(3)日本酒 - 菜花亭日乗
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2022-05-18 (Wed)

2022/05/18 第372回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

2022/05/18 第372回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

  コロナ感染騒ぎが始まって、夜、外で飲む機会は激減した。今日は、岐阜の酒の中島屋主催の酒宴が開催され、会場が人気店の手酌割烹てら田なので、一瞬悩んだが、参加申し込みをした。JR東海道線で岐阜駅に着く。以前は、機会のある都度、駅前の金色に輝く信長公に拝謁する習わしだったが、久しぶりに拝謁をお願いすることになった。18時を過ぎると夏近いとは言え、駅前には夜の帳が近づいていた。暗い中でも、信長公は燦然...

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コロナ感染騒ぎが始まって、夜、外で飲む機会は激減した。

今日は、岐阜の酒の中島屋主催の酒宴が開催され、会場が人気店の手酌割烹てら田なので、一瞬悩んだが、参加申し込みをした。

JR
東海道線で岐阜駅に着く。
以前は、機会のある都度、駅前の金色に輝く信長公に拝謁する習わしだったが、久しぶりに拝謁をお願いすることになった。

18
時を過ぎると夏近いとは言え、駅前には夜の帳が近づいていた。
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暗い中でも、信長公は燦然と輝いて居られる。
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信長公もマスクで防御されておられるので、コロナなどに負けるものではない。

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ご拝謁を終え、駅前の今日の宴の会場手酌割烹てら田さんに、向かった。


【今日のお酒】

この酒宴は、主催者の酒の中島屋店主のテーマによって出品酒がグループ化され登場する。

テーマに沿って、各銘柄を利き比べ、検討することが出来る。

そのシナリオは、受付時に配布される「利き酒メモ」に記載されているので、利き比べ中も、酒宴が終わった後もデータとして利用できる。

今日のテーマは、以下の通り、5つ。
お酒は、14銘柄になっている。


<乾杯>
・玉川アイスブレーカー純米吟醸無ろ過生原酒

<夏のお酒>
・芳水 土用酒 吟醸生貯蔵
・新亀 純米 ライト生酒
・白岳仙 夏虫 純米吟醸 生
・開運 涼々 特別純米

<個性派純米酒飲み比べ>
・鯨波 純米吟醸 袋吊り
・長珍 純米60 無濾過生原酒 
・墨廼江 純米大吟醸 八反錦 
・四季桜 純米吟醸

<今日の贅沢 吟醸酒 飲み比べ>
・日高見 純米吟醸 吟のいろは
・小左衛門 純米大吟醸 黒ラベル
・蓬莱泉 吟 純米大吟醸 限定生

<熟・醇を飲む>
・玉川 アイスブレーカー 純米吟醸 無濾過生原酒
2019
7月詰 冷蔵三年熟成
・手取川 大吟醸 全国新酒鑑評会入賞酒
2005
6月詰 詰後冷蔵12年熟成

今日の出品酒の勢ぞろい
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(玉川アイスブレーカーの3年熟成を入れ忘れたので、13本になっている。
玉川のラベルは3年熟成も同じである。)


以下、出品酒の印象を記載しているが、個人の嗜好による印象なので、客観性はないことを予めご承知をお願いしたい。

<乾杯>
先ずは玉川で乾杯。

・玉川アイスブレーカー純米吟醸無ろ過生原酒
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立香はフルーティーな香り。吟醸香というより甘い香り。 甘い入り口、酸は大きくは膨らまないが、滑らか。中盤、辛味のパンチがあり、この酒の主張を感じさせる。後半の切れ良い。ふんわりとした甘みの追いかけも感じる。


<夏のお酒>

・芳水 土用酒 吟醸生貯蔵
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立香はあまり感じない。すっきりとした入口、とろりとした舌触り。酸は透明でなめらか、味わいの押し付けはなく、穏やかな味わいになっている。後半の切れ良い。食中酒として適性を持っている。


・新亀 純米 ライト生酒
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立香はあまり感じない。 甘い入り口、味わいはバランスよく纏まっている。すっきりとした飲み口で、酸は広がりはないが、中程度の広がり、程の良さを感じさせる、バランスの良いのが身上と思われる。後口も良い、食中酒として幅広い料理に合いそうだ。


・白岳仙 夏虫 純米吟醸 生
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立香はあまり感じない。トロリとした舌触り。なめらかな酸、透明感を感じる。味わいはすっきりとして切れも良い。


・開運 涼々 特別純米
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立香は甘い香り、ほのかな香りだが、独自の個性を感じさせる香りのような気がする。甘い入口、トロリとした舌触り。酸は大きさを感じる。含み香は吟醸香が軽く漂う。後半、軽い渋味と辛味が味を締めている。


<個性派純米酒飲み比べ>

・鯨波 純米吟醸 袋吊り
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立香は、軽くて甘い吟醸香。甘い入口。酸は中程度でなめらか、辛味が後を追い、味を締める。含み香も吟醸香。後半、苦味が味を締める。残り香も吟醸香の余韻。


・長珍 純米60 無濾過生原酒 
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立香はほのかに甘い香り。甘い入口、その後スーッとする酸を感じる、発泡感だろうか。中盤以降スッキリとして切れる。酸の切れの良さと爽やかな味わいが身上の酒。


・墨廼江 純米大吟醸 八反錦 
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立香りは軽く甘いもの。 甘い入口。トロリとしている滑らかな酸の後に軽い苦味を感じる。中盤やや重い感じがするが、味のバランスは良い。


・四季桜 純米吟醸
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立香は甘い。 甘い入口、すぐ辛味が続き、やや重い感じの酸はすぐ終わり、広がりはあまり感じない。渋味と苦味が続く。中に集まる傾向があり、少し広がりが欲しい世界だ。



・日高見 純米吟醸 吟のいろは
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立香は程良い吟醸香。上品な印象を感じさせる。甘い入口、酸は広がり過ぎず、その後辛味が押してくる。含み香は吟醸香。味のバランスは良い。後口は辛味系でピリリとした味わい。
ぬる燗:味わいが軽やかになるが大きくは変わらない。


・小左衛門 純米大吟醸 黒ラベル
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立香は甘くスッキリとした香り。甘い入口。酸はトロリとして膨らみがある。含み香も吟醸香。上品さの中に押しも感じさせる。こだわりの世界を感じる。良いと言うか上級者向けの世界だと思う。
ぬる燗:立香は、吟醸香。甘く広がり、スーッと広がり消えて行く、上品さの中に切れの良さも感じる。


・蓬莱泉 吟 純米大吟醸 限定生
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立香はほのかに甘い、明確な吟醸香は感じない。味わいはバランスが良く旨味を感じさせるもので確りとした世界を感じさせる。甘・酸・辛・苦・渋の味の主張に個性を感じさせるのではなく、味のバランスの中に旨味を感じさせる味わい。


<熟・醇を飲む>

・玉川 アイスブレーカー 純米吟醸 無濾過生原酒
2019
7月詰 冷蔵三年熟成

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(この写真は、2021年のアイスブレーカーを表示している)

乾杯酒のアイスブレーカーと比べると香り、辛味のパンチが丸くなり、滑らかさが出るような印象だが活発な印象は新酒と大きくは変わらない。 冷蔵三年熟成だが、この酒もう少し寝かせた方が、より熟成する余力を持っている印象だ。


・手取川 大吟醸 全国新酒鑑評会入賞酒
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2005
6月詰 詰後冷蔵12年熟成
12
年の熟成酒だが、老香とかの嫌な香りは全くない。穏やかな快い香りを感じる。トロリとした舌触りで、熟成酒特有の肌理の細かさを感じる。含み香も老香等の香りは無い。
熟成酒の良さを感じさせる香りと味わいになっている。 日本酒も管理が良ければ長期熟成をさせる事が可能である事を感じさせる味香の実例と言える。



<出品酒 覚書>

・人気の玉川アイスブレーカー2021年と2019年の利き比べ
人気の玉川の印象は、香りが甘くフルーティーで、酸は滑らかで入りやすいが、その後中盤の辛味にパンチ力がありアイスブレーカーの存在感を感じさせる。
 2019年の3年熟成も舌触りの滑らかさ、辛味の丸みなど熟成らしさも感じるが、まだまだ活発で、3年ではまだ熟度が足りない印象、5年、10年などのアイスブレーカーの熟成を利いてみたいと思う。

・夏の酒4酒は、玉川の後なので一層感じたのかもしれないが、味のバランス、味わいの穏やかさがあり、偏り・癖がないので、相手を選ばない食中酒としての適性を感じた。
どの酒も、様々な肴を邪魔すること無く、相手を引き立てる力を持っている印象だ。
 白岳仙はこの処、香りを抑え味の主張を追求する方向性を感じていたが、今日の夏虫は主張し過ぎず、軽く綺麗に終わる印象を受けた。

・個性派純米酒4
 鯨波袋吊りは、香りが好きな人にはお勧め、立香から含み香、残り香に至るまで吟醸香を楽しむことが出来る。
 長珍純米60新聞紙は、久しぶりに飲んだが、良かった。開栓直後は、すーっと鼻に抜ける酸の発泡感のような爽やかさがあり、酸の切れもよく、爽快。時間の経過とともに、酸が落ち着き厚みを増し飲み応えが出る。
 同じ酒で2
度楽しむことが出来る楽しみが多い酒だ。

・吟醸酒3
 日高見、小左衛門、蓬莱泉それぞれ、目指す所が異なるが、それぞれ所を得ていた。
 日高見は、純米吟醸だが吟醸香、味のバランスが良く上品さを感じさせる。後口もピリッとして終わり、後口の演出が良い。価格を考えると、コストパーフォーマンスが良い。
 小左衛門は、酒の中島屋さんでの扱いが一時無かったと思うが、今日の黒ラベルは良かった。立香、舌触り、膨らみ、含み香、切れなど上級酒の世界が提供されており、間違いのない酒だ。
 蓬莱泉の吟は、人気の蓬莱泉の最上級酒。純米大吟醸なのだが、香り立つ吟醸香とか切れの良い爽やかさの世界ではなく、蔵で3年冷蔵熟成され出荷されている熟成の生酒なので味のバランス・厚み・密度に隙がない世界を実現している。
 評価が難しい面もある。鯨波袋吊りの後に飲んだりすると、何これ香りが立たないじゃないのっといった印象になりかねない。飲む人を酒が選ぶ酒と言ったほうが良さそうだ。

・熟成酒2
 玉川3年熟成については、先に書いた通り、まだまだ活発なので、もう少し寝かせてみたい。
 手取川大吟醸12年熟成酒。これは、ここでしか味わえない一期一会のお酒と言って良い世界だった。
 香りも熟成酒にありがちな老香とか刺激性の香りはなく、穏やかな快い立香が漂い、舌触りの肌理の細かさは12年の歳月が作り出すもので、日本酒にもビンテージの世界があることを理解できる貴重な酒だった。




2022-05-18 (Wed)

2022/05/18 第372回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

2022/05/18 第372回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

今日の酒宴の楽しみは、様々な趣向の銘酒に加えて、手酌割烹てら田の料理がいただけることだ。 この取り合わせは、個人的に設定するのは、困難と言って良い。 他のことを考えず、参加した理由は、其処にある。【今日の料理】てら田の料理は、やはり良かった。今日のお品書きは、大きく言えば9品。前菜を細かく分ければ、17品のコースになる。銘酒との取り合わせを考えれば、楽しみは無限に広がる感じだ。<今日の品書き>1.本日...

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今日の酒宴の楽しみは、様々な趣向の銘酒に加えて、手酌割烹てら田の料理がいただけることだ。
 この取り合わせは、個人的に設定するのは、困難と言って良い。
 他のことを考えず、参加した理由は、其処にある。

【今日の料理】
てら田の料理は、やはり良かった。

今日のお品書きは、大きく言えば9品。
前菜を細かく分ければ、17品のコースになる。
銘酒との取り合わせを考えれば、楽しみは無限に広がる感じだ。

<今日の品書き>
1
.本日の前菜

・峰岡豆腐、ホタルイカ燻製
・桜えびと青菜のお浸し
・鳥松風 、筍旨煮、苺蓮根
・稚鮎甘露煮
・あん肝バター焼
2
.たいら貝と海老とウニのジュレがけ山椒の芽添え
3
.蟹味噌の茶碗蒸し
4.
お造里
5.
海老真薯(えびしんじょ)薬味は塩とレモン
6
.サクラマスのレア・カツのトマトジュレ 山椒の芽添え
7
.牛の赤身のローストと茄子の唐揚げのしゃぶしゃぶ
8
.食事 握り寿司三貫と浅蜊の味噌汁
9
.デザート 杏仁豆腐



1
.本日の前菜
着席すると、目の前には蓋付きの塗箱が置かれている。
蓋の上には本日の前菜の内容を記した品書きが置かれている。これは、ありがたい。

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蓋を取り、前菜の全体を見る、楓の若葉に桜えび、蛍烏賊、筍など季節を楽しむ食材が、目に入る。
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玉川アイスブレーカーのお猪口を挙げ、全員で乾杯を唱和すれば、美酒と美味の織りなす饗宴の始まりだ。

先ずは、順番通り、峰岡豆腐から行こう。

・峰岡豆腐、ホタルイカ燻製
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 峰岡豆腐は、トロリとした舌触り、ネットリとして舌に纏わりつく食感。味はふんわりとした旨味がある。
 ホタルイカはイカの旨味がしっかりと閉じ込められていて、食べていると口の中にイカの燻製の香りが漂う。


・桜えびと青菜のお浸し
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 桜えびは香りはあまりなくスッキリとした旨味だけの味わい。
 青菜のお浸しはサクサクとした食感、出汁の旨みが口の中に残る。青菜の食感が丁度良い感じで、口の中がサッパリとする。


・鳥松風 、筍旨煮、苺蓮根
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 鳥松風は、トロリとした食感、甘みと旨味がその中にある。
 筍旨煮は 、サクサクの食感、噛んでいるとじわりじわりと筍の旨味が広がる。
 苺蓮根は、蓮根のカリカリとした食感、苺の香りはあまり感じないが、ふんわりと漂う印象がある。


・稚鮎甘露煮
(稚鮎は、筍と楓の若葉の下に潜んでいる。)
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 確りとした食感だが、硬くはなく適度な硬さがあり食べ応えがある。 入口は甘いが噛んでいると口の中にじんわりと稚鮎の旨味とほのかな苦味が広がってくる。甘露煮の技術の高さを感じさせる逸品だと思った。


・あん肝バター焼
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 食感はホロリとしている。口の中で次第に広がり、溶けていく、それに連れて旨味がふんわりと徐々に広がり大きな旨味の広がりを作り出す、その過程が楽しい。
 香ばしさのある含み香も程よい感じ。美味しい。

2
.たいら貝と海老とウニのジュレがけ山椒の芽添え
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たいら貝の大きな殻が、お皿として使われている。

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ジュレはとろりとして甘酸っぱくフルーティーで、さっぱりとしている。
 
海老と平貝の貝柱の下にある黄色いソースは卵の黄身だそうで、甘酸っぱいジュレに柔らかくまったりとした味わいを与える効果を持っている。
海老は茹でてあり、ジュレの甘酸っぱさの後、海老の旨味と香りが引き継いで出てくる。
 たいら貝の貝柱はサクサクとしながらトロリとする独特の食感である。


3
.蟹味噌の茶碗蒸し
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見たところ普通の茶碗蒸し。
蓋を取ると想定外の料理に、目が留まってしまう。

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 熱い茶碗蒸しの上に凍らせた蟹味噌の出汁が乗せてある。
 下の茶碗蒸しの中には蟹の身がたっぷりと入っている。

時間とともに冷凍の蟹味噌の旨味が茶碗蒸しと合わさって蟹味噌と蟹の身と茶碗蒸しの玉子の旨味の三味が合体し始める。そこで旨味の大きさが飛躍する。

 
この茶碗蒸し一椀あれば、お酒はいくらでも飲めるほどの旨味が充満していると思った。


4.
お造里
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左より、サクラマス、鰆の塩焼き、鮪のトロ、鯛の昆布締め、蛍烏賊

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 サクラマス  トロリとした舌触り、じんわりと旨味が感じられる。 生臭さはまったく感じない。

 鰆の塩焼  サクサクとしながらしっとりとしている食感。鰆の旨味が強く感じられる。旨味の強い鰆の世界を楽しむことが出来る。

 鮪のトロ 文字通りトロトロで、舌の上でとろける滑らかな旨味。次第に旨味が完成する。
 
 鯛の昆布締め 昆布の旨味とトロトロの舌触りから始まり、その後鯛の旨みが尾を引き、長く旨みが楽しめる筋書きになっている。

 
蛍烏賊 口に入れるとはサッパリとしているが、蛍烏賊の小さな身体中には旨味がいっぱい詰まっている。
  

5.
海老真薯(えびしんじょ) 薬味は塩とレモン
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 薬味が塩とレモンと2種類用意されているのでそれぞれ味を試してみた。
 レモン:  ふんわりとした食感。噛んでいると旨味が上品な甘さと旨味の方に広がって行く。
 塩  : 味わいはレモンと変わらないが、旨味が強く深くなると感じた。

 旨味なら塩、レモンなら爽やかさが感じられると判った。


6
.サクラマスのレア・カツのトマトジュレ 山椒の芽添え
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 サクラマスのカツはカリカリの食感。トマトのジュレソースは、ほのかに甘く上品な甘みがある。
 トマトはさっぱりして口を爽やかにする。


7.牛の赤身のローストと茄子の唐揚げのしゃぶしゃぶ
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しゃぶしゃぶのタレは、日本酒と赤ワインとわさびで作られているそうで、トロリとして甘味がある。

 牛肉の赤身のローストは、パサパサせずジューシーな柔らかい食感で、噛んでいると、牛の旨味が出てくる。
 茄子は甘くとろりとした食感。茄子の味は、出汁とバターの香ばしい風味で美味しい。


8.食事 握り寿司三貫と浅蜊の味噌汁
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 握り寿司は、
 鮪赤身: ネタが大きく、口の中にたっぷりとした充実感。
 サーモン: トロリとした食感で、寿司ネタとしてサーモンの人気が理解できる。
 平目白身: シコシコの食感が楽しめ、上品な旨味が糸を引くように消えていく。

浅蜊の味噌汁
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 浅蜊の味噌汁 味噌汁は合わせ味噌のサッパリとした味わい。浅蜊の身を噛むと旨味が味噌の旨味を追いかける。


9.デザート 杏仁豆腐
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 トロリとした舌触りの後ねっとりとした食感があり、ツルツルとした中華の杏仁豆腐とは舌触りが違う。軽く甘いすっきりとした味わい。
 残り香がミルキーで、洋風の杏仁豆腐と言った方がわかりやすいかも知れない。
中華風の杏仁豆腐より、この杏仁豆腐を食べたい。




2022-05-18 (Wed)

2022/05/18 第372回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

2022/05/18 第372回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

【感想】1.コロナ感染がまだ収まっては居ないが、政府はウイズ・コロナへ舵を切ろうとしている。 確かに、コロナ拡大を防止するには人と人との接触を限りなく減らさなければならない。しかし、自粛も3年目に入ると、弊害が表面化している。 出来事で言えば、芸人上島竜兵の自死が象徴的だ。本当の理由は本人しか知らないが、仕事の面ではコロナのために、チューをしたりするギャグ使えなくなり、真ん中に透明な板を置く対応に...

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【感想】

1.コロナ感染がまだ収まっては居ないが、政府はウイズ・コロナへ舵を切ろうとしている。
 確かに、コロナ拡大を防止するには人と人との接触を限りなく減らさなければならない。しかし、自粛も3年目に入ると、弊害が表面化している。
 出来事で言えば、芸人上島竜兵の自死が象徴的だ。本当の理由は本人しか知らないが、仕事の面ではコロナのために、チューをしたりするギャグ使えなくなり、真ん中に透明な板を置く対応になるが、これではギャグにならない。また、私生活では後輩たちとの親睦会「竜兵会」が自粛のために開けなくなり、寂しいと言っていたそうだ。
 3年前とは違う、ワクチンを3回打っているから、ウイズ・コロナでいけるだろう、今では自粛の弊害を避けることも必要だ。
 感染対策をすれば、夜の宴も許されるのではないか。

その様な、状況下で、この酒宴のご案内を頂いた。
美酒とてら田さんの美味の宴があれば、たとえ夜だとしても、出席するべきだと考えを改めた。

2.今日の酒の感想
 個々の酒の印象は、記事(その1)の通りだが、付け足したいことを書く。

テーマ<夏のお酒>4酒は、それぞれ味のバランスが良く、味わいも穏やかな酒だったので、暑い時期でも、食中酒として楽しむことが出来ると感じた。

テーマ<個性派純米酒飲み比べ>では、
鯨波と長珍が印象に残った。
鯨波は、吟醸酒にたっぷり浸りたい人にはお勧めのお酒。手間のかかる袋吊りのお酒なのだが、価格はリ-ズナブルで、他の純米大吟醸より吟醸香を楽しむことが出来る。

長珍の新聞紙は、久しぶりに飲んだが、流石に長珍、酸の切れが素晴らしかった。
 発泡感を感じさせるような爽やかな味わいと酸の切れが相俟って長珍らしさ全開だった。

テーマ<今日の贅沢 吟醸酒 飲み比べ>では、
価格帯が異なる3酒だったが、それぞれ所を得て、自分の世界を持っているお酒だった。

日高見は、価格帯はリーズナブルな純米吟醸だが、品の良さを感じさせる世界を持っていて、香り、味わい、後口の切れなど、純米大吟醸クラスのレベルを持っている。

小左衛門黒ラベルは、香り、味わい口当たり、どれも拘りを感じさせる出来で、上級志向の人も満足できる本格的純米大吟醸と言える。
 担当幹事さんが、敢えて純米大吟醸をぬる燗にして、飲ませていただいたが、これが素晴らしかった。立香の吟醸香と中盤の品の良い味わいと押しの後、終盤にかけて広がりスーッと消えていく余韻が気持ち良さを誘った。
 冷やしてもぬる燗でも、両方行ける、純米大吟醸だ。

蓬莱泉の吟は、重厚な酒だ。純米大吟醸を敢えて3年寝かして、余分な香りと味を消して、快い含み香と確りとした厚い味の厚みを取り出している。
 ブラインドで日高見と利き比べをすると、人によっては日高見に軍配を上げると思うが日本酒を飲み込んだ人は、吟の重厚さに軍配を上げると思う。

日本酒は難しくて、だから楽しい。

テーマ<熟・醇を飲む>
玉川アイスブレーカーは、今日は2021BY2019BYの飲み比べだった。
 アイスブレーカーの元気さパンチ力は3年でもまだまだ十分だった。5年でもまだだろう。10年、20年の熟成酒がどの様な世界を味あわせてくれるか、いつの日か利いてみたいと思う。

手取川の大吟醸の12年熟成。この酒の中島屋さんの酒宴でしか味わうことの出来ない一期一会の酒だった。
 家庭用冷蔵庫では12年の熟成は、難しいだろう。
この舌触りの滑らかさ、肌理の細かさは、適正な冷蔵保存と長い歳月でしか実現できないものだと思う。
 次はいつ登場するかは判らないが、いずれまた次のスターが登場することだろう。コロナ騒ぎが終われば、夜の酒宴にも出なければ...


3.全体としての感想

 手酌割烹てら田の拘りの料理を肴にして、全国の美酒をとっかえひっかえ利き比べると言うのは、考えてみれば贅沢なことだ。当然のことだが、個人で出来ることではない。
 酒の中島屋さんの選ばれた銘酒とてら田さんの創意溢れた美味が揃って初めて入ることが出来る世界だ。
 両店に感謝する他は無い。 次の機会をまたよろしくお願いしたい。





2021-12-19 (Sun)

2021/12/19 第368回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1)

2021/12/19 第368回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その1)

岐阜の酒の中島屋さん主催の酒の会に参加した。通算第368回の長い歴史を持つ宴だが、コロナの自粛の影響で中止を余儀なくされていた。漸く前回から再開されたばかりだ。コロナが少し落ち着き、年末最後の忘年会が開催されることになったので、申し込みを済ませた。その日が来たので、喜び勇んで岐阜市に向かった。岐阜駅では毎回信長公にご拝謁することが習わしになっている。駅を出ると、駅前広場ではイベントが開催されていた。...

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岐阜の酒の中島屋さん主催の酒の会に参加した。
通算第368回の長い歴史を持つ宴だが、コロナの自粛の影響で中止を余儀なくされていた。漸く前回から再開されたばかりだ。

コロナが少し落ち着き、年末最後の忘年会が開催されることになったので、申し込みを済ませた。

その日が来たので、喜び勇んで岐阜市に向かった。
岐阜駅では毎回信長公にご拝謁することが習わしになっている。

駅を出ると、駅前広場ではイベントが開催されていた。

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足下まで、近づきお目通りは今日は難しいので、遠くからお目通りさせていただくことにした。

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寒い日だが、信長公は今日も光り輝いておられる。


例年12月の例会は、日曜日の昼に開催されるのでありがたい。
 今日の会場は、久し振りに楮本店となった。

金公園の前の楮本店は、歩いても10分ほどのところだ。
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店の前には、本日貸し切りと表示されている。
楮本店は日曜日休業なので、今日は特別に営業をしていただいたはずだ。中島屋さんとの特別な関係があってのことだろう、ありがたいことだ。

店の前に立つと、中から話し声が聞こえる。
もう参加者は集まっているようだ。


中に入り、会費を支払い、受付を済ませ、席につく。
楮本店は久し振りなので、その間に店内が改装され広く見通しの良い空間が広がっていた。

座ってから、受け取った今日の「利き酒メモ」を見る。
どんな酒と出会えるか期待の一瞬だ。

「利き酒メモ」には、今日の出品酒の一覧と利き酒の心得が書かれ、今日の宴の趣向が書かれている。

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今日の出品酒は、20酒がリストアップされている。
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酒は多い。

乾杯から始まり、しぼりたて、今日の参加蔵である恵那山、個性派純米酒、贅沢な吟醸酒、歳月を得た熟成酒と順を追って利き比べるシナリオになっている。

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定刻の12:00になり、主催者の中島屋西川店主の開会の宣言があった。
 時間は15時までの3時間、お酒は20酒、一人あたり6合の量があるので、急がず、ゆっくりと、銘酒と料理を楽しむようにアドバイスが有り、宴が始まった。

この宴は、お酒を利き比べするのだが、良いところを見つける利き比べで、評点をつけることはしない。
 お酒を楽しむことが目的になっている。

(以下、利き酒の印象を書くが、筆者の個人的な嗜好によるもので、客観性はない。
 また、カメラを新しくしたためまだ慣れていないので、手ブレを引き起こしている点ご了解お願いしたい。)


《 今日のお酒 》

<乾杯>

最初のコーナーは、先ずは乾杯のコーナー。

今年も健康で日本酒を楽しめることに感謝、来年はコロナが収まり、心置きなくお酒が楽しめる年になることを念じて、参加者全員で乾杯!!
お酒は玉川。

(1)
 玉川 てつけず 純米 日本晴 木下酒造 (京都)
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 冷: 甘い立香、甘い入り口。滑らかな舌触り。

甘、酸、辛、苦、渋の味がぎっしり詰まっている。
味の濃い酒。

ぬる燗:立香が出て立つ、麹の香りを感じる。
味わいは濃いのは変わらない。

木下酒造の酒は、新酒でも味は濃く、旨味いっぱい。 玉川らしい新酒だ。


<新酒しぼりたて>飲み比べ
搾りたてのピチピチした新酒を5酒楽しむコーナー。

(2)
 白岳仙 搾立 純米 しぼりたて生原酒 安本酒造 (福井)
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立香はあまり感じなかったが、周囲ではカビ臭い・埃り臭いなどの評価があった。


甘い入り口、とろりとした舌触り、味が濃い。真ん中に辛味があり、しっかりとした味わい。含み香は麹香のようなもの。

個人的には、白岳仙は吟醸酒を得意とするお酒の印象だったが、ここ数年味わいを多様化させているようで、白岳仙をよく知っている人には、気になる変化であるかもしれない。


(3)
 清泉 純米吟醸 しぼりたて生酒 久須美酒造 (新潟)
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 立香は、ほのか。甘い香り。吟醸香も感じる。

酸が軽く広がる。前の2酒の味が濃いので、この酒は軽く感じるが、広がり、大きさがあり含み香も穏やか、吟醸らしい世界を感じる。


(4)
 東一 純米 山田錦 うすにごり生酒 五町田酒造 (佐賀)
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にごり酒。立香は甘く穏やかで快い。辛味が真ん中にあり味が濃い。麹の味わいも感じる。味わいに癖がなく、広がりがあり、快い世界である。

この酒は良い酒だ。

お燗はふくらみが大きくなる。


(5)
 松の司 純米吟醸 あらばしり 松瀬酒造 (滋賀)
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 立香はあまり感じない。甘い入り口。辛味があり、やや含み香に癖を感じる。広がりは無く、味が中に集まる印象。 味わいに松の司の個性があり、人を選ぶ味わいと思う。


松の司ファンには納得の世界だ。


(6)
 菊姫 山廃純米 無濾過生原酒 菊姫合資 (石川) 
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立香は甘い。甘い入り口。滑らかな舌触り。酸と辛味がしっかりと味を作っている強い世界。確りと濃い味を主張している。中盤以降、後半の切れは良い。

菊姫は、農口杜氏が卒業されてから、少し精彩を失っていたような印象を感じていたが、今日の酒は良かった。確かな味の旨い酒だ。


<恵那山のお酒>利き比べ
 今日の参加蔵はざま酒造の吟醸酒4酒の利き比べ。
 蔵から参加された蔵人・営業担当のI氏の挨拶と恵那山の説明があった。

(7)
 恵那山 チアーズ純米大吟醸 山田錦 新酒生 はざま酒造 (岐阜)
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 甘い立香、吟醸香を感じる。 甘い入り口。含み香は吟醸香で、程が良い香りである。 酸はとろりとしているが、広がりはなくややどんよりとしている印象だが、中盤以降は苦にはならない。

 味のバランスは良く、山田錦らしい品の良さがある吟醸酒らしい世界。


(8)
 恵那山 チアーズ純米大吟醸 長野美山錦 はざま酒造 (岐阜)
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甘い入り口。酸は中程度、広がらない。含み香は吟醸香。中盤、苦味・渋味と辛味の押しがあり主張を持っている。

 (7)の山田錦に比べると、味わいにやや癖を感じる。


(9)
 恵那山 チアーズ純米大吟醸 ひだほまれ はざま酒造 (岐阜) 
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甘い入り口。酸はあるが広がり・大きさはあまり大きくはない。含み香は吟醸香。
 味わいがやや中に集まる感じ。含み香の吟醸香が長く続き、少し気になる。


米違いの純米大吟醸3酒を飲み比べたが、ふくらみ、味の品の良さで、やはり山田錦が一番良かった。
これは、個人的に山田錦が好きだからとも言える。

3酒とも1800mlの価格は、3000円だそうだ。
価格を聞いて、驚かされた。
 山田錦の純米大吟醸が3000円で飲むことができる。

この価格設定の背景は、以下の通りだそうだ。
『◆蔵元より
 新しい生活様式の中で徐々に人の動きが出てきておりますが、感染状況は日々変化し、それに合わせるかのように消費行動も変化し、大変厳しい状況が続いています。

Cheers
(チアーズ)という言葉には乾杯という意味に加えて応援するという意味もあると言われています。コロナ禍の中で日本でも先の見えないこんな時だからこそ、普段から恵那山をお飲み頂いている皆様、お世話になっている酒販店様、飲食店様を応援したい。

そして何より日本酒をお飲みいただくことで、恵那山に関わる皆様に笑顔になっていただきたい。そんな想いを込めた特別限定酒です。

◎試飲しました(2021.11.11
恵那山の新酒です!やや艶のある色合い。洋ナシや白桃の香り。含むとフレッシュで甘ジューシーですが、透明感のある甘味が爽やかに広がる。口当たりが優しくて心地良く、喉ごしもスムーズ。後口もキレイで上品な酸で引き締まります。

このスペックでこの味わいならとてもお買い得だと思います。コスパも高い美味しい純米大吟醸です。』
(酒のあべたや
https://www.abetaya.com/phone/product/1584
より転載)


(10)
 恵那山 純米吟醸 山田錦 火入れ はざま酒造 (岐阜)
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立香は甘いもので、程良いもの。 甘くふくらみのある酸、広がりも感じられる。吟醸香の含み香も程良い。広がりがあり、大きさ・おおらかさがあって、穏やかで良い世界を持っている。


個人的には、大吟醸酒3酒よりこの純米吟醸の方が、好みだった。
 (7)の山田錦の純米大吟醸も良かったが、この純米大吟醸の方が穏やかで落ち着いた吟醸酒の世界を楽しめるように感じた。
 この純米吟醸は定番酒で、はざま酒造の看板商品らしい。確かに吟醸酒らしい良い世界を持っている。
 価格は、1800ml3300円、純米大吟醸より高いが、それは純米大吟醸が特別限定酒の位置づけで、価格も特別なのだろう。


<個性派純米 飲み比べ>

(11)
 九頭龍 純米 燗たのし 黒龍酒造 (福井)
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冷:立川感じない甘い入り口からみの芯があり硬い印象がある中盤から水戸天海の芯が感じられる全体の印象として固い感じ。


お燗: 立香はアルコール臭。甘さの後ビリリとする辛味が舌を刺す感じ。広がりふくらみはなく、味わいがやや狭い印象。


(12)
 ゆきの美人 純米吟醸 山田錦 超辛口 秋田醸造 (秋田)
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甘い立香。すっきりとした入り口。甘さの後、酸があるが、やや重い感じ。

 中盤、苦味・渋味は浮かない、辛味中心の押しがある。後口も辛味系。

周辺でもゆきの美人にしては、この酒はと言う声があった。個人的にも吟醸酒らしい世界を持ったゆきの美人にしては味が硬い印象だった。
 日本酒度+14の超辛なので、(11)と同様、燗向きなのかも知れない。
 燗した酒はあったのかも知れないが、回ってこなかったのか、利いていない。


(13)
 夜明け前 純米吟醸 金紋錦 小野酒造店 (長野)
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冷: 甘い入り口。酸はなめらか。含み香は吟醸香が程よい。味のバランス良い。吟醸酒として評価は高いと言える。


お燗: 立香は吟醸香。甘い入り口。スピード感のある酸。含み香も吟醸香。冷やに比べて力強さが出て、スピード感がある。面白い変化で初めての経験だ。

この酒は、個人的には良かった。
冷では、吟醸酒らしい香りと味わいのバランスが良く、安心して飲める吟醸酒。

燗にすると、酸のスピード感が出て、力強さも増して、パンチも感じる。

冷でも燗でも楽しめる二刀流だ。




2021-12-19 (Sun)

2021/12/19 第368回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その2)

2021/12/19 第368回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その2)

<今日の贅沢・吟醸・大吟醸 飲み比べ>吟醸酒5酒の飲み比べ。清泉は看板商品の亀の翁 純米大吟醸の新酒と1年熟成酒の飲み比べ。〆張鶴も次のコーナーに出品される熟成酒との飲み比べが楽しめる趣向になっている。(14) 立山 吟醸酒 立山酒造 (富山) 立香は甘い、その後ほのかな吟醸香。甘い入り口。酸は中程度。含み香も吟醸香。中盤、辛味みがある。含み香が長く持続するのが少し気になる。(15) 〆張鶴 吟撰 吟醸酒 製...

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<今日の贅沢・吟醸・大吟醸 飲み比べ>
吟醸酒5酒の飲み比べ。
清泉は看板商品の亀の翁 純米大吟醸の新酒と1年熟成酒の飲み比べ。
〆張鶴も次のコーナーに出品される熟成酒との飲み比べが楽しめる趣向になっている。

(14)
 立山 吟醸酒 立山酒造 (富山) 
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立香は甘い、その後ほのかな吟醸香。
甘い入り口。酸は中程度。含み香も吟醸香。
中盤、辛味みがある。含み香が長く持続するのが少し気になる。



(15)
 〆張鶴 吟撰 吟醸酒 製造:2021-11 宮尾酒造 (新潟)
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立香は上品な吟醸香が快い。甘い入り口。酸はすっきりとしてスピード感がある。中盤以降辛味が味を締める。含み香も吟醸香。

 吟醸酒らしい世界を持っている。吟醸酒として安定感のある味わいを感じる。

宮尾酒造の通年定番商品。
安定感・安心感のある吟醸酒で、これを選んでおけば吟醸酒の世界を楽しむことができる。吟醸酒を知りたい人に勧められる酒だと思う。



(16)
 瀧自慢 純米大吟醸 亀の尾 滝自慢酒造 (三重)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸は豊かに広がる、大きな世界を持っている。

含み香は吟醸香が穏やかな印象。
癖がない吟醸酒の世界を持っている。

裏ラベルの記載に下記の通り記載がある。
「様々な品種改良の祖となった、ブランド米のルーツ、亀の尾。南部杜氏の里として知られる地〈岩手県石鳥谷町)で、こだわりの酒米を育てる蔵人農家の高橋亮介氏より仕入れました。

盃へ注いだ瞬間はさらりとした風味も、次第にしっかりと膨らみのある味わいに。冷から常温にかけて僅かな温度変化による味の違いが楽しめます。亀の尾が食用としても愛されてきたポテンシャルを感じる、どんな食事にも合わせやすい究極の食中酒です。」

「究極の食中酒」をコンセプトにしている。
純米大吟醸を食中酒にするのは贅沢だが、確かにこの酒は、吟醸香の立香は抑えられており、含み香も適度な丈と長さで出しゃばらず、相手を引き立てる懐の深さ・余裕を感じさせる。
 おおらかさを感じさせるふくらみがあり、安心感がある。
お正月のおせち料理で穏やかに宴と言う場面には適役の純米大吟醸だと思う。



(17)
 清泉 亀の翁 純米大吟醸 製造:2019-02 久須美酒造 (新潟)
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立香は吟醸香が立つ。甘い入り口。酸は透明感があり、見通しが良い。含み香も吟醸香が程よい。

 安定した吟醸酒の世界を感じる、安心して飲むことができる。



(18)
 清泉 亀の翁 純米大吟醸 製造:2018-02 久須美酒造 (新潟) 
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立香あまり感じない。甘い入り口。酸の膨らみがあり、大きく広がる。含み香はほのかな吟醸香だが、何か香ばしさも感じる。
 尖った味わいが無く、丸く穏やかで世界は大きい、1年の熟成の差は大きい。


<清泉 亀の翁 純米大吟醸の飲み比べ>
「清泉 亀の翁 純米大吟醸」は久須美酒造の銘柄の中でも高い格付けで、1800ml8000円の価格。
蔵で18ヶ月熟成してから出荷している

(18)
(17)は製造年月が20182月と20192月と1年違う。
たかが1年だが、その味わいはかなり違う。
どちらが好きかと言われれば、どちらも好きだが、あえて言えば20182月製造の(18)が個人的には好みだ。

同じ造りの酒なのだが、味わいからすると、それぞれ他の蔵の吟醸酒に通じる世界を感じる。

吟醸酒らしい香りと透明感・スピード感・切れといった味わいでは、2019年製造の(17)(15)の〆張鶴 吟撰に近い味わいだと感じた。

吟醸酒らしい品位を保ちながら、控え目で、相手を受け入れる大きさ・度量といった味わいでは、2018年製造の(18)は、(16)の瀧自慢の大きさに通じている。
 瀧自慢が「究極の食中酒」なら(18)の清泉亀の翁は「至高の食中酒」と言って良いだろう。

お金を惜しみ無く使える人は、2022年の年酒には(18)の「清泉 亀の翁 純米大吟醸 製造:2018-02」をお勧めしたい。



(19)
 〆張鶴 吟撰 吟醸酒 製造:2020-11 宮尾酒造 (新潟)
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立香はあまり感じない。入り口は甘い、酸は広がらない。中盤、軽い渋味を感じる。

(15)
の〆張鶴の方が良い印象。

(15)
(19)は製造が1年違うお酒で、縦の飲み比べになる。
この比較では、新酒の(15)の方が吟醸酒らしい香り・透明感が高く、(19)の方は香り・広がりの面で物足りない印象を受けた。
 〆張鶴は清泉とは違い、熟成を想定した造りは行っていないのかも知れない。



(20)
 玉川 タイムマシン 山廃純米無濾過生原酒2019BY 木下酒造 (京都)
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立香はエチル系の香り、香ばしさも感じる。

甘い入り口。とろりとした舌触り。
中盤、辛味もあるが、旨味が凝縮している感じ。
周囲では味醂という声が高かった。
ぎっしりと味が詰まった世界で、木下酒造の個性が爆発している。

今日の宴には関係ないが、このタイムマシーンのビンテージの話。

先日、中島屋さんのお店にお酒を求めてお邪魔した時、冷蔵庫や商品棚を眺めていた。目的は買うことだが、見る楽しみはべつの楽しみだ。

商品棚を見ていると、入口に近い常温の棚の中に金色に輝いて、一際自己主張している瓶が目についた。細身の姿だが主張は際立っている。
何だろうと近づいて、ラベルを見ると、

「玉川 Time Machine Vintage 2014BY」と書かれている。

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購入する酒は、もう決まった後だったが、これは手に入れなければと思い、瓶を手に持って、これもお願いしますと勘定場に持っていくと、
西川店主は、我が意を得たりとばかり、“それは、面白い”とおっしゃった。
製造は2019年だが、造りは2014BY
まだ栓を開けていないので、印象は書けないが、2019BYが爆発しているのだから、推して知るべし。
(その時、棚には3本在庫があったが、今、在るのかは、要照会。)

木下酒造は、熟成をコンセプトにお酒を造っている。
イギリス人の杜氏さんは、日本酒を本来の熟成酒の王道に戻す挑戦を行っている日本人以上の日本人と言えるだろう。


2021-12-19 (Sun)

2021/12/19 第368回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その3)

2021/12/19 第368回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い (その3)

<今日の料理>・茶碗蒸しとろりとした舌触り。滑らかな食感。出汁の旨みを感じる。具を噛むと旨味が広がる。長芋がホクホクの食感。・お椀エビのしんじょう。さっぱりとした味わい。たっぷりとした銀杏の旨味と癖が、しんじょうの味を締めている。 エビは臭みがなく、上品な味わい。全体として、さっぱりとして美味しい。・焼き物取り弦付きの大皿が楽しい。各人に一皿ずつ運ばれてきた。 さつまいもの焼き芋  表面はカリ...

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<今日の料理>

・茶碗蒸し

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とろりとした舌触り。滑らかな食感。出汁の旨みを感じる。具を噛むと旨味が広がる。長芋がホクホクの食感。


・お椀
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エビのしんじょう。

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さっぱりとした味わい。たっぷりとした銀杏の旨味と癖が、しんじょうの味を締めている。
 エビは臭みがなく、上品な味わい。全体として、さっぱりとして美味しい。


・焼き物
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取り弦付きの大皿が楽しい。

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各人に一皿ずつ運ばれてきた。

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 さつまいもの焼き芋  表面はカリッとした食感で焼かれており、中は甘くとろりとした食感になっている。旨味のある甘さで、バターが入っているのかどうか。美味しい焼き芋だ。

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カマスの焼き物 サクッとした食感で、上品な旨味、香ばしく焼かれており魚の臭みは全くない。


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菊芋の唐揚げ カリカリとして香ばしい。塩の薄い味付けがされている。

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里芋の唐揚げ ほっくりとした食感で、なめらかな舌触り
海老の頭の唐揚げ 髭足の部分はパリパリとした食感。胴体の部分は旨味が濃く、噛むほどに旨味が広がる。パリパリの食感の気持ち良さと旨味の取り合わせが面白い。


・林檎の白あえ
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白いクリームのようなソースがかかっている。
りんごのシャキシャキとした食感と甘さが感じられる。

・あん肝と大根炊きの合わせ
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あん肝は、甘さと醤油の香ばしさが合わさった香りが立つ。 とろりとした舌触り、滑らかな舌触り。上品な旨味が広がり、ふわりとした食感と旨味みが余韻として残る。

大根は炊き込まれており、とろりとした食感、出汁の旨味みがふんわりと広がり、美味しい。


・鰆の焼き物と蕪の合わせ
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鰆は、確りとした食感、噛んでいると旨味が次第に広がってくる。

蕪はトロトロの食感、甘い。口の中で溶けていく感じ。


・炊き込みご飯となめこの吸い物
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炊き込みご飯は、具材は鶏肉とネギ。香ばしい香りがするのは釜炊きだからか。
味は薄味でさっぱりとした炊き込みご飯になっている。

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なめこが大きい、まったけのように見える。
噛むとシコシコとした食感、薄味の上品な薄味の仕立てになっている。 


・ミルクプリン マンゴーソース添え
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とろりとした舌触り、甘さとミルクの香りと味。
マンゴーの爽やかさ。
甘さ、ミルクの風味と余韻が快い。


<恒例籤引き大会>
宴も終わりに近づき、12月の宴の趣向である籤引き大会の時間になった。
 毎年、常連である陶芸家のM氏が準備された酒器が籤引きで当たる、嬉しい催しだ。
M
氏のご厚意に感謝したい。
酒器は、盃、お猪口など、陶器、磁器など色々で、開けてみるまでわからない。

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今年は、Merry Christmasの箱に入った織部のぐい呑があたった。

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M氏の話では、友人の陶芸家の作品で、良いものだそうだ。
 この酒器なら木下酒造の旨酒も美味しく飲めるはずだ。



15
時を過ぎ、楽しみに満ちた宴も終わりの時を迎えた。
 コロナのために、お酒を皆で集まって楽しむ宴は、開きにくい2021年だった。
12
月にコロナの感染者数が減少し、この宴が開催され、参加することが出来たのは、本当に良かった。

机を同じにした酒友A氏もお酒に関する有名youtuberTご夫妻も、お酒、呑処の情報・知識は人に抜きん出て、無尽蔵であり、楽しいお話を伺うことが出来た。これもこの宴の歓びだった。
感謝である。


岐阜駅までの道を、ふらりふらりとほろ酔い(?)で歩くのは、最高の気分であった。




2021-10-23 (Sat)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その1)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その1)

緊急事態宣言のお酒を伴う飲食の制限が解除された。活動を停止していた日本酒の会sake nagoyaの活動が再開された。会場を旬菜処かのうにする活動は、1年ぶりになる。 利き酒を行う大規模な定例会ではなく、人数を絞った特別企画の宴なのだが、案内をいただき早速申し込んだ。待ちかねた当日の今日、お天気も秋晴れに恵まれた。いつもの通り、地下鉄の丸の内駅を出て、県立図書館の交差点を渡り、堀の中の道を歩き官庁街へ入る。 ...

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緊急事態宣言のお酒を伴う飲食の制限が解除された。
活動を停止していた日本酒の会sake nagoyaの活動が再開された。会場を旬菜処かのうにする活動は、1年ぶりになる。
 利き酒を行う大規模な定例会ではなく、人数を絞った特別企画の宴なのだが、案内をいただき早速申し込んだ。

待ちかねた当日の今日、お天気も秋晴れに恵まれた。
いつもの通り、地下鉄の丸の内駅を出て、県立図書館の交差点を渡り、堀の中の道を歩き官庁街へ入る。
 裁判所の建物は変わること無く立っている、コロナ騒ぎとは関係がない様に見える。
 護国神社の裏に入る道を曲がれば、会場の旬菜処かのうだ。店内の明かりが灯っているのが見える。
 入り口の階段前に立つと、漸くその日が来たかと感慨深い。

中に入ると、定刻までかなり時間があるが幹事さん二人の顔があった。準備のお手伝いをしようと思ったのだが、もう全て準備は終わっていた。

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会場の設定が、コロナ前とは違っている。
感染対策のため席数が減らされ、対面にはアクリル板が設置されている。
 入り口近くの棚には見慣れないデジタル表示のLED機器が動いている。何かわからなかったが、訊くとCO2の濃度計だそうだ、これで室内の換気状況は刻々と確認できる。
 確かに、飲食店のコロナ対策は実践されている、時間・酒飲制限に加えて、こうした感染対策も行わなければならないお店の負担は大変なものだ。

定刻の14時になり、主催者の開会の挨拶が始まった。
参加者は23名、感染対策で人数は絞られている。
注意事項で、酒を飲む・料理を食べる時以外はマスクをするように説明があった。


今日の特別企画のテーマは、「気になるお酒」。
入手困難な酒も含まれ、気になる銘酒が登場するとの前触れだ、どんな酒が登場するのか、期待の瞬間。

今日は定例会ではなく、利き酒は行わないので、お酒の瓶は隠されていない。ラベルを見ながら、お酒を楽しむ宴だ。
 出品酒は一升瓶ではなく4合瓶12酒だった。

各テーブルに2,3本づつ置き、飲み終わったら、次のテーブルに回す方式で、順番に銘酒を楽しむ手順になっている。


<今日の出品酒>

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宴が終わり、勢揃いした12本の出品酒。

今日は定例会ではなく、利き酒・評価シートの作成を行わない。飲んで愉しめば良いのだが、習慣で個人的な印象を記録することにした。

以下は、個人の嗜好によるお酒の印象で、会の活動とは関係がないことをお断りした上で書くことにした。
(記事の順番は写真の並びとは異なっている、記事は写真右から左への順に近いが、一致していない。)

1
田酒 貴醸酒 製造:2021/01 西田酒造 (青森)
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立香はあまり感じない。甘い入り口、とろりとした舌触り、フルーティな酸が来る、辛味はあるが表面には浮かず、酸に包まれているので適度な押しを感じさせる。含み香があるが吟醸香のようなものではない、嫌味はないので気にはならない。中盤以降の切れは良い。評価7.0



2
新政 陽乃鳥 貴醸酒 製造:2020/03 新政酒造 (秋田)
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立香は甘い香り、吟醸香ではなく、仄かな柔らかい甘さを感じる。甘く、フルーティな入り口。滑らかな舌触り、酸と辛味が来て、中盤に向けパンチを感じさせる。中盤、辛味と苦味が絡んだ味わいがあり力強さを感じる。後半、辛味が引く。含み香は甘さとエチル系の香りの混合。評価8.0



3
十四代 龍の落とし子 大極上生 製造:2020/12/04 高木酒造 (山形)
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立香はあまり感じない、仄かな甘い香りが漂う感じ。甘い入り口、酸はスッキリとしていて、膨らみは大きくない。中盤の辛味も強くない。中盤以降の切れは良い、しかし何か物足りなさを感じさせる終盤。評価8.0



4
寫樂 純米大吟醸 しずく取り 製造:2017/11 宮泉銘醸 (福島)
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立香は仄かな甘い香り。スッキリとした入り口。酸は軽いもので、膨らみとか押しは感じない。中盤以降、味が切れる。全体として膨らみのない世界で物足りない。評価7.0



5
喜久酔 純米大吟醸 松下米40 製造:2020/11 青島酒造 (静岡)
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甘い入り口。含み香も甘く、吟醸香らしきものを感じる。酸はスッキリとしたもので軽い感じ。辛味の押しはなく甘味系の中盤だが、底の方に辛味が隠れている。後半の切れは良い。含み香を感じないのがこの酒の特徴でもある。評価7.0



6
黒龍 感謝ボトル 純米大吟醸 製造:2021 5下 黒龍酒造 (福井)
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立香は仄かに甘いもの。酸は膨らまない、辛味の押しもなく、苦味・渋味も感じない、良く言えば軽やかな世界。中盤以降の味わいも早目に終わるので、ややショビついた印象を与える。評価7.0



7
ほしいずみ 純米大吟醸 斗瓶囲 製造:2021/08 丸一酒造 (愛知)
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立香は吟醸香。甘い入り口、酸の膨らみがありフルーティーさを感じさせ、生き生きとした活気を感じる、楽しめる世界を持っている。含み香も吟香。中盤、苦味・渋みも浮かない。中盤以降の切れも良い。残香に吟醸香の余韻を感じさせる。評価9.0



8
真澄 純米大吟醸 山花 製造:2021/01 宮坂醸造 (長野)
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立香はあまり感じない、仄かなもの。甘い滑らかな入り口。酸は軽く、膨らまない辛味の押しも感じない。中盤、軽い渋味の締めがある。中盤の膨らみ味わいが少ないので、飲み終わりが物足りなさを感じる。評価7.0



9
雪中梅 特別純米 生原酒 製造:2020/12/22 丸山酒造場 (新潟
)
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立香はあるが吟醸香ではない、個性的なもの、お酒の香りではなく、思い出せないが食料品、お菓子なのかも知れない。甘い入り口。酸がふわっと広がり大きな世界があり、引き込まれる感じ。含み香を感じて、鼻をくすぐるものがあり、くしゃみが出そうになった、時節柄くしゃみは禁止なのでなんとか抑え込んだ。舌触りは滑らか。中盤以降、辛味が適度にスッキリとさせる。飲み終わりも辛味が残り、ピンとした尻尾の跳ねがある。評価8.0





2021-10-23 (Sat)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その2)

2021/10/23 日本酒の会 sake nagoya特別企画 @旬菜処かのう (その2)

10 一白水成 純米吟醸 製造:2020/11 福禄寿酒造 (秋田) 立香はあまり感じない。甘い入り口。酸はあるが早目に、辛味と渋味が一緒に来て、味わいが膨らまない。中盤以降の切れがやや悪い印象。評価7.0。11 AKABU 極上ノ斬(きれ)純米大吟醸生酒 製造:2020/11 赤武酒造 (岩手) 立香は甘いもの、吟醸香。甘い入り口、口に含むとフルーティーな含み香が広がる、入り口の感じが良い印象。酸は滑らかなもの、苦味・渋味は浮...

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10
一白水成 純米吟醸 製造:2020/11 福禄寿酒造 (秋田)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸はあるが早目に、辛味と渋味が一緒に来て、味わいが膨らまない。中盤以降の切れがやや悪い印象。評価7.0



11 AKABU
 極上ノ斬(きれ)純米大吟醸生酒 製造:2020/11 赤武酒造 (岩手)
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立香は甘いもの、吟醸香。甘い入り口、口に含むとフルーティーな含み香が広がる、入り口の感じが良い印象。酸は滑らかなもの、苦味・渋味は浮かない。吟醸酒らしい世界。中盤以降の切れ良い。残り香も吟香。評価8.09.0




12
田酒 純米大吟醸 秋田酒こまち 西田酒造 (青森)
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(最後で気が緩んだのか、個別写真を撮り忘れてしまった。
ネット上から写真を拝借した。)

 
立香は甘い、程良い吟醸香。甘い入り口、とろりとした舌触り。酸は膨らみがあり、辛味・苦味は浮かず、押しは軽く程良い。中盤以降の切れは良い。後口も癖はない。癖が無く、飲みやすい純米大吟醸で、万人向けの安定感を感じる。評価8.0


<お酒の感想>
利き酒の印象に書いていないことを補記する。

(1)
最初に我がテーブルに来たお酒が貴醸酒2酒だった。
 これが、その後の利き酒に影響したかも知れない。
貴醸酒は甘味とフルーティーな酸とが活発で味が濃く、舌の感覚を味の濃い方に、準を1枚上げたような気がする。
スッキリとした味わいの上品な酒の印象に影響したかも知れない。具体的には十四代・黒龍が物足りなく感じた印象を持たせたかもしれない。

(2)
十四代と言う酒
入手困難な日本酒の代表である十四代。
定価はあって無いようなもので、今日出品された「龍の落とし子 大極上生」は、4合瓶でプレミアム価格は37000円前後で売られている。
 個人的には入手不可能であるし、入手する気持ちもないが、この特別企画では飲むことができるのでありがたい。
 お酒のような嗜好品は、人の好み、金力によるので一概には言えないが、個人的には、この酒を買うより、4000円の4合瓶10本を買いたいと思う。


(3)
気になった酒
 良い方で気になったのは3

・ほしいずみ
気品のある大吟醸酒ではなく、生き生きとして若々しい活気を感じさせる大吟醸酒だ。
この様な純米大吟醸があっても良いと思うし、愛知県の酒蔵であることも嬉しい。

AKABU 極上ノ斬(きれ)
今日会場で人気があった酒。 
一通り飲み終わったあと探している人がいた。
確かに、吟醸酒らしい香りと味わいを持った酒だ。
価格も720ml5500円と相応の価格になっている。

・雪中梅 特別純米
久しぶりに飲んだ雪中梅。
含み香に個性があるが大きく広がる世界にはおおらかな歓びを感じる。
特別純米だが米を磨きすぎない主張を感じる、特別純米で充分だと思わせる。
 純米吟醸 美守は飲んだことがあるが、それほどでもない印象があった、大吟醸はまだ飲んだ記憶がないが、特別純米と利き比べてみたいものだ。


・らしくなかった酒では寫樂。
香り、味わいとも元気がない。寫樂は熟成には向かない酒のようだ。




<今日の料理>
日本酒の会sake nagoyaの楽しみは勿論銘酒だが、会場の旬菜処かのうさんの料理も楽しみだ。
丁寧に作られた肴は、お酒と相俟って宴の歓びを提供していただける。

・きんぴら牛蒡
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牛蒡、人参、煎り胡麻。
牛蒡の香りとシャキシャキの食感が快い。
噛むと、甘さと旨味。胡麻の香りが漂う。


・だし巻き卵
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だし巻き卵だが、薄味の少し甘いだし巻き卵とは一味違う。
コクのある旨味を感じさせるだし巻き卵。
説明を受けなければ判らないが、出汁の中にコノワタとイカ墨が入っているそうだ。
これは癖になるだし巻き卵。


・秋刀魚の姿焼き すだち添
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秋刀魚は今年も、極端な不漁から始まった。その後、漁獲が回復したとニュースが流れた記憶があるが、最近はまた不漁だと言っている。
 家ではまだ食べたことがないので、初物で嬉しい。

箸先を横に入れ、上下に身を分けて、上の方を大きく取って、口の中に入れる。
 ふんわりとした食感、新物の秋刀魚の世界が感じられる。
腹の中も脂が乗って、苦味がなく美味しい。
 すだちをたっぷりとワタに掛け、口に入れる、ふんわりとした旨味とかすかな苦味が良い感じ、ワタの旨さを実感できる。
 ワタの旨味が楽しめるのは新物の秋刀魚の特徴だ。

・釜揚げしらすとおろし大根
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大根おろしの甘味に釜揚げしらすの塩味がバランスして、快い。
 噛んでいるとしらすの旨味が口の中に次第に広がる、大根おろしが、それを演出する仕組みになっている。



・茸づくしの揚げ出し豆腐 (茸は舞茸・しめじ・なめ茸)
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茸の旨味と豆腐のあっさりとした味の取り合わせ。
舞茸のシャキシャキした食感、三葉の香りと出汁の旨味。
山葵の香りが最後にピリリと決まる。



11
月からは愈々、定例会が始まる。
もう満席で、受付開始2分で満席になったそうだ。
皆、再開を待ち望んでいたからだ。
席が絞られていることもあるだろうが、増々参加が難しくなっているのは辛いが今暫くの辛抱だ。

感染対策は確りとした上で宴の場を楽しみたい。




2021-07-17 (Sat)

2021/07/17 新潟大学日本酒学センターの開所

2021/07/17 新潟大学日本酒学センターの開所

日本酒処新潟県に、新潟大学日本酒学センターが開所したそうだ。 詳しいことは、記事だけでは不明だが、日本酒の香り・味わいの研究設備もあるそうなので、外部に研究成果を公表していただけるとありがたい。 出来れば、研究セミナーとか見学、利き酒とか一般の人も楽しめる活動も用意して欲しい。 『日本酒を科学的に分析 新潟大学日本酒学センター 研究設備本格稼働 2021/07/5(月) 12:04配信 『「日本酒学」...

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日本酒処新潟県に、新潟大学日本酒学センターが開所したそうだ。

詳しいことは、記事だけでは不明だが、日本酒の香り・味わいの研究設備もあるそうなので、外部に研究成果を公表していただけるとありがたい。

出来れば、研究セミナーとか見学、利き酒とか一般の人も楽しめる活動も用意して欲しい。



『日本酒を科学的に分析 新潟大学日本酒学センター 研究設備本格稼働
2021/07/5() 12:04配信

『「日本酒学」の講義を行っている新潟大学にその研究の拠点となる「新潟大学日本酒学センター」が開所されました。
 
7月2日、新潟大学五十嵐キャンパスに開所した新潟大学日本酒学センター。
 
大学では日本酒の製造や流通などについて幅広く学べる「日本酒学」の講義を2018年から行っています。
 
日本酒学センターはその研究拠点として設けられたもので、中にはきき酒実習室や試験醸造室のほか、日本酒の味や匂いを分析する機械など50種類以上の専門の機械が設置され、日本酒を科学的に研究することが出来ます。

【新潟大学日本酒学センター 鈴木一史センター長】
 
「(施設を通して)いままでわかっていなかったような日本酒の機能性ですとか、そういったものがわかってくるようになるのではないか」 大学では今後、酒蔵に出向くなど本格的な講座も行われるということです。

(テレビ新潟)


NIIGATA×Sakeology 日本酒学で、未来を描こう!」

https://youtu.be/qiburzTK-1s




2020-12-20 (Sun)

2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その1)

酒の中島屋さん主催の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」に参加した。久し振りに参加できて、本当に楽しかった。新型コロナの為に、今年のはじめから飲み歩きはできなくなった。 コロナ感染が社会問題になってからは、岐阜で20時からの酒の会に出る事は難しくなった。12月の今回は、2020年の締めくくり、忘年会の位置づけで、日曜日のお昼12時スタートで開催される。 会場の「minoてつめい」は貸し切りのため他の客の参加は...

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酒の中島屋さん主催の「季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い」に参加した。

久し振りに参加できて、本当に楽しかった。

新型コロナの為に、今年のはじめから飲み歩きはできなくなった。
 コロナ感染が社会問題になってからは、岐阜で20時からの酒の会に出る事は難しくなった。

12
月の今回は、2020年の締めくくり、忘年会の位置づけで、日曜日のお昼12時スタートで開催される。
 会場の「minoてつめい」は貸し切りのため他の客の参加はなく、常連さんばかりなので、コロナの感染リスクは0と言って良い。
 そこで、勇躍参加することにした。


岐阜駅で降りると、いつもの通り駅前の信長公にご拝謁しなければならない。

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今日は、天気がよく青空なので、信長公は黄金に輝くお姿だろうと思いながら、駅を出ると、その通りだった。

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信長公がマスクを着用されたことは以前に聞いたが、第3波の今も、率先垂範、着用の上、感染防止を呼びかけられておられた。

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もう5年も時が経てば、この様なお姿を見ることはなく、お写真を拝見し、笑って話せることになるだろう。


会場の「MINOてつめい」は、人気店楮グループの店で岐阜市の金神社近くにある。
岐阜駅から歩いていくことが出来る距離にある。

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店内に入ると、もう先客が着席していた。
出席者は、例年12月は定員満席の20名を超えるが、今年は官公庁関係者や自粛者があり、常連の方も無念の欠席があり、14名程で宴は始まった。

会費を支払い、受付を済ませると、今日の出品酒が記載された「利き酒メモ」が貰える。
 銘柄数が2,3銘柄であれば、記憶でも対応が可能だが、この会は銘柄数が20近くになるので、この資料はありがたい。
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 着席して資料を開くと、出品酒の数、銘柄名が判り、どんな酒が登場するか期待が膨らむ。
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酒の数は多いが雑然と飲むのではなく、主催者の中嶋屋店主の脚本に従って登場する。
次の5幕の構成になっている。
<乾杯>
<新酒しぼりたて 飲み比べ>
<個性派純米 飲み比べ>
<今日の贅沢・大吟醸 飲み比べ>
<熟・醇・ を飲む>

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【今日の出品酒】

利き酒メモには17銘柄が記載されていたが、ゆきの美人山田錦の飲み比べ用に1年熟成酒が追加されたので18酒になった。

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 14人の出席者で4号瓶18本、たっぷりのお酒だ。利き酒が終われば、カウンターに並んでいるお酒を中から気になったものを再度飲むことが出来る。
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この会はお酒の優劣を評価する会ではないので、個々人がそれぞれ飲み比べを楽しむことになっている。

以下、出品酒の利き酒結果を記載するが、個人的な嗜好による利き比べであり、客観性はない事を予めお断りする。


宴は、利き酒メモに記載されているシナリオに沿って、乾杯の幕開きから始まった。

<乾杯>

(1)
玉川 純米吟醸 手つけず原酒 無濾過生原酒 五百万石 60%精米 直汲み 木下酒造 (京都) 
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知る人ぞ知る玉川が今日の乾杯酒。
木下酒造人気に溺れることはなく、このコロナ禍の中でも営業担当は足繁く中島屋さんに足を運んでいるそうだ。
造りと営業が一体になれば、酒蔵は活き活きする。
味わいにもそれが感じられる。

玉川で元気をつけ、コロナに勝とう!! 乾杯!!

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原料米 五百万石 精米歩合 60%  酵母 協会9号 日本酒度非公開 酸度 非公開 アルコール度1718

甘い入り口。滑らかさとピチピチと弾ける辛味を感じる、含み香はエチル系のもの。味わいが個性的で甘さと辛味の厚みを感じるが、舌でほぐそうとしても粘りが在って、ほぐれない、これは個性的だ。しかし、中盤から以降、スッキリと切れる、粘りから切れの振幅が大きく、独自の世界を持っている。玉川の酒は面白い。 


<新酒しぼりたて 飲み比べ>
次は新酒のしぼりたての飲み比べの幕。

最初は、清泉の純米吟醸の2酒の飲み比べ。
造りは同じ、違うのは1点、掛米が違うのみ、(2)は「こしいぶき」(食用米)、(3)は麹米、掛米両方五百万石。
掛米だけの違いで味が変わるのかがテーマだ。

(2)
清泉 純米吟醸 しぼりたて生酒 久須美酒造 (新潟)
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原料米:五百万石・こしいぶき 精米歩合:55% 日本酒度:+3.0 酸度:1.5 アミノ酸:1.5 アルコール度:15%
 麹米に五百万石、掛米に食用米のこしいぶきを使用。
立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。スッキリとした印象、玉川の後だからかも知れない。なめらかな舌触りで、甘さ、辛さ、中盤と味の展開がはっきりしている、味が通り過ぎていく感じで全体としてのまとまりが欲しい。


(3)
清泉 夏子物語 純米吟醸 しぼりたて生酒 久須美酒造 (新潟)
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原料米:五百万石 精米歩合:55% 日本酒度:+3.0 酸度:1.7 アミノ酸:1.6 アルコール度:15% 麹米、掛米共に五百万石100%。

立香は吟醸香、甘い入り口。口に含むとふくらみが大きく、味の偏りがなく一体化しており、纏まりバランスが良い、甘さと辛さが中心で苦味・渋みは浮いてこない。全体として嫌味がなく、穏やかな世界。後半の切れ良く、後口は辛味系。

純米吟醸しぼりたて生酒と夏子物語の違いは、掛米が食用米のこしいぶきと五百万石の違いで、他は同じ。価格は720ml1510円と1720円、210円の差がある。
 評価は人によるが、個人的には格の違いを感じるので、210円高くても夏子物語を買って飲みたい。
 掛米だけの違いでこれ程味わいが違うのは驚きだった。
酒米というものの存在理由が再認識できた。


(4)
 ゆきの美人 純米吟醸 しぼりたて生 秋田醸造 (秋田)
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原材料 米(国産),米麹(国産米) アルコール度数 16 使用米 山田錦,酒こまち 精米歩合55
使用酵母 蔵内14号 日本酒度 +5+7 酸度 1.5

立香は程良い吟醸香。甘い入り口。ふくらみ大きい、辛味は浮かず背後で味を締めている。味のバランスも良い、フレッシュさとふくらみを感じる。
(3)
に似ている世界だがフレッシュさはこちらの方が感じる。


(5)
 四季桜 冬桜 純米吟醸 おりがらみ生原酒 宇都宮酒造 (栃木)
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この辺りでは知られていないが、栃木周辺では人気があり、入手困難の希少な酒と言われているとの説明があった。
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原料米 栃木県五百万石 精米歩合 55% 日本酒度 +3.7 酸度 2.1 alc 17

立香は甘い香り。甘い入り口。酸は滑らかでふくらみがあり、辛味は表面に出ず背後で味を締めている。大きな世界を持っている。

(3)
(4)(5)はいずれもふくらみがあり、大きな世界を持っている点似ている。吟醸香は(4)が最も吟醸香らしい。
 個人的な価値観では、純米吟醸は中途半端な印象を持っている。下位スペックの特別純米・純米と変わらないもの、場合によっては純米酒のほうが良いものがあり、一方純米大吟醸と比べると透明感・ふくらみ・切れの良さが劣る。
 中途半端な純米吟醸と言うイメージなのだが、今日の(3)(4)(5)はそのイメージを覆すふくらみと世界の大きさを感じさせてくれた。
 純米吟醸もこの3酒なら、存在理由がある。


(6)
 松の司 純米吟醸 あらばしり  2020/12製造 松瀬酒造 (滋賀)
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原料米:滋賀県竜王町産山田錦100%使用(環境こだわり農産物認証) 精米歩合:55% アルコール度数:16度以上17度未満 日本酒度:+3 酸度:1.4

立香は甘い香り。甘い入り口。とろりとした舌触り。酸は滑らか。次に辛味が来て、味の押しを感じる。含み香は麹香と甘い香を感じる。香りの主張が(3)(4)(5)より強い。ふくらみがあるが、中盤からの切れも良い。





2020-12-20 (Sun)

2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その2)

次の幕は、シナリオでは<個性派純米 飲み比べ>になっているが、実際には<今日の贅沢・大吟醸 飲み比べ>の幕を先に行った。 理由は、参加者から酔ってしまう前に大吟醸を先に飲みたいと言う希望があったそうだ。だが、記事はシナリオ通りの順番で書いている。<個性派純米 飲み比べ>(7) 白岳仙 真紅 辛口純米 安本酒造 (福井)原材料:五百万石 精米歩合:麹米55%、掛米65% 日本酒度:+10 酸度:1.6 酵母:HGS-02(...

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次の幕は、シナリオでは<個性派純米 飲み比べ>になっているが、実際には<今日の贅沢・大吟醸 飲み比べ>の幕を先に行った。
 理由は、参加者から酔ってしまう前に大吟醸を先に飲みたいと言う希望があったそうだ。

だが、記事はシナリオ通りの順番で書いている。


<個性派純米 飲み比べ>

(7)
 白岳仙 真紅 辛口純米 安本酒造 (福井)
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原材料:五百万石 精米歩合:麹米55%、掛米65% 日本酒度:+10 酸度:1.6 酵母:HGS-02(自社保存酵母) アルコール度数:15%

立香はスッキリとして鼻に抜けるが、何か消毒臭のような感じもあるエチル系の香り。酸のふくらみと含み香が来て辛味が来る、主張のある味わいだ。後半にかけての切れが良い。食中酒として幅広く肴に合いそうな印象だ。

この酒だけで言えることではないが、白岳仙の味わいが変わってきていると感じた。
 以前は白岳仙のイメージは、吟醸酒だった。正統派の吟醸酒で福井の酒らしいイメージだった。
 このところ、味わい系の酒に変化しているように感じる。福井は吟醸酒を得意とする蔵が多いので、味わい系を追求する方針になったのかも知れない。


次の(8)はシナリオには1種類しか記載がないが、実際には1年前の熟成酒が追加提供され、1年の垂直飲み比べの趣向になっていた。
 1年の熟成で味わいはどう変わるか。新酒が良いか、熟成酒のほうが良いか、興味深い試みだ。


(8) 純米吟醸 ゆきの美人 山田錦 6号酵母 超辛 2020年11月製造 秋田醸造 (秋田)
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原材料 : 山田錦 精米歩合 : 55% 日本酒度 : +16 酸度 : 1.5 アルール分 : 16% 

甘い入り口。酸はふくらみがあり、次に辛味が来る。微発泡感のシュワシュワッとした辛味もある。味わいの世界というよりスッキリと切れる爽快感に特徴を感じる。


(9)
 純米吟醸 ゆきの美人 山田錦 6号酵母 超辛 2019年11月製造 秋田醸造 (秋田)
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原材料 : 山田錦 精米歩合 : 55% 日本酒度 : +16 酸度 : 1.5 アルール分 : 16% 

口に入れると大きく広がる、炭酸のスパークリングのような感じのシュワシュワが来る。大きく爽やかな世界を持っていて、独自の世界を感じる。利いている内に鼻がムズムズして、クシャミが2回出た、立ち上がって、客席と反対側のカウンターに向かっておしぼりで押さえながら済ませたが、この時節、この揮発性のものは困る、何か異常発酵でもあるのか、炭酸の刺激なのか。

(8)
との利き比べは、去年のもののほうが大きな世界で爽やかさがあり独自の世界が在って面白い。今年のものは、スッキリとして鋭く切れが良い。それぞれの良さを感じた。
「純米吟醸 ゆきの美人 山田錦 6号酵母 超辛」は、新酒は新酒らしいピチピチ感が楽しめ、1年熟成酒は大きな世界とシュワシュワ感の爽やかさがあり、それぞれに楽しめる酒で甲乙はつけ難い、恐らく造りが確りしているのだろう。


次の2本の東一も今年の(10)と去年の(11)の利き比べだ。
(10)
 東一 純米 山田錦 2019BY 202011月製造 五町田酒造 (佐賀)
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原料米 山田錦 精米歩合 64% 日本酒度 ±0 酸度 1.4

立香は乾いたような香り。甘い入り口。含み香も感じる。酸味+辛味+渋味の主張がある。
ぬる燗の提供があり、味わいが纏まっていた、燗向きのお酒だ。


(11)
 東一 純米 山田錦 2018BY 201911月製造 五町田酒造 (佐賀)
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原料米 山田錦 精米歩合 64% 日本酒度 ±0 酸度 1.4

立香は仄かであまり感じない。スッキリとした味わいで、主張を感じる今年の酒と比べ穏やかで飲み易い、1年の熟成の差が大きい酒だ。
この酒もぬる燗の提供があった。穏やかな味わいのふくらみが大きくなり、より良くなった。矢張り燗向きの酒だ。

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年の垂直利き比べは、自分の嗜好では1年熟成の去年のものに軍配を上げたい。


(12)
 玉川 純米 にごり酒 2019BY 木下酒造 (京都) 
麹米:五百万石(京都府、兵庫県) 掛米:コシヒカリ、他 精米歩合 6568% アルコール分 1717.9%
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年寝かせたものが、スポットで入荷したと説明があった、定番酒ではなく限定酒。
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にごり酒で、とろりとした舌触り、酸味と渋味を感じる、中盤まで味の主張が活発、だが後半スッキリと切れる。この味わいの変化は個性的で面白い、ジェットコースターか?

ぬる燗の提供があった。含み香は少し穏やかになるが味わいは変わらない。特に燗をする必要はなさそうだ。



<今日の贅沢・大吟醸 飲み比べ>

(13)
 若竹 おんななかせ 純米大吟醸 大村屋酒造場 (静岡)
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原料米: (麹米)山田錦 (掛米)五百万石  アルコール度:16 酒度:+3.0  酸度:1.3    精米歩合:50% 火入れ

立香は甘い香り。甘い入り口。ふくらみは大きくない。辛味があり、含み香はエチル系のものを感じる。味わいは純米大吟醸としてはやや細い感じだ。


(14)
 瀧自慢 純米大吟醸 瀧自慢酒造 (三重) 
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原料米:伊賀産三重山田錦100% 精米歩合:45% 日本酒度:+4.5 酸度:1.3 酵母:蔵内自家培養酵母 アルコール度数:16度

立香は吟醸香と言うより甘い香り。甘い入り口。スピードのある広がりがあり、ふくらみより切れに特徴があるが、一方世界の大きさは感じる。含み香は程良い吟醸香。
 大きさもあり切れも良い世界で(13)より印象が良かった。


(15)
 松の司 純米大吟醸35 渡船 2019BY 松瀬酒造 (滋賀)
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原料米 滋賀県竜王町産 渡船100% 精米歩合 35% アルコール分 16% 日本酒度 -4  酸度 1.2
酵母 自社酵母。

立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。滑らかな舌触り。味はスッキリとしている。含み香も吟醸香。味のバランス良い。味の強い主張というより慎みのある味わい。後半、早目に切れる。独自の世界を持っていて、それを評価する人には魅力的な酒だ。



<熟・醇・ を飲む>

(16)
 清泉 純米吟醸 生酒 2018BY 久須美酒造 (新潟)
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原料米:五百万石・こしいぶき 精米歩合:55% 日本酒度:+3.0 酸度:1.5 アミノ酸:1.5 アルコール度:15%

(2)
の新酒とこの2年熟成酒との利き比べの趣向。
甘い入り口。とろりとした舌触り。含み香は吟醸香ではなく甘い香り。酸はふくらみが小さくなり、切れが良くなる。
新酒とは違った世界で、これはこれで良い味わいだ。


(17)
 玉川 自然仕込 純米酒(山廃)雄町 無濾過生原酒 201904月製造 木下酒造 (京都)
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米の品種 雄町(岡山県)精米歩合 66% アルコール分 1820.9%

立香は酸味を感じさせるもの+エチル系の香り。酸のふくらみ、辛味の押しがやってきて、活気のある世界。2018BYの造りとは思わせないフレッシュさを保持している。今も生き生きと躍動している味わいだ。玉川らしさが満ちている。

熟成酒らしさより今も生き生きしている味わいで、1年後の20204月製造の利き比べをしてみたいと思う。


(18)
 信濃鶴 純米 しぼりたて 無濾過生原酒 2017BY 長生社 (長野)
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使用米 / 美山錦 精米歩合 / 60% 日本酒度 / 非公開 酸度 / 非公開 alc度数 /1617%

立香は甘い香りが立つ。甘い入り口。酸の厚みがあり、ふくらみも大きい。後半渋味を感じる。
 しぼりたての生酒で、新酒の楽しむための酒で、熟成酒を想定した酒ではないが、特に老ねた香り・味はなく美味しくいただける、


【今日のお酒の感想】

(1)
清泉 純米吟醸の掛け米違いの飲み比べ
 酒米の飲み比べは主要酒米同士、例えば山田錦と雄町のお酒を比較することが多い。しかし、蔵も銘柄も違うことが多いので、最終の味わいが酒米だけの差だけではなく、蔵の造りや酵母や酒米以外の要素が違っていることが味わいの差になっていることは十分あり、飲み比べだけでは酒米の違いだけの差を取り出すことは難しい。

しかし、今日の清泉の利き比べは、蔵、スペック、造り、麹米は同じ、違うのは掛米だけ。掛米が食用米(こしいぶき)と酒米(五百万石)と違うだけなので、酒米を使用する意味を確認できる利き比べだ。

結果は、五百万石を使った夏子物語のふくらみのある味わいの大きさが違うことを実感できた。これは新しい発見だった。


(2)
玉川のお酒3
<乾杯>の玉川 純米吟醸 手つけず原酒 無濾過生原酒
<個性派純米>の玉川 純米 にごり酒 2019BY
<熟・醇・>の玉川 自然仕込 純米酒(山廃)雄町 無濾過生原酒

個人の嗜好は、ふくらみのある大きな味わいで、味の偏りが無くバランスが良い、穏やかに切れて、余韻が残るようなものに惹かれる。
 この嗜好からすると、玉川は味の主張が強く、厚みもあり迫ってくる味わいで、少し引いてしまう。

今日は、玉川の3酒を飲んで、玉川の良さを実感できたように感じた。
 3酒どれも、ダイナミックな味わいで、躍動感があり、しかも後半、スパッと切れるところは同じだ。

しかし、それぞれ個性があり同じ味わいではない。
・「手つけず」の味の粘り・持続は相当にしっこい、これは個性的だ。
・「純米にごり酒」は、にごり酒らしからぬ爽快感の世界で、ダイナミック・活発な味わいの中盤が終わると突然、スパッと切れる、余韻が漂うと言う世界とは異なる。ジェットコースターに乗っているようだ。
・「山廃雄町」は、2018BYの熟成酒だが、ダイナミック・活発な味わいは失っていない、その一方、味の荒々しさに落ち着き・滑らかさがあるように感じた。この酒が、最も玉川らしい酒ではないかと感じた。
 新酒で良し、囲って良しの世界で、へこたれない力強さを持っている。

(3)
ゆきの美人の秋田醸造
 今日は純米吟醸3酒が登場したが、それぞれ良い世界を持っていて、酒蔵の造りの良さを感じた。

・新酒しぼりたて
 純米吟醸は中途半端で何か物足りなさを感じる事が多いが、これは、吟醸香、透明感、ふくらみ、味のバランス、フレッシュ感があり、大吟醸クラスの品位を感じた。
・山田錦 超辛口の新酒と1年熟成酒
 スパークリングのようなシュワシュワ感があり、スカッと切れる爽快感の新酒。1年熟成は、シュワシュワ感を残しながらふくらみのある味わいが大きさを感じさせる。
それぞれ、個性的で面白い味わいだと思う。

乾杯酒は、1種類と相場は決まっている。
今日も乾杯酒は玉川手つけずだった。
だが、ふと思ったのは、乾杯を2種にしてゆきの美人山田錦超辛口でも乾杯できれば、面白いかも知れない。
どちらも爽快だが、味の濃い爽快とシュワシュワの爽快と違った爽快を味わうことが出来る。

4)今日の吟醸酒新酒しぼりたて(2)(6)は、どれも良かった。
特に(2)(3)(4)は吟醸酒らしい香り、広がり、透明感、味わいのバランス、切れの良さが揃っており、吟醸酒らしい世界を感じさせた。
 <今日の贅沢大吟醸>の松の司純米大吟35渡船は別格としても、他の2酒より吟醸酒らしいと感じた。





2020-12-20 (Sun)

2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

2020/12/20 第364回季節の美味しさと日本酒を楽しむ集い(その3)

いつもそうだが、お酒の利き比べと料理が同時並行で進行するので、忙しい。 お酒の印象を書きながら、料理をいただき、相性を考えながらお酒を利き比べる、終わらないうちに次のお酒、料理が登場すると、嬉しい悲鳴になる。【今日の料理】(お品書きがないので、料理の名前は勝手に書いたもの。)・あん肝と菜の花の柚子ジュレ掛け菜の花はサクサクとした食感で歯切れがよい。ジュレは柚子の香りと出汁の旨味が立つ。あん肝はホロ...

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いつもそうだが、お酒の利き比べと料理が同時並行で進行するので、忙しい。
 お酒の印象を書きながら、料理をいただき、相性を考えながらお酒を利き比べる、終わらないうちに次のお酒、料理が登場すると、嬉しい悲鳴になる。


【今日の料理】
(お品書きがないので、料理の名前は勝手に書いたもの。)

・あん肝と菜の花の柚子ジュレ掛け
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菜の花はサクサクとした食感で歯切れがよい。ジュレは柚子の香りと出汁の旨味が立つ。あん肝はホロホロとした食感で、ジュレの香りと旨味で魚の内臓を感じる臭いはなく、旨味だけが感じられる。上品なあん肝料理と感じた。


・鰆の炙りのお造り
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カウンターの上でバーナーで皮の部分だけを炙ってから、すぐ切って提供された。
口に入れると、たっぷりとした食感。脂が適度に乗っている、寒鰤ほどくどくはないが、もっちりとした食感を噛む内に鰆の旨味が口の中に広がる、魚の生臭さはなく、肉を食べているような感じもある。脂のトロリ感と肉のもっちり感の合体が食べ応えを生んでいる。

昔、この酒の会でお世話になった、今はなき「小料理 ざっぶん」で登場した、鰆の刺身を懐かしく思い出してしまった。
鰆は文字の通り春が旬と言われるが、実は秋以降のほうが脂が乗って美味しいのだ。鰆の刺身が美味しいことを初めて知ったのは、その時だ。


・お椀 シズと百合根の蒸し物、大根の合わせ 人参・ほうれん草・柚子の薬味添え
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左は大根、右は薬味の柚子、桂剥きの大根と人参。その舌の緑はほうれん草だろう。
その下の丸いのがシズと百合根の蒸し物。

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丸いシズと百合根を割ると中にふわふわとした卵白のような食感のものが見える。周りは魚のシズと百合根のザラリとした食感だが、その中はふんわりとトロトロの食感で、食感の変化を面白く楽しむことができる。

大根は中は大根の甘みを感じるが外側は出汁の旨味を感じる。
 出汁は穏やかで上品な旨味で、出汁自体が酒の肴になる。
椀は出汁もすべて味わえるからありがたい。


・メヒカリの甘酢南蛮 セロリ添え
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通称メヒカリ(目光)は正式にはアオメエソと言う名前だそうだ。水深200m以上の深いところにいる魚で白身だが脂が乗っている。

薄い衣で唐揚げにしてあり、じっくり揚げてあるので頭からすべて食べる事ができる。
 作り置きでないので、外側はカリッとした食感、噛むと白身の食感と旨味が口の中に広がる。魚臭さは全く感じない。
メヒカリの旨味だけを取り出している。見かけとは違い上品な味わいだ。


・鴨のローストと大根柚子味噌掛け、舞茸と里芋の唐揚げ
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鴨のローストは、市販されているものとは違い柔らかで肉汁たっぷり。噛むと鴨らしい旨味と癖が口の中に広がる、鴨はいつもは食べない人が、これは美味しいと話していた。

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鴨のローストの下は、大根の柚子味噌掛け。
柔らかく煮てある大根を味噌の旨味と香りが包み込む。

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舞茸と里芋は揚げてある。
舞茸は甘さを感じる垂れが掛けてあり、シャキシャキとした食感と舞茸の香り。

里芋は、表面はカリッとして、中はもっちりとしている。
一度煮て里芋の粘りが出た状態のものを揚げてあるのだろう。表面と中の食感の差が楽しい。


・連子鯛と摺り蓮根の蒸し物の合わせ
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摺った蓮根の滑らかな舌触り、連子鯛の柔らかな白身のさっぱりとした食感が穏やかで、品の良い味わいを感じさせる。
味とは別に食感の違いが楽しめる。


・春菊の炊き込みご飯とほうれん草の味噌汁
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ご飯はモチモチで口に入れると春菊の香りと薄いおこげの香りとが合体して、良い感じだ。春菊は炊きあがりに合わせて混ぜたものらしく、程良い春菊の食感が残っている。
 お米の仄かな甘味と出汁の旨味とお米のモチモチ食感と春菊の柔らかいが葉の食感と春菊の香りとが一緒になって美味しい。
 シンプルだが、美味しい。真似して自分で挑戦してみようと思った。

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糀味噌とほうれん草の味噌汁。ほうれん草は柔らかめ、味噌汁は豆味噌とは違って、さっぱりとしてお澄ましのような飲み口だった。


・ミルクプリン マンゴーソース載せ
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甘いマンゴーの香り。甘く滑らかなプリンの舌触り。
喉を通ると、ミルキーな余韻が漂う。
一匙毎にこれが繰り返される。


【料理の感想】

流石、楮グループの「minoてつめい」の料理は、楽しむことが出来た。
 鮪、鯛、鰤などよく登場する素材ではなく、個性的だが実は美味しい魚を技で楽しませてもらえた。
 味わいは勿論だが、焼く・炊く・揚げるの調理法を工夫し、素材の持つ食感を残す仕事の丁寧さを感じた。

此処は貸し切りができるので、他の客に影響を与えることも、影響されることもなく、宴が楽しめるので宴の会場としては最適だ。
 また、この店での宴が開催される機会を待ちたい。


【大抽選会】

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月の年忘れを兼ねたこの会は、毎回陶芸家M氏のご厚意で、同氏の作による盃をはじめ酒蔵グッズ他が当たる大抽選会が開催される。
 今回は、コロナの関係で出席を自重されたが、抽選会用の盃は提供されたとのことだった。

抽選の結果、情趣ある鼠志野のぐい呑が当たった。
M
氏の作品かもしれない。

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大抽選会も終わり、時計は15時、宴の終わる時が来た。


日曜日のこの会は終わってもまだ明るい。
例年なら、これから2次会、カラオケなどそれぞれ分かれて行くのだが、今年はコロナのため自粛が要請されている、皆さんその儘帰られたようだ。

岐阜駅に向かう途中に、幸先参りには少し早いが、金神社にお参りすることにした。

幹線道路を横断し、神社に近づくと楽団の楽器の音がした。
ライブでもやっているのだろうか。

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手水舎に行くと、今時の様になっていた。
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水盤には水が張られていない。龍神様の浄水は青竹に流されている。手を洗い、口をすすぎ、身を清めるものだから、今時は、この方法が理に適っている。

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お賽銭の後、二礼二拍一礼。
今日の感謝と祈念は一つ、コロナウイルス退散。

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今日は、本当に佳い日だった。






2020-12-02 (Wed)

2020/12/02   旬彩処かのう の おせち

2020/12/02   旬彩処かのう の おせち

11月20に日本酒の会sakenagoyaの定例会が開催された。気になるハイグレードな酒を並べ、旬彩処かのうの料理を堪能する素敵な宴だった。(詳細は以下の記事を参照。「2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)」https://nabanatei.com/blog-entry-8288.html「2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)」https://nabanatei.com/blog-entry-8289.htmlこ...

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11
20に日本酒の会sakenagoyaの定例会が開催された。
気になるハイグレードな酒を並べ、旬彩処かのうの料理を堪能する素敵な宴だった。
(詳細は以下の記事を参照。
2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)」
https://nabanatei.com/blog-entry-8288.html

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)」
https://nabanatei.com/blog-entry-8289.html

この会は、素晴らしい日本酒の会で、全国の銘酒を毎月10-12本並べて、利き酒をして酒を楽しむ事が出来る。
 個人では入手不可能な限定酒、人気酒が勢揃いしている。
もう一つ良いことは、自分の日本酒の理解度を他の人と比べて客観的に見ることが出来ることだ。

この会の魅力は銘酒だけではなく、料理・肴も魅力だ。
「旬彩処かのう」の料理は、居酒屋の作り置きメニューとは違う。
 蛸の姿ごと桜煮、鯛や金目の姿煮、鮪の中落ちなど家庭では出ない豪快な料理、テーマに合わせた料理、ヘシコの茶漬け、などなど...
 兎に角、料理も楽しいのだ。

過去どんな料理が出たのかは、sake nagoyaのオフィシャルサイトの活動記録で見ることが出来る。
日本酒の会sake nagoya
http://www.sakenagoya.com/activity/activity.html


前置きが長くなってしまったが、これからが本題のおせち。

定例会の席上に「おせち」のパンフレットが置いてあった。
これは、参加者以外にも必要な情報だと思ったので、記事に書くことにした。

12
月に入り、クリスマス、年越し、正月と忙しい日々が続く。
今年は、コロナで一家が揃う事は難しい事情があり、今いる家族だけでも、家でゆっくり過ごすことになるだろう。
 おせちでのんびりお正月が良さそうだ。

おせちは通販でも、いつものスーパーでもどこでも入手できる。
 しかし、宣伝と実際が違うことがあり、その比較が報道されたりする。
 考えてみれば、大きな広告費が掛かっているのだから、おせちの内容が乏しくなるのは当然だ。

だから、どの店で、どのような材料を使って作られているのかわからないまま、値段だけで注文するのは賢い態度ではない。

実績が信頼できる店が作り、使用している材料をこだわっていることが明らかであるおせちであれば、間違いはない。

その点、「旬彩処かのう の おせち」は問題がない。


以下、「旬彩処かのう の おせち」を紹介する。
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要点を纏めると、

・おせちの種類と価格(税込)
 和洋3段 34560
 和2段   25920
 和1段   14040

・申し込み
 平日1330以降、電話で予約する。
 052-201-6699

・おせち受取・代金支払い
 12/31(木) 1200-1500の間に、
 店頭にて代金を支払、おせちを受け取る。

(念の為
sake nagoya
の会と関係なく、誰でも注文することが出来ます。)

まだ、おせちを決めていない方、決めているが未発注の方は、「旬彩処かのう の おせち」を検討されると良いと思い、記事にしました。


お正月は、コロナのことは一時忘れ、晴れやかな気分で。
お気に入りの日本酒の年酒とおせちで、まったりとお正月しましょう。




2020-11-20 (Fri)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その1)

北海道、東京、大阪のコロナ感染者が激増し、他県もそれを追うようになり、落ち着いていた愛知も短期間に感染者が倍増する事態になった。再び、開催中止になるのではと、期日が近づくに連れ心配が募っていたが、なんとか当日になり、開催することが出来た。入店時のアルコール消毒に加え、参加者数も絞り密を避け、各テーブルにも消毒用アルコールが置いてあり、参加者もすべての人がマスクを着けている。 酔っ払って騒ぐ人もいな...

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北海道、東京、大阪のコロナ感染者が激増し、他県もそれを追うようになり、落ち着いていた愛知も短期間に感染者が倍増する事態になった。

再び、開催中止になるのではと、期日が近づくに連れ心配が募っていたが、なんとか当日になり、開催することが出来た。

入店時のアルコール消毒に加え、参加者数も絞り密を避け、各テーブルにも消毒用アルコールが置いてあり、参加者もすべての人がマスクを着けている。
 酔っ払って騒ぐ人もいない、この会は「静かなマスク会食」と言って良い。

無事に「気になるハイグレードなお酒」たちを利くことが出来て良かった。


【今日の出品酒】

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ブラインド・テイスティングが終わり、目隠しが外された「気になるハイグレードなお酒」の勢揃い。

個人の利き酒結果を下記に記載する。
評価は、個人の嗜好に基づくもので、客観性はない。
参加者全員の評価は、日本酒の会sake nagoyaの公式サイト
http://www.sakenagoya.com/
に掲載されるので、そちらの方が客観性が在る。


(1) 
鳳凰美田 赤判 純米大吟醸 生詰 瓶燗火入れ 山田錦 ・ 40% 製造:2020/09 小林酒造  (栃木県)
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立香は程良い吟醸香。甘い入り口。滑らかで、スッキリとしている。酸は大きく膨らまないが透明感はある。滑らかで舌触り良いが、広がりがもう少し欲しい。ややおとなしい印象。残り香は吟醸香が漂い、余韻は良い。評価8.0


(2) 
花陽浴 純米吟醸 瓶囲い無濾過生原酒 山田錦 ・ 55% 製造: 2019/03  南陽醸造  (埼玉県)
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立香は甘い吟醸香だがエチル系の香りも感じる。甘い入り口、酸味あり、辛味も感じるが硬いものではない。含み香の吟醸香がかなり強い。中盤以降切れは良いが、含み香の吟醸香が余韻の邪魔をする、含み香が立ちすぎて煩い印象だ。評価7.0


(3) 
十四代 角新大吟醸 生酒 兵庫県特A地区産山田錦 ・ 35%  製造: 2020/01/07 高木酒造  (山形県)
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立香は甘い吟醸香。滑らかな舌触り、甘い酸。含み香は吟醸香が立つ。軽いが発泡感様なものを感じる。酸は滑らか、広がりより透明感に特徴を感じる。中盤以降の香りも吟醸香、強め。後半の切れ良い。評価8.0


(4) 
黒龍 純吟三十八号 国産山田錦 ・ 50%/55%  製造: 2020/10下 黒龍酒造  (福井県)
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立香は吟醸香で軽め、エチル系の香りも感じる。とろりとした舌触りと甘さの入り口。酸のふくらみは無く、広がりもない。中盤、苦味と渋みを感じる。この辺りは、広がりと透明感が欲しい。含み香は吟醸香。中盤以降、やや活気がなく、ショビつく印象。評価7.0


(5) 
田酒 純米大吟醸 国産米 ・ 45%  製造: 2018/10 西田酒造  (青森県)
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立香は、柔らかな吟醸香、フルーティーさも感じる。滑らかな舌触り、酸は厚みがあり、芯には辛味があり味を締める。含み香は吟醸香だが適度なもの。辛味は発泡感由来のものか。後半の切れは良い。後口もピリリとした辛味で切れる。評価8.0


(6) 
白龍 純米大吟醸 長期氷温熟成酒 福井県産山田錦 ・ 40%  製造: 2018/06 吉田酒造  (福井県)
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立香はあまり感じない、仄かなもの。甘い入り口。滑らかな舌触り、酸のふくらみはない。透明感はあるが、軽い渋味を感じる。舌触りがとろりとしていて、重さを感じさせ、中盤の切れに影響している感じで、後半にかけ、香り・味がスッキリと切れ無い。全体として重い印象を受ける。評価7.0


(7) 
一白水成 純米吟醸 愛山 ・ 50% 製造: 2019/06  福禄寿酒造  (秋田県)
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立香、甘い仄かな吟醸香。甘い入り口。酸のふくらみと広がりがある。含み香も吟醸香で適度なもの。中盤の味わいも広がりがあり、苦味・渋みは表に出ず癖を感じない。後半にかけ切れも良い。残り香の余韻も感じる。全体として癖のない上品さがある。評価9.0


(8) 
大那 純米大吟醸 兵庫県特A地区産山田錦 ・ 40% 製造: 2020/09  菊の里酒造  (栃木県)
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立香はあまり感じない。甘い入り口、とろりとした舌触り。酸のふくらみ、広がりはあまり感じない。透明感はあるが、世界が小さい、味わいがこじんまりとして狭い感じがする。含み香は吟醸香らしいが軽いもの。評価6.0


(9) 
醸し人九平次 別誂 純米大吟醸 山田錦 ・ 35%  2018BY 製造: 2020/01 萬乗醸造  (愛知県)
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立香はあまり感じないが、甘いもの、くしゃみが誘発された、揮発性の何かがある。甘い入り口、酸は軽く、広がりがあり良い感じ。中盤以降、味わいが早く終る。後半にかけもう少し味わいの展開がほしい。世界は良いが、終わりが速く、物足りなさが残る。評価8.0


(10) 
鍋島 純米大吟醸 山田錦 ・ 45%  製造: 2020/10 富久千代酒造  (佐賀県)
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立香は吟醸香。スッキリとした入り口。シュワッとした感じもある。酸の広がりあるが透明感はあまり感じない。含み香も吟醸香で軽目のもの。中盤の透明感がもう少し欲しい。評価7.0


個人的には(7)の一白水成が最も良かったが、下記の4酒も良かった。
(1) 
鳳凰美田
(3) 
十四代
(5) 
田酒
(9) 
醸し人九平次

(6)
の白龍 純米大吟醸は、10800/1800mlの高価な長期氷温熟成酒だが、ラベルの製造年月は2018/06となっていた。
 長期氷温熟成酒なので、出荷時点がピークであったろうと思われる。2年経過後の評価である事を考える必要がありそうだ。






2020-11-20 (Fri)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)

2020/11/20 日本酒の会sakenagoya定例会「気になるハイグレードなお酒」(その2)

【今日の料理】この宴の楽しみは勿論、日本各地の銘酒だが、加えて会場である旬彩処かのうさんの料理がある。 今日の会費は5000円であるが、料理店や酒店主催の日本酒の会であれば、10000円を超える価格設定になることは間違いない。・だし巻き卵と牛蒡のきんぴら牛蒡のきんぴらは、牛蒡のシコシコ、コリコリの食感の後、牛蒡の香りと胡麻の香りのカクテル、特に牛蒡の香りが立ち牛蒡の生命力を感じる。だし巻き卵はふんわりとし...

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【今日の料理】

この宴の楽しみは勿論、日本各地の銘酒だが、加えて
会場である旬彩処かのうさんの料理がある。
 今日の会費は5000円であるが、料理店や酒店主催の日本酒の会であれば、10000円を超える価格設定になることは間違いない。

・だし巻き卵と牛蒡のきんぴら
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牛蒡のきんぴらは、牛蒡のシコシコ、コリコリの食感の後、牛蒡の香りと胡麻の香りのカクテル、特に牛蒡の香りが立ち牛蒡の生命力を感じる。

だし巻き卵はふんわりとして柔らかな食感、出汁の塩は薄く、後味に余韻が感じられる。
 卵の中の緑のものはあおさと思ったが、食べてみると三つ葉のようだ。


・鱈の白子ポン酢 薬味葱添え
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とろりとした舌触りと滑らかさが快い、口の中で徐々に溶けていく中に旨味が広がる。タレは柔らかい味わいで穏やかで、白子の淡白な味わいを引き立てている。タレに何か香りを感じるが判らなかった。
 下処理が充分なので白子は魚臭さがまったくなく、とろりと旨味が全面に出る。
 初めての人でもこの白子を食べれば、白子の魅力にとり憑かれそうだ。


・鯖の味噌煮白髪生姜添え
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出てきた時は、説明を聞いていなかったので、蒟蒻のおでんかと思った。箸を入れてみると蒟蒻ではなく鯖だった。
 見た目はどて味噌だが口に入れてみると赤味噌の濃い味ではなく軽やかスッキリの赤味噌だった。
 鯖は骨が取られていて食べることに集中できる、たっぷりと大きな鯖の切り身と赤味噌の旨味がマッチするが、後口はスッキリと切れる、初めての味わいだ。
 この料理は過去に出た記憶はないが、定番料理にして欲しいと感じた。


・河豚の唐揚げ
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大きな河豚の唐揚げだが、一般的なニンニク風味の鶏の唐揚げとは全く違う。スッキリとした味わいで、上品さを感じる。
淡白なふぐの旨味を唐揚げで感じさせるのが楽しい。


・牡蠣の玉子雑炊 しめじ、えのき茸・三つ葉添
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何か香ばしさを感じる雑炊。牡蠣は大振りでとろりとした食感に磯の風味と旨味。雑炊らしい旨味たっぷりをいただいていると今日の宴の安心感を感じた。


ハイグレードのお酒に合わせた今日の料理は、料理法も素材も様々で面白かったが、一貫して感じたのは薄味で素材の旨味を引き出して、ハイグレードな銘酒の邪魔をせず、透明感と香りのハイグレードな世界に合わせていることだ。

ハイグレードなお酒と旬彩処かのうさんの上品な肴を楽しむことが出来た今日の宴、本当に良かった。

出席者が交々話していたが、第3金曜日が近づくにつれて、コロナの感染状況が北海道、東京、大阪を中心に爆発前夜になり、愛知もそれを追い始めた。
 ひょっとするとまた中止になるのではないかと皆さんが心配していたが、こうして宴を楽しむことが出来、幸せだった。

来月のテーマは、「やれたらいいな スペシャルなお酒」とアナウンスが有った。
 利き酒と料理の時以外はマスクして静かな会食を守っているこの宴、来月もやれたらいいね、やれるだろう。



<旬彩処かのうのおせち>

 会場に旬彩処かのうのおせちのパンフレットが置いてあった。

毎月、この宴の2本目の柱である料理を提供していただいているかのうさんのおせちに間違いはない。

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これについては、稿を改めて紹介させていただく積りだ。





2020-10-16 (Fri)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その1)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その1)

10月定例会に参加した。今月も無事に開催になり、参加できたことは良かった。今日のテーマは「気になるお酒」。【今日の出品酒】利き酒が終わり、ブラインドが外された銘酒たちの勢揃い。以下、個人の利き酒結果を記載する。個人的な嗜好によるものなので客観性はない。会の公式サイトに全体評価が掲載されるので、そちらのほうの評価はより客観性がある。「日本酒の会sake nagoya」http://www.sakenagoya.com/(1) 〆張鶴 純米吟...

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10
月定例会に参加した。
今月も無事に開催になり、参加できたことは良かった。
今日のテーマは「気になるお酒」。


【今日の出品酒】

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利き酒が終わり、ブラインドが外された銘酒たちの勢揃い。

以下、個人の利き酒結果を記載する。
個人的な嗜好によるものなので客観性はない。
会の公式サイトに全体評価が掲載されるので、そちらのほうの評価はより客観性がある。

「日本酒の会sake nagoya
http://www.sakenagoya.com/


(1)
〆張鶴 純米吟醸 生原酒 製造:2020/01/28 宮尾酒造 (新潟)

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立香は甘く、鼻にスーッと抜ける吟醸香、仄かで上品な立香だ。甘い入り口、とろりとした舌触り。滑らかな酸でふくらみもある。含み香も程良い吟醸香。中盤も癖は無く、苦・渋の重さもない。後半にかけての切れも良い。後口は辛味系。残り香に吟醸香の余韻を感じる。評価9.0
利き酒終了後、温度が上がったときの印象は少し変わった。中盤に重さが出る、苦・渋が表面に出るのかもしれない、後半の切れも鈍くなる感じ、この酒は冷温が必要だ。



(2)
旭興 純米大吟醸 愛山 製造:2019/09 渡邉酒造 (栃木)

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立香は甘い香り、次第に吟醸香と判る。甘い入り口、滑らかな舌触り、酸はふくらみより透明感・広がりを感じさせる。含み香も吟醸香。中盤、変な癖はないが、やや切れが足りない印象。後半辛味系。評価8.0



(3)
蓬莱泉 純米大吟醸 製造:2020/04 関谷酒造 (愛知)

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仄かな甘い香り、吟醸香らしいがはっきりとはしない。甘い入り口、とろりと滑らかな舌触り。含み香は吟醸香、穏やかな香り。中盤、苦・渋は感じないが、何か舌が絞まる感じがする。中盤の酸の広がりが欲しい。後半、味わいの展開が感じられず淋しい。評価7.0



(4)
みむろ杉 純米吟醸 山田錦 無濾過生酒 製造:2020/01 今西酒造 (奈良)

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立香はあまり感じないが、何か鼻に抜けるものを感じる。甘い入り口、とろりとした舌触り。酸はスッキリとして広がりがある。含み香は吟醸香らしきものだが少し違う気がする。後半、やや苦味を感じる。後半の切れは程々。残り香は含み香と同じ。評価7.0



(5) EMISIKI
 SENSATION WHITE 2019-20生酒 製造:2019/11 笑四季酒造 (滋賀)

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立香は、甘い濃厚さを感じさせる香り。とろりとした入り口。甘さの後、酸は滑らか、辛味の芯を感じる。含み香は甘いもの。中盤以降、辛味の切れが良い。残り香を感じる。評価8.0

No.9
の黒ラベルとスペックの何が違うのかラベルを見ただけでは、判らなかった。
蔵元のサイトに行き確認した処、酵母が違っていた。

黒ラベルが「7号系酵母」
白ラベルが「14号酵母」

と記載されている。


(6)
鳳凰美田 純米吟醸 無濾過本生 製造:2019/12 小林酒造 (栃木)

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立香は甘い、吟醸香らしい。とろりとした舌触り、酸は軽やかで広がる。含み香は吟醸香らしいが、少し違う感じ。中盤、辛味あり。香りが、含み香、残り香と続き香りがやや気になる。後半の切れが欲しい。味香の主張が続き、減衰感がない、ややあざとい感じがする。評価7.0



(7)
日高見 純米大吟醸 しぼりたて 生酒 製造:2020/03 平孝酒造 (宮城)

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立香はあるのだが、こちらの判別能力の範囲内にないので判別できない。甘い入り口、滑らかな舌触り。酸は透明で、早く終る。とろりとしているが味が単調で、中盤が物足りない。含み香もあるが、立香と同じで、判別できない。個性を感じさせる味香だが、自分の嗜好で理解できない不安を感じる。評価6.0



(8)
勝山 縁 特別純米 限定本生酒  勝山酒造 (宮城)

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立香は、何か乾燥したものを感じさせる。とろりとした入り口。酸は滑らか、中心に辛味がある。含み香もあるが表現できない。中盤までは味わいがあるが、後半、味の展開が消えてしまう印象。評価7.0



(9) EMISIKI
 SENSATION BLACK 2019-20生酒 製造:2019/11 笑四季酒造 (滋賀)

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立香は甘い。甘い入り口、滑らかな酸。次に広がりがある。中盤まで癖がなく、良い感じ。中盤、苦・渋は無いが、何か舌が絞まる感じがする。評価8.0



(10)
栄光富士 GMF:24 純米大吟醸 無濾過生原酒 超限定 製造:2019/12 冨士酒造 (山形)

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飲み忘れによる未評価。
10
年以上この会の利き酒を行ってきたが、出品酒を利き漏らしたのは今日が初めてだ。
 長い間には思いがけないことが起きる。





2020-10-16 (Fri)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その2)

2020/10/16 日本酒の会sake nagoya「気になるお酒」(その2)

毎度書くが、sake nagoyaの宴は酒も良いが、料理も楽しみだ。 定番のものもあれば、意外なものもあり、家庭ではできない料理もあり、大勢だから出来る料理もある。 酒にも合わせ、参加者に心を込めて作った料理を出していただいている。 今日も、参加者のどよめきが在った。【今日の料理】・揚げ茄子の煮浸しとろりとした食感。滑らかな舌触り、次第に旨味と香りが口の中に広がる。出汁は旨味もあり、濃すぎることもなく上品な...

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毎度書くが、sake nagoyaの宴は酒も良いが、料理も楽しみだ。
 定番のものもあれば、意外なものもあり、家庭ではできない料理もあり、大勢だから出来る料理もある。
 酒にも合わせ、参加者に心を込めて作った料理を出していただいている。
 今日も、参加者のどよめきが在った。


【今日の料理】

・揚げ茄子の煮浸し
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とろりとした食感。滑らかな舌触り、次第に旨味と香りが口の中に広がる。出汁は旨味もあり、濃すぎることもなく上品な味わいだ。


・胡瓜の醤油漬け
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カリカリとした食感。塩と醤油の旨味の後、スッキリと口の中をリセットしてくれる。お酒の切り替えに丁度合う。


・揚げ出し豆腐
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揚げ出し豆腐、しめじとえのき茸に薬味葱。
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とろみのある甘酢の垂れが揚げ物のしつこさをスッキリとさせている。


・秋刀魚の姿焼き
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秋刀魚の姿焼きが一人に一皿運ばれてきた。
テーブルでどよめきが起こった。
極端な不漁により、庶民の味から高嶺の花になってしまった秋刀魚が突然登場したのだから無理もない。

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「旬菜処かのう」さんは、作りおきの居酒屋メニューではない。
この秋刀魚は、一尾一尾焼かれて、一人ひとりの眼の前に運ばれる。
これだけでも、美味しく、有り難くいただける。

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表面はカリッと焼かれている。
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が、黒焦げではない。きちんと管理されて焼かれている。
焼き上がりも美しい。
生臭さは当然無い。

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火は中まで通っているが、バサバサではなく肉汁がジューシーである。焼きなれていない家庭では、このようには焼けない。
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いつもは食べないハラワタもすべて美味しく頂いた。ほろ苦さと旨味の混じり合いが判るのは大人になったご褒美だ。

同じテーブルの人達も秋刀魚に出会うことができて喜んでいた。
 秋刀魚のいない秋なんて日本の秋ではない。
日本人は、秋刀魚を食べて秋を実感することが出来る。


・赤味噌おでん
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名古屋人には、この黒光りする味噌おでんがおでんなのだ。
関東煮や関西の透明な出汁のおでんは、おでんには違いないが、心許せるおでんではない。
東京や大阪の人は、この黒光りする赤味噌の艶を見て圧倒され、口の中に運ぶことができない人もいる。
気の毒なことだ。

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カメラをマクロにして撮ると自動露光の関係で、土手味噌が少し赤く写る。実際は、上の写真ぐらいが本当の色だ。
種は蒟蒻と玉子、味噌おでんの王道だ。
味わいのある銘酒の肴にする味噌おでんは、酒の旨さをその儘出してくれる。
名古屋人の本望だ。


・炊き込みご飯と赤だし
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具は、しめじ、人参、鶏肉、竹輪、青菜、蒟蒻。
味付けは薄味でスッキリとして上品。
素材の味を生かしている。
かのうさんは竹輪の使い方が上手だ、焼きそばにも竹輪が入るが、これが違和感なく、美味しい、旨味を加える働きをしている。

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赤だしの具はなめこと葱。
赤味噌の香りとスッキリと切れの良いだし。

・漬物
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大根の粕漬け。
カリカリの食感。甘味と粕の旨味と香り。
残り香がスッキリ感を与える。



【感想】

・コロナ禍の中でのsake nagoyaの宴。
例会も中止になり、お花見も中止になった。
愛知県は東京、大阪に比べれば感染は抑えられているので、今の処、宴会もできるが、GOTOキャンペーンもあり、今後どうなるかわからない。
先月、今月と例会が開催できたのは良かった
日常・通常の大切さは失ってみて、大切さに気づく。
毎月第3金曜日の夜の宴今後も続いて行って欲しい。

今日のお酒・料理は記事に書いた通り、嬉しいものだった。

今宵は、予期せぬ邂逅があった。
二人の人が久し振りに参加して、旧交を温めることが出来、感慨深いものが在った。
「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」を実感した。
一人は、十数年ぶり、大手製パンメーカーの社員さんでよく語り楽しい場持ちの良い人だった。突然参加されなくなり、その後上海だか何処かに転勤になった聞いた。
 今回、久し振りにお会いしたが、覚えていてくださり、昔話をしたが、転勤先は香港だったそうだ。

もう一人は、以前同じテーブルでよく利き酒をした人で、今日は隣のテーブルに座っておられ、久し振りだなと思っていたら、宴終了後、声をかけていただいた。
 もう3年振りだそうで、その間の経緯もお伺いした。3年前に大阪に転居され、その後体調を崩され、手術もされたそうだが、今では元気にお酒も楽しまれ、これからはバイクに乗って走り回る予定だそうだ。最後に、拙ブログは今も読んでいますよと言っていただいた。ありがたい話だった。

この会で同じ酒を利いたり、お花見をしたり、蔵見学をしたりした仲間が名古屋を離れる事は多くはないがある。
 昔の仲間は東京、大阪、遠くはアメリカにもいる。
お酒が取り持つ縁も貴いものだ。
  






2020-07-17 (Fri)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になるお酒」(その1)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になるお酒」(その1)

コロナ禍対策のための活動休止が先月終わり、再開後2度目の定例会に参加した。テーマは「気になる酒」だが、閉会時の主催者挨拶によれば、中止されたお花見にお目見えする予定だった花見酒も中に含まれているそうだ。今年は、お花見の宴もできなかったが、こうして今月の例会が開かれ、同好の士とともに日本のお酒と旬彩処かのうさんの料理を楽しむ時を過ごせたのはありがたいことだった。 来月のテーマは「気になるお酒、どえら...

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コロナ禍対策のための活動休止が先月終わり、再開後2度目の定例会に参加した。

テーマは「気になる酒」だが、閉会時の主催者挨拶によれば、中止されたお花見にお目見えする予定だった花見酒も中に含まれているそうだ。

今年は、お花見の宴もできなかったが、こうして今月の例会が開かれ、同好の士とともに日本のお酒と旬彩処かのうさんの料理を楽しむ時を過ごせたのはありがたいことだった。

 来月のテーマは「気になるお酒、どえらいええやつ」だそうだ。

「どえらいええやつ」!! たまりませんネェ~


【今日の出品酒】
ブラインド評価終了後目隠しが外された銘酒たち。
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コロナ対策のため参加者が絞られているため、本数も10本になっている。

以下、目隠しの利き酒の個人的評価を記載するが、個人的嗜好によるもので、客観性はない。
 参加者全体の評価結果は、sake nagoyaの公式サイトに後日掲載されるので、その結果の方が客観性がある。

公式サイト
http://www.sakenagoya.com/


(1)
 東鶴 槽搾り 純米吟醸  製造2019/09 東鶴酒造 (佐賀)
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 立香は仄かな吟醸香。甘い入り口。スッキリとした酸、舌触り丸い。厚みのある味わいよりスピード感の世界。含み香も吟醸香の名残り。中盤以降、やや味がショビつく印象。少し味わいの盛りを過ぎているかもしれない。評価7.0


追記:

かがた屋酒店の紹介
『ラベル、ロゴ、酒質、東鶴酒造が大改革を断行。
酒造りの重要要素「水」に着目。
いままで10メートルの深さだった井戸を
100
メートルの深さまで掘り下げ、軟質な水をGET
それにより酒質が抜群に向上。
この生まれ変わり感、ハンパなし!!』
https://www.kagataya.net/shopdetail/000000002987/



(2)
 伯楽星 純米吟醸 おりがらみ 生酒 製造2019/12 新澤酒造店 (宮城)
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 おりがらみ。立香は甘い香り。甘い入り口。トロリとした舌触り、甘い酸で、軽やか。中盤の苦・渋も無く味わいのバランスが良い。穏やかな世界で、偏った癖はない。後口の切れ良い。評価8.0


追記:

阿部酒店の紹介
『 瓶底にうっすらと「にごり」が沈殿している限定バージョンです。香りは本来の味わいを邪魔しない穏やかで清涼感のある香り、飲み口はフレッシュで爽やか、若々しくしなやかな美味さを誇ります。単に、生の華やかな旨味だけで押し切る味わいではなく、緻密に設計された繊細な美味さを表現している逸品。初めて伯楽星を試してみようかと思う方にもおすすめできる魅力満載の美味しさです。

2011
3月の震災後、様々な問題を乗り越え未来への出発を志し、川崎蔵への移転を決意。その新蔵での伯楽星のR1BY新酒です。ここからまた新たな歴史が始まります!どうぞこの味わいを存分にお楽しみ下さい。』
https://www.ast39.com/product/440



(3)
 フモトヰ 純吟雄町 おりがらみ 生 製造2020/02 麓井酒造 (山形)
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 おりがらみとにごりの中間。立香は仄かに甘いもの。甘い入り口だが、酸味が追いかけてくる。すぐ、発泡感の名残のような辛味があるが、続かない。中盤以降、甘・酸・辛の混合した味で味わいの展開がない。後口は辛味系。評価7.0


追記:


花山の紹介
『純米吟醸 生酒 おりがらみ 2月限定発売

雄町米のやわらかい味わいと、搾りたてのフルーティーな吟香を表現するため、搾りたての新酒におりを絡めて瓶詰しました。2月上旬発売。
日本酒度 +5
酸度 1.6
使用米 雄町
精米歩合 50%
使用酵母 山形酵母』
https://www.nipponnosake.com/kura/fumotoi/sake.html



(4)
 玉旭 ECHOES 酒母搾り 純米生原酒 製造2019/07 玉旭酒造 (富山)
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 黄みのある色。立香は熟香と酸っぱさの混合した香り。甘い入り口、フルーティーな酸、含み香も果実を想わせる香り。味わいも甘酸っぱく、爽やかでワイン風な世界。含み香にエチル系のものを感じる。中盤以降の切れも良い。評価8.0


追記:
味わいも個性的だった、これが日本酒?
イメージは、日本酒よりワイン。
後で、ラベルを見て「酒母搾り」と書いてあった。
知らなかったので、搾り方のことと考えたが、そうではなく造り方のことだった。
 日本酒の世界も、まだまだ未知の事が満ちている。


酒母搾りとは
『本来日本酒は、蒸した米・麹・水で酵母を培養した酒母(しゅぼ)を作り、そこにさらに蒸した米・麹・水を加えて量を増やした酛(もと)を作ってから搾る。しかし、酒母搾りは酒母の状態で搾る。

ここがポイント
酒母搾りは通常の日本酒に比べて生産量が少ない。また酵母が糖をアルコールに変える割合が少ないので甘くて酸味の強い日本酒になる。』
https://toyamatome.com/sake-echoes/


「玉旭酒造のECHOESMOTHERの比較・酒母絞り4種を飲んでみた感想」
https://arnon.jp/tamaasahi



(5)
 五橋 五(five) ブルー 2018BY 純米吟醸 生酒 製造2019/09 酒井酒造 (山口)
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 立香は爽やかな香り、吟醸香か? 甘い入り口、トロリとした舌触り。含み香は吟醸香。中盤、酸の後、渋味と苦味の重みがある。味わいの展開のお尻が重いタイプ。吟醸香が残り香まで続く。評価7.0


追記:


いまでやの紹介
fiveとは、すべて木桶で仕込まれており、5種類のロゴカラーで酒質と季節感を表したシリーズ。このお酒は、毎年初夏ごろにリリースされる、キリッとスッキリした夏にぴったりな味わいのお酒です。
【蔵元より】
上槽したばかりのお酒は青みがかった黄緑色をしています。これを「青冴え」していると言い、よいお酒ができた指標となるのです。 その新鮮で刺激的な香味は、生命力に満ち満ちた若者をイメージさせます。だからどこか尖って「青い」と感じるかもしれません。時にはあの頃を振り返りながら飲む。そんなお酒です。 PS.飲み干した後に残る微かな苦み。Bitter sweet memory

https://www.imaday.jp/shopdetail/000000004092/



(6)
 佐久乃花 純吟 手詰め 直汲み Spec d 無濾過生原酒 製造2019/12 佐久の花酒造 (長野)
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 立香は仄かな吟醸香。丸い入り口。酸の後、酸と辛味の固い味わい、味が広がらない。含み香も中心に固まる。中に閉じこもった世界。中盤、底に渋味を感じる。評価6.0


追記:

固い味わいの印象は、アルコール度数が17度と高いことにも因るかもしれない。

日本酒物語の紹介
specDとは、アルプス酵母(長野C酵母)より華やかな吟醸香を発するといわれる、長野D酵母で醸した事を意味します。使用米は地元産ひとごこち。"手詰め直汲み"は発売初期の限定らしいです。スペックから想起される通りのフルーティーな吟醸香と微々発泡のシュワシュワ感が心地よい。アルコール度数が高い生原酒なのに、それを感じさせません。毎冬発売が楽しみな一品です。
個人的な飲み方ですが、開封後時間を置くとどんどん甘くなってしまうので、短期間で呑み切るように、飲む人数に応じて一升瓶と四合瓶を選び分けています。』
https://www.sakeno.com/meigara/1131/voice/



(7)
 明鏡止水 純米吟醸 甕口 生原酒 製造2020/02 大澤酒造 (長野)
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 立香はあまり感じない。トロリとした入り口。酸の味わい。滑らかな舌触り。中盤、辛味が味を締める。広がりとかふくらみがなく味が展開しない。中盤以降、辛味と渋味が糸を引く。評価7.0


追記:
この酒も中盤の味わいの展開がないと感じた。
度数が1718度と高いことに因るかもしれない。


佐金商店の紹介
『槽より滴り落ちる甕から直汲みした新酒を瓶詰めし、そのまま出荷したしぼりたて生原酒です。 空気に触れる時間を極力短くして、純米吟醸のしぼりたての旨さをそのまま瓶詰めしています。 しっとりとした中に、ボリューム感あふれる凝縮された味わいと爽やかな香りをお楽しみ頂けます。 パンチの効いた飲み応えが非常に印象深い、明鏡止水の新境地です。 水のように清冽でサラリと流れるような明鏡止水とは一線を画す限定酒です。』
https://www.sakin21.com/SHOP/0235_160_720.html



(8)
 福田 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒 製造2019/12 福田酒造 (長崎)
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 透明な酒。立香は仄かに甘い、軽い吟醸香?甘い入り口、トロリとした舌触り。酸は滑らか。味わいは酸味系だがふくらみがある。中盤、苦・渋は無く辛味が味を締める。含み香は吟醸香らしいが、ややダレた崩れた感じがする。評価7.0

追記:
3
月末のお花見の時にいただけば、満開だっただろうと惜しまれる。


矢島酒店の紹介文
『矢島酒店で取り扱う「福田」は、次期・福田竜也氏が立ち上げた特約流通ブランドです。穏やかな香りに、酒造好適米「山田錦」ならではのふくらみのある柔らかな旨味とキレの良さが特徴です。

近年は数々のコンテストにおいて高い評価を受けています。

【令和元年】
・全国新酒鑑評会 最高位『金賞』受賞
2019年 Kura Maste  純米酒部門 金賞[フランス・パリ]

【平成30年】
・全国新酒鑑評会 入賞
IWC(インターナショナルワインチャレンジ)
           SILVER[イギリス・ロンドン]
Kura Master 純米酒部門 プラチナ賞[フランス]
Kura Master 純米吟醸部門 金賞[フランス・パリ]
・福岡国税局 金賞受賞
SAKE selection吟醸酒部門 シルバー賞[ベルギー]
...』
https://www.yajima-jizake.co.jp/products/detail.php?product_id=8882



(9)
 羽水 UI(うい) 特別純米 製造2019/12 株式会社せんきん (栃木)
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おりがらみ、霞酒。立香は甘い香り。甘い入り口、酸は軽く、広がりあり、発泡感の名残が含み香と軽い辛味を感じさせる。中盤以降、癖がなく切れる。残り香の余韻がある。味のバランス良い。後口の切れ良い。評価8.0
バランスの良さはNo.2と良い勝負。

追記:
先月も仙禽の酒が出品され、個人的には最も評価が高かったが、今月も「羽水UI」という新しいブランドで登場した。
この酒も良かった。
仙禽を含めて最近の栃木の酒は好い。


さかや 栗原の紹介文
『「薄井 真人」杜氏の新ブランド!!
羽水が新たにUIとして新登場!!

羽水ブランド定番として「純米」と「生もと」の双璧はそのままに「USUI」のアルファベットの最初と最後を抜粋し『羽水 UI (ウィ) 』という名を冠しました。UIの意味合いは「初々しい」・「切り開く」・「初心を忘れず」・「新たな境地を開拓し続ける」などで、フランス語の「Oui
Yes」の意味も兼ね備えます。「羽水」から「羽水 UI」へ新生した事により常に時代に合わせ、市場を鑑み、斬新なものを生み出していく。「常に新しく、初であり、それを武器として切り拓き、開拓していく。」という意味合いを持たせています。

薄井真人 杜氏メッセージ―
仕上がりは、香り穏やかで色気は少ないが底力のある栃木酵母を使用しゆっくりとしかし確実に酵母本来の力を引き出し主役は彼らの微生物であることを再確認する。麹造りでも酵母と同じく種麹の持つ本来のパワーを最大限に引き出す事に注力した。
そうする事により酵母の食料を充満させ麹菌と酵母菌の相乗効果を図り現代の発酵形態の最上級の力を存分に発揮させた。
このような造りをする事により「純米」から「特別純米」へと製造方法を変更しました。

酒質のベースとなるものは「羽水・夏酒」となります。穏やかな香りと甘みのバランスの取れた味わいです。
常に新たなる挑戦を続けるせんきんの「今」をご堪能下さい!

https://www.sakaya-kurihara.jp/item/2015ho-1559/



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 花邑 純米吟醸 手詰め 生 出羽蝶々 製造2020/02 両関酒造 (秋田)
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 透明な酒。立香は仄かに甘い、軽い吟醸香?甘い入り口、軽やかな丸い酸。含み香は吟醸香だが適度で鼻につかない。中盤も軽やかな味わいで苦・渋が軽く味を締める。透明感のある広がりがある大吟醸の世界を感じさせる。評価9.0


追記:

地酒大好きドットコムの紹介文
『人気実力ともに日本酒の頂点に立つ【十四代】の高木社長からの異例の技術指導が行われた純米吟醸。 その話題性と非常にレベルの高い酒質から、都内を始め多くの地酒酒販店が新規取引を目指しているが、米選びから、徹底した品質管理のもと 醸造される量が非常に少ないため新規で取引を始めることは難しい。 米選び、醸造方法、保管方法、ラベル、名前まですべて十四代が監修したこともあり、ベースは間違いない酒質なのだが、そこから プライドをかけた両関酒造のアレンジがより味に深みを与えます。 そして昨年より花邑のラインナップに加わった出羽燦々。花邑と山形の酒造好適米との必然的な出逢い。蔵人一丸、「両関 ONE TEAM」。花邑イズムを惜しげもなく注ぎ込み、大事に育て上げた花邑出羽燦々。フラッグシップの雄町が持つ流麗、且つ艶やかさを継承し、陸羽田のスマートな美しさも併せ持つ花邑の才色兼備。』
https://jizake-daisuki.com/shopdetail/000000000648/



2020-07-17 (Fri)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になる酒」(その2)

2020/07/17 日本酒の会 sake nagoya 7月例会 「気になる酒」(その2)

毎回楽しみな旬彩処かのうさんの料理を今日も頂くことが出来た。【今日の料理】・枝豆枝豆の確りとした食感。丸い塩の後豆の甘さと香りが広がる。・葱じゃこ刻み葱と柔らかいじゃことの和え物。口に入れると、胡麻油の香ばしい香りが口の中に広がり、葱の薬味としての主張とじゃこの薄い塩味の旨味が感じられる。・鯖の梅干し煮甘味のある薄めの醤油出汁で鯖が煮てあり一人二切れありたっぷりとしている。柔らかく出汁を吸った梅干...

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毎回楽しみな旬彩処かのうさんの料理を今日も頂くことが出来た。

【今日の料理】


・枝豆
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枝豆の確りとした食感。丸い塩の後豆の甘さと香りが広がる。


・葱じゃこ
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刻み葱と柔らかいじゃことの和え物。口に入れると、胡麻油の香ばしい香りが口の中に広がり、葱の薬味としての主張とじゃこの薄い塩味の旨味が感じられる。


・鯖の梅干し煮
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甘味のある薄めの醤油出汁で鯖が煮てあり一人二切れありたっぷりとしている。柔らかく出汁を吸った梅干しと紫蘇の葉は調味料の役割とそれ自体の旨さ両方楽しむことができる。
細切り生姜の爽やかさも加わって、魚の生臭さは全く感じない。鯖の背側の確りとした食感と旨味の後、脂の乗った腹身鯖らしさを実感させる。
 鯛や金目などの高級魚も良いが、鯖は旨い。
以前にも登場したが、この肴は好みだ。


・豚肉のねぎま
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見たとこと焦げ臭が予想されるが、実際は立香は癖がない。スモーク・いぶしの香りが豚肉の旨味を感じさせる。
豚肉はよく焼かれているので確りとした食感と香ばしさが先に来る、噛んでいる内に肉がほぐれ、焼きで凝縮された豚肉の旨味が口の中に広がる。
 葱はシャキシャキの食感と甘みがある。
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本だが凝縮した旨味があり満足感がある。


・蛸の唐揚げ
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説明を聞きそびれたので、最初、何の唐揚げか判らなかった。食べ始めると歯ごたえのある確りとした食感。噛んでいると判った、蛸だった。
 旬彩処かのうさんの蛸の肴といえば、姿煮の桜煮になる。家では食べられない喜びがある肴だ。
蛸の唐揚げは、あまり記憶がないが、美味しいことが判った。


・鯛茶漬け
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これも説明を聞きそびれたので、鯛ではないかもしれないが、一切れ丸々入った茶漬けは焼き魚の香ばしさと旨味がだし汁と合わさって贅沢なお茶漬けだ。


・沢庵
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ひねた沢庵ではなく、浅漬系のサッパリとした漬物。
シャキシャキとした食感と甘味のある味が口の中を爽やかに、リセットしてくれる。



【今日のお酒の感想】
目隠し利き酒の結果は、個々に書いたが、最後のまとめの感想を書かせて頂く。

1.お花見の酒
 利き酒をしていて、おりがらみ、霞酒の酒が多く、お花見みたいだなと思ったが、主催者の最後の挨拶でお花見の酒が入っていると説明があったので得心した。

おりがらみの花見酒らしい世界は、伯楽星、羽水UIで楽しむことが出来た。

3月末、お花が咲いている下で飲みたかったと思ったのは、 東鶴と福田、今日時点では少しピークを過ぎている気がした。


2.気になった酒
 (1)花邑

  個人的には純米吟醸は中途半端で存在理由が解らないのだが、この酒は純米吟醸のイメージを変えた。
 これは大吟醸の世界だと思った。

後で知ったが、高木酒造の技術援助を背景に、造られた酒らしい。良いお酒を造る面で十四代の跡を追うのは良いが、供給量を絞る営業政策面では跡を追わないでほしい。

 (2)玉旭の酒母搾り
  ラベルに酒母搾りと書いてあったがどんな搾り手法かと思った。
 単なる酒好きで、造りには素人なので、日本酒は3段仕込みで造るものと言う固定観念の中にいた。
 酒母は知っているが、酒母だけで造る日本酒があるとは知らなかった

 味も日本酒と言うより白ワインの世界だった。
酒母だけなら酸っぱいだけのような気もするが、この酒は甘さもある、どうして造るのか気になる。

特別企画で出会った「小嶋屋 無題 弐」は貴醸酒の4段仕込みだった、この酒の酒母搾りと言い、三段仕込みの固定観念より、日本酒の未来は遥かに広く開けていると感心した。
 新しいチャレンジは、いつも、どこでも必要だ。

(3)
個人の嗜好
 佐久乃花も明鏡止水も味わいが固く感じた。これは個人の嗜好だが、利き方にも因ると思う。
 肴の影響が評価に入らないように、利き酒が終わらないうちは、料理に手を付けないことにしている。
 食べながら利き酒をする人も居る、その方が多いかもしれない。酒単独で利く場合と食べながらとでは結果が違うことは十分想像できる。

 今日の自分の評価結果を見て感じた固い酒という印象は 度数が高い事に因る可能性がある。1718度では味が開かないと感じるのかもしれない。
自分の嗜好は1516度なのだろう。 


今日も、色々勉強になった。
楽しむ時も過ごせた。
日本酒の会sake nagoyaはありがたい。

来月は「気になるお酒、どえらいええやつ」だ!!!




2020-07-04 (Sat)

2020/07/04 sake nagoya特別企画@旬彩処かのう(その1)

2020/07/04 sake nagoya特別企画@旬彩処かのう(その1)

日本酒の会sake nagoyaの特別企画に参加した。sake nagoyaは毎月1回、第3金曜日に定例会を開催しているが、定例会以外に特別企画の会が不定期に開催されている。定例会と特別企画は運営や内容で異なっている。定例会は、開かれた会であり、公式サイトで告知される募集に応募し運が良ければ誰でも参加できる。公式サイトはhttp://www.sakenagoya.com/因みに、7月の定例会「気になるお酒」は、募集終了で満席になっている。一方、特...

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日本酒の会sake nagoyaの特別企画に参加した。
sake nagoya
は毎月1回、第3金曜日に定例会を開催しているが、定例会以外に特別企画の会が不定期に開催されている。

定例会と特別企画は運営や内容で異なっている。
定例会は、開かれた会であり、公式サイトで告知される募集に応募し運が良ければ誰でも参加できる。

公式サイトは
http://www.sakenagoya.com/
因みに、7月の定例会「気になるお酒」は、募集終了で満席になっている。

一方、特別企画は、一般公募はないので、定例会に参加しているとか何らかの形でsake nagoyaの縁者である必要がある。

運営についても異なっている。
定例会は、ブラインドテイスティングで出品酒を参加者が評価し、評価結果を集計し、参加者全員の評価結果も公表することになっている。
 これが、sake nagoyaが他の日本酒の会と異なる最大の特徴と言える。楽しむだけでなく、真剣に酒と向き会うことが要求される宴でもある。

一方、特別企画は、ブラインドテイスティングは行われない。
銘柄を見ながらラベルのスペックを確認しながら飲むことができる。日本酒を楽しむ普通の宴だ。

会場も開催時間も違う。
定例会は、旬彩処かのうに固定され、時間は19時からに固定されている。
特別企画は、今回はコロナ禍の関係と思われるが旬彩処かのうで開催された。それまでは主催者I氏の関係先の某処で開催されてきた。開催時間は夜ではなく、明るい時間帯の開催だ。


コロナ禍はあらゆる活動に自粛をもたらしたので、日本酒のイベントは勿論、殆どが中止になった。
 sake nagoyaも同様に中止を余儀なくされたが、コロナ対策を講じた上で6月の定例会は開催され、追いかけて特別企画も7月に開催されることになった。

失ってみて初めて分かる喪失感。
日本酒を愛する人にとって、日本酒の宴のある日常が戻ることは喪失感を癒やしてくれる。



【今回の出品酒】
sake nagoya
の主催者でもありバイヤーでもあるI氏の目に留まった出品酒たち。

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30人の参加者に対して17銘柄。
宴が終わった後の勢揃いだ。


前述の通り、特別企画はブランドテイスティングは行わないので、只管目の前の銘酒を愉しめば、それで良い。
日本酒は飲んで楽しむもの、これは根本だ。

しかし、筆者は飲みながらメモを書いたりする、酒だけではなく料理もだ。
 これは、酒宴の場では問題になることもある。
酒も料理も楽しむもの、それに集中し、その楽しさを同席者と語らうことが宴だと考えるほうが一般的だ。

だから、多くの酒宴の場ではメモを書いたりしていると、横目で見られたり、時によっては酒は楽しむものだよとアドバイスを受けたりすることもある。多くはないが、マナー違反として口撃されたこともある。
 だから、sake nagoya以外の酒宴では、会場のハズレ、片隅に座るようにしている。

メモを書く理由は、酒の印象は、喉を通れば泡沫のように消えてしまうからだ。
 メモを書いたからすべてを書き切れることはないことも承知はしているが、10の内2でも3でも、消えてしまうより良いのではないか。

という事で今回も個人的に印象をメモした。
以下に印象を書くが、個人的嗜好によるものであり客観性は無いことと書いた時点ではそれぞれのお酒に対する十分な情報を持っていなかった事による浅薄さがある事をお断りする。


(1)
 貴 特別純米山田錦 無濾過おりがらみ生 蔵開き限定酒 製造2020/04 永山本家酒造場 (山口)
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 立香は熟成感を感じさせるものと甘さを感じさせるものの混合した香りだが強くはないが主張のある香り。甘い入り口トロリとした舌触り。甘酸っぱさの後辛味の芯が来る。滑らかな感じだが、膨らみとか広がりはなく、中盤は辛味が中心にあるパンチのある味。評価7.0

追記:
蔵開きで提供されるために造られた特別な酒だが、コロナ禍のために蔵開きが行われなくなった。
 本来は蔵開きでしか入手できなかった酒だが、特別に限定したルートで出荷されたもの。

蔵開き限定酒「特別純米の無濾過おりがらみ生酒」
搾ったそのままを瓶に詰め無濾過・おりがらみ酒。




(2)
 明鏡止水 純米大吟醸 磨き35  製造2019/04 大澤酒造 (長野)
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 立香は仄かに鼻に抜けるもの。滑らかな甘い入り口。トロリとした舌触りだが、広がらない。膨らみもあまり大きくはない。評価7.0

追記:
A地区東条産特上米のみで醸した純米大吟醸。
フラッグシップ「プラチナ」(720ml 1万円)の槽搾りの無濾過原酒で、総数150本のみ蔵出しの限定酒だそうだ。


原材料 : 特A地区山田錦
精米歩合 : 35%
日本酒度 : +6
酸度 : 1.6
アルール分 : 17%
産地 : 長野県 大澤酒造



(3)
 而今 特別純米 火入れ 製造2019/10 木屋正酒造 (三重)
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 立香は甘いもので吟醸香風のもの。スッキリとした入り口。酸味が来て、広がりを感じる。含み香は何か発泡感の名残のようなものを感じる。背景に渋みを感じる。後半は辛味系。評価8.0

追記:
人気の而今の限定出荷品。
運がよく通常価格で入手できれば、税込み1650円なのだが、それは無理。
 超人気のプレミアム価格酒である。
楽天では720ml12000円~15000円で販売されている。
中国人ではあるまいし、希少品を買い占めて値段を吊り上げるような事は止めてほしいと思う。



(4)
 獺祭 早田 純米大吟醸 磨き2割3分 製造2020/01 旭酒造 (山口)
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仄かな吟醸香が穏やかに立つ。トロリとした舌触り、味わいのふくらみ、甘さと透明な酸のふくらみが大きくふくらむ。
 透明感がある大きな世界だ。中盤もトロリとした舌触りが続く。中盤以降も味のバランスが良く、味の偏りを感じない。終盤雑味無く、後口の切れが良い。評価9.0


追記:
今日最も興味が湧いたのは獺祭23分だった。
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でも何度か登場している。

獺祭23分のイメージは、過去の記憶に基づいている。
ほっそりとした味わい、上品だが、綺麗すぎて味わいの主張に乏しいというイメージだ。23分まで米を磨く必要はあるのだろうかという素朴な疑問だ。

この印象は、下記の記事に書いている。
2014/12/19
 日本酒の会sake nagoya  12月定例会 (その1)
https://nabanatei.com/blog-entry-2405.html

2014/12/19
 日本酒の会sake nagoya  12月定例会 (その2)
https://nabanatei.com/blog-entry-2406.html

ところが、今日の獺祭23分は、全く違う世界だった。
綺麗さ・切れの良さより膨らみ・豊かさがあった。
全く別のお酒と考えた方が良い印象だった。

「獺祭 早田 純米大吟醸 磨き2割3分」を調べてみてその理由が理解できた。
 旭酒造は、遠心分離法による搾りに見られるように、日本酒の革新のために技術開発の努力を惜しまない蔵だが、この酒にも技術革新が行われていた。

この酒では、火入れの革新が行われていた。
通常の火入れは酒の温度を上げ、酵母を失活させるのだが、温度を上げると風味もその分失われる危険性がある。

そこで、旭酒造は、明治大学の早田教授と共同研究し、二酸化炭素をマイクロバブル化し低い温度で火入れする方法を開発した。

『当商品「獺祭 早田 磨き二割三分」は、二酸化炭素をマイクロバブル化(通常の水で発生する気泡よりも極めて細かい泡にすること)してお酒に加える事で、極力熱を加えず(通常65度くらいのところを約40度で)、かつ、短時間で、フレッシュ感を損なわずに通常の火入れと同等の成果を得ることに成功した商品です。

「早田」という商品名は、上記の加熱処理を旭酒造と共に研究・開発されていた明治大学の故・早田保義教授の名字から頂いたもの。』
(佐野屋
https://www.jizake.com/c/sake/dassai/ns010007c10
より転載)

獺祭23分は、2014年のものとは違う造りになっていた、生まれ変わっていた。

良い酒だが、720ml
11,000円(税込)の価格では、一人で晩酌で飲むには高価過ぎる。
 何かのお祝いの会で皆で楽しむにはピッタリの酒だ。



(5)
 一白水成 MOVING SATURDAY 製造2020/05 福禄寿酒造 (秋田
)
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 甘い立香。酸味の後、辛味が来る。中盤からの切れが良い。残り香に発泡感の名残のようなものを感じる。評価8.0

追記:
一白水成 Moving Saturday 720ml
価格:2,112 円(税込)

Moving Saturday
という銘柄名はゴルフ用語から来ているそうだ。

通常、ゴルフの大会は木曜日~日曜日の4日間かけて開催され、日曜日は最終日に当たる。

土曜日は最終ラウンド前日のせいか、スコアが「Moving」する、つまり乱高下激しくなると言われるそうだ。
土曜日の大荒れという名を冠した予測のつかない酒という意味合い。

ラベル表示はないが、この酒は精米歩合50%の純米大吟醸クラスを使った貴醸酒だそうだ。

貴醸酒は日本酒の三段仕込の最終段階である留で水ではなく日本酒酒を使って造る贅沢な酒だ。
 一般の日本酒よりも甘味が強くトロリとした舌触り、酸度も高くスッキリと切れる後口になる。

利いた印象も、貴醸酒と言われれば、成程と得心が行く。




(6)
 雪の茅舎 山廃 純米大吟醸 製造2019/02 齋彌酒造店 (秋田)
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立香はあまり感じない、癖のある立香ではない。スッキリとした入り口、酸は透明感があり、スピード感を感じる。舌触りはトロリとした印象があるが、中盤以降良く切れる。後口は辛味系。評価8.0

追記:
スペックを見て意外だった、印象は山廃とは思わなかった。山廃らしくない含み香だ。
山廃は味わいは厚く旨味一杯だが含香に癖があるという筆者の今までの山廃のイメージを変える酒だった。

秘伝山廃シリーズの限定酒で、2018101日から6000本限定で蔵出し開始され、初年度は即完売となったそうだ。
二期目は、20191211日から蔵出し開始されたそうなので、この酒の出荷は2019/02となっていることから、初年度の6000本のうちの1本と考えられる。




(7)
 七水 純米吟醸 -55- 夢錦 製造2019/07 虎屋本店 (栃木)
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 入り口は甘いが、すぐ酸味が追い掛ける。含み香が個性的で、説明が難しい香りだがやや気になる。広がり、透明感は少ない。残香も個性的な含み香と同じ香りが残る。評価6.0

追記:
調べてみたが、この酒の造りが特別なことがあるのか判らなかった。
 この蔵は、最近海外の品評会で入賞し、注目されているようだ。
 お酒は嗜好品、個人的な嗜好には合わない印象だったが、合う人も多いから、世の中はよく出来ている。



(8)
 鳳凰美田 別誂至高 大吟醸 原酒 製造2018/04 小林酒造 (栃木)
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 立香はあまり強くなくスッキリとして快い甘さを感じる。甘い入り口、滑らかな舌触り。中盤の味わいは透明感があり、広がりもある。味のバランスも良く、嫌味を感じなく、品位を感じさせる。広がり、ふくらみ、味わいのバランスが良い世界を感じさせる。評価9.0

最初に利いた後、温度が上がって、二度目に飲んだときは、中盤以降少し苦味が浮いた気がした。

追記:
今回の17銘柄で、最初は好みの酒だった。
自虐的に言えば、香り高い典型的吟醸酒好みの酒だ。

兵庫県産特A地区「山田錦」を35%まで磨き、醪日数30日の長期低温醗酵の醪を袋吊り雫搾りにした酒。
斗瓶に採り冷蔵庫で貯蔵した、贅沢な造りで、全国新酒鑑評会出品用に仕込んだ酒らしい。
大吟醸 720ml 5500円(税込み)



(9)
 陸奥八仙 大吟醸  製造(不明) 八戸酒造 (青森)
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立香はあまり感じない。甘い入り口。酸味の後、渋味、苦味が続く。広がりはなく、味が中に集まる味わい。大吟醸というより純米酒の世界に近く、食中酒として適性がありそうだ。評価6.0

追記:
蔵内で約半年間の貯蔵熟成をさせ出荷されるらしい。
720 ml  3,630
円(税込み)価格は晩酌に無理ではない。
だが、鳳凰美田の後に飲むと、大吟醸らしい透明感とか切れは感じない。食中酒なら良いが単独で楽しむには大吟醸らしくはない。



(10)
 
あべ FOMALHAUT Spark Rice Harvest Year 2018 製造2019/07 阿部酒造 (新潟)
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 利き猪口に注ぐと泡立つが、口に含むと発泡感は強くなく穏やかな感じ。甘さとシュワ感の後スッキリと消える。見かけと味わいの印象に違いがある。後口の余韻は発泡感と香り。評価8.0

追記:
シュワッとして消える、後口爽やか、後が良い感じだ。
日本酒というよりワインの印象、日本酒でもこの様な造りができるのと感心した。
誕生会などの祝いの場で乾杯に使うのが適役だ。


長いが酒店の紹介記事を転載する。
『瓶内二次発酵で得られた炭酸ガスをボトルに封じ込めた爽快さと艶やかな甘さが調和した瑞々しさいっぱいの飲み口。香り高くクリーミーな香味を爽やかにお楽しみいただけるスパークリングな「あべ」です。

新潟県で日本酒「あべ」を醸す阿部酒造による数量限定の逸品「フォーマルスパーク」のご紹介です。こちらは、瓶内二次発酵で得られた炭酸ガスをボトルに封じ込めた状態でリリースされた「スパークリング」の日本酒。きめ細かな泡の中で瑞々しく煌く甘さと酸、苦みが調和した味わいを爽やかにお楽しみいただけます。

ガラスに注がれた「フォーマルスパーク」は、微かにイエローを溶け込ませたホワイトシルバーの色調を呈します。にごり成分はきめ細かく、わずかに小さな欠片を浮かばせつつ、くすみなく満遍なく行き渡り、艶やかに溶け込んだエキス分の豊かさと健全さを誇示。差し込んだ照明の光を余すことなく反射する液面は精良なアルコール分が溶け込んでいることを伝えます。

香りにはスミレを想わせる清楚で甘やかな花のようなニュアンス。にごり成分からのスペアミントのような柔らかな清涼感や若草のようなフレッシュな香り、さらには求肥を想わせるしっとりとしたお米感も漂います。蜜のような甘い雰囲気と爽快さをほのめかす香り立ちは、もたらされるであろう瑞々しい味わいをありありと想像させるマウス・ウォータリングっぷりです。

炭酸の泡はごく小さく、舌の上で粒が溶けるような感触。口当たりの爽やかさにちくちくと心地よい刺激を加えます。麹の甘みが表現された味わいは蜜のように艶やかで、炭酸と調和して瑞々しい飲み口を展開。さらに、日本酒「あべ」ならではのメロンを想わせるフレッシュな甘いフレーバーと溶け合ってマイルドな果実感を引き出し、バニラアイスクリームを溶かして混ぜたクリームソーダが思い浮かぶ、クリーミー、且つ、フルーティな味わいを爽やかに楽しませてくれます。

飲み落とすとまろやかな苦みによる柔らかなキレ。後口に消え残る甘みが優しく漂い、バニラを想わせる余韻を繊細にたなびかせます。

艶やかな甘さやにごり成分からの豊かな旨みのクリーミーな舌触り、炭酸による爽快感が調和して引き出された、瑞々しさいっぱいの「フォーマルスパーク」。果実フレーバーが相乗して表現する清涼感と、日本酒「あべ」の火入れのお酒ならではのくっきりとした鮮明感が歯切れよく心地よい香味を楽しませてくれる極上の逸品です。この機会にぜひ、ご体験ください。』
(尾崎商店
http://ozakishouten.com/product/%E3%81%82%E3%81%B9-fomalhaut-sparkling-rice-harvest-year-2018-720ml/
より転載)