神」を使用し、きもと仕込みで醸した純米大吟醸酒です。昔ながらの山形酵母を用い、おだやかで...

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(11)
 フモトヰ 雪女神 純米大吟醸 製造2018/11 麓井酒造 (山形)
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 立香は個性的、エチル系とか化学臭系のもの。スッキリとした入り口。味わいの透明感はあるが、立ち香と同じ含み香が続き、味わいの推移を妨げ気になる。評価6.0

追記:
山形の酒米雪女神を35%まで磨いた純米大吟醸。
ラベルを見ると
『山形県オリジナルの酒米 「雪女神」を使用し、きもと仕込みで醸した純米大吟醸酒です。昔ながらの山形酵母を用い、おだやかでかつフレッシュなマスカットを思わせる吟醸香と雑味のないクリアーな味わいを追求しました。』
と書かれている。
素人だから、生もと仕込で山形酵母使用と言われるとどう造るのか想像できないが、香りの癖は生もとならと理解できた。
同じ純米大吟醸だが、山廃の雪の茅舎とこの酒の世界はかなり違っている。

35%
精米の贅沢な作りだが、価格は720ml 3,300 (税込)とリーズナブルだ。



(12)
 黒龍 貴醸酒  製造2020/04 黒龍酒造 (福井)
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 立香は、仄かだがエチル系のもの。甘い入り口。スッキリとした味わいで、酸味は少なく、味の膨らみは感じないが、透明感とスピード感がある。含み香も続く。中盤以降の切れが良い。後口に含み香が残る。評価7.0

追記:
黒龍の貴醸酒。
同じ貴醸酒だが一白水成とは、味の展開がかなり違う。
個人的嗜好には、香りの面で一白水成の方が合う。

酒屋の紹介記事を転載する。

『日本酒の多様化により、デザートワインのような極甘口のお酒が飲みたいというファンの声に黒龍が応えました。
 「貴醸酒」とは、簡単に言うと、仕込に水の代わりに日本酒を用い、本来分解されてアルコールに変わる糖分を残した、極甘口の日本酒です。黒龍では純米吟醸を加えるという、とても贅沢な貴醸酒になっています。

 立香は完熟メロンやバナナ、アンズを思わせるリッチなフルーツ香。果実のコンポートのような芳醇な香りが印象的。含み香はマスカットとメロンの香りが主体的になり、その分、軽やかな印象をうけます。
 口当たりは濃密でトロリとしたアタック。凝縮された中身の濃いイメージがあります。滑らかな水晶玉のような口当たりです。

 味わいは、芳醇で豊かな甘味。ふくよかでありながらフレッシュさを持った旨味が奥行きを演出しております。後味に残る、スッキリした酸味が全体を引き締めて、甘味がくどくならないようにバランスをとっています。
 余韻はメロンやマスカットのシロップ漬けのような甘い果実感が長く続き、たいへんリッチなアフターテイストが楽しめます。

 貴醸酒と一言でいっても、メープルシロップやカラメルのような黒蜜のような甘さから、フルーツのコンポートのような甘酸っぱさが残る甘さまで、多種多様ですが、黒龍の貴醸酒は果実感を大切にした飲みやすいタイプです。 
 飲むときは氷水で冷やして5
くらいからスタートし、温度が上がるにつれて変化する味わいをお楽しみください。フルーツタルトやチーズケーキのようなスイーツ、フォアグラのテリーヌなどと。
720ml
2,000円 (税別)』
(さかえや
http://www.jizake.biz/biwa_kokuryu_kijyosyu.htm




(13)
 あたごのまつ はるこい 純米吟醸 生酒 製造2020/02 新澤醸造店 (宮城)
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 立香は乳製品のような香り。ザラつきのある舌触り。酸味と渋味が味わいを占める。個性的な味わいの世界。評価6.0

追記:
派手なラベルで日本酒のラベルとは違う世界をイメージしている。

飲む場面を想像すると乾杯酒なのだろう。
同じ飲み方が想定される「あべ FOMALHAUT Spark」とは全く違う世界だ。切れとか爽快さではなく、厚く濃い味わいの主張の世界だ。
 ゴリゴリとした手応えを好む人にはこの酒だが、穏やかさを志向する人には合わない。飲み手を選ぶ酒だ。



(14)
 豊盃 津軽の時間 大吟醸 つるし酒 十七年古酒 製造2019/12 三浦酒造 (青森)
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立香は軽い老香、十七年古酒しては軽い入り口。酸のふくらみは大きくなく、広がりも大きくない。十七年の熟成期間にしては、甘みと酸味が中に集まり、味の深み・複雑さがなく、長期熟成酒によく感じられるビロードのような滑らかな舌触りも感じない。
 熟成の儘というより、何かフィルター処理がされて、味香の複雑さが無くなっているような気がする。評価6.0

追記:

価格は、8888円 プレミア価格12000円(税込み)でそれなりの価格だ。
古酒にしては飲み易いが、十七年の熟成期間の作り出す世界を感じるかと言うと、それは無いように思う。

タンク熟成なのか瓶熟成なのか解らないが、10年を超えるような長期熟成酒は瓶熟成の方が良いと思う。

酒屋の紹介記事を転載する。

201912月、兄弟杜氏20年企画第一弾が入荷しました。
青森県弘前市の地酒・三浦酒造から、
大吟醸 つるし酒津軽の時間17年古酒の日本酒通販です。
20
年古酒大吟醸と2種類あります。

「誰にも教えたくない!!」
ずっと豊盃を応援してきた豊盃ファンなら、
きっとそう思う特別な豊盃です。

兄弟杜氏20年企画第一弾、大変貴重なお酒ですので
ぜひこの機会にお買い求めください。

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年前、料理雑誌danchuの日本酒特集号で
居並ぶ銘酒の中で、豊盃が金賞を受賞しました!
三浦兄弟が造りをして三年目の嬉しい出来事でした。

そこで当時の社長三浦氏は、記念として
つるし酒を秘かに蔵で少量貯蔵してたのです。

蔵の片隅、津軽の風の中眠り続け17

そして今、眠りから覚めました!!超超限定品。

古酒のイメージとは違い、辛口のシェリー酒のような味わいです。
御祝いの席や食前酒、デザートと共に味わうなどお楽しみください。
ダイヤモンドカットのようなしずく型の瓶が、
古酒の美しい色合いを引き出しています。
専用の化粧箱付ですので、ギフトにもおすすめです!

デリケートなお酒ですので、クール便設定です。

原料米 山田錦  精米度 40
酵母 自社酵母 アルコール度 16
日本酒度 +1~+2
(くるみや
https://www.sakaya1.com/SHOP/nhh092.html




(15)
 小嶋屋 無題 弐  製造2018/01 出荷2019/09 小嶋総本店 (山形)
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 立香はあまり感じない。甘い入り口、酸味が続く。穏やかな味わいで、素直さを感じる。味わいは軽いが、舌で探ると、意外に広さを感じる。含み香はあるが癖のあるものではない。素直な良さを感じる味わいで、好ましい世界を持っている。評価8.0

追記:
これも貴醸酒で今日3本目の貴醸酒だ。
しかも、造りに拘って造られている。
純米大吟醸を3回造って完成する、一手間どころか三手間かける複雑な造りの所産だ。
「小嶋屋」は全国20店舗の限定流通商品だそうだ。

作りは複雑だが、味わいはスッキリとして素直な感じ、生まれ育ちの良い人が出す雰囲気のようだ。

価格は、720ml 3,850円(税込)
手間を考えると安い、商売として成り立つコンセプトなのだろうか。


酒店の紹介記事を転載する。

『《全ては美味さの為!純米大吟醸を3回仕込んで造られた「無題の弐」》

日本酒業界に革命を起こしてくれるとかなり期待している「小嶋屋」
「無題の壱」はおかげ様で大人気です。
しかし、これには続きがありました!
それが「無題の弐」です。

「小嶋屋」を取扱う前に蔵元の小嶋さんと試飲を兼ねた商談を行った際、これはいけると確信を持ったのが「無題の弐」
理由は単純!文句無しに美味いから!
私は「無題の弐」に惚れ込んで「小嶋屋」の取扱いを決めました。
それでは、これより「無題の弐」を説明して行きます。

このお酒、製法がかなり複雑なので、まずはザックリ書いてしまいます。
「無題の弐」は純米大吟醸を3回仕込んで出来たお酒です。
「無題の壱」は2回でした。
更にもう一手間掛けられているのが「無題の弐」

どれだけ手間が掛かっているか少しはお分かり頂けたのではないでしょうか?

もう少しだけ詳しく説明します。
まずは純米大吟醸を1本仕込みます。
この純米大吟醸を別の純米大吟醸の醪(もろみ)に三段仕込みの留添え(とめそえ)のタイミングで水の替わりに加えます。
これを搾ると純米大吟醸規格の貴醸酒が出来上がります。
こうして出来た貴醸酒を更に別の純米大吟醸の醪に加えます。
最後の工程は酒四段なので、タイミングは三段仕込みの後、醗酵の後期。
この醪を搾って出来上がったのが「無題の弐」です。
つまり、要約すると、純米大吟醸を3回仕込んで出来たお酒ということになります。

「無題の壱」は初めてだったこともあり、製法やコンセプトをきっちり説明させて頂きました。
ですが、今回は敢えて最小限度に留めました。
だって、飲めば分かりますもん!
どれだけ丁寧に造り込まれているか!
説明は要らないくらい。

説明が蛇足にならないように気を付けました。

「無題の弐」もアルコール度数は13度と低く抑えられている低アル原酒です。
最近、色んな蔵元さんから低アル原酒がリリースされていますが、線の細いお酒が実に多い…。
お酒の持ち、保存性を考えた場合、アルコール度数は高いに越したことはありません。

おかげさまで弊社で取扱っている低アル原酒の多くはクオリティが高い。
中でも「小嶋屋」はトップレベルの酒質の強さを誇っていると私は確信しています!

低アル原酒は開けたて勝負、が一般的ですが「小嶋屋」は決してそんなことはありません!
開栓後の持ちがとにかく良い!ダレません!
味はもちろんのこと、芯の強さも私が強くオススメするポイントです。

「無題の壱」と「無題の弐」を比べると、「壱」の方がシャープで「弐」の方が味に膨らみがあって円い、それでいて軽い。
お料理との相性を考えると「弐」は何にでも馴染みます。
合わない物を探す方が難しいです。
完成度が高すぎる!!

「小嶋屋」は更に進化し続けます。
小嶋さんのビジョンを伺っているだけで私はワクワクしています。
皆さん、一緒に「小嶋屋」を応援しましょ♪

そして、こんなにクオリティの高いお酒が造れる技術力は「東光」「洌」にも遺憾無く発揮されています。
「小嶋総本店」の全てのお酒をよろしくお願い致します。

商品スペック
容量     720ml
製造元  小嶋総本店(山形県)
特定名称          なし
/火入れ        火入れ酒(加熱処理有り)
保存     静かな冷暗所
メーカーサイト    http://www.sake-toko.co.jp/

■甘辛:やや辛口 ■原料米:山形県産出羽燦々 ■精米歩合:非公開 ■アルコール度数:13度 
日本酒度:非公開 酸度:非公開』
(佐野屋
https://www.jizake.com/c/sake/kojima/Sake8090_720



(16)
 旭興 純米大吟醸 製造2020/01 渡邉酒造 (栃木)
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 立香は軽い吟醸香。甘い入り口。トロリとした舌触り。甘い酸味が続く。味わいは厚み・膨らみよりスピード感のある世界。含み香も吟醸香。中盤、味の展開が弱まり、ややショビついた印象になる。含み香もややダレた印象を受ける。尻すぼみの味わいの展開。評価8.0



(17)
 横山元年 2018 Bon Voyage 純米大吟醸 製造2019/08 重家酒造 (長崎)
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 立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。スッキリとした入り口の後、軽い酸味。広がりは中程度。含み香も吟醸香。中盤、辛味がある。大吟醸らしい世界だが広がり、透明感がもう一つの印象。評価8.0

追記:
重家酒造は対馬と福岡の間に位置する壱岐島の所在する酒蔵だ。
大正十三年の創業で、歴史のある酒蔵だが、最近は海外志向を高めている積極性、チャレンジ精神を持った蔵のようだ。

日本酒を以前造っていたが止め、焼酎の酒蔵として成り立っていたが、2018年焼酎蔵とは別に日本酒に適した場所に日本酒専用の横山蔵を建て、日本酒造りを再開した。
その蔵の純米大吟醸がこの酒だ。

評価は8.0としたが、後で価格720ml 2,300円(税抜)を知るとそのコストパーフォーマンスは高く評価できる。
晩酌用に常用できる価格だ。
だが、限定酒なので入手は難しいかもしれない。

酒店の紹介記事を転載する。

2018年に新しい日本酒蔵
横山蔵が壱岐島に完成。昨年田植え、稲刈りをした壱岐産山田錦で仕込んだ純米大吟醸です。
果実をかじったジューシーな香りに、ほのかな甘み、最後にキレのある飲み飽きしない味わいです。ワイングラスで飲むのをおすすめします。
720ml
2,300円 *箱入り

KURAYA
https://kura-ya.com/shop/%E6%A8%AA%E5%B1%B1%E5%85%83%E5%B9%B4%E3%80%80%E7%B4%94%E7%B1%B3%E5%A4%A7%E5%90%9F%E9%86%B8%E3%80%80%E7%AE%B1%E5%85%A5%E3%82%8A/



重家酒造の公式サイト
https://www.omoyashuzo.com/


愛知県にも取扱店がある事がわかった。
sake nagoya
の公式サイトに記載がある。

ほぼ同じスペックの横山五十 純米大吟醸 WHITEが
3,609
円(1.8L) 1,805円(720ml)のコストパーフォーマンスで利用できるのはありがたい。





【今日の料理】
利き酒17酒に忙しく料理の説明を聞きそびれてしまったので、写真の紹介だけにする。

・枝豆
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・つぶ貝煮物
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・マグロ豆腐
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・魚の焼き物
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・厚切りとんかつのサンドイッチ

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【感想】
1.コロナ禍と宴
 日本酒にとって2020年の春は厳しい春だった。
寒造りで仕込まれた香り高い吟醸酒が生まれる頃、世界は新型コロナのパンデミックに襲われてしまった。
 そのお陰で蔵開きもお披露目も中止、酒の会も、お花見も中止。日本酒にウイルスが居るわけではないのだが、自粛とかソーシャルディスタンスとかで飲むこと自体ができなくなってしまった。
 家で飲むことはできるのだが、宴にはならない。
日本酒好きにとって、矢張り、同好者と酒談義をしながら料理をいただきながら、杜氏の想いの籠もった銘酒を頂く宴が必要なのだ。
 その意味で、6月になりsake nagoyaが復活したのは蘇生の思いだ。

2.テーマの無い特別企画
テーマのある特別企画と無テーマの特別企画がある。
今日はテーマが決められていないので、何が出てくるかわからない。
 飲んでみた印象とラベルの情報だけでは、その酒を理解することは難しい。
 印象と事後の確認・調査との整合性を試みなければ、物足りない飲み方と言える。

今回も、飲んでみて色々勉強になった。
それを簡単に書いておきたい。

(1)
純米大吟醸 評点の高かった2酒に関して
「鳳凰美田 別誂至高 大吟醸 原酒」は、全国新酒鑑評会志向の大吟醸。香り高く透明感のある世界は典型的な大吟醸の世界だ。ただ、温度が上がると苦味が浮いた。微妙な変化が大きい。
「獺祭 早田 純米大吟醸 磨き2割3分」これは、金賞志向の典型的な大吟醸とは少し違う気がする。
 ふくらみとか余韻とか感覚的な快さを持っている。その背景に、新技術のマイクロバブル火入れがあると知って面白かった。遠心分離機とかマイクロバブルとか新技術を日本酒の世界に取り込むことは金賞とは違った価値がある。
 データ音痴で旭酒造が金賞を受賞したことがあるのか知らないが、別に取る必要はない飲む人が快ければ良い。

ただ、この酒の価格は高い、個人的には飲み難い。
個人的には、獺祭は価格ほど品質に差はないと思う。
「獺祭 純米大吟醸 磨き45」は720ml 1,650
円(税込)で早田に比べると格段に安いが、ふくらみもあり十分に快い。

金賞受賞酒の世界も知る必要があるが、そればかりが日本酒の世界ではない。

(2)
伝統技法と純米大吟醸
 個人的な思い込みなのだが、生酛、山廃と言った伝統的な造り方は、吟醸酒には合わないのではないかと思う。
 限られた飲酒経験を前提にした考えだが、伝統的な造りは味わいとか旨味は濃く、厚いので評価できるが、香りの点で吟醸香との共存が難しいと思ってきた。

今日の酒では、生酛しこみの「フモトヰ 雪女神」はエチル系の含み香があり吟醸香とは違って、気になった。

一方、「雪の茅舎」は山廃だが、立香、含み香共に癖を感じる香りではなく、純米大吟醸らしい透明感のあるふくらみを感じさせた。山廃の純米大吟醸もありだなと従来の考え方を変えることを迫られた経験だった。


(3)
貴醸酒 3
今日は、貴醸酒が3酒登場して、それぞれ違った世界があり興味深かった。
 貴醸酒のイメージは、甘口のアペリティフというのが一般的なところだ。
(貴醸酒 Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%B4%E9%86%B8%E9%85%92#:~:text=%E8%B2%B4%E9%86%B8%E9%85%92%EF%BC%88%E3%81%8D%E3%81%98%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%97%E3%82%85,%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%88%E5%BE%8C%E8%BF%B0%EF%BC%89%E3%80%82


「一白水成 MOVING SATURDAY」は、入り口は甘く終わりも切れが良いのは貴醸酒らしいが、中盤の酸味はボデーを感じさせる、ハイブリッドな感じだった。

「黒龍 吟醸酒」は、貴醸酒らしい世界だが、味の展開にスピード感があり、貴醸酒の世界が広がった印象。

「小嶋屋 無題 弐」は、貴醸酒とは書かれていないが、造りからすれば貴醸酒になる。
 乾杯に使う甘いアペリティフではなく、スッキリとした酸を感じさせる味わいで、印象は生まれの良さを感じる素直さを感じた。バランスが良く、ヘタリとか暴れがないので安定感がある。単独でもよいが、食中酒としての適性が広いのではないかと思った。
 この酒は飲み込む価値がありそうだ。




(4)発泡感の酒 2酒

「あべ FOMALHAUT Spark」は、スカッと切れの良い世界で、日本酒でもこの様な爽やかな酒ができるのかと感心した。
乾杯に使えば、この酒で話が盛り上がりそうだ。

「あたごのまつ はるこい」は、全く違う世界、ラベルは日本酒らしからぬ派手派手、味わいは、ザラリとして酸味と渋味の主張がある個性的な世界だ。酒は嗜好品だから、アバタもエクボで問題ない、飲み手を選ぶ酒であることは確かだ。


(5)
最も印象に残った酒 2酒
古くて新しい日本酒の世界を味あわせてくれた新しい造り、獺祭のマイクロバブルと小嶋屋 無題弐の4段仕込み。
この2酒は日本酒の世界がまだまだ広がる未来を持っている事を示してくれた。

新しい技術は、味わい・ふくらみ・ひろがり・透明感・余韻など感覚的・主観的評価に耐える効果が確認されるものでなければならないが、この2酒にはそれを感じた。

特に小嶋屋は、もう少し研究してみたい興味が湧いた。
この期待感がありがたい。



2020-06-19 (Fri)

2020/06/19 日本酒の会sake nagoya 6月例会「雄町」(その1)

2020/06/19 日本酒の会sake nagoya 6月例会「雄町」(その1)

地下鉄丸の内駅を出て、護国神社方面に歩く。久し振りに再開された例会に参加できる嬉しさを確認しながら、この4ヶ月の空虚さを思い出していた。2月の上旬、コロナはまだ対岸の火事だった。武漢では感染者が2万を超え、死者も激増、日本にもクルーズ船が横浜に入り感染者が出ていたが、それは船の中の事だった。 2月例会の後、3月に入ると中国からの渡航者により国内でも感染者が出始め、様相が変わった。 学校の臨時休校や、専...

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地下鉄丸の内駅を出て、護国神社方面に歩く。
久し振りに再開された例会に参加できる嬉しさを確認しながら、この4ヶ月の空虚さを思い出していた。

2
月の上旬、コロナはまだ対岸の火事だった。
武漢では感染者が2万を超え、死者も激増、日本にもクルーズ船が横浜に入り感染者が出ていたが、それは船の中の事だった。
 2月例会の後、3月に入ると中国からの渡航者により国内でも感染者が出始め、様相が変わった。
 学校の臨時休校や、専門家会議の3密の回避などの生活に関わる対策が必要になった。
 緊急事態宣言や有名芸能人の急死などを経験し、日本の社会が社会的な活動を停止しなければならないような状況に陥った。

その混乱の中で、この会も、3月、4月、5月と中止せざるを得なくなった。
 毎月の第3金曜日、今月は開催されるだろうかと期待しながら月日が過ぎた。

個人的にも自粛、StayHomeはストレスが多くつらい日々だったが、今日、こうして再開された会に向かって歩いていることは、嬉しいとしか言い様がない。


毎年、6月の例会の頃は、護国神社の紫陽花の花が咲く頃。
会が始まる前に紫陽花を見ることが常だった。

今年も、紫陽花は同じように咲いているか、見に行くことにして、堀端の道を歩く。
 橋を渡り、護国神社の前に出ると、紫陽花の花が見えた。

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鳥居の前の紫陽花は、切られたので小さな株になっていた。

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額紫陽花は変わりがない。

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七変化も楽しめる。

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鳥居から奥は、今までと変わりなく、多くの花が咲いている。

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雨の雫もまだ見える。

護国神社から桜華会館へ通じる道に殉職警察官之碑・殉職消防員之碑が建てられている。
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 その前の紫陽花の赤い色が一際目に映えた。
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紫陽花は、人の世のコロナ騒ぎを余所に、いつもの6月のように変わることなく、彩り豊かに咲いていた。
6
月の例会は、これなのだと思った。

会場の「旬彩処かのう」に着いた。
桜華会館のドアを開けて、中にはいると時間は18時、外はまだ明るいのだが、明かりが点灯され、赤ちょうちんも赤い光で招いていた。

いつもは、ガラス戸を開けて中に入るのだが、今日は違っていた。
 目の前の光景は、見慣れた光景なのだが、今日はそうではなく新鮮だった。
 カメラを取り出して、いつもと違う「日常」を記録した。


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帰るべき「日常」が在るとすれば、この場所が必要なのだと、思いながら、ガラス戸を開けて、中にはいった。


まだ開会の19時までには1時間あるが、中では幹事のH氏が今日の出品酒「雄町」を準備していた。

主催者としては、この4ヶ月は、コロナ対策で大変だった筈だ。
 開催の準備はしなければならないが、結果は中止、それが3回も続いた。準備の苦労は毎月続いた筈だ。

6
月開催にあたっても、参加者へのメールの中で、会の感染対策の報告と参加者への要請を行っている。

『日本酒の会 sake nagoyaといたしましては、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から
定例会の実施を見合わせてきましたが、
徐々に社会経済活動も再開されつつあることから、
できる限りの対策を講じたうえで、
6
月の定例会を実施することとしました。

具体的には、次のような対策を取ったうえで
開催する予定ですので、ご参加の皆様には
ご理解とご協力をお願いいたします。
1
 密接を避けるため、定員を縮小します。
2
 受付時に手指のアルコール消毒をお願いします。
3
 酒談義は控えめに、各自で利き酒に集中してください。
4
 料理は大皿ではなく、個々に提供します。
5
 ランキングの結果発表はホームページで発表します。
6
 新人紹介は当分の間、見合わせます。
7
 席の移動は極力ご遠慮ください。』

いつもとは違う環境の中で、いつもと同じように日本酒を利く機会を提供していただいた、sakenagoyaの幹事さん関係者に感謝したい。


【今日の出品酒】
3
月から舞台に登場すべく待機していた10銘柄の雄町たち。
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参加者が50名を超えた2月までは、銘柄数は12だったが、コロナ対策で密を避けるために人数を制限したため10になっている。
 加えて、今日は利き酒の全体評価の公表は、この場では行わず、会の公式サイトで公表となり、最後の恒例の新人参加者の自己紹介も今日は行われなかった。
 やや寂しいが、参加者の安全のためを考えればやむを得ないことだ。

以下、今日の出品酒10銘柄の紹介をする。
(個人的な利き酒の印象、評点を記載しているが、個人の嗜好によるもので、客観性はもとより無いことをお断りする。)



(1)
 東鶴 特別純米 雄町 中汲み (製造2019/10) 東鶴酒造 (佐賀) 
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立香は仄かに甘いもの。甘い入り口、とろりとしている。含み香にやや個性がある。広がり、ふくらみは大きくない。味が中に集まる傾向で味わいの世界が小さい印象。評価7.0



(2)
 純米大吟醸 二兎 備前雄町四十八 火入  (製造2018/07) 丸石醸造 (愛知)
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 立香はあまり感じない。甘い入り口、スッキリとしている。ふくらみ、広がりより、辛味を背景にした切れの良さがある。後半、辛味の他に雑味のようなものを感じる。後口は切れが足りない感じ。評価7.0



(3)
 昇龍蓬莱 きもと純吟 雄町 60 平成29年度醸造 (製造2020/01)  大矢孝酒造 (神奈川)
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 立香は仄かな甘い香り。とろりとした舌触り。甘さ控え目でスッキリとした入り口。ふくらみが大きく豊かさを感じさせる。透明感もある。辛味は感じない。中盤以降の切れが良い。後口は辛味系。評価8.0.



(4)
 モダン 仙禽雄町 2019 (製造 2019/09) せんきん (栃木)
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 立香は仄かなものだが、何か香ばしさを感じさせる。丸い舌触り、口に含むとスーッと広がり、広い世界を感じさせる。入り口の後、微発泡感の名残のようなものを感じさせる。切れが良く、透明感と広がりがある世界で、品格と豊かさを感じる。評価9.0



(5)
 姿 純米吟醸 無濾過生原酒 (製造 2019/04) 飯沼銘醸 (栃木)
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 立香は軽いものだが仄かに鼻に抜ける爽やかさを感じる。甘い入り口。バランスの取れた味わい。ふくらみ、広がりはNo.1No.2に比べ小さく、やや世界が小さい印象。甘くとろりとしているが、切れ、透明感がもう一つ足りない。後口は辛味系。評価7.0



(6)
 純米吟醸 ゆきの美人 雄町 (製造2019/10) 秋田醸造 (秋田)
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 立香は仄かに甘い香り、エチル系。入り口は、透明感とふくらみを感じる、舌触りも丸い。入り口で一挙にふくらみ、しかし、次の中盤に味が急激にしぼむ。頭でっかち尻すぼみの味の展開。時期的に少し峠を越しているのかもしれない。評価6.0


(7)
 開運 無濾過純米 赤磐雄町 (製造 2020/01) 土井酒造場 (静岡)
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 立香はあまり感じない。入り口は甘くなく、スッキリとしているが次に味の塊があり、雑味を感じる。味が中に集まり、広がらない。味わいの世界が狭い。評価6.0



(8)
 角右衛門 特別純米酒 雄町仕込 (製造 2019/11) 木村酒造 (秋田)
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 甘い立香。とろりとした舌触り。丸味のある味わいで透明感もある。中盤、辛味系のピリ感がある。含み香は吟醸香の名残のようなものだがやや気になる。後半は含み香と辛味。評価7.0



(9)
 東洋美人 一歩 雄町 (製造 2019/08) 澄川酒造場 (山口) 
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立香は軽く甘い香り。丸い舌触り、刺激的なものがない味わい、とろりとしているがふくらみは大きくない。中盤に味の大きさは感じない、ややショビついた感じ。中盤以後底に渋みを感じる。何か峠を過ぎた印象を受ける。評価6.0



(10)
 千峰 天青 雄町 (製造 2019/10) 熊澤酒造 (神奈川)
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 甘い立香。スッキリとした入り口。透明感あり、滑らかな舌触り。広がりは大きくないが味の主張があり、味の底に渋味、苦味の締めがあり雄町らしい味の世界を感じた。評価9.0



<利き酒の印象>
・全体的に柔らかい、丸味のある、ふくらみのある味わいの酒が多かったような気がする。
 筆者の好みは、雄町より山田錦だが、個人的な思い込みでは雄町は無骨・荒い・味の芯・苦味と渋味・男らしいイメージだ。
 一方山田錦は繊細、滑らか、ふくらみと透明感、味の調和、湯柔らかく優雅で女性的なイメージだ。
 その思い込みからすると山田錦のような味わいの雄町の酒が多かったような気がした。

・最高点の9点をつけた銘柄が2酒になったのも同じ事情からだ。
(4)
「モダン 仙禽雄町 2019」は、個人的思い込みからすれば山田錦で造られたような広がりと透明感があり、個人的な好みでは、これが今日の1番。

しかし、今日のテーマは「雄町」。
(4)
は好みではあるが、個人的には雄町の酒ではない。山田錦の世界なのだ。

それで、今日最も個人的に雄町のイメージに近かった(10) 「千峰 天青 雄町」も9点にした。
スッキリとしているが味わいに主張があり、苦味と渋味が味を締めていたのが雄町らしい世界だと感じた。

・どの酒米を使いどの様な味わいを作るかは杜氏の専権事項だが、どの酒米を使っても同じ様な味わいの酒になっては面白くないと思う。
 雄町の酒は、もっとゴツイ、苦み走ったいい男のような格好良さが漂う酒にしてほしいと思うのだが、これは個人的な思い込みなのだろう。




2020-06-19 (Fri)

2020/06/19 日本酒の会sake nagoya 6月例会「雄町」(その2)

2020/06/19 日本酒の会sake nagoya 6月例会「雄町」(その2)

コロナ禍の中での飲食は、対策が求められている。料理も今までとは違って、コロナ対策が講じられていた。今までは、各人別の料理と、4,5名分の大皿と組み合わせで提供されていた。人数が多く50名を超えると、各人別ではテーブルに皿が並ばなくなってしまうからだ。今日は、人数が絞られた関係ですべての料理が各人別に提供され、大皿はなかった。お店は、人数は少ないが準備と片付けの手間は増えて大変だ。・枝豆定番の枝豆。塩味...

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コロナ禍の中での飲食は、対策が求められている。
料理も今までとは違って、コロナ対策が講じられていた。

今までは、各人別の料理と、4,5名分の大皿と組み合わせで提供されていた。人数が多く50名を超えると、各人別ではテーブルに皿が並ばなくなってしまうからだ。

今日は、人数が絞られた関係ですべての料理が各人別に提供され、大皿はなかった。お店は、人数は少ないが準備と片付けの手間は増えて大変だ。


・枝豆
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定番の枝豆。
塩味は軽いふりかけで枝豆の自然な甘さと食感がある。


・冷奴
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夏の日本酒の肴は冷奴。
薬味は葱と生姜。


・豚しゃぶ
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さっぱりとした豚肉の食感だが、甘さと酸っぱさの掛たれの味のコクが来て、噛んでいると豚肉の旨味が広がってくる。味の時間差展開がある。


・黒鯛の酒蒸し
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大きなお椀なので黒鯛が小さく見えるが、実際は肉厚の鯛の厚みがあり、たっぷりとした食感が口の中に出来、鯛の旨味を感じることができる。
 今更ながらだが矢張り、魚の中では鯛が王様だと思う。


・河豚の唐揚げ
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見た処、何の揚げ物かわからないが、河豚の唐揚げ。

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つに割ってみると中骨が真ん中にあり、河豚の一尾分くらいの肉がある。
 河豚の天ぷらは味の薄いものが多いが、この河豚はたっぷりとした肉に旨味の濃さが感じられた。


・お茶漬け
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しらす、梅干し、わさび、三つ葉、アラレのお茶漬け。
香りのアラレ、三つ葉、塩と酸味の梅干しと山葵。
主張の多い材料を纏めているのがしらすと出汁。
それぞれの主張に舌を傾けていると次第に口の中が洗われて、さっぱりとしてくる取り合わせになっている。



【感想】
sakenagoyaの活動もコロナのために、3,4,5月の定例会とお花見が中止となってしまった。
 毎月の生活の柱となっていたイベントが無くなった空虚感と疎外感は大きなものだった。
 2月までは当たり前だった日常が、日常でなくなり、コロナを避けるための自粛・StayHomeという非情と非常が日常となった。
 そして、4ヶ月、今日、漸く再開された。

・コロナに襲われた日々を耐えてきたからこそ、親しんだ場所で、同好の士との語らいながら、吟味された日本酒と料理をいただくことの意味が実感できる。
 sakenagoyaの集いは、他のものに置き換えられない贅沢な時間であり、宴であるということを。

・参加人数が絞られているのは、コロナ対策状やむを得ないが、残念なことだ。
 参加できない人が増えることだろう。
 早くもっと多くの人がこの宴に参加できるようになるよう祈りたい。




2019-09-20 (Fri)

2019/09/20 日本酒の会sake nagoya 9月例会 「熟成酒」 (その1)

2019/09/20  日本酒の会sake nagoya 9月例会 「熟成酒」 (その1)

今月のテーマは「熟成酒」。お酒にとって熟成は本道であり、ワインや泡盛ではビンテージ、古酒は新しい酒とは別格のものとして扱うことは確立している。 しかし、日本酒ではまだ新酒が中心で熟成酒・古酒の位置付けは定まっているとは言い難い。個人的には、熟成酒には関心があり、日本酒も熟成酒を確り評価して行くことが必要だと思っているので、こうして熟成酒を纏めて利くことができる機会はありがたい。7月、8月は「夏の酒」...

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今月のテーマは「熟成酒」。
お酒にとって熟成は本道であり、ワインや泡盛ではビンテージ、古酒は新しい酒とは別格のものとして扱うことは確立している。
 しかし、日本酒ではまだ新酒が中心で熟成酒・古酒の位置付けは定まっているとは言い難い。

個人的には、熟成酒には関心があり、日本酒も熟成酒を確り評価して行くことが必要だと思っているので、こうして熟成酒を纏めて利くことができる機会はありがたい。

7
月、8月は「夏の酒」がテーマで、イメージが纏まるか期待したが、色々な酒を利いたが、結果としては纏まらなかった。
 参加者全体の評価でも、特に8月は味が薄いとか水口とかの評価が多かった。
 考えてみれば、これは「夏の酒」というイメージの問題ではなく、一銘柄ごとに、口に含み飲んでみて、これは良いと思った酒が少なかったということだと理解した。


今月の「熟成酒」のイメージはどうだったか。
先取りし書けば、イメージは纏まったとは言えないが、手応えがあり満足した内容だった。
 口に入れ、飲んでみて、これは旨いと言う酒が多かった。

当たり前のことだが、日本酒は飲んでみなければわからない。


【今日の出品酒】
参加者41名なので、銘柄数は10銘柄だった。

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利き酒が終わり、勢揃いした熟成酒たち。
熟成期間数年のものから20年の大古酒まで多彩な顔ぶれだった。

以下、利き酒の印象を記載するが、個人的な嗜好によるもので客観性はないことを、ご承知置きください。
 参加者全体の評価は、日本酒の会sake nagoyaの公式サイトに記載されるので、そちらの方が客観性が高い。

(1)
越乃寒梅 別撰 特別本醸造  製造2014/12/01 石本酒造 (新潟)
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少し着色あり。

立香は 香ばしさを感じる熟成香
甘い入口。とろりとした舌触り、スッキリとした酸の後辛味と軽い渋味を感じる。含み香に軽いが、香ばしさのある老香を感じる。
中盤以降辛味があるが、後半の切れ良い 評価8.0

日本酒の一時代を築いた越乃寒梅のアル添酒。

蔵元熟成の商品ではなく、購入者が5年熟成したものと思われる。
 熟成の温度は不明だが、恐らく10度以下の冷蔵だろう。
 造りが良ければ、日本酒の熟成過程の管理が良ければ、美味しい熟成酒を作ることができることの証明だ。



(2)
明鏡止水 勢起 低温熟成 純米  金紋錦 製造2017/01 大澤酒造 (長野)
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わずかな着色、グラスでは分からない程度。

立香は、軽いエチル系の香り。
入り口は甘い。トロリとした舌触り。味わいはスッキリ として膨らみはない。 透明感はあるが、やや世界が小さい。 中盤以降わずかにピリリとするが、後半の切れは良い。評価7.0



(3)
出羽桜 大古酒 低温三年熟成  枯山水 製造2012/01 出羽桜酒造 (山形
)
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着色なし

立香はほとんど感じない。
甘い入り口。膨らみあり、トロリとした舌触り。丸い酸。
大きくて透明感のある世界。 味のバランス良い。 後半も癖はなく、切れが良い。 評価 9.0



(4)
梵 吉平 純米大吟醸  製造2019/01 加藤吉兵衛商店 (福井
)
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ほとんど着色ない。 立香はあまり感じないが、ほのかな 吟醸香らしいものを感じる。 甘い入口。トロリとした舌触り。 酸の膨らみあり。 含み香も吟醸香。

大きい世界がある。 残り香も吟醸香が快い 評価9.0

情報では熟成期間12年、0度の氷温熟成、35%精米歩合の純米大吟醸酒と50%精米歩合の純米大吟醸酒のブレンド酒、生酛造り。


ブラインドが外され、銘柄を見て成程、梵だと思った。
吟醸酒の熟成酒では、梵は代表的な銘柄だ。



(5)
老亀 長期熟成本醸造  製造2019/08 小野酒造 (広島)
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立香は老香にエチル系の香りが加わったもの。

甘い入口。 トロリとした舌触り。酸の膨らみと滑らかさ。 中盤、老香と渋味を感じる。
甘さも続く。 残り香も老香にエチル香が加わったもの、やや気になる。 評価7.0

熟成期間は表示がない。

着色あり 、ウイスキーの様に見える。
色合いからすると熟成期間は少なくとも10年以上、15
年のものも入った複数年のブレンドかも知れない。



2019-09-20 (Fri)

2019/09/20  日本酒の会sake nagoya 9月例会 「熟成酒」 (その2)

2019/09/20  日本酒の会sake nagoya 9月例会 「熟成酒」 (その2)

(6) 龍力 純米 熟成古酒  vintage1999 (H11BY) 製造2019/03 本田商店 (兵庫)着色あり 。立香は軽い老香、(5) の香りを軽くした感じ。甘い入口。 含み香も老香。トロリとした舌触り。 酸の膨らみあり。中盤、軽い渋味あり。 後半は切れ良い。残り香も老香、やや気になる。評価7.0。今日の出品酒では、熟成期間最長の20年ものである。常温熟成と思われるが、老香が気にならなけれは、熟成酒の舌触り・味わい・切れを楽し...

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(6)
龍力 純米 熟成古酒  vintage1999 (H11BY) 製造2019/03 本田商店 (兵庫)
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着色あり

立香は軽い老香、(5) の香りを軽くした感じ。
甘い入口。 含み香も老香。トロリとした舌触り。
酸の膨らみあり。中盤、軽い渋味あり。 後半は切れ良い。
残り香も老香、やや気になる。評価7.0

今日の出品酒では、熟成期間最長の20年ものである。
常温熟成と思われるが、老香が気にならなけれは、熟成酒の舌触り・味わい・切れを楽しむことができる。



(7)
木戸泉 DEEP GREEN 2017  H29BY 山田錦 無濾過 原酒 出荷2019/08 木戸泉 (千葉)
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全量高温山廃仕込み。

色はほとんどない。
立香は軽い老香で香ばしさを感じる。
軽い酸の入り口。膨らみは大きく無く、滑らかだが、トロリ感はない。 中盤は渋味あり。 含み香は、老香プラス熟香。
評価 7.0



(8)
睡龍 生酛純米 平成19BY 長期熟成古酒 製造H29/06 久保本家酒造 (奈良)
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着色が軽くある。

立香は、老香というよりエチル系の香り。
ふんわりとした入り口。 味わいは癖がない。膨らみがあり、すっきりとした舌触りだが、大きな世界があり、個性を感じる。
切れは良い。 大きさが 一番の特徴。評価 8.0

熟成酒の世界が大きいことを知ることができる。




(9)
誠鏡 番外品 大吟醸 4 磨き  平成27 BY 製造2019/05 中尾醸造 (広島)
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着色はない。

立香は吟醸香で熟成酒らしくないもの。
甘い入口。酸はスッキリとしている。含み香は吟醸香、発泡の名残のような香りも感じる。スッキリとした味わいでふくらみもある。含み香は吟醸香。
熟成酒とは思われない世界であり、透明感を感じさせるクリアな世界である。
残り香も吟醸香。 評価 9.0

利き猪口を鼻に近づけた時、漂う吟醸香、これは熟成酒らしい香りではないなと感じた、口に含んだ時広がる吟醸香の含み香、甘い入り口、ふくらみのある酸...まさに望ましい吟醸酒の世界だと思った。


この酒は参加者の好みにも合致したようで、この宴の第1位を獲得した。


(10)
義侠 純米原酒 50% 常温熟成 2003 1月製造H14年度産醸造 山忠本家酒造 (愛知)
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着色は中程度。

立香は老香、強くはないが典型的な熟成酒の香り。
甘い入口。 トロリとした舌触り。 滑らかな丸い酸。
熟成酒らしい世界。
老香はあるが、嫌な世界ではなく、熟成酒を理解できる世界を持っている。 評価 8.0

常温の長期熟成酒の典型的な香味がある。

常温熟成の長期熟成酒を知りたい人は、これを飲めば理解できる代表選手だ。
 老香はあるが味わいの邪魔をするものではなく、熟成酒の香りとして収まる程度で、滑らかな丸い酸のふくらみ、トロリとした舌触り、切れの良さといった熟成酒の特徴を感じられる。




2019-09-20 (Fri)

2019/09/20  日本酒の会sake nagoya 9月例会 「熟成酒」 (その3)

2019/09/20  日本酒の会sake nagoya 9月例会 「熟成酒」 (その3)

【今日の料理】旬彩処かのうさんの今日の料理は、今月も美味しかった。・鰆(鳥羽産)たたきトロリとした舌触り、軽い食感。 柔らかいとろける食感、滑らかさと甘みを感じる。たたきなので魚の生臭さがなく、鰆の旨味が全開する。さわらは魚に春と書くが、実際は秋のほうが脂が乗って美味しいそうだ。・サザエのつぼ焼きサザエの先のワタはたほろ苦いが海の香りと軽い渋みと苦味を感じる。砂がジャリつくかと思ったが全くない、生...

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【今日の料理】

旬彩処かのうさんの今日の料理は、今月も美味しかった。

・鰆(鳥羽産)たたき
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トロリとした舌触り、軽い食感。
柔らかいとろける食感、滑らかさと甘みを感じる。
たたきなので魚の生臭さがなく、鰆の旨味が全開する。

さわらは魚に春と書くが、実際は秋のほうが脂が乗って美味しいそうだ。


・サザエのつぼ焼き
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サザエの先のワタはたほろ苦いが海の香りと軽い渋みと苦味を感じる。砂がジャリつくかと思ったが全くない、生臭さもなく醤油の香ばしい香りを感じる。
少し上のワタの部分はつぼ焼きらしい部位だが香ばしい。

ワタに近い身の部分は、コリコリとした食感。ほろ苦さを感じる。 これは大人の味わいで、酒の肴としては上等だ。
汁は香りが香ばしい。味わいは仄かな苦味と甘み、汁も酒の肴になる。


・定番の枝豆
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ぷっくらとした枝豆の確りとした食感。


・鯖の赤味噌煮生姜添え
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見た処は土手煮風だが、土手のようにコッテリとしては居ず、軽い舌触りの味噌。
甘い赤味噌の味は変わらない、甘さと赤味噌のコクのある旨味がある。
一人一皿、鯖二切れがあるので、酒との取り合わせが、色々楽しめる。
 また、この軽い舌触りの汁も酒によく合う。
少し口に含んで、熟成酒を飲むと熟成酒の旨味が引き出される。
やや意地汚いが、旨いものは旨い。


・うるめいわしの干物
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香ばしい香り。 口に入れると塩味の後 、噛んでいると、渋味がありこれが癖のある干物の旨味に繋がり、口の中に広がる。


・炊き込みご飯と赤だし味噌汁
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炊き込みご飯
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人参、牛蒡、鶏肉、蒟蒻、しめじ、竹輪が入っている

様々な具材の持つ広がりのある旨味。 上品な薄味で、甘みを感じる。
 旬彩処かのうさんの焼きそばにも竹輪が入っているが、旨味のある竹輪の使い方が上手だ。

赤だし味噌汁
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豆腐、なめこ、刻み葱。
赤味噌の風味と出汁の旨味、なめこの滑らかさと舌触り。


・白菜漬け
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シャキシャキの食感。 浅漬けの白菜漬けの香り。 浅漬けのフレッシュな香りと舌触り。口が爽やかになる。



【熟成酒の感想】

(1)
 今日の逸品
 いつも、利き酒の最高点は9点にしている。
9
点のものが2銘柄あることは少ないが、2銘柄ある場合は一方を8点にして一方をNO1にしている。
 ところが、今日は9点が3銘柄になってしまった。

(3)
出羽桜 大古酒 低温三年熟成  枯山水 製造2012/01 出羽桜酒造 (山形)
(4)
梵 吉平 純米大吟醸  製造2019/01 加藤吉兵衛商店 (福井
)
(9)
誠鏡 番外品 大吟醸 4 磨き  平成27 BY 製造2019/05 中尾醸造 (広島
)

熟成期間は、それぞれ10年、2年、4年と思われるが、枯山水は本醸造なので香りは吟醸香ではないが、吉平と誠鏡は吟醸香を感じる。


いずれも、低温熟成酒であることは共通している。
吟醸酒の熟成は、5年位までなら香りも残して、舌触り・滑らかさ・ふくらみ・後半の切れと言った熟成酒の良さを引き出すことができそうだ。

(2)
熟成酒の色
熟成による着色を見るために、デキャンタの写真を撮った。
すべて無濾過ではないだろうが、熟成と色の関係を考えることはできそうだ。

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左から右に
(1)
越乃寒梅 別撰 特別本醸造  製造2014/12/01
(2)
明鏡止水 勢起 低温熟成 純米  金紋錦 製造
2017/01
(3)
出羽桜 大古酒 低温三年熟成  枯山水 製造
2012/01
(4)
梵 吉平 純米大吟醸  製造
2019/01
(5)
老亀 長期熟成本醸造  製造
2019/08

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右から左に

(6)
龍力 純米 熟成古酒  vintage1999 (H11BY) 製造2019/03
(7)
木戸泉 DEEP GREEN 2017  H29BY 山田錦 無濾過 原酒 出荷
2019/08
(8)
睡龍 生酛純米 平成 19BY 長期熟成古酒 製造
H29/06
(9)
誠鏡 番外品 大吟醸 4 磨き  平成27 BY 製造
2019/05
(10)
義侠 純米原酒 50% 常温熟成 2003 1月製造H14年度産醸造



着色を見ると、濃いものは(5),(6) 次に濃いものは(8)(10)

(5)
老亀 長期熟成本醸造は、熟成期間は不明、だが小野酒造は純米酒の15年熟成を「15年熟成 亀龍之寿」として発売していることから考えると、推測だが10年上の本醸造熟成酒の複数年のブレンドではないかと思われる。
表示はないが、蔵内での常温熟成と思われる。

(6)
龍力 純米 熟成古酒  vintage1999H11BYなので熟成期間20年の大古酒である。
 情報では、「1999年に醸造された特別純米酒を蔵内貯蔵タンクで常温熟成(3度~20度)させました。」とあり、常温熟成だ。

(8)
睡龍 生酛純米は、平成19BYなので12年熟成
貯蔵方法は、不明だが、恐らく蔵内の常温と思われる。

(10)
義侠 純米原酒 50% 常温熟成はH14BYなので15年熟成である。
 ラベルに書いてある通り常温熟成だ。

吟醸酒でないものは蔵内のタンクで常温熟成と言う場合が多いが、この場合、色の着色が濃くなり、老香等の含み香も発生する。

(3)
 テーマと満足感
 「夏の酒」の満足感は、今ひとつだったが今月の「熟成酒」は手応えがあった。
 常温熟成は、熟した香味が良く理解できるし、低温熟成の場合は吟醸酒は吟醸酒として熟成させることができることが実感できた。

しかも、吟醸酒の熟成酒は、自分の嗜好に適っていると思った。
 舌触り、滑らかさ、酸のふくらみ、透明感、味わいのバランス、後口の切れの良さと言ったところが自分の嗜好の評価ポイントなのだが、吟醸酒の場合、熟成酒のほうが管理が良ければ新酒よりより良くなると実感できた。

梵の超吟は素晴らしい味わいの純米大吟醸だが、新酒ではなく熟成酒だ。-5度で5年間熟成されて出荷される。
今日の誠鏡も美味しい大吟醸だった。目の前で並べて飲み比べれば、違いはあるだろうが、大きな違いはなさそうな気がする。

大吟醸の5年程度の熟成酒は、氷温とか-5
度とかの冷蔵であれば、新酒とは格の違う世界が実現できると思った。




2019-08-23 (Fri)

2019/08/23 日本酒の会sake nagoya 8月定例会 「夏の酒part2」(その1)

2019/08/23 日本酒の会sake nagoya 8月定例会 「夏の酒part2」(その1)

今月のテーマは、「夏の酒part2」。先月に続いて夏の酒を楽しむ会だ。先月の記事は、以下に書いた。「2019/07/19  日本酒の会sake nagoya 7月定例会夏の酒 (その1)」https://nabanatei.com/blog-entry-7662.html最近は、各蔵から夏の酒が発売されるようになり、種類が増えた。 それに伴い、夏の酒のイメージも定まるより拡散、多様化の方向に進んでいる印象だが、今回で見通しが効くようになるのだろうか。   【今日の...

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今月のテーマは、「夏の酒part2」。
先月に続いて夏の酒を楽しむ会だ。

先月の記事は、以下に書いた。
2019/07/19  日本酒の会sake nagoya 7月定例会夏の酒 (その1)」
https://nabanatei.com/blog-entry-7662.html

最近は、各蔵から夏の酒が発売されるようになり、種類が増えた。
 それに伴い、夏の酒のイメージも定まるより拡散、多様化の方向に進んでいる印象だが、今回で見通しが効くようになるのだろうか。

 

【今日の出品酒】


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今日の顔ぶれは10銘柄。参加者数の関係で満席の場合より2銘柄少ない。
(撮影するとき、番号ラベルが剥がれていたので、佐久の花とこなきが入れ替わっている。)

以下個人的なブラインド評価による利き酒の印象を記載する。
(個人的な嗜好によるもので、客観性は元より無い。)

(1)
男山 純米生酒 男山 (北海道)
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立香はあまり感じない。甘い入り口、トロリとした感じがある。酸はスッキリとしていてふくらみは感じない、透明感はある。味のバランスは良い。中盤辛味を感じる。後半、気になる癖はなく、切れの良い辛味で終わる。 評価8.0




(2)
ゆきの美人 純米吟醸 夏しぼりたて生酒 秋田醸造 (秋田)

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立香は仄かだがエチル系のもの。入り口は酸味、すぐ辛味の芯を感じる、発泡感の名残のようだ。含み香もあるが、何かわからない。後半は味わいが早く終る、良く言えば切れが良いが、峠を越しているとも言える。評価6.0




(3)
楯野川 純米大吟醸 爽快辛口 楯の川酒造 (山形)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。スッキリとした透明な酸。滑らかな舌触り、ふくらみは大きくない。味の展開もない、良く言えばスッキリだが、悪く言えばこなれすぎていて味がない。評価6.0




(4)
山城屋 純米大吟醸 Dry~超辛口~ 越銘醸 (新潟)

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立香は感じない。滑らかな入り口。甘さは抑えられ、スッキリとした透明感がある。滑らかなふくらみは感じるが、味の厚みはない。味はなく、水口の酒。軽すぎる世界。 評価6.0




(5)
甲子正宗 純米吟醸 生原酒 夏生 飯沼本家 (千葉)
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透明感のある甘い香り、吟醸香が快い。甘い入り口、滑らかな舌触り。酸の中に辛味がありスッキリ感を与えている。含み香は甘いが、軽いもので気になるものではない。中盤、辛味があり、切れも良い。残り香も甘いもの。評価8.0




(6)
佐久の花 夏の大吟醸 佐久の花酒造 (長野)
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立香は甘くフルーティーなもの。甘い入り口滑らかな舌触り、トロリとしている。含み香は仄かな吟醸香。味わいのはランスが良い、偏りがない。含み香も適度で快い。評価9.0




(7)
旭日 辛口純米生原酒 藤居本家 (滋賀)
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立香は発泡感のようなもの。甘い入り口。滑らかな舌触りだが、酸と同時に渋味を感じる。含み香は個性的なもの。中盤、渋味と辛味の芯を感じる。癖のある含み香が続く。評価7.0




(8)
大嶺 夏純かすみ生酒 大嶺酒造 (山口)
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にごり、霞酒。甘い入り口。発泡感があり、酸は透明感がある。含み香の吟醸香が適度で快い。味わいは、甘さと酸味で、苦味・渋味は浮かない。後半の切れは良い。評価8.0




(9)
こなき純米 夏酒超辛口 無濾過原酒 千代むすび酒造 (鳥取)
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立香は癖のある香り、生酛造りだろうか。スッキリとした入り口。酸はふくらまず、すぐ渋味が舌を締める。含み香も持続する。中盤、、渋味が全体を支配する。夏の酒としてのコンセプトが理解できない、ロックを推奨しているのだろうか。評価5.0




(10)
美丈夫 特別純米 夏酒 濱川商店 (高知
)

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立香はスーッと鼻に抜ける香り。甘い入り口。酸は軽く透明で、微発泡感を感じる。苦・渋は浮かず中盤以降は素早く切れる、味の終わりが速いので、切れは良いが軽い世界で、物足りなさも感じる。評価7.0





2019-08-23 (Fri)

2019/08/23 日本酒の会sake nagoya 8月定例会 「夏の酒part2」(その2)

2019/08/23  日本酒の会sake nagoya 8月定例会 「夏の酒part2」(その2)

【今日の料理】この会の柱は勿論、日本酒だが、「旬彩処かのう」さんの料理も太い柱であることは、間違いない。毎月、それが楽しみである。・定番の枝豆確りとした食感で、甘味から旨味と味が移り変わる。枝豆の香りも楽しい。・きんぴらごぼう甘目の醤油の味わい。シャキシャキのごぼうの食感の後、ごぼうの土の香りが仄かに漂う。・幼鮎の甘露煮硬めの食感。噛んでいると甘味から旨味・苦味がふくらみ広がる。味わいの展開が楽し...

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【今日の料理】

この会の柱は勿論、日本酒だが、「旬彩処かのう」さんの料理も太い柱であることは、間違いない。

毎月、それが楽しみである。

・定番の枝豆
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確りとした食感で、甘味から旨味と味が移り変わる。枝豆の香りも楽しい。


きんぴらごぼう
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甘目の醤油の味わい。シャキシャキのごぼうの食感の後、ごぼうの土の香りが仄かに漂う。


・幼鮎の甘露煮
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硬めの食感。噛んでいると甘味から旨味・苦味がふくらみ広がる。味わいの展開が楽しい。


・ハタ(羽太)の姿煮
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これが、今日の華だろう。
高級魚ハタの姿煮。
普通の居酒屋や家庭で登場することは、まず無い。

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ハタの食感は確りとしている、噛んでいると旨味が広がってくる。
 腹の部分とか皮のトロリとしたところが美味しい。

丸い砂糖と醤油味だが、魚臭さが全く無くスッキリとして、後に引かない切れの良い旨味だ。


・ゴーヤーと豆腐と玉子の炒めもの
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沖縄風に言えば、ゴーヤーチャンプルーだが、ちょっとイメージが違う。
 沖縄の場合は、具材がバラバラに炒められているが、これは玉子である程度纏まっていいる。

花かつおと刻み海苔がかけられている。
ゴーヤーの加熱は控えめで苦味がありゴーヤーらしい。塩味のさっぱりとした味で、豆腐・玉子はふんわりとしている。


・漬物 白菜漬け
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シャキシャキの食感、塩味と旨味の味わい。


・山形だしの茶漬け
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締めは、山形だしの茶漬け。

山形だしは話では知っていたが、初めて食べたので面白かった。

昆布が入っており、糸を引くトロリとした舌触りのだしがかけられている。
 胡瓜のサクサクとした食感、トロミ感の交錯が面白い。

見かけよりサッパリとした味わいで梅干しがアクセントになっている。

宴の締めには山形だしは合っている。



【感想】

(1)
夏の酒のイメージについて
 今回も多様な酒があり、夏の酒として全体のイメージは掴めなかった。
 「夏酒」の定義はないので、現状では蔵毎のイメージで夏酒として販売しているのが現状だ。
 ただ、消費者から見ると、口に入れてみないとわからない商品なだけに、蔵側ももう少し丁寧な対応が必要だと思う。

全般的にそうなのだが、特に例を挙げれば、「こなき純米
夏酒超辛口 無濾過原酒」。
個人の評価でも、参加者全体評価でも最下位の評価になってしまった。
 この酒を蔵は夏の酒として、消費者にどう飲んでほしいのか、ラベルとかに書いて欲しいと思う。

どの様に飲むかは、購入する消費者が決めることだが、市場に出す供給者としては、どの様にイメージを考えて造ったのかを前提にしておすすめの飲み方をアピールして欲しい。

2)参加者について
 今日は新人の人が多かったが、満席までまだ10名くらいの余裕があった。
 50名以上の参加者になれば12銘柄の日本酒と工夫のある楽しい料理がセットになって、通常3000円の会費。
 
内容から考えれば、居酒屋や酒屋やプロの開催する宴会ならば少なくとも6000円の価格設定になるはずだ。

日本酒好きの人ならば、参加する価値のある宴だ。
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名も席を余らすのは勿体ない。



【データ】

日本酒の会sake nagoya 公式サイト
http://www.sakenagoya.com/

会の参加も、このサイトから申し込みできる。
空席があれば、申し込みが可能だ。




2019-07-19 (Fri)

2019/07/19  日本酒の会sake nagoya 7月定例会 夏の酒 (その1)

2019/07/19  日本酒の会sake nagoya 7月定例会 夏の酒 (その1)

今月のテーマは「夏の酒」。「夏の酒」のイメージと言えば、以前は、すず音(一ノ蔵)のように発泡感があって爽やかな飲み口のものというのが個人的なイメージだった。しかし、最近は夏の酒として様々なものが発売されており、夏の酒のイメージが定まらなくなってきている。 今日は、どんな酒が登場するのか、そして今の夏の酒のイメージが明確な姿を見せるのだろうか。【今日の出品酒】今日登場した「夏の酒」達は12銘柄。ブライ...

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今月のテーマは「夏の酒」。

「夏の酒」のイメージと言えば、以前は、すず音(一ノ蔵)のように発泡感があって爽やかな飲み口のものというのが個人的なイメージだった。

しかし、最近は夏の酒として様々なものが発売されており、夏の酒のイメージが定まらなくなってきている。
 今日は、どんな酒が登場するのか、そして今の夏の酒のイメージが明確な姿を見せるのだろうか。



【今日の出品酒】
今日登場した「夏の酒」達は12銘柄。

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ブラインド評価が終わり、勢揃いした12銘柄の揃い踏み。

以下、利き酒の印象を記載するが、個人的な嗜好に基づくもので客観性はない。
 (参加者全員の利き酒結果は、会の公式サイトに掲載されているので、そちらの結果のほうが、50名を超える評価者の集計なのでより客観的だろう。
日本酒の会sake nagoya
http://www.sakenagoya.com/



(1)
遠州横須賀 葵天下 限定純米吟醸生酒 特撰特醸山田錦 55% 山中酒造 (静岡)
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立香はあまり感じない。甘い入口。酸は軽い、厚み・ふくらみ共にあまりない。中盤、味が早目に終わる、やや淋しい印象。盛りの時期・峠を越している印象を受ける。評価6.0

アルコール度数1516



(2) Shirakiku
特別純米 銀シャリ生酒 京都丹後産 ササニシキ100% 60%精米 白木久酒造 (京都)
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立香は麹香のような香り。酸の丸く大きな膨らみがある。発泡感の名残のようなものを感じる。中盤以降気になるような癖は感じない。評価7.0

アルコール度数17-18



(3)
三連星 純米吟醸 おりがらみ 山田錦 無濾過生原酒 55%精米 美冨久酒造 (滋賀
)
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立香は仄かな吟醸香。甘い入口。酸味が続き、微発泡感を感じる。含み香も同じ吟醸香だがやや気になる強さ。中盤以降苦味・渋味は浮かず、切れが良い。評価7.0

アルコール度数17



(4)
南部美人 Breezy ~微風~ 純米吟醸 南部美人 (岩手
)
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立香は感じない。甘い入口。酸は軽く、透明感がある。舌触り丸い。味のバランス良い、偏り・癖がない。食中酒として適性が広そうだ。夏酒の特徴はどこに置いているのか解らないが、年中楽しめそうだ。評価8.0

アルコール度数14



(5)
明鏡止水 夏純米 日本の夏 美山錦60% 大澤酒造 (長野
)
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個性的な香り、ハッカに似ている印象。甘い入口。含み香も立香同様、個性的なもの、発酵に癖があるのだろうか。トロッロリとした舌触り。味は広がらず、中に纏まる感じ。世界が狭く息苦しい感じ。評価6.0

アルコール度数15-16



(6)
聖(ひじり)純米特別 火入れ 中取りINDIGO 若水60 聖酒造 (群馬
)
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仄かな甘い香り。甘い入口。滑らかな、スピード感のある酸、辛味が背景にありハード感を与えている。含み香にエチル系の香りを感じる。味の展開速い。中盤は辛味が立ち、苦味・渋味は浮かない。後半の切れ良い。評価8.0

アルコール度数14.5

2019-07-19 (Fri)

2019/07/19 日本酒の会sake nagoya 7月定例会 夏の酒 (その2)

2019/07/19 日本酒の会sake nagoya 7月定例会 夏の酒 (その2)

(7) 七水 Summer ひとごこち55% 虎屋本店 (栃木)立香は感じない。入口は甘味より酸味の味を感じる。含み香はある、吟醸香のような気もするが一般的な吟醸香とは違う。広がりはあまりなく、味も早目に終わる。良く言えば後半の切れが良いとも言えるのだが、味わいの展開とはふくらみがほしい。評価6.0。アルコール度数16。生酒だそうで、等外米を使用しているため特定名称表示はできないが、造りは純米吟醸規格だそうだ。(8) 竹...

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(7)
七水 Summer ひとごこち55% 虎屋本店 (栃木
)
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立香は感じない。入口は甘味より酸味の味を感じる。含み香はある、吟醸香のような気もするが一般的な吟醸香とは違う。広がりはあまりなく、味も早目に終わる。良く言えば後半の切れが良いとも言えるのだが、味わいの展開とはふくらみがほしい。評価6.0

アルコール度数16。生酒だそうで、等外米を使用しているため特定名称表示はできないが、造りは純米吟醸規格だそうだ。



(8)
竹葉 純米吟醸 冷美酒(COOLBISHU) 石川門55%数馬酒造 (石川)
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立香はあまり感じない。甘い入口。酸は透明で大きくふくらむ。含み香を感じるが表現が難しい、嫌な香りではない。中盤の苦味・渋味も浮かず、広がりも大きい。中盤以降、癖もなく切れ味良い。

味のバランスが良くふくらみもあり大きな世界を感じさせる。夏酒としての特徴はわからないが、年中いつでも美味しく飲めると思う。評価9.0
アルコール度数16

蔵元の紹介では、「石川県酒造好適米 石川門で醸す夏の限定酒です。
果実を思わせる甘い香り、すっきりとした酸味と米の旨味がバランス良く、軽快な味わいです。
暑い日もお楽しみいただけるよう氷をイメージした涼やかなラベルをまとわせました。
良く冷やして。氷を入れてロックでも。
さっぱりとした和食はもちもん、
夏野菜のグリルやバーベキューにも好相性です。」



(9)
栄光富士 七星 純米大吟醸 無濾過生原酒2019 出羽の里50% 冨士酒造 (山形)
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立香は軽い吟醸香。入口は甘い酸。含み香も吟醸香が立ち持続する。舌触りはトロリとしている。中盤以降の苦味・渋味も浮かず後半の切れが良い。気になるのは含み香の吟醸香、含んでから一貫して持続するので、あざとさを感じる。評価7.0

アルコール度数16.2



(10)
神亀 純米生酒 ライト 山田錦55% 神亀酒造 (埼玉
)
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立香はあまり感じない。スッキリとした入口。酸は透明感がある。トロリとした舌触りだが味の厚みは無い。含み香はあるがやや気になるもの。中盤以降の苦味・渋味は浮かず切れが良い。全体の印象として味わいがやや物足りない。評価7.0

アルコール度数16



(11)
黒牛 純米酒 無濾過原酒 瓶燗急冷 夏酒 山田錦55-60% 名手酒造店 (和歌山)
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立香はあまり感じない。トロリとした舌触り。酸味の味わい。含み香は甘いもの。中盤、何か舌を締める渋味・辛味があり気になる。評価6.0

アルコール度数18-19



(12)
神雷 夏生原酒 純米酒 八反錦 60% あらばしり 三輪酒造 (広島)
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立香はあまり感じない。入口は酸味系。透明感はなく、広がりもない。味わいが中に集まる印象。世界が狭い印象を受ける。評価6.0

アルコール度数16-17



<夏の酒のイメージ>
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銘柄を利いてみてイメージが纏まったかと言えば、纏まらない。
 結局、蔵がそれぞれの主張で「夏の酒」を世の中に出すので、極端に言えば、蔵毎、銘柄毎に「夏の酒」のイメージができる。纏めようと考えないほうが良い、在るが儘を追認したほうが良さそうだ。

しかし、タイプとか特徴を類型化することはできるだろう。

・発泡感をベースにフレッシュな印象の生酒。
・爽やかな甘味・酸味の味わいとスッキリとした飲み口のワインを想わせるもの。
・味わいが濃く、アルコール度数も高い原酒。
・アルコール同数が低くさっぱりとした飲み口のもの。
・江戸時代の夏の栄養ドリンクは甘酒であったことから、澱を絡めたにごり酒。


夏の酒は、ロックや水割りで飲むことは当然考えられる。
今日は、冷やしてストレートで利いているので、ロック・水割りを前提に設計されたような酒は評価方法が適当ではないかも知れない。
 今日の出品酒で言えば、黒牛。
ラベルに推奨の飲み方は書かれていないが、アルコール度数は18度以上19度未満と高い。
 ストレートでは中盤の渋味・辛味が気になったが、此の酒はロックや水割りで自分の好みの味わいにチューニングして飲むと力を発揮しそうな気がする。
 
最近、他の酒のイベントで度数が高く、味わいも辛味を生かしたハード感のある酒、渋味・苦味を効かせたパンチのある酒に出会う。
 泡盛ではよく感じることだが、ストレートでは少し苦味が勝つが水割りでは丁度良くなるものがある。菊の露はそのタイプだろう。
 日本酒でも夏の酒で、味・アルコール度数の濃いものは、飲み方をチューニングする必要がありそうだ。