(20)科学・新技術・新製品 - 菜花亭日乗
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菜花亭日乗

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2020-12-10 (Thu)

2020/12/10 アルツハイマー型認知症 治る希望

2020/12/10  アルツハイマー型認知症 治る希望

日本の人口が急激に高齢化が進んでいるのは周知のことだ。老化が進むと、病気に襲われることになるのは避けられないが、中でも認知症は厄介だ、本人は自覚しているかどうか分からなくても、誰かが介護しなければならない。 家族の誰かが面倒を見ることになれば、二人が不自由な生活を余儀なくされる。認知症を治すことが出来れば、これからの日本が解決しなければならない認知症問題が解決することになる。治療法は超音波を脳に当...

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日本の人口が急激に高齢化が進んでいるのは周知のことだ。

老化が進むと、病気に襲われることになるのは避けられないが、中でも認知症は厄介だ、本人は自覚しているかどうか分からなくても、誰かが介護しなければならない。
 家族の誰かが面倒を見ることになれば、二人が不自由な生活を余儀なくされる。

認知症を治すことが出来れば、これからの日本が解決しなければならない認知症問題が解決することになる。

治療法は超音波を脳に当てるだけのシンプルな方法で、患者の負担も少ない。
 超音波が微小血管の新生・再生を行い、血流が改善されることにより治るそうだ。

この技術は、既に重症狭心症に対する効果が確認されており、7医療機関で最終段階の治験がまもなく終わることになっている。

副作用もなく、安全性も確認されている。
血管の老化による病は、数多くあるはずなので、この技術の治療対象は今後拡大すると予想される。

日本発の画期的技術なので、大きく育って、日本及び世界の認知症患者を蘇らせて欲しい。




『【ここまで進んだ最新治療】「超音波治療」でアルツハイマー病改善 第2部の治験進行中
2020/12/10 17:15
夕刊フジ

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超音波治療の様子。患者の側頭部に装置を付ける

 認知症の原因の約7割を占めるアルツハイマー病。加齢に伴い脳に「アミロイドβ」というタンパク質が異常に溜まり、神経細胞が壊れていき認知機能が低下し、認知症を発症すると考えられている。現在、国内では4種類のアルツハイマー病(AD)の治療薬が承認されているが、どれも症状の進行を遅らせる薬でしかない。

 一方で、薬ではなく「超音波」を使ってADの改善を目指す治験が東北大学のグループによって進められている。この治療法は「低出力パルス波超音波治療」(以下、超音波治療)と呼ばれ、安全性を確認する第1部の治験(患者5人)は終了し、現在40人の患者を対象に有効性をみる第2部の治験が進行している。

 超音波を使った認知症治療の試みは世界でも類をみないが、どうして効果が期待できるのか。代表研究者で東北大学客員教授と国際医療福祉大学大学院副大学院長を務める下川宏明教授が説明する。

 「ADはアミロイドβの蓄積が脳に何らかの悪影響を及ぼしているのは間違いないとしても、それは氷山の一角にすぎないと考えています。私の考えは、ADの真の原因は『脳の微小循環障害』であり、それによって起こる慢性炎症が長引くことで、結果としてアミロイドβなどの異常タンパクが蓄積するという考えです」

 脳の微小循環障害とは、脳の微小血管の血流が悪いということ。それをある特殊な超音波を照射して血管を新生・拡張させて血流を増やすことで、認知症を改善させようというのが超音波治療だ。つまり、認知症を脳の神経の病気ではなく、脳の血管の病気としてアプローチしているのだ。

 循環器の専門医である下川教授が認知症の治療に超音波を用いたのは、重症狭心症の治療で成功体験があったからだ。最初は「低出力体外衝撃波」を用いて安全性と有効性を確認。その後、さらに安全性が高く、治療時間を短縮できる「超音波」へ治療法を展開。重症狭心症に対する超音波治療は、2014年から東北大学を中心に全国10施設で治験が行われ、最終登録患者の追跡がまもなく終了するという。

 「ADに対する超音波治療は、マウスを使った実験では蓄積していたアミロイドβを減少させ、認知機能の低下も抑制することを確認しました。超音波治療は、患者さんの脳全体の微小血管を超音波で刺激し、自然治癒力を活性化して治させようとする方法なので、拒絶反応がまったくありません。それに、病的組織の血管を新生し血流を増やす一方で、正常な組織は反応しないので副作用が起こりにくいのです」

 治験では、患者の側頭部にヘッドギア型の装置をつけ、1回の治療で超音波を20分間照射して、5分休み3回繰り返す。これを週3回、3カ月おきに6クール繰り返す。第2部の治験は22年3月までに最終患者の追跡を終了する予定という。(新井貴)』


重度狭心症の超音波治療については、下記サイトで現状を知ることが出来る。

東北大学病院循環器内科

http://www.cardio.med.tohoku.ac.jp/ustiken/index.html




2020-12-09 (Wed)

2020/12/09  透析治療が変わるかも  スマートポリマー

2020/12/09  透析治療が変わるかも  スマートポリマー

まだ実用化段階に入っては居ないが、道筋は見えていそうなスマートポリマー技術。血液の透析は時間も費用もかかり、患者の負担が大きい治療だ。 病院内で大掛かりな透析装置に長い時間かからなければならない。 スマートポリマーの目指すところは、ポータブルな装置で病院に行かなくても出来る様な装置にすることだそうだ。実現すれば、全世界に存在する患者に大きな福音をもたらすことになる。「メドテックグランプリ KOBE」は...

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まだ実用化段階に入っては居ないが、道筋は見えていそうなスマートポリマー技術。

血液の透析は時間も費用もかかり、患者の負担が大きい治療だ。
 病院内で大掛かりな透析装置に長い時間かからなければならない。
 スマートポリマーの目指すところは、ポータブルな装置で病院に行かなくても出来る様な装置にすることだそうだ。

実現すれば、全世界に存在する患者に大きな福音をもたらすことになる。

「メドテックグランプリ KOBE」は面白いコンテストだ。
夢を覚めない内に現のものにする志を持っている。
3
年後、5年後、今回の技術が実用化される事を祈りたい。



『透析治療を変えるスマートポリマー技術活用の血液透析デバイス
12/3(
) 9:00配信 アスキー


神戸医療産業都市推進機構とリバネスが運営する医療分野のビジネスプランコンテスト「メドテックグランプリ KOBE」第3回目のデモデイが開催された。本コンテストは通常のビジネスコンテストとは異なり、大学や研究機関、企業の研究所では科学技術の「種」をビジネスまで芽吹かせることを目的としている。


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写真:アスキー

 神戸医療産業都市推進機構とリバネスが運営する医療分野のビジネスプランコンテスト「メドテックグランプリ KOBE」第3回目のデモデイが20201010日に神戸大学先端融合研究環統合研究拠点コンベンションホールで開催された。本コンテストは通常のビジネスコンテストとは異なり、大学や研究機関、企業の研究所では科学技術の「種」をビジネスまで芽吹かせることを目的としている。個人、チーム、法人設立前のいずれでも参加でき、法人の場合も設立年数に制限を設けていない。
 
 前年と同じく書類審査で選ばれたファイナリスト12チームが事業内容を発表し、パートナー企業らで構成された12名の審査員が審査を行なった。ここでは企業賞に選ばれた10社と最優秀賞1社を中心に紹介する。
 
高度インフラに依存しない血液透析デバイスをつくる
スマートポリマー【最優秀賞】
 最優秀賞は、インフラが不十分な場所でも血液透析治療が可能になる血液透析デバイスの開発を発表したチーム、スマートポリマーが受賞した。透析治療は利用者が多いのに約1世紀もの間進化しておらず、長時間の治療に大量の水が必要で費用も高い。そこで目指しているのが、吸着と吸水に向いたスマートポリマーを用いて、どこでも利用できる簡易型透析装置の開発だ。
 
 物質・材料研究機構(NIMS)でスマートポリマーを研究する荏原充宏氏は、医療分野は素人ながら研究者らしい発想で既存の透析システムを変革させる方法を検討し、デバイスの前に尿毒素を選択的・効率的に吸着する材料の開発を進めようとしている。透析患者は世界中にいることから、ディープテックで世界を変える技術として評価された。
 
非けいれん性てんかん発作からこどもの脳と心を守る
protect kid
s brain
 小児科医の永瀬裕朗氏が担当する兵庫県立こども病院の神経救急は、けいれんや意識障害を認める症例が3分の1を占めるが、発作があっても見た目で判断が難しく、重い後遺症に至るケースも少なくない。
 
 問題解決のために症状を感度良くリアルタイムで検出・警告するプログラムを開発し、さらに既存の医療機器に使える形で導入できるよう研究開発を行っている。プログラムの開発には深層学習が用いられ、80%の感度で診断することを目指している。1日も早く子どもたちを救いたいという思いと、完成すれば子どもだけでなく高齢者にも使用できる可能性といったことが受賞につながった。
 
小型睡眠脳波計を用いた精神疾患診断プログラム開発
スリープウェル株式会社
 スリープウェルは自宅でも使用できる小型の睡眠脳波計を開発し、睡眠を正しく判断することでストレスチェックや睡眠薬の減薬などを実現している。さらに収集された脳波のデータを分析し、うつ病の診断につながる補助プログラムの開発を目指す。睡眠脳波は定期的に計測できるため分析角度が多彩で、さまざまな疾患の病態を把握できるという。
 
 ほとんどの疾患は睡眠と関連しているため、各種治験や臨床試験のスクリーニングツールとして用いられる可能性もある。すでに45000例以上の健常者のデータを保有しており、それらを分析したうつ病診断プログラムでも特許を保有している。睡眠を様々な病気の診断につなげるというアプローチが評価された。
 
痛みの客観的評価により患者のQOLを向上させる
PaMeLa
株式会社
 PaMeLaは人が持つ感覚の中でも最も不快な傷みの評価を、脳波の解析によってこれまでの主観評価から客観的な数値として評価できる医療機器開発を進めている。傷みを測定する方法として、AIを用いて人工的に傷みをラベリングする「傷みスコア」で数値化し、可視化することで客観的で均一な診断を可能にし、将来的には痛みを治療する世界標準の実現を目指す。
 
 現在の研究では、注射の際の傷みを顔と足とでそれぞれ区別できているという。評価されにくい技術のため資金調達に苦労しているということであったが、事業化されれば傷みに対する評価そのものを変える可能性があることが評価された。
 
モバイル胎児モニターで安心・安全な出産を届ける!
メロディ・インターナショナル株式会社
 妊婦の腹部にあてて胎児心拍データをリアルタイムで診断できるIoTデバイス「胎児モニターiCTG」を開発するメロディ・インターナショナルは、胎児の健康状態をいつでもどこでもモニタリングできるソリューションを併せて開発している。すでに国内ではクラス2の薬機認証を取得し、保険適用されている。また海外ではタイのチェンマイで1500人の妊婦に使われた実績があり、すべての公立病院に導入されている。
 
 今後は9000以上の収集データをAIで分析して妊婦の状態を自動で判定したり、どこでも妊婦健診が受けられる周産期遠隔医療プラットフォームの実現を目指している。将来的にはメンタルヘルスとの関連性についても調べたいとしており、世界を対象に将来性の拡がりある取り組みが評価された。
 
人工脂肪を活用した乳房再建の実現
乳房再建用人工脂肪
 乳房の再建や豊胸手術に使用する世界初の人工脂肪の実用化を目指すチームが受賞。乳房を再建する方法は、女優のアンジェリーナ・ジョリーが行なった自身の脂肪を利用する手術やシリコンインプラントを使用する方法があるが、いずれも装着感や安全性で課題がある。
 
 一方で人工脂肪は乳房に埋入するだけで脂肪が再建でき、価格も他の方法より抑えられる。研究開発にはグンゼも関わっており、現在は数年経っても問題ないか大型動物での検証を進めている。実用化にはまだ時間が必要だが、人工脂肪は豊胸手術にも使用でき、女性の生き方を応援するという意味でも価値が高いという点が評価された。
 
再生医療を細胞から薬へ
株式会社プロジェニサイトジャパン
 神経幹細胞に注目した20年以上にわたる研究で、脳の神経幹細胞の増加を促す経口薬候補を発見したプロジェニサイトジャパンが、医療系スタートアップを支援する神戸医療産業都市賞を受賞した。
 
 神経幹細胞リソースの入手が困難、細胞培養に時間がかかるといった脳神経の再生医療が抱える課題を解決する画期的な技術で、ダウン症や自閉症などの疾患への応用も期待されている。
 
 コンテストでは会場参加者による投票も行われ、1 protect kid
s brain2位 株式会社プロジェニサイトジャパン、3位 スマートポリマーという結果になった。このほか、最終審査には以下の5社が選ばれている。
 
・予防薬の経鼻投与で認知症を根絶する/株式会社メディラボRFP
iPS細胞由来の血球細胞で感染症研究を促進する/マイキャン・テクノロジーズ株式会社
・細胞の見える化技術」が拓く創薬・再生医療のイノベーション/株式会社フロンティアファーマ
・造血系細胞の分化を制御するエピジェネティクス創薬/Red White Therapeutics
・カテーテル関連尿路感染症予防デバイスの開発/SiB2018 Team-IJ
 
 最終審査に選ばれたテーマは全体的に対象が幅広く、社会課題に近い病気を対象にしているものが多い印象であった。審査員長のリバネス代表取締役副社長CTOの井上浄氏は「発表したチームはいずれも、世界の課題を解決するために長期的な取り組みを続けるという熱い思いを持っている。ここからがスタートで、神戸市も全力でサポートしてくれる。それぞれが持つ技術をこれからもさらに尖らせてほしい」と言い、コンテストを締め括った。
 

文● 野々下裕子 編集
北島幹雄/ASCII STARTUP



2020-10-31 (Sat)

2020/10/31 iPS細胞で糖尿病治療への道

2020/10/31   iPS細胞で糖尿病治療への道

iPS細胞の科学的な理解など全く理解できないが、膵臓のもとになる細胞を、iPS細胞を使って大量に作り出すことが出来れば、糖尿病の治療が可能になる。細胞だけではなく、将来的には「膵臓や膵島自体を作り出せる可能性」もあるということなので、糖尿病患者、患者予備軍には、頼もしい研究と言える。科学者・研究者達は日々目的を持って自分の課題を追求している。 1月、1年で課題が達成できるような簡単なことではないが、日々弛...

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iPS
細胞の科学的な理解など全く理解できないが、膵臓のもとになる細胞を、iPS細胞を使って大量に作り出すことが出来れば、糖尿病の治療が可能になる。

細胞だけではなく、将来的には「膵臓や膵島自体を作り出せる可能性」もあるということなので、糖尿病患者、患者予備軍には、頼もしい研究と言える。

科学者・研究者達は日々目的を持って自分の課題を追求している。
 1月、1年で課題が達成できるような簡単なことではないが、日々弛むこと無く努力をされ、こうして一歩一歩成果を出していかれる。
 素晴らしい事だ。
是非世の中の糖尿病に悩んでいる人たちのために頑張って欲しいと思う。




『インスリン分泌細胞のもと、iPSで大量作製 京大など 糖尿病根治に期待
10/30(
) 18:20配信 毎日新聞


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京都大iPS細胞研究所=京都市左京区で20161月、畠山哲郎撮影

 血糖値を下げるホルモン「インスリン」を出す膵臓(すいぞう)のβ細胞のもとになる細胞を、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から大量に作り出すことに成功したと、京都大などの研究チームが30日、米科学誌セル・ケミカル・バイオロジー電子版で発表した。糖尿病はβ細胞が減少したり、働きが弱まったりすることで発症するため、iPS細胞からβ細胞を作り出せれば根本的な治療が可能になると期待される。

 糖尿病のうち、1型は主に自分の免疫がβ細胞を破壊することによってインスリンが分泌されなくなり、血糖値が下がらなくなる。2型は生活習慣などが高血糖の原因になる。治療はインスリン注射のほか、1型では膵臓やβ細胞を含む組織「膵島」を移植し、β細胞を補充する方法があるが、国内で移植を受けられる機会は非常に少ない。

 研究チームは、β細胞のもとになる「前駆細胞」が増殖するメカニズムに着目。「WNT7B」というたんぱく質があると、前駆細胞が効率よく増え、一度に大量作製できることを突き止めた。

 これまで知られていた手法は前駆細胞を増殖させる能力が弱く、大量作製にはiPS細胞から前駆細胞を作る作業を何度も繰り返す必要があったが、WNT7Bを使えば、作業が格段に減るため品質の担保が容易になる。ただし、WNT7Bは現在、実験で少量だけ使う試薬として販売されており、ヒトへの移植や創薬を想定して前駆細胞を作るには、安価で高品質に製造する必要があるという。

 将来的には、前駆細胞から膵臓や膵島自体を作り出せる可能性もあり、多数の細胞で構成する膵臓組織を作る研究も進めるという。京大iPS細胞研究所の長船健二教授(再生医学)は「β細胞として移植する場合は10億個程度、臓器を作るにも多くの細胞が必要になる。均一な細胞を大量に増殖させることが欠かせず、作業量が減ればコストも下げられる」と話した。【渡辺諒】

(毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/d49223e0478d2856e470cbff52c942b6b0d904af





2020-10-30 (Fri)

2020/10/30 稲に砂糖を作らせる技術

2020/10/30   稲に砂糖を作らせる技術

稲に砂糖を作らせる技術が開発された。砂糖を作る植物は、サトウキビと甜菜だが、それぞれ自然条件が熱帯、寒冷であることが必要で、栽培適地は限定られる。 稲なら広範な土地で栽培が可能なので生産量は大きく出来る。事業化には技術に加えて、経済性も要求されるので、実用化には時間がかかると思われるが、楽しみな技術だ。一つ気になる点は、自然に生まれた植物ではなく、遺伝子操作で人工的に作られていることだ。古い考え方...

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稲に砂糖を作らせる技術が開発された。
砂糖を作る植物は、サトウキビと甜菜だが、それぞれ自然条件が熱帯、寒冷であることが必要で、栽培適地は限定られる。
 稲なら広範な土地で栽培が可能なので生産量は大きく出来る。

事業化には技術に加えて、経済性も要求されるので、実用化には時間がかかると思われるが、楽しみな技術だ。

一つ気になる点は、自然に生まれた植物ではなく、遺伝子操作で人工的に作られていることだ。

古い考え方かもしれないが、新しい生物を創ることは、神の領域で、人間が行うことに思いがけない危険が潜んでいないか心配な面がある。

受精に失敗する事が糖の生成に必要のようだが、受精に成功し普通の稲と種の混合が起きるというようなことは無いだろうか。



『お米の代わりに砂糖水を生む「砂糖イネ」爆誕 名古屋大学などが開発、“第3の製糖植物目指す
10/30(
) 17:27配信
ねとらぼ


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デンプンではなく液体で満ちていた(写真B

 名古屋大学などの研究チームが、イネの遺伝子をゲノム編集技術により改変し、高純度のショ糖を生産する「砂糖イネ」の開発に成功したと発表しました。

【画像】今後の展望

 研究に使われたイネは、受精に失敗すると米粒ではなく液体を生成することが確認されています。液体の成分解析によると、ショ糖が98%、果糖とブドウ糖が1%ずつ含まれていました。

 98%のショ糖というのは高純度で「第3の製糖植物」として世界に提供できるのではないかと研究チームは期待を述べました。現在、サトウキビと甜菜だけが世界で生産できるショ糖となっていますが、それぞれ沖縄などの熱帯地域、北海道などの寒冷地など、効率良く生産するには地域が限定されます。

 「砂糖イネ」は、イネが日本国内のどこであっても生産できることから、地域を限定せずに糖生産が行える可能性があります。また、日本だけでなく世界的に糖生産の限界を超えることができるかもしれないとしています。

 研究チームはイネと同じようにトウモロコシやコムギなどでも同様の遺伝子改変を行うことで、世界各地の事情に合わせた糖生産が可能になるのではないかと今後の展開へ期待を寄せました。

(ねとらぼ
https://news.yahoo.co.jp/articles/d626f77c3d0341276d8d0717a9c5858c2ac90005





2020-09-20 (Sun)

2020/09/20 パラミロンナノファイバー(PNF)の生産技術が環境問題を解決する!!

2020/09/20 パラミロンナノファイバー(PNF)の生産技術が環境問題を解決する!!

新しい技術の話は面白い。また、楽しい。コロナの話と違って、気持ちが軽く、明るくなる。ミドリムシを培養して、プラスチックに代わる用途多様な素材を創る技術だそうだ。 新しい技術は、内容は素晴らしくても費用が高額になるものが多く、実用化には技術面だけではなく経済性の問題も解決しなければならないことも多い。 しかし、この技術は、安いコストで大量に製造することができるそうだ。プラスチックの代替品は、植物由来...

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新しい技術の話は面白い。
また、楽しい。
コロナの話と違って、気持ちが軽く、明るくなる。

ミドリムシを培養して、プラスチックに代わる用途多様な素材を創る技術だそうだ。
 新しい技術は、内容は素晴らしくても費用が高額になるものが多く、実用化には技術面だけではなく経済性の問題も解決しなければならないことも多い。
 しかし、この技術は、安いコストで大量に製造することができるそうだ。

プラスチックの代替品は、植物由来のものとか紙とかを素材にしたものが数多く開発されている。
 もし、パラミロンナノファイバーがこれらの代替品より、低コストで環境負荷が小さければ、プラスチックによる環境汚染問題を解決してくれる新技術になる。

環境汚染問題は、日本のみならずグローバルな問題となっている。
 現時点では、地方企業によるテストプラントレベルの製造になっているようだ。
 新技術の可能性が大きければ、国全体でパラミロンナノファイバーの製造と普及に取り組む必要がある。

環境省と経産省が手を組んで、育成・振興予算を組んで、初期投資のリスクを負担して、新しい生産技術を軌道に乗せる事が必要だと思う。




『ミドリムシがマスクやおむつに 大量増殖、繊維素材生産技術を確立 宮崎大・林教授「プラスチック代わりに用途多様」
9/20(
) 10:05配信


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ミドリムシの繊維素材化技術を確立した宮崎大学の林雅弘教授=宮崎市の宮崎大学

 宮崎大学農学部の林雅弘教授(57)=応用微生物学=は、単細胞生物・ミドリムシからつくる繊維状物質「パラミロンナノファイバー(PNF)」の生産技術を確立した。安価で成形しやすく、海中で分解し環境にも優しいのが特徴。林教授は「プラスチックの代わりに多様な用途が期待できる」としている。

【写真】ミドリムシの繊維素材化技術を確立した宮崎大学の林雅弘教授=宮崎市の宮崎大学

 ミドリムシは藻類の一種で動物の性質も併せ持つ。PNFは、ミドリムシが体内で生成する貯蔵多糖「パラミロン」を原料とした。

 ナノファイバーは、パルプを100万分の1ミリ単位までほぐし繊維化した「セルロースナノファイバー(CNF)」が主流。しかし均一にほぐすのが難しく、コストの高さが難点だった。

 ミドリムシ研究を約35年続ける林教授は、パラミロンが安価な水酸化ナトリウム溶液で繊維化できることを発見。光合成に頼らず、ブドウ糖を与えてミドリムシを大量に増殖する方法も確立した。

 PNFは、おむつやマスク、フィルター素材などに使える。樹脂やゴムに混ぜ強度を上げることも可能という。愛媛県の企業が本年度から実証プラントを稼働。2021年度から本格生産を始める。林教授は「環境負荷が少なく時流に合った素材ができた。より広く活用されれば」と話している。』
(南日本新聞社)



『定年退職の受け皿会社が始めたミドリムシのナノファイバー
2020.6.3 14:00
プレミアム

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ユーグレナ(ミドリムシ)の培養装置
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 植物プランクトンのユーグレナ(ミドリムシ)に含まれるナノファイバーの大量生産に、愛媛県四国中央市の紙加工業「スバル」が乗り出した。品質やコスト、工程面で優れており、多くの製品に活用できる“夢の素材”と期待を集める。同社は、製紙業界で長く勤務し、定年退職したOBらが働けるようにと設立された会社であり、バイオ事業で新たな挑戦を続けている。

世界的研究者の協力

 ユーグレナは淡水にすむ単細胞生物で、葉緑体を持つことから植物性プランクトンに分類されるが、鞭毛(べんもう)を使って動き回る。栄養素に富んでいることが知られ、栄養補助食品や食材などとして研究・開発が進んでいる。

 大量生産は難しいとされるが、同社は、宮崎大の林雅弘教授(応用微生物学)が発見した、増殖性がよく培養効率の高い新しい株を使用し、グルコース(ブドウ糖)を餌として与える「従属栄養培養」の手法で大量生産を実現した。

 林教授はユーグレナの産業利用研究の草分け的存在。民間の化成品メーカーの研究所にいた時代を含め、研究歴は約35年間に及ぶ。世界で初めてユーグレナを工業レベルで培養し、商品として実用化にこぎつけた実績がある。

 林教授は「化成品メーカーにいた経験とユーグレナ工業化のノウハウに今回の新規株が加わることで、他の(ユーグレナの)企業とは一線を画した地に足の着いたビジネスができるものと考えている」と指摘。ユーグレナから取り出して開発した繊維「パラミロンナノファイバー」(PNF)で、化成品業界をターゲットに商品化を考えているという。

製紙業界苦境の中
 一方、スバル社は昭和60年、宇高尊己(うだか・たかき)社長(64)が専務を務める泉製紙(四国中央市)など6社が出資し、定年退職した人が働ける場所として設立された。5月現在の社員は23人。お茶の紙パックや便座シートなど紙加工を事業内容としている。

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スバルが製造しているお茶パックと便座シート
その他の写真を見る(2/3枚)

 同市は大手製紙会社が立地し、紙・パルプ産業の集積地として有名だ。しかし、近年は少子化や情報通信技術の進展などが影響。製紙会社の数の減少などがあり、宇高社長は「業界全体は徐々に右肩下がり」と感じている。


 宇高社長も、ナノファイバーの一種で木材を原料とするセルロースナノファイバー(CNF)が、製紙会社の注目の的となっていることを知っていたが、「技術は大手に独占され、小さい会社は指をくわえてみていることしかできなかった」という。

 そんな中、愛媛県東部・東予地方のものづくりをサポートする公益財団法人「えひめ東予産業創造センター」(新居浜市)で、ユーグレナのことを知った。

 木材由来のCNFが繊維にばらつきがあるのに対し、ユーグレナ由来のPNFは直径が小さく、繊維が一定の長さでそろっている点でも優れている。さらに「CNFは原価が高く精細性に欠けるが、PNFなら安価で、ほかの物質に均一に入れることができる。しかも、ユーグレナは餌をやれば無制限に増える。これは夢の素材だ」と宇高社長は直感したという。

「地域の就職受け皿に」

 愛媛大の阿部俊之助名誉教授の指導を受けながら宇高社長が有望なユーグレナ株を探していたところ、宮崎大学の林教授と出会った。構想が持ち上がったのは約2年前だが、計画は一気に加速し、昨年12月から今年3月にかけて、スバルの工場の一角にユーグレナの生産工場を兼ねた研究室が完成した。


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スバルの宇高尊己社長
その他の写真を見る(3/3枚)
 ユーグレナはアルカリ溶液に入れると繊維だけになり、ナノファイバーにする工程もCNFより簡単。生産工場には90リットルのタンクがあり、フラスコで増やした40万個体を、わずか3日間で10億~100億個体にまで増殖できる。同社はこれを今年中に5トンのタンクを導入する予定で、徐々に増産体制を整え、年産440トンを目指している。

 「大学を出ても子供が帰ってこないのが地方の実情。就職の受け皿がない。この地域の産業として貢献したい」。宇高社長は地域起こしの観点からも、今後の商品展開に期待を膨らませている。

(産経新聞)





2020-09-15 (Tue)

2020/09/15  「柿渋」が新型コロナを不活化する!!

2020/09/15  「柿渋」が新型コロナを不活化する!!

政治の分野でのコロナ対策は、首相の体調不良による辞任や新総裁の選出やらで停止状態。  コロナ対策はさておいて経済活性化のためのGO TOキャンペーンに力を入れている。  今の儘、人が全国を走り回れば、第3波がやってくるのは自明の理。  その時また国民に自粛を求めるのは責任放棄としか表現出来ない。 一方、研究者の世界では、着実に労を惜しまず、多方面からコロナへの攻撃方法を探し求めている。 今日、興味...

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政治の分野でのコロナ対策は、首相の体調不良による辞任や新総裁の選出やらで停止状態。
 コロナ対策はさておいて経済活性化のためのGO TOキャンペーンに力を入れている。
 今の儘、人が全国を走り回れば、第3波がやってくるのは自明の理。
 その時また国民に自粛を求めるのは責任放棄としか表現出来ない。


一方、研究者の世界では、着実に労を惜しまず、多方面からコロナへの攻撃方法を探し求めている。

今日、興味深いニュースが有った。
まだ、試験管内の研究レベルだが、将来期待できる内容と思った。

奈良県立医科大学が、「柿渋と唾液の混合物がコロナウイルスを1万分の1に不活性化した」と研究成果を発表した。

この研究が良いのは、柿渋の安全性だ。
科学的に新しく合成された化学物質の薬は、副作用の検証が避けられない。
 柿渋は自然由来の物質で、防腐剤、民間薬、清酒の製造などに使われてきたもので、安全性に問題はない。

加えて、使い方も点滴とか吸入とか専門家や施設を要するものではなく、飴やガムのように口に入れて使う形式に出来、携帯性も持っている。非常に使い勝手が良い。

調べてみると、既に、柿渋は除菌効果が確認されている。
ノロウイルスの不活化効果が認められており、柿渋の除菌スプレーなどの応用製品が業務用として販売されているそうだ。

商品化が成功すれば、社会の安心を保つ柱になる可能性を持っている。
 コロナウイルスの感染は、無症状者も含めて感染者が撒き散らすウイルスに感染する。
 特に密の状態で、空間に漂う唾液のエアロゾルで感染する事が知られている。
 カラオケ、ライブハウス、スポーツジム、クラブ、バー、居酒屋などでクラスターが発生する。
 この様な場所で、すべての参加者が柿渋飴を舐めてから愉しめば、感染のリスクは0に近づく。

柿渋は安全なので、早期に実用化を進めてもらいたいと思う。




「奈良県立医科大学 「柿渋」で新型コロナの不活化に成功」

https://youtu.be/NhSHi6Nm5kc



『”柿渋”が…新型コロナウイルスを「無害化」させると発表 奈良県立医科大学
9/15(
) 12:12配信
関西テレビ

奈良県立医科大学は塗料などに使われる「柿渋」が新型コロナウイルスを無害化させると世界で初めて発表しました。

【奈良県立医科大学 免疫学 伊藤利洋教授】
「柿渋が新型コロナウイルスを1万分の1以上不活化するということを、世界で初めて確認しました」

奈良県立医科大学は柿から抽出した高純度の柿渋と新型コロナウイルスを唾液と混ぜ、10分間置いたところウイルスが無害化したと発表しました。

柿渋とはいわゆる渋柿を絞った汁を発酵させた液体のことで衣類や建物の抗菌性などを高める効果があります。

発表によると柿渋を飴やガムなどに混ぜ口に含むことで、新型コロナウイルスを予防する可能性があるということです。

今後、製品開発を目指すとともに人に対して効果があるか臨床研究も行いたいとしています。

(関西テレビ)




2020-08-22 (Sat)

2020/08/22  クローバーで「ウニ」を養殖する技術

2020/08/22  クローバーで「ウニ」を養殖する技術

去年は、廃棄処分されるキャベツをウニの餌にして養殖する方法が実用化された。 今年は、公園などに自生しているクローバーを餌にする方法が実用化されたそうだ。 こうしたニュースは夢があって楽しい。  クローバーは4つ葉は価値が高いが、それ以外は言っては悪いが雑草だ。  磯焼けを引き起こすウニを取り除いて、磯を守り、クローバーを与えて美味しいウニに育てることができれば、一石二鳥だ。 クローバーは、養...

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去年は、廃棄処分されるキャベツをウニの餌にして養殖する方法が実用化された。

今年は、公園などに自生しているクローバーを餌にする方法が実用化されたそうだ。
こうしたニュースは夢があって楽しい。

 クローバーは4つ葉は価値が高いが、それ以外は言っては悪いが雑草だ。
 磯焼けを引き起こすウニを取り除いて、磯を守り、クローバーを与えて美味しいウニに育てることができれば、一石二鳥だ。

クローバーは、養殖用の海水を汚さないので、管理の面でも使いやすいとの事。

有害なものを価値の高いものに変化する新しい技術は素晴らしい。
 数年先には、回転寿司の上に乗っているのは、「クローバーウニ」か「キャベツウニ」かも知れない。




『磯焼けの「痩せウニ」救う研究…クローバーをエサに養殖したウニ 天然ウニと食べ比べも!試食会〈宮城〉
8/20(
) 21:02配信
仙台放送

今が旬の「ウニ」の話題です。今、宮城県内の海では、「磯焼け」と呼ばれる現象で身入りの少ないウニが大量に発生しています。こうしたウニを救おうと、県内の大学が、ウニに雑草のクローバーをエサとして与え養殖する「クローバーウニ」の研究を進めています。クローバーウニの事業化に向け、8月20日、飲食店などを招いた試食会が開かれました。

20日、宮城大学で行われた「クローバーウニ」の講演会。
自治体や飲食店関係者などを招いて、これまでの研究成果を発表しました。
宮城大学が研究を進める「クローバーウニ」は、ウニに雑草のクローバーをエサとして与え、陸上で養殖するというものです。

宮城大学食産業学群 片山亜優 助教
「海水中でもクローバーはあまり水を汚さない特徴があり、非常に優れている」

背景にあるのは、深刻な海の問題です。
今、県内の海では、ウニが海底のコンブやワカメなどの海藻を食べ尽くしてしまう「磯焼け」と呼ばれる現象が頻発していて、エサ不足の中で育った身入りの少ない「痩せウニ」が多く発生しています。
研究の結果、雑草のクローバーをエサとして育てたウニは、天然モノと同じぐらいの身入りがあり、栄養価も高いことが分かったことから、宮城大学では地元の漁師と協力して、事業化に向け取り組んでいます。

宮城大学食産業学群 片山亜優 助教
「クローバーウニはあっさりしているところがあり、ウニ臭さが少し抜けている点で、今の人にはウケる味なのかなと。できるだけ早く皆さんの手元にクローバーウニを届けられるように頑張っていきたい」

会場では「クローバーウニ」と県内産の「天然モノ」のウニが用意され、参加者が味を見分けるクイズにも挑戦しました。

参加者
.どっちがクローバーウニ
「ちょっと分からない、こっちがあっさりだからAがクローバーかな…」
参加者
「味のほうもAのほうが磯臭くないというか…」
正解は…!
宮城大学食産業学群 片山亜優 助教
「予想通りですね、Aがクローバーウニという結果です」

Aがクローバーウニ、Bが天然モノのウニでした。
宮城大学では現在、「クローバーウニ」の特許を申請中で、再来年までの事業化を目指しています。
』(仙台放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bebcf41bbb72504f357c5f7a030ee7ea91856fc




「磯焼けの「痩せウニ」救う研究…クローバーをエサに養殖したウニ 天然ウニと食べ比べも!試食会〈宮城〉 (20/08/20 21:02)


https://youtu.be/Ewve2dP9CTg



2020-04-30 (Thu)

2020/04/30 ゴミからエタノールを作る新技術

2020/04/30 ゴミからエタノールを作る新技術

毎日毎日、コロナの感染者数とか死者数とかのニュースに振り回されているとストレスが溜まる。たまには、明るいニュースも聞きたいと思う。そんな中、新しい技術の話題があった。ゴミからエタノールを作る技術だ。折から、消毒用エタノールが不足して、コロナ禍の中で価格が5倍にも高騰している。エタノールの原料は日本はブラジルを中心として輸入に依存している。 生産国は、アメリカとブラジルが世界の7割を占めている。いず...

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毎日毎日、コロナの感染者数とか死者数とかのニュースに振り回されているとストレスが溜まる。

たまには、明るいニュースも聞きたいと思う。

そんな中、新しい技術の話題があった。
ゴミからエタノールを作る技術だ。

折から、消毒用エタノールが不足して、コロナ禍の中で価格が5倍にも高騰している。

エタノールの原料は日本はブラジルを中心として輸入に依存している。
 生産国は、アメリカとブラジルが世界の7割を占めている。
いずれも広大な大地を持っている国がトウモロコシを原料に製造しているからだ。
 残念ながら日本は真似ができないことだ。

この様な実情下で、この新技術が持つ意味は大きい。
分別しないゴミでも燃えるものであれば原料としてエタノールを作ることができる。製造コストも競争力があるという。

このプラントが成功し、日本中で稼働すればエタノールを自給できる未来がやってくるかも知れない。

未来のパンデミックが避けられない以上、エタノールの自給能力は安全保障にも必要だ。




『“ごみ”をエタノールにできる革新技術、積水化学が実用化へ本腰
4/22(
) 15:45配信


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実証および事業化に向けたスケジュール 出典:積水化学工業

 積水化学工業と官民ファンドのINCJ2020416日、米国ベンチャー企業LanzaTech社と共同開発した、微生物触媒を活用して可燃性ごみをエタノールに変換する技術の事業化に向け、実証実験と合弁会社「積水バイオファイナリー」を設立すると発表した。


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開発したエタノール化技術の仕組み 出典:積水化学工業

 共同開発したエタノール変換技術は、ごみ処理施設に収集されたごみを一切分別することなくガス化し、このガスを微生物によってエタノール化する技術。大きな熱や圧力を必要とせず、既存プロセスと比べても十分にコスト競争力があるという。積水化学工業は2014年から共同開発を進めてきた。

 今回、設立する合弁会社ではこのエタノール化技術の実用化・事業化に向けた最終段階の実証を行うため、まず、岩手県久慈市に実証プラントを新設する。2021年度末に稼働を開始する予定だ。

 実証プラントでは、標準的な規模のごみ処理施設が処理するごみの1/10程度という約20t/日を既存ごみ処理施設から譲り受けて原料とし、エタノールを生産する計画。また、自治体やごみ処理関連企業、プラントメーカーなどのパートナーを広く募るとともに、実証プラントにて生産したエタノールを企業に提供し、さまざまな製品・事業に活用してもらうことも目指す。』
(スマートジャパン
https://news.yahoo.co.jp/articles/c0c6550904190557115a1ad0a9920015b458bed8
より転載)





2020-01-04 (Sat)

2020/01/04 スギ花粉症の雄花を枯らす菌が発見された

2020/01/04 スギ花粉症の雄花を枯らす菌が発見された

寒波がやって来て厳しい寒さになるこの時期、早く春が来ないかなと考えるのが一般的だが、そうう考える人ばかりではない。 花粉症の人たちだ、特にスギ花粉は多くの人にアレルギーを引き起こす厄介ものだ。 この花粉を撒き散らすのは雄花だ。 シーズンになると、ニュース映像でスギ花粉が風に舞い上がるシーンが放映されるが、土色の粉が大量に風に乗って拡散するさまを見ていると痒くなるほど...

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寒波がやって来て厳しい寒さになるこの時期、早く春が来ないかなと考えるのが一般的だが、そうう考える人ばかりではない。


花粉症の人たちだ、特にスギ花粉は多くの人にアレルギーを引き起こす厄介ものだ。

この花粉を撒き散らすのは雄花だ。
シーズンになると、ニュース映像でスギ花粉が風に舞い上がるシーンが放映されるが、土色の粉が大量に風に乗って拡散するさまを見ていると痒くなるほどだ。

発見された菌は、雄花に取り付いて枯らしてしまうので、花粉が飛散することはない、つまり花粉症の原因が飛んでこないので花粉症が起きなくなる。

まだ研究段階のようなので、実用化は大規模実験を経てのことになるからまだ先になる。
実用化が成功すれば、多くの人が苦しみから開放される。

昨日の電気刺激による植物状態からの救済もそうだが、今まで道がないと思われてきた病気に新しく道が発見されるのは、素晴らしいことだ。

新しい、希望のある技術がある事を知らされるのは、ロッケットや国外逃亡や空爆より新年らしくて気持ちの良いニュースだ。




『スギ花粉の飛散防ぐ“救世主”か 雄花枯らす菌を発見
話題 神奈川新聞 20200104 11:34

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5ミリ大の雄花に付着していたシドウィア菌(県提供)


国民の3人に1人が罹患し、経済にも悪影響を及ぼしている花粉症。その主原因のスギ花粉の飛散を防ぐ“救世主”となり得る新技術の開発が、神奈川から開花しそうだ。県が昨秋、花粉を飛ばす雄花を枯らせる神奈川由来の菌類を発見。国がその菌類を薬剤に活用する研究開発を進めている。実用化すれば数十年を要するとされる伐採や植え替えに代わる画期的な花粉症対策になりそうだ。

県が発見した菌類は、スギの雄花に寄生して枯死させる「シドウィア菌」。雄花を枯らし、さらに周辺の雄花にも菌糸を広げる。枯死した雄花は開花しないため花粉が飛散しない一方、雄花以外には無害で木の生育に問題はない。この菌を薬剤として活用し、ヘリコプターやドローンによる空中散布などが可能になれば、即効性のある新たな花粉飛散防止策になるという。

これらの研究を進めている国の研究機関「森林総合研究所」(茨城県つくば市)に県が協力を提案したところ、効果がより高く生態系への影響も少ない「地域由来の菌類」を探すよう依頼された。

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昨年9月に実施されたシドウィア菌の採取調査=相模原市緑区(県提供)
県森林再生課と県自然環境保全センターは昨年9月、県央地域などのスギ林9カ所で調査を実施。相模原市緑区で約5ミリ大の雄花に付着していた菌を発見した。現在は同研究所が培養している。

花粉症対策を巡っては、県は2008年度に「9都県市花粉発生源対策10カ年計画」を策定。伐採や花粉の少ないスギへの植え替えなどを続け、18年度に第2期計画へ移行した。

ただ、第1期の植え替え達成率は44%。花粉症が社会問題化した昭和50年代後半から現在まで増加したスギ林の面積分について対策を講じているが、県は「このまま対策を続けても目標達成にはあと30年以上かかる」との見通しを示している。

シドウィア菌を活用した薬剤散布が実用化されれば、広範囲で効率的な対策が可能になり、人手や経費などコスト削減効果も期待される。県は「散布による動植物への影響の検証など課題も多く、あと何年かかるか分からない」としながらも、「多くの方の期待に応えるため、今後も研究開発に協力していきたい」としている。

47ニュース-神奈川新聞
https://www.47news.jp/localnews/4383634.html
より転載)





2020-01-03 (Fri)

2020/01/03 電気刺激治療で植物状態から回復へ

2020/01/03  電気刺激治療で植物状態から回復へ

15年間植物状態の患者が電気刺激療法で回復した症例があるそうだ。 日本ではiPS細胞を使って神経細胞を再生する方向で研究が行われており、時間はかかるとしても道筋は見えている。 この記事の電気治療は、方法としては単純なものなので、実用化ができれば、患者にとっては大きな福音になる。 だが、現象は確認できても理論的な解明はまだされていないようなので、実用化はまだ難しいのかもし...

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年間植物状態の患者が電気刺激療法で回復した症例があるそうだ。

日本ではiPS細胞を使って神経細胞を再生する方向で研究が行われており、時間はかかるとしても道筋は見えている。

この記事の電気治療は、方法としては単純なものなので、実用化ができれば、患者にとっては大きな福音になる。
だが、現象は確認できても理論的な解明はまだされていないようなので、実用化はまだ難しいのかもしれない。

しかし、植物状態の人を蘇生させるという難しい問題に果敢に挑戦してる科学者が、様々な道を考えて、一歩一歩、解決の頂きを目指しているのは素晴らしいことだ。
エベレストより高い頂にいつの日か旗が翻る日がやって来ると思う。



15年間植物状態の男性の意識が回復、定説覆した電気刺激療法【人体とテクノロジー】
1/3(
) 18:03配信ナショナル ジオグラフィック日本版

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迷走神経刺激の前と後(Pre-VNSPost-VNS)に、植物状態の患者の脳内でどのように情報の共有が増加したかを表すイラストレーション。(PHOTOGRAPH BY CORAZZOL ET AL
下半身まひの患者は電気刺激で歩行可能に
植物状態が1年以上続いた場合、回復の見込みはないとこれまで考えられてきた。

だからこそ、自動車事故後に15年間植物状態だった男性が意識を取り戻したというニュースは驚きを持って受け止められた。脳は、そのように機能するはずがないのだ。

ギャラリー:パーキンソン病の電気刺激はじめ、「医師たちにもよくわからない」治療法など

フランスの研究者が、ある装置を35歳の患者の胸部に埋め込み、首を通り腹部まで伸びる脳神経「迷走神経」に電気を流し刺激した(VNS)。この刺激療法を毎日1カ月間続けた結果、あらゆる望みが断ち切られていた男性は、驚くべき回復を見せた。この研究は学術誌「Current Biology」に発表された。2017年のことだった。

この治療法に関してわかっていることや、植物状態の患者にとってどのような意味を持つかなどを紹介しよう。

◆植物状態とはどのような状態か

植物状態にある人間は自力での呼吸が可能で、目を覚ましたりすることもある。だが、周囲の状況を認識できず、意思疎通もなく、外界からの刺激に反応する意識もない。フランスのリヨンにあるマルク・ジャンヌロー認知科学研究所所属で、今回の研究を率いたアンジェラ・シリグ氏は、「意識がこの世に存在しない状態」と説明する。覚醒と意識が完全に切り離されている状態とも言える。

対して、意識がなく、覚醒もしていないのが「昏睡」状態で、この場合は回復して完全に意識を取り戻せることがある。また、意識がしっかりあるのに、意思疎通を取る能力が失われた状態は「閉じ込め症候群」と呼ばれる。

◆男性は15年経って突然意識を回復したのか

そうではない。テレビドラマのように劇的なものではなかったが、その回復には目を見張るものがあった。1カ月にわたって迷走神経を刺激した後、男性は首を右から左へ動かすというような、簡単な指示に反応するまでになった。専門的には、ごくわずかだが確実に意識が認められる「最小意識状態」に移行したといえる。

セラピストが本を朗読しているのを聞けば、以前よりもずっと長い時間目覚めていることができる。また、脅威を察知して反応もする。誰かが突然目の前に顔を近づけた時に、目を大きく見開いたという。植物状態の患者は、そのように個人のスペースが侵されても、何の反応も示さない。男性の回復は、脳の画像でも確認された。

他の深刻な脳損傷患者への効果は?
◆迷走神経を刺激してみようと思ったのはなぜか

迷走神経は、覚醒や注意に関係している。この神経を活性化させると、覚醒や注意、闘争・逃走反応に深く関わっている「ノルアドレナリン作動性」の神経経路に信号が発生する。迷走神経刺激は、てんかん患者に一般的に施されている療法で、うつ病や神経障害の治療に使われることもある。また、外傷性脳損傷を受けたばかりの患者に試験的に使用されたこともある。

米ミネソタ大学神経外科学部の准教授で、軽い外傷性脳損傷患者に迷走神経刺激療法を施しているアズマ・サマダニ氏は、「このような研究を、強く支持します」とメールに書いた。「外傷が関係する意識障害のメカニズムは完全には理解されていませんが、この症例の場合、迷走神経への刺激は効果を約束しているようです」

◆他の深刻な脳損傷患者への効果は?

この研究の成果は目覚ましいものではあるが、ほんの一例に過ぎない。迷走神経刺激がもたらす可能性をより深く理解するため、研究者はさらに多くの植物状態にある患者を対象に効果を確かめる必要がある。

より多くの患者で効果が実証されれば、限定的に意識のある患者に、わずかでも自由な意志と意思疎通能力を与えられるようになるだろう。損傷を負った直後の方が治療効果は高いようだと、シリグ氏は付け加えた。

「刺激を与えるのが早ければ早いほど、身体機能に影響を与え、生理的平衡をある程度回復させることができるでしょう」

◆意識が戻り、自分の状況を多少なりとも理解した男性にとって、今の状態は本当に好ましいと言えるのか

それに答えるのは難しい。男性の家族は、男性の病状について公にコメントすることを避けている。だが、シリグ氏は前向きだ。「他人が自分に何をしているのか、何を語りかけているのか、全く気付かないよりは理解できた方が良いです。私だったら、意識があった方が良いと思うでしょう」


脊髄への電気刺激では下半身まひの患者が歩けるように
2018年には、電気刺激によって、下半身まひの患者3人が再び歩けるようになったことが、学術誌「ネイチャー」に発表された。3人は4年以上前に重い脊髄損傷を負い、脚がほとんど動かなくなっていた。

スイス連邦工科大学の神経科医グレゴワール・クルティーヌ氏らの研究チームは、3人の体内に電気パルスを発生する無線装置を埋め込み、脊髄を刺激した。それから1週間もしないうちに、彼らは立ち上がり、支えを使った歩行にも成功。5カ月間の理学療法と訓練の後、3人は自分の意思で脚の筋肉をコントロールし、1時間も歩けるようになったという。

同じ時期、同様の治療法による成果が他にも報告されていたが、「ネイチャー」に発表された研究の特徴は、タブレットを使ってリアルタイムに刺激をコントロールできるようなモバイルアプリを開発した点だ。この装置により、患者自身が研究に参加していないときにも自宅で治療をコントロールできた。

リハビリテーション医学の専門家で、米ワシントン大学のチェット・モリッツ准教授は、こうした数例の結果は「この治療法が現実的なものであり、完全にまひした人でも再び運動ができるようになるという確信を与えてくれるものです」と解説する。

驚いたことに、刺激装置のスイッチを切ったときにも、3人の参加者のうち2人は脚の筋肉を自分でコントロールできた。これは、刺激により脳と脊髄の接続が書き換えられたことを示唆しているとモリッツ氏は言う。さらに接続が回復すれば、いつか刺激を与える必要がなくなるかもしれない。

「刺激装置は、補聴器のように脊髄への信号を増幅しているのだと思います」とモリッツ氏は言う。「補聴器が音量を上げるように、刺激装置は損傷部位より下の脊髄回路の興奮性を高めているのです」

モリッツ氏は、今回の結果はすばらしいが、まひ患者が歩行以上に望んでいることがあることを忘れてはならないと言う。米ケース・ウエスタン・リザーブ大学のキム・アンダーソン氏が2004年に実施した調査の結果によると、重い脊髄損傷を負った人が最も重視しているのは歩行ではなかった。歩行は第4位で、性機能、排泄機能、姿勢制御機能の方が上位だった。

幸い、新しいタイプの神経刺激装置は、そうした機能の回復にも役立つ兆候を見せている。けれども、刺激装置は研究に参加している一部の患者にしか使われていない。クルティーヌ氏は、将来的には、損傷後できるだけ早い時期に刺激装置を使用することで、筋肉の運動を効果的に回復させられるようになるかもしれないと考えている。

この記事はナショナル ジオグラフィック日本版とYahoo!ニュースによる連携企画記事です。世界のニュースを独自の視点でお伝えします。

文=Karen WeintraubEmily Mullin/訳=ルーバー荒井ハンナ、三枝小夜子

yahooニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200103-00010001-nknatiogeo-sctch&p=3
より転載)




2019-10-02 (Wed)

2019/10/02 早期がんの新しい診断手法

2019/10/02   早期がんの新しい診断手法

がんは厄介な病気で、発見が遅れ手遅れになると、生存は難しい。 初期、早期のうちに発見できれば、治癒する確率も高くなるが、初期、早期にがんを見つけることが難しい。 ある程度進行してからでないと、見つけられない問題がある。 その初期のがんの診断について、ここ数年新しい検査方法が開発され、漸く2020年辺りから実用化される見通しとなった。 従来の検査は時間も費用...

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がんは厄介な病気で、発見が遅れ手遅れになると、生存は難しい。

初期、早期のうちに発見できれば、治癒する確率も高くなるが、初期、早期にがんを見つけることが難しい。
ある程度進行してからでないと、見つけられない問題がある。

その初期のがんの診断について、ここ数年新しい検査方法が開発され、漸く2020年辺りから実用化される見通しとなった。

従来の検査は時間も費用もかかり、受診者の負担が大きかった。
これから実用段階に入る方法は、尿、血液を採取するだけで、複数のがんの診断ができ、その上がんの捕捉率も90%近く、信頼性も高いそうだ。



先ずは、尿1滴でがん検診できる手法が、来年実施されることになっており、年末にかけて実用化に向けて最後の施行が行われることになっている。

胃、大腸、肺、乳、膵(すい)臓、肝臓、子宮、前立腺など15種のがんの診断が可能で、ステージ01の初期の患者は87%検出できたそうだ。
実用化段階でもこの数字を実現できれば、胃や大腸のがんを初期段階で補足できるので、がんの治癒の確率を大きく上げることになる。


『線虫でがん検査、20201月に実用化 約85%の確率で特定 九大発のベンチャー企業

2019/10/1 21:26 (2019/10/1 21:53
更新)
西日本新聞

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がん患者の尿に近づく線虫(HIROTSUバイオサイエンス提供)

体長約1ミリの線虫を使ったがん検査の開発に取り組む九州大発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(東京)は1日、尿1滴でがんの有無を8割以上の高確率で判定できるという安価な検査法「NNOSE(エヌノーズ)」を、来年1月から実用化すると発表した。検査費用は19800円。健康診断への導入を希望する企業や医療機関、自治体の申し込みを受け付けている。

線虫は土壌などに生息する微小生物。犬より優れた嗅覚で、がん患者の尿に含まれる特有のにおいに近づき、健康な人の尿からは逃げる性質を利用して判定する。がん患者1400人に実施した検査では的中率は約85%に上り、特にステージ01の患者は87%で判定できた。一般的ながん検査「腫瘍マーカー」よりかなり高確率という。

反応するのは胃、大腸、肺、乳、膵(すい)臓、肝臓、子宮、前立腺など15種のがん。現時点では検査でがんの部位までは判明しないが、今後は特定も目指す。

当面は尿を都内にある同社の検査施設に持ち込んで解析する。結果報告まで1週間から1カ月ほどかかる。1年目は25万人分の解析が可能で、従業員健診への導入を目指す企業から問い合わせが相次いでおり、既に約10万人分の検査が予定されている。

同社は2016年、当時九州大助教だった広津崇亮社長が設立。福岡県と同県久留米市の支援を受け開発を進めた。この日、久留米市役所で会見した広津社長は実用化への最終調整として、同市と同県小郡市の職員から希望者約120人を対象に検査し、運用の流れを確認すると明らかにした。

広津社長は「技術的な検証はほぼ終わった。がんの検診率を上げるには画期的な技術が必要。特に子育てや仕事で検診率が低い若い女性の検診率アップにつなげたい」と話した。(片岡寛)
』(西日本新聞)



血液を使う手法も実用化が近づいている。

『血液1滴、早期がん見逃さず 20年にも検査が実用化
2019/6/17
付 日本経済新聞 朝刊

わずか1滴の血液や尿から早期のがんを発見する――。そんながんの検査が早ければ2020年にも一部の人間ドックや健康診断で受けられるようになりそうだ。痛みや放射線被曝(ひばく)のある精密検査を受ける前に、がんの可能性をある程度見分けられる。がんの見落としを防いだり、過剰な検査を省いたりすることにつながる。「痛い」「面倒くさい」といったがん検査のイメージが大きく変わりそうだ。


血液検査で採血した血液の一部でがんを発見できる(イメージ写真)=国立がん研究センター提供
「がんの可能性を言い当てる能力の高さに驚いた」。国立がん研究センター中央病院消化管内科の加藤健医長は、研究に加わっているがん検査技術の威力をこう話す。検査を受けた人のほんの少しの血液を調べることで、乳がんや大腸がん、卵巣がんなど多くのがんを95%以上の精度で発見できた。鍵を握るのはがん細胞が血液中に放出する「マイクロRNA(リボ核酸)」と呼ぶ物質だ。

血液によるがんの検査としては、腫瘍マーカーが広く使われている。がんにかかると血液中に増える特定のたんぱく質や酵素を調べる検査だ。ただ「がんの早期発見という目的では使っていない」(加藤医長)。

例えば胃がんや大腸がんなどの検査に使うCEA(がん胎児性抗原)は「進行がんでも34割の患者しか値が上昇しない」(加藤医長)という。そのため、腫瘍マーカーは主に治療効果を確認したり再発の有無を調べたりする目的で使われている。

この限界を克服するために期待されているのが、血液中のマイクロRNAを調べる方法だ。マイクロRNAは遺伝子の働きにかかわる物質で、体内に約2600種類存在する。そしてがんは早期から、特定のマイクロRNAを分泌することで増殖したり転移したりしている。国立がん研究センター研究所の落谷孝広客員研究員が中心となり、その仕組みを研究してきた。


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血液中にどのマイクロRNAが増えているかを調べれば、がんの有無やがんができた臓器を早い段階から予測できる。必要な血液量は50マイクロリットル程度と1滴分だ。この検査でがんの可能性が高ければ、内視鏡検査やコンピューター断層撮影装置(CT)検査で詳しく調べればいい。


落谷氏らは、14年から国立がん研究センターが保存する数万人分のがん患者の血液で効果を確かめた。乳がんで5種類、胃がんで4種類といったように、各臓器のがんで鍵を握るマイクロRNAを特定することに成功。遺伝子解析チップで、マイクロRNAの血液中の量を測ることで各がんを発見できるかを調べた。

この結果、多くのがんを「ステージ(進行度)にかかわらず95%以上の感度で検出できた」(落谷氏)。ステージゼロと呼ばれる、粘膜内にとどまり内視鏡で切除できる早期がんも見逃さなかった。「便潜血検査でも見つかりにくい場所にできる大腸がんも、精度良く検出できた」(加藤医長)という。

新たにがんと診断された3000人の血液でも精度を確かめた。この結果をもとに、研究に参加した企業が、検査キットの製造販売承認を19年内にも厚生労働省に申請する。承認されれば、20年にも一般の人の検査に使えるようになるかもしれない。

落谷氏は、人間ドックなどの健診で受けられるように関連機関などと話を進めているという。当面は数万円の費用がかかりそうだが、将来は公的保険が適用されて安くなる可能性もある。

この検査はがんの発見に加え、がんが疑われたときに精密検査をするかどうかの判断材料にも使えそうだという。例えば前立腺がんでは、腫瘍マーカーが陽性だと前立腺に針を刺して組織を取る生検をすることがある。血尿が出るなど苦痛を伴う検査だ。マイクロRNAを使えば腫瘍マーカーが陽性でも「がんのリスクが低く生検を省ける人を見分けられる可能性がある」(落谷氏)。

現状ではがんと良性病変を区別できないケースもある。人工知能(AI)で数百種類のマイクロRNAを解析することで解決できる可能性があるという。

採血さえ不要な、尿からがんを発見する技術の開発も進んでいる。実はマイクロRNAは血液だけでなく、尿や涙などさまざまな体液に含まれる。これに着目し、尿中のマイクロRNAでがんを発見する技術を名古屋大学発スタートアップのイカリア(東京・文京)が開発中だ。尿に含まれるマイクロRNAは血液中よりも少ないため、これを捉える構造のチップを独自開発した。大阪大学と研究を進めており、肺がんなどを高感度に検出できているという。

微生物の一種の線虫を使って尿からがんを発見するアイデアもある。HIROTSUバイオサイエンス(東京・港)が開発を進めている。線虫はがん患者の尿の臭いに引き寄せられる性質があり、これを利用する。医療機関と協力して約1400人分のがん患者の尿で検証した。胃がんや大腸がんなどを90%前後の精度で検出できたという。

これらの技術は2021年ごろの実用化を目指している。大規模な臨床研究などで有効性が証明されれば、がん検診の項目に加わる可能性もある。

◇ ◇ ◇

■がん検診の受診率向上に期待

がんは40年近くにわたり日本人の死因のトップだ。それにもかかわらず、日本のがん検診受診率は低い。例えば乳がん検診の受診率は、欧米の6080%に対し日本は40%程度。マンモグラフィー(乳房X線撮影)や内視鏡検査など、被曝や痛みを伴う検査が多いことが背景の一つだ。血液や尿でがんの可能性が分かれば「がん検診のあり方が大きく変わる」(国立がん研究センター中央病院の加藤医長)と期待される。

ただし、自治体などが実施するがん検診に組み込むためには課題もある。新しい検査法が「死亡率低下につながるかなどのエビデンス(証拠)が必要」(落谷客員研究員)という点だ。血液中のマイクロRNAを使うがん検査では、全国の自治体と協力して長期間にわたる研究を進める考えだ。

血液や尿を使う検査は将来、がん以外の病気にも応用できる可能性がある。「マイクロRNAは認知症や脳卒中の発症を予測するマーカーとしても有望だ。その可能性を示す研究結果が得られつつある」(落谷客員研究員)という。

(大下淳一)』
NIKKEI STYLE 日本経済新聞朝刊2019617日付]
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO46104930U9A610C1TCC000/?page=2



尿を使う方法にしても、血液を使う方法にしても、多くの人が受診し、データを集め捕捉率を検証し、改善を加えて向上させていくことが期待される。

内視鏡による胃や大腸の検査に伴う、苦痛や時間や費用を考えると、尿、血液1滴の採取で検査できるのであれば、受診者の負担を激減できる。




【データ】

HIROTSUバイオサイエンス
https://hbio.jp/crp/outline


食道がんを早期から検出できる血液中マイクロRNAの組み合わせ診断モデル作成
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2019/0711/index.html





2019-04-19 (Fri)

2019/04/19 世界初iPS網膜移植5人、経過良好

2019/04/19 世界初iPS網膜移植5人、経過良好

iPS細胞の実用化で、臨床治療を行った網膜移植後の経過が公表された。 5人の患者全てに、癌化の問題はなく、副作用も一部にとどまり、治療は成功したそうだ。 実用化へ7合目まで来ているそうで、患者にとっては勇気づけられる報告だ。 iPS細胞による再生医医療は、様々な分野で研究が進められており、今回の網膜移植の成功で、実用化へ弾みがつくことが期待される。 ...

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iPS
細胞の実用化で、臨床治療を行った網膜移植後の経過が公表された。

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人の患者全てに、癌化の問題はなく、副作用も一部にとどまり、治療は成功したそうだ。

実用化へ7合目まで来ているそうで、患者にとっては勇気づけられる報告だ。

iPS
細胞による再生医医療は、様々な分野で研究が進められており、今回の網膜移植の成功で、実用化へ弾みがつくことが期待される。



『他人のiPS移植「実用化へ7合目」 理研、術後良好
2019/4/18 11:13

理化学研究所などは18日、備蓄した他人のiPS細胞から育てた網膜の細胞を目の難病患者に移植する臨床研究の経過を発表した。5人に移植し1年たった段階での経過は良好で、安全だと確認した。視力低下も抑えられた。実用化で本命視される他人のiPS細胞を使う方法で、安全性と一部の有効性が確かめられ、理研の高橋政代プロジェクトリーダーは「実用化に向け7合目まで来た」と評価した。

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成果は東京都内で18日に始まった日本眼科学会で高橋氏が発表した。研究チームと連携する大日本住友製薬などは国の承認を目指した臨床試験(治験)を準備中だ。同社は2022年度の実用化を目指している。

様々な細胞に成長できるiPS細胞は、再生医療の切り札とされる。国内では、治療が難しいパーキンソン病や脊髄損傷、心臓や角膜の病気などでも臨床応用に向け動き出している。理研などが初めて人に移植する臨床研究に着手した目の難病「加齢黄斑変性」は、治験が始まったパーキンソン病と並んで先頭を走る。iPSの臨床応用で、世界をリードできるとの期待が集まっている。

理研などは14年に、失明を招くこともある加齢黄斑変性の患者に、世界初の移植手術を臨床研究として実施した。この時は患者本人から作ったiPS細胞を活用した。これに対し、あらかじめ安全性を確かめた他人のiPS細胞を使えば、1人当たりの費用を大幅に削減できる。備蓄細胞は必要なときにすぐに使える利点もある。

今回の臨床研究は同じ病気の患者が対象で、理研と神戸市立医療センター中央市民病院、神戸市立神戸アイセンター病院、大阪大学、京都大学が協力し実施した。173月以降に順次、京大で備蓄している他人のiPS細胞から育てた網膜細胞を移植した。

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年後、5人とも移植細胞が定着していた。損なわれた目の構造が修復できたことも確認した。iPS細胞は拒絶反応が起こりにくい特殊なタイプを利用したが、1人で軽い症状が出た。ステロイド剤の投与で抑え込むことができ「予想通りの結果」(高橋氏)だった。

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iPS
細胞を用いた臨床研究結果について発表する理化学研究所の高橋政代氏(18日午前、東京都千代田区)

合併症は網膜がむくむ症状が出て1人が入院治療したが、臨床的に重症ではなかった。

視力はほぼ維持され、1人は向上した。ただ薬の投与も続けており、移植の効果かどうか判断しにくいという。研究チームは視力が悪化するのを防げた点で有効だと評価した。今後は新たな臨床研究などでどのようなタイプの患者で特に効果が高いかなども探る考え。

加齢黄斑変性は国内患者が約70万人に上る。異常な血管が成長するのを防ぐ薬などが使われるが、効きにくい人もいる。根治が難しい病気の一つだ。』
(日本経済新聞)




2019-01-31 (Thu)

2019/01/31   「月から持ち帰った石は地球の石だった」?

2019/01/31    「月から持ち帰った石は地球の石だった」?

月の研究者であるデービッド・クリングという研究者の論文では ・この石は40億年前後前に地球で生成した ・その後小惑星の衝突で地表に現れた ・その後の小惑星の衝突で宇宙空間に飛び出し ・そのうちの一つが月に到着した という内容だ。 数千年か数万年の人類の歴史からはかけ離れた話で、壮大な話だ。 科学者というのは及びもしないようなことを考える。 ...

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月の研究者であるデービッド・クリングという研究者の論文では
・この石は40億年前後前に地球で生成した
・その後小惑星の衝突で地表に現れた
・その後の小惑星の衝突で宇宙空間に飛び出し
・そのうちの一つが月に到着した
という内容だ。

数千年か数万年の人類の歴史からはかけ離れた話で、壮大な話だ。

科学者というのは及びもしないようなことを考える。

しかしこれが、間違っている、嘘だというためには反証が必要だ。
しかし、反証はほとんど不可能の様に思われる。

人間の未来に関して言えば、この仮説が本当でも嘘でもあまり影響はない。
むしろ、惑星の衝突があれば人類が消滅する時が来る話のほうが深刻だ。



『アポロ14号が持ち帰った月面の岩石、「実は地球由来」と研究者
1/26(
) 13:53配信CNN.co.jp

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アポロ飛行士が月から持ち帰った岩石、最初期の地球で形成か

(CNN) 48年前にアポロ14号で月面に着陸した飛行士が持ち帰った岩石のサンプルが、実際には地球由来のものであったとする研究論文が、このほど科学誌に掲載された。彗星(すいせい)か小惑星が地球に衝突した衝撃で岩石が宇宙空間へと飛ばされ、偶然その先にあった月に激突したという。

当該の岩石には石英、長石、ジルコンといった鉱物が含まれている。これらは地球なら非常にありふれた鉱物だが、月の地質における含有量はあまり多くない。

また岩石が形成された温度や環境を分析したところ、月ではなく地球の特徴との関連を示す結果が得られた。岩石の結晶化は地球がまだ若かった40億~41億年前に、地表から約20キロの深さで起こったという。

当時の地球には小惑星が複数回衝突していたことから、岩石は1度もしくは数度の衝突で地表に露出し、別の衝突によって大気圏外に弾き飛ばされたと考えられる。その後、現在の3分の1の距離にあった月にぶつかったと研究者らはみている。

月に激突した岩石は一部を溶解させながら月面下にめり込んだが、2600万年前の小惑星の衝突で再び月面に姿を現した。

今回の研究を主導した月の専門家、デービッド・クリング氏は、地球の岩石が宇宙空間へ飛び出して月に激突したとする分析結果について、地質学者の中には異論を唱える向きもあるだろうと認めつつ、度重なる小惑星の衝突にさらされていた誕生直後の地球の状況を考慮すればそこまで驚くような話ではないとの見解を示した。

CNN
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190126-35131808-cnn-int
より転載)






2019-01-09 (Wed)

2019/01/09  忘れた記憶を薬で回復させることに成功

2019/01/09  忘れた記憶を薬で回復させることに成功

「メリスロン」という薬を投与すると、忘れていたことを思い出すことができる仕組みを科学的に解明した研究だそうだ。 研究が発展すれば認知症の治療にも応用できるかもしれない。 是非、進んで欲しい研究だ。 素人だから理解ができないが、記憶というのは何だろう。 データとして、頭に存在するのだろうか。 忘れるというのは、データは存在するのだが、データを取り出す機能がなくなっ...

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「メリスロン」という薬を投与すると、忘れていたことを思い出すことができる仕組みを科学的に解明した研究だそうだ。
研究が発展すれば認知症の治療にも応用できるかもしれない。
是非、進んで欲しい研究だ。

素人だから理解ができないが、記憶というのは何だろう。
データとして、頭に存在するのだろうか。
忘れるというのは、データは存在するのだが、データを取り出す機能がなくなった状態なのか、それともデータそのものが無くなったのだろうか。
データが無くなったら、機能は回復しても取り出すことはできない筈だが。

そうではなく、脳はコンピューターみたいなものではなく、機能とデータが渾然一体となった可逆性を持ったものだろうか。

脳の仕組みが解明されるのは、まだ先だろうし、広大無辺なフロンテイアが脳の研究には広がっている。



『忘れた記憶を薬で回復 東大など世界初、認知症治療目指す
1/8(
) 22:31配信 産経新聞


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薬で記憶を思い出すしくみ

忘れてしまった記憶を薬で回復させる実験に成功したと、東京大や北海道大などの研究チームが発表した。記憶を回復させる効果がある薬の発見は世界初という。アルツハイマー病などの認知症の治療に役立つ可能性がある。米科学誌電子版に8日、論文が掲載された。

チームは20代を中心とした健康な男女計38人に100枚程度の写真を見せ、約1週間後に覚えているかを調べる実験を実施。めまいの治療薬として使われている「メリスロン」を飲んだ場合と、飲まなかった場合で正解率を比較した。

その結果、薬を飲むと、忘れていた写真を思い出すケースが増え、正解率は最大で2倍近く上昇することが判明。忘れた写真が多かった人ほど効果があり、見たかどうか判別が難しい写真で正解率がより高まる傾向があることも分かった。

この薬は脳内の情報伝達に関わる「ヒスタミン」という物質の放出を促進する働きがある。この効果で記憶を担う神経細胞が活性化し、忘れた記憶の回復につながったとみている。

記憶が回復する仕組みを詳しく解明し、認知症の研究成果と組み合わせることで、アルツハイマー病などの新たな治療法につながる可能性がある。

チームの池谷裕二東大教授(薬理学)は「記憶回復のメカニズムが分かったので、今後はより効果の高い薬の開発につなげたい。認知症患者らの生活の質を高められる可能性がある」と話している。』(産経新聞)




2018-11-29 (Thu)

2018/11/28  iPS細胞による脊髄損傷治療 慶大正式承認

2018/11/28  iPS細胞による脊髄損傷治療 慶大正式承認

以前からアナウンスされていたiPS細胞による脊髄損傷治療が、慶応大学の審査委員会で正式承認された。 臨床試験が成功すれば、全身不随の患者が自由に立って歩くことができるようになるかもしれない。 患者からすれば、ワクワクするような期待を持つことができる。 これとは別に、患の幹細胞を利用した治療も先月承認されているが、この方法は脊髄を損傷してから2週間程度の早い...

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以前からアナウンスされていたiPS細胞による脊髄損傷治療が、慶応大学の審査委員会で正式承認された。

臨床試験が成功すれば、全身不随の患者が自由に立って歩くことができるようになるかもしれない。
患者からすれば、ワクワクするような期待を持つことができる。

これとは別に、患の幹細胞を利用した治療も先月承認されているが、この方法は脊髄を損傷してから2週間程度の早い時期に実施すれば効果があるとされる。

iPS
細胞の場合は、年数が経過した患者にも効果があるのかは、現時点ではわからないが、原理からすれば効果が期待される。

脊髄損傷は不治の病と言われてきたが、包囲網が狭められ、いずれ治療可能になることだろう。



『iPS脊髄損傷治療 慶応大が正式了承 来年にも移植
12:09
産経新聞


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(
産経新聞)

人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経のもとになる細胞を作り、脊髄損傷の患者に移植する岡野栄之(ひでゆき)慶応大教授らの臨床研究について同大は28日、計画の実施を正式に了承したと発表した。近く厚生労働省に承認を申請する。認められれば来年にも移植を行うとみられ、iPS細胞を使った世界初の脊髄損傷の臨床研究となる見通しだ。


学内の審査委員会が27日に正式に了承した。チームは昨年2月に実施計画を申請。審査委は今月13日に大筋で了承していた。

脊髄損傷は交通事故などで脊髄が損傷し、脳と体をつなぐ神経が傷付き手足のまひなどが起きる。計画では、脊髄を損傷してから2〜4週間以内で、運動機能や感覚を失った重度の成人患者を対象に、治療の安全性と有効性を確認する。

京都大が備蓄している拒絶反応が起きにくい免疫タイプの健常者の血液から作ったiPS細胞を使って、慶大が神経細胞のもとになる細胞を作製。患部に細胞約200万個を移植して新たな神経細胞を形成し、神経信号の途絶を修復して運動機能や感覚を回復させる。

国内の脊髄損傷患者は年間約5千人で、重度の場合は車椅子生活を強いられる。有効な治療法はなく、新たな治療法の開発に大きな期待が寄せられている。

チームは重度の脊髄損傷を起こしたサルで実験し、後脚で立ち上がり、握力を回復させることに成功。iPS細胞を使った移植はがん化が懸念されるが、マウスの実験でがん化しないことも確認した。』
(産経新聞)



2018-11-27 (Tue)

201/11/27  中国人科学者 胎児にゲノム編集を行いエイズ免疫

201/11/27  中国人科学者 胎児にゲノム編集を行いエイズ免疫

胎児の父親がHIV患者であることが背景にあるにしても、人の遺伝子を改変することは、その胎児が成長し、次の世代を生むことになれば、将来に渡ってその遺伝子を拡大させていくことになる。 人間に対する遺伝子操作は神の領域であり、全知全能ではない一科学者の独断で行うことは将来の人類に対し災いをもたらす危険がある。 ニュースで、この科学者が得意そうな表情で成果を語っていたが、自...

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胎児の父親がHIV患者であることが背景にあるにしても、人の遺伝子を改変することは、その胎児が成長し、次の世代を生むことになれば、将来に渡ってその遺伝子を拡大させていくことになる。

人間に対する遺伝子操作は神の領域であり、全知全能ではない一科学者の独断で行うことは将来の人類に対し災いをもたらす危険がある。

ニュースで、この科学者が得意そうな表情で成果を語っていたが、自分の功名心に駆られた狂った行為位であるとしか言えない。
生まれてきた子供が、普通の人間として世の中から扱われることにならないことになれば、こどもは普通の人生を過ごすことができなくなる。

子供の人権の視点が欠落している愚行だ。




『エイズ免疫持たせた赤ちゃん誕生=遺伝子操作に非難噴出―中国
11/26(
) 21:10配信 時事通信

【北京時事】中国メディアによると、中国の科学者が26日、遺伝子組み換え技術により生まれながらにエイズウイルス(HIV)に対する免疫を持つ赤ちゃんを世界で初めて誕生させたことを明らかにした。

しかし、倫理上の問題を無視した試みに国内外の中国人科学者122人が連名で非難声明を発表。当局も調査に乗り出すなど大きな波紋を呼んでいる。

この科学者は、賀建奎・南方科技大学副教授。エイズに抵抗力を持つ遺伝子を注入した受精卵から、2人の女の子が今月生まれ、「露露」「娜娜」と名付けられたという。賀氏は「遺伝子組み換え技術を疾病予防の分野に用いた歴史的一歩」と強調した。

しかし、倫理的な手続きを経ておらず、所属する広東省深セン市の大学も一切の関与を否定。中国人科学者の非難声明は「狂っているとしか形容しようのない人体実験だ」「人類全体に対するリスクは計り知れない」などと糾弾している。』
(時事通信)




『「ゲノム編集で双子女児誕生」中国の研究者主張
11/26(
) 23:04配信 読売新聞
【上海=吉永亜希子】AP通信は26日、中国南部広東省深センにある南方科技大学の賀建奎(フォージエンクイ)博士らが、遺伝子を効率良く改変できる「ゲノム編集」技術を受精卵に使い、双子の女児を誕生させたと報じた。事実であれば、ゲノム編集した受精卵を使って赤ちゃんが生まれたのは初めてとなるが、専門家からは倫理、技術の両面で問題が指摘されている。

AP通信によると、賀氏らは、体外受精で作った受精卵を使って、エイズウイルス(HIV)に感染しにくくなるよう遺伝子をゲノム編集で改変したと主張している。実験には7組の夫婦が参加し、うち1組から今月、双子の女児が誕生したという。夫はいずれもHIVに感染していた。

賀氏らは、論文も含めて詳しいデータは公開していない。一方、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で26日、科学者122人が、厳格な倫理や安全性の審査を経ていない人体のゲノム編集の試みに断固として反対すると表明した。同大学も、今回の実験は規範に違反しており、大学への報告もなかったとする声明を発表した。調査委員会を設置し、事実関係を調査するという。』
(読売新聞)




2018-10-06 (Sat)

2018/10/06  バカマッタケの完全人工栽培に成功

2018/10/06  バカマッタケの完全人工栽培に成功

松茸の人工栽培は、鰻の人工完全養殖と同じく夢であった。 いずれも、自然の環境の中でしか生育しないからだ。 今回の成功の重要なポイントは、松茸と同じく生きた生物としか共生しないとされてきた菌根菌類であるバカマツタケを人工の培地で生育させることに成功したことである。 人工培地で栽培できれば、えのき茸やブナしめじのように大量生産することができる。 記事によれば、バカマツタケは松...

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松茸の人工栽培は、鰻の人工完全養殖と同じく夢であった。
いずれも、自然の環境の中でしか生育しないからだ。

今回の成功の重要なポイントは、松茸と同じく生きた生物としか共生しないとされてきた菌根菌類であるバカマツタケを人工の培地で生育させることに成功したことである。
人工培地で栽培できれば、えのき茸やブナしめじのように大量生産することができる。

記事によれば、バカマツタケは松茸より大きく、味も香りも松茸並かそれ以上とのことだ。
もしそうなら、エリンギのように思う存分食べることができる。

食べるものは口に入れてみないとわからないが、味と香りは松茸に遜色ないとして、残る点は書かれていないが食感・歯ざわりだ。
松茸の良さは、香り・味に加えて食感がシコシコとして主張があることだ。
他の記事には、松茸に比べると、少しシャキシャキ感が劣り、少し柔らかい食感だそうだ。
食感が劣ると松茸に代替は難しいかもしれない。

この成功は、一つのブレイクスルーであり、記事にあるように栽培が出来ないが故に高級茸とされている菌根菌類の人工栽培に道を開くものだ。
10年後には、松茸もトリュフも店頭に普通に並ぶ茸になっているかもしれない。



『株価を急騰させたバカマツタケ栽培成功は、常識破りの大発明だ
田中淳夫  | 森林ジャーナリスト
10/6(
) 10:17

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本家マツタケ危うし? バカマツタケの栽培成功(ペイレスイメージズ/アフロ)

肥料メーカーの多木化学(兵庫県加古川市)の株価が、5日急騰した。制限値幅上限の前日比1000円(19.42%)高の6150円だ。

それも朝一番にストップ高を記録してそのまま終値まで継続している。

急騰の理由は、バカマツタケの完全人工栽培に成功したと前日に発表したから。季節を選ばず大量栽培の道が開けたというので、投資家は飛びついたのだろう。バカマツタケが株価を大きく動かしたのだ。

バカマツタケはマツタケの近縁種。名前が名前だけに、マツタケより劣るように思いがちだが、実は姿もよく似ているうえに味と香りはこちらの方が美味しくて強いと言われるキノコである。

別名がサマツ(早松)であるように、マツタケより早く89月に発生することから名に「バカ」がついてしまった。なお生えるのは、松林ではなくミズナラやコナラなどの広葉樹林に多い。分布は全国ながら、あまり見つからないのでマイナーなキノコ扱いでほとんど市場に出回っていない。

マツタケの人工栽培がなかなか成功しない中、バカマツタケの方が環境に適応しやすいから栽培もしやすいのではないかと注目する研究者はいた。

実は昨年には奈良県森林技術センターが、人工培養の菌を自然にある樹木に植え付けて発生させることに成功している。これがバカマツタケ栽培の第1号で、今年も継続発生させて実用化に一歩近づけた。ところが多木化学は、これとはまったく違う手法をとったのである。

というのは、木クズなどによる人工培地(菌床)で培養から生育までを室内環境で完結させたのだ。これは画期的なことで、キノコ栽培の常識を覆す大発明かもしれない。

なぜならすでに栽培に成功しているシイタケやエノキタケ、ナメコ、ブナシメジなどは、朽ちた樹木など生きていない有機物素材を栄養源とする腐生菌類である。だから菌床栽培は比較的簡単だった。しかしマツタケ類などは菌根菌類と呼ぶ生きた植物と共生するキノコ。菌糸を植物の根に伸ばして栄養を交換する。それだけに人工的な栽培は難しいと考えられてきた。

とくにマツタケ類は、植物との共生が必須と考えられてきた。これまでマツタケ菌糸の培養に成功した例はいくつかある(私もその度取材に行って、いよいよマツタケ栽培に成功か、と期待していたのだが……)が、子実体(傘のある姿のキノコ)を出すことに成功していなかった。だが多木化学は、とうとう菌糸から子実体を出させるシグナルを見つけたのである。この研究成果は、これまでの定説を破るものであり、学術上も大きな成果だろう。

多木化学は2012年からバカマツタケの完全人工栽培に着手。今年4月に完全人工栽培の成功を確認した。得られたバカマツタケのサイズは、長さ約9センチ、重さ36グラムで、天然ものよりやや大きいかった。栽培期間は約3カ月。遺伝子チェックもしており、バカマツタケで間違いない。その後も次々と発生して、現時点で計14本になったという。

菌床栽培なら、植物と共生させないので培養期間が短く、室内の環境を調整することで季節を問わず生産できる。また室内栽培だから虫の被害に合わず収穫時も混入の心配がない、収穫も簡単……などのメリットがある。同社は特許を申請中で、3年後の実用化を目指すとされる。

菌根菌のキノコの中には、マツタケ類だけでなく、トリュフやポルチーニ、ホンシメジ、タマゴタケなど高級キノコが多い。今回の成功が、これらの人工栽培技術にもつながるかもしれない。……と考えていると、やっぱり株価は上がりそうだな。

ちなみにマツタケ類の中には、マツタケモドキ、ニセマツタケという種もある。こちらもマツタケそっくりなのだが、残念ながら味や香りは劣るようだ。だが、バカマツタケの栽培が軌道に乗って販売が広がれば、本家マツタケの方が異端扱いされる時代が来るかもしれない。』
Yahooニュース-森林ジャーナリスト田中淳夫の仕事館
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20181006-00099530/
より転載)





2018-09-28 (Fri)

2018/09/28 はやぶさ2の見せるリュウグウ

2018/09/28  はやぶさ2の見せるリュウグウ

はやぶさ2がリュウグウにロボットを着陸させることに成功し、画像も送信した。 その画像が公開された。 写っている画像は、岩と石ばかりである。 月の表面より荒々しい世界だ。 科学的な観点では、日本のロケット及び制御技術の水準を示したことに意義がある。 『<はやぶさ2>リュウグウの新画像公開 表面に無数の岩や石 https://hea...

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はやぶさ2がリュウグウにロボットを着陸させることに成功し、画像も送信した。
その画像が公開された。

写っている画像は、岩と石ばかりである。
月の表面より荒々しい世界だ。

科学的な観点では、日本のロケット及び制御技術の水準を示したことに意義がある。


『<はやぶさ2>リュウグウの新画像公開 表面に無数の岩や石
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180927-00000065-mai-sctch

9/27(
) 18:31配信 毎日新聞


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小型探査ロボットが23日に撮影した小惑星リュウグウの表面の画像。上部の白いものは太陽光=宇宙航空研究開発機構提供
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、小惑星探査機「はやぶさ2」から小惑星リュウグウに投下された小型探査ロボット2台が撮影した新たな画像を公開した。表面は無数の岩や石に覆われ、ごつごつしている様子がはっきりと確認できる。

【写真特集】はやぶさ2の新画像 リュウグウの地表鮮明に

リュウグウ表面に21日着地した小型ロボット2台は、27日までに計100枚以上の写真を撮影し、はやぶさ2を経由してデータを地球に送信した。JAXAの吉川真・ミッションマネジャーは「もっと細かい砂があると思ったので驚いた」と感想を述べた。

また、2台は計13回、それぞれ10~20メートルずつジャンプして移動したことも判明した。小型ロボは初代はやぶさでも小惑星に向けて投下されたが、着地に失敗していた。初代に続いて開発を担当したJAXAの吉光徹雄准教授は「2台ともがリュウグウの表面で動いたのは喜ばしい。日本の総合的な技術力で成功できた」と感謝した。

はやぶさ2は小型ロボの観測したデータを分析し、来月下旬に予定している本体の着陸の運用計画に反映する。来月3日にはドイツとフランスの宇宙機関が開発した小型着陸機も投下する予定。【池田知広】
』(毎日新聞)




『はやぶさ2、上空1キロから「リュウグウ」撮影 多数の岩、くっきりと
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1808/08/news052.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20180928-025&utm_term=zdn_n-sci&utm_content=rel2-0

2018
0808 1034分 公開 [ITmedia]


宇宙航空研究開発機構(JAXA)は87日、探査機「はやぶさ2」が、小惑星「リュウグウ」(Ryugu)を、高度約1キロから撮影した画像を公開した。7月には高度約6キロから撮影した画像を公開したが、新たな画像はリュウグウをさらにアップでとらえており、10メートル前後のごつごつした岩が多数あるのが分かる。


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8
7日午前737分ごろ、高度約1250メートルから望遠の光学航法カメラ「ONC-T」で撮影したリュウグウの表面 (CJAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研


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上の画像とほぼ同時刻に、広角の光学航法カメラ「ONC-W」で撮影したもの。赤い枠がONC-Tの撮影範囲に対応 (CJAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研

画像は、「重力計測運用」の中で撮影した。重力計測運用は、探査機の軌道・姿勢制御をなるべく行わず、リュウグウの引力に任せて探査機を運動させる運用。自由落下状態ではやぶさ2の運動を正確に把握することにより、リュウグウからどのくらいの強さの引力を受けているのかが分かる。

はやぶさ2は、6日の午前11時前にリュウグウから距離が20キロ地点から降下を開始。同日午後8時半ごろ、高度6000メートルに達し、そこから自由落下状態になった。7日の午前8時ごろに最低高度となる851メートルまで接近し、そこでスラスタを噴いて上昇に転じた。画像は、最低高度に達する直前に撮影した。
』(ITmedia



一方、自然科学を離れ人文系の観点では、地球を離れた宇宙空間の無機性・暗黒性に怖れるばかりだ。

浦島太郎が乙姫様と至福の時を過ごした竜宮は四季がある美しいところだったが、リュウグウは、あるのは岩と石ばかりだ。

リュウグウの写真を見ていると、自然があり、草木があり花が咲き、虫や動物が動き回っている地球に生きている安らぎを感じる。

宇宙空間には、地球以外にも生命体がいる星があるというが、極稀なものだろう。
殆どの星は岩や石ばかりだ。

生きるなら、美しい星で生きていきたいものだ。



2018-09-06 (Thu)

2018/09/06 ブラジル国立博物館 焼失・消失

2018/09/06  ブラジル国立博物館 焼失・消失

ブラジル国立博物館が火災で全焼した。 その結果、収蔵されていた2000万点以上の文化財の殆ど全てが焼失し失われてしまった。 信じられないような悲惨な事故だ。 ブラジルという国・歴史・文化の存在を証明する貴重な文化財が全て無くなってしまった。 こんな事があってよいのだろうか。 博物館の文化財は、他のものでは置き換えられない無二のものだ。 勿論...

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ブラジル国立博物館が火災で全焼した。
その結果、収蔵されていた2000万点以上の文化財の殆ど全てが焼失し失われてしまった。

信じられないような悲惨な事故だ。
ブラジルという国・歴史・文化の存在を証明する貴重な文化財が全て無くなってしまった。

こんな事があってよいのだろうか。
博物館の文化財は、他のものでは置き換えられない無二のものだ。
勿論、お金で買えるものではない。

報道では、施設の老朽化とメンテナンス不足による漏電の可能性が高いとしている。
ブラジル国民は、予算を削減し老朽化に対し放置した政府に対し、怒りを爆発させ、デモが行われている。

お金はやり繰りすることができるが、文化財は失ったらそれっきりだ。
リオオリンピックに使う予算は、文化財の保護に回すべきだった。

ブラジル大統領選挙は10月に行われるが、混乱が生じている。
現職ブラジル大統領には汚職の嫌疑がかけられている。
一方、極右候補で、人気で首位のボルソナロ下院議員は、選挙キャンペーン中腹部を刺され重傷を負った暗殺未遂事件が発生している。
政治の混乱は、文化財の保護にはつながらない。

日本も東京五輪を控え、お金の掛け方を学術・研究を削ることがあってはならない。
日本の文化財保護の現状を確認し、必要な予算は手当する必要がある。

お金で歴史・文化・文化財は代替できない。



『ブラジル 国立博物館がほぼ全焼 収蔵品の多くを焼失
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ブラジルのリオデジャネイロにある国立博物館で2日、火事があり、200年の歴史ある建物がほぼ全焼し、2000万点以上あった収蔵品の多くが失われました。

ブラジルのリオデジャネイロにある国立博物館で、2日夜(日本時間3日午前)火事があり、建物全体に火が燃え広がりました。

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博物館は1818年に、当時のポルトガルの王が、エジプトの美術品や恐竜の化石など、みずからの収集品を集めて設立したもので、現地の消防によりますと、この火事で200年の歴史ある建物がほぼ全焼しました。

また、博物館には南米の先住民のミイラや植物の標本など貴重な資料が集められ、南米の自然史や人類学などを研究する重要な拠点となっていますが、2000万点以上あった収蔵品の多くが失われたということです。
消防によりますと、火が出た時、博物館の一般公開は終了していて、従業員なども外に避難したため、けが人はいないということです。

博物館は老朽化が進み、修繕工事の必要性が指摘されていましたが、おととしのリオデジャネイロオリンピック以降予算が削られ、工事が進んでいませんでした。

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このため地元のメディアは、老朽化による漏電が火事の原因ではないかと伝えています。』
NHK News WEB より転載)




『火災後、ドローンで空撮したブラジル・リオデジャネイロの国立博物館(201893日撮影)。(c)Mauro Pimentel / AFP
ブラジルの博物館で発生した火災 予算を削減した政府に怒りの声

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ざっくり言うと
・ブラジルのリオデジャネイロで2日に起きた国立博物館の火災
・博物館が必要としていた予算を削減した政府を非難する声が上がっている
・現場では約500人が博物館を囲み、人間の鎖をつくって抗議の意を示した


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火災後、ドローンで空撮したブラジル・リオデジャネイロの国立博物館(201893日撮影)。(c)Mauro Pimentel / AFP


AFP=時事】ブラジル・リオデジャネイロで2日に起きた国立博物館の火災について、博物館が必要としていた予算を削減した政府を非難する声が各方面から上がっている。火災ではブラジル国内で発見された人骨としては最古となる12000年前の女性の遺骨を含め、貴重な収蔵品の多くが焼失した。

「公的資金の締め付けにはこれ以上我慢できない」。同博物館と関係の深いリオデジャネイロ連邦大学(Federal University of Rio de Janeiro)のロベルト・アントニオ・ガンビーネ・モレイラ(Roberto Antonio Gambine Moreira)氏はAFPの取材に怒りをぶちまけた。火災は「投資、資金の不足がもたらした当然の結果だ」と断じる。

2日夜に発生した火災は3日早朝までにほぼ鎮火したが、炎は13000平方メートルの館内の貴重な美術品などが収蔵された各部屋を焼き尽くした。消火活動が進められる間から、ブラジルの多様性を示す文化遺産の焼失を嘆く声は、予算を削減した政府に対する怒りの声に変わっていった。

ソーシャルメディアは非難の書き込みであふれ、現場でも約500人がまだくすぶり続ける博物館を囲み、人間の鎖をつくって抗議の意を示した。

アレシャンドレ・ケレル(Alexandre Keller)館長は変わり果てた博物館の前で「嘆いているだけではだめだ。この博物館の歴史を再建するためには、資金を持つ連邦政府の支援が不可欠だ」と訴えた。

ブラジル国立博物館は1818年に建造され、2000万点を超える貴重な美術品や歴史的遺物を収蔵していた。ただ、政府による予算削減のあおりを受けて、館内の多くの部屋が公開できない状態だった。

■「計り知れない損失」

収蔵品には、エジプトやグレコ・ローマン(Greco-Roman)時代の美術品などのほか、ブラジル国内で発見された最古の人骨「ルチア(Luzia)」、ミナスジェライス(Minas Gerais)で発見された恐竜の骨格標本、重さ5.3トンの世界最大級の隕石「ベンデゴ(Bendego)」も含まれる。

ブラジル自然史博物館のパウロ・クナウス(Paulo Knauss)館長は、特にルチアの焼失は「文明に関心を持つすべての人にとって計り知れない損失だ」と嘆く。

文化財の年代は、ポルトガル植民地時代の1500年代から共和制を宣言した1889年まで400年に及ぶ。

消防当局によれば、今回の火災による正確な被害規模はまだ不明だが、死傷者が出たとの報告はない。建物は外部こそ被害を免れたものの、屋根の大部分が焼け落ちている。現在、消防隊員らが焼け跡を回って、救い出せる収蔵品がないか慎重に調べているという。

セルジオ・サ・レイタン(Sergio Sa Leitao)文化相はツイッター(Twitter)で「宮殿(博物館の建物)も収蔵品もほとんど何も残らないだろう」と悲観的な見方を示している。
【翻訳編集】AFPBB News
livedoor newsより転載)




2018-08-30 (Thu)

2018/08/30  「セミの羽」構造の抗菌素材

2018/08/30  「セミの羽」構造の抗菌素材

細菌を化学的な薬剤を使わず、物理的に殺す方法への道が開けた。 その仕組は蝉の羽の中にあり、それを人工的に模倣することで可能になった。 物理的方法なら耐性菌の問題を回避できるので、画期的だ。 経済性の問題をクリヤーできれば、細菌関係の浄化装置はこの方法が切り札になるかも知れない。 自然界には学ぶことがたくさんある。 数億年の生命力を持つゴキブ...

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細菌を化学的な薬剤を使わず、物理的に殺す方法への道が開けた。
その仕組は蝉の羽の中にあり、それを人工的に模倣することで可能になった。
物理的方法なら耐性菌の問題を回避できるので、画期的だ。

経済性の問題をクリヤーできれば、細菌関係の浄化装置はこの方法が切り札になるかも知れない。

自然界には学ぶことがたくさんある。
数億年の生命力を持つゴキブリにも学ぶべきことが隠れている筈だ。


『<関大チーム>最強「セミの羽」抗菌材 安全な製品開発期待
8/29(
) 12:32配信 毎日新聞

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クマゼミの透明な羽には抗菌効果がある=関口純撮影

クマゼミの羽の構造をまねて、強力な抗菌効果がある材料を作り出すことに伊藤健・関西大教授(ナノ・マイクロ科学)のチームが世界で初めて成功した。薬剤などを使わず、物理的に細菌を死滅させられる安全で持続的な製品開発につながると期待される。

【写真で見る】クマゼミの羽の突起構造

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シリコーンの表面に再現した突起構造(上)とクマゼミの羽の突起構造(下)=伊藤健・関西大教授提供


セミは、アブラゼミやニイニイゼミなど有色の羽を持つ種類と、クマゼミやミンミンゼミなど透明な羽の種類に分かれる。このうち透明な羽には抗菌効果があると、オーストラリアの研究チームが2012年に発表した。

クマゼミの羽の表面には高さ約200ナノメートル(ナノは10億分の1)の極小の突起が1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)当たり30~40個ほど、ほぼ規則正しく並んでいる。この構造は光の反射を抑え、水をはじくことが分かっている。細菌が付着すると、生け花の剣山のように細胞膜を壊すと考えられる。

伊藤教授らはこの構造を人工的に再現。シリコーンの板を無数の樹脂製ビーズ(直径約200ナノメートル)でコーティングし、上から金を薄く載せた。これを特殊な液体に浸すと、シリコーンと金が接した部分だけが深く削られ、クマゼミの羽とほぼ同じ200ナノメートル大の円柱形の突起構造ができあがった。

この材料の表面に大腸菌を付着させると時間と共に死滅し、24時間後の生存率は日本工業規格(JIS)で抗菌性が認められる1%を大きく下回ったという。通常のシリコーンの板の表面での生存率は数十%だった。

世界では抗生物質の効かない薬剤耐性菌の出現が問題化。銀や亜鉛などの金属粒子を使った抗菌剤は、人体に悪影響を及ぼす恐れも指摘される。表面の構造だけで抗菌できれば、安全で常に清潔なトイレや台所用品、医療機器などに応用できる可能性がある。

材料の大型化に必要な製造コストが課題だが、伊藤教授は「企業とも協力して実用化につなげたい」と話している。【阿部周一】
』(毎日新聞)