遺伝子情報の研究から、日本人は酒に弱くなる方向に進化しているそうだ。 その理由は、明らかではないということだ。 お酒が好きな筆者にとって、興味深い研究成果だ。 『酒に弱い日本人が増えるよう「進化」 遺伝情報から判明 4/26(木) 20:32配信 朝日新聞デジタル 日本人の遺伝情報を調べたところ、お酒に弱い体質の人が増えるよう数千年か...
遺伝子情報の研究から、日本人は酒に弱くなる方向に進化しているそうだ。
その理由は、明らかではないということだ。
お酒が好きな筆者にとって、興味深い研究成果だ。
『酒に弱い日本人が増えるよう「進化」 遺伝情報から判明
4/26(木) 20:32配信 朝日新聞デジタル
日本人の遺伝情報を調べたところ、お酒に弱い体質の人が増えるよう数千年かけて「進化」してきたことが、理化学研究所などの分析でわかった。詳しい原因は不明だが、アルコールに弱い体質が何らかの理由で環境への適応に有利に働いたとみられるという。24日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。
体内でのアルコール分解には、「ADH1B」と「ALDH2」という2種類の代謝酵素が関わる。それぞれの酵素には、働きが強いタイプと弱いタイプがあり、日本人ではADH1Bの75%、ALDH2の25%が弱いタイプ。一方、欧米人などは、大半が2種類ともに強いタイプをもつことが知られている。
日本人2200人の全遺伝情報を解析すると、弱いタイプの酵素をつくる遺伝子のそばに、まれにしか見られない多数の変異が集まっていることが判明した。子孫に遺伝情報が受け継がれる際に、変異がこの遺伝子と共に失われずに蓄積してきたことを示しており、弱いタイプの酵素をもつことが有利に働いた証拠の一つとみられる。弱いタイプの酵素をもつ日本人は、過去100世代ほどかけて増えてきたこともわかったという。
研究チームの岡田随象(ゆきのり)・大阪大教授(遺伝統計学)は「似たような集団の進化には、アフリカ人がマラリアに感染しにくい形の赤血球を持つ例などが知られているが、アルコールに弱いことが日本人にとってなぜ有利だったのかはわからない」と話す。(小宮山亮磨)』
(朝日新聞デジタル)
日本人にとってお酒に弱いほうが、子孫を繁栄させるのに都合が良いのは、どの様な理屈が考えられるのだろう。
一寸、考えてみた。
日本の社会は、元々耕作民族で、定住している人達顔見知りで、共同して暮らしてきた。
共同性のある社会では、集団の秩序を乱したり、はみ出したりすることは嫌われる。
酒の飲み方の面でも、他人との共同・秩序が要求される。一人酔い過ぎて共同生活の枠をはみ出すものは、社会からのけものにされてしまう。
世の中の考え方はことわざ・格言に現れる。
酒のことわざも賛否両論ある。
<賛>
・酒は百薬の長
・酒は詩を釣る針
・酒は天の美禄
・酒に十の徳あり
・酒は憂いをはらう玉ぼうき
<否>
・酒は気違い水
・酒は飲むべし、飲まるるべからず
・酒に痛む
必ずしも、世の中はお酒を否定してはいないが、手放しで賛成でもない。
アルコールの分解酵素の遺伝は、アルコール依存症にも関係しているという研究もある。
『アルコール依存症と遺伝
アルコール依存症の原因に遺伝が関係することは確かです。特にアルコールを分解する酵素の遺伝子による違いが依存症のなりやすさに強く影響することが知られています。さらに最近では環境による影響の受けやすさに遺伝が関係していることがわかっています。しかし具体的な遺伝子については十分にはわかっていません。
アルコール依存症の原因に遺伝が関係していることは確かです。しかし具体的にどのような遺伝子が原因になるかまだよくわかっておらず、それぞれは影響力の小さな遺伝子が多数関係して依存症の原因になっているという説が有力です。しかし遺伝以外に環境も原因となるため依存症の原因は複雑です。
1. 家族・双生児研究の結果
10,000組を超える双生児の縦断研究から依存症の原因の約半分は遺伝が原因であることがわかっており、それは男女共通とされています。その他にもアルコール依存症はニコチンなど他の薬物依存・乱用と合併することが多いのですが、共通の遺伝因子のあることが報告されています。
2. アルコール代謝酵素遺伝子と依存症の関係
数多くの遺伝子が原因の候補として検討されましたが、アルコールを代謝する酵素の遺伝子以外に決定的な候補は見つかっていません。
アルコールを代謝する酵素の遺伝子にはいくつかのタイプ(遺伝子多型)があって依存症に関係します。肝臓でのアルコール代謝はアルコールをアセトアルデヒドに分解するアルコール脱水素酵素(ADH1B)とアルコールが代謝されてできた有害なアセトアルデヒドを無毒な酢酸に分解するアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)が中心的な役割を果たしますが、その両方の遺伝子に多型が存在します。
ADH1BにはHis47Arg多型があり、47番目のアミノ酸がヒスチジン(His)の人とアルギニン(Arg)の人がいます。Argの人は東洋人にみられ、アルコールを分解する速度が非常に速いという特徴があります。
またALDH2遺伝子にはGlu487Lys多型があり、ALDH2の487番目のアミノ酸がリシン(Lys)の人とグルタミン酸(Glu)の人がいます。Lysの場合にはALDH2酵素は働かなくなります。
ADH1B遺伝子がArgの人は酵素がよく働くために飲酒するとアセトアルデヒドが早くでき、ALDH2遺伝子がLysの人は飲酒してできたアセトアルデヒドがなかなか分解されずに体内に貯留するので、飲酒すると顔が赤くなったり動悸がしたりして不快な反応を引き起こして依存症にはなりづらくなります。
3. 遺伝子と環境因子の相互作用
依存症の原因に環境が関係することは「アルコール依存症の危険因子」で述べましたが、同じ環境におかれても依存症になる人とならない人がいます。その原因に遺伝子が関係しているという説があります。これを遺伝子と環境の相互作用と言います。
例えば、Monoamine oxidase A(MAOA)という酵素はドパミンやセロトニンなどのモノアミンを代謝する酵素です。MAOAを働かないように遺伝子を操作したマウスはモノアミンレベルが高く、その行動は攻撃的になります。遺伝子は転写されて酵素などが作られますが、MAOA遺伝子の転写には効率の良いタイプと悪いタイプがあって転写効率が良いタイプの人はMAOAが良く働きます。虐待を受けた子供の調査からMAOA遺伝子の転写効率の悪いタイプの子供は良いタイプの子供より成長後に反社会的行動へ移る傾向が強いという報告があります。このように同じように虐待を受けても持っている遺伝子によってその後の影響に違いがあるという説です。
依存症に関しては、幼児期の性的虐待とその後のアルコール依存症への発展にMAOAの転写効率が関係しており、転写効率の悪い遺伝子を持った女児は効率の良い遺伝子を持った女児より依存症を発症する危険性が高いと報告されています。一方で性的虐待の経験のない子供ではMAOA遺伝子のタイプと依存症になる危険性は関係がないとされます。
4. その他
以上の説明は遺伝子の構造そのものと依存症の関係についてでしたが、最近ではさまざまな遺伝子から蛋白質やRNAが合成される過程(発現)にもアルコールが影響することや遺伝子発現の効率の良し悪しが依存症の危険性にも影響するという説も提唱され研究が活発に行われています。』
(e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-05-004.html
)
TOKIOの山口メンバーの強制わいせつ事件には驚いた。
TOKIOの中で、一番スポーツマンで明るく礼儀正しいイメージを持っていたからだ。
ところがTVの画面ではない世界では、アルコール依存症的な生活が続いていたそうだ。
彼にとっては、正に酒は気違い水であり、飲まれてしまうものだった。
和田アキ子が、この件にコメントしている。
『和田アキ子、山口達也に「何してんだ。お酒に謝れ」
[2018年4月28日13時1分]
歌手の和田アキ子(68)が、女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検されたTOKIO山口達也(46)に対し、「何をしてんだ、オマエ」と憤った。
和田は28日放送のニッポン放送「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」で、山口の不祥事に言及。共演経験があり「すごく礼儀正しい」という人柄を知っているだけに、「『えっ!?』っていうのがまずある」と驚きを隠さず、26日に行われた謝罪会見も複雑な心境で見守ったと振り返った。
今年1月から事件直前までアルコールが原因で肝臓の調子を崩して入院していたことを明かした山口。事件当日は退院した日で、午前中の仕事を終えた後に飲酒を始め、酩酊(めいてい)状態で被害女性を自宅に呼び出してキスをしたという。今回の事件が起きた原因については「退院できた日に飲んでしまったのは自分の甘さだと思う」と語ったが、和田は自身も芸能界随一の酒豪として知られるだけに「お酒自体は悪くない。飲み方ですからね」と持論を語った。
山口はアルコール依存症については否定したが、和田は「退院して朝の仕事を終わって、肝臓の数値があがって入院してたのに、飲まないようにしてたのにその日から飲むっていうのはどういうことなんだろう」と依存症を疑い、「それであれば病気ですから、完全に治るまで治療に専念して、それで皆さんに謝罪して」とコメント。山口が会見の中で復帰への思いを語ったことについても「それ聞いたときに、『あれ? え? 山口くんまだ酒残ってるのアンタ?』って」と違和感を覚えたといい、「ここで言うべきことじゃないでしょ。そこで復帰とか言うのは…これがちょっと残念でしたね」と語った。
山口が事件をほかのメンバーらに報告していなかったことについては「ことの重大さを自分が気づいてなかったのかもね。誰にも知られてないし、発覚するっていうことを思ってなかったのかもしれない。示談で終わったんで、よし、じゃあこれから気をつけようと思ったのかもしれない」と推測。「なんとも後味の悪い事件ですね」とし、山口に「『何をしてんだお前。お酒に謝れ』っていうくらい。お酒を一生懸命作ってる人もいるのにさ」と苦言を呈した。』
(日刊スポーツ)
“『何をしてんだお前。お酒に謝れ』っていうくらい。お酒を一生懸命作ってる人もいるのにさ」”
と言う下りは、その通りだと思う。
酒は、ガブガブ飲んでヘベレケになるためのものではない。
美味しさを楽しむものである。
味がわからなくなっても飲み続ければ、飲まれていることになる。
意識を失ってしまったり、どこでも眠ってしまったり、酒乱で暴力を奮ったりするのは、自分の適量を知らず酒に飲まれてしまうからだ。
格言には、こんなのもある。
・酒はホロ酔い、花は蕾
新緑の桜の葉が輝き、川のせせらぎの音だけが聞こえる堤の上を風光る中フラリフラリとほろ酔いで歩く。
春は爛漫である。
これがお酒の醍醐味というもの。
酒は酔っ払うまで飲む必要は全く無い。