以前から行く予定であった「沖縄居食家 屋いち」が今日まで3日間3周年記念のイベントをやっているとの情報を得たので行ってみた。
屋いちの大将は、以前栄のわしたショップの上にあった沖縄料理の店「えん」の板長さんだった人だ。
栄のわしたショップは品揃えが良く、特に泡盛は良い酒が並んでいた。「えん」の料理も美味しく沖縄ファンには楽しみな場所だった。
だが、ビルの取り壊しに伴い、わしたショップは中日ビルに移転したが、泡盛の品揃えは悪くなり、「えん」は閉店してしまった。ファンに取っては残念なことだった。
あれから、はや3年である。
棟方志功展を見終わり高揚した気分で外に出ると、周辺はコスプレの別世界。
考えてみれば青森のねぶたもコスプレと通じているかも知れないなと思いつつ少し見ていた。
屋いちは、地図では路地を入った中にあるので迷うかと思ったが、わかりやすかった。
沖縄の居酒屋らしく赤ちょうちんが下がっている。明るいネオン看板もあるが、沖縄は赤ちょうちんでなくては。

入口右には開店3周年記念の張り紙が掲示されている。

内容は、8/5(金)~8/7(日)の3日間。
粗品進呈、オリジナル記念ボトル1980円。
限定メニュー300円。
8/7はエイサーのライブがある。
特別な日に巡りあわせたて良かった。
ガラス戸を引いて、中に入ると、カウンターが奥のほうに伸びている。カウンターの右側が厨房になっている。
カウンターの目の前には冷蔵ショーケースがあり、料理の素材が並べられている。寿司屋のカウンターのようだ。
オープンキッチンなので、店主と自由に話が出来る雰囲気なので良い。


開店30分後の5時半だが、先客がカウンターに腰掛けていた。
中年の男の客で、常連さんのようだ。
普通は、最初から泡盛のロックだが、今日は棟方板画の前で立ち尽くして数時間、疲れたし、喉が渇いた。
オリオンビールを注文。

懐かしいオリオンビールのラベル。
最初のビールの一口は美味しいものだが、今日は特別にうまかった。
料理メニューは、開店記念限定のオール300円メニューだ。

まずは、島らっきょうと食べたことがないイカスミ豆腐を注文した。

沖縄のおつまみの定番島らっきょうの塩漬け。
辣韮のシャリシャリとした食感と塩味と癖のあるらっきょうの旨みが楽しめる。

イカスミ豆腐は、冷奴の上にイカスミの塩辛が乗っている。
イカスミ塩辛は、普通のイカの塩辛のように塩辛くはなく、ふんわりとした丸い旨みの後から甘みが感じられる。塩辛だけでも十分旨い肴になる。
自家製かと思い大将に尋ねた処、市販されている瓶詰めのものとのことだった。

泡盛はカウンターの上に甕があり、琉球泡盛44度、琉球王朝、久米仙が飲める。
今日は、3周年記念のオリジナルボトルが提供されているので、甕の酒は次の機会にすることにした。

3周年記念ボトルは、久米仙 25度であった。

次の肴は、ホワイトボードのメニューの中からまだ経験のない「自家製ウムクジ天ぷら」を注文。
見たところは、白身の魚の唐揚げのようだ。
口に入れると、表面はカリカリとして、中はモッチリとした食感。ほんのりと甘い味に、混ぜ込まれたニラの風味が薫る。
ウムクジというのはさつまいもの澱粉から作るものらしい。

チキナーチャンプルー。
からし菜にポークと豆腐のチャンプルー。
からし菜はシャキシャキとした食感で大根の葉と水菜の中間の感じ。

定番のフーチャンプルー。

麸、タマネギ、人参、キャベツ、からし菜が入っている。
大きめの麸、たっぷりと出汁を含んで柔らかい。噛むと中から旨みが出てくる。同時に野菜の甘さも感じる。
「えん」の料理が美味しかったので、当然、屋いちの料理もおいしい。

屋いちのママと屋いちキャンペンガールの3人の美女。
どうやら、ママ以外は屋いちのお客さんでボランティアで3周年記念をお祝いしているようだ。
辺りが暗くなると、いよいよライブの時間になった。
店は狭いので、どこでライブがあるのかなと思っていたら、店の前の路上が会場だった。
ストリートライブは、沖縄らしくていい感じだ。

この三線の五人組バンドは、沖縄出身は2人で、3人はこちらの人だそうだ。屋いちの店の常連さんたちなのだろう。
何曲か演奏してくれたが、雰囲気を伝えるために「ハイサイおじさん」を紹介する。
<!-- 屋いち3周年記念ライブ1 -->
『
ハイサイおじさん(ウチナーグチ)沖縄弁
作詞・作曲: 喜納昌吉
1)
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
昨夜(ゆうび)ぬ三合ビン小(ぐゎ) 残(ぬく)とんな
残(ぬく)とら我(わ)んに 分(わ)きらんな
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
三合ビンぬあたいし 我(わ)んにんかい
残(ぬく)とんで言ゆんな いぇー童(わらばー)
あんせおじさん 三合ビンし不足(ふずく)やみせぇーら
一升(いっす)ビン我(わ)んに 呉(くぃ)みせーみ
※※※※※※※※※※※※※※※
小僧:
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
夕べの三合ビンは残っとるかぁ~?
残っとったらワレに分けてくれんかぁ~。
叔父さん:
おいおい小僧、えィ小僧
三合ビンの量をワシに
残っとるか聞いとんのかい。えィ小僧
小僧:
あのなぁ、おじさん。三合ビンで不足ちゅうなら
一升ビンをワレくれるとでも言うんなぁ~
※※※※※※※※※※※※※※※
2)
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
年頃(とぅしぐる)なたくと 妻(とぅむ)小(ぐゎ)ふさぬ
うんじゅが汝(いやー)ん子(ぐわ)や 呉(くぃ)みそうらに
ありーあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
汝(いやー)や童(わらばー)ぬ くさぶっくいて
妻(とぅむ)小(ぐゎ)とめゆんな いぇー童(わらばー)
あんせおじさん 二十や余て三十過ぎて
白髪(しらぎ)かみてから 妻(とぅむ)とめゆみ
※※※※※※※※※※※※※※※
小僧:
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
年頃だで女房が欲しいんだけど
おじさんの娘をくれないかい?
叔父さん:
おいおい小僧、えィ小僧
小僧の癖しやがって
女房を娶ろうってか、えィ小僧
小僧:
それならおじさん。二十三十過ぎて
白髪になって女房を娶れってか。
※※※※※※※※※※※※※※※
3)
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
おじさんカンパチ まぎさよい
みーみじカンパチ 台湾はぎ
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
頭(ちぶる)んはぎとし 出来やーど
我(わ)ったー元祖(ぐゎんすん)ん むる出来やー
あんせおじさん 我(わ)んにん整形しみやーい
あまくまカンパチ 植(い)いゆがや
※※※※※※※※※※※※※※※
小僧:
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
おじさんハゲはデッカイねぇ
ミミズハゲだど 台湾ハゲ~
叔父さん:
おいおい小僧、えィ小僧
禿とるもんは出来がええのよ。
うちの先祖もものすごう出来が良い。
小僧:
そんならおじさん。ワレも整形してみるわ
あっちこっち、ハゲをこさえてやろうかよ
※※※※※※※※※※※※※※※
4)
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
おじさんヒジ小(ぐゎ)ぬ をかさよい
天井(てぃんじょ)ぬいぇんちゅぬ ヒジどやる
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
汝(いやー)やヒジヒジ笑ゆしが
ヒジ小(ぐゎ)ぬあしがる むてゆんど
あんせんおじさん 我(わ)んにん負きらん明日(あちゃー)から
いぇんちゅぬヒジ小(ぐゎ) 立てゆがや
※※※※※※※※※※※※※※※
小僧:
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
おじさんの髭っておかしいわ。
天井ネズミの髭みたいやなぁ~。
叔父さん:
おいおい小僧、えィ小僧
お前は髭を笑うけど、
髭があるからモテるんよ。
小僧:
あのなおじさん。ワレも負けとれん明日からは
ネズミ髭でも生やしょうわい。
※※※※※※※※※※※※※※※
5)
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
昨日ぬ女郎(じゅり)小(ぐゎ)ぬ 香(か)ばさよい
うんじゅん一度 めんそーれー
ありあり童(わらばー) いぇー童(わらばー)
辻、中島、渡地とぅ
おじさんやあまぬ 株主ど
あんせんおじさん毎日(めーなち)あまにくまとして
(※)
我(わ)んねー貧乏(ひんすー)や たきちきゆみ
※我んねちゅらーさよーがりゆさ(わたしゃはきれいに痩せるわね)
汝やちゅらーくよーがりゆさ (おまえさんきれーに痩せられるさ)
※※※※※※※※※※※※※※※
小僧:
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
ゆんべのお女郎はかぐわしかぁ~。
あんたも一度はやっかいになったら?。
叔父さん:
おいおい小僧、えィ小僧
おじさんは辻、中島、渡地(遊郭地)の大旦那よ。
小僧:
そんならおじさん。毎日遊郭にいりびたり
ワレも貧乏なってみようかい?
※※※※※※※※※※※※※※※
』(マスターぴんのいつでもどこでもアロハな毎日 より転載)

次は、エイサー。
この二人は、豊田市から駆けつけたそうだ。
何曲か演奏してくれたが、1曲だけ紹介する。

ストリートライブが始まる頃には、グループの客も入り、店は満員。
座りきれない人は立飲である。
常連さんに席を譲る時が来たので帰ることにする。

カウンターの上にあるサーターアンダーギー。
フーチバー入りで、泡盛の肴にもなるとのことなのでおみやげに買って帰ることにする。
今日は、3周年記念日の特別メニューで特別価格だったので、通常のメニューは紹介できない。
改めて、探訪に来て続編を書かなければならない。
屋いちは、大人数の宴会には向かないが、少人数で屋いちの美味しい料理と泡盛を楽しむには良い店だ。
常連さんも多くじっくりと話を楽しむ空気もある。
お客は7割は本土の人だそうだが、今日の雰囲気でも屋いちファンは多いようだ。
今日は、中身の充実した一日だった。
疲れたが快く幸せな日だった。
感謝である。
【データ】
沖縄居食家屋いち
住所: 愛知県名古屋市中区栄3丁目8-125
電話: 052-251-8107
営業時間: 17:00~24:00
定休日: 月曜日
アクセスは比較的わかりやすい。
栄の交差点の広小路を名駅方面に歩く。
丸栄と明治屋の道路を左折する。
3~5分歩くと左に牛丼のすき家がある。
すき家の角を左へ小路に入る。
すぐ、右手に屋いちの赤ちょうちんが目に入るはずだ。
先生の依頼でお酒の席での演奏は、YouTubeでのアップはご遠慮して頂きたいとの事です。
写真については大丈夫です。
よろしくお願いいたします。